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JP2501066B2 - ポリクロロトリフルオロエチレンフィルムおよびその用途 - Google Patents
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JP2501066B2 - ポリクロロトリフルオロエチレンフィルムおよびその用途 - Google Patents

ポリクロロトリフルオロエチレンフィルムおよびその用途

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JP2501066B2
JP2501066B2 JP4171832A JP17183292A JP2501066B2 JP 2501066 B2 JP2501066 B2 JP 2501066B2 JP 4171832 A JP4171832 A JP 4171832A JP 17183292 A JP17183292 A JP 17183292A JP 2501066 B2 JP2501066 B2 JP 2501066B2
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infrared absorbance
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敏昭 石野
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は防湿用等に用いることの
できるポリクロロトリフルオロエチレン(以下、PCT
FEと称す)フィルム、該フィルムを用いた積層体ある
いはエレクトロルミネセンス素子(以下、EL素子と称
す)に関する。
【0002】
【従来の技術】PCTFE製の防湿フィルムは実開昭5
7−128798号公報に記載されているように、EL
素子の被覆材として有用であり、更に、電気部品、電子
部品、医療材料、薬品等の被覆封止にも用いられてい
る。
【0003】このPCTFEフィルムは熱溶融性樹脂で
あり、溶融成形により得られている。例えば、PCTF
Eの融点(約210〜220℃)よりも100℃程度高
い温度でフィルム状に押出し、次いで急冷する方法によ
り製造することができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このPCT
FEフィルムをEL素子等の被覆用に用いる場合には、
通常、加熱によりその片面にホットメルト接着剤層を設
けるが、この際には該フィルム表面にスパッタエッチン
グ処理やコロナ処理のような接着処理を施さなければな
らいという面倒さがあった。
【0005】勿論、接着処理を施さずにホットメルト接
着剤層を設けることも考えられるが、この場合には該接
着剤層成形時の温度を約190℃以上にしなければなら
ず、かような高温での作業によるとPCTFEフィルム
の結晶化度が高まって脆くなり、応力ストレスによりク
ラックを生じ易くなるので実用的でない。
【0006】また、上記溶融成形により得たPCTFE
フィルムは成形時に分解を生じ分解ガスを内包している
ことがある。そして、分解ガスを内包するPCTFEフ
ィルム表面にホットメルト接着剤層形成成分を重ね合わ
せて加熱加圧すると、分解ガスが放出され、フィルム自
身やホットメルト接着剤層を発泡させてしまいその価値
を減じてしまうこともあった。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は従来技術の有
する上記問題を解決するため鋭意研究の結果、特定の物
性値が特定数値以下であるPCTFEフィルムを得るこ
とにより、所期の目的が達成できることを見い出し、本
発明を完成するに至ったものである。
【0008】即ち、本発明に係るPCTFEフィルムは
1783cm-1における赤外線吸光度(A)と、227
6cm-1における赤外線吸光度(B)との比、(A)/
(B)が0.35以下であることを特徴とするものであ
る。
【0009】PCTFEフィルムの赤外線吸収スペクト
ルにおいて、1783cm-1のピークは−CF=CF2
によるものであり、一方、2276cm-1のピークは−
CF2 −によるものと認識されている。そして、178
3cm-1の吸光度(A)と2273cm-1の吸光度
(B)の比、即ち、(A)/(B)は分子末端の多さ、
換言すると劣化の尺度と考えることができる。しかしな
がら、本発明のようにPCTFEフィルムの1783c
-1における赤外線吸光度(A)と、2276cm-1
おける赤外線吸光度(B)の比、(A)/(B)が0.
35以下であると何故、脆くなく、また分解ガスも生じ
ないかは未だ解明されていないが、後述の実施例に示す
ように、その効果が確認されている。
【0010】かような本発明に係るPCTFEフィルム
は格別な接着処理を施すことなく、その表面に接着剤層
を容易に設けることができるという予想外の効果をも有
する。これに対し、上記従来の溶融成形法によって得ら
れるPCTFEフィルムは、予めその表面にコロナ放電
処理、スパッタエッチング処理等の接着処理を施してお
かなければ、接着剤層の接着力が弱く、EL素子等の被
覆に用いた場合、フィルムと接着剤層との界面から水分
が浸透し素子寿命の短命化を招くというような不都合を
生ずる。
【0011】この本発明に係る新規なPCTFEフィル
ムは従来の溶融成形法とは全く異なる方法により得られ
る。例えば、このPCTFEの粉末またはペレットを熱
プレスで加圧してフィルム化する方法により得ることが
できる。このときの温度は280℃以下、圧力は約10
〜150kg/cm2 、加熱加圧時間は約1〜10分と
する。また、PCTFE濃度が約30〜60重量%のデ
ィスパージョンを金属等の耐熱性基材上に流延した後、
加熱(温度は280℃以下とする)し溶媒を除去すると
共にPCTFEを焼成し、次いで基材表面から剥離する
方法(必要により、流延、加熱を繰り返し行なってもよ
い)によっても得ることができる。
【0012】このような方法によって得られるPCTF
Eフィルムは、1783cm-1における吸光度(A)
と、2276cm-1における吸光度(B)の比、(A)
/(B)は0.35以下である。一方、前記従来の溶融
成形法によって得られるフィルムのそれは0.36以上
であり、この点で両者は異なる。
【0013】そして、かような本発明に係るPCTFE
フィルムをEL素子の被覆用等に用いるには、その片面
または両面にホットメルト接着剤等により接着剤層を設
けることができる。PCTFEフィルム表面へのホット
メルト接着剤層の形成は、従来と同様に該フィルムの表
面にホットメルト接着剤層形成成分を重ね合わせ、加熱
加圧すればよい。このときの温度を190℃以上の高温
に設定しても、フィルムの結晶化度はそれほど大きくな
らず、従って、フィルムも脆くなるようなことがない。
【0014】ホットメルト接着剤としては種々の成分の
ものが知られており、本発明においてもこれらを何ら制
限なく使用できるが、好適には、エチレン−グリシジル
メタクリレート共重合体あるいはエチレン−グリシジル
メタクリレート−酢酸ビニルランダム三元共重合体を用
いる。勿論、これら共重合体に老化防止剤、充填剤等の
添加剤を適量配合することもできる。エチレン−グリシ
ジルメタクリレート共重合体を成分とするホットメルト
接着剤は住友化学工業株式会社から「ボンドファースト
2C」、「ボンドファーストE」として、エチレン−グ
リシジルメタクリレート−酢酸ビニルランダム三元重合
体を成分とするホットメルト接着剤は同社から「ボンド
ファースト2B」、「ボンドファースト7B」として市
販されているので、これらを入手して使用することもで
きる。なお、これらホットメルト接着剤をPCTFEフ
ィルムの表面に設けるには、該接着剤の劣化防止のた
め、260℃以下の温度で作業するのが好ましい。
【0015】このPCTFEフィルムあるいは該フィル
ム表面にホットメルト接着剤層を設けた積層体はEL素
子の被覆に用いることができる。そして、このEL素子
は、少なくとも一方が透明な互いに対向する2個の電極
と、両電極間に挟持された発光体層を有し、これらがP
CTFEフィルムまたはPCTFEフィルムに接着剤層
を設けた積層フィルムによって被覆された構造を有す
る。
【0016】このEL素子の特徴は、被覆フィルムとし
て上記特定の物性値を有するPCTFEフィルムまたは
このフィルムに接着剤層を設けた積層体を用いることで
あり、素子構造自体は従来品と同じであってよい。
【0017】図1は本発明に係るEL素子の実例を示す
ものであり、透明電極1とそれに対向する背面電極2を
有し、これら両電極1、2間に発光体層3および絶縁層
4が挟持され、これらが厚さ約50〜300μmのPC
TFEフィルムの片面に厚さが各々約10〜150μm
のホットメルト接着剤層を設けた積層体5、6により被
覆封止されている。なお、背面電極は、通常、アルミニ
ウム箔、銅箔等から成るので不透明であるが、所望によ
り透明電極と同様に透明とすることもできる。
【0018】透明電極1としては透明基材7の片面に可
視光線領域で透明であり且つ導電性を有する透明導電層
8を形成したものが用いられている。透明基材としては
ガラス板、合成樹脂から成るフィルムや板を用いること
ができる。また、透明導電層は金、銀、銅、インジウ
ム、スズ等の金属、酸化インジウム、酸化スズ等の金属
酸化物あるいはこれらの混合物から形成でき、その厚さ
は通常約50〜1000オングストロームである。そし
て、透明基材表面への透明導電層の形成は従来から知ら
れている真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレー
ティング法等によって行なうことができる。
【0019】発光体層は電圧の印加により発光するもの
で、例えば、蛍光体とバインダーとしての高分子誘電体
の混合物により形成でき、その厚さは通常約20〜10
0μmである。
【0020】蛍光体としては硫化亜鉛、セレン化亜鉛、
硫化亜鉛と硫化カドミウムの混晶等の主剤に活性剤とし
ての銅、金、銀、マンガン等の金属粉末および付活性剤
としての塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲンあるいはアル
ミニウム、ガリウム等の金属粉末を添加した混合物を用
いることができる。この場合、主剤、活性剤および付活
性剤の混合割合は、通常、主剤100重量部に対し、活
性剤0.01〜0.1重量部、付活性剤1〜3重量部で
ある。
【0021】また、バインダーとしての高分子誘電体の
具体例として、シアノエチルセルロース等のセルロース
系樹脂、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニリデンを含
む共重合体等のフッ素樹脂、エポキシ樹脂、不飽和ポリ
エステル樹脂、有機ケイ素樹脂、メラミン樹脂、尿素樹
脂、ポリウレタン樹脂等を用いることができる。
【0022】発光体層形成成分としての蛍光体とバイン
ダーとの混合割合は種々の条件によって変わり得るが通
常はバイインダー100重量部に対し、蛍光体50〜6
00重量部である。
【0023】発光体層は、例えば、バインダー粉末をア
セトン、メチルエチルケトン、ジメチルフォルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド等の
有機溶媒に溶解せしめ、この溶液中に蛍光体粉末を分散
させ、この液を透明電極上に塗布乾燥する方法により形
成できる。また、絶縁層は発光体層形成に用いたのと同
様な高分子誘電体(所望により、チタン酸バリウム、酸
化チタン等の高誘電率粉末を混合)により形成できる。
この絶縁層は省略も可能である。
【0024】
【実施例】以下、実施例により本発明を更に詳細に説明
する。
【0025】実施例1 ステンレス板上にPCTFE濃度50重量%の水性ディ
スパージョンを塗布し、次いで温度250℃で5分間加
熱してフィルムを形成する。そして、この塗布および加
熱を更に8回ずつ繰り返した後、フィルムをステンレス
板から剥離する。
【0026】このPCTFEフィルムは厚さ100μm
であり、その1783cm-1における赤外線吸光度
(A)は0.040、2276cm-1における赤外線吸
光度(B)は0.184、吸光度比(A)/(B)は
0.22であった。なお、赤外線吸光度の測定にはニコ
レ社製、赤外分光光度計5DXCを用い、チャート紙に
記録されたグラフから1783cm-1および2276c
-1におけるピーク高さを読取り吸光度とした。
【0027】このPCTFEフィルムの片面に厚さ50
μmのエチレン−グリシジルメタクリレート共重合体フ
ィルム(住友化学工業社製、商品名ボンドファースト2
B)を重ね合わせ、温度200℃、圧力1kg/cm2
の条件で3分間加熱加圧し、積層体を得た。
【0028】実施例2 ディスパージョン塗布後の温度を275℃とすること以
外は実施例1と同様に作業して、厚さ100μmのPC
TFEフィルムおよびこのフィルムの片面にホットメル
ト接着剤層を形成した積層体を得た。このPCTFEフ
ィルムの1783cm-1における赤外線吸光度(A)は
0.059、2276cm-1における吸光度(B)は
0.185、吸光度比(A)/(B)は0.32であっ
た。
【0029】比較例1 PCTFE粉末をTダイ押出機により、温度310℃で
押出して急冷し、厚さ100μmのフィルムを得る。こ
のフィルムの1783cm-1における赤外線吸光度
(A)は0.071、2276cm-1における吸光度
(B)は0.187、吸光度比(A)/(B)は0.3
8であった。
【0030】次に、このPCTFEフィルムの片面に実
施例1と同様にしてホットメルト接着剤層を形成し積層
体を得た。
【0031】比較例2 PCTFEフィルムの片面をスパッタエッチング処理
し、この処理面にホットメルト接着剤層を設けること以
外は比較例1と同様に作業して積層体を得た。
【0032】なお、スパッタエッチング処理には特公昭
53−22108号公報に記載された装置を用い、雰囲
気圧0.07Torr、雰囲気ガスAr、放電電力9W
att/cm2 、処理時間1minの条件で行なった。
【0033】これら実施例および比較例によって得られ
た積層体について、下記要領により性能試験を行なっ
た。得られた結果を表1に示す。
【0034】〔接着力試験〕積層体を2枚ずつ用意し、
ホットメルト接着剤層相互が向き合うように重ね合わ
せ、温度150℃、圧力1kg/cm2 の条件で1分間
加熱加圧して接合し、次に、インストロン型引張試験機
(オリエンテック社製、テンシロン)を用い、温度25
℃、引張速度300mm/minの条件で90°ピーリ
ング法により接着力を測定した。なお、接着力の単位は
「kg/cm」である。
【0035】〔クラック試験〕接着力試験の場合と同様
にして積層体2枚を接合し、その曲率半径が5mmにな
るように折り曲げて試験片とし、この試験片各5個を温
度50℃、相対湿度95%の雰囲気中に1週間放置し、
クラック発生の有無を目視により観察した。表1には5
個の試験片のうちクラックが発生した試験片の個数を示
した。
【0036】〔発泡試験〕接着力試験に際して、分解ガ
スによるホットメルト接着剤層、PCTFEフィルムへ
の発泡の有無を目視により観察した。
【0037】
【0038】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されているの
で、その表面に接着剤層を設けても結晶化度が高まるこ
とがなく、応力ストレスによってもクラックを生じ難
く、分解ガスによる発泡も少なく、また、接着剤層を強
固に接着できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るEL素子の実例を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 透明電極 2 背面電極 3 発光体層 4 絶縁層 5 積層体 6 積層体

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1783cm-1における赤外線吸光度
    (A)と、2276cm-1における赤外線吸光度(B)
    の比、(A)/(B)が0.35以下であることを特徴
    とするポリクロロトリフルオロエチレンフィルム。
  2. 【請求項2】 1783cm-1における赤外線吸光度
    (A)と、2276cm-1における赤外線吸光度(B)
    の比、(A)/(B)が0.35以下であるポリクロロ
    トリフルオロエチレンフィルムの表面に接着剤層を設け
    て成る積層体。
  3. 【請求項3】 接着剤層が、エチレン−グリシジルメタ
    クリレート共重合体またはエチレン−グリシジルメタク
    リレート−酢酸ビニル三元ランダム共重合体の少なくと
    も一方を必須成分とするホットメルト接着剤により形成
    されている請求項2記載の積層体。
  4. 【請求項4】 少なくとも一方が透明な互いに対向する
    2個の電極と、両電極間に挟持された発光体層およびこ
    れらを被覆するポリクロロトリフルオロエチレン層から
    成り、この被覆層が請求項1記載のフィルム、請求項2
    記載の積層体または請求項3記載の積層体のいずれかで
    あるエレクトロルミネセンス素子。
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