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JP2006232887A - 着色微粒子分散体、水性インクおよび画像形成方法 - Google Patents
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JP2006232887A - 着色微粒子分散体、水性インクおよび画像形成方法 - Google Patents

着色微粒子分散体、水性インクおよび画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 本発明の目的は、微粒子で、且つ、分散安定性に優れ、インク作製した際に、インクの保存性、出射安定性に優れ、得られたプリントのプリント濃度、耐光性、および光沢に優れた、着色微粒子分散体、該着色微粒子分散体を用いた水性インク、および該水性インクをインクジェット用に用いた画像形成方法を提供することにある。
【解決手段】 色材を含有する樹脂を有してなる微粒子を色材を含有しない樹脂にて被覆したコアシェル型の着色微粒子分散体において、該着色微粒子分散体を平滑な基板上で乾燥させ原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)により個々の着色微粒子のアスペクト比(投影面積径/最大高さ)を計測した場合に、着色微粒子の平均アスペクト比が1.0〜5.0であることを特徴とする着色微粒子分散体。
【選択図】 なし

Description

本発明は、着色微粒子分散体、水性インクおよびそれを用いた画像形成方法に関する。
近年、プリンタ、印刷機、マーカー、筆記具等に用いられる記録材料、インキング材料にも脱溶剤化、水性化はもちろん、特にインクジェット記録に用いられる水性の記録材料としては水溶性染料の水溶液を主体としたもの、顔料の微分散体を主体としたものが広く用いられている。
又、水溶性染料を用いた水性インクの耐水性、耐光堅牢性が低いという問題を解決するために油溶性染料ないし疎水性染料により水分散性樹脂を着色する提案が、例えば、特開昭55−139471号公報、同58−45272号公報、特開平3−250069号公報、同8−253720号公報、同8−92513号公報、同8−183920号公報、特開2001−11347号公報等になされている。
実際、油溶性染料、疎水性染料により水分散性樹脂を着色するのみでなく、色材及びこれを被覆した樹脂からなる着色微粒子、又、着色材と樹脂からなる色材粒子を更に皮膜形成性樹脂で被覆した着色微粒子を用いる試みもなされている。
一方、顔料の微分散体を主体とした顔料インクにおいても、濃度がのらない、又、ブロンジング等の色再現性の問題が起こりやすくなる等の問題を軽減するため、又、更に耐光性向上、分散安定性、吐出安定性等を向上させる目的で、例えば、特開平8−269374号公報、同9−151342号公報、同10−88045号公報、同10−292143号公報等に開示されたように、皮膜形成性樹脂により顔料の表面を被覆する試みがなされている。
しかしながら、これらの油溶性染料や疎水性染料による水分散性樹脂を着色した粒子や顔料等の色材の微小粒子を樹脂と混合した粒子或いはこれらの粒子を更に樹脂により被覆した着色微粒子を作製する場合、染料や顔料等の色材及び樹脂の有機溶剤に対する溶解性または親和性等が不十分なために高濃度の色材を含有する微粒子分散体を安定に製造できない場合が多く、溶解或いは分散しても染料が析出し易かったり、又、顔料と樹脂とが混和しにくかったり、又、染料或いは顔料等の色材が粒子表面に存在する(樹脂で完全に被覆されない)等のために、着色微粒子そのものの分散安定性が損なわれ、インクジェット用インクに必要な分散安定性、吐出安定性等の諸性能を高めることが難しかったり、耐光性の向上等の効果が減じられたりという問題があった。
色材と樹脂を混合し水に分散させ着色微粒子分散体を形成し、これをインクジェット用のインクとして用いる技術が幾つか提案されている。
これらのうち、樹脂に特徴のあるものとして、特開2001−98194には、親水性重合連鎖部分と疎水性重合連鎖部分からなる共重合体樹脂をもちいるものが、特開2000−191968には、ビニルポリマー重合性不飽和酸モノマー、水酸基含有モノマー、スチレンマクロマー等を用いるものが、特開平9−157508号には、シクロヘキセンジカルボン酸を含むポリエステル樹脂を用いるものが開示されている。
しかしながら、前記の着色微粒子は、粒径が100nm前後で大きいことや、インク保存性、吐出安定性、又、プリント濃度が低い、発色や耐光性等の面で充分でないなど性能面で未だ充分なものは得られていない。
また、ポリエステル樹脂と油溶性染料とを溶解、乳化させた後、エチレン性不飽和単量体を更に重合させて得られた、コアシェル構造を有する複合着色微粒子の水分散体についても記載されている(特許文献1参照)。
しかしながら、上記記載のコアシェル構造を有する着色微粒子は、粒径が大きく、分散安定性に問題があり、実用的ではなかった。
特開2002−47440号公報、同2002−88294号公報、同2002−97395号公報等には50nm以下の小粒径着色微粒子が記載されているが分散安定性が十分でなく保存性が低く、プリントしたときに2次凝集したり、微粒子の効果が不十分であり、又、コアシェル型については記載がない。特開2002−80746号公報及び同2002−80772号公報には高沸点の有機溶媒に溶解した油溶性染料を水性媒体中に分散した組成物が開示されているが、これらはゼラチンのような媒質がないと不安定でありインク吐出の安定性がない。
上記の如く、保存性、吐出安定性が、プリント濃度、色再現性、更には画像の耐光性、光沢等の面で問題を抱えており、早急な解決手段の開発が要望されている。
特開平9−157508号公報
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、本発明の目的は、微粒子で、且つ、分散安定性に優れ、インク作製した際に、インクの保存性、出射安定性に優れ、得られたプリントのプリント濃度、耐光性、および光沢に優れた、着色微粒子分散体、該着色微粒子分散体を用いた水性インク、および該水性インクをインクジェット用に用いた画像形成方法を提供することにある。
本発明の上記目的は、下記の構成により達成される。
(請求項1)
色材を含有する樹脂を有してなる微粒子を色材を含有しない樹脂にて被覆したコアシェル型の着色微粒子分散体において、該着色微粒子分散体を平滑な基板上で乾燥させ原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)により個々の着色微粒子のアスペクト比(投影面積径/最大高さ)を計測した場合に、着色微粒子の平均アスペクト比が1.0〜5.0であることを特徴とする着色微粒子分散体。
(請求項2)
前記着色微粒子分散体を平滑な基板上で乾燥させ原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)により個々の着色微粒子の投影像の周囲長(l)、面積(S)を計測し、真円度((πl2/4/S)×100)を求めた場合に、着色微粒子の平均真円度が100〜150の範囲であることを特徴とする請求項1記載の着色微粒子分散体。
(請求項3)
前記着色微粒子分散体の着色微粒子の平均体積粒径が5〜1000nmの範囲であることを特徴とする請求項1または2記載の着色微粒子分散体。
(請求項4)
請求項1〜3のいずれか1項記載の着色微粒子分散体を含むことを特徴とする水性インク。
(請求項5)
前記水性インクが、インクジェット用の水性インクであることを特徴とする請求項4記載の水性インク。
(請求項6)
請求項5記載の水性インクを、デジタル信号に基づきインクジェットヘッドより液滴として吐出させ、インク受容媒体に付着させることを特徴とする画像形成方法。
本発明によれば、微粒子で、且つ、分散安定性に優れ、インク作製した際に、インクの保存性、出射安定性に優れ、得られたプリントのプリント濃度、耐光性、および光沢に優れた、着色微粒子分散体、該着色微粒子分散体を用いた水性インク、および該水性インクをインクジェット用に用いた画像形成方法を提供することができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について説明するが、本発明はこれらに限定されない。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の着色微粒子分散体について説明する。
本発明における着色微粒子分散体は以下の特徴を有することで、微粒子で、且つ、分散安定性に優れ、インクを作製した際に、インクの保存性、出射安定性に優れ、得られたプリントのプリント濃度、耐光性、および光沢に優れた着色微粒子分散体を得ることができる。
本発明における着色微粒子分散体中の着色微粒子は、液中で色材を含有する樹脂からなる球形着色微粒子を色材を含有しない樹脂にて均一に被覆された、球形であり、直径が5〜1000nmであることが好ましく、且つ、平坦な基板上で乾燥した状態に於いても球状の形状を保持していることを特徴とする。
実際にインクジェットプリンタ専用紙等にプリントした場合にも同様の形状を有しており、色材を含有する樹脂からなる着色微粒子が色材を含有しない樹脂で被覆されている。その結果、プリント濃度、耐光性、および光沢に優れていると推測される。
本発明でいう液中で球形着色微粒子を色材を含有しない樹脂にて均一に被覆された球形であり、とは、平坦な基板上に個々の粒子を滴下、乾燥した状態においても基板上に真円状に観察され、且つ中心部に突起を形成していることを意味する。
(着色微粒子のアスペクト比)
また本発明の特徴である、平坦な基板上で乾燥した状態に於いても球状の形状を保持しているとは、アスペクト比が1.0〜5.0であり、基板真上から観察した個々の粒子の真円度が100〜150の範囲にあることが好ましい。
液中で球形であり、その形状を保ったまま平坦な基板上で乾燥した場合にアスペクト比が1.0〜5.0である。
アスペクト比が1.0未満の場合には、基板或いは近接粒子からの大きな反発力が存在する場合であり、基板に或いはインクジェットプリンタ専用紙等に接着しにくい着色微粒子であると予想されることから、インクジェット用のインクに適さない。また、アスペクト比が5.0をこえる場合には、平坦な基板上で中心部に突起を形成せず、板状に付着した状態に近く、平坦な基板上、或いはインクジェットプリンタ専用紙上等でコアシェル構造を有しないと判断できる。よって、インクジェットプリンタ用インクを作製した際、得られたプリントのプリント濃度、耐光性、および光沢に優れた着色微粒子分散体を得ることができない。
(着色微粒子の真円度)
本発明における着色微粒子の真円度は100〜150の範囲に入っていることが好ましい。より好ましくは、100〜140であり、更に好ましくは100〜130である。
計測方法、算出方法より、真円度は100未満となり得ない。また、真円度は平坦な基板上で150を超える場合は、分散液中で球形を保持しておらず、数個の着色微粒子が凝集体を形成した場合である。この場合、液中で着色微粒子の凝集体が長期保存等の外乱により拡大することが予想されるため、分散安定性に優れ、インク作製した際に、インクの保存性、出射安定性に優れた着色微粒子分散体を得ることが難しい。
アスペクト比、真円度は請求項1〜2に記載したように、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)の測定により得られた像において、求めた値より評価するのが好ましい。
本発明でいうアスペクト比、真円度、体積粒径は以下に記載した算出方法での値とする。
(着色微粒子のアスペクト比)
原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)によりの粒子1個の形状を測定し、粒子1個の投影面積(S)、基板面からの最大高さ(h)を計測した場合のアスペクト比(AR)は次式で与えられる。
投影面積径(2r)=2×(S/π)0.5
AR=2r/h
(着色微粒子の真円度)
原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)により粒子1個の形状を測定し、粒子1個の投影面積(S)、粒子1個の周囲長(l)を計測した場合の真円度(RC)は次式で与えられる。
RC=(πl2/4/S)×100
(着色微粒子の体積粒径)
原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)によりの粒子1個の形状を測定し、基板面からの高さの粒子1個全体の積分値を体積(V)として計測した場合の体積粒径(R)は次式で与えられる。
R=2×(3V/4π)1/3
或いは、動的光散乱法を利用して変動係数を求めることも出来る。例えば、大塚電子製レーザー粒径解析システムや、マルバーン(Malvern)社製ゼータサイザー(Zetasizer)1000HSを用いて求める事が出来る。
(着色微粒子の体積粒径)
本発明における着色微粒子の平均体積粒径は5〜1000nmの範囲に入っていることが必要であるが、好ましくは、5〜300nmであり、更に好ましくは5〜150nmである。平均体積粒子径が5nm以下になると単位体積あたりの表面積が非常に大きくなるため、色材をコアシェルポリマー中に封入する効果が小さくなる。一方、1000nmを越えるほど大きな粒子では、ヘッドに詰まりやすく、またインク中での沈降が起き易く、停滞安定性が劣化する。
上記着色微粒子分散体は、微粒子で、且つ、分散安定性に優れており、この着色微粒子分散体を用いて調製した本発明の水性インクを用いて画像形成を行うと、最高濃度が高く、且つ、画像保存性に優れた耐光性も良好な画像が得られる。
更に、安定な微粒子である本発明の着色微粒子分散体を用いた水性インクやインクジェット用インクを用いると、表面の散乱が抑えられるので、従来の着色微粒子分散体を用いたインクには見られない高級感を持った風合いの光沢が得られる。
本発明において、各形状パラメーターの評価は以下のように行った。
以下の方法に従い、原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)測定を行い、50個以上好ましくは100個以上の着色微粒子についてアスペクト比、体積粒径、真円度の算出を行い、平均アスペクト比、平均真円度を求めた。
(計測方法)
試料は平滑試料基盤に着色微粒子分散体、或いは着色微粒子分散体を希釈した液を滴下もしくは塗布したものについて自然乾燥させたものを用いる。
使用した原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)は、セイコーインスツルメンツ社製SPI3800NプローブステーションおよびSPA4000多機能ユニットで、約1cm角の大きさに切り取った着色微粒子分散体を塗布した平滑基盤を、ピエゾスキャナー上の水平な試料台上にセットし、原子間が働く領域に達したところで、XY方向にスキャンし、その際の試料の凹凸をZ方向のピエゾの変位でとらえた。ピエゾスキャナーは、XY20μm、Z2μmが走査可能なものを使用した。カンチレバーは、セイコーインスツルメンツ社製シリコンカンチレバーSI−DF20で、共振周波数120〜150kHz、バネ定数12〜20N/mのものを用い、DFMモード(Dynamic Force Mode)で測定した。測定領域500μm角を、1(or2)視野、周波数2Hzで測定した。また、得られた三次元データを最小二乗近似することにより、試料のわずかの傾き、歪みを補正し着色微粒子の存在しない箇所より基板面を求めた。
《計測》
上記操作により計測した三次元データより、互いに接していない個々の着色微粒子について最大高さ(h)、投影面積(S)、周囲長(l)を計測する。計測は三次元データを階調16bitのグレイスケール画像に変換し、Media Cybernetics社製画像解析ソフト”Image−Pro Plus”を用いた。
《樹脂》
本発明に係る樹脂(ポリマー)について説明する。
本発明に係る樹脂としては、一般に知られている樹脂(ポリマー)を使用可能であるが、好ましい樹脂(ポリマー)は、重合性エチレン性不飽和二重結合を有するビニルモノマーのラジカル重合によって得られたポリマーが好ましく用いられる。
本発明に好ましく用いられる重合性エチレン性不飽和二重結合を有するビニルモノマーのラジカル重合によって得られたポリマーとしては、例えば、アクリル酸エステル、スチレン−アクリル酸エステル、酢酸ビニル−アクリル酸エステル等の共重合体等が好ましい。
上記のポリマーを与える、具体的なモノマーとしては、酢酸ビニル、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸イソノニル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクタデシル、2−フェノキシエチルアクリレート、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸オクタデシル、メタクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ベンジル、メタクリル酸グリシジル、メタクリル酸フェニル、スチレン、α−メチルスチレン、アクリロニトリル等、およびアセトアセトキシエチルメタクリレート、メタクリル酸グリシジルの大豆油脂肪酸変性品(ブレンマーG−FA:日本油脂社製)等が挙げられる。
上記記載のモノマーを組み合わせることにより溶解性パラメータ(SP値)が好ましくは16〜20(MPa)1/2で、且つ、重量平均分子量が好ましくは2,000〜50,000、より好ましくは2,000〜30,000にすることにより本発明の着色微粒子用樹脂を得ることができる。
より好ましい組み合わせとしては、スチレン、またはメタクリル酸メチルを主成分とし、アセトアセトキシエチルメタクリレート、メタクリル酸グリシジルの大豆油脂肪酸変性品(ブレンマーG−FA:日本油脂社製)、及びアクリル酸n−ブチル、メタクリル酸ステアリル、アクリル酸2−エチルヘキシル等の長鎖(メタ)アクリル酸エステルから選ばれる少なくとも一種を加え、更に物性改良のために必要に応じてアクリロニトリル、ジビニルベンゼン、ジエチレングリコールジメタクリレート等を加えて作られる共重合体を挙げることができる。
上記のポリマーは、置換基を有していてもよく、その置換基は直鎖状、分岐、あるいは環状構造をとっていてもよい。また、上記の官能基を有するポリマーは、各種のものが市販されているが、常法によって合成することもできる。また、これらの共重合体は、例えば1つのポリマー分子中にエポキシ基を導入しておき、後に他のポリマーと縮重合させたり、光や放射線を用いてグラフト重合を行っ
ても得られる。
(樹脂の重量平均分子量)
本発明に係る樹脂の重量平均分子量は、2,000〜50,000の範囲に入っていることが好ましい。より好ましくは、2,000〜30,000であり、特に好ましくは、2,000〜15,000である。
本発明に係る樹脂の重量平均分子量の測定方法は、THF(テトラヒドロフラン)を溶媒としたGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による測定により求められる。すなわち、測定試料0.5〜5mg、より具体的には1mgに対してTHFを1.0ml加え、室温にてマグネチックスターラーなどを用いて撹拌を行い、充分に溶解させる。次いで、ポアサイズ0.45〜0.50μmのメンブランフィルターで処理した後に、GPCへ注入する。GPCの測定条件は、40℃にてカラムを安定化させ、THFを毎分1.0mlの流速で流し、1mg/mlの濃度の試料を約100μl注入して測定する。カラムは、市販のポリスチレンジェルカラムを組み合わせて使用することが好ましい。例えば、昭和電工社製のShodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807の組合せや、東ソー社製のTSKgelG1000H、G2000H、G3000H、G4000H、G5000H、G6000H、G7000H、TSK guard columnの組合せなどを挙げることができる。又、検出器としては、屈折率検出器(IR検出器)、あるいはUV検出器を用いるとよい。試料の分子量測定では、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて作成した検量線を用いて算出する。検量線作成用のポリスチレンとしては10点程度用いるとよい。
《溶解性パラメータ》
着色微粒子の作製時に、上記記載の良好な相溶状態の発現に、本発明に係る樹脂は、溶解性パラメータ(SP値)が16〜20(MPa)1/2であることが好ましい。より好ましくは、17〜19(MPa)1/2であり、特に好ましくは、17.5〜18.5(MPa)1/2である。
本発明に係る溶解性パラメータについて説明する。
溶解性パラメータは有機溶剤に対する非電解質の溶け易さを評価する際によく用いられるHildebrandの溶解性パラメータにより得られる値である。この溶解性パラメータについてはJ.H.Hildebrand,J.M.Prausnitz.R.L.Scott著“Regular and Related Solutions”,Van Nostrand−Reinhold,Princeton(1970年)、「高分子データハンドブック基礎編」 高分子学会を参照することができる。各種溶剤の溶解性パラメータの値はA.F.M.Barton,“Handbook of Solrbility Parameters and Other Cohesion Parameters”,CRC Press,Boca Raton/Florida(1983年)、「高分子データハンドブック基礎編」高分子学会に記載されている。
物質の溶解性パラメータは、
SP=(δE/V)1/2
で定義されており、δEはモル当たりの凝集エネルギーであり、Vはモル体積である。
溶解性パラメータは、溶解度から求める方法、或いは蒸発潜熱法、蒸気圧法、膨潤法、表面張力法、熱膨潤係数法、屈折率法等幾つかの方法で求めることができる。
本発明に於いては、以下の方法により求めたいずれかの溶解性パラメータを用いるものとする。又、単位としては、本発明において(MPa)1/2で表すものとする。
溶解性パラメータは各種のSP値が既知の溶媒中への溶解度から求めることができる。この溶媒中への溶解度によって溶解性パラメータを求める方法は、色素等の構造が未知の場合には有効である。
本発明の染料においては、例えば、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等、SP値既知の各種の溶剤を用い、最も溶解度の高い溶剤のSP値から溶質としての染料のSP値を求める溶解法を用いる。この方法では、最も溶解度の高いグループの溶剤それぞれのSP値の各成分であるδd(分散力項)、δp(極性項)、δh(水素結合項)をそれぞれ各項毎に分けてプロットし、各項毎に中心値を求める。染料のSP値の各項の値としてこの中心値をそれぞれ用いて染料のSP値を求めることが出来る(C.M.Hansen,J.Paint Technol.,39(505)104(1967)、C.M.Hansen,J.Paint Technol.,39(511)505(1967)を参照)。
溶剤への溶解性の低い顔料では溶解法でSP値を正確に求めることは難しいが、前記文献に懸濁状態を利用した測定が示されている。即ち、SP値の近い溶剤ほど顔料を良く濡らすことから、溶剤と顔料を混合後、良く振って懸濁状態の良好(沈降しない)な溶剤を、エタノール、アセトン、メチルエチルケトン、酢酸エチル等SP値既知の各種の溶剤のなかから選び(複数でよい)、懸濁状態の良好な溶剤それぞれのδd(分散力項)、δp(極性項)、δh(水素結合項)をそれぞれ各項毎に分けてプロットし、各δd(分散力項)、δp(極性項)、δh(水素結合項)項の中心値をそれぞれ算出し、算出した各項の中心値を、求める顔料のSP値の各項とすることで顔料のSP値を求めることが出来る。
溶解性パラメータは構造が既知の場合には計算により求めることができる。
Smallは化学組成とSP値を関係付け、分子中のモル引力定数ΔFの総和をモル体積Vで割ることでSP値が求められる計算方法を提案した。この方法ではΔFは各原子団に割り当てることが出来るため簡易に計算できる。
S=(ΣΔF)/V
しかし、Smallの式では分散力から生じた凝集エネルギーのみしか含まないため、上記計算方法の精度を更に上げるために、Rheinneck、Hoy、Krevelen、Fedorsらは各々異なった修正ΔFを提案している。また、Hansenは3次元に分解したパラメータを提唱した。各修正パラメータにより数値は若干変動するが本発明で定義している2種の色材の差としてみた時の誤差は小さい。構造が既知の場合は前記修正パラメータを用いた計算で求めた溶解性パラメータを用いることが出来る。本発明において用いている計算プログラムは富士通株式会社製のCACheという分子計算パッケージ中のProject Leaderである。
これらのいずれかの方法によって、算出した溶解性パラメータを本発明においては用いる。溶解性パラメータの値は、例えば溶媒に対する溶解度から求めた場合、採用する溶剤の溶解パラメータの値が、求める方法によってはやや異なる場合があり、色材のSP値もこれに伴ってやや異なってくる。しかしながら、その値の違いはそれ程大きくないので、色材同士のSP値の差としてはその差が、一番小さくなるものを採用すればよい。
従って、構造既知の染料或いは顔料の場合には、前記の計算による方法を用いるのがよい。この様にして求めた2種以上の色材の溶解性パラメータの差が4.0(MPa)1/2以内であれば、色材同士は適度な親和性をもち、且つ、ただ1種の色材の場合のような分子同士の凝集力の強さによって樹脂との親和性が低下するといったことがなく、樹脂との相溶性が向上する効果があるため好ましい。
本発明においては、本発明に係る溶解性パラメータの具体的な数値は、原則として、J.BRANDRUP and E.H.IMMERGUT,”POLYMER HANDBOOK”,THIRD EDITION,JOHN WILEY & SONS(1989)に記載の数値を用いた。但し、前記文献に記載のないものについては、計算(シュミレーション)により求めた数値を使用した。
(樹脂のTg(ガラス転位点))
樹脂(ポリマー)のTgとしては、各種のものを用いることが可能であるが、用いるポリマーのうち、少なくとも1種以上はTgが10℃以上であるものを用いる方が好ましい。また、本発明の着色微粒子分散体の分散安定性向上の観点からは、樹脂Tgは、0℃〜100℃の範囲が好ましい。
《着色微粒子分散体》
本発明の着色微粒子分散体について説明する。
本発明の着色微粒子水分散体は、上記のような樹脂(複数用いてもよいが)と染料(或いは顔料)とを有機溶剤中に溶解(或いは分散)し、水中で乳化後有機溶剤を除去する方法により形成することによって得られる。或いは、例えば、乳化重合により予め樹脂微粒子水分散体を形成し、この樹脂微粒子水分散体に、染料を溶解した有機溶媒溶液を混合し、あとから樹脂微粒子中に染料を含浸する等の方法等、種々の方法により得ることができる。
この様な着色微粒子水分散体は、これを用いてインクジェットインクを形成することができるが、更に長期に亘って該着色微粒子分散体の凝集を防止し、微粒子のインクサスペンションとしての安定性を向上させ、メディアに印画したときの画像の色調や光沢、更に耐光性等、画像に堅牢性を付与するために、該着色微粒子分散体中の着色微粒子をコアとして、更に有機ポリマーからなるシェルを形成するのが好ましい。
シェルを形成する方法としては、有機溶剤に溶解したポリマーを徐々に滴下し、析出と同時に該着色微粒子コア表面に吸着させる方法などもあるが、本発明においては、色材と樹脂を含有したコアとなる着色微粒子を形成した後、重合性不飽和二重結合を有するモノマーを添加し活性剤の存在下、乳化重合を行い、重合と同時にコア表面に沈着させシェルを形成する方法が好ましい。この方法で形成した場合においても、例えば色材として染料を用いた場合等にみられるが、コア/シェル界面での幾分かの相の混合がありシェルにおける色材含有率は必ずしも零とはならないが、混合は少ない方が好ましく、シェルにおける色材含有率(濃
度)は、コア/シェル化を行っていないコアにおける色材含有率(濃度)の0.8以下であることが好ましく、更に好ましくは0.5以下である。
色材粒子をシェルとして被覆するポリマーを形成する重合性不飽和二重結合を有するモノマーとしては、エチレン、プロピレン、ブタジエン、塩化ビニル、塩化ビニリデン、酢酸ビニル、スチレン、(メタ)アクリル酸エステル類、(メタ)アクリル酸、アクリルアミド類等から選ばれる化合物、特にスチレンや(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸エチルヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル類等が好ましいが、これらのモノマーに加えて、分子内にヒドロキシル基を含有する重合性不飽和モノマー、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の様なヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート等のエステルをシェルを形成する原料モノマー全体の最大50%、その他のエチレン性不飽和二重結合を有するモノマーと混合して用いるのが好ましい。また、シェルの安定性を増す等の理由から、アクリル酸、メタクリル酸等のカルボン酸を含有するモノマー或いはスルホン酸を含有するモノマー等、pKa値で3〜7の解離性基を含有するエチレン性不飽和モノマーを10%以下用いてもよい。これらのヒドロキシル基を有するモノマー成分等(具体的には、アクリル酸やメタクリル酸等で水和層形成基を有するモノマー等である)をシェル形成に用いることによって、当該コア/シェル着色微粒子の水分散体の安定性を格段に向上させることができる。
(反応性乳化剤)
また、水和層を形成する基は、反応性乳化剤を、重合反応時に添加共重合することにより導入することができ、水分散性がより強固で、安定なシェル形成を行うことが出来る。
本発明に用いられる反応性乳化剤としては、例えば、ノニオン系では、アクアロンRN−10、RN−20、RN−30、RN−50(以上、第一工業製薬(株)社製)、アデカリアソープNE−10、NE−20、NE−30(以上、旭電化(株)社製)等が挙げられ、アニオン系としては、アクアロンHS−10、HS−20、HS−1025、アクアロンKH−05、KH−10(以上、第一工業製薬(株)社製)、ラテムルS−180(花王(株)社製)、アデカリアソープSE−10N、SE−20N(旭電化(株)社製)等が挙げられる。
本発明の着色微粒子分散体において、適切な粒子径を得るには、処方の最適化と、適当な乳化法の選定が重要である。処方としては用いる色材、ポリマーによって異なるが、水中のサスペンションであるので、コアを構成するポリマーよりシェルを構成するポリマーの方が一般的に親水性が高いことが必要である。また、シェルを構成するポリマーに含有される色材は、前記のようにコアを構成するポリマー中より少ないことが好ましく、色材もシェルを構成するポリマーよりも親水性の低いことが必要である。親水性、疎水性は、例えば前記の溶解性パラメーター(SP)を用いて見積もることができる。
(コア部のポリマーとシェル部のポリマーの溶解性パラメータ)
コア部のポリマーとシェル部のポリマーとの前記相溶状態の形成向上の観点から、後述する着色微粒子分散体において、コアシェル構造を形成する着色微粒子の、シェル部のポリマーの溶解性パラメータa(SP値)とコア部のコアポリマーの溶解性パラメータb(SP値)との差の絶対値|a−b|が2(MPa)1/2以下であることが好ましいが、更に好ましくは、1(MPa)1/2以下である。
また、上記記載のように、絶対値|a−b|が好ましくは2(MPa)1/2以下であるように調整することにより、コアシェル化する際、新たな粒子の発現がなく、更に安定な粒子が得られる。
(樹脂の酢酸エチルに対する溶解性)
また、本発明に係る樹脂の酢酸エチルに対する溶解性が50質量%以上であることが、油性染料と樹脂の相溶状態の形成に好ましいことも併せて見出した。
《色材(染料、顔料等)》
ポリマーによって封入される色材について説明する。
本発明に用いられる色材の色相としてはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラック、ブルー、グリーン、レッドが好ましく用いられ、特に好ましくはイエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各染料である。油溶性染料は通常カルボン酸やスルホン酸等の水溶性基を有さない有機溶剤に可溶で水に不溶な染料であるが、水溶性染料を長鎖の塩基と造塩することにより油溶性を示すようにした染料も含まれる。例えば、酸性染料、直接染料、反応性染料と長鎖アミンとの造塩染料が知られている。油溶性染料としては、以下に限定されるものではないが、特に好ましい具体例としては、例えば、オリエント化学工業株式会社製Valifast Yellow 4120、Valifast Yellow 3150、Valifast Yellow 3108、Valifast Yellow 2310N、Valifast Yellow 1101、Valifast Red 3320、Valifast Red 3304、Valifast Red 1306、Valifast Blue 2610、Valifast Blue 2606、Valifast Blue 1603、Oil Yellow GG−S、Oil Yellow 3G、Oil Yellow 129、Oil Yellow 107、Oil Yellow 105、Oil Scarlet 308、Oil Red RR、Oil Red OG、Oil Red 5B、Oil Pink 312、Oil Blue BOS、Oil Blue 613、Oil Blue 2N、Oil Black BY、Oil Black BS、Oil Black 860、Oil Black 5970、Oil Black 5906、Oil Black 5905;日本化薬株式会社製Kayaset Yellow SF−G、Kayaset Yellow K−CL、Kayaset Yellow GN、Kayaset Yellow A−G、Kayaset Yellow 2G、Kayaset Red SF−4G、Kayaset Red K−BL、Kayaset Red A−BR、Kayaset Magenta312、Kayaset Blue K−FL;有本化学工業株式会社製FS Yellow 1015、FS Magenta 1404、FS Cyan 1522、FS Blue 1504 、C.I.Solvent Yellow 88、83、82、79、56、29、19、16、14、04、03、02、01、C.I.Solvent Red 84:1、C.I.Solvent Red 84、218、132、73、72、51、43、27、24、18、01、C.I.Solvent Blue 70、67、44、40、35、11、02、01、C.I.Solvent Black 43、70、34、29、27、22、7、3、C.I.Solvent Violet 3、C.I.Solvent Green 3及び7、Plast Yellow DY352、Plast Red 8375;三井化学社製MS Yellow HD−180、MS Red G、MS Magenta HM−1450H、MS Blue HM−1384;住友化学社製ES Red 3001、ES Red 3002、ES Red 3003、TS Red 305、ES Yellow 1001、ES Yellow 1002、TS Yellow 118、ES Orange 2001、ES Blue 6001、TS Turq Blue 618;Bayer社製MACROLEX Yellow 6G、Ceres Blue GNNEOPAN Yellow O75、Ceres Blue GN、MACROLEX Red Violet R等が挙げられる。また、特開平9−277693号、同10−20559号、同10−30061号に示されるような、金属錯体色素も好ましく用いられ、好ましい構造としては下記一般式(2)で表されるものである。
一般式(2)
M(Dye)l(A)m
式中、Mは金属イオンを表し、Dyeは金属と配位結合可能な色素を表す。Aは色素以外の配位子を表し、lは1ないし3、mは0、1,2,3を表す。mが0の時、lは2または3を表し、その場合Dyeは同種でも異なってもよい。
Mで表される金属イオンとしては、周期表の第1〜17族に属する金属、例えば、Al、Co、Cr、Cu、Fe、Mn、Mo、Ni、Sn、Ti、Pt、Pd、Zr及びZn等のイオンが挙げられる。色調、各種耐久性からNi、Cu、Cr、Co、Zn、Feのイオンが特に好ましい。特に好ましくは、Niイオンである。
Dyeで表される金属と配位結合可能な色素としては種々の色素構造が考えられるが、共役メチン色素、アゾメチン色素、アゾ色素骨格に配位基を有するものが好ましい。
油溶性染料として分散染料を用いることができ、分散染料としては、以下に限定されるものではないが、特に好ましい具体例としては、C.I.ディスパーズイエロー5、42、54、64、79、82、83、93、99、100、119、122、124、126、160、184:1、186、198、199、204、224及び237;C.I.ディスパーズオレンジ13、29、31:1、33、49、54、55、66、73、118、119及び163;C.I.ディスパーズレッド54、60、72、73、86、88、91、92、93、111、126、127、134、135、143、145、152、153、154、159、164、167:1、177、181、204、206、207、221、239、240、258、277、278、283、311、323、343、348、356及び362;C.I.ディスパーズバイオレット33;C.I.ディスパーズブルー56、60、73、87、113、128、143、148、154、158、165、165:1、165:2、176、183、185、197、198、201、214、224、225、257、266、267、287、354、358、365及び368並びにC.I.ディスパーズグリーン6:1及び9等が挙げられる。
その他、油溶性染料として、フェノール、ナフトール類、又、ピラゾロン、ピラゾロトリアゾール等の環状メチレン化合物、或いは、開鎖メチレン化合物等のいわゆるカプラーに、p−フェニレンジアミン類或いはp−ジアミノピリジン類等、アミノ化合物を酸化カップリングさせ得られるアゾメチン色素、インドアニリン色素等も好ましい。特にマゼンタ染料として、ピラゾロトリアゾール環を有するアゾメチン色素は好ましい。
顔料としては以下に限定されるものではないが、特に好ましい具体例として、カーボンブラック顔料としては三菱化成社製No.2300,No.900,MCF−88,No.33,No.40,No.45,No.52,MA7,MA8,MA100,No.2200B;コロンビア社製Raven 700,Raven 5750,Raven 5250,Raven 5000,Raven 3500,Raven 1255;キャボット社製Regal 400R,Regal 330R,Regal 660R,Mogul L,Monarch 700,Monarch 800,Monarch 880,Monarch 900,Monarch 1000,Monarch 1100,Monarch 1300,Monarch 1400;デグサ社製Color Black FW1,Color Black FW2,Color Black FW2V,Color Black FW18,Color Black FW200,Color Black S150,Color Black S160,Color Black S170,Printex 35,Printex U,Printex V,Printex 140U,Printex 140V,Special Black 6,Special Black 5,Special Black 4A,Special Black 4;関西熱化学(株)社製マックスソーブ G−40、マックスソーブ G−15、マックスソーブ G−08等を使用することが出来る。
イエロー顔料としては、C.I.Pigment Yellow 1,C.I.Pigment Yellow 2,C.I.Pigment Yellow 3,C.I.Pigment Yellow 12,C.I.Pigment Yellow 13,C.I.Pigment Yellow 14,C.I.Pigment Yellow 16,C.I.Pigment Yellow 17,C.I.Pigment Yellow 73,C.I.Pigment Yellow 74,C.I.Pigment Yellow 78,C.I.Pigment Yellow 83,C.I.Pigment Yellow 93,C.I.Pigment Yellow 95,C.I.Pigment Yellow 97,C.I.Pigment Yellow 98,C.I.Pigment Yellow 114,C.I.Pigment Yellow 128,C.I.Pigment Yellow 129,C.I.Pigment Yellow 138,C.I.Pigment Yellow 154, マゼンタ顔料としては、C.I.Pigment Red 5,C.I.Pigment Red 7,C.I.Pigment Red 12,C.I.Pigment Red 48(Ca),C.I.Pigment Red 48(Mn),C.I.Pigment Red 57(Ca),C.I.Pigment Red 57:1,C.I.Pigment Red 122,C.I.Pigment Red 123,C.I.Pigment Red 168,C.I.Pigment Red 184,C.I.Pigment Red 202, シアン顔料としては、C.I.Pigment Blue 1,C.I.Pigment Blue 2,C.I.Pigment Blue 3,C.I.Pigment Blue 15:3,C.I.Pigment Blue 15:34,C.I.Pigment Blue 16,C.I.Pigment Blue 22,C.I.Pigment Blue 60,C.I.Vat Blue 4,C.I.Vat Blue 60,等が挙げられる。
本発明に係わる着色微粒子分散体、また、更に好ましいコア/シェルの形態を有する着色微粒子は、形状が球形で、粒径が5〜1000nmである。
一方、上記染料及び顔料等の色材としては、該インク中に1〜30質量%配合されることが好ましく、1.5〜25質量%配合されることが更に好ましい。上記色材の配合量が1質量%に満たないと印字濃度が不十分であり、30質量%を超えるとサスペンションの経時安定性が低下し、凝集等による粒径増大の傾向があるので、上記範囲内とすることが好ましい。
(色材同士の溶解性パラメータの差)
また、本発明においては、2種以上の色材を同時に樹脂中に含有させた着色微粒子水分散体をもちいてもよいが、その場合、前記に挙げた色材中から、異なる2種以上を選択して使用すればよい。色材同士の溶解性パラメータ(SP)値の差が4.0(MPa)1/2以内である2種以上を選択することが特に好ましい。
(水性インク)
本発明の水性インクについて説明する。
本発明の水性インクは水を媒体とし、上記色材を封入したポリマーのサスペンジョンからなり、該サスペンションには従来公知の各種添加剤、例えば多価アルコール類のような湿潤剤、無機塩、乳化剤、分散剤、界面活性剤、防腐剤、防黴剤、pH調整剤、シリコーン系等の消泡剤、粘度調整剤又はEDTA等のキレート剤、又、亜硫酸塩等の酸素吸収剤等を必要に応じて添加してもよい。
ここで、上記湿潤剤としては、例えばエチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセリン、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールモノn−ブチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、メチルカルビトール、エチルカルビトール、ブチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、ジエチルカルビトール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル等の多価アルコール及びそのエーテル、アセテート類、N−メチル−2−ピロリドン、1,3−ジメチルイミダゾリジノン、トリエタノールアミン、ホルムアミド、ジメチルホルムアミド等の含窒素化合物類、ジメチルサルフォキサイドの一種又は二種以上を使用することができる。これらの湿潤剤の配合量に特に制限はないが、上記水性インク中に好ましくは0.1〜50質量%配合することができ、更に好ましくは0.1〜30質量%配合することができる。
又、インクの粘度を安定に保つため、発色をよくするために、インク中に無機塩を添加してもかまわない。無機塩としてはたとえば塩化ナトリウム、硫酸ナトリウム、塩化マグネシウム、硫化マグネシウム等が挙げられる。本発明を実施する場合、これらに限定されるものではない。
また、乳化剤、分散剤としては特に制限されるものではないが、そのHLB値が8〜18であることが、効果の発現の点からみて或いはサスペンションの粒子径の増大抑制効果がある点から好ましい。
(界面活性剤)
界面活性剤としては、陽イオン性、陰イオン性、両性、非イオン性のいずれも用いることが出来る。
乳化剤或いは分散剤として、好ましくは陰イオン性界面活性剤又は高分子界面活性剤であり、陰イオン性界面活性剤が特によい。
又、インクの表面張力調整用の界面活性剤としては好ましくはノニオン性界面活性剤である。
陽イオン性界面活性剤としては、脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩等が挙げられる。
陰イオン性界面活性剤としては、脂肪酸石鹸、N−アシル−N−メチルグリシン塩、N−アシル−N−メチル−β−アラニン塩、N−アシルグルタミン酸塩、アルキルエーテルカルボン酸塩、アシル化ペプチド、アルキルスルホン酸塩、アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタレンスルホン酸塩、ジアルキルスルホ琥珀酸エステル塩、アルキルスルホ酢酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、N−アシルメチルタウリン、硫酸化油、高級アルコール硫酸エステル塩、第2級高級アルコール硫酸エステル塩、アルキルエーテル硫酸塩、第2級高級アルコールエトキシサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、モノグリサルフェート、脂肪酸アルキロールアミド硫酸エステル塩、アルキルエーテルリン酸エステル塩、アルキルリン酸エステル塩等が挙げられる。
両性界面活性剤としては、カルボキシベタイン型、スルホベタイン型、アミノカルボン酸塩、イミダゾリニウムベタイン等が挙げられる。
非イオン性界面活性剤としては、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレン2級アルコールエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル(たとえばエマルゲン911)、ポリオキシエチレンステロールエーテル、ポリオキシエチレンラノリン誘導体、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレンアルキルエーテル(たとえばニューポールPE−62)、ポリオキシエチレングリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンヒマシ油、硬化ヒマシ油、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、脂肪酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、脂肪酸アルカノールアミド、 ポリオキシエチレン脂肪酸アミド、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルキルアミンオキサイド、アセチレングリコール、アセチレンアルコール等が挙げられる。その他に、界面活性剤としては、例えば花王(株)製の分散剤デモールSNB、MS、N、SSL、ST、P(商品名)も挙げられる。
これらの界面活性剤を使用する場合、単独又は2種類以上を混合して用いることが出来、インク全量に対して、0.001〜1.0質量%の範囲で添加することにより、インクの表面張力を任意に調整することが出来る。本発明を実施する場合、これらに限定されるものではない。インクの長期保存安定性を保つため、防腐剤、防黴剤をインク中に添加してもかまわない。
又、高分子界面活性剤として、以下の水溶性樹脂を用いることができ、吐出安定性の観点から好ましい。水溶性樹脂として好ましく用いられるのは、スチレン−アクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸アルキルエステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−マレイン酸ハーフエステル共重合体、ビニルナフタレン−アクリル酸共重合体、ビニルナフタレン−マレイン酸共重合体等を挙げることができる。高分子界面活性剤の例として、その他に、アクリル−スチレン系樹脂であるジョンクリル等(ジョンソン社)が挙げられる。これらの高分子界面活性剤は、2種以上併用することも可能である。
上記の各高分子界面活性剤の水性インク全量に対する添加量としては、0.1〜10質量%が好ましく、より好ましくは0.3〜5質量%である。配合量が0.01質量%に満たないとサスペンションの小粒径化が困難であり、10質量%を超えるとサスペンションの粒径が増大したりサスペンション安定性が低下し、ゲル化するおそれがある。
防腐剤・防黴剤としては、芳香族ハロゲン化合物(たとえばPreventol CMK、クロロメチルフェノール等)、メチレンジチオシアナート、含ハロゲン窒素硫黄化合物、1,2−ベンズイソチアゾリン−3−オン(たとえばPROXEL GXL)などが挙げられるが、本発明を実施する場合、これらに限定されるものではない。
本発明の水性インクを安定に保つために、水性インク中にpH調整剤を添加してもかまわない。pH調整剤としては、塩酸や酢酸、クエン酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等を水など薄めたりそのまま使用したりできる。
また、上記消泡剤としては、特に制限なく、市販品を使用することができる。そのような市販品としては、例えば信越シリコーン社製のKF96、66、69、KS68、604、607A、602、603、KM73、73A、73E、72、72A、72C、72F、82F、70、71、75、80、83A、85、89、90、68−1F、68−2F(商品名)等が挙げられる。これら化合物の配合量に特に制限はないが、本発明の水性インク中に、0.001〜2質量%配合されることが好ましい。該化合物の配合量が0.001質量%に満たないとインク調製時に泡が発生し易く、又、インク内での小泡の除去が難しく、2質量%を超えると泡の発生は抑えられるものの、印字の際、インク内でハジキが発生し印字品質の低下が起こる場合があるので、上記範囲内とすることが好ましい。
次に、本発明のインクの製造において用いられる乳化方法について説明する。
本発明のインクは、例えばコアとなる色材粒子の製造において、又、直接顔料粒子とポリマーからコア・シェル着色微粒子を製造する際等において、乳化法としては、各種の方法を用いることができる。それらの例は、例えば、「機能性乳化剤・乳化技術の進歩と応用展開 シー エム シー」の86ページの記載にまとめられている。本発明においては、特に、染料コアの形成には超音波、高速回転せん断、高圧による乳化分散装置を使用することが好ましい。又、顔料用にはメディア分散機が好ましい。
超音波による乳化分散では、いわゆるバッチ式と連続式の2通りが使用可能である。バッチ式は、比較的少量のサンプル作製に適し、連続式は大量のサンプル作製に適する。連続式では、たとえば、UH−600SR(株式会社エスエムテー製)のような装置を用いることが可能である。このような連続式の場合、超音波の照射時間は、分散室容積/流速×循環回数で求めることができる。超音波照射装置が複数ある場合は、それぞれの照射時間の合計としてもとめられる。超音波の照射時間は実際上は通常10000秒以下である。また、10000秒以上必要であると、工程の負荷が大きく、実際上は乳化剤の再選択などにより乳化分散時間を短くする必要がある。そのため10000秒以上は必要でない。さらに好ましくは、10秒以上、2000秒以内である。
高速回転せん断による乳化分散装置としては、「機能性乳化剤・乳化技術の進歩と応用展開 シー エム シー」の255〜256ページに記載されているような、ディスパーミキサーや、251ページに記載されているようなホモミキサー、256ページに記載されているようなウルトラミキサーなどが使用できる。これらの型式は、乳化分散時の液粘度によって使い分けることができる。これらの高速回転せん断による乳化分散機では、攪拌翼の回転数が重要である。ステーターを有する装置の場合、攪拌翼とステーターとのクリアランスは通常0.5mm程度で、極端に狭くはできないので、せん断力は主として攪拌翼の周速に依存する。周速が好ましくは5m/S以上150m/S以内であれば本発明において乳化・分散に使用できる。周速が遅い場合、乳化時間を延ばしても小粒径化が達成できない場合が多く、150m/Sにするにはモーターの性能を極端に上げる必要があるからである。さらに好ましくは、周速が20〜100m/Sである。
高圧による乳化分散では、LAB2000(エスエムテー社製)などが使用できるが、その乳化・分散能力は、試料にかけられる圧力に依存する。圧力は104kPa〜5×105kPaの範囲が好ましい。また、必要に応じて数回乳化・分散を行い、目的の粒径を得ることができる。圧力が低すぎる場合、何度乳化分散を行っても目的の粒径は達成できない場合が多く、また、圧力を5×105kPaにするためには、装置に大きな負荷がかかり実用的ではない。さらに好ましくは5×104kPa〜2×105kPaの範囲である。
これらの乳化・分散装置は単独で用いてもよいが、必要に応じて組み合わせて使用することが可能である。コロイドミルや、フロージェットミキサなども単独では本発明の目的を達成できないが、本発明の装置との組み合わせにより、短時間で乳化・分散を可能にするなど本発明の効果を高めることが可能である。
本発明のインクジェット記録用の水性インクを吐出して画像形成を行う際に、使用するインクジェットヘッドはオンデマンド方式でもコンティニュアス方式でも構わない。又吐出方式としては、電気−機械変換方式(例えば、シングルキャビティー型、ダブルキャビティー型、ベンダー型、ピストン型、シェアーモード型、シェアードウォール型等)、電気−熱変換方式(例えば、サーマルインクジェット型、バブルジェット(登録商標)型等)等など何れの吐出方式を用いてもよい。
また、本発明の水性インクは、インクジェット用のインクとして好ましく用いられる。
(画像形成方法)
本発明の画像形成方法について説明する。
本発明の画像形成の方法においては、水性インクをインクジェット用の水性インク(インクジェット記録用の水性インクともいう)として用いた画像形成方法が好ましい。
例えば、インクジェット記録用の水性インクを装填したプリンター等により、デジタル信号に基づきインクジェットヘッドよりインクを液滴として吐出させインク受容体に付着させることで、例えばインクジェット画像記録媒体上にインクジェット記録画像が形成されたインクジェットプリントが得られる。
インクジェット画像記録媒体としては、例えば、普通紙、コート紙、キャストコート紙、光沢紙、光沢フィルム、OHPフィルムのいずれも使用することができ、なかでも例えば多孔質層が形成されている所謂空隙層を有する被記録媒体であれば好ましい。上述した支持体の素材或いは形状に特に限定されるものではなく、例えばシート状に形成されたもの以外に立体的な構造を有するものであってもよい。
本発明の水性インクは、インクジェット記録用の水性インクとして以外に、例えば、一般の万年筆、ボールペン、サインペン等の筆記具用のインクとしても使用可能である。本発明の水性インクを乾燥し、微粒の粉体を得ることもできる。得られた粉体は、電子写真のトナーなどにも使用可能である。
以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されない。
実施例1
《樹脂P−1〜P−6の合成》
3リットルの四つ口フラスコに滴下装置、温度計、窒素ガス導入管、撹拌装置及び還流冷却管を付し、酢酸エチル1000gを加熱還流した。表1に記載の組成割合でモノマー総量が1000gとなるように秤量し、更に、N,N′−アゾビスイソバレロニトリル1gを加えたモノマー混合液を2時間かけて滴下し、加熱環流条件下にて5時間反応させた後、溶剤を減圧留去し、表1に記載の樹脂P−1〜P−6を各々得た。
Figure 2006232887
表1に記載のモノマー(単量体ともいう)を示す略号の詳細は下記の通りである。
ST :スチレン
MMA :メタクリル酸メチル
SMA :メタクリル酸ステアリル
EHA :アクリル酸2−エチルヘキシル
BA :アクリル酸ブチル
AAEM:メタクリル酸2−アセトアセトキシエチル(日本合成化学製)
GFA :グリシジルメタクリレートと大豆油脂脂肪酸との反応物モノマー(日本油脂製ブレンマーG−FA)
《着色微粒子分散体CP−7の調製》:コア・シェル型
工程(1):着色剤含有ポリマー(a)の調製:コアポリマー
クレアミックスCLM−0.8S(エムテクニク(株)社製)のポットに、染料として12gのFSB1504、樹脂として12gの樹脂P−3及び120gの酢酸エチルを入れ、攪拌して染料及び樹脂を完全溶解させた。
次いで、界面活性剤としてラウリル硫酸ナトリウム(SDS)3gを含む水溶液270gを添加後、回転数20000rpmで5分間乳化した。その後、減圧下で酢酸エチルを除去し、着色剤含有ポリマー(a)を調製した。
工程(2):シェルポリマーの調製
上記で調製した、着色剤含有ポリマー(a)を含むセパラブルフラスコ内を窒素ガスで置換後、ヒーターを付して80℃に加温後、シェルポリマー作製用として3.5gのスチレン、1.5gのメタクリル酸2−ヒドロキシエチルを秤量し、0.3gのN,N′−アゾビスイソバレロニトリルの混合液を調製、次いで、前記混合液を1時間で滴下し、更に6時間反応させて、コア・シェル型粒子構造を有する着色微粒子分散体CP−7を得た。
《着色微粒子分散体CP−2〜4、6、8〜12の調製》:コア・シェル型
着色微粒子分散体CP−7の調製において、染料(使用量12g)、樹脂(使用量12g)、界面活性剤、シェルモノマー組成(トータルモノマー量は5g)、開始剤(使用量0.3g)を表2に記載のように設定した以外は同様にして、コア・シェル型粒子構造を有する着色微粒子分散体CP−2〜4、6、8〜12を各々調製した。
《着色微粒子分散体CP−1、5の調製》:コア型
表2に示す如く、コアポリマーの調製のみを行った。
即ち「着色剤含有ポリマー(a)(コアポリマー)」において染料、樹脂、界面活性剤の種類を表2記載のようにして(使用量は同じ)、着色剤含有ポリマー(a)の調製と同様にして、着色剤含有ポリマー(コアポリマー)の分散体を調製した。それぞれを着色微粒子分散体CP−1、CP−5とする。
《着色微粒子の形状評価》
〈体積粒径〉
得られた着色微粒子の体積粒径は、Malvern社製のZetasizer 1000HSで平均体積粒径を計測した。また、透過型電子顕微鏡(TEM)観察から得られたデータも、前記平均体積粒径と一致することを確認した。
〈アスペクト比、真円度〉
得られた着色微粒子分散物を100倍に希釈しシリコンウェファー上に塗布し十分乾燥させた後着色微粒子50個以上についての原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)による平均アスペクト比、平均真円度の評価を行った。
使用した原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)は、セイコーインスツルメンツ社製SPI3800NプローブステーションおよびSPA4000多機能ユニットで、約1cm角の大きさに切り取った着色微粒子分散体を塗布した平滑基盤を、ピエゾスキャナー上の水平な試料台上にセットし、原子間が働く領域に達したところで、XY方向にスキャンし、その際の試料の凹凸をZ方向のピエゾの変位でとらえた。ピエゾスキャナーは、XY20μm、Z2μmが走査可能なものを使用した。カンチレバーは、セイコーインスツルメンツ社製シリコンカンチレバーSI−DF20で、共振周波数120〜150kHz、バネ定数12〜20N/mのものを用い、DFMモード(Dynamic Force Mode)で測定した。測定領域500μm角を、1(or2)視野、周波数2Hzで測定した。また、得られた三次元データを最小二乗近似することにより、試料のわずかの傾き、歪みを補正し着色微粒子の存在しない箇所より基板面を求めた。
上記操作により計測した三次元データより、互いに接していない個々の着色微粒子について最大高さ(h)、投影面積(S)、周囲長(l)を計測した。計測は三次元データを階調16bitのグレイスケール画像に変換し、Media Cybernetics社製画像解析ソフト”Image−Pro Plus”を用いた。
尚、塗布、乾燥中に個々の着色微粒子が基盤上で展開し他の着色微粒子に癒着してしまう場合、或いは、個々の着色微粒子が基盤上で展開して測定面内の最大最小高さの差(Rz)が平均体積粒径の1/10満たない場合は、基盤上で粒子状の形態でないと判断し、計測不能とした。
以上の結果を併せて表2に示す。
Figure 2006232887
表2に記載の染料種類を示す略号の詳細は下記の通りである。
FSY1015:FS Yellow 1015(有本化学製)
DY1352 :Plast Yellow DY−352(有本化学製)
PR8375 :Plast Red 8375(有本化学製)
MRG :MS Red G(三井化学製)
FSB−1504:FS Blue 1504(有本化学製)
OB860 :Oil Black 860(オリエント化学製)
表2に記載の界面活性剤を示す略号の詳細は下記の通りである。
SDS :ラウリル硫酸ナトリウム
KH−10:アクアロンKH−10(第一工業製薬製)
表2に記載のモノマー(単量体ともいう)を示す略号の詳細は下記の通りである。
ST :スチレン
HEMA:メタクリル酸2−ヒドロキシエチル
表2に記載の開始剤を示す略号の詳細は下記の通りである。
KPS :過硫酸カリウム
AIVN:N,N′−アゾビスイソバレロニトリル
《インクジェット用の水性インクI−1〜I−12の調製》
上記で製造した着色微粒子分散体CP−1〜CP−12の各々の分散液を表3に記載の量を秤量し、更に表3に記載の溶剤、界面活性剤、防腐剤Proxel GXが0.1%、残りが純水になるように混合して、各々100gづつインクI−1〜I−12を調製した。得られたインクを各々0.8μmのメンブレンフィルターを用いて濾過し、ゴミ及び粗大粒子を除去し、水性のインクジェット用の水性インクI−1〜I−12を調製した。
Figure 2006232887
表3に記載のインク溶剤、界面活性剤を示す略号の詳細は下記の通りである。
EG :エチレングリコール
Gly :グリセリン
E1010:オルフィンE1010(日信化学製)
〔性能評価〕
水性インクの保存性(含有着色微粒子分散体の分散安定性)を評価するために、得られたインクジェット用の水性インクI−1〜I−12の各々を下記に記載の強制劣化条件(60℃、168時間)で保存し、下記粒径変化率(%)、濾過性を評価した。
《粒径変化率(%)》
調製した各インクを60℃、168時間で保管した前後に、平均体積粒径をMalvern社製のZetasizer 1000HSで計測して、(加熱保管後の平均粒径/加熱保管前の平均体積粒径)×100(%)を粒径変化率として求めた。
《濾過性》
インクを60℃、168時間で保管した後に、各インクから5mlを採取し0.8μmのセルロースアセテートメンブランフィルターによる濾過を行い、全量濾過できたものを◎、半量以上濾過できたものを○(許容レベル)、半量に満たない量しか濾過できなかったものを×(不可レベル)とした。
次に、上記で調製した、インクジェット用の水性インクI−1〜I−12を各々純正カラーインクカートリッジ(エプソン製)に詰め、インクジェットプリンター(エプソン社製、型番CL−750)によりインクジェットペーパー Photolike QP 光沢紙(コニカ(株)製)に、濃度を0%〜100%まで10段階に変化させた画像サンプル(ウェッジ)を、プリントドライバをオフにした状態でプリントし、得られた画像の最高濃度、耐光性を下記に示すように評価した。また射出安定性についても下記に示すように評価した。
《最高濃度》
X−Rite900(日本平板機材製)により測色した各最高濃度を記載した。
《耐光性》
試験機として、低温XeウェザーメータXL75(スガ試験機製)を用いて行った(照度70000lx、7日間、20℃、50RH)。反射濃度残存率はX−Rite900(日本平板機材製)を用いて、プリント濃度1近辺での濃度変化を測定した。濃度が不足しているサンプルは最高濃度の部分の濃度変化を測定した。耐光性のレベルは以下のように、ランク評価した。
A:反射濃度残存率が85%以上
B:反射濃度残存率が70〜85%未満
C:反射濃度残存率が50〜70%未満
D:反射濃度残存率が50%未満
本発明では、Bランク以上が実用可である。
《出射安定性》
前記インクジェットプリンターで、A4大のページに1cm×10cmのウェッジチャートを間隔を空けて10個有する画像をプリンターで連続10枚プリントして状態を観察し、下記のようにランク評価した。
A:出射状態に変化が見られない(良好)
B:斜め出射が見られるが、インク欠がない(許容)
C:インク欠が概ね10%程度発生
D:インク欠が概ね数十%発生
本発明では、ランクB以上が実用可である。
結果を表4に示す。
Figure 2006232887
Y:イエロー、M:マゼンタ、C:シアン、BK:ブラック
表4から明らかなように、比較に比べて、本発明の着色微粒子分散体を用いて調製したインクジェット用の水性インクは、粒径変化率が少なく、且つ濾過性に優れたインクであり、プリント時に目詰まり等のトラブルが極めて起きにくい優れた物性を有するインクジェット用の水性インクであることがわかる。
また、前記インクジェット用の水性インクはプリンターによる画像形成に用いられたときには、前記の濾過性を反映してインクジェットノズルからの吐出安定性に優れ、得られた画像の最高濃度が高く、且つ耐光性にも優れていることがわかる。
この結果は、着色微粒子分散体において、シェルポリマーによる被覆の完成度が高いことに由来するものと本発明者等は推定している。
以上の如く、本発明の着色微粒子分散体を用いることにより、粒径変化率が少なく、且つ濾過性に優れ、その為インクジェットノズルからの吐出安定性に優れ、更に画像の最高濃度が高く、且つ耐光性にも優れたインクジェット用水性インクを提供することができることがわかる。

Claims (6)

  1. 色材を含有する樹脂を有してなる微粒子を色材を含有しない樹脂にて被覆したコアシェル型の着色微粒子分散体において、該着色微粒子分散体を平滑な基板上で乾燥させ原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)により個々の着色微粒子のアスペクト比(投影面積径/最大高さ)を計測した場合に、着色微粒子の平均アスペクト比が1.0〜5.0であることを特徴とする着色微粒子分散体。
  2. 前記着色微粒子分散体を平滑な基板上で乾燥させ原子間力顕微鏡(Atomic Force Microscopy:AFM)により個々の着色微粒子の投影像の周囲長(l)、面積(S)を計測し、真円度((πl2/4/S)×100)を求めた場合に、着色微粒子の平均真円度が100〜150の範囲であることを特徴とする請求項1記載の着色微粒子分散体。
  3. 前記着色微粒子分散体の着色微粒子の平均体積粒径が5〜1000nmの範囲であることを特徴とする請求項1または2記載の着色微粒子分散体。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項記載の着色微粒子分散体を含むことを特徴とする水性インク。
  5. 前記水性インクが、インクジェット用の水性インクであることを特徴とする請求項4記載の水性インク。
  6. 請求項5記載の水性インクを、デジタル信号に基づきインクジェットヘッドより液滴として吐出させ、インク受容媒体に付着させることを特徴とする画像形成方法。
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