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JP2553365B2 - 多層型偏光ビームスプリッター - Google Patents
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JP2553365B2 - 多層型偏光ビームスプリッター - Google Patents

多層型偏光ビームスプリッター

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JP2553365B2
JP2553365B2 JP62290898A JP29089887A JP2553365B2 JP 2553365 B2 JP2553365 B2 JP 2553365B2 JP 62290898 A JP62290898 A JP 62290898A JP 29089887 A JP29089887 A JP 29089887A JP 2553365 B2 JP2553365 B2 JP 2553365B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、光の特定の偏光成分を分離する偏光分離
装置に係り、特に、固体表面上を伝搬する表面弾性波
(SAW:Surface Acoustic Wave)が偏光選択性を有する
光回折格子を形成し、入射光の偏光分離ができる機能を
利用した偏光回折素子(多層型偏光ビームスプリッタ
ー)に関する。
〔従来の技術〕
従来の偏光分離用光学部品としては、誘電体多層膜を
備えた偏光ビームスプリッターがあり、これは誘電体多
層膜の設計値、つまり膜の厚さと屈折率を変えること
で、使用できる光の波長と特定の偏光状態の光を分離す
る比率(0次光の光量と±1次回折光の光量の比に相当
するもの。以後、偏光分離比という。)が自由に選べる
長所をもっている。
〔発明が解決しようとする問題点〕
ところが、別の波長の光に対しては新たに設計し直す
必要があり、波長帯域の広い光源に対しては利用価値が
小さく、さらに偏光分離比は設計値で決定されてしまい
変更できないという短所をもっている。
本発明の目的は、波長依存性がなく、かつ、偏光分離
比が可変な偏光回折素子を実現することである。
〔問題点を解決するための手段〕
固体表面上を伝搬するSAWを利用し、提案・実用化さ
れている光関連の装置として、SAWが形成する表面の正
弦波状凹凸と周期的屈折率変化を回折格子として用いた
光偏向装置(例えば、表面弾性波を利用した光の回折装
置「特開昭第62−94831号」)や光の周波数シフターな
どがあり、これらはいずれもラマンナース回折による±
1次回折光に着目し応用されたものである。しかしなが
ら、SAWによる回折作用が、入射光の偏光状態により、
いかなる影響を受けるかについて論じられたものはな
く、また利用された装置等もない。
この発明は、その点、すなわち、入射光の偏光状態と
SAWによる回折作用との関係に着目し、後述する実験に
よってSAW素子の偏光選択性を確認し、それを利用する
こととした。
手段を具体的に述べれば、本発明の装置は光透過性を
有する第1の圧電性基板と、該第1の圧電性基板に入射
される光のうち所定の偏りをもつ偏光面を有する光のみ
を一部、選択的に回折するような表面弾性波を、前記第
1の圧電性基板上に発生するように、前記第1の圧電性
基板の表面に設けられた第1の交差指形電極と、前記第
1の圧電性基板を透過した光が入射するように配置され
た光透過性を有する第2の圧電性基板と、該第2の圧電
性基板に入射される光のうち所定の偏りをもつ偏光面を
有する光のみを一部、選択的に回折するような表面弾性
波を、前記第2の圧電性基板上に発生するように、前記
第2の圧電性基板の表面に設けられた第2の交差指形電
極とを備えている。
〔作用〕
第1の圧電性基板及び第2の圧電性基板の表面にそれ
ぞれ発生した表面弾性波によって、入射された光のうち
それぞれ所定の偏りをもつ偏光面を有する光のみが一
部、選択的に回折される。
一方、SAW素子による回折作用は、SAWによる正弦波状
格子の格子間隔をdとしたとき、入射光の波長λと回折
角度θの関係が、 2d・sinθ=λ ……(1) であることが知られている。
この関係より波長の違いは回折角度に影響を与えるも
のの、偏光を分離するという点においては波長依存性は
ない。もし、回折角度θを所望の角度にしたいのであれ
ば、入射光の波長λに応じた格子間隔dとすればよく、
格子間隔dは、SAWを発生すべく備えられた交差指形電
極へ入力する周波数で制御できる。また偏光分離比は、
交差指形電極への入力電力で制御可能である。
〔実施例〕
第1図に本発明に係る多層型偏光ビームスプリッター
の一実施例を示す。
本実施例では、SAWの伝搬方向に垂直な偏光状態の光
だけ一部回折するという、後述する実験で確認された性
質を生ずる圧電性基板を使用している。
光学研磨された光透過性を有する第1の圧電性基板3
の表面に,SAWを発生する第1の交差指形電極4を設けた
構造のSAW素子と、同じく光学研磨された光透過性を有
する第2の圧電性基板5の表面に、SAWを発生する第2
の交差指形電極6を設けた構造のSAW素子があり、第1
の圧電性基板3と第2の圧電性基板5は、SAWの伝搬方
向が直交するように、かつ、互いのSAWの伝搬面が平行
になるように隔置されている。このように第1の圧電性
基板3と第2の圧電性基板5を配置することで、入射光
7のS偏光成分8は第1の圧電性基板3上のSAWによっ
て回折され、また入射光7のP偏光成分9は第2の圧電
性基板5上のSAWによって回折されることになる。入射
光7に含まれるS偏光成分8とP偏光成分9の絶対値と
比は、第1の交差指形電極4と第2の交差指形電極6へ
入力する電力に対する回折効率を予め測定しておくこと
で、回折光量から算出することが可能となる。なお、第
1図には、長方形をなす圧電性基板を示してあるが,光
透過性を有する圧電性基板であれば、どのような形状の
ものでもよい。
この実施例では、第1図に示すように、第1の圧電性
基板3と第2の圧電性基板5のそれぞれ同じ側の面にSA
Wを発生させるようにしたので、両圧電性基板を隔置し
たが、第2の圧電性基板5の反対側の面にSAWを発生さ
せるようにすれば隔置しなくてもよい。
また、一般的に圧電性基板は高屈折率をもち、そのた
め光の表面反射が大きく、透過した光の強度が大幅に減
少してしまう場合が多い。一例として、後述の実現で使
用したニオブ酸リチウム結晶の屈折率は、常光線屈折率
が2.286、異常光線屈折率が2.200であり、表裏面の反射
による損失で、透過光は入射光の約70%を減衰する。
このような場合には、酸化シリコンのような光透過性
をもち、SAWの伝搬に影響を与えることが少ない材料で
圧電性基板の表裏面に光反射防止膜を付けることにより
反射による光減衰をおさえることが可能である。
ここで、SAW素子の偏光選択性を調べた実験について
説明する。
この実験で用いたSAW素子は圧電性基板としてニオブ
酸リチウム結晶(LiNbO3)のYカット基板を用い、圧電
性基板上の交差指形電極(共振周波数f0=107MHz)はSA
WがZ軸方向へ伝搬する配置にした。光源は波長λがλ
=0.633μmのHe−Neレーザー(ランダム偏光)を使用
して、消光比が10-4以下の特性をもつ偏光子に1回通
し、直線偏光に直してからSAW伝搬平面に対して垂直に
入射した。測定は入射する直線偏光の偏光面の角度を変
え、そのときの回折光量を測る方法をとった。
第2図(a)(b)に、入射光の偏光状態とSAW素子
の設置関係を示す。
1は圧電性基板、2は交差指形電極、7は入射光、8
はS偏光成分、9はP偏光成分、X・Y・Zは圧電性基
板の結晶軸である。圧電性基板1の中央部に示してある
格子模様はSAWによる周期的屈折率変化をモデル化して
描いたものである。第2図(a)に示すように、入射光
7が圧電性基板1のSAWによる光回折格子に入射したと
き、該入射光7のS偏光成分だけが回折する。
第3図(a)に、偏光面の回転角度と回折光量の関係
について測定結果を示した。ただし、回折光量は最大値
で規格化してある。図において、HはHorizontal type
を示し、VはVertical typeを示している。この測定結
果はSAW伝搬方向に対して垂直な偏光状態の光が入射し
たときに最も回折光量が多くなることを示している。
第3図(b)は回折光量が最大になる設定、つまり入
射偏光面をSAW伝搬方向と垂直な状態に設定して、入射
光の偏光状態と回折光の偏光状態の比較を示した。横軸
は回転する検光子の回転角度であり、縦軸は検出した回
折光量を最大値で規格化した値である。図において、実
線は入射光を、点は回折光を示す。
以上の測定結果により、この実験で測定したSAW素子
は回折作用において偏光選択性をもち、回折光は入射光
の偏光状態を保持していることが確認された。
〔発明の効果〕
以上、述べたように、本発明に係る多層型偏光ビーム
スプリッターでは、圧電性基板上に発生したSAWが、偏
光選択性をもつ光回折格子を形成することを実験により
確認し、その性質を利用することで、光の波長に依存し
ない、かつ、偏光分離比が可変である偏光分離素子が実
現でき、そのような素子を2枚組み合わせる構造にする
ことで、入射光に含まれるS偏光成分とP偏光成分を分
離できる偏光分離用光学部品としての多層型偏光ビーム
スプリッターが実現できた。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明に係る多層型偏光ビームスプリッターの
構成の一実施例を示す。第2図(a)(b)は入射光の
偏光状態とSAW素子の設置関係を示す。第3図(a)は
偏光面の回転角度と回折光量の関係を示す。第3図
(b)は入射光の偏光状態と回折光の偏光状態の比較を
示す。 図において、1は圧電性基板、2は交差指形電極、3は
第1の圧電性基板、4は第1の交差指形電極、5は第2
の圧電性基板、6は第2の交差指形電極、7は入射光、
8はS偏光成分、9はP偏光成分をそれぞれ示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】光透過性を有する第1の圧電性基板(3)
    と、該第1の圧電性基板に入射される光のうち所定の偏
    りをもつ偏光面を有する光のみを一部、選択的に回折す
    るような表面弾性波を、前記第1の圧電性基板上に発生
    するように、前記第1の圧電性基板の表面に設けられた
    第1の交差指形電極(4)と、前記第1の圧電性基板を
    透過した光が入射するように配置された光透過性を有す
    る第2の圧電性基板(5)と、該第2の圧電性基板に入
    射される光のうち所定の偏りをもつ偏光面を有する光の
    みを一部、選択的に回折するような表面弾性波を、前記
    第2の圧電性基板上に発生するように、前記第2の圧電
    性基板の表面に設けられた第2の交差指形電極(6)と
    を備え、透過する光のうちのそれぞれ一部を少なくとも
    2つの異なる方向へ回折し分離する多層型偏光ビームス
    プリッター。
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