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JP2551376B2 - 半導体超格子の製造方法 - Google Patents
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JP2551376B2 - 半導体超格子の製造方法 - Google Patents

半導体超格子の製造方法

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JP2551376B2
JP2551376B2 JP7908694A JP7908694A JP2551376B2 JP 2551376 B2 JP2551376 B2 JP 2551376B2 JP 7908694 A JP7908694 A JP 7908694A JP 7908694 A JP7908694 A JP 7908694A JP 2551376 B2 JP2551376 B2 JP 2551376B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はII−VI族化合物半導体、
特にZnS−ZnTe超格子の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】緑青色で発光する半導体レーザが発表さ
れて以来、ZnSeに代表されるバンドギャップの大き
なII−VI族化合物半導体が注目されている。ZnSe
は、従来p型ドーピングが難しいと言われてきたが、近
年分子線エピタキシー法(MBE)を用いたN2 のラジ
カルドーピング技術によって、p型ZnSeが得られる
ようになった。
【0003】しかし、MBEによるZnSe系II−VI族
化合物半導体にも今だ問題は多い。一つは、混晶の組成
制御が難しい点である。その理由は、II−VI族化合物半
導体の構成元素の蒸気圧が非常に高いために、蒸気圧制
御が難しいことによる。二つ目は、例えばZnSSeと
いった混晶にしたときのホール濃度が低い点である。
【0004】これに対し、ドーピング制御可能なワイド
ギャップ半導体の一つとして、超格子構造がある。特
に、ZnS−ZnTe超格子は、ZnSeと同等のバン
ドギャップが実現でき、かつZnTeのみにpドーピン
グした選択ドープ超格子を作製すればp型に、ZnSの
みにnドーピングした選択ドープ超格子を作製すればn
型になる。また、超格子の各層厚を変化することによっ
てバンドギャップも制御可能である。また、有機金属気
相成長法(MOCVD)は、成長原料を極めて精密に制
御できること、量産性に優れることなどII−VI族化合物
半導体の成長手法として非常に有望である。
【0005】従来のMOCVDを用いたZnS−ZnT
e超格子の製造方法は、アプライド・フィジックス・レ
ターズ(Appl.Phys.Lett.)1992年
61巻291頁〜293頁に詳述されている。この製造
方法は、InP基板をMOCVD装置内に設置し、基板
温度を450℃に設定する。ZnS成長原料としてジメ
チル亜鉛((CH3 2 Zn;以下、DMZnと記す)
と硫化水素(H2 S)を用い、ZnTe成長原料として
DMZnとジエチルテルル((C2 5 2 Te:以
下、DETeと記す)を用い、これらを交互に反応管内
に供給することによって、ZnS−ZnTe超格子層を
成長させている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】従来の製造方法で得ら
れたZnS−ZnTe超格子構造は、その超格子構造が
持つべき周期性に問題があった。また、基板面内の膜厚
均一性が悪いという問題があった。従来の製造方法で製
造されたZnSおよびZnTeの各層厚が20A(オン
グストローム)の超格子構造をX線回折で調べると、超
格子構造の周期性に伴うX線サテライトピークは非常に
弱いものであった。これは、成長層厚方向の膜厚のばら
つき、あるいは各層の平坦性に問題があるためと考えら
れる。
【0007】超格子を構成する半導体の膜厚がばらつい
てその周期性が悪くなると、バンドギャップの小さい半
導体が形成する量子準位が各層で異なり、それら準位の
結合が弱くなって発光強度が弱く、ブロードなものとな
る。
【0008】他方、超格子層のバンドギャップを大きく
するためにはZnSおよびZnTe各層の層厚を薄くす
る必要がある。しかし、従来の製造方法ではZnS,Z
nTeの各膜厚が分子層(ML;モノレイヤー)オーダ
ーの超格子を作製することは困難であるという問題があ
った。
【0009】本発明の目的は、分子層オーダーの膜厚で
も周期性を保ち、かつ結晶性に優れたZnS−ZnTe
超格子の製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、以上の目的を
達成するために、有機金属気相成長方法を用い、VI族の
構成元素の1つとして硫黄(S)が含有されたII−VI族
化合物半導体と、VI族の構成元素の1つとしてテルル
(Te)が含有されたII−VI族化合物半導体との超格子
成長において、硫黄の原料として、ジイソプロピル硫黄
((i−C3 72 S;以下、DIPSと記す)を用
い、テルルの原料としてジエチルテルル(DETe)、
あるいはジイソプロピルテルル((i−C3 7 2
e;以下、DIPTeと記す)のうち一方を用いたこと
を特徴とするものである。
【0011】
【作用】従来法で成長させたZnS−ZnTe超格子
は、その周期性に大きな問題があった。この理由は、用
いたH2 Sがアルキル亜鉛原料(この場合、DMZn)
と気相中で激しく反応する性質があるために、基板表面
でもZnSが核成長しやすく成長層表面が荒れるためで
ある。これと同じ理由により、数分子層程度の超薄膜Z
nSを成長すると表面が平坦とはならず、数分子層程度
の超格子成長が困難であった。
【0012】本発明のDIPSは、アルキル亜鉛とは直
接反応しない。同時に、DETe、およびDIPTeも
アルキル亜鉛とは反応しない。このような原料系では、
基板表面での核形成はなく、成長層の平坦性は非常によ
い。
【0013】ここで、DIPSについては、ジャーナル
・クリスタル・グロース1992年117巻119頁〜
124頁にCdZnS成長原料として報告がなされてい
る。その報告によると、DIPSを用いた場合には基板
面内の組成の均一性が非常に悪く、その組成制御の再現
性も悪いと報告されている。同時に、硫黄の原料として
ターシャルブチルメルカプタン(t−C4 9 SH;以
下、TBSHと記す)を用いた場合には組成の均一性、
組成制御の再現性に優れていたと報告されている。この
報告以降、DIPSを用いた結晶成長の報告はなされて
いない。
【0014】本発明者はこれらDIPSおよびTBSH
を用いて、II−VI族化合物半導体成長の実験を行なっ
た。成長温度、VI族原料とII族原料の供給量比、反応管
圧力等の成長条件を変化し調べた結果、特にDIPSを
用いた場合、反応管圧力を大気圧の1/5以下程度に減
圧にした時膜厚の均一性が非常に良いことがわかった。
また、それぞれの原料を用いて成長したZnSのフォト
ルミネッセンス特性を比較した結果、DIPSを用いて
得られた試料からはバンド端近傍の発光が強く観察され
るのに対し、TBSHからの試料では一般にSA発光と
呼ばれる深い準位からの発光が強くみられ、DIPSか
らの試料の結晶性が優れることがわかった。
【0015】次に、これら原料を半導体超格子の製造に
用い比較した。その結果、DMZn,DIPS,DIP
Teを用いた場合には各層厚が数MLで構成された2M
LZnS−2ML ZnTe超格子構造を製作した場合
においても、明確なX線サテライトピークが観察され、
超格子の周期構造が確認できた。一方、DMZn,TB
SH,DIPTeを用いた場合には、作製したすべての
試料からX線サテライトピークはみられるものの、その
ピーク強度は弱く、2ML ZnS−2MLZnTe超
格子構造においては非常に弱い1次のサテライトピーク
しか観察されなかった。この原因は、TBSHがわずか
であるがDMZnと気相反応を起こすために、ZnS層
が荒れたためと考えられる。この結果より、特に半導体
超格子を構成するII−VI族化合物半導体の1層あたりの
層厚が各々10ML以下であるような超薄膜超格子を製
作する手段としてDIPSを用いることは有効である。
【0016】Teの成長原料としてDETeを用いた場
合には、ZnTe成長において、成長温度400℃以上
の成長の時、良質な結晶成長が可能であった。また、D
IPTeを用いた場合には、成長温度300℃の低温で
も成長が可能であった。超格子成長では超薄膜成長が必
要であるが、成長温度が低い方が膜の平坦性は良く超格
子成長に適す傾向があった。
【0017】
【実施例】
(実施例1)以下、本発明の一実施例を図面を用いて説
明する。図1は本実施例を説明するために用いたMOC
VD装置の概略図である。用いた成長装置は、反応管1
1内に設置された基板12を高周波コイル13の誘導加
熱によって加熱するようになっている。また、反応管1
1には、H2 をキャリアガスとしてAsH3 およびPH
3 の他、複数の有機金属がH2 のバブリングによって供
給されるようになっている。本実施例では基板としてG
aAsを用い、設計値とし(2ML ZnS−2ML
ZnTe)×200周期成長させた場合について説明す
る。成長の手順は以下のようである。
【0018】反応管内の圧力を70Torrに設定した
後、AsH3 を反応管11に供給しながら基板12を5
80℃まで昇温し、基板の表面クリーニングを10分間
行った。バブラー1aに納められたDMZnをH2 でバ
ブリングした。同様に、バブラー1bに納められたDE
Te、バブラー1dに納められたDIPS、およびバブ
ラー1eに納められたターシャルブチルセレノール(t
−(C4 9 )SeH;以下、TBSeHと記す)をそ
れぞれバブリングした。基板温度を450℃に設定し、
AsH3 の供給を停止した後、まず、DMZnとTBS
eHを反応管11に供給し、ZnSeバッファ層を1.
6μm 成長させた。この時のDMZnの流量は20μm
ol/min、TBSeHの流量は40μmol/mi
nであり、全キャリア流量は2000sccmとした。
【0019】ZnSeバッファ層の成長終了後、DMZ
nを反応管11に流しながら、DIPSとDETeを交
互に反応管に供給した。この時のDMZnの流量は5μ
mol/min、DIPSの流量は30μmol/mi
n、DETeの流量は20μmol/minであり、D
IPSおよびDETeのそれぞれの供給時間は17秒お
よび8秒、それぞれのガス無供給(パージ)時間を5秒
とした。
【0020】得られたZnS−ZnTe超格子に対しX
線回折測定を行なった結果、超格子構造に起因したX線
サテライトピークが観察された。そのサテライトピーク
から求めた超格子構造の1周期は12.8Aであり、設
計値の11.5Aに非常に近いものであった。
【0021】(実施例2)テルルの原料として、DIP
Teを用いた場合について説明する。基板はGaAs、
超格子の設計値は(4ML ZnS−2ML ZnT
e)×200周期である。成長の手順は以下のようであ
る。
【0022】反応管内の圧力を70Torrに設定した
後、AsH3 を反応管11に供給しながら基板12を5
80℃まで昇温し、基板の表面クリーニングを10分間
行なった。バブラー1aに納められたDMZnをH2
バブリングした。同様に、バブラー1cに納められたD
IPTe、バブラー1dに納められたDIPS、および
バブラー1eに納められたTBSeHをそれぞれバブリ
ングした。基板温度を330℃に設定し、AsH3 の供
給を停止した後、まずDMZnとTBSeHを反応管1
1に供給し、ZnSeバッファ層を1.6μm 成長させ
た。この時のDMZnの流量は20mol/min、T
BSeHの流量は40μmol/minであり、全キャ
リア流量は2000sccmとした。
【0023】ZnSeのバッファ層の成長終了後、DM
Znを反応管11に流しながら、DIPSとDIPTe
を交互に反応管に供給した。この時のDMZnの流量は
5μmol/min、DIPSの流量は80μmol/
min、DIPTeの流量は15μmol/minであ
り、DIPSとDIPTeのそれぞれの供給時間は35
秒、6秒、それぞれのパージ時間を5秒とした。
【0024】得られたZnS−ZnTe超格子に対しX
線回折測定を行なった結果、超格子構造に起因したX線
サテライトピークが観察された。サテライトピークの強
度は、実施例1で製造した試料のそれと比較して平均し
て5倍程度強くなり、超格子構造の周期性が改善されて
いることが分かった。そのサテライトピークから求めた
超格子構造の1周期は17.4Aであり、設計値の1
6.9Aに非常に近いものであった。
【0025】上記実施例では、亜鉛の成長原料としてジ
メチル亜鉛を用いたが、本発明ではこれに限定されず亜
鉛の原料としてジエチル亜鉛((C2 5 2 Zn)や
ジメチル亜鉛・トリメチルアミンアダクト((CH3
2 Zn・(CH3 3 N))等の他の原料でもよい。
【0026】上記実施例では、VI族の構成元素の一つと
して硫黄が含有されたII−VI族化合物半導体としてZn
Sを用いたが、MgZnSやBeZnSなど他の混晶で
もよく、また、VI族の構成元素の1つとしてテルルが含
有されたII−VI族化合物半導体としてZnTeを用いた
が、CdTeやZnCdTeなど他の混晶でも良い。ま
たそれらの組合わせも限定されない。例えばZnSとC
dTe、ZnSとZnCdTe、MgZnSとZnT
e、MgZnSとCdTe、MgZnSとZnCdT
e、BeZnSとZnTe、BeZnSとCdTe、B
eZnSとZnCdTeなどでもよい。
【0027】
【発明の効果】以上説明したように、分子層オーダーの
膜厚でも周期性を保ち、かつ結晶性に優れたZnS−Z
nTe超格子を容易に製造できる。
【0028】本発明の方法によって得られる超格子は、
青緑色半導体発光素子などに用いることができ、工業的
に有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法に用いられる成長装置の一例の概
略構成図である。
【符号の説明】
1a〜1e バブラー 11 反応管 12 基板 13 高周波コイル

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】有機金属気相成長方法を用い、VI族の構成
    元素の1つとして硫黄(S)が含有されたII−VI族化合
    物半導体と、VI族の構成元素の1つとしてテルル(T
    e)が含有されたII−VI族化合物半導体との超格子を成
    長する方法において、硫黄の原料として、ジイソプロピ
    ル硫黄((i−C3 7 2 S)を用い、テルルの原料
    としてジエチルテルル((C2 5 2 Te)、あるい
    はジイソプロピルテルル((i−C3 7 2 Te)の
    うち一方を用いたことを特徴とする半導体超格子の製造
    方法。
  2. 【請求項2】有機金属気相成長方法を用いた超格子の成
    長条件は、反応管内の圧力が大気圧力の1/5以下であ
    ることを特徴とする請求項1に記載の半導体超格子の製
    造方法。
  3. 【請求項3】半導体超格子を構成するII−VI族化合物半
    導体の1層あたりの層厚が各々10分子層以下であるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載の半導体超格子
    の製造方法。
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