JP2012062449A - リビングラジカル重合法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】反応容器の気相中の酸素の量を適切な範囲に制御することにより、触媒を使用しなくてもリビングラジカル重合方法を行うことができる。ラジカル反応性不飽和結合を有するモノマーをラジカル重合反応させて、分子量分布の狭いポリマーを得ることができ、リビングラジカル重合のコストを劇的に低減することができる。本発明は、従来の触媒における毒性、低溶解性、着色・臭いなどの弊害を排除し、従来のリビングラジカル重合方法に比べて格段に環境に優しく経済性に優れる。
【選択図】なし
Description
ラジカル反応性モノマー、ラジカル開始剤、および炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物を含む反応液を反応容器に入れて重合を行う工程を包含し、
ここで、重合工程における、反応容器中の液相の体積1mlあたりの該反応容器中の気相の酸素の量が1〜70ミリモルである、方法。
(2) 上記項1に記載の方法であって、重合工程の際に、反応容器中の液相の体積1mlあたりの反応容器中の気相中の酸素の量が1.5〜30ミリモルである、方法。
(3) 上記項1または2に記載の方法であって、前記重合の際に、ドーマント種からラジカルを可逆的に発生させるための触媒またはドーマント種からラジカルを可逆的に発生させるための触媒を反応液中に生成させるための化合物として、気体の酸素以外の化合物が添加されない、方法。
(4)
上記項1〜3のいずれか1項に記載の方法であって、前記容器の気相中の酸素濃度が1体積%〜10体積%である、方法。
(5) 上記項1〜3のいずれか1項に記載の方法であって、前記容器の気相が、空気である、方法。
(6) 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法であって、前記有機ハロゲン化物中のハロゲンが結合している炭素原子に、2つのメチル基が結合しているか、または1つのメチル基および1つの水素が結合している、方法。
(7) 上記項1〜6のいずれか1項に記載の方法であって、前記有機ハロゲン化物中のハロゲンがヨウ素である、方法。
(8) 上記項1〜7のいずれか1項に記載の方法であって、ラジカル反応性モノマーが、アクリル酸、アクリレート、メタクリル酸、メタクリレートまたはスチレンである、方法。
(9) 上記項1〜8のいずれか1項に記載の方法であって、
反応液に溶媒が使用されていないか、または、使用される溶媒の量が、前記モノマー100重量部に対して120重要部以下であり、
前記ラジカル開始剤の濃度が、5〜150mMであり、
前記有機ハロゲン化物の濃度が、10〜100mMである、
方法。
(10)ポリマーの製造方法であって、
ラジカル反応性モノマー、ラジカル開始剤、および炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物を含む反応液を反応容器に入れて重合を行う工程を包含し、
ここで、重合工程における、反応容器中の液相の体積1mlあたりの該反応容器中の気相の酸素の量が1〜70ミリモルである、
製造方法。
CR2R3R4X3 (II)
ここで、R2およびR3は、独立して、ハロゲン、水素またはアルキルであり、R4はハロゲン、水素、アルキル、アリール、ヘテロアリールまたはシアノであり、X3はハロゲンであり、
そして前記ラジカル反応性不飽和結合を有するモノマーが以下から選択される、方法:
(メタ)アクリル酸エステルモノマー、芳香族不飽和モノマー(スチレン系モノマー)、カルボニル基含有不飽和モノマー、(メタ)アクリロニトリル、(メタ)アクリルアミド系モノマー、ジエン系モノマー、ビニルエステルモノマー、N−ビニルモノマー、(メタ)アクリル酸モノマー、ハロゲン化ビニルモノマー、および1−オレフィンモノマー。
触媒を使用する必要がないため、材料費が従来技術に比べて劇的に低減される。さらに、触媒を使用しないことから、従来技術では多大であった生成高分子からの触媒除去に要する費用を一切要さず、製造プロセスが著しく安価である。
有害な触媒を使用しないため、人体や環境へ安全性に著しく優れる。
本発明では、ラジカル重合性を有する様々な種類のモノマーが、ポリマー原料として使用できる。特に、分子内に反応性の高い官能基(例えば、水酸基など)を有するモノマーを重合する場合、本発明の方法は、そのモノマーの官能基の影響を受け難いので有利である。同様に、本発明は、反応性の高い官能基を有する溶媒を用いる際にも有利である。
有害な触媒を使用しないことから、生体・医療材料への応用にも触媒残渣の問題がなく、生体・医療材料分野を独自の応用分野としうる。さらに、導電性の触媒を使用しないことから、電子材料への応用にも触媒残渣の問題がなく、電子材料分野を独自の応用分野としうる。
以下に本明細書において特に使用される用語を説明する。
本明細書においては、触媒とは、リビングラジカル重合法において、ドーマント種からラジカルを可逆的に発生させるための触媒をいう。
本発明の方法においては、好ましくは、触媒を添加せずに重合反応を行う。しかし、必要に応じて、少量の触媒を添加してもよい。
本発明の方法には、リビングラジカル重合の反応途中の成長鎖を保護する保護基を用いる。このような保護基としては、従来からリビングラジカル重合に用いる保護基として公知の各種保護基を用いることが可能である。ここで、保護基としてハロゲンを用いることが好ましい。従来技術に関して上述したとおり、特殊な保護基を用いる場合には、その保護基が非常に高価であることなどの欠点がある。
本発明の方法においては、好ましくは、炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物を反応材料に添加し、この有機ハロゲン化物から成長鎖に与えられるハロゲンを保護基として用いる。このような有機ハロゲン化物は比較的安価であるので、リビングラジカル重合に用いられる保護基のために用いられる公知の他の化合物に比べて有利である。また、必要に応じて、炭素以外の元素にハロゲンが結合した低分子ドーマント種を用いることも可能である。
ここで、R2は、ハロゲン、水素またはアルキルである。好ましくは、水素または低級アルキルである。より好ましくは、水素またはメチルである。
本発明の重合方法には、モノマーとして、ラジカル重合性モノマーを用いる。ラジカル重合性モノマーとは、有機ラジカルの存在下にラジカル重合を行い得る不飽和結合を有するモノマーをいう。このような不飽和結合は二重結合であってもよく、三重結合であってもよい。すなわち、本発明の重合方法には、従来から、リビングラジカル重合を行うことが公知の任意のモノマーを用いることができる。
本発明のリビングラジカル重合方法においては、必要に応じて、少量のラジカル開始剤を用いてもよい。このようなラジカル開始剤としては、ラジカル反応に使用する開始剤として公知の開始剤が使用可能である。例えば、アゾ系のラジカル開始剤および過酸化物系のラジカル開始剤などが使用可能である。アゾ系のラジカル開始剤の具体例としては、例えば、アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(V70)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(V65)が挙げられる。過酸化物系のラジカル開始剤の具体例としては、例えば、ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、ジクミルパーオキサイド、t−butyl peroxybenzoate(BPB)、di(4−tert−butylcyclohexyl) peroxydicarbonate(PDX)、過酸化二硫酸カリウムが挙げられる。
モノマーなどの反応混合物が反応温度において液体であれば、必ずしも溶媒を用いる必要はない。必要に応じて、溶媒を用いてもよい。溶媒としては、従来、リビングラジカル重合に用いられていた溶媒をそのまま使用することが可能である。溶媒を用いる場合には、その使用量は重合反応が適切に行われる限り特に限定されないが、モノマー100重量部に対して1重量部以上用いることが好ましく、10重量部以上用いることがより好ましく、50重量部以上用いることがさらに好ましい。溶媒の使用量が少なすぎる場合には、反応溶液の粘度が高くなりすぎる場合がある。また、モノマー100重量部に対して2000重量部以下とすることが好ましく、1000重量部以下とすることがより好ましく、500重量部以下とすることがさらに好ましい。1つの実施形態ではモノマー100重量部に対して300重量部以下であり、200重量部以下とすることも可能であり、150重量部以下とすることも可能であり、120重量部以下とすることも可能であり、100重量部以下とすることも可能である。溶媒の使用量が多すぎる場合には、反応溶液のモノマー濃度が薄くなりすぎる場合がある。
上述したリビングラジカル重合のための各種材料には、必要に応じて、公知の添加剤等を必要量添加してもよい。そのような添加剤としては、例えば、重合抑制剤などが挙げられる。
上述した各種原料を混合することにより、リビングラジカル重合の材料として適切な原料組成物が得られる。得られた組成物は、本発明のリビングラジカル重合方法に用いることができる。
本発明の方法における反応温度は特に限定されない。好ましくは、10℃以上であり、より好ましくは、20℃以上であり、さらに好ましくは、30℃以上であり、いっそう好ましくは、40℃以上であり、特に好ましくは、50℃以上である。また、好ましくは、130℃以下であり、より好ましくは、120℃以下であり、さらに好ましくは、110℃以下であり、いっそう好ましくは、105℃以下であり、特に好ましくは、100℃以下である。
本発明の方法における反応時間は特に限定されない。好ましくは、15分間以上であり、より好ましくは、30分間以上であり、さらに好ましくは、1時間以上である。また、好ましくは、3日間以下であり、より好ましくは、2日間以下であり、さらに好ましくは、1日間(24時間)以下である。
本発明の方法における重合反応においては、反応容器中の気相中の酸素量を制御する。それにより、反応溶液中に適切な量の酸素を提供する。すなわち、重合工程の際に、所望の量の酸素(好ましくは、反応容器中の液相の体積1mlあたり、1〜70mMの酸素分子)を反応溶液に提供する。
本発明の方法においては、好ましくは、反応液の攪拌を行いながら、反応を行う。攪拌を行うことにより、容器の気相中の酸素が反応液中に入ることが促進される。
本発明は特に理論に束縛されないが、その推定されるメカニズムを説明する。
(スキーム1)
本発明の方法で得られる生成ポリマーは、末端にハロゲン(例えば、ヨウ素)を有する。このポリマーを製品に使用する際には、必要があれば、末端のハロゲンを除去して、使用することもできる。また、末端のハロゲンを積極的に利用し、これを別の官能基に変換して、新たな機能を引き出すこともできる。末端のハロゲンの反応性は、一般に高く、非常に様々な反応により、その除去や変換ができる。例えば、ハロゲンがヨウ素である場合のポリマー末端の処理方法の例を以下のスキームに示す。これらのスキームに示す反応などにより、ポリマー末端を利用することができる。また、ハロゲンがヨウ素以外である場合についても、同様にポリマー末端を官能基に変換することができる。
(スキーム3)
上述した本発明のリビングラジカル重合方法によれば、分子量分布の狭いポリマーが得られる。例えば、反応材料の配合や反応条件を適切に選択することにより、重合平均分子量Mwと数平均分子量Mnとの比Mw/Mnが1.5以下のポリマーを得ることが可能であり、さらに反応材料配合および反応条件を適切に選択することにより、Mw/Mnが1.4以下、1.3以下、1.2以下、さらには1.1以下のポリマーを得ることが可能となる。なお、本発明のリビングラジカル重合方法において、ドーマント種として使用される有機ハロゲン化物のハロゲン原子が臭素である場合にも、Mw/Mnが2.0を下回るポリマーを得ることが可能であり、従来のラジカル重合法に比して、分子量分布の狭いポリマーが得られる。前記の通り、臭素化合物は、ヨウ素化合物に比べて安定なため、生成ポリマーから末端ハロゲンを除去する必要性が比較的低く、得られるポリマーの有用性が極めて高い。さらに、臭素を複数持った化合物は、多くが市販または容易に合成できるため、星型、くし型、表面グラフト化型の多様なトポロジー(分岐)ポリマーも容易に得られる。よって、前記有機ハロゲン化物のハロゲン原子が臭素である場合にも、得られるポリマーは下記の用途に好適に使用できる。
[メチルメタクリレート(MMA)の重合]
(entry 1)
低分子ドーマント種となるハロゲン化アルキルとして、80mMの2−ヨード−2−シアノプロピル(CP−I;化学構造式は上述のとおり)を用いた。触媒は使用しなかった。20mMのAIBNをラジカル開始剤として用いた。これらの材料をメチルメタクリレート(MMA)に溶解して上記濃度の反応溶液とした。モノマー濃度は約8Mであった。これらの材料の溶解性は良好であり、均一な溶液が形成された。この溶液を、内容量33mlの容器に入れた。容器に入れた反応溶液の量を以下の表に示す。容器中の空気を、1%の酸素を含有する酸素・アルゴン混合ガス(すなわち、酸素1体積%とアルゴン99体積%の混合物)で置換し、容器を密閉した。溶液を、マグネチックスターラーを用いて攪拌した。スターラーの回転子の回転を容器の外から遠隔操作により制御しながら、容器を密閉したまま攪拌を続けて、この反応溶液を80℃に加熱することにより重合反応を行った。実験の配合および反応液の量を表1Aに示す。また、反応温度、時間および結果を表1Bに示す。
気相および液相の量を以下の表に示すとおりに変更した以外は、上記entry 1の実験と同様に実験を行った。実験結果を以下の表に示す。
酸素濃度が4mMから26mMで制御された。また、AIBNとCP−Iの濃度を変えても、制御された。
entry 1−3においては、酸素濃度を4mMから26mMにまで変更しても、リビングラジカル重合が制御された。entry 1、4、5においては、AIBNとCP−Iの濃度を変更しても、リビングラジカル重合が制御された。
気相および液相の量を以下の表のentry C−1に示すとおりに変更した以外は、実施例1のentry 1と同様に実験を行った。結果を表1のentry C−1に示す。分子量分布の狭いポリマーは得られなかった。すなわち、酸素濃度が0.2mMの場合には制御されなかった。
モノマー濃度:8M(バルク重合)
ドーマント種となるハロゲン化アルキル(R−I): 2−ヨード−2−シアノプロピル(CP−I)
触媒:使用せず
ラジカル開始剤(In):アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)。
MnおよびPDI:テトラヒドロフラン(THF)を溶出液として用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いたポリメチルメタクリレート(PMMA)換算分子量と分子量分布指数。
[メチルメタクリレート(MMA)の重合]
以下の表2Aおよび表2Bに示すように、反応材料および反応条件を変更した以外は、実施例1と同様に、メチルメタクリレート(MMA)の重合を行った。結果を表2Aおよび表2Bに示す。
モノマー濃度:8M(バルク)
ドーマント種となるハロゲン化アルキル(R−I): 2−ヨード−2−シアノプロピル(CP−I)
触媒:使用せず
ラジカル開始剤(In):アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)。
MnおよびPDI:テトラヒドロフラン(THF)を溶出液とするゲル浸透クロマトグラフィ(GPC)を用いて得たポリメチルメタクリレート(PMMA)換算分子量と分子量分布指数。
[メチルメタクリレート(MMA)の重合]
以下の表に示すように、反応材料および反応条件を変更した以外は、実施例1と同様に、メチルメタクリレート(MMA)の重合を行った。実験結果を以下の表に示す。
モノマー濃度:8M(バルク)
ドーマント種となるハロゲン化アルキル(R−I): 2−ヨード−2−シアノプロピル(CP−I)
触媒:使用せず
ラジカル開始剤(In):アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)。
MnおよびPDI:テトラヒドロフラン(THF)を溶出液として用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いたポリメチルメタクリレート(PMMA)換算分子量と分子量分布指数。
[メチルメタクリレート(MMA)の重合]
反応容器として、内容量33mlの容器を用いた。また、反応材料および条件を以下の表に示すとおりに変更した以外は、実施例1の実験と同様に実験を行った。実験結果を以下の表に示す。
モノマー濃度:8M(バルク)
ドーマント種となるハロゲン化アルキル(R−I): 2−ヨード−2−シアノプロピル(CP−I)
触媒:使用せず
ラジカル開始剤(In):アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)。
MnおよびPDI:テトラヒドロフラン(THF)を溶出液として用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いたポリメチルメタクリレート(PMMA)換算分子量と分子量分布指数。
以下の表に示すように、反応材料および反応条件を変更した以外は、実施例1と同様に、メチルメタクリレート(MMA)の重合を行った。実験結果を以下の表に示す。
溶液重合 (モノマー濃度は4M(4000mM))
溶媒:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(MFDG)またはブタノール
モノマー濃度:8M(バルク)
ドーマント種となるハロゲン化アルキル(R−I):2−ヨード−2−シアノプロピル(CP−I)
触媒:使用せず
ラジカル開始剤(In):アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)。
MnおよびPDI:テトラヒドロフラン(THF)を溶出液として用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いたポリメチルメタクリレート(PMMA)換算分子量と分子量分布指数。
以下の表に示すように、反応材料および反応条件を変更した以外は、実施例1と同様に、メチルメタクリレート(MMA)の重合を行った。実験結果を以下の表に示す。
モノマー濃度:8M(バルク)
ドーマント種となるハロゲン化アルキル(R−I): 2−ヨード−2−シアノプロピル(CP−I)
触媒:使用せず
ラジカル開始剤(In):アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル) (V70)、
2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) (V65)、
ベンゾイルパーオキサイド (BPO)、
ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート(PDX)
MnおよびPDI:テトラヒドロフラン(THF)を溶出液として用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いたポリメチルメタクリレート(PMMA)換算分子量と分子量分布指数。
以下の表に示すように、反応材料および反応条件を変更した以外は、実施例1と同様に、メチルメタクリレート(MMA)の重合を行った。実験結果を以下の表に示す。
モノマー濃度:8M(バルク)
ドーマント種となるハロゲン化アルキル(R−I):I2とラジカル開始剤との反応により反応液中において調製
触媒:使用せず
ラジカル開始剤(In):アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル) (V70)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) (V65)
ドーマント種となるハロゲン化アルキル(R−I):2−ヨード−2−シアノプロピル(CP−I)
MnおよびPDI:テトラヒドロフラン(THF)を溶出液として用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いたポリメチルメタクリレート(PMMA)換算分子量と分子量分布指数。
[スチレンの重合]
以下の表に示すように、反応材料および反応条件を変更した以外は、実施例1と同様の方法を用いて、スチレン(St)の重合を行った。実験結果を以下の表に示す。
酸素濃度が1.8mMから26mMの範囲において、重合が制御された。
すべてバルク重合 (モノマー濃度は8M(8000 mM))
ラジカル開始剤:ベンゾイルパーオキサイド(BPO)またはアゾビスイソブチロニトリル(AIBN)
ドーマント種となるハロゲン化アルキル(R−I):2−ヨード−2−シアノプロピル(CP−I)
MnおよびPDI:テトラヒドロフラン(THF)を溶出液として用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いたポリスチレン(PSt)換算分子量と分子量分布指数。
[ベンジルメタクリレート(BzMA)の重合]
以下の表に示すように、反応材料および反応条件を変更した以外は、実施例1と同様に、重合を行った。実験結果を以下の表に示す。
ラジカル開始剤:アゾビスイソブチロニトリル (AIBN)
バルク重合 (モノマー濃度は8M (8000 mM))
ドーマント種となるハロゲン化アルキル(R−I):2−ヨード−2−シアノプロピル(CP−I)
MnおよびPDI:テトラヒドロフラン(THF)を溶出液として用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて、多角光散乱(MALLS)検出器により決定した分子量と分子量分布指数。
[GMAの重合]
以下の表に示すように、反応材料および反応条件を変更した以外は、実施例1と同様に、重合を行った。実験結果を以下の表に示す。
ラジカル開始剤:アゾビスイソブチロニトリル (AIBN)
entry 1はバルク重合(モノマー濃度8M(8000 mM))
entry 2は溶液重合(モノマー濃度6M(6000 mM))
entry 3〜4は溶液重合 (モノマー濃度4M(4000 mM))
ドーマント種となるハロゲン化アルキル(R−I):2−ヨード−2−シアノプロピル(CP−I)
MnおよびPDI:テトラヒドロフラン(THF)を溶出液として用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて、多角光散乱(MALLS)検出器により決定した分子量と分子量分布指数。
[PEGMAの重合]
以下の表に示すとおり反応材料および反応条件を変更した以外は、実施例1と同様に、重合を行った。結果を以下の表に示す。
ラジカル開始剤:BPO(バルク重合、モノマー濃度8M (8000 mM))
ドーマント種となるハロゲン化アルキル(R−I):2−ヨード−2−シアノプロピル(CP−I)
MnおよびPDI:ジメチルホルムアミド(DMF)を溶出液として用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて、多角光散乱(MALLS)検出器により決定した分子量と分子量分布指数。
[HEMAの重合]
以下の表に示すとおり反応材料および反応条件を変更した以外は、実施例1と同様に、重合を行った。結果を以下の表に示す。
ラジカル開始剤:2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル) (V70)
バルク重合(モノマー濃度8M(8000mM))
ドーマント種となるハロゲン化アルキル(R−I):2−ヨード−2−シアノプロピル(CP−I)
MnおよびPDI:ジメチルホルムアミド(DMF)を溶出液とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて、多角光散乱(MALLS)検出器により決定した分子量と分子量分布指数。
[HEMA−MMAランダム共重合]
以下の表に示すように、反応材料および反応条件を変更した以外は、実施例1と同様に、重合を行った。実験結果を以下の表に示す。
溶媒:ジプロピレン グリコールモノメチルエーテル (MFDG)
ラジカル開始剤:アゾビスイソブチロニトリル (AIBN)、
2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル) (V70)
entry C−1、C−2、1−5:バルク重合(モノマー濃度8M (8000 mM))
entry 6、7:溶液重合 (モノマー濃度4M (4000 mM))
ドーマント種となるハロゲン化アルキル(R−I):2−ヨード−2−シアノプロピル(CP−I)
MnおよびPDI:ジメチルホルムアミド(DMF)を溶出液とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いたポリメチルメタクリレート(PMMA)換算分子量と分子量分布指数。
[MAA−MMAランダム共重合]
以下の表に示すとおり反応材料および反応条件を変更した以外は、実施例1と同様に、重合を行った。結果を以下の表に示す。
モノマー濃度:8M(バルク重合)
ドーマント種となるハロゲン化アルキル(R−I):I2とV70との反応により容器内で生成。
ラジカル開始剤:2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)(V70)
MnおよびPDI:ジメチルホルムアミド(DMF)を溶出液とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いたポリメチルメタクリレート(PMMA)換算分子量と分子量分布指数。
[ICEMA−MMAの共重合]
以下の表に示すとおり反応材料および反応条件を変更した以外は、実施例14と同様に、重合を行った。結果を以下の表に示す。
ラジカル開始剤:2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル) (V70)
バルク重合 (モノマー濃度は8M (8000 mM))
ドーマント種となるハロゲン化アルキル(R−I):2−ヨード−2−シアノプロピル(CP−I)
MnおよびPDI:ジメチルホルムアミド(DMF)を溶出液とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いたポリメチルメタクリレート(PMMA)換算分子量と分子量分布指数。
[アクリロニトリル(AN)の重合]
以下の表に示すとおり反応材料および反応条件を変更した以外は、実施例1と同様に、重合を行った。結果を以下の表に示す。
バルク重合 (モノマー濃度は8M (8000 mM))
ラジカル開始剤:ベンゾイルパーオキサイド(BPO)
溶液重合 (モノマー濃度は4M (4000 mM))
溶媒:エチレンカーボネート
ドーマント種となるハロゲン化アルキル(R−I):2−ヨード−2−シアノプロピル(CP−I)
MnおよびPDI:ジメチルホルムアミド(DMF)を溶出液とするゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いて、多角光散乱(MALLS)検出器により決定した分子量と分子量分布指数。
酸素を含む気相を用いる重合方法では、(1)酸素が直接、触媒として働く機構、あるいは、(2)系中で、酸素と系中の化合物が反応して何らかの化合物を与え、それが触媒として働く機構が考えうる。(2)に鑑み、重合中に新たに生成する化合物を単離したところ、ヨウ素と酸素を主成分とする化合物であった。その元素分析を行ったところ、ヨウ素73重量%、酸素27重量%であった。そのような化合物として、例えば、I2O5(ヨウ素76重量%、酸素24重量%)などが考えられる。この化合物がアルゴン雰囲気下で触媒として働くか否かを検証した。その結果、少なくともI2O5は触媒として働くことが判明した。これより、(2)の機構の存在が示唆され、重合の制御は、(2)単独、あるいは、(1)と(2)の共存により成されていることが示唆された。
ラジカル開始剤:アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)
バルク重合 (モノマー濃度は8M (8000 mM))
ドーマント種となるハロゲン化アルキル(R−I):2−ヨード−2−シアノプロピル(CP−I)
MnおよびPDI:テトラヒドロフラン(THF)を溶出液として用いたゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)を用いたポリメチルメタクリレート(PMMA)換算分子量と分子量分布指数。
以下の配合を用いた以外は、比較例2のentry C−1と同様に、重合実験を行った。
モノマー:スチレン、8.0M(1g)
ドーマント種となるハロゲン化アルキル:1−フェニルエチルブロミド、80mM(0.016g)(以下の表中では「PEB」と略す)
触媒:CuBr 5mM(0.00071g)
配位子:4,4’−ジ−(5−ノニル)−2,2’−ビピリジン 10mM(0.0035g)
(以下の表中では「dHbipy」と略す)
配位子はCuBr(触媒)をモノマーに溶かすために必ず必要であり、dHbipyの場合、CuBrに対して2当量必要である。この実験の触媒濃度(CuBr錯体濃度)は5mMである。なお、この実験においては、過酸化物を用いなかった。銅錯体触媒の場合には過酸化物を用いないことが当業者の技術常識であったからである。その理由は、(1)銅錯体触媒の場合には、過酸化物を用いなくてもラジカル反応が開始されること、および、(2)銅錯体触媒に過酸化物を加えると、成長種の失活反応が起こってしまって却って分子量分布が広くなってしまうことである。具体的には、例えば、上記非特許文献1においても、過酸化物を含まない反応原料が用いられることが記載されている。
dHbipy:CuBrをモノマー(スチレン)に溶かすための配位子。
また、反応後のMnは1200〜1400であって著しく低く、高分子量のポリスチレンが得られなかった。
スチレン 8.7 M (1 g)
1−フェニルエチルブロミド 87 mM (0.016 g)
CuBr 87 mM (0.013 g)
4,4’−ジ−(5−ノニル)−2,2’−ビピリジン 174 mM (0.076 g)
この反応溶液を110℃で7時間加熱して、ポリマーを得ている。モノマー1gに対して、錯体化合物を0.089g、すなわち、モノマーに対して8.9重量%という多量の触媒を用いている。
Claims (10)
- リビングラジカル重合方法であって、
ラジカル反応性モノマー、ラジカル開始剤、および炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物を含む反応液を反応容器に入れて重合を行う工程を包含し、
ここで、重合工程における、反応容器中の液相の体積1mlあたりの該反応容器中の気相の酸素の量が1〜70ミリモルである、方法。 - 請求項1に記載の方法であって、重合工程の際に、反応容器中の液相の体積1mlあたりの反応容器中の気相中の酸素の量が1.5〜30ミリモルである、方法。
- 請求項1または2に記載の方法であって、前記重合の際に、ドーマント種からラジカルを可逆的に発生させるための触媒またはドーマント種からラジカルを可逆的に発生させるための触媒を反応液中に生成させるための化合物として、気体の酸素以外の化合物が添加されない、方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法であって、前記容器の気相中の酸素濃度が1体積%〜10体積%である、方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法であって、前記容器の気相が、空気である、方法。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載の方法であって、前記有機ハロゲン化物中のハロゲンが結合している炭素原子に、2つのメチル基が結合しているか、または1つのメチル基および1つの水素が結合している、方法。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法であって、前記有機ハロゲン化物中のハロゲンがヨウ素である、方法。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法であって、ラジカル反応性モノマーが、アクリル酸、アクリレート、メタクリル酸、メタクリレートまたはスチレンである、方法。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法であって、
反応液に溶媒が使用されていないか、または、使用される溶媒の量が、前記モノマー100重量部に対して120重要部以下であり、
前記ラジカル開始剤の濃度が、5〜150mMであり、
前記有機ハロゲン化物の濃度が、10〜100mMである、
方法。 - ポリマーの製造方法であって、
ラジカル反応性モノマー、ラジカル開始剤、および炭素−ハロゲン結合を有する有機ハロゲン化物を含む反応液を反応容器に入れて重合を行う工程を包含し、
ここで、重合工程における、反応容器中の液相の体積1mlあたりの該反応容器中の気相の酸素の量が1〜70ミリモルである、
製造方法。
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