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JP2001205768A - 芳香族ポリエステル樹脂系積層フィルム - Google Patents
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JP2001205768A - 芳香族ポリエステル樹脂系積層フィルム - Google Patents

芳香族ポリエステル樹脂系積層フィルム

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JP2001205768A
JP2001205768A JP2000022638A JP2000022638A JP2001205768A JP 2001205768 A JP2001205768 A JP 2001205768A JP 2000022638 A JP2000022638 A JP 2000022638A JP 2000022638 A JP2000022638 A JP 2000022638A JP 2001205768 A JP2001205768 A JP 2001205768A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 優れた生分解性と透明性、および
高い機械的強度を有し、かつ広い温度範囲での低温ヒー
トシール性を有するフィルムを提供すること。 【解決手段】 生分解性を有する芳香族ポリエス
テル樹脂配向フィルムの少なくとも一方の面にヒートシ
ール性を有するアクリル系樹脂層が設けられている積層
フィルムに関する。そのポリエステル樹脂は、芳香族ジ
カルボン酸、脂肪族グリコール、およびスルホン酸金属
塩基を核置換基として有する芳香族ジカルボン酸、それ
に必要に応じて脂肪族ジカルボン酸または脂肪族ヒドロ
キシカルボン酸を加え、それらの成分間で重縮合反応を
行って得られた重合体が望ましい。また、アクリル系樹
脂は、ガラス転移点が0〜70℃であるアクリルモノマ
ーの共重合体が好ましく、その層厚は0.2〜5μmが
適当である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生分解性を有する
芳香族ポリエステル樹脂系積層フィルムに関し、より詳
細には包装資材に適した透明性、機械的強度、低温ヒー
トシール性を備えた生分解性を有する芳香族ポリエステ
ル樹脂系積層フィルムに関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックフィルムの廃棄処理を容易
にする目的で生分解性のあるフィルムが注目され、各種
フィルムが開発されて来ている。その生分解性フィルム
は、土壌中や水中で加水分解や生分解を受け、徐々にフ
ィルムの崩壊や分解が進み、最後には微生物の作用で無
害な分解物へと変化するものである。そのようなフィル
ムとして、ある種の脂肪族系ポリエステル樹脂や芳香族
系ポリエステル樹脂、ポリビニルアルコール、酢酸セル
ロース、デンプン等から成形したフィルムが知られてい
る。
【0003】しかし、それらを現在実際に包装材料とし
て使用されているポリオレフィン系樹脂やポリエステル
系樹脂等のフィルムと比較すると、ポリ乳酸系延伸フィ
ルムを除いてほとんどの生分解性プラスチックフィルム
は、機械的強度や透明性等の点で満足のいくレベル迄に
は到達していない。
【0004】一方、プラスチックフィルムを食品や医薬
品等の包装材料として利用する時には、被包装物の密封
操作のために、フィルムにはヒートシール性が要求され
る。特に、低いシール温度条件で強固なヒートシールが
可能な、いわゆる低温ヒートシール性が要望されてい
る。しかし、現在ほとんどの生分解性プラスチックフィ
ルムからは、良好な透明性と機械的強度を保持し、かつ
優れたヒートシール性、特に低温ヒートシール性を有す
る包装材料の設計を行うことは難しく、そのため広い用
途に使われる包装材料としての用途展開には限りがあ
る。
【0005】一方、従来よりOPPフィルム等のポリオ
レフィン系延伸フィルムの表面にヒートシール性を付与
するために、ポリ塩化ビニリデン系共重合体樹脂やアイ
オノマー系樹脂のコーティング層を設けたフィルムが知
られているが、これらはフィルム基材としてのポリオレ
フィン系樹脂も、またヒートシール性付与樹脂も共に生
分解性を有していない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、生分
解性を有するフィルムであって、包装材料として必要な
優れた透明性と高い機械的強度を有し、かつ優れた低温
ヒートシール性を有するフィルムの提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明は、生分
解性を有する芳香族ポリエステル樹脂配向フィルムの少
なくとも一方の面にヒートシール性を有するアクリル系
樹脂層が設けられている芳香族ポリエステル樹脂系積層
フィルムに関する。
【0008】その芳香族ポリエステル樹脂は、スルホン
酸金属塩基を核置換基として有する芳香族ジカルボン酸
を1共重合成分として含むポリエステルが好ましく、よ
り具体的には、芳香族ジカルボン酸、脂肪族グリコー
ル、およびスルホン酸金属塩基を核置換基として有する
芳香族ジカルボン酸、それに必要に応じて脂肪族ジカル
ボン酸または脂肪族ヒドロキシカルボン酸を加え、それ
らの成分間で重縮合反応を行って得られたポリエステル
が望ましい。
【0009】ポリエステル樹脂の好ましい組成は、芳香
族ジカルボン酸成分に由来する単位が30〜49.9モ
ル%、脂肪族グリコール成分に由来する単位が35〜5
0モル%、スルホン酸金属塩基を核置換基として有する
芳香族ジカルボン酸成分に由来する単位が0.1〜5モ
ル%、および脂肪族ジカルボン酸または脂肪族ヒドロキ
シカルボン酸成分に由来する単位が0〜30モル%(こ
こで、全単位の合計が100モル%になる)である。
【0010】また、アクリル系樹脂は、ヒートシール性
を有するアクリルモノマーの重合体であって、それの持
つガラス転移点が0〜70℃であることが好ましい。特
にメタクリル酸・メチルアクリレート・メチルメタクリ
レート三元共重合体またはメタクリル酸・イソブチルア
クリレート・メチルメタクリレート三元共重合体が望ま
しい。さらに、その層厚は0.2〜5μmであることが
適当である。
【0011】このような積層フィルムは、フィルム全体
として生分解性を有しており、また優れた透明性と機械
的強度に加え、低温ヒートシール性を有していることか
ら、広く包装資材として好適に利用することができる。
【0012】
【発明の具体的説明】本発明に係わる積層フィルムは、
特定の芳香族ポリエステル樹脂基材フィルム層とアクリ
ル系樹脂層とが積層されたフィルムである。次に、その
積層フィルムの構成について詳細に説明する。
【0013】芳香族ポリエステル樹脂 本発明に使用される芳香族ポリエステル樹脂は、生分解
性を有する樹脂であれば、その組成は特に限定されな
い。基本的には、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコー
ルとの重縮合によって形成される芳香族ポリエステル樹
脂であって、生分解性を付与するためにスルホン酸金属
塩基を核置換基として有する芳香族ジカルボン酸を共重
合成分の1種として含むポリエステル樹脂が好ましい。
また、そのフィルムに可撓性、生分解性等の性能を付与
し、また向上させるために、さらに脂肪族ジカルボン酸
または脂肪族ヒドロキシカルボン酸を共重合成分として
加えた多成分系のポリエステル樹脂であってもよい。そ
のような樹脂は、特表平5−507109号公報、特表
平6−505040号公報、特表平6−505513号
公報等に記載されている。
【0014】好適な芳香族ポリエステル樹脂は、芳香族
ジカルボン酸および脂肪族グリコールを主成分にし、そ
れにスルホン酸金属塩基を核置換基として有する芳香族
ジカルボン酸、および脂肪族ジカルボン酸または脂肪族
ヒドロキシカルボン酸を副成分として加え、それらの成
分間で重縮合反応を進行させて得られたポリエステルで
ある。
【0015】芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル
酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などを例示
することができ、またそれらのジアルキルエステルのよ
うにエステル形成能を有する誘導体を使用することもで
きる。それらの内ではテレフタル酸またはジメチルテレ
フタレートの使用が好ましい。また、前記したジカルボ
ン酸を2種類以上組み合わせて使用してもよい。
【0016】脂肪族グリコールとしては、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブチレングリコール等
のアルキレングリコール類を例示することができ、また
それらのオリゴマー、例えばジエチレングリコール、ト
リエチレングリコール、ジプロピレングリコール、さら
に高分子量のポリアルキレングリコール等のポリアルキ
レングリコール類も使用することができる。また、前記
したグリコール類を2種類以上組み合わせて使用しても
よい。ジエチレングリコール等のオリゴマーは、ポリエ
ステル樹脂の機械的物性、加水分解性あるいは生分解性
を適度に調整する効果を有していることから、アルキレ
ングリコール類とポリアルキレングリコール類とを併用
して用いることが好ましい。それらの中で、エチレング
リコールとジエチレングリコールとの併用が望ましい。
【0017】スルホン酸金属塩基を核置換基として有す
る芳香族ジカルボン酸としては、フタル酸、イソフタル
酸等の芳香族ジカルボン酸のベンゼン環にスルホン酸金
属塩基(−SO3M)が置換基として結合した化合物で
ある。金属(M)としては、例えばリチウム、ナトリウ
ム、カリウム等のアルカリ金属、あるいはマグネシウ
ム、カルシウム等のアルカリ土類金属である。好ましい
例として、5−スルホ−イソフタル酸の金属塩、4−ス
ルホ−イソフタル酸の金属塩、4−スルホ−フタル酸の
金属塩を挙げることができる。この成分は、芳香族ポリ
エステル樹脂に加水分解性や生分解性を付与させる目的
で加えられるが、特に5−スルホ−イソフタル酸ナトリ
ウム塩がその効果が高いので好ましい。なお、前記の芳
香族ジカルボン酸は、アルキルエステルになっていても
よく、例えばジメチル-5-スルホイソフタル酸ナトリウ
ム塩の形で使用することができる。
【0018】脂肪族ジカルボン酸としては、アゼライン
酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、グルタル酸等
を例示することができ、また脂肪族ヒドロキシカルボン
酸としては、グリコール酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、カ
プロラクトン等を例示することができる。この脂肪族ジ
カルボン酸または脂肪族ヒドロキシカルボン酸は、芳香
族ポリエステル樹脂のガラス転移点温度を下げ、好適に
は70℃以下に下げ、あるいは樹脂の加水分解性や生分
解性を向上させる目的で共重合成分の1種として加えら
れるものである。
【0019】前記した成分間の重縮合反応は、酸化アン
チモン、酸化ゲルマニウム等の触媒の存在下に200℃
以上の高温かつ減圧下で行うことにより、分子鎖に沿っ
てランダムにそれらの成分に由来する単位が分布した線
状ポリエステル樹脂を得ることができる。
【0020】重縮合したポリエステル樹脂中の各成分に
由来する単位の含有量は、芳香族ジカルボン酸成分に由
来する単位が30〜49.9、好ましくは37〜48.
7モル%、脂肪族グリコール成分に由来する単位が35
〜50、好ましくは40〜49モル%、スルホン酸金属
塩基を核置換基として有する芳香族ジカルボン酸成分に
由来する単位が0.1〜5、好ましくは0.3〜3モル
%、および脂肪族ジカルボン酸または脂肪族ヒドロキシ
カルボン酸成分に由来する単位が0〜30、好ましくは
2〜20モル%である。ここで、全単位の合計が100
モル%になる。
【0021】好適な芳香族ポリエステル樹脂では、テレ
フタル酸成分に由来する単位が30〜49.9、好まし
くは37〜48.7モル%、エチレングリコール成分に
由来する単位が15〜48、好ましくは20〜45モル
%、ジエチレングリコール成分に由来する単位が1〜2
9、好ましくは4〜20モル%、スルホン酸金属塩基を
核置換基として有する芳香族ジカルボン酸成分に由来す
る単位が0.1〜5、好ましくは0.3〜3モル%、お
よび脂肪族ジカルボン酸または脂肪族ヒドロキシカルボ
ン酸成分に由来する単位が0〜30、好ましくは2〜2
0モル%である。ここで、全単位の合計が100モル%
になる。
【0022】本発明で用いる芳香族ポリエステル樹脂
は、その重量平均分子量が、10,000〜500,0
00の範囲が好ましい。また、そのメルトフローレート
は、ASTM D−1238に準拠し、220℃、21
60g荷重下で測定した値が、0.1〜100(g/1
0分)であることが好ましい。分子量およびメルトフロ
ーレートが前記の範囲内にあると、押出成形に適した溶
融粘度を示し、また積層フィルム基材層としての十分な
機械的強度を有する。
【0023】フィルム成形に先立ち、ポリエステル樹脂
には、本発明の目的を損なわない範囲で、他の高分子材
料、可塑剤、滑剤、無機充填剤、酸化防止剤、耐候安定
剤、帯電防止剤、顔料、染料等を添加することができ
る。
【0024】アクリル系樹脂 本発明に使用されるアクリル系樹脂は、ヒートシール性
を有する樹脂であって、アクリルモノマー、すなわち、
アクリル酸、メタクリル酸、およびそれらの誘導体から
なる群から選ばれたモノマーの重合体であって、それは
単独重合体であっても、あるいは共重合体であってもよ
い。共重合体の場合には、アクリルモノマー間の2成分
または3成分以上の重合体の他に、他の不飽和カルボン
酸あるいはその誘導体を共に共重合した重合体であって
もよい。
【0025】アクリル酸およびメタクリル酸誘導体の例
としては、アクリル酸アルキルエステルまたはメタクリ
ル酸アルキルエステルがあり、具体的には、メチルアク
リレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレー
ト、n−ブチルアクリレート、イソブチルアクリレー
ト、tert−ブチルアクリレート、メチルメタクリレ
ート、エチルメタクリレート、プロピルメタクリレー
ト、n−ブチルメタクリレート、イソブチルメタクリレ
ート、tert−ブチルメタクリレート等を挙げること
ができる。またアルキルエステル以外の誘導体として
は、例えば、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−
ヒドロキシエチルメタクリレート等のヒドロキシアルキ
ルエステルを挙げることができる。必要に応じて共重合
される不飽和カルボン酸としては、イタコン酸、マレイ
ン酸、フマル酸等を例示することができる。
【0026】好ましいアクリル系樹脂の例としては、
(a)アルキルアクリレートとアルキルメタクリレート
との共重合体、(b)メタクリル酸またはアクリル酸
と、アルキルアクリレートまたはアルキルメタクリレー
トとの共重合体、(c)メタクリル酸またはアクリル
酸、アルキルアクリレート、およびアルキルメタクリレ
ートとの三成分共重合体等を挙げることができる。
【0027】さらに好ましいアクリル系樹脂の具体例と
しては、メタクリル酸・メチルアクリレート・メチルメ
タクリレート三元共重合体、メタクリル酸・イソブチル
アクリレート・メチルメタクリレート三元共重合体等を
挙げることができる。これらのアクリル系樹脂は、一般
にラジカル重合によって製造することができ、前記した
モノマー類の存在下に乳化重合法、懸濁重合法、または
溶液重合法等の方法を適用することができる。
【0028】そのアクリル系樹脂を構成する前記各成分
の割合は、特に制限されるものではなく、必要な物性、
例えば十分な機械的強度、ヒートシール温度、ヒートシ
ール強度、耐ブロッキング性、生分解性を勘案してモノ
マー成分構成が決められ、また分子量の調整を行えばよ
い。
【0029】本発明で用いるアクリル系樹脂は、そのガ
ラス転移点温度が、0〜70℃、好ましくは10〜60
℃の範囲にあると、低温でかつ広い温度領域でヒートシ
ール性が十分に発揮され、また耐ブロッキング性も良好
であるために望ましい。そのようなアクリル系樹脂を用
いた積層フィルムは、包装作業を容易にし、かつ被包装
物をきちんと保護でき、また後述する実施例に示したよ
うに土壌中での劣化分解が容易に進行する。
【0030】なお、本発明ではヒートシール性を損なわ
ない範囲内で、アクリル系樹脂に他の材料、例えばカル
ナバワックス、マイクロクリスタリンワックス、パラフ
ィンワックス、ポリエチレンワックス等の滑剤、シリ
カ、珪藻土、珪酸カルシウム、ベントナイト、粘土等の
無機微粒子で代表されるアンチブロッキング剤、帯電防
止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、着色剤、その他の添
加剤を適宜添加することができる。
【0031】積層フィルム 本発明に係わる積層フィルムは、特定の芳香族ポリエス
テル樹脂延伸フィルムの少なくとも一方の面にアクリル
系樹脂層を設け、透明性、機械的強度、ヒートシール性
等に優れたフィルムである。
【0032】基材層としての芳香族ポリエステル樹脂延
伸フィルムは、まず前記ポリエステル樹脂のキャストフ
ィルムを成形し、次いで延伸配向処理を施すことによっ
て製造することができる。このキャストフィルムは、ポ
リエステル樹脂を一軸または二軸の押出機に供給し、樹
脂の融点以上の温度で溶融し、T−ダイ等を通してシー
ト状ないしフィルム状に押出し、その後急冷して引き取
ることによって得られる。
【0033】一旦成形したキャストフィルムは、引き続
き一軸または二軸方向に延伸することによって、フィル
ム分子を配向させることができる。延伸操作は、キャス
トフィルムを、樹脂のガラス転移点以上かつ結晶化温度
以下の温度範囲で、一軸延伸法、或いは延伸ロールとテ
ンター式横延伸機を用いる逐次二軸延伸法、または同時
二軸延伸法で行われる。
【0034】延伸条件としては、芳香族ポリエステル樹
脂の組成や未延伸シートの熱履歴によっても異なるが、
例えば、延伸温度40〜100℃、延伸倍率1.5〜
6.0倍で行われる。延伸操作の後、好ましくはフィル
ムを再度熱処理してフィルムにヒートセットを施すが、
熱処理温度は樹脂の結晶化温度以上かつ融点以下の温度
範囲でなされる。
【0035】このようにして製造されたフィルムは、一
軸方向または二軸方向に配向されており、無延伸フィル
ムの持つ脆さが改良されている。そして、ポリプロピレ
ン延伸フィルム、ポリスチレン延伸フィルム、ポリエチ
レンテレフタレート延伸フィルムに近似の優れた物性を
有している。特に二軸配向されていると、高い機械的強
度を示すので、包装材料として好適である。
【0036】また、ヒートセット処理を施すと、ポリマ
ーの分子構造が安定化して結晶化度が増大し、フィルム
の機械的強度を一層向上させることができる。フィルム
の厚さは、5〜300μm、好ましくは10〜200μ
mの範囲にあることが、積層フィルムの基材層として必
要な機械的強度、透明性、生分解性の適度なバランスを
得る上で望ましい。
【0037】なお、ポリエステル樹脂フィルム面にアク
リル系樹脂被膜を積層するに先立ち、両層間の密着・接
着強度を高める目的で、ポリエステル樹脂フィルム面に
コロナ放電処理、フレーム処理、オゾン処理等の表面活
性化処理、あるいはアンカー処理剤を用いたアンカーコ
ーティング処理を施しておくことが望ましい。
【0038】アクリル系樹脂層は、前記芳香族ポリエス
テル樹脂配向フィルムの片面あるいは両面に形成されて
おり、その厚さは、基材層の持つ物性を損なうことなく
必要なヒートシール強度を付与できる程度にできるだけ
薄層であることが好ましく、用いるアクリル系樹脂の種
類あるいは積層フィルムの用途によって調整される。通
常、0.2〜5μm(塗布量に換算して、0.2〜5g
/m2)、好ましくは0.3〜3μm(塗布量に換算し
て、0.3〜3g/m2)の範囲にあることが望まし
い。この薄い被膜層は、それだけの厚さで十分なヒート
シール強度が得られると共に、コーティング層にクラッ
ク等の形成を避けることができ、また基材層になってい
る芳香族ポリエステル樹脂フィルムの持つ優れた透明性
や機械的強度をそのまま維持することができる。
【0039】アクリル系樹脂層は、薄くかつ均一な被膜
を形成するために、コーティング法の採用が適してい
る。アクリル系樹脂は、通常水溶液または水分散液の状
態で製造されることが多いので、そのままの状態でコー
ティングすることが好都合であり、特にエマルジョンで
の直接コーティングが望ましい。所望によりアルコール
等の有機溶剤や柔軟剤等をコーティング液に適宜添加す
ることができる。コーティング液中のアクリル系樹脂の
濃度は、5〜40重量%が好ましい。
【0040】コーティングの方法は、ディッピング法、
ロールコーティング法、スクリーン印刷法、スプレー法
等のいずれの方法をも採用することができ、特にロール
コーティング法は高速度で均一被膜を成形する方法とし
て適している。コーティング工程の後、フィルムは乾燥
工程へと移されるが、水分が蒸発し、透明な被膜層が効
率よく形成される雰囲気になっていればその乾燥方法お
よび条件に特に制限はない。例えば、熱風乾燥機を用
い、乾燥温度は60〜150℃、乾燥時間は5秒〜5分
程度が適当である。
【0041】アクリル系樹脂のコーティング工程と前記
した芳香族ポリエステル樹脂フィルムの延伸工程とは、
いずれを優先して行っても目的とする積層フィルムを得
ることができる。芳香族ポリエステル樹脂フィルムを一
軸ないし二軸に延伸した後にアクリル系樹脂をコーティ
ングする順序をとると、芳香族ポリエステル樹脂フィル
ムの延伸条件を自由に設定できるメリットがある。逆
に、アクルル系樹脂をコーティングしてから延伸操作を
施す順序をとると、コーティング装置を小型化できるメ
リットがある。逐次二軸延伸の場合には、前記芳香族ポ
リエステル樹脂の縦延伸フィルムを一旦成形し、その後
にアクリル系樹脂をコーティングし、最後にフィルムを
横延伸する方法も採用することができる。
【0042】このようにして製造した積層フィルムは、
その用途に応じて、アクリル系樹脂層とは反対側の表面
に、例えばガスバリヤー性を有する生分解性プラスチッ
ク樹脂層や生分解性天然物層を設けてもよい。その際に
は、アンカー処理剤や接着剤を介して接合することがで
きる。また、印刷層を設けてもよい。
【0043】
【実施例】次に本発明を実施例を通して説明するが、本
発明はそれら実施例によって何ら限定されるものではな
い。なお、得られたフィルムの物性評価は、次の試験方
法で行った。 (a) 引張弾性率:JIS K7127に準拠して行
った。 (b) 引張強度(破断点応力、破断点伸び):JIS
K7127に準拠して行った。 (c) 衝撃強度:フィルムインパクト法で行った。1
/2インチ円錐を用い、アクリル系樹脂コーティング面
と反対側面より測定した。
【0044】(d) ヘイズ:JIS K6714に準
拠して行った。アクリル系樹脂コーティング面とは反対
側面より測定した。 (e) ヒートシール強度:熱傾斜シーラーを用い、シ
ール温度を90〜130℃の間で20℃間隔に設定し、
圧力0.1MPa、時間0.5秒の条件でフィルムのア
クリル系樹脂コーティング面同士の貼合せを行った。そ
の後、サンプル幅を30mmにカットし、引張速度30
0mm/分の条件でT型に剥離させ、その強度を測定し
てこれをヒートシール強度とした。 (f) 土壌分解性:フィルムを土壌中に5ケ月間放置
し、フィルムの状態を観察した。
【0045】(実施例1)撹拌機、窒素取り入れ口およ
び蒸留カラムが備わった大型反応槽の中に、所定量のテ
レフタル酸ジメチル、ジメチル5−スルホ−イソフタル
酸ナトリウム、ヒドロキシ酢酸、エチレングリコール、
ジエチレングリコールを加え、触媒として三酸化アンチ
モン、酢酸マンガン、酢酸ナトリウムを用いて縮重合反
応を行った。
【0046】得られた共重合体の組成は、テレフタル酸
45モル%、エチレングリコール37モル%、ジエチレ
ングリコール9モル%、5−スルホ−イソフタル酸ナト
リウム1モル%、ヒドロキシ酢酸8モル%であった。ま
た、その共重合体樹脂の密度は1.35(g/c
3)、融点は200℃、メルトフローレート(220
℃、2160g荷重)は15(g/10分)であった。
【0047】この樹脂をオーブン中で予備乾燥してから
押出機(60mmφ、シリンダー設定温度220℃)中
へ供給して溶融し、押出機先端に設けたTダイからフィ
ルム状に押出した。その後、キャストロールで30℃に
急冷し、最終的に厚さ200μmのシートを作成した。
次に、逐次二軸延伸装置を用いてこのシートをまず60
℃で3倍縦延伸し、次いで70℃で4倍横延伸し、引き
続き180℃で5秒間熱処理(ヒートセット)を行っ
た。さらに、フィルム片面にコロナ放電処理を施して、
厚さ20μmの二軸延伸フィルムを得た。
【0048】次に、メチルメタクリレート50重量%、
イソブチルアクリレート47重量%、およびメタクリル
酸3重量%の組成からなるアクリル系共重合体樹脂10
0重量部に、カルナバワックスを5重量部配合した水分
散体(固形分濃度:20重量%)を準備した。前記の芳
香族ポリエステル樹脂配向フィルムのコロナ放電処理面
側に、アクリル系樹脂水分散体をメイヤーバーを用いて
コーティングした。その後、70℃で20秒間熱風乾燥
炉内で水を蒸発させ、厚さ約1μm(塗布量:1g/m
2)の乾燥被膜を形成させた。この積層フィルムの物性
を調べ、その結果を表1に示した。
【0049】(比較例1)実施例1で製造した厚み20
μmの芳香族ポリエステル樹脂2軸延伸フィルムを、ア
クリル系樹脂等のコーティングを一切施すことなくその
まま用いて、実施例1と同様の物性測定を行った。その
結果を表1に併せて示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】本発明に係わる積層フィルムは、優れた
生分解性を有しているので使用後に容易にその形状が崩
壊し、自然環境の保護に寄与することができる。また、
このフィルムは、優れた透明性、高い機械的強度、およ
び可撓性を備えていることから包装資材として適してお
り、さらに低温かつ広い温度領域でヒートシール性を保
有していることから、幅広い用途、例えば袋や容器等の
製造に使われる包装用フィルムに適切であって、ことに
自動包装機械用資材として好適である。
【0052】従って、本発明に係わる積層フィルムは、
ガム、キャラメル、チョコレート等の菓子箱のオーバー
ラップ包装、カセットテープのオーバーラップ包装、菓
子類の個包装等をはじめとして、このフィルムの持つ低
温ヒートシール性、自動包装性、高速包装性等の特性を
活かして、各種食品、非食品の包装に好適に使用するこ
とができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 武石 一路 茨城県猿島郡総和町北利根9番地 東セロ 株式会社内 Fターム(参考) 4F100 AK25B AK42A BA02 GB15 JA05B JK01 JL12 JL12B JN01 YY00B 4J004 AA10 AB03 CA06 CB03 CC02 CD02 CD03 CD08 CD09 CD10 FA06 GA01 4J029 AA01 AA03 AA05 AB01 AD01 AE03 BA02 BA03 BA08 BF08 BF09 BF10 BF23 BH06 CA02 CA04 CA05 CA06 CB05A CB05B CB06A CB06B CC05A CH02 DB01 DB02 EA02 EA03 EA05 EG09 JA091 JF022 JF032 JF042 JF132 JF142 JF361 JF471 4J040 DF011 DF041 DF051 DF061 DG001 GA05 JA09 JB01 LA02 LA06 LA11 NA06

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】生分解性を有する芳香族ポリエステル樹脂
    配向フィルムの少なくとも一方の面にヒートシール性を
    有するアクリル系樹脂層が設けられていることを特徴と
    する芳香族ポリエステル樹脂系積層フィルム。
  2. 【請求項2】前記の芳香族ポリエステル樹脂が、スルホ
    ン酸金属塩基を核置換基として有する芳香族ジカルボン
    酸を1共重合成分として含むポリエステルであることを
    特徴とする請求項1に記載の芳香族ポリエステル樹脂系
    積層フィルム。
  3. 【請求項3】前記の芳香族ポリエステル樹脂が、芳香族
    ジカルボン酸、脂肪族グリコール、およびスルホン酸金
    属塩基を核置換基として有する芳香族ジカルボン酸、そ
    れに必要に応じて脂肪族ジカルボン酸または脂肪族ヒド
    ロキシカルボン酸を加え、それらの成分間で重縮合反応
    を行って得られるポリエステルであることを特徴とする
    請求項1または2に記載の芳香族ポリエステル樹脂系積
    層フィルム。
  4. 【請求項4】前記の芳香族ジカルボン酸が、テレフタル
    酸であることを特徴とする請求項3に記載の芳香族ポリ
    エステル樹脂系積層フィルム。
  5. 【請求項5】前記の脂肪族グリコールが、アルキレング
    リコールとポリアルキレングリコールとからなることを
    特徴とする請求項3に記載の芳香族ポリエステル樹脂系
    積層フィルム。
  6. 【請求項6】前記のスルホン酸金属塩基を核置換基とし
    て有する芳香族ジカルボン酸が、5−スルホ−イソフタ
    ル酸金属塩、4−スルホ−イソフタル酸金属塩、および
    4−スルホ−フタル酸金属塩からなる群から選ばれる少
    なくとも1種のカルボン酸化合物であることを特徴とす
    る請求項3に記載の芳香族ポリエステル樹脂系積層フィ
    ルム。
  7. 【請求項7】前記の脂肪族カルボン酸が、アゼライン
    酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、およびグルタ
    ル酸からなる群から選ばれる少なくとも1種のカルボン
    酸であることを特徴とする請求項3に記載の芳香族ポリ
    エステル樹脂系積層フィルム。
  8. 【請求項8】前記の脂肪族ヒドロキシカルボン酸が、グ
    リコール酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、カプロラクトンか
    らなる群から選ばれる少なくとも1種の化合物であるこ
    とを特徴とする請求項3に記載の芳香族ポリエステル樹
    脂系積層フィルム。
  9. 【請求項9】前記の芳香族ポリエステル樹脂が、芳香族
    ジカルボン酸成分に由来する単位が30〜49.9モル
    %、脂肪族グリコール成分に由来する単位が35〜50
    モル%、スルホン酸金属塩基を核置換基として有する芳
    香族ジカルボン酸成分に由来する単位が0.1〜5モル
    %および脂肪族ジカルボン酸または脂肪族ヒドロキシカ
    ルボン酸成分に由来する単位が0〜30モル%(ここ
    で、全単位の合計が100モル%になる)であることを
    特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の芳香族ポリ
    エステル樹脂系積層フィルム。
  10. 【請求項10】前記の芳香族ポリエステル樹脂が、テレ
    フタル酸成分に由来する単位が30〜49.9モル%、
    エチレングリコール成分に由来する単位が15〜48モ
    ル%、ジエチレングリコール成分に由来する単位が1〜
    29モル%、5−スルホ−イソフタル酸アルカリ金属塩
    成分に由来する単位が0.1〜5モル%、および脂肪族
    ジカルボン酸または脂肪族ヒドロキシカルボン酸成分に
    由来する単位が0〜30モル%(ここで、全単位の合計
    が100モル%になる)であることを特徴とする請求項
    1〜8のいずれかに記載の芳香族ポリエステル樹脂系積
    層フィルム。
  11. 【請求項11】前記の芳香族ポリエステル樹脂配向フィ
    ルムが、二軸配向されていることを特徴とする請求項1
    〜10のいずれかに記載の芳香族ポリエステル樹脂系積
    層フィルム。
  12. 【請求項12】前記のアクリル系樹脂は、そのガラス転
    移点が0〜70℃であることを特徴とする請求項1〜1
    1のいずれかに記載の芳香族ポリエステル樹脂系積層フ
    ィルム。
  13. 【請求項13】前記のアクリル系樹脂が、アクリル酸、
    メタクリル酸、アルキルアクリレート、およびアルキル
    メタクリレートからなる群から選ばれたモノマー間の共
    重合体であることを特徴とする請求項1〜12のいずれ
    かに記載の芳香族ポリエステル樹脂系積層フィルム。
  14. 【請求項14】前記のアクリル系樹脂が、メタクリル酸
    ・メチルアクリレート・メチルメタクリレート三元共重
    合体またはメタクリル酸・イソブチルアクリレート・メ
    チルメタクリレート三元共重合体であることを特徴とす
    る請求項13に記載の芳香族ポリエステル樹脂系積層フ
    ィルム。
  15. 【請求項15】前記のアクリル系樹脂層は、その厚さが
    0.2〜5μmであることを特徴とする請求項1〜13
    のいずれかに記載の芳香族ポリエステル樹脂系積層フィ
    ルム。
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