JP2021150281A - リチウムイオン電池用被覆正極活物質粒子、リチウムイオン電池用正極及びリチウムイオン電池用被覆正極活物質粒子の製造方法 - Google Patents
リチウムイオン電池用被覆正極活物質粒子、リチウムイオン電池用正極及びリチウムイオン電池用被覆正極活物質粒子の製造方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】正極活物質粒子表面の少なくとも一部が被覆層で被覆されたリチウムイオン電池用被覆正極活物質粒子であって、上記被覆層が、高分子化合物と導電助剤とセラミック粒子とを含むリチウムイオン電池用被覆正極活物質粒子。
【選択図】 図1
Description
従来の被覆活物質を用いたリチウムイオン電池では、高温環境下で使用される場合に、電解液と被覆活物質との間で副反応が起こり、リチウムイオン電池が劣化(具体的には、内部抵抗値が上昇)することがあるといった課題があり、改善の余地があった。
本発明のリチウムイオン電池用被覆正極活物質粒子(以下、単に「被覆正極活物質粒子」ともいう)は、正極活物質粒子表面の少なくとも一部が被覆層で被覆された被覆正極活物質粒子であって、上記被覆層が、高分子化合物と導電助剤とセラミック粒子とを含む。
本発明の被覆正極活物質粒子においては、被覆層が、高分子化合物と導電助剤とセラミック粒子とを含むことにより、電解液と被覆正極活物質粒子との間で起こる副反応を抑制することができ、リチウムイオン電池の内部抵抗値が上昇することを防止できる。
なお、リチウム含有遷移金属リン酸塩は、遷移金属サイトの一部を他の遷移金属で置換したものであってもよい。
高分子化合物としては、例えば、アクリルモノマー(a)を必須構成単量体とする重合体を含む樹脂であることが好ましい。
具体的には、被覆層を構成する高分子化合物は、アクリルモノマー(a)として、アクリル酸(a0)を含む単量体組成物の重合体であることが好ましい。上記単量体組成物において、アクリル酸(a0)の含有量は、単量体全体の重量を基準として90重量%を超え、98重量%以下であることが好ましい。被覆層の柔軟性の観点から、アクリル酸(a0)の含有量は、単量体全体の重量を基準として93.0〜97.5重量%であることがより好ましく、95.0〜97.0重量%であることがさらに好ましい。
CH2=C(R1)COOR2 (1)
[式(1)中、R1は水素原子又はメチル基であり、R2は炭素数4〜12の直鎖又は炭素数3〜36の分岐アルキル基である。]
R2は、炭素数4〜12の直鎖若しくは分岐アルキル基、又は、炭素数13〜36の分岐アルキル基であることが好ましい。
炭素数4〜12の直鎖アルキル基としては、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基が挙げられる。
炭素数4〜12の分岐アルキル基としては、1−メチルプロピル基(sec−ブチル基)、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルエチル基(tert−ブチル基)、1−メチルブチル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基(ネオペンチル基)、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、1−エチルブチル基、2−エチルブチル基、1−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、4−メチルヘキシル基、5−メチルヘキシル基、1−エチルペンチル基、2−エチルペンチル基、3−エチルペンチル基、1,1−ジメチルペンチル基、1,2−ジメチルペンチル基、1,3−ジメチルペンチル基、2,2−ジメチルペンチル基、2,3−ジメチルペンチル基、2−エチルペンチル基、1−メチルヘプチル基、2−メチルヘプチル基、3−メチルヘプチル基、4−メチルヘプチル基、5−メチルヘプチル基、6−メチルヘプチル基、1,1−ジメチルヘキシル基、1,2−ジメチルヘキシル基、1,3−ジメチルヘキシル基、1,4−ジメチルヘキシル基、1,5−ジメチルヘキシル基、1−エチルヘキシル基、2−エチルヘキシル基、1−メチルオクチル基、2−メチルオクチル基、3−メチルオクチル基、4−メチルオクチル基、5−メチルオクチル基、6−メチルオクチル基、7−メチルオクチル基、1,1−ジメチルヘプチル基、1,2−ジメチルヘプチル基、1,3−ジメチルヘプチル基、1,4−ジメチルヘプチル基、1,5−ジメチルヘプチル基、1,6−ジメチルヘプチル基、1−エチルヘプチル基、2−エチルヘプチル基、1−メチルノニル基、2−メチルノニル基、3−メチルノニル基、4−メチルノニル基、5−メチルノニル基、6−メチルノニル基、7−メチルノニル基、8−メチルノニル基、1,1−ジメチルオクチル基、1,2−ジメチルオクチル基、1,3−ジメチルオクチル基、1,4−ジメチルオクチル基、1,5−ジメチルオクチル基、1,6−ジメチルオクチル基、1,7−ジメチルオクチル基、1−エチルオクチル基、2−エチルオクチル基、1−メチルデシル基、2−メチルデシル基、3−メチルデシル基、4−メチルデシル基、5−メチルデシル基、6−メチルデシル基、7−メチルデシル基、8−メチルデシル基、9−メチルデシル基、1,1−ジメチルノニル基、1,2−ジメチルノニル基、1,3−ジメチルノニル基、1,4−ジメチルノニル基、1,5−ジメチルノニル基、1,6−ジメチルノニル基、1,7−ジメチルノニル基、1,8−ジメチルノニル基、1−エチルノニル基、2−エチルノニル基、1−メチルウンデシル基、2−メチルウンデシル基、3−メチルウンデシル基、4−メチルウンデシル基、5−メチルウンデシル基、6−メチルウンデシル基、7−メチルウンデシル基、8−メチルウンデシル基、9−メチルウンデシル基、10−メチルウンデシル基、1,1−ジメチルデシル基、1,2−ジメチルデシル基、1,3−ジメチルデシル基、1,4−ジメチルデシル基、1,5−ジメチルデシル基、1,6−ジメチルデシル基、1,7−ジメチルデシル基、1,8−ジメチルデシル基、1,9−ジメチルデシル基、1−エチルデシル基、2−エチルデシル基等が挙げられる。これらの中では、特に、2−エチルヘキシル基が好ましい。
炭素数13〜36の分岐アルキル基としては、1−アルキルアルキル基[1−メチルドデシル基、1−ブチルエイコシル基、1−ヘキシルオクタデシル基、1−オクチルヘキサデシル基、1−デシルテトラデシル基、1−ウンデシルトリデシル基等]、2−アルキルアルキル基[2−メチルドデシル基、2−ヘキシルオクタデシル基、2−オクチルヘキサデシル基、2−デシルテトラデシル基、2−ウンデシルトリデシル基、2−ドデシルヘキサデシル基、2−トリデシルペンタデシル基、2−デシルオクタデシル基、2−テトラデシルオクタデシル基、2−ヘキサデシルオクタデシル基、2−テトラデシルエイコシル基、2−ヘキサデシルエイコシル基等]、3〜34−アルキルアルキル基(3−アルキルアルキル基、4−アルキルアルキル基、5−アルキルアルキル基、32−アルキルアルキル基、33−アルキルアルキル基及び34−アルキルアルキル基等)、並びに、プロピレンオリゴマー(7〜11量体)、エチレン/プロピレン(モル比16/1〜1/11)オリゴマー、イソブチレンオリゴマー(7〜8量体)及びα−オレフィン(炭素数5〜20)オリゴマー(4〜8量体)等から得られるオキソアルコールから水酸基を除いた残基のような1又はそれ以上の分岐アルキル基を含有する混合アルキル基等が挙げられる。
エステル化合物(a3)を構成する炭素数1〜3の1価の脂肪族アルコールとしては、メタノール、エタノール、1−プロパノール及び2−プロパノール等が挙げられる。
なお、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
被覆層を構成する高分子化合物としては、例えば、モノマー(a1)としてマレイン酸を用いた、アクリル酸及びマレイン酸の共重合体、モノマー(a2)としてメタクリル酸2−エチルヘキシルを用いた、アクリル酸及びメタクリル酸2−エチルヘキシルの共重合体、エステル化合物(a3)としてメタクリル酸メチルを用いた、アクリル酸及びメタクリル酸メチルの共重合体等が挙げられる。
アニオン性基としては、スルホン酸基及びカルボキシル基等が挙げられる。
重合性不飽和二重結合とアニオン性基とを有するアニオン性単量体はこれらの組み合わせにより得られる化合物であり、例えばビニルスルホン酸、アリルスルホン酸、スチレンスルホン酸及び(メタ)アクリル酸が挙げられる。
なお、(メタ)アクリロイル基は、アクリロイル基又はメタクリロイル基を意味する。
アニオン性単量体の塩(a4)を構成するカチオンとしては、リチウムイオン、ナトリウムイオン、カリウムイオン及びアンモニウムイオン等が挙げられる。
ラジカル重合性モノマー(a5)としては、活性水素を含有しないモノマーが好ましく、下記(a51)〜(a58)のモノマーを用いることができる。
上記モノオールとしては、(i)直鎖脂肪族モノオール(トリデシルアルコール、ミリスチルアルコール、ペンタデシルアルコール、セチルアルコール、ヘプタデシルアルコール、ステアリルアルコール、ノナデシルアルコール、アラキジルアルコール等)、(ii)脂環式モノオール(シクロペンチルアルコール、シクロヘキシルアルコール、シクロヘプチルアルコール、シクロオクチルアルコール等)、(iii)芳香脂肪族モノオール(ベンジルアルコール等)及びこれらの2種以上の混合物が挙げられる。
(a53−1)アミド基含有ビニル化合物
(i)炭素数3〜30の(メタ)アクリルアミド化合物、例えばN,N−ジアルキル(炭素数1〜6)又はジアラルキル(炭素数7〜15)(メタ)アクリルアミド(N,N−ジメチルアクリルアミド、N,N−ジベンジルアクリルアミド等)、ジアセトンアクリルアミド
(ii)上記(メタ)アクリルアミド化合物を除く、炭素数4〜20のアミド基含有ビニル化合物、例えばN−メチル−N−ビニルアセトアミド、環状アミド[ピロリドン化合物(炭素数6〜13、例えば、N−ビニルピロリドン等)]
(i)ジアルキル(炭素数1〜4)アミノアルキル(炭素数1〜4)(メタ)アクリレート[N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、モルホリノエチル(メタ)アクリレート等]
(ii)4級アンモニウム基含有(メタ)アクリレート{3級アミノ基含有(メタ)アクリレート[N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート等]の4級化物(メチルクロライド、ジメチル硫酸、ベンジルクロライド、ジメチルカーボネート等の4級化剤を用いて4級化したもの)等}
ピリジン化合物(炭素数7〜14、例えば2−又は4−ビニルピリジン)、イミダゾール化合物(炭素数5〜12、例えばN−ビニルイミダゾール)、ピロール化合物(炭素数6〜13、例えばN−ビニルピロール)、ピロリドン化合物(炭素数6〜13、例えばN−ビニル−2−ピロリドン)
炭素数3〜15のニトリル基含有ビニル化合物、例えば(メタ)アクリロニトリル、シアノスチレン、シアノアルキル(炭素数1〜4)アクリレート
ニトロ基含有ビニル化合物(炭素数8〜16、例えばニトロスチレン)等
(a54−1)脂肪族ビニル炭化水素
炭素数2〜18又はそれ以上のオレフィン(エチレン、プロピレン、ブテン、イソブチレン、ペンテン、ヘプテン、ジイソブチレン、オクテン、ドデセン、オクタデセン等)、炭素数4〜10又はそれ以上のジエン(ブタジエン、イソプレン、1,4−ペンタジエン、1,5−ヘキサジエン、1,7−オクタジエン等)等
炭素数4〜18又はそれ以上の環状不飽和化合物、例えばシクロアルケン(例えばシクロヘキセン)、(ジ)シクロアルカジエン[例えば(ジ)シクロペンタジエン]、テルペン(例えばピネン及びリモネン)、インデン
炭素数8〜20又はそれ以上の芳香族不飽和化合物、例えばスチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、2,4−ジメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、フェニルスチレン、シクロヘキシルスチレン、ベンジルスチレン
脂肪族ビニルエステル[炭素数4〜15、例えば脂肪族カルボン酸(モノ−又はジカルボン酸)のアルケニルエステル(例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ジアリルアジペート、イソプロペニルアセテート、ビニルメトキシアセテート)]
芳香族ビニルエステル[炭素数9〜20、例えば芳香族カルボン酸(モノ−又はジカルボン酸)のアルケニルエステル(例えばビニルベンゾエート、ジアリルフタレート、メチル−4−ビニルベンゾエート)、脂肪族カルボン酸の芳香環含有エステル(例えばアセトキシスチレン)]
脂肪族ビニルエーテル[炭素数3〜15、例えばビニルアルキル(炭素数1〜10)エーテル(ビニルメチルエーテル、ビニルブチルエーテル、ビニル2−エチルヘキシルエーテル等)、ビニルアルコキシ(炭素数1〜6)アルキル(炭素数1〜4)エーテル(ビニル−2−メトキシエチルエーテル、メトキシブタジエン、3,4−ジヒドロ−1,2−ピラン、2−ブトキシ−2’−ビニロキシジエチルエーテル、ビニル−2−エチルメルカプトエチルエーテル等)、ポリ(2〜4)(メタ)アリロキシアルカン(炭素数2〜6)(ジアリロキシエタン、トリアリロキシエタン、テトラアリロキシブタン、テトラメタアリロキシエタン等)]、芳香族ビニルエーテル(炭素数8〜20、例えばビニルフェニルエーテル、フェノキシスチレン)
脂肪族ビニルケトン(炭素数4〜25、例えばビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン)、芳香族ビニルケトン(炭素数9〜21、例えばビニルフェニルケトン)
炭素数4〜34の不飽和ジカルボン酸ジエステル、例えばジアルキルフマレート(2個のアルキル基は、炭素数1〜22の、直鎖、分岐鎖又は脂環式の基)、ジアルキルマレエート(2個のアルキル基は、炭素数1〜22の、直鎖、分岐鎖又は脂環式の基)
装置:Alliance GPC V2000(Waters社製)
溶媒:オルトジクロロベンゼン、DMF、THF
標準物質:ポリスチレン
サンプル濃度:3mg/ml
カラム固定相:PLgel 10μm、MIXED−B 2本直列(ポリマーラボラトリーズ社製)
カラム温度:135℃
重合開始剤の使用量は、重量平均分子量を好ましい範囲に調整する等の観点から、モノマーの全重量に基づいて好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.05〜2重量%、さらに好ましくは0.1〜1.5重量%であり、重合温度及び重合時間は重合開始剤の種類等に応じて調整されるが、重合温度は好ましくは−5〜150℃、(より好ましくは30〜120℃)、反応時間は好ましくは0.1〜50時間(より好ましくは2〜24時間)で行われる。
溶液又は分散液のモノマー濃度は好ましくは5〜95重量%、より好ましくは10〜90重量%、さらに好ましくは15〜85重量%であり、重合開始剤の使用量は、モノマーの全重量に基づいて好ましくは0.01〜5重量%、より好ましくは0.05〜2重量%である。
重合に際しては、公知の連鎖移動剤、例えばメルカプト化合物(ドデシルメルカプタン、n−ブチルメルカプタン等)及び/又はハロゲン化炭化水素(四塩化炭素、四臭化炭素、塩化ベンジル等)を使用することができる。
加熱温度は、架橋剤の種類に応じて調整されるが、架橋剤としてポリエポキシ化合物(a’1)を用いる場合は好ましくは70℃以上であり、ポリオール化合物(a’2)を用いる場合は好ましくは120℃以上である。
導電助剤として好ましいものとしては、金属[アルミニウム、ステンレス(SUS)、銀、金、銅及びチタン等]、カーボン[グラファイト及びカーボンブラック(アセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、チャンネルブラック及びサーマルランプブラック等)等]、及びこれらの混合物等が挙げられる。
これらの導電助剤は1種単独で用いられてもよいし、2種以上併用してもよい。また、これらの合金又は金属酸化物として用いられてもよい。
なかでも、電気的安定性の観点から、より好ましくはアルミニウム、ステンレス、カーボン、銀、金、銅、チタン及びこれらの混合物であり、さらに好ましくは銀、金、アルミニウム、ステンレス及びカーボンであり、特に好ましくはカーボンである。
またこれらの導電助剤としては、粒子系セラミック材料や樹脂材料の周りに導電性材料[好ましくは、上記した導電助剤のうち金属のもの]をめっき等でコーティングしたものでもよい。
本明細書中において、「導電助剤の粒子径」とは、導電助剤の輪郭線上の任意の2点間の距離のうち、最大の距離Lを意味する。「平均粒子径」の値としては、走査型電子顕微鏡(SEM)や透過型電子顕微鏡(TEM)等の観察手段を用い、数〜数十視野中に観察される粒子の粒子径の平均値として算出される値を採用するものとする。
金属酸化物粒子としては、電解液と被覆正極活物質粒子との間で起こる副反応を好適に抑制する観点から、酸化亜鉛(ZnO)、酸化アルミニウム(Al2O3)、二酸化ケイ素(SiO2)、及び、四ほう酸リチウム(Li2B4O7)が好ましい。
これらは1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ここでM”はZr、Ti、Fe、Mn、Co、Cr、Ca、Mg、Sr、Y、Sc、Sn、La、Ge、Nb、Alからなる群より選ばれた1種以上の元素である。また、Pの一部をSi又はBに、Oの一部をF、Cl等で置換してもよい。例えば、Li1.15Ti1.85Al0.15Si0.05P2.95O12、Li1.2Ti1.8Al0.1Ge0.1Si0.05P2.95O12等を用いることができる。
また、異なる組成の材料を混合又は複合してもよく、ガラス電解質等で表面をコートしてもよい。又は、熱処理によりNASICON型構造を有するリチウム含有リン酸化合物の結晶相を析出するガラスセラミック粒子を用いることが好ましい。
ガラス電解質としては、特開2019−96478号公報に記載のガラス電解質が挙げられる。
NASICON型構造でなくとも、Li、La、Mg、Ca、Fe、Co、Cr、Mn、Ti、Zr、Sn、Y、Sc、P、Si、O、In、Nb、Fからなり、LISICON型、ぺロブスカイト型、β−Fe2(SO4)3型、Li3In2(PO4)3型の結晶構造を、持ち、Liイオンを室温で1×10−5S/cm以上伝導する固体電解質を用いても良い。
本明細書において体積平均粒子径は、マイクロトラック法(レーザー回折・散乱法)によって求めた粒度分布における積算値50%での粒径(Dv50)を意味する。マイクロトラック法とは、レーザー光を粒子に照射することによって得られる散乱光を利用して粒度分布を求める方法である。なお、体積平均粒子径の測定には、日機装(株)製のマイクロトラック等を用いることができる。
セラミック粒子を上記範囲で含有することにより、電解液と被覆正極活物質粒子との間で起こる副反応を好適に抑制することができる。
セラミック粒子の重量割合は、被覆正極活物質粒子の重量を基準として2.0〜4.0重量%であることがより好ましい。
正極活物質粒子は、サイクル特性の観点から、下記計算式で得られる被覆率が30〜95%であることが好ましい。
被覆率(%)={1−[被覆正極活物質粒子のBET比表面積/(正極活物質粒子のBET比表面積×被覆正極活物質中に含まれる正極活物質粒子の重量割合+導電助剤のBET比表面積×被覆正極活物質粒子中に含まれる導電助剤の重量割合+セラミック粒子のBET比表面積×被覆正極活物質粒子中に含まれるセラミック粒子の重量割合)]}×100
本発明のリチウムイオン電池用被覆正極活物質粒子の製造方法(以下、単に「被覆正極活物質粒子の製造方法」ともいう)は、正極活物質粒子、高分子化合物、導電助剤、セラミック粒子及び有機溶剤を混合した後に脱溶剤する工程を有する。
正極活物質粒子、被覆層を構成する高分子化合物、導電助剤及びセラミック粒子を混合する順番は特に限定されず、例えば、事前に混合した被覆層を構成する高分子化合物と導電助剤とセラミック粒子とからなる樹脂組成物を正極活物質粒子とさらに混合してもよいし、正極活物質粒子、被覆層を構成する高分子化合物、導電助剤及びセラミック粒子を同時に混合してもよいし、正極活物質粒子に被覆層を構成する高分子化合物を混合し、さらに導電助剤及びセラミック粒子を混合してもよい。
本発明のリチウムイオン電池用正極(以下、単に「正極」ともいう)は、本発明の被覆正極活物質粒子と、電解質及び溶媒を含有する電解液とを含む正極活物質層を備える。
鎖状炭酸エステルとしては、ジメチルカーボネート(DMC)、メチルエチルカーボネート(MEC)、ジエチルカーボネート(DEC)、メチル−n−プロピルカーボネート、エチル−n−プロピルカーボネート及びジ−n−プロピルカーボネート等が挙げられる。
このような電解液は、適当な粘性を有するので、被覆正極活物質粒子間に液膜を形成することができ、被覆正極活物質粒子に潤滑効果(被覆活物質粒子の位置調整能力)を付与することができる。
正極活物質層が含んでいてもよい導電助剤としては、[リチウムイオン電池用被覆正極活物質粒子]で説明したものを用いることができる。
なお、本明細書において、結着剤とは、正極活物質粒子同士及び正極活物質粒子と集電体とを可逆的に固定することができない薬剤を意味し、デンプン、ポリフッ化ビニリデン、ポリビニルアルコール、カルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン、テトラフルオロエチレン、スチレン−ブタジエンゴム、ポリエチレン及びポリプロピレン等の公知の溶剤乾燥型のリチウムイオン電池用結着剤等が挙げられる。
これらの結着剤は、溶剤に溶解又は分散して用いられ、溶剤を揮発、留去することで固体化して、正極活物質粒子同士及び正極活物質粒子と集電体とを不可逆的に固定するものである。
また、被覆正極活物質粒子を構成する被覆層が正極活物質粒子の表面に固定されているのに対して、粘着性樹脂は正極活物質粒子の表面同士を可逆的に固定するものである。正極活物質粒子の表面から粘着性樹脂は容易に分離できるが、被覆層は容易に分離できない。従って、上記被覆層と上記粘着性樹脂は異なる材料である。
粘着性樹脂を用いる場合、正極活物質粒子の合計重量に対して0.01〜10重量%の粘着性樹脂を用いることが好ましい。
ここで、「高分子化合物」とは、被覆層を構成する高分子化合物、結着剤及び粘着性樹脂を意味し、本発明のリチウムイオン電池用正極では、被覆層を構成する高分子化合物と粘着性樹脂とを合計した重量割合が、上記「高分子化合物の重量割合」と等しく、結着剤を一切含まない(0重量%)。
ここで、非結着体とは、正極活物質層中において正極活物質粒子の位置が固定されておらず、正極活物質粒子同士及び正極活物質粒子と集電体とが不可逆的に固定されていないことを意味する。
正極活物質層が非結着体である場合、正極活物質粒子同士は不可逆的に固定されていないため、正極活物質粒子同士の界面で破壊を生じることなく分離することができ、正極活物質層に応力がかかった場合でも正極活物質粒子が移動することで正極活物質層の破壊を防止することができるため好ましい。
非結着体である正極活物質層は、正極活物質粒子、電解液等を含みかつ結着剤を含まない正極活物質層用スラリーを正極活物質層にする等の方法で得ることができる。
集電体の形状は特に限定されず、上記の材料からなるシート状の集電体、及び、上記の材料で構成された微粒子からなる堆積層であってもよい。
集電体の厚さは、特に限定されないが、50〜500μmであることが好ましい。
導電性高分子材料を構成する導電剤としては、被覆層の任意成分である導電助剤と同様のものを好適に用いることができる。
導電性高分子材料を構成する樹脂としては、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)、ポリシクロオレフィン(PCO)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエーテルニトリル(PEN)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリアクリロニトリル(PAN)、ポリメチルアクリレート(PMA)、ポリメチルメタクリレート(PMMA)、ポリフッ化ビニリデン(PVdF)、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂又はこれらの混合物等が挙げられる。
電気的安定性の観点から、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリメチルペンテン(PMP)及びポリシクロオレフィン(PCO)が好ましく、さらに好ましくはポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)及びポリメチルペンテン(PMP)である。
樹脂集電体は、特開2012−150905号公報及び国際公開第2015/005116号等に記載された公知の方法で得ることができる。
本発明の正極を、対極となる電極を組み合わせて、セパレータと共にセル容器に収納し、電解液を注入し、セル容器を密封することでリチウムイオン電池を得ることができる。
また、集電体の一方の面に本発明の正極を形成し、もう一方の面に負極を形成してバイポーラ(双極)型電極を作製し、バイポーラ(双極)型電極をセパレータと積層してセル容器に収納し、電解液を注入し、セル容器を密封することでも得ることができる。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート及び窒素ガス導入管を付した4つ口フラスコにDMF150部を仕込み、75℃に昇温した。次いで、アクリル酸91部、メタクリル酸メチル9部及びDMF50部を配合した単量体組成物と、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3部及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.8部をDMF30部に溶解した開始剤溶液とを4つ口フラスコ内に窒素を吹き込みながら、撹拌下、滴下ロートで2時間かけて連続的に滴下してラジカル重合を行った。滴下終了後、75℃で反応を3時間継続した。次いで、80℃に昇温して反応を3時間継続し、樹脂濃度30%の共重合体溶液を得た。得られた共重合体溶液はテフロン(登録商標)製のバットに移して150℃、0.01MPaで3時間の減圧乾燥を行い、DMFを留去して共重合体を得た。この共重合体をハンマーで粗粉砕した後、乳鉢にて追加粉砕して、粉末状の被覆用高分子化合物を得た。
エチレンカーボネート(EC)とプロピレンカーボネート(PC)の混合溶媒(体積比率1:1)にLiN(FSO2)2を2.0mol/Lの割合で溶解させて電解液を作製した。
[被覆正極活物質粒子Aの作製]
被覆用高分子化合物1部をDMF3部に溶解し、被覆用高分子化合物溶液を得た。
正極活物質粒子(LiNi0.8Co0.15Al0.05O2粉末、体積平均粒子径4μm)84部を万能混合機ハイスピードミキサーFS25[(株)アーステクニカ製]に入れ、室温、720rpmで撹拌した状態で、被覆用高分子化合物溶液9部を2分かけて滴下し、さらに5分撹拌した。
次いで、撹拌した状態で導電助剤であるアセチレンブラック[デンカ(株)製 デンカブラック(登録商標)]3部 及びガラスセラミック粒子1(商品名「リチウムイオン伝導性ガラスセラミックスLICGCTMPW−01(1μm)」[株式会社オハラ製])4部を分割しながら2分間で投入し、30分撹拌を継続した。
その後、撹拌を維持したまま0.01MPaまで減圧し、次いで撹拌と減圧度を維持したまま温度を140℃まで昇温し、撹拌、減圧度及び温度を8時間維持して揮発分を留去した。
得られた粉体を目開き200μmの篩いで分級し、被覆正極活物質粒子Aを得た。
2軸押出機にて、ポリプロピレン[商品名「サンアロマーPL500A」、サンアロマー(株)製]70部、カーボンナノチューブ[商品名「FloTube9000」、CNano社製]25部及び分散剤[商品名「ユーメックス1001」、三洋化成工業(株)製]5部を200℃、200rpmの条件で溶融混練して樹脂混合物を得た。
得られた樹脂混合物を、Tダイ押出しフィルム成形機に通して、それを延伸圧延することで、膜厚100μmの樹脂集電体用導電性フィルムを得た。次いで、得られた樹脂集電体用導電性フィルムを17.0cm×17.0cmとなるように切断し、片面にニッケル蒸着を施した後、電流取り出し用の端子(5mm×3cm)を接続した樹脂集電体を得た。
電解液42部と炭素繊維[大阪ガスケミカル(株)製 ドナカーボ・ミルド S−243:平均繊維長500μm、平均繊維径13μm:電気伝導度200mS/cm]4.2部とを遊星撹拌型混合混練装置{あわとり練太郎[(株)シンキー製]}を用いて2000rpmで5分間混合し、続いて上記電解液30部と上記の被覆正極活物質粒子A206部を追加した後、更にあわとり練太郎で2000rpmで2分間混合し、上記電解液20部を更に追加した後、あわとり練太郎による撹拌を2000rpmで1分間行い、更に上記電解液を2.3部更に追加した後あわとり練太郎による撹拌を2000rpmで2分間混合して、正極活物質層用スラリーを作製した。得られた正極活物質層用スラリーを目付量が80mg/cm2となるよう、上記樹脂集電体の片面に塗布し、1.4MPaの圧力で約10秒プレスし、厚さが340μmの実施例1に係るリチウムイオン電池用正極(16.2cm×16.2cm)を作製した。
得られた正極を、セパレータ(セルガード製#3501)を介し、対極Li金属と組み合わせ、ラミネートセルを作製した。
[被覆正極活物質粒子Bの作製]
ガラスセラミック粒子1を、ガラスセラミック粒子2(商品名「リチウムイオン伝導性ガラスセラミックスLICGCTMPW−01(0.4μm)」[株式会社オハラ製])に変更したこと以外は、実施例1と同様にして被覆正極活物質粒子Bを得た。
被覆正極活物質粒子Aを被覆正極活物質粒子Bに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池用正極を作製し、リチウムイオン電池を得た。
[被覆正極活物質粒子Cの作製]
ガラスセラミック粒子1を、四ほう酸リチウム(商品名「四ほう酸リチウム、無水」、[富士フイルム和光純薬(株)製])に変更したこと以外は、実施例1と同様にして被覆正極活物質粒子Cを得た。
被覆正極活物質粒子Aを被覆正極活物質粒子Cに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池用正極を作製し、リチウムイオン電池を得た。
[被覆正極活物質粒子Dの作製]
ガラスセラミック粒子1を、酸化亜鉛(品目「ZnO」、[関東化学(株)製])に変更したこと以外は、実施例1と同様にして被覆正極活物質粒子Dを得た。
被覆正極活物質粒子Aを被覆正極活物質粒子Dに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池用正極を作製し、リチウムイオン電池を得た。
[被覆正極活物質粒子Eの作製]
ガラスセラミック粒子1を、酸化アルミニウム(品目「Al2O3」、[関東化学(株)製])に変更したこと以外は、実施例1と同様にして被覆正極活物質粒子Eを得た。
被覆正極活物質粒子Aを被覆正極活物質粒子Eに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池用正極を作製し、リチウムイオン電池を得た。
[被覆正極活物質粒子Fの作製]
ガラスセラミック粒子1を、二酸化ケイ素1(品目「SiO2」、[関東化学(株)製])に変更したこと以外は、実施例1と同様にして被覆正極活物質粒子Fを得た。
被覆正極活物質粒子Aを被覆正極活物質粒子Fに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池用正極を作製し、リチウムイオン電池を得た。
[被覆正極活物質粒子Gの作製]
ガラスセラミック粒子1を、二酸化ケイ素2(商品名「アエロジル300」、[東新化成(株)製])に変更したこと以外は、実施例1と同様にして被覆正極活物質粒子Gを得た。
被覆正極活物質粒子Aを被覆正極活物質粒子Gに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池用正極を作製し、リチウムイオン電池を得た。
[被覆正極活物質粒子Hの作製]
ガラスセラミック粒子1を加えなかったこと以外は、実施例1と同様にして被覆正極活物質粒子Hを得た。
被覆正極活物質粒子Aを被覆正極活物質粒子Hに変更したこと以外は、実施例1と同様にしてリチウムイオン電池用正極を作製し、リチウムイオン電池を得た。
なお、体積平均粒子径は、本明細書に記載の方法で測定した。
各実施例及び比較例で得られたリチウムイオン電池を、25℃で一度充放電を行った。その後、フル充電を行い、60℃環境下で保存した。
インピーダンス測定装置(日置電機(株)製、ケミカルインピータンスアナライザ IM3590)を使用し、0日後(フル充電直後)、7日間保存後及び14日間保存後の周波数1100Hzにおける内部抵抗値を測定した。
その結果を、表2及び図1に示す。
Claims (6)
- 正極活物質粒子表面の少なくとも一部が被覆層で被覆されたリチウムイオン電池用被覆正極活物質粒子であって、
前記被覆層が、高分子化合物と導電助剤とセラミック粒子とを含むリチウムイオン電池用被覆正極活物質粒子。 - 前記セラミック粒子の重量割合が、前記被覆正極活物質粒子の重量を基準として0.5〜5.0重量%である請求項1に記載のリチウムイオン電池用被覆正極活物質粒子。
- 前記セラミック粒子の体積平均粒径が1〜1000nmである請求項1又は2に記載のリチウムイオン電池用被覆電極活物質粒子。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池用被覆正極活物質粒子と、電解質及び溶媒を含有する電解液とを含む正極活物質層を備えるリチウムイオン電池用正極であって、
前記リチウムイオン電池用正極に含まれる高分子化合物の重量割合が、前記リチウムイオン電池用正極の重量を基準として1〜10重量%であるリチウムイオン電池用正極。 - 請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池用被覆正極活物質粒子と、電解質及び溶媒を含有する電解液とを含む正極活物質層を備えるリチウムイオン電池用正極であって、
前記正極活物質層は、前記リチウムイオン電池用被覆正極活物質粒子の非結着体からなるリチウムイオン電池用正極。 - 正極活物質粒子、高分子化合物、導電助剤、セラミック粒子及び有機溶剤を混合した後に脱溶剤する工程を有する請求項1〜3のいずれか1項に記載のリチウムイオン電池用被覆正極活物質粒子の製造方法。
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