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JP2016084822A - マルチディスク変速機 - Google Patents
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JP2016084822A - マルチディスク変速機 - Google Patents

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Abstract

【課題】スピンロスを低減する。
【解決手段】プライマリディスクとセカンダリディスク(センターディスク12a)との少なくとも一方の接触部を形成する面にフェーシング121を設け、フェーシング121に、複数のディスク周方向の溝122を、複数のディスク周方向の溝122により区切られたフェーシング121のディスク径方向の幅が接触部のディスク径方向の幅より狭くなるように設ける。
【選択図】図8

Description

本発明は、マルチディスク変速機に関する。
特許文献1には、入力軸に設けられたプライマリディスクと出力軸に設けられたセカンダリディスクとを部分的に重ね合わせてディスク重合領域を設け、この領域で両ディスクを一対の押付ローラで挟んで接触させることで、入力軸の回転を出力軸に伝達するマルチディスク変速機が開示されている。
マルチディスク変速機においては、一対の押付ローラが両ディスクを挟む位置を変更することによって変速が実現される。すなわち、両ディスクを挟む位置を、入力軸に近づければ変速比がLow側(変速比大側)に変化し、出力軸に近づければ変速比がHigh側(変速比小側)に変化する。
特開2010−53995号公報
マルチディスク変速機では、ディスクのわずかな弾性変形によりトルクを伝達する接触部を形成することから、接触部が面接触となりスピンロスが発生する。
スピンロスとは、接触部におけるプライマリディスクとセカンダリディスクとの周速差により、ディスクが滑り接触となることで発生する駆動損失である。そして、接触部の幅が広いほどプライマリディスクとセカンダリディスクとの周速差が大きくなるので、スピンロスが大きくなり、トルク伝達効率が低下するという問題がある(図6参照)。
本発明は、このような技術的課題に鑑みてなされたもので、スピンロスを低減することを目的とする。
本発明のある態様によれば、動力源からの回転が入力される入力軸と、前記入力軸に対して平行に配置される出力軸と、前記入力軸に設けられるプライマリディスクと、前記出力軸に設けられ、前記プライマリディスクと重なり合うディスク重合領域を有するセカンダリディスクと、前記ディスク重合領域において前記プライマリディスク及び前記セカンダリディスクを挟んで両側に配置される一対の押付ローラと、前記一対の押付ローラを、前記入力軸と前記出力軸との間で移動させる変速アクチュエータと、前記一対の押付ローラを、前記プライマリディスク及び前記セカンダリディスクに押し付けて、前記プライマリディスクと前記セカンダリディスクとの間に接触部を形成させる押付機構と、を備えたマルチディスク変速機において、前記プライマリディスクと前記セカンダリディスクとの少なくとも一方の前記接触部を形成する面に摩擦材を設け、前記摩擦材に、複数のディスク周方向の溝を、前記複数のディスク周方向の溝により区切られた前記摩擦材のディスク径方向の幅が前記接触部のディスク径方向の幅より狭くなるように設ける、ことを特徴とするマルチディスク変速機が提供される。
上記態様によれば、複数のディスク周方向の溝により区切られた摩擦材の幅が、ディスク周方向の溝がない場合の接触部の幅より狭くなるように設定されているので、接触部におけるプライマリディスクとセカンダリディスクとの周速差を小さくできる。したがって、スピンロスを低減でき、トルク伝達効率の低下を抑制できる。
マルチディスク変速機を備えた車両の全体概略図である。 マルチディスク変速機をエンジン側から見た図である。 図2における下面図である。 図2のIV−IV断面図である。 図2のV−V断面図である。 トルク伝達接触部におけるプライマリディスクとセカンダリディスクとの周速差を示す図である。 ディスク重合領域を示す図である。 フェーシングを備えたセンターディスクの上面図である。 フェーシングの変形例を示す図である。 フェーシングの変形例を示す図である。
以下、添付図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係るマルチディスク変速機を備えた車両の全体概略図である。
車両1は、動力源としてのエンジン2と、マルチディスク変速機(以下、変速機と言う。)3と、左右の駆動軸4、5と、左右の駆動輪6、7とを備える。
変速機3は、変速機ケース9と、入力軸10と、プライマリディスク11と、セカンダリディスク12と、押付機構13と、出力軸14と、乾式発進クラッチ15と、リバースギア16と、リバースアイドラギア17と、出力ギア18と、シンクロ機構19と、ファイナルギア20と、デファレンシャルギアユニット21とを備える。
入力軸10と出力軸14とは平行に配置され、変速機ケース9によって回転可能に支持される。
図2は変速機3をエンジン2側から見た図である。図3は図2の下面図である。図4は図2のIV−IV断面図である。なお、図2以降の図面については説明のため部材の一部を省略している。
プライマリディスク11は、2枚の円形のディスク11aを入力軸10の軸方向に並べて入力軸10に取り付けて構成され、入力軸10と一体となって回転する。2枚のディスク11aの間にはスペーサ22が設けられ、2枚のディスク11aは、スペーサ22によって入力軸10の軸方向に所定の間隔を設けて配置される。プライマリディスク11は、ディスク11aの外周端が出力軸14に近接するように配置される。プライマリディスク11は入力軸10とともに図2の矢印方向に回転する。
セカンダリディスク12は、センターディスク12aと、センターディスク12aの両面側に向かい合わせて設けた2枚のサイドディスク12bとを備える。セカンダリディスク12は、センターディスク12aとサイドディスク12bとを出力軸14の軸方向に並べて出力軸14に取り付けて構成され、出力軸14と一体となって回転する。センターディスク12aとサイドディスク12bとの間にはスペーサ23が設けられ、センターディスク12aとサイドディスク12bとは、スペーサ23によって出力軸14の軸方向に所定の間隔を設けて配置される。セカンダリディスク12は、センターディスク12aの外周端、およびサイドディスク12bの外周端が入力軸10に近接するように配置される。
センターディスク12aは、円形のディスクであり、サイドディスク12b、およびプライマリディスク11のディスク11aよりも出力軸14の軸方向における厚さが厚い。また、センターディスク12aは、両面にフェーシング121を備える。フェーシング121については、後で詳しく述べる。
プライマリディスク11のディスク11aは、セカンダリディスク12のセンターディスク12aとサイドディスク12bとの間に配置される。プライマリディスク11とセカンダリディスク12とは、入力軸10と出力軸14との間で、ディスクの一部が重なり合うディスク重合領域を形成する。
ディスク重合領域において、プライマリディスク11のディスク11aとセンターディスク12aとの間には、以下に詳述する押付機構13による押付力が作用しない状態では、隙間が形成される。
これに対し、押付機構13による押付力が作用する状況では、プライマリディスク11とセカンダリディスク12とが弾性変形して接触し、トルク伝達接触部が形成される。変速機3においては、プライマリディスク11とセカンダリディスク12との間にトルク伝達接触部が形成されることで、入力軸10から出力軸14への回転の伝達が実現される。また、軸心連結線Oは、入力軸10の軸心と出力軸14の軸心とを結び、入力軸10と出力軸14とに直交する線である。
押付機構13は、一対の押付ローラ機構30と、一対のディスククランプ機構31と、押付力調整機構32と、第1アクチュエータ33とを備える。
第1アクチュエータ33は、押付ローラ機構30を軸心連結線Oに沿って移動させる。
第1アクチュエータ33は、電動モータ34と、ボールスクリュー機構35と、ブラケット37とを備える。
ボールスクリュー機構35は、一方の端部が電動モータ34の回転軸に連結され、電動モータ34の回転軸の回転方向に応じて正方向または逆方向に回転する。ボールスクリュー機構35は軸心連結線O方向に延設される。
ブラケット37は、ボールスクリュー機構35が回転すると、ボールスクリュー機構35の回転に応じてボールスクリュー機構35の軸方向、つまり軸心連結線O方向に沿って移動する。ブラケット37には、電動モータ34側となるにつれてボールスクリュー機構35からの距離が短くなるテーパ面37aがエンジン2側の面に形成される。ブラケット37が電動モータ34によって往復動されると、テーパ面37aに所謂カムフォロワーのように追随するプッシュロッド(図示せず)が往復動され、プッシュロッドによって乾式発進クラッチ15のレリーズレバーが駆動されてクラッチの締結及び解放がなされる。
ブラケット37は、軸心連結線O方向に延設される第1シャフト38を介して、押付ローラ機構30の第2支持部44、ローラフォロアサポートブロック48に連結する。電動モータ34によってボールスクリュー機構35が回転されると、ブラケット37はボールスクリュー機構35の回転方向に応じて軸心連結線O方向に沿って前後進し、押付ローラ機構30がブラケット37および第1シャフト38と一体となって軸心連結線O方向に沿って前後進する。
図5は、図2のV−V断面図である。
押付ローラ機構30は、押付ローラ40と、保持部41と、押付ローラシャフト42と、第1支持部43と、第2支持部44と、サポートブロック46と、第1ローラフォロア47とを備える。
一対の押付ローラ機構30は、プライマリディスク11及びセカンダリディスク12を挟んで両側に配置され、ガイドブロック49に取り付けられている。ガイドブロック49は、変速機ケース9に取り付けられる2つのガイドシャフトブロック50の間に設けられて軸心連結線O方向に延設される2本のガイドシャフト51に摺動可能に支持される。つまり、押付ローラ機構30は、ガイドブロック49を介してガイドシャフト51に摺動可能に支持され、第1アクチュエータ33により軸心連結線O方向に移動し、目標変速比に対応する位置にトルク伝達接触部を形成する。
押付ローラシャフト42は、軸心連結線O方向に交差する方向に延設され、一方の端部42aを第1支持部43によって支持され、もう一方の端部42bを第2支持部44によって支持される。押付ローラシャフト42は、第2支持部44によって支持される端部42bが球形状となっている。押付ローラシャフト42には第1支持部43と第2支持部44との間に押付ローラ40を支持する保持部41が取り付けられる。
第1支持部43は、ガイドシャフト51と平行に設けた回動軸52を介してガイドブロック49に回動可能に支持されている。第1支持部43は、押付ローラシャフト42の一方の端部42aをニードルベアリング53を介して支持する。
第2支持部44は、押付ローラシャフト42のもう一方の端部42bをサポートブロック46およびニードルベアリング54を介して支持する。入力軸10の軸方向における第2支持部44とサポートブロック46との間には、球形状の先端部55aを有するブッシュ55が設けられ、第2支持部44とサポートブロック46との間に隙間が形成される。入力軸10の軸方向において隙間はブッシュ55よりもプライマリディスク11側に位置し、ブッシュ55の先端部55aがサポートブロック46に当接する。第2支持部44には軸心連結線O方向、および入力軸10の軸方向に直交する方向に延び、第1ローラフォロア47が取り付けられた第2シャフト56の端部が連結する。第2支持部44は第1ローラフォロア47にかかる押付力によって入力軸10の軸方向に移動する。第2支持部44の入力軸10の軸方向への移動に応じて、第1支持部43、および押付ローラ40を支持する保持部41は、回動軸52を中心として回動する。
第1支持部43は、軸心連結線O方向において、ニードルベアリング53と押付ローラシャフト42との間に隙間を形成するように設けられる。第2支持部44に支持される押付ローラシャフト42の端部42bは球形状となっており、この端部42bがニードルベアリング54と当接している。これにより、押付ローラシャフト42は、回動、かつ、軸心連結線O方向に対して傾動可能に第1支持部43および第2支持部44に支持される。
保持部41は、第1支持部43と第2支持部44との間に設けられ、押付ローラシャフト42に取り付けられる。保持部41は、押付ローラシャフト42と一体となって回動、および傾動する。
保持部41には第1軸部57が固定される。入力軸10の軸方向から見た場合に、押付ローラシャフト42が軸心連絡線Oに対して直角な方向にある場合には、第1軸部57は軸心連絡線Oと一致する。また、第1軸部57は、図4において第1軸部57がディスク面に対して傾斜するように設けられる。
押付ローラ40は、第1軸部57に回転可能に支持される。
押付ローラ40は、ディスク重合領域において、サイドディスク12bと当接し、第1軸部57を中心に回転する。押付ローラ40は、第1ローラフォロア47を介して伝達される押付力が大きくなると、ディスク11、12を弾性変形させて、トルク伝達接触部を形成する。
押付ローラ40には、保持部41を介して付勢部45a、45bのバネ60の付勢力が作用する。
第1ローラフォロア47は、図5に示すように第2支持部44と連結する第2シャフト56が内周孔47aに挿入され、フロントクランプアーム67およびリアクランプアーム68のディスク11、12側の側面67a、68aに当接して転動する。
第2支持部44に連結する端部とは反対側の第2シャフト56の端部は、ローラフォロアサポートブロック48に形成された孔48aに挿入される。孔48aは、入力軸10の軸方向に沿って形成されるオーバル形状の孔である。ローラフォロアサポートブロック48は孔48aに沿って第2シャフト56を入力軸10の軸方向に摺動可能に支持する。また、ローラフォロアサポートブロック48は、軸心連結線O方向に延びる第1シャフト38を介してブラケット37に連結しており、ブラケット37の移動に応じて軸心連結線O方向に移動する。
ディスククランプ機構31は、アームシャフト65、フロントクランプアーム67およびリアクランプアーム68を備える。
アームシャフト65は、軸心連結線O、および入力軸10に対して直角な方向に延びる円柱状の部材である。アームシャフト65は、入力軸10と直交し、かつ図5に示すように入力軸10の軸方向におけるプライマリディスク11の中心と重なるように設けられる。
フロントクランプアーム67は、図3に示すように略L字状となる板状部材である。フロントクランプアーム67は一方の端部側でアームシャフト65に回動可能に支持されている。フロントクランプアーム67のもう一方の端部は、後述する押付力調整機構32の係合部72が形成されている。フロントクランプアーム67は、図5に示すようにディスク11、12側の側面67a(板状部材の厚みを形成する面)が第1ローラフォロア47に当接する。
リアクランプアーム68は、図3に示すように略L字状となる板状部材である。リアクランプアーム68は一方の端部側でアームシャフト65に回動可能に支持されている。リアクランプアーム68のもう一方の端部は、後述する押付力調整機構32のケース70に連結する。リアクランプアーム68は、図5に示すようにディスク11、12側の側面68a(板状部材の厚みを形成する面)が第1ローラフォロア47に当接する。
フロントクランプアーム67およびリアクランプアーム68は、押付力調整機構32によって発生する押付力によってアームシャフト65を支点として回動し、一対の押付ローラ機構30を挟持することで保持部41に押付力を作用させ、押付ローラ40からプライマリディスク11およびセカンダリディスク12に押付力を作用させる。
押付力調整機構32は、図3に示すようにケース70と、第2軸部71と、係合部72と、回動部73と、圧縮バネ74と、第2アクチュエータ(図示せず)とを備える。
ケース70は、リアクランプアーム68の端部に連結する。ケース70は回動部73の一部を収容し、第2軸部71が取り付けられる。
第2軸部71は、アームシャフト65と平行な円柱状の部材であり、回動部73を回動可能に支持する。
係合部72は、フロントクランプアーム67の端部に形成され、同端部からリアクランプアーム68側に延びる連結部75と、連結部75のリアクランプアーム68側の端部から第2軸部71を囲繞するように延びる曲面部76とを備える。曲面部76は、第2軸部71を中心とした円弧状の外周壁を有する。曲面部76の外周壁には、回動部73の第2ローラフォロア79が接触して転動する。
回動部73は、回転ボディ77と、回転伝達ブロック78と、第2ローラフォロア79とを備える。回転ボディ77は、第1ボディ80と、第2ボディ81とを備える。
第1ボディ80は、第2軸部71を挟むように延びた略U字状の部材である。第1ボディ80は、第2軸部71の外周壁に当接し、第2軸部71によって回動可能、且つ摺動可能に支持される。第1ボディ80は、開放側の端部に圧縮バネ74の一方の端部を支持するストッパー82を備える。
回転伝達ブロック78は、第2軸部71が貫通し、第2軸部71によって回動可能に支持される。回転伝達ブロック78は、圧縮バネ74のストッパー82によって支持される端部とは反対側の端部を支持する。
第1ボディ80と第2ボディ81とは接合されており、第2ボディ81には、第2ローラフォロア79が取り付けられる。
回転ボディ77は、圧縮バネ74の復元力によって、常に第2軸部71からストッパー82に向かう向きに付勢されている。しかし、第2軸部71に対して圧縮バネ74とは反対側に位置する第2ボディ81が回転伝達ブロック78に当接し、第2軸部71から圧縮バネ74方向への回転ボディ77の移動は規制される。
第2ローラフォロア79は曲面部76の円弧状の外周壁に当接して転動する。第2ローラフォロア79は、第2アクチュエータによって第2軸部71を回転ボディ77と一体となって回動し、圧縮バネ74によって常に第2軸部71に向けて付勢される。
押付力調整機構32は、第2ローラフォロア79を第2軸部71を中心に回動させることで、圧縮バネ74によって第2ローラフォロア79を第2軸部71に向けて付勢する力の方向を変更する。これにより、フロントクランプアーム67をリアクランプアーム68側へ押す力、すなわち一対の押付ローラ機構30を挟持する押付力を変更する。
以上、述べたように、変速機3においては、押付機構13による押付力が作用すると、プライマリディスク11とセカンダリディスク12とが弾性変形して接触し、トルク伝達接触部が形成されて入力軸10から出力軸14への回転の伝達が実現される。
このようなマルチディスク変速機では、ディスクのわずかな弾性変形によりトルク伝達接触部を形成することから、トルク伝達接触部は面接触となる。そして、トルク伝達接触部の軸心連結線O方向の幅が広いほど、トルク伝達接触部におけるディスクの周速差によるスピンロス(滑り接触による駆動損失)が大きくなり、トルク伝達効率が低下してしまうので、スピンロスを低減する必要がある。
図6は、トルク伝達接触部におけるプライマリディスク11とセカンダリディスク12との周速差を示す図である。
プライマリディスク11の周速とセカンダリディスク12の周速とは、プライマリディスク11が駆動ディスクであり、セカンダリディスク12が従動ディスクであるという関係から、プライマリディスク11の周速>セカンダリディスク12の周速、となる。
そして、トルク伝達接触部でスリップが発生していない理想的な駆動状態では、トルク伝達接触部におけるプライマリディスク11側の端で、プライマリディスク11の周速とセカンダリディスク12の周速とが等しくなり、セカンダリディスク12側の端で周速差が最大となる。
このように、プライマリディスク11とセカンダリディスク12との周速差が発生している部分ではスピンロスが発生するので、変速機3のトルク伝達効率が低下する。
これに対して、本実施形態におけるセンターディスク12aは、図7に示すように、両面にフェーシング121を備え、また、フェーシング121は、図8に示すように、複数のディスク周方向の溝122と、複数のディスク径方向の溝123とにより複数の区画に区切られる。
複数のディスク周方向の溝122の位置は、ディスク周方向の溝122により区切られたフェーシング121のディスク径方向の幅が、フェーシング121がディスク周方向の溝122を備えない場合に形成されるトルク伝達接触部の幅より狭くなるように設定される。例えば、本実施形態においては、押付ローラ40がサイドディスク12bと接触する幅よりも狭くなるように設定されるので、フェーシング121がディスク周方向の溝122を備えない場合よりもトルク伝達接触部の幅を狭くできる。
また、ディスク周方向の溝122の幅は、ディスク11aとセンターディスク12aとの間にトルク伝達接触部が形成されたときに、ディスク11aが、トルク伝達接触部を形成している区画以外のフェーシング121の区画と接触しないように設定される。
このように、複数のディスク周方向の溝122により区切られたフェーシング121のディスク径方向の幅が、押付ローラ40がサイドディスク12bと接触する幅よりも狭くなるように設定されているので、フェーシング121がディスク周方向の溝122を備えない場合よりもトルク接触伝達部の幅が狭くなる。したがって、フェーシング121がディスク周方向の溝122を備えない場合よりもトルク伝達接触部におけるプライマリディスク11とセカンダリディスク12との周速差が小さくなるので、スピンロスを低減できる。
また、上記のように、フェーシング121は、複数のディスク径方向の溝123を備えるので、トルク伝達接触部を形成するセンターディスク12aとディスク11aとの表面に付着した潤滑油がディスク径方向の溝123から排出される。したがって、トルク伝達接触部に潤滑油が巻き込まれて、くさび効果により流体潤滑となるのを防止でき、スリップを抑制できる。
なお、複数のディスク11、12が押付ローラ40により押し付けられるので、内側のディスクほど押付力が分散して伝わりトルク伝達接触部の面圧が低下するが、最も内側に配設されるセンターディスク12aが摩擦係数の高いフェーシング121を備えることで高い摩擦力を確保でき、スリップの発生を抑制できる。
上記態様によれば、複数のディスク周方向の溝122により区切られたフェーシング121のディスク径方向の幅が、押付ローラ40がサイドディスク12bと接触する幅よりも狭くなるように設定されているので、フェーシング121がディスク周方向の溝122を備えない場合よりもトルク伝達接触部の幅が狭くなる。したがって、フェーシング121がディスク周方向の溝122を備えない場合よりもトルク伝達接触部におけるプライマリディスク11とセカンダリディスク12との周速差を小さくできるので、スピンロスを低減でき、トルク伝達効率の低下を抑制できる(請求項1に対応する効果)。
また、フェーシング121が複数のディスク径方向の溝123を備えるので、トルク伝達接触部を形成するセンターディスク12aとディスク11aとの表面に付着した潤滑油がディスク径方向の溝123から排出され、トルク伝達接触部に潤滑油が巻き込まれてくさび効果により流体潤滑となるのを防止できる。したがって、スリップを抑制でき、トルク伝達効率の低下を抑制できる(請求項2に対応する効果)。
以上、本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の適用例の一つを示したものに過ぎず、本発明の技術的範囲を上記実施形態の具体的構成に限定する趣旨ではない。
例えば、図8に示すフェーシング121は、複数のディスク周方向の溝122と、複数のディスク径方向の溝123とにより複数の区画に区切られ、それぞれの区画は完全に分離しているが、図9に示すように、ディスク周方向の溝122とディスク径方向の溝123(図示せず)との底部でフェーシング121が連続していてもよい。また、図10に示すように、区切られたフェーシング121の区画の形状が山状に形成されていてもよい。
なお、溝122、123は、フェーシング121に形成されるので、様々な形状への設計変更を容易に行うことができる。
また、上記実施形態では、センターディスク12aがフェーシング121を備える構成としているが、ディスク11aやサイドディスク12bがフェーシング121を備える構成としてもよい。
10 入力軸
14 出力軸
11 プライマリディスク
12 セカンダリディスク
31 ディスククランプ機構(押付機構)
32 押付力調整機構(押付機構)
33 第1アクチュエータ(変速アクチュエータ)
40 押付ローラ
121 フェーシング(摩擦材)
122 ディスク周方向の溝
123 ディスク径方向の溝

Claims (2)

  1. 動力源からの回転が入力される入力軸と、
    前記入力軸に対して平行に配置される出力軸と、
    前記入力軸に設けられるプライマリディスクと、
    前記出力軸に設けられ、前記プライマリディスクと重なり合うディスク重合領域を有するセカンダリディスクと、
    前記ディスク重合領域において前記プライマリディスク及び前記セカンダリディスクを挟んで両側に配置される一対の押付ローラと、
    前記一対の押付ローラを、前記入力軸と前記出力軸との間で移動させる変速アクチュエータと、
    前記一対の押付ローラを、前記プライマリディスク及び前記セカンダリディスクに押し付けて、前記プライマリディスクと前記セカンダリディスクとの間に接触部を形成させる押付機構と、を備えたマルチディスク変速機において、
    前記プライマリディスクと前記セカンダリディスクとの少なくとも一方の前記接触部を形成する面に摩擦材を設け、
    前記摩擦材に、複数のディスク周方向の溝を、前記複数のディスク周方向の溝により区切られた前記摩擦材のディスク径方向の幅が前記接触部のディスク径方向の幅より狭くなるように設ける、
    ことを特徴とするマルチディスク変速機。
  2. 請求項1に記載のマルチディスク変速機において、
    前記摩擦材に、複数のディスク径方向の溝を設ける、
    ことを特徴とするマルチディスク変速機。
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