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JP2002265260A - 誘電体磁器および積層型電子部品 - Google Patents
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JP2002265260A - 誘電体磁器および積層型電子部品 - Google Patents

誘電体磁器および積層型電子部品

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JP2002265260A
JP2002265260A JP2001063388A JP2001063388A JP2002265260A JP 2002265260 A JP2002265260 A JP 2002265260A JP 2001063388 A JP2001063388 A JP 2001063388A JP 2001063388 A JP2001063388 A JP 2001063388A JP 2002265260 A JP2002265260 A JP 2002265260A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高い比誘電率を持ち、誘電損失が低く、静電容
量の温度特性が良好で、高絶縁抵抗で、高温負荷試験に
おける信頼性を向上し長寿命とすることができる誘電体
磁器および積層型電子部品を提供する。 【解決手段】金属元素として、Ba、Ti、希土類元
素、MgおよびMnを含有するペロブスカイト型複合酸
化物からなる主結晶粒子21と、粒界相25とからなる
誘電体磁器であって、前記粒界相25中に、金属元素お
よびSiを含有する複合酸化物からなる結晶相27を含
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、誘電体磁器および
積層型電子部品に関し、特に、携帯電話など小型、高機
能の電子機器に使用され、極めて薄い誘電体層と内部電
極層を交互に積層して構成される小形大容量の積層セラ
ミックコンデンサに好適に用いられる誘電体磁器および
積層型電子部品に関するものである。
【0002】
【従来技術】近年、電子機器の小型化、高密度化に伴
い、積層型電子部品、例えば、積層セラミックコンデン
サは小型大容量化が求められており、このため誘電体層
の積層数の増加と誘電体層自体の薄層化が図られてい
る。
【0003】このような積層セラミックコンデンサ等の
ための誘電体磁器としては、例えば、特開平10−33
0160号公報に開示されるようなものが知られてい
る。この公報に開示された誘電体磁器は、BaTiO3
にMnOおよびV25を含む主成分粉末に、Li2O、
SiO2、およびBaOからなるガラス成分を添加し、
還元雰囲気中で1200℃、2時間焼成し、酸化性雰囲
気中で600℃の熱処理して形成したことが記載され、
これにより耐還元性を向上させるMn、V等の添加成分
を、結晶粒子の全体にほぼ均一に分布させており、これ
により絶縁破壊電圧を高くできると記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特開平
10−330160号公報に開示される誘電体磁器は、
高温負荷試験における信頼性が低いという問題があっ
た。即ち、近年においては小型高容量化が要求されてい
るが、積層セラミックコンデンサの誘電体層を薄層化す
ると、誘電体磁器の絶縁抵抗の低下が多発し、高温負荷
試験における信頼性が低下するという問題があった。
【0005】従って、本発明は、薄層化しても高温負荷
試験における信頼性を向上できる誘電体磁器および積層
型電子部品を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の誘電体磁器は、
金属元素として、Ba、Ti、希土類元素、Mgおよび
Mnを含有するペロブスカイト型複合酸化物からなる主
結晶粒子と、粒界相とからなる誘電体磁器であって、前
記粒界相中に、希土類元素およびSiを含有する複合酸
化物からなる結晶相を含有するものである。
【0007】このような構成によれば、誘電体磁器にお
いて、誘電特性を向上するための希土類元素が主結晶粒
子間の粒界にSiとともに複合酸化物の形態で存在し、
焼結助剤として作用するとともに、希土類元素とSiを
含有する複合酸化物が比較的高い絶縁抵抗を有するた
め、誘電体磁器の焼結性を高め、誘電特性を向上するこ
とができ、誘電体層を薄層化しても高温負荷試験におけ
る信頼性を向上でき、長寿命とすることができる。
【0008】上記誘電体磁器では、粒界相中に存在する
結晶相がγ−Y2Si27であることが望ましい。Yお
よびSiを含有する複合酸化物が、誘電損失が低く、高
い絶縁抵抗を示すγ−Y2Si27であるため、高温負
荷試験における信頼性を向上できるとともに、誘電体磁
器の比誘電率および誘電損失を高めることができる。
【0009】本発明の積層型電子部品は、上記誘電体磁
器からなる誘電体層と内部電極層とを交互に積層してな
るものである。ここで、誘電体層の厚みが3μm以下で
あることが望ましい。
【0010】本発明の誘電体磁器は上記したように、優
れた特性を有するため、主結晶粒子を微細化して、誘電
体層を薄層化して積層型電子部品を形成したとしても、
誘電特性や絶縁抵抗、および高温負荷試験での信頼性を
向上できる。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の積層型電子部品Aである
積層セラミックコンデンサについて、図1の概略断面図
をもとに詳細に説明する。本発明の積層型電子部品A
は、電子部品本体1の両端部に外部電極3を形成して構
成されている。この外部電極3は、例えば、Cuもしく
はCuとNiの合金ペーストを焼き付けて形成されてい
る。
【0012】電子部品本体1は、内部電極層5と誘電体
層7を交互に積層してなる容量部9の積層方向の両面
に、誘電体層7と同一材料からなる絶縁層11を形成し
て構成されている。また外部電極3の表面には、例え
ば、順にNiメッキ層13、Snメッキ層もしくはSn
−Pb合金メッキ層15が形成されている。
【0013】一方、内部電極層5は導電性ペーストの膜
を焼結させた金属膜からなり、導電性ペーストとして
は、例えば、Ni、Co、Cu等の卑金属が使用されて
いる。また、内部電極層5は卑金属を主成分とし、概略
矩形状の導体膜であり、上から第1層目、第3層目、第
5層目・・・の奇数層の内部電極層5は、その一端がコ
ンデンサ本体1の一方端面に露出しており、上から第2
層目、第4層目、第6層目・・・の内部電極層5は、そ
の一端が電子部品本体1の他方端面に露出している。
尚、外部電極3と内部電極層5は必ずしも同一材料から
構成される必要はない。
【0014】そして、本発明の積層型電子部品Aでは、
図2に示すように、誘電体磁器からなる誘電体層7の主
結晶粒子21は、金属元素としてBa、Ti、希土類元
素、Mg、Mnを含有するBaTiO3系のペロブスカ
イト型複合酸化物から構成されている。主結晶粒子21
間には、例えば、成分としてLiおよびSiを含有する
粒界相25が結晶相27や非晶質相29として存在して
いる。
【0015】Mg、Mnについては、殆どが主結晶粒子
21内に固溶するが、一部粒界に存在し、非晶質相を形
成する場合がある。
【0016】また、この結晶相27は、例えば、γ−Y
2Si27結晶相31(JCPDSNo42−0167
の[2713])や、他のY、Si、Li等を含む化合
物から構成されており、このようなγ−Y2Si27
晶相31の存在は、透過電子顕微鏡(TEM)の微小領
域電子回折像によって確認できる。
【0017】また、このγ−Y2Si27結晶相31中
のYの代わりに、他の希土類元素を用いても同様の複合
酸化物を形成することができるが、γ−Y2Si27
晶相31と同じ結晶構造を持つ複合酸化物を形成する点
から、Y、Dy、およびHoが望ましく、特に、高誘電
率化という点からYが望ましい。
【0018】一方、主結晶粒子21は、いわゆるコアシ
ェル構造ではなく、希土類元素とともに、MgおよびM
nが主結晶粒子21の中央部まで、即ち主結晶粒子21
全体に存在している。特に、希土類元素と、MgやMn
が同じような分布で主結晶粒子21の中央部まで存在す
ることが望ましいが、そのような構造となっていない主
結晶粒子21が存在する場合がある。
【0019】また、主結晶粒子21内における希土類元
素、MgおよびMnの存在量は、主結晶粒子21の中央
部に向けて次第に減少している。これは希土類元素、M
gおよびMnが主結晶粒子の表面から連続的な濃度分布
を持つことを意味しており、一定の濃度勾配でなくても
かまわない。
【0020】このように、主結晶粒子21内に希土類元
素、MgおよびMnが固溶し、また、粒界相25に、例
えば、γ−Y2Si27結晶相31が存在することによ
って、主結晶粒子21内および粒界相25の誘電特性を
高め、且つ高温状態での絶縁抵抗を高めることができ
る。
【0021】尚、希土類元素としては、Y,Sc,C
e,Pr,Nd、Sm,En,Gd,Tb,Dy,H
o,Er,Tm,Yb,La等があげられるが、複合酸
化物の比誘電率が高く、例えば、γ−Re2Si27
結晶構造(Re:希土類元素)を形成しやすいという理
由からY、Dy、Hoが望ましく、これらのうちでもY
が望ましい。
【0022】これらの主結晶粒子21から構成されるシ
ート状の誘電体層1層の厚みは3μm以下とされてい
る。積層型電子部品Aの、例えば、積層セラミックコン
デンサの大容量化に対して、誘電体層を薄層化すること
は効果的な手段であり、近年の小型、高容量の積層セラ
ミックコンデンサを構成するためには、その誘電体層厚
みは1〜3μmが好適である。
【0023】また、主結晶粒子21の平均粒径は高い絶
縁抵抗を有するという理由から1μm以下、誘電体層を
3μm以下とするためには、特には0.1〜0.4μm
の範囲が望ましい。このような厚みが3μm以下の薄い
誘電体層の場合には、厚い誘電体層に対する絶縁抵抗よ
りも高い絶縁抵抗が要求されるが、本発明の誘電体磁器
では、上記したように高い絶縁抵抗を有するため、特に
望ましい。
【0024】本発明の積層型電子部品Aは、先ず、誘電
体層7となるグリーンシートを作製する。このグリーン
シートは、例えば、BaTiO3原料粉末を用いて形成
することができ、主原料のBaTiO3粉の合成法は、
固相法、液相法(シュウ酸塩を経過する方法等)、水熱
合成法等があるが、そのうち粒度分布が狭く、結晶性が
高いという理由から水熱合成法が望ましい。BaTiO
3粉の比表面積は1.7〜6.6(m2/g)が好まし
い。
【0025】そして、本発明の誘電体磁器を作製するに
は、BaTiO3原料粉末として、その表面を希土類元
素、Mg、Mnの混合物で被覆したもの(以下、被覆B
aTiO3粉ということもある)を用いることが重要で
ある。このようなBaTiO3原料粉末の被覆手法とし
ては、固相法、液相法、気相法などがあるが、手法は特
に限定されるものではない。上記のBaTiO3粉39
の表面に形成された被覆層40は、図3に示すように、
希土類元素、Mg、Mnの3種類の元素が混合されてお
り、これらの元素が酸化物の状態で混在した状態となっ
ている。
【0026】また、希土類元素、Mg、Mnによる被覆
量は、BaTiO3粉が100重量部に対して酸化イッ
トリウム(Y23)を0.5〜1.5重量部、酸化マグ
ネシウム(MgO)を0.1〜0.3重量部、炭酸マン
ガン(MnCO3)を0.1〜0.3重量部の割合であ
る。
【0027】グリーンシートの誘電体磁器組成は、この
被覆BaTiO3粉と、Li2OとSiO2を含むガラス
成分(LiとSiのモル比が0.9〜1.2:3.8〜
4.3)を、BaTiO3粉が100重量部に対して
0.5〜2重量部添加して構成されている。
【0028】次に、上記グリーンシートに内部電極ペー
ストを塗布して内部電極パターンを形成し、これを乾燥
させ、この内部電極パターンが形成されたグリーンシー
トを複数枚積層し、熱圧着させる。その後、この積層物
を格子状に切断して、電子部品本体1の成形体を得る。
この電子部品本体1の成形体の両端面には、内部電極パ
ターンの端部が交互に露出している。
【0029】次に、この電子部品本体1の成形体を大気
中で40〜80℃/hの昇温速度で400〜500℃に
て脱バインダー処理を行い、その後、還元雰囲気中で5
00℃からの昇温速度を40〜80℃/hとし、120
0〜1300℃の温度で2〜5時間焼成し、続いて80
〜120℃/hの降温速度で冷却し、大気雰囲気中75
0〜850℃で再酸化処理を行う。
【0030】特に、500℃からの昇温速度を40〜8
0℃/hとし、1270〜1300℃の温度で焼成する
ことにより、被覆された希土類元素、Mg、Mnが、B
aTiO3中により中央部側まで存在するようになると
ともに、希土類元素とSiを含有する複合酸化物を粒界
に存在させることができる。
【0031】即ち、粒界相25に生成するγ−Y2Si2
7結晶相31は、BaTiO3粉39に、希土類元素、
Mg、Mnの3種類の元素を同時に湿式法により化学的
に被覆し、この被覆BaTiO3粉に対して、Li2Oと
SiO2とを含むガラス成分を混合し、この誘電体磁器
を還元雰囲気中で500℃から焼結温度までの昇温速度
を40〜80℃/hとし、1200〜1300℃の温度
で2〜5時間焼結し、続いて80〜120℃/hの降温
速度で冷却することによって生成させることができる。
【0032】これはBaTiO3粉39の表面に希土類
元素、MgおよびMnを被覆しているため、これらの希
土類元素、MgおよびMnのBaTiO3粉末へ固溶し
易くなり、BaTiO3内部まで全体に存在するように
なるが、そのうちMgおよびMnが優先的にBaTiO
3粉末へ固溶していくため、被覆している希土類元素の
うち一部がBaTiO3粉末に固溶しきれず、粒界に取
り残され、上記したような、500℃から焼結温度まで
の昇温速度を従来よりも低い40〜80℃/hとするこ
とにより、ガラス成分として添加したSiO2と反応
し、希土類元素とSiとの複合酸化物、例えばγ−Y2
Si27結晶相31が生成すると考えている。
【0033】即ち、希土類元素のみを被覆したBaTi
3粉末を用いた場合、添加されたMgおよびMnより
も、希土類元素のBaTiO3への固溶が促進され、た
とえ、上記したような製法を採用したとしても、希土類
元素とSiとの複合酸化物は生成されず、また、BaT
iO3粉末の表面に希土類元素、MgおよびMnを被覆
せず、添加した場合には、いわゆるコアシェル構造とな
り、希土類元素およびMgが主結晶粒子21の外周部に
主として存在し、希土類元素、MgおよびMnが主結晶
粒子21全体に存在することはない。
【0034】この後、焼成したコンデンサ本体の両端面
に、外部電極用ペーストを塗布して窒素中で焼き付ける
ことによって外部電極3を形成する。さらに外部電極3
の表面を脱脂、酸洗浄、純水を用いた水洗を行った後、
バレル方式により、メッキを行う。
【0035】本発明では金属元素として、Ba、Ti、
希土類元素、MgおよびMnを含有するペロブスカイト
型複合酸化物からなる主結晶粒子21と、粒界相25と
からなる誘電体磁器であって、前記誘電体磁器の結晶粒
界に、高い絶縁抵抗を有するγ−Y2Si27結晶相3
1が存在することにより、厚みを3μm以下としても高
温負荷試験における信頼性を向上し、長寿命とすること
ができる。
【0036】
【実施例】積層型電子部品の一つである積層セラミック
コンデンサを以下のようにして作製した。まず、誘電体
素材料として、比表面積が3.2(m2/g)となるB
aTiO3粉末を用い、BaTiO3100重量部に対し
て、MgOを0.2重量部、MnCO3を0.1重量部
と、表1に示す割合の、Y23、Dy23、およびHo
23のうちのいずれか1種類とを、Mg、Mn、Y等が
混在した状態で存在するように被覆し、この被覆BaT
iO3粉と、Li2OとSiO2とからなるガラス成分
(LiとSiのモル比が1:4)を、被覆BaTiO3
粉100重量部に対して1重量部添加した原料粉末を、
直径5mmのZrO2ボールを用いたボールミルにて湿
式粉砕することにより、調製した。
【0037】次に、この粉末に有機バインダを混合して
スラリーを調製し、ドクターブレードによりグリーンシ
ートを作製した。その厚みは2.3μmである。
【0038】次にこのグリーンシート上に、内部電極ペ
ーストをスクリーン印刷した。
【0039】次に、内部電極ペーストを印刷したグリー
ンシートを100枚積層し、その上下面に、内部電極ペ
ーストを印刷していないグリーンシートをそれぞれ20
枚積層し、プレス機を用いて一体化し、積層体を得た。
【0040】この後、積層体を格子状に切断して、2.
3mm×1.5mm×1.5mmの電子部品本体1の成
形体を作製した。
【0041】次に、この電子部品本体1の成形体を50
℃/hの昇温速度で大気中で500℃にて脱バインダー
処理を行い、500℃からの昇温速度が50℃/hの昇
温速度で、1200℃〜1300℃(酸素分圧10-11
atm)で2時間焼成し、続いて100℃/hの降温速
度で800℃まで冷却し、大気雰囲気中800℃で4時
間再酸化処理をし、200℃/hの降温速度で冷却し、
電子部品本体1を作製した。この内部電極層5の有効面
積は2.1mm2であった。また、誘電体層7の厚みは
2.0μmであった。
【0042】比較例として、特開平10−330160
公報に開示されている組成物のグリーンシートも作製し
た。まずBaCO3とTiO2とMnOを1200℃で仮
焼して、Ba1.00(Ti0.999Mn0.001)O3の主成分を
作製した。そしてこの主成分100モル部に対して、M
nOを0.1モル部とMgOを0.3モル部とDy23
を1.0モル部を加え、さらにこれらの混合物100重
量部に対して、Li2OとSiO2とBaOからなる低融
点ガラス成分(それぞれ20モル%、60モル%、20
モル%)を1重量部加えた組成物を1000℃で仮焼し
て、原料粉末を、調製し、グリーンシートを作製し、表
1のNo.6に記載した。
【0043】この試料No.6については、500℃か
ら焼結温度1200℃までの昇温速度を、一般的な昇温
速度300℃/hとし、100℃/hの降温速度で80
0℃まで冷却し、還元雰囲気中、600℃で0.5時間
熱処理して、電子部品本体1を作製した。
【0044】次に、焼成した電子部品本体1をバレル研
磨した後、電子部品本体1の両端部にCu粉末とガラス
を含んだ外部電極ペーストを塗布し、850℃、窒素中
で焼き付けを行い外部電極3を形成した。その後、電解
バレル機を用いて、この外部電極3の表面に、順にNi
メッキおよびSnメッキを行い、積層セラミックコンデ
ンサを作製した。
【0045】次に、これらの積層セラミックコンデンサ
の比誘電率、絶縁破壊電圧、静電容量の温度特性及び高
温負荷の測定を行った。比誘電率及び静電容量の温度特
性は周波数1.0kHz、測定電圧0.5Vrmsの測
定条件で、また絶縁破壊電圧は、リーク電流が0.5A
に達したときの電圧を測定した。また、高温負荷試験
は、温度85℃、電圧は9.5Vの条件で行った。ま
た、比誘電率は、静電容量と内部電極層5の有効面積、
誘電体層7の厚みから算出した。比誘電率は、4000
未満では、積層セラミックコンデンサの小型大容量化が
達成できないため、4000以上を良とした。
【0046】静電容量の温度特性が温度−25℃〜85
℃で、20℃の静電容量を基準として、その温度に対す
る温度変化率が±10%以内に入る即ち、JISに規定
されているBおよびF特性を満足する場合を良(適合)
とした。
【0047】絶縁破壊電圧は、60V以下では、高温負
荷試験で不良が発生する為、60V以上を良とした。高
温負荷試験は、試験数100個を1000時間行った。
結果を表1に記載する。
【0048】尚、誘電体層7中の粒界相25の評価は透
過電子顕微鏡観察と微小領域電子線回折法により行っ
た。
【0049】
【表1】
【0050】先ず、透過電子顕微鏡観察と微小領域電子
線回折により、粒界相の確認したところ、本発明の被覆
BaTiO3粉を用いて形成した試料No.1〜5に
は、金属元素として、Ba、Ti、希土類元素、Mgお
よびMnを含有する主結晶粒子21と、γ−Y2Si2
7結晶相31を含む粒界相25が存在し、主結晶粒子2
1全体に希土類元素、Mg、Mnが存在していた。一
方、被覆BaTiO3粉を用いなかった試料No.6で
は、粒界相中にγ−Y2Si27結晶相31が存在しな
かった。
【0051】そして、表1の結果から明らかなように、
本発明の、粒界相25にγ−Y2Si27結晶相31を
含む試料No.1〜5では、比誘電率が4100以上、
絶縁破壊電圧が60V以上で、静電容量の温度特性がB
およびF特性を満足し、高温負荷試験での不良が殆ど無
く信頼性が高かった。
【0052】また、比較例の試料No.6では、いわゆ
るコアシェル構造を有しているが、希土類元素が主結晶
粒子の外周部に偏在しており、粒界相に希土類元素およ
びSiを含有する複合酸化物が存在しておらず、高温放
置試験において不良が発生した。
【0053】高温負荷寿命は、誘電体層7を薄層化する
際に特に重要となるものである。試験条件の如何に関わ
らず、本発明の実施例は比較例よりも高い信頼性を有す
ることが分かった。
【0054】
【発明の効果】以上のように構成された誘電体磁器で
は、金属元素として、Ba、Ti、希土類元素、Mgお
よびMnを含有するペロブスカイト型複合酸化物からな
る主結晶粒子と、粒界相とからなる誘電体磁器であっ
て、前記粒界相が、希土類元素およびSiとを含有する
複合酸化物からなる結晶相として構成され、特に、結晶
相として、γ−Y2Si27が存在することにより、誘
電特性を高め、高温負荷試験における信頼性を向上し、
長寿命とすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の積層型電子部品の概略断面図である。
【図2】図1の誘電体磁器を拡大して示す模式図であ
る。
【図3】本発明の積層型電子部品を製造するための被覆
BaTiO3粉を示す断面模式図である。
【符号の説明】
A 積層型電子部品 5 内部電極層 7 誘電体層 21 主結晶粒子 25 粒界相 27 結晶相 29 非晶質相 31 γ−Y2Si27結晶相
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4G031 AA01 AA03 AA06 AA07 AA08 AA11 AA19 AA30 AA39 BA09 CA03 CA05 CA08 5E001 AB03 AE02 AE03 AH01 AH09 AJ01 AJ02 5E082 AA01 AB03 BB07 EE23 FG26 FG46

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】金属元素として、Ba、Ti、希土類元
    素、MgおよびMnを含有するペロブスカイト型複合酸
    化物からなる主結晶粒子と、粒界相とからなる誘電体磁
    器であって、前記粒界相中に、希土類元素およびSiを
    含有する複合酸化物からなる結晶相を含有することを特
    徴とする誘電体磁器。
  2. 【請求項2】粒界相中に存在する結晶相がγ−Y2Si2
    7であることを特徴とする請求項1記載の誘電体磁
    器。
  3. 【請求項3】請求項1または2記載の誘電体磁器からな
    る誘電体層と内部電極層とを交互に積層してなることを
    特徴とする積層型電子部品。
  4. 【請求項4】誘電体層の厚みが3μm以下であることを
    特徴とする請求項3記載の積層型電子部品。
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