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JP2005069094A - 回転式圧縮機 - Google Patents
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JP2005069094A - 回転式圧縮機 - Google Patents

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Abstract

【課題】 ピストンとシリンダ室の内周面との隙間を縮小可能な回転式圧縮機の構造を簡素化する。
【解決手段】回転式圧縮機のピストン(28a)の外周面と、このピストン(28a)に係合された駆動軸(33)の偏心部(33a)の外周面との間に空隙部(34)を設け、ピストン(28a)を偏心部(33a)に対して可動に構成し、シリンダ室(25)内の吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)との差圧により、上記ピストン(28a)をシリンダ室(25)の内周面に押動させるようにする。
【選択図】図2

Description

本発明は、回転式圧縮機に係り、特にピストンとシリンダとの組み合わせにより被処理ガスの圧縮を行う回転式圧縮機に関するものである。
従来、冷媒回路の冷媒などの圧縮を行う圧縮機として、回転式圧縮機がある。この回転式圧縮機は、シリンダ室を有するシリンダと、シリンダ室に収納されたピストンとを備えている。このシリンダ室は低圧側の吸入側空間と、高圧側の吐出側空間とに区画されている。そして、ピストンがシリンダ室の内周面に実質的に接しながら公転することで、シリンダ室内の容積が変動し、被処理ガスの圧縮を行う。この回転式圧縮機は、他方式の圧縮機と比べてコンパクトかつ低コストであるという点で優れている。
一方、この回転式圧縮機において、ピストンの外周面とシリンダ室の内周面とは厳密には接触せず、わずかな隙間が形成されている。このため、この隙間を通じて被処理ガスが吐出側空間から吸入側空間へ漏洩し、被処理ガスの圧縮効率が低下するという問題があった。そこで、この隙間を縮小して被処理ガスの漏洩を抑制し、回転式圧縮機の圧縮効率を向上させることが望まれていた。
この課題を解決する回転式圧縮機として、例えば、上記隙間を縮小可能なクランク機構を備えた回転式圧縮機がある。この回転式圧縮機は、上記クランク機構により、ピストンをシリンダ室の内周面へ押動することができる。このため、圧縮機の運転時における上記隙間を縮小することができ、被処理ガスの漏洩を防ぐことができる(特許文献1参照)。
特開平6−288358号公報
しかしながら、上述の従来技術に記載されている回転式圧縮機においては、ピストンとシリンダ室の内周面の隙間は縮小されるものの、上記クランク機構などの部品数が多く、装置構造が複雑となるため、低コストであるという回転式圧縮機の元来の長所が損なわれてしまう。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ピストンとシリンダ室の内周面との隙間を縮小可能な回転式圧縮機の構造を簡素化することである。
本発明は、回転式圧縮機のピストン(28a)の外周面と、このピストン(28a)に係合された駆動軸(33)の偏心部(33a)の外周面との間に空隙部(34)を設け、ピストン(28a)を偏心部(33a)に対して可動に構成し、シリンダ室(25)内の吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)との差圧により、上記ピストン(28a)をシリンダ室(25)の内周面に押動させるようにしたものである。
具体的に、第1の発明は、シリンダ室(25)を有するシリンダ(19)と、上記シリンダ室(25)内で回転する駆動軸(33)に形成された偏心部(33a)と、上記偏心部(33a)に係合して所定の周回軌道上を旋回することにより、シリンダ室(25)の内周面との接点位置(60)を変化させながら公転するピストン(28a)と、上記シリンダ室(25)と上記ピストン(28a)との間の空間を吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)とに区画する仕切手段(28b)とを備えた回転式圧縮機を前提としている。そして、この回転式圧縮機は、上記ピストン(28a)の内周面と上記偏心部(33a)の外周面との間に空隙部(34)が形成され、上記空隙部(34)は、上記吸入側空間(25a)と上記吐出側空間(25b)との差圧により、上記ピストン(28a)を所定の角度範囲において、上記シリンダ室(25)の内周面側に対して接点位置(60)の方向へ押動可能な位置に形成されていることを特徴とするものである。なお、ここでいう「接点位置」は、シリンダ室(25)の内周面とピストン(28a)の外周面とが実際に接していることを表す用語ではなく、両者がわずかな隙間をもって近接する位置のことを言う。
上記第1の発明では、ピストン(28a)とシリンダ室(25a)の内周面との接点位置(60)に形成されるわずかな隙間を縮小するために、ピストン(28a)の内周面と偏心部(33a)の外周面との間に空隙部(34)を形成している。この空隙部(34)によって、上記隙間が縮小されるまでのピストン(28a)の動作について説明する。
ピストン(28a)は、シリンダ室(25a)の内周面を実質的には接触しながら公転するものの、実際には、上記ピストン(28a)が、シリンダ室(25a)との接点位置(60)にわずかな隙間を保ちながら公転している。また、シリンダ室(25)とピストン(28a)との間の空間は、仕切手段(28b)によって吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)とに区画されており、両空間(25a,25b)の間には差圧が発生する。ここで、この差圧が上記接点位置(60)の方向に作用する際には、ピストン(28a)には、このピストン(28a)を接点位置(60)の方向に押し出そうとする力が作用する。
ところで、従来の回転式圧縮機では、偏心部とピストンとが密に嵌合しているため、ピストンは所定の周回軌道上を旋回する以外の動作が禁止されている。このため、上記接点位置方向への圧力がピストンに作用しても、このピストンの接点位置方向への移動は、偏心部によって禁止された状態となっている。
一方、本発明においては、ピストン(28a)の内周面と偏心部(33a)の外周面との間に空隙部(34)が形成されているため、この空隙部(34)の範囲内で、ピストン(28a)がわずかに可動な状態となっている。また、この空隙部(34)は、ピストン(28a)が所定の角度範囲となり、上記差圧が上記接点位置(60)の方向へ作用する際には、ピストン(28a)をシリンダ室(25)の内周面側(接点位置(60)において隙間が形成されている側)へ押動可能な位置に形成されている。したがって、ピストン(28a)はこの差圧によりシリンダ室(25)の内周面側へ押し出され、接点位置(60)における隙間を縮小させることができる。
第2の発明は、シリンダ室(25)を有するシリンダ(19)と、上記シリンダ室(25)内で回転する駆動軸(33)に形成された偏心部(33a)と、上記偏心部(33a)に係合して所定の周回軌道上を旋回することにより、シリンダ室(25)の内周面との接点位置(60)を変化させながら公転するピストン(28a)と、上記シリンダ室(25)と上記ピストン(28a)との間の空間を吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)とに区画する仕切手段(28b)とを備えた回転式圧縮機を前提としている。そして、この回転式圧縮機は、上記ピストン(28a)の内周面と上記偏心部(33a)の外周面との間に空隙部(34)が形成され、上記シリンダ室(25)内には、上記空隙部(34)と吸入側空間(25a)とが連通するわずかな間隙(38)が形成され、上記空隙部(34)には、吸入側空間(25a)の圧力よりも高圧の潤滑油(37)が供給され、上記空隙部(34)は、上記潤滑油(37)が該空隙部(34)より上記間隙(38)を通って吸入側空間(25a)へ流れることで、上記ピストン(28a)を所定の角度範囲において、上記シリンダ室(25)の内周面側に対して接点位置(60)の方向へ押動可能な位置に形成されていることを特徴とするものである。
上記第2の発明では、ピストン(28a)の内周面と偏心部(33a)の外周面との間の空隙部(34)に、吸入側空間(25a)の圧力よりも高圧の潤滑油(37)を常時供給している。ここで、この空隙部(34)には、吸入側空間(25a)と連通するわずかな間隙(38)が形成されているため、供給された潤滑油(37)は、この吸入側空間(25a)の方向へ流出する。そして、この潤滑油(37)の流出に伴い、ピストン(28a)には、空隙部(34)より吸入側空間(25a)への圧力が生じ、この圧力の抵抗によって、ピストン(28a)を吸入側空間(25a)方向へ押動する力が作用する。ここで、ピストン(28a)が所定の角度範囲となり、潤滑油(37)の流出に伴い生じる圧力が、接点位置(60)の方向と同一となる際に、上記空隙部(34)がピストン(28a)をシリンダ室(25)の内周面側に形成されている接点位置(60)へ押動可能な位置に形成されている。したがって、ピストン(28a)は、この潤滑油(37)の流出に伴う圧力により、シリンダ室(25)の内周面側へ押し出され、接点位置(60)における隙間を縮小させることができる。
第3の発明は、第2の発明の回転式圧縮機において、上記空隙部(34)は、上記吸入側空間(25a)と上記吐出側空間(25b)との差圧により、上記ピストン(28a)を所定の角度範囲において、上記シリンダ室(25)の内周面側に対して接点位置(60)の方向へ押動可能な位置に形成されていることを特徴とするものである。
上記第3の発明では、空隙部(34)が、潤滑油(37)の流出に生じる圧力と、第1の発明で述べた吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)との差圧によって作用する圧力の双方によって、ピストン(28a)をシリンダ室(25)の内周面側に対して接点位置(60)の方向へ押動可能な位置に形成されている。したがって、ピストン(28a)は、上記潤滑油(37)の流出に伴い生じる圧力と、吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)との差圧によって生じる圧力の双方によって、シリンダ室(25)の内周面側へ押し出される。このため、上記接点位置(60)における隙間をさらに縮小させることができる。
第4の発明は、第1から第3の発明のいずれか1の発明の回転式圧縮機において、ピストン(28a)の内周面が、正円形状に形成され、偏心部(33a)の外周面の一部が、上記ピストン(28a)の内周面よりも小径となるように形成されていることを特徴とするものである。
上記第4の発明では、正円形状のピストン(28a)の内周面と、このピストン(28a)の内周面より一部が小径となる偏心部(33a)の外周面によって、上記空隙を形成している。ここで、「ピストン(28a)の内周面より一部が小径となる偏心部(33a)の外周面」とは、偏心部(33a)の径寸法の一部が、正円形状のピストン(28a)の内周面の径寸法よりも短いことを意味している。
この構成において、正円形状のピストン(28a)の内周面に、偏心部(33a)の外周面の一部が嵌合する状態となっている。このため、偏心部(33a)の駆動時には、ピストン(28a)の内周面の一部と偏心部(33a)の外周面の一部とが、常に内接するようにしてシリンダ室(25)内を公転する。したがって、ピストン(28a)の公転を円滑にしながら、ピストン(28a)の外周面とシリンダ室(25)の内周面との隙間を縮小することができる。
本発明では、以下の効果が発揮される。
第1の発明によれば、ピストン(28a)と偏心部(33a)との間に、空隙部(34)を形成しているため、吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)との差圧が、接点位置(60)の方向へ作用すると、この空隙部(34)によって可動な状態であるピストン(28a)は、接点位置(60)の方向へ押動される。よって、この接点位置(60)における隙間を縮小させることができる。この接点位置(60)における隙間が縮小されると、吐出側空間(25b)で高圧となった被処理ガスが、吸入側空間(25a)へ漏れ込むことを抑制できる。したがって、回転式圧縮機の圧縮効率を向上させることができる。
また、このような隙間の縮小効果は、従来の一般的な回転式圧縮機において、この偏心部とピストンとの間に空隙部を形成するだけで達成できる。すなわち、シンプルな装置構造で回転式圧縮機の圧縮効率を向上させることができる。
第2の発明によれば、潤滑油(37)が間隙(38)へ流出する際に生じる圧力が、接点位置(60)の方向へ作用すると、空隙部(34)によって可動な状態であるピストン(28a)は、接点位置(60)の方向へ押動される。よって、接点位置(60)における隙間を縮小させることができる。したがって、吐出側空間(25b)より吸入側空間(25a)への被処理ガスの漏れ込みを抑制でき、回転式圧縮機の圧縮効率を向上させることができる。
第3の発明によれば、吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)の差圧と、高圧の潤滑油(37)の吐出圧の双方によって、ピストン(28a)を接点位置(60)の方向へ押動するように空隙部(34)を形成している。したがって、接点位置(60)における隙間をさらに縮小することができ、吐出側空間(25b)より吸入側空間(25a)への被処理ガスの漏れ込みもさらに確実に抑制することができる。このため、回転式圧縮機の圧縮効率もさらに向上させることができる。
第4の発明によれば、ピストン(28a)の内周面を正円形状としているため、偏心部(33a)が回転して、ピストン(28a)を公転させる際に、このピストン(28a)の公転を円滑化させることができる。また、偏心部(33a)は、ピストン(28a)の内周面に一部が嵌合する状態となっている。したがって、ピストン(28a)が公転する際に、偏心部(33a)の外周面の一部とピストン(28a)の内周面の一部とが内接することとなり、ピストン(28a)の公転をさらに円滑化させることができる。
また、この構成において、空隙部(34)を形成するためには、例えば円形の偏心部(33a)の一部を削り込んで加工すればよい。この削り込んだ部分は、例えばピストン(28a)と嵌合して内接する偏心部(33a)の嵌合部と比較すると、高い機械精度を必要としない。このため、偏心部(33a)の加工を簡便に行うことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
本実施形態に係る回転式圧縮機(1)は、図1及び図2に示すような、いわゆるスイング型の圧縮機である。この回転式圧縮機(1)は、ドーム型のケーシング(10)内に、圧縮機構(20)と、圧縮機モータ(30)とが収納され、全密閉型に構成されている。上記回転式圧縮機(1)は、例えば空気調和装置の冷媒回路の圧縮行程に用いられる。
ケーシング(10)は、円筒状の胴部(11)と、この胴部(11)の上下にそれぞれ設けられた鏡板(12,13)とによって構成されている。胴部(11)には、下方寄りの位置に、この胴部(11)を貫通する吸入管(14)が設けられている。一方、上部の鏡板(12)には、ケーシング(10)の内外を連通する吐出管(15)と、図示しない外部電源に接続されて圧縮機モータ(30)に電力を供給するターミナル(16)とが設けられている。
圧縮機構(20)は、シリンダ(19)と、このシリンダ(19)のシリンダ室(25)に収納された揺動ピストン(28)とを備えており、ケーシング(10)内の下部側に配置されている。シリンダ(19)は、上下方向に延びる円筒状のシリンダ部(21)と、このシリンダ部(21)の上部開口を閉塞するフロントヘッド(22)と、このシリンダ部(21)の下部開口を閉塞するリヤヘッド(23)とで構成されている。そして、シリンダ部(21)の内周面と、フロントヘッド(22)の下端面と、リヤヘッド(23)の上端面との間に、円柱状のシリンダ室(25)が形成されている。
圧縮機モータ(30)は、ステータ(31)とロータ(32)とを備えている。ステータ(31)は、圧縮機構(30)の上方でケーシング(10)の胴部(11)に固定されている。
ロータ(32)には駆動軸(33)が連結されている。駆動軸(33)は、シリンダ室(25)の上下方向に貫通されている。フロントヘッド(22)とリヤヘッド(23)には、駆動軸(33)を支持するための軸受部(22a,23a)がそれぞれ形成されている。そして、ロータ(32)と共に駆動軸(33)が回転する。また、駆動軸(33)には、その軸方向に縦貫する図示しない給油路が設けられている。さらに、駆動軸(33)の下端部には、油ポンプ(36)が設けられている。そして、ケーシング(10)内の底部に貯留されている油は、この油ポンプ(36)によって上記給油路内を流通して圧縮機構(20)のシリンダ室(25)内へ供給される。
駆動軸(33)には、シリンダ室(25)の中央に位置する部分に偏心部(33a)が形成されている。この偏心部(33a)は、駆動軸(33)よりも大径に形成され、駆動軸(33)の軸心から所定の間隔偏心している。
揺動ピストン(28)は、ピストン本体(ピストン)(28a)と、このピストン本体(28a)の外周面の一箇所から径方向外側に突出して延びるブレード(仕切手段)(28b)とが一体的に形成されている。なお、揺動ピストン(28)のピストン本体(28a)とブレード(28b)とは、一体形成するか、または別部材を一体的に固着して構成されている。ピストン本体(28a)の内周面は正円形状をしており、このピストン本体(28a)の内周面に、上記偏心部(33a)が挿入されている。また、本発明の特徴として、図2に示すように、ピストン本体(28a)に挿入されている偏心部(33a)は、略半分がピストン本体(28a)の内周面より小径の湾曲した形状をしている。そして、例えば図2に示すような揺動ピストン(28)の位置において、ピストン本体(28a)の内周面と偏心部(33a)の外周面との間には、ピストン本体(28a)よりブレード(28b)が突出する側に空隙部(34)が形成されている。さらに、この空隙部(34)及びピストン本体(28a)の内周面には、ピストン本体(28a)内における偏心部(33a)の回転を円滑にするための潤滑油(37)が高圧状態で常時供給されている。この潤滑油(37)は、ピストン本体(28a)の内周面からシリンダ室(25)内へわずかに形成された間隙(38)を介して、シリンダ室(25)内へ流出する。そして、この潤滑油(37)は、後述するシリンダ室(25)内のピストン本体(28a)の回転を円滑化させる役割も果たしている。
シリンダ部(21)には、駆動軸(33)の軸方向に延びる断面円形状のブッシュ孔(21b)が貫通形成されている。ブッシュ孔(21b)は、シリンダ部(21)の内周面側に形成され、かつ周方向の一部分がシリンダ室(25)と連通するように形成されている。また、ブッシュ孔(21b)の内部には、断面が略半円形状の一対のブッシュ(51,52)が挿入されている。そして、揺動ピストン(28)のブレード(28b)は、ブッシュ(51,52)を介してシリンダ(19)のブッシュ孔(21b)に挿入されている。
一対のブッシュ(51,52)は、フラットな面同士が対向するように配置されている。そして、この一対のブッシュ(51,52)の対向面の間のスペースがブレード溝(29)として形成されている。このブレード溝(29)には、揺動ピストン(28)のブレード(28b)が挿入されている。一対のブッシュ(51,52)は、ブレード溝(29)にブレード(28b)を挟んだ状態で、ブレード(28b)がブレード溝(29)を進退自在となるように構成されている。同時に、ブッシュ(51,52)は、ブレード(28b)と一体的にブッシュ孔(21b)の中で揺動するように構成されている。また、シリンダ部(21)には、ブレード(28b)の先端を収容するためのブッシュ背部室(50)が、ブッシュ孔(21b)の軸方向に沿って延びるように形成されている。このブッシュ背部室(50)は、ブッシュ孔(21b)よりも径方向外側に設けられ、かつブッシュ孔(21b)に連通するように形成されている。
以上の構成により、駆動軸(33)が回転すると、揺動ピストン(28)は、ブレード溝(29)内を進退するブレード(28b)の一点(ブッシュ孔(21b)の軸心に対応した一点)を軸心として揺動する。この揺動により、ピストン本体(28a)の外周面とシリンダ室(25)の内周面とが最も近接する接点位置(60)が、図2中の時計回り方向へ移動する。したがって、ピストン本体(28a)は自転することなく、シリンダ室(25)の外周面に沿って公転する。なお、このピストン本体(28a)の公転時において、ピストン本体(28a)とシリンダ室(25)の内周面との接点位置(60)には、薄い油膜が形成される程のわずかな隙間が形成されている。
また、ブレード(28b)は、シリンダ室(25)を吸入側空間(25a)と圧縮側空間(25b)とに区画している。シリンダ部(21)には、上記吸入側空間(25a)と連通する吸入口(41)が形成されている。吸入口(41)は、シリンダ部(21)をその径方向に貫通しており、一端が吸入室(25a)内に臨むように開口している。一方、吸入口(41)の他端には、吸入管(14)の端部が接続されている。また、フロントヘッド(22)には吐出口(42)が駆動軸(33)の軸方向に貫通形成されている。さらに、シリンダ部(21)の内周面には、吐出口(42)と同じく駆動軸(33)の軸方向に延びる溝状の吐出路(43)が、吐出口(42)に連通して形成されている。
なお、フロントヘッド(22)の上面には、切り欠き凹部(45)が形成されている。この切り欠き凹部(45)は略長円形状に形成され、この切り欠き凹部(45)には、吐出口(42)を開閉する吐出弁(46)が設けられている。
−運転動作−
次に、本実施形態における回転式圧縮機の運転動作について説明する。
圧縮機モータ(30)のロータ(32)が回転すると、このロータ(32)の回転が駆動軸(33)を介して圧縮機構(20)の揺動ピストン(28)に伝達される。そして、圧縮機構(20)が所定の圧縮動作を行う。この圧縮動作について図2,図3に基づいて説明する。
なお、図3は、シリンダ室(25)内の揺動ピストン(28)の動作を段階的に示したものである。また、図3においては、シリンダ部(21)及び吐出側空間(25b)に連通する吐出口(42)、吐出路(43)、切り欠き凹部(45)は省略している。
本説明においては、図3の(A)に示すように、吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)とが一体となる位置を揺動ピストン(28)の始動位置(角度0度)として、順に説明する。
(A)の状態から、圧縮機モータ(30)が回転すると、ピストン本体(28a)はシリンダ室(25)の内周面に沿って時計回り方向に公転し、(B)の状態となる。そして、シリンダ室(25)の内部空間は、ブレード(28b)によって、吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)とに区画される。この際、吸入口(41)より吸入側空間(25a)へ被処理ガスが吸入される。
(B)の状態から、ピストン本体(28a)がさらに公転すると、徐々に吸入側空間(25a)の容積が拡大される一方、吐出側空間(25b)の容積が縮小される(例えば(B)→(C)→(D)→(E))。よって、この動作時において、吐出側空間(25b)内の被処理ガスは次第に圧縮され、高圧状態となっていく。そして、吐出側空間(25b)がさらに縮小されて、被処理ガスが所定の圧力値以上になると(例えば(F)の状態)、この圧力によって吐出弁(46)が開き、高圧となった被処理ガスが、吐出側空間(25b)からケーシング(10)内へ吐出される。そして、ピストン本体(28a)がさらに公転すると、再び(A)の状態となる。このように、揺動ピストン(28)は、(A)〜(G)のサイクルを繰り返すことで、被処理ガスの圧縮を行う。
次に、本発明の特徴である偏心部(33a)とピストン本体(28a)との動作について、上述した図3の(A)〜(G)の圧縮動作に基づいて説明する。
上述した圧縮動作時においては、吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)とは、互いに容積変化を繰り返しており、これら吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)との間に差圧が生じる。この際、吐出側空間(25b)は、吸入側空間(25a)よりも高圧となっているため、吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)との差圧により、図3のaの矢印に示すような力が、ピストン本体(28a)に作用している。また、圧縮動作時において、ピストン本体(28a)の外周面とシリンダ室(25)の内周面との接点位置(図3の○)(60)は、上述したわずかな隙間を形成しながら、時計回り方向に公転している。
ピストン本体(28a)が(A)に示す始動位置にある状態では、偏心部(33a)の外周面とピストン本体(28a)の内周面とで形成された空隙部(34)は、図3の下側略半分に位置する。一方、空隙部(34)が形成されていない上側略半分の位置では、偏心部(33a)とピストン本体(28a)とが嵌合した状態となっている。この状態から、圧縮機モータ(30)が駆動すると、偏心部(33a)は、この嵌合した部分によりピストン本体(28a)を公転させながら、自身は時計回り方向に自転し、(B)の状態となる。この(B)の状態では、始動位置より45度回転した位置でピストン本体(28a)の外周面とシリンダ室(25)の内周面とが近接している。一方、ピストン本体(28a)内に形成された空隙部(34)は、偏心部(33a)の自転により、(B)における接点位置(60)の位置と逆側に形成される。このように、ピストン本体(28a)が公転すると、空隙部(34)と接点位置(60)とは常に対向するような関係を維持している((B)〜(G))。
また、(B)の状態では、上述した吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)との差圧が、吸入側空間(25a)より接点位置(60)の方向(aの矢印方向)へ作用している。ここで、上記空隙部(34)は、ピストン本体(28a)に上記差圧が作用する側に形成されており、ピストン(28a)は、この差圧により、接点位置(60)の方向へ押動可能な状態となっている。このため、ピストン本体(28a)はシリンダ室(25)の内周面側に対して接点位置(60)の方向へ押し出され、この接点位置(60)における隙間は縮小される。
また、この(B)の状態において、空隙部(34)内に常時供給される上述した潤滑油(37)は、高圧状態となっている。そして、この潤滑油(37)の圧力は、空隙部(34)と間隙(38)を介して連通するシリンダ室(25)内の吸入側空間(25a)よりも高いため、上記潤滑油(37)が、この吸入側空間(25a)の方向へ流出する。この際、この潤滑油(37)の流出に伴って生じる圧力が、シリンダ室(25)内で最も圧力が低い吸入口(41)への方向(bの矢印方向)へ作用する。この高圧の潤滑油(37)によって生じた圧力の方向は、ピストン本体(28a)を接点位置(60)へ押し出す方向とほぼ同一方向でるため、この圧力に抗してピストン本体(28a)は接点位置(60)へ向かって押し出され、この接点位置(60)における隙間がさらに縮小される。
(B)の状態よりピストン本体(28a)がさらに公転した(C)の状態においても、上述した双方の圧力が、ピストン本体(28a)を接点位置(60)へ押し出す方向へ作用する。すなわち、吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)との差圧は、(C)のaの矢印方向へ作用し、潤滑油(37)によって生じる差圧は、(C)のbの矢印方向へ作用する。そして、この(C)においても、ピストン本体(28a)は接点位置(60)の方向へ押動され、この接点位置(60)における隙間は縮小される。
また、(D)の状態においては、吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)との差圧及び潤滑油(37)の流出に伴う圧力が、接点位置(60)の方向よりややずれた方向に作用する。この状態では、接点位置(60)の隙間を縮小する効果が低下していく。
さらに、(E)、(F)、(G)とピストン本体(28a)が公転していくと、吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)との差圧が、上記接点位置(60)の方向には作用しないようになる。このため、接点位置(60)の隙間が縮小されることはない。したがって、この範囲において、ピストン本体(28a)は、偏心部(33a)の自転に伴って、シリンダ室(25)の内周面を通常通りに公転する。
−実施形態の効果−
本実施形態では、以下の効果が発揮される。
本実施形態においては、正円形状の内周面を有するピストン本体(28a)に、略半分がこのピストン本体(28a)よりも小径の湾曲部を有する偏心部(33a)を係合させている。そして、このピストン本体(28a)の内周面と偏心部(33a)の外周面との間に空隙部(34)を形成している。この構成において、ピストン本体(28a)がシリンダ室(25)の内周面を公転する際には、ピストン本体(28a)が、空隙部(34)の範囲内で可動な状態となっている。ここで、吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)との間の差圧が、ピストン本体(28a)とシリンダ室(25)の内周面との接点位置(60)の方向へ作用すると、ピストン本体(28a)が、この方向へ押動され、接点位置(60)における隙間を縮小させることができる。よって、圧縮動作時において、隙間により高圧の被処理ガスが漏れることを抑制できる。したがって、この回転式圧縮機(1)の圧縮効率を向上させることができる。
また、本実施形態においては、上記空隙部(34)に高圧の潤滑油(37)を供給している。このため、ピストン本体(28a)には、この潤滑油(37)が間隙(38)を介して吸入側空間(25a)へ流出する際に生じる圧力が作用する。この際、この圧力方向が、上記接点位置(60)の方向へ作用する際には、上記空隙部(34)によって、ピストン本体(28a)は、この接点位置(60)の隙間を縮小させる方向へ押し出される。したがって、接点位置(60)における隙間をさらに縮小でき、回転式圧縮機(1)の圧縮効率もさらに向上させることができる。
《その他の実施形態》
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
本実施形態においては、回転式圧縮機(1)は、揺動ピストン(28)を備えたスイング式圧縮機で構成されている。しかしながら、この回転式圧縮機(1)は、ピストン本体(28a)が自転しながらシリンダ室(25)の内周面を公転するロータリー式圧縮機であってもよい。このロータリー式圧縮機においても、空隙部(34)を設けることで、上述した差圧により、この回転式圧縮機(1)の接点位置(60)における隙間を縮小させ、圧縮効率を向上させることができる。
また、本実施形態において、ピストン本体(28a)は、吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)との差圧、及び潤滑油(37)の流出に伴う圧力の双方よって、近接位置(60)へ押動されるように空隙部(34)が形成されている。しかしながら、この空隙部(34)は、必ずしも双方の圧力によって、ピストン本体(28a)を近接位置(60)へ押動可能な位置に形成されなくてもよい。すなわち、上記空隙部(34)は、吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)との差圧のみによって、ピストン本体(28a)を近接位置(60)へ押動可能な位置に形成されてもよく、逆に、潤滑油(37)の流出に伴う圧力のみによって、ピストン本体(28a)を近接位置(60)へ押動可能な位置に形成されてもよい。両者の場合においても、接点位置(60)における隙間は縮小されるから、回転式圧縮機(1)の圧縮効率を向上させることができる。
本実施形態に係る回転式圧縮機の縦断面図である。 本実施形態に係るシリンダ内の構造を示す横断面図である。 シリンダ室内のピストンの動作を示す説明図である。
符号の説明
(1) 回転式圧縮機
(25) シリンダ室
(25a) 吸入側空間
(25b) 吐出側空間
(28a) ピストン
(28b) ブレード
(33) 駆動軸
(33a) 偏心部
(34) 空隙部
(37) 潤滑油
(38) 間隙
(60) 接点位置

Claims (4)

  1. シリンダ室(25)を有するシリンダ(19)と、
    上記シリンダ室(25)内で回転する駆動軸(33)に形成された偏心部(33a)と、
    上記偏心部(33a)に係合して所定の周回軌道上を旋回することにより、シリンダ室(25)の内周面との接点位置(60)を変化させながら公転するピストン(28a)と、
    上記シリンダ室(25)と上記ピストン(28a)との間の空間を吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)とに区画する仕切手段(28b)とを備えた回転式圧縮機であって、
    上記ピストン(28a)の内周面と上記偏心部(33a)の外周面との間に空隙部(34)が形成され、
    上記空隙部(34)は、上記吸入側空間(25a)と上記吐出側空間(25b)との差圧により、上記ピストン(28a)を所定の角度範囲において、上記シリンダ室(25)の内周面側に対して接点位置(60)の方向へ押動可能な位置に形成されていることを特徴とする回転式圧縮機。
  2. シリンダ室(25)を有するシリンダ(19)と、
    上記シリンダ室(25)内で回転する駆動軸(33)に形成された偏心部(33a)と、
    上記偏心部(33a)に係合して所定の周回軌道上を旋回することにより、シリンダ室(25)の内周面との接点位置(60)を変化させながら公転するピストン(28a)と、
    上記シリンダ室(25)と上記ピストン(28a)との間の空間を吸入側空間(25a)と吐出側空間(25b)とに区画する仕切手段(28b)とを備えた回転式圧縮機であって、
    上記ピストン(28a)の内周面と上記偏心部(33a)の外周面との間に空隙部(34)が形成され、
    上記シリンダ室(25)内には、上記空隙部(34)と吸入側空間(25a)とが連通するわずかな間隙(38)が形成され、
    上記空隙部(34)には、吸入側空間(25a)の圧力よりも高圧の潤滑油(37)が供給され、
    上記空隙部(34)は、上記潤滑油(37)が該空隙部(34)より上記間隙(38)を通って吸入側空間(25a)へ流れることで、上記ピストン(28a)を所定の角度範囲において、上記シリンダ室(25)の内周面側に対して接点位置(60)の方向へ押動可能な位置に形成されていることを特徴とする回転式圧縮機。
  3. 請求項2に記載の回転式圧縮機において、
    上記空隙部(34)は、上記吸入側空間(25a)と上記吐出側空間(25b)との差圧により、上記ピストン(28a)を所定の角度範囲において、上記シリンダ室(25)の内周面側に対して接点位置(60)の方向へ押動可能な位置に形成されていることを特徴とする回転式圧縮機。
  4. 請求項1から3のいずれか1に記載の記載の回転式圧縮機において、
    ピストン(28a)の内周面は、正円形状に形成され、
    偏心部(33a)の外周面の一部が、上記ピストン(28a)の内周面よりも小径となるように形成されていることを特徴とする回転式圧縮機。

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