JP2554414B2 - 熱間圧延における鋼板の圧延温度予測方法 - Google Patents
熱間圧延における鋼板の圧延温度予測方法Info
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- Control Of Metal Rolling (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、TMCP鋼板等の熱間
圧延鋼板の圧延温度を、圧延工程においてオンラインで
予測する方法に関する。
圧延鋼板の圧延温度を、圧延工程においてオンラインで
予測する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、鋼構造物の大型化と使用環境の過
酷化に伴って、厚板製品の重要特性である強度,じん
性,溶接性等に対する要求はますます厳しくなってきて
いる。
酷化に伴って、厚板製品の重要特性である強度,じん
性,溶接性等に対する要求はますます厳しくなってきて
いる。
【0003】そこで、TMCP(Thermo Mechanical Con
trol Process)が適用され、圧延工程でオンライン冷却
を施して各種のじん性,溶接性に優れた高張力鋼板(以
下、TMCP鋼板という;例えば、加速冷却鋼板,直接
焼入れ鋼板)が製造されている。
trol Process)が適用され、圧延工程でオンライン冷却
を施して各種のじん性,溶接性に優れた高張力鋼板(以
下、TMCP鋼板という;例えば、加速冷却鋼板,直接
焼入れ鋼板)が製造されている。
【0004】これらのTMCP鋼板の材質の安定化や板
厚精度および平坦度の向上に際して(つまりは熱間圧延
鋼板についての形状制御,板厚制御,制御圧延に際し
て)、圧延工程での圧延温度予測の高精度化は極めて重
要な要素である。
厚精度および平坦度の向上に際して(つまりは熱間圧延
鋼板についての形状制御,板厚制御,制御圧延に際し
て)、圧延工程での圧延温度予測の高精度化は極めて重
要な要素である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このため、熱間圧延鋼
板の圧延温度を予測すべく、従来から種々のオンライン
モデルが構築されてきたが、以下に記すような問題があ
った。
板の圧延温度を予測すべく、従来から種々のオンライン
モデルが構築されてきたが、以下に記すような問題があ
った。
【0006】加熱炉抽出から圧延完了までの鋼板の熱
履歴を差分法による圧延温度シミュレーションにより計
算し、その熱履歴から求めた平均温度に基づいて、平均
温度の簡易予測式を作成しているが、その平均温度の簡
易予測式の基本形が熱伝導方程式に立脚したものでない
ために、普通圧延,制御圧延等を含めて圧延ラインでの
ダイナミックな冷却形態に追従できない。
履歴を差分法による圧延温度シミュレーションにより計
算し、その熱履歴から求めた平均温度に基づいて、平均
温度の簡易予測式を作成しているが、その平均温度の簡
易予測式の基本形が熱伝導方程式に立脚したものでない
ために、普通圧延,制御圧延等を含めて圧延ラインでの
ダイナミックな冷却形態に追従できない。
【0007】加えて、制御圧延のように圧延ラインで
必要な温度範囲で適正な圧下量を確保するために、鋼板
の冷却装置を用いて鋼板を圧延途中で冷却するが、その
際に鋼板の平均温度を目標温度にするだけでなく、表面
温度の過冷を防止することも重要になるが、従来手段で
は、平均温度しか予測しえないために、鋼板の表面温度
の管理が不可能である。
必要な温度範囲で適正な圧下量を確保するために、鋼板
の冷却装置を用いて鋼板を圧延途中で冷却するが、その
際に鋼板の平均温度を目標温度にするだけでなく、表面
温度の過冷を防止することも重要になるが、従来手段で
は、平均温度しか予測しえないために、鋼板の表面温度
の管理が不可能である。
【0008】従来行なわれている表面温度の推定は、
板厚方向の温度分布が板厚方向位置のベキ乗で表わされ
ることを前提にしているが、その際に板厚方向位置のベ
キ乗の次数nが固定されているため、予測された平均温
度から高精度に変換できない。
板厚方向の温度分布が板厚方向位置のベキ乗で表わされ
ることを前提にしているが、その際に板厚方向位置のベ
キ乗の次数nが固定されているため、予測された平均温
度から高精度に変換できない。
【0009】差分法による圧延温度シミュレーションに
より計算されたベキ乗の次数nは、圧延ラインの種々の
冷却形態,圧延時の板厚等によって、30次以上の高次
の次数から1〜3次程度まで粗圧延から仕上げ圧延にか
かえてダイナミックに変化するため、こうした変換を高
精度で行なうには、ベキ乗の次数nを正確に推定する必
要があるが、固定された次数では形だけの変換がなされ
ているにすぎない。
より計算されたベキ乗の次数nは、圧延ラインの種々の
冷却形態,圧延時の板厚等によって、30次以上の高次
の次数から1〜3次程度まで粗圧延から仕上げ圧延にか
かえてダイナミックに変化するため、こうした変換を高
精度で行なうには、ベキ乗の次数nを正確に推定する必
要があるが、固定された次数では形だけの変換がなされ
ているにすぎない。
【0010】圧延時のミルセッティングに際して、圧
延途中で温度計測されても表面温度の予測ができないた
めに、あるいは、予測しても前記項の理由から高精度
の推定ができないために、板厚方向の平均温度を計測値
に基づいてチェックしたり、修正したりすることも高精
度で行なえなかった。
延途中で温度計測されても表面温度の予測ができないた
めに、あるいは、予測しても前記項の理由から高精度
の推定ができないために、板厚方向の平均温度を計測値
に基づいてチェックしたり、修正したりすることも高精
度で行なえなかった。
【0011】以上の理由から、近年、差分モデルを用
いて、圧延ラインでの温度予測,実績温度計算を行なっ
ている場合もあるが、計算負担が多大になることから予
測計算を行なうには自ずと限界があり、実績計算を含め
た温度計算に際しては、計算機として容量,能力等につ
いて非常に大規模のものが必要になる。
いて、圧延ラインでの温度予測,実績温度計算を行なっ
ている場合もあるが、計算負担が多大になることから予
測計算を行なうには自ずと限界があり、実績計算を含め
た温度計算に際しては、計算機として容量,能力等につ
いて非常に大規模のものが必要になる。
【0012】本発明は、このような状況に鑑みてなされ
たもので、平均温度だけでなく鋼板の板厚方向の温度分
布をも簡易な計算により高精度で推定できるようにし
て、板厚方向の必要位置での温度評価を可能にした、熱
間圧延における鋼板の圧延温度予測方法を提供すること
を目的とする。
たもので、平均温度だけでなく鋼板の板厚方向の温度分
布をも簡易な計算により高精度で推定できるようにし
て、板厚方向の必要位置での温度評価を可能にした、熱
間圧延における鋼板の圧延温度予測方法を提供すること
を目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の熱間圧延における鋼板の圧延温度予測方法
は、圧延工程での冷却形態にのみ支配される鋼板板厚方
向の第1の温度分布と、鋼板内での復熱挙動を表わす鋼
板板厚方向の第2の温度分布とを、それぞれ、熱伝導方
程式に基づく連立偏微分方程式からなる初期値境界値問
題の解として求めるべく、前記連立偏微分方程式につい
て弱表現形式を用いることにより該連立偏微分方程式を
時間の連立常微分方程式系に帰着させ、該連立常微分方
程式を解くことにて第1および第2の温度分布を求めた
後、圧延工程での各冷却形態下における前記鋼板の板厚
方向に形成される温度場についてのオンライン圧延温度
予測モデルを、第1の温度分布と前記第2の温度分布と
を重畳したものとして構築してから、該オンライン圧延
温度予測モデルによって算定された板厚方向の圧延温度
分布に圧延の塑性加工発熱による温度上昇量を加えるこ
とにより、鋼板の圧延工程での板厚方向の圧延温度を予
測することを特徴としている。
に、本発明の熱間圧延における鋼板の圧延温度予測方法
は、圧延工程での冷却形態にのみ支配される鋼板板厚方
向の第1の温度分布と、鋼板内での復熱挙動を表わす鋼
板板厚方向の第2の温度分布とを、それぞれ、熱伝導方
程式に基づく連立偏微分方程式からなる初期値境界値問
題の解として求めるべく、前記連立偏微分方程式につい
て弱表現形式を用いることにより該連立偏微分方程式を
時間の連立常微分方程式系に帰着させ、該連立常微分方
程式を解くことにて第1および第2の温度分布を求めた
後、圧延工程での各冷却形態下における前記鋼板の板厚
方向に形成される温度場についてのオンライン圧延温度
予測モデルを、第1の温度分布と前記第2の温度分布と
を重畳したものとして構築してから、該オンライン圧延
温度予測モデルによって算定された板厚方向の圧延温度
分布に圧延の塑性加工発熱による温度上昇量を加えるこ
とにより、鋼板の圧延工程での板厚方向の圧延温度を予
測することを特徴としている。
【0014】
【作用】周知のように、加熱炉抽出から仕上げ圧延完了
までの熱間圧延工程においては、加熱炉抽出後のHSB
(高圧水スケールブレーカ)による冷却状態、粗圧延完
了後のシャワ水冷による冷却状態、このシャワ水冷停止
直後の冷却状態、粗圧延あるいは仕上げ圧延の各パスに
おけるロール接触による冷却状態などの種々の冷却形態
がある。上述した本発明の熱間圧延における鋼板の圧延
温度予測方法では、圧延工程での前記のような各冷却形
態でのオンライン圧延温度予測モデルが、熱伝導方程式
の弱表現式を用いることにより、熱伝導方程式に基づい
て物理的意味をもたせながら構築されるので、そのモデ
ルにより、鋼板板厚方向の温度分布を高精度で算定する
ことができる。
までの熱間圧延工程においては、加熱炉抽出後のHSB
(高圧水スケールブレーカ)による冷却状態、粗圧延完
了後のシャワ水冷による冷却状態、このシャワ水冷停止
直後の冷却状態、粗圧延あるいは仕上げ圧延の各パスに
おけるロール接触による冷却状態などの種々の冷却形態
がある。上述した本発明の熱間圧延における鋼板の圧延
温度予測方法では、圧延工程での前記のような各冷却形
態でのオンライン圧延温度予測モデルが、熱伝導方程式
の弱表現式を用いることにより、熱伝導方程式に基づい
て物理的意味をもたせながら構築されるので、そのモデ
ルにより、鋼板板厚方向の温度分布を高精度で算定する
ことができる。
【0015】
【実施例】本発明では、圧延工程における種々の冷却形
態での圧延温度予測を熱伝導方程式に基づいて、物理的
意味をもたせながら高精度に構築するために、熱伝導方
程式の弱表現式を用いることにより、板厚方向の温度分
布を算定できるオンライン圧延温度予測モデルを新たに
構築したので、その予測モデル構築の概略を以下に記
す。なお、熱伝導方程式の弱表現式については、B.A.Fi
nlayson:The Methodof Weighted Residuals and Varia
tional Principle(1972,Academic Press)や、O.C.Zienk
iewicz:The Finite Element Method(1977,McGraw-Hil
l)に記載されている。
態での圧延温度予測を熱伝導方程式に基づいて、物理的
意味をもたせながら高精度に構築するために、熱伝導方
程式の弱表現式を用いることにより、板厚方向の温度分
布を算定できるオンライン圧延温度予測モデルを新たに
構築したので、その予測モデル構築の概略を以下に記
す。なお、熱伝導方程式の弱表現式については、B.A.Fi
nlayson:The Methodof Weighted Residuals and Varia
tional Principle(1972,Academic Press)や、O.C.Zienk
iewicz:The Finite Element Method(1977,McGraw-Hil
l)に記載されている。
【0016】圧延温度予測モデルの構築に際しての前提
として下記(a)〜(d)の仮定を設定することにより、圧
延工程での温度予測モデルは、各冷却形態下における板
厚方向の熱伝導に関する初期値境界値問題の解を導出す
ることによって構築される。
として下記(a)〜(d)の仮定を設定することにより、圧
延工程での温度予測モデルは、各冷却形態下における板
厚方向の熱伝導に関する初期値境界値問題の解を導出す
ることによって構築される。
【0017】(a)加熱炉抽出時におけるスラブの板厚方
向温度分布は一様である。 (b)圧延工程における鋼板上下面の熱伝達係数は同一で
ある。 (c)圧延中の塑性加工による加工発熱は板厚方向に一様
である。 (d)ロール接触時の鋼板の板厚は入出側の平均厚であ
る。
向温度分布は一様である。 (b)圧延工程における鋼板上下面の熱伝達係数は同一で
ある。 (c)圧延中の塑性加工による加工発熱は板厚方向に一様
である。 (d)ロール接触時の鋼板の板厚は入出側の平均厚であ
る。
【0018】以上の仮定のもと、以下に予測モデルの定
式化について説明する。初期温度分布φ0(x)を有する鋼
板を一定の冷却形態下で冷却した場合、図1に示すよう
に、鋼板の板厚方向に形成される温度場T(x,t)は、次
の連立偏微分方程式(2),(3)からなる初期値境界値問題
の解U,Vを重畳した(1)式のような形で表わすことが
できる。 T(x,t)=U(x,t)+V(x,t) (1)
式化について説明する。初期温度分布φ0(x)を有する鋼
板を一定の冷却形態下で冷却した場合、図1に示すよう
に、鋼板の板厚方向に形成される温度場T(x,t)は、次
の連立偏微分方程式(2),(3)からなる初期値境界値問題
の解U,Vを重畳した(1)式のような形で表わすことが
できる。 T(x,t)=U(x,t)+V(x,t) (1)
【0019】
【数1】
【0020】ここで、上式(2),(3)において、λ,c,
ρはそれぞれ鋼板の熱伝導率,比熱,密度、αは熱伝達
係数、hは鋼板の板厚、T0は雰囲気温度、tは時間、
xは鋼板の板厚方向位置である。
ρはそれぞれ鋼板の熱伝導率,比熱,密度、αは熱伝達
係数、hは鋼板の板厚、T0は雰囲気温度、tは時間、
xは鋼板の板厚方向位置である。
【0021】この時、Vは冷却形態に支配される温度分
布を表わし、Uは鋼板内での復熱挙動を表わす温度分布
である。
布を表わし、Uは鋼板内での復熱挙動を表わす温度分布
である。
【0022】U,Vを定式化するに際して、初期値境界
値問題(3)式における鋼板表面での境界条件は、モデル
の簡略化のために、次式(4),(5)のように近似化した。
値問題(3)式における鋼板表面での境界条件は、モデル
の簡略化のために、次式(4),(5)のように近似化した。
【0023】
【数2】
【0024】圧延工程での各冷却形態における鋼板の板
厚方向の温度分布は、板厚方向位置xの巾乗の関数とし
て表わされるとする。今、解析対象とする冷却工程の前
履歴の冷却工程数をkとおけば、初期温度分布φ0(x)は
次式(6) のように教示することができる。ここで、式
(6) におけるμ i 、A i は、熱間圧延工程でのi番目の
冷却工程(例えば粗圧延完了後のシャワ水冷工程)にお
いて生じた温度分布(初期値境界値問題の式(2) ,(3)
の解U,Vを重畳したものとして表される)を、A i (1
−x/μ i ) n という板厚方向位置xを変数とする関数
で近似することによって定まる定数である。また、n
は、予め定められた次数(正整数)であり、任意に設定
することができ、後述する実施例ではn=2と設定して
いる。この次数nは、求めるべき板厚方向温度分布を表
すための基本になる温度分布を表す関数(板厚方向位置
xを変数とする関数)の次数である。
厚方向の温度分布は、板厚方向位置xの巾乗の関数とし
て表わされるとする。今、解析対象とする冷却工程の前
履歴の冷却工程数をkとおけば、初期温度分布φ0(x)は
次式(6) のように教示することができる。ここで、式
(6) におけるμ i 、A i は、熱間圧延工程でのi番目の
冷却工程(例えば粗圧延完了後のシャワ水冷工程)にお
いて生じた温度分布(初期値境界値問題の式(2) ,(3)
の解U,Vを重畳したものとして表される)を、A i (1
−x/μ i ) n という板厚方向位置xを変数とする関数
で近似することによって定まる定数である。また、n
は、予め定められた次数(正整数)であり、任意に設定
することができ、後述する実施例ではn=2と設定して
いる。この次数nは、求めるべき板厚方向温度分布を表
すための基本になる温度分布を表す関数(板厚方向位置
xを変数とする関数)の次数である。
【0025】
【数3】 ここで、μ i ≦h/2であり、T a は加熱炉抽出時にお
けるスラブの板厚方向温度分布(一定値)である。そし
て、初期温度分布φ 0 (x)は次のようにして求められる。
なおここでは、前記次数nを例えばn=2に設定する。
まず、1番目の冷却工程での初期温度分布φ 0 (x)は、前
述した仮定(a)より、T a となる。2番目の冷却工程
での初期温度分布φ 0 (x)は、1番目の冷却工程において
生じた温度分布をA 1 (1−x/μ 1 ) 2 で近似すると、
T a +A 1 (1−x/μ 1 ) 2 となる。そして、3番目の
冷却工程での初期温度分布φ 0 (x)は、2番目の冷却工程
において生じた温度分布をA 2 (1−x/μ 2 ) 2 で近似
すると、T a +A 1 (1−x/μ 1 ) 2 +A 2 (1−x/μ
2 ) 2 となる。以下同様に、k+1番目の冷却工程での
初期温度分布φ 0 (x)は、k番目の冷却工程において生じ
た温度分布をA k (1−x/μ k ) 2 で近似すると、T a
+ΣA i (1−x/μ i ) 2 、i=1,…,k、となり、
このようにして初期温度分布φ 0 (x)が求められることに
なる。
けるスラブの板厚方向温度分布(一定値)である。そし
て、初期温度分布φ 0 (x)は次のようにして求められる。
なおここでは、前記次数nを例えばn=2に設定する。
まず、1番目の冷却工程での初期温度分布φ 0 (x)は、前
述した仮定(a)より、T a となる。2番目の冷却工程
での初期温度分布φ 0 (x)は、1番目の冷却工程において
生じた温度分布をA 1 (1−x/μ 1 ) 2 で近似すると、
T a +A 1 (1−x/μ 1 ) 2 となる。そして、3番目の
冷却工程での初期温度分布φ 0 (x)は、2番目の冷却工程
において生じた温度分布をA 2 (1−x/μ 2 ) 2 で近似
すると、T a +A 1 (1−x/μ 1 ) 2 +A 2 (1−x/μ
2 ) 2 となる。以下同様に、k+1番目の冷却工程での
初期温度分布φ 0 (x)は、k番目の冷却工程において生じ
た温度分布をA k (1−x/μ k ) 2 で近似すると、T a
+ΣA i (1−x/μ i ) 2 、i=1,…,k、となり、
このようにして初期温度分布φ 0 (x)が求められることに
なる。
【0026】この時、初期値境界値問題(2),(3)式の解
U,Vは次式(7),(8)のように表わすことができる。
U,Vは次式(7),(8)のように表わすことができる。
【0027】
【数4】
【0028】次に、連立偏微分方程式(2),(3)につい
て、弱表現式を用いることにより、下記に示すように、
て、弱表現式を用いることにより、下記に示すように、
【数5】 を未知関数とする時間の連立常微分方程式系に帰着させ
ることができる。
ることができる。
【0029】
【数6】
【0030】
【数7】
【0031】(7)〜(16)式で構成される連立常微分方程
式は、前記未知関数に関して解析的に解くことができ
る。具体的には、下記(17)〜(37)式に示すようになる。
式は、前記未知関数に関して解析的に解くことができ
る。具体的には、下記(17)〜(37)式に示すようになる。
【0032】
【数8】
【0033】
【数9】
【0034】
【数10】
【0035】
【数11】
【0036】以上により、初期値境界値問題(2),(3)式
の解U,Vは定式化され、鋼板の板厚方向温度分布を算
定できる新たな圧延温度予測モデルが構築された。
の解U,Vは定式化され、鋼板の板厚方向温度分布を算
定できる新たな圧延温度予測モデルが構築された。
【0037】つまり、本実施例では、圧延工程での冷却
形態にのみ支配される鋼板板厚方向の第1の温度分布V
と、鋼板内での復熱挙動を表わす鋼板板厚方向の第2の
温度分布Uとを、それぞれ、熱伝導方程式に基づく連立
偏微分方程式(2),(3)からなる初期値境界値問題の解と
して求めるべく、連立偏微分方程式(2),(3)について弱
表現形式を用いることにより連立偏微分方程式(2),(3)
を時間の連立常微分方程式系(9)〜(16)に帰着させる。
形態にのみ支配される鋼板板厚方向の第1の温度分布V
と、鋼板内での復熱挙動を表わす鋼板板厚方向の第2の
温度分布Uとを、それぞれ、熱伝導方程式に基づく連立
偏微分方程式(2),(3)からなる初期値境界値問題の解と
して求めるべく、連立偏微分方程式(2),(3)について弱
表現形式を用いることにより連立偏微分方程式(2),(3)
を時間の連立常微分方程式系(9)〜(16)に帰着させる。
【0038】そして、この連立偏微分方程式(9) 〜(16)
を(17)〜(37)式のように解くことにより、温度分布U,
Vを求めた後、各冷却形態下における鋼板板厚方向に形
成される温度場T(x,t) についてのオンライン圧延温度
予測モデルを、温度分布UとVとを重畳したものとして
構築し、このオンライン圧延温度予測モデルによって算
定された板厚方向の圧延温度分布に圧延の塑性加工発熱
による温度上昇量を加えることにより、鋼板の圧延工程
での板厚方向の圧延温度が予測されるのである。
を(17)〜(37)式のように解くことにより、温度分布U,
Vを求めた後、各冷却形態下における鋼板板厚方向に形
成される温度場T(x,t) についてのオンライン圧延温度
予測モデルを、温度分布UとVとを重畳したものとして
構築し、このオンライン圧延温度予測モデルによって算
定された板厚方向の圧延温度分布に圧延の塑性加工発熱
による温度上昇量を加えることにより、鋼板の圧延工程
での板厚方向の圧延温度が予測されるのである。
【0039】ここで、加熱炉抽出から仕上げ圧延完了ま
での一連の工程における鋼板の温度変化挙動を、差分法
に基づく圧延温度シミュレーションモデルと、本実施例
により新しく構築したオンライン圧延温度予測モデルと
を用いて計算し、精度比較を行なう。
での一連の工程における鋼板の温度変化挙動を、差分法
に基づく圧延温度シミュレーションモデルと、本実施例
により新しく構築したオンライン圧延温度予測モデルと
を用いて計算し、精度比較を行なう。
【0040】この精度比較計算における計算結果を下表
に示す。また式(6) の次数nはn=2とした。
に示す。また式(6) の次数nはn=2とした。
【表1】
【0041】また、圧延中のロールとの接触における熱
伝達係数αRは次式のようになる。
伝達係数αRは次式のようになる。
【数12】 ここで、λR,cR,ρRはそれぞれロールの熱伝導度,
比熱,密度、Rはロール径、rは圧下率、h0は入側
厚、vは圧延速度である。
比熱,密度、Rはロール径、rは圧下率、h0は入側
厚、vは圧延速度である。
【0042】また、圧延の塑性加工発熱による鋼板温度
の上昇量ΔTと平均厚hm との算出には、それぞれ次式
を用いた。
の上昇量ΔTと平均厚hm との算出には、それぞれ次式
を用いた。
【数13】 ここで、h1 は出側厚、pm は平均圧延圧力である。
【0043】圧延工程における鋼板の平均温度,表面温
度および中心温度の経時変化に関して、上記表および各
式に基づいて行なった本実施例による予測方法と高精度
な計算を行なえる差分モデルとによる精度比較結果を図
2に示す。
度および中心温度の経時変化に関して、上記表および各
式に基づいて行なった本実施例による予測方法と高精度
な計算を行なえる差分モデルとによる精度比較結果を図
2に示す。
【0044】図2から明らかなように、本実施例のオン
ライン圧延温度予測モデルによる計算結果は、全工程を
通じて、差分モデルによる計算結果にほぼ一致してい
る。このことから、本実施例の予測モデルの推定精度
は、差分モデルによる推定精度とほぼ同等であることが
分かる。
ライン圧延温度予測モデルによる計算結果は、全工程を
通じて、差分モデルによる計算結果にほぼ一致してい
る。このことから、本実施例の予測モデルの推定精度
は、差分モデルによる推定精度とほぼ同等であることが
分かる。
【0045】このように、本実施例の方法によれば、熱
伝導方程式の弱表現式を用いて構築されたオンライン圧
延温度予測モデルから得られた、圧延工程での冷却形態
に支配される温度分布Vと、その冷却形態下での鋼板内
の復熱挙動を表わす温度分布Uとに、圧延の塑性加工発
熱による温度上昇量ΔTを加えることにより、厳密な圧
延ラインでの温度変化を再現できる差分モデルと同等の
温度予測を、極めて簡易な計算により実現でき、その有
効性の高さが確認された。
伝導方程式の弱表現式を用いて構築されたオンライン圧
延温度予測モデルから得られた、圧延工程での冷却形態
に支配される温度分布Vと、その冷却形態下での鋼板内
の復熱挙動を表わす温度分布Uとに、圧延の塑性加工発
熱による温度上昇量ΔTを加えることにより、厳密な圧
延ラインでの温度変化を再現できる差分モデルと同等の
温度予測を、極めて簡易な計算により実現でき、その有
効性の高さが確認された。
【0046】また、これまで簡易式により予測を行なえ
なかった鋼板の板厚方向の温度分布を圧延工程での任意
の冷却形態下で高精度に推定することが可能になる。
なかった鋼板の板厚方向の温度分布を圧延工程での任意
の冷却形態下で高精度に推定することが可能になる。
【0047】さらに、本実施例のモデルによる温度予測
計算は、差分モデルによる温度予測計算の10分の1程
度の計算量にて行なうことができ、温度予測に要する時
間を大幅に短縮できる。
計算は、差分モデルによる温度予測計算の10分の1程
度の計算量にて行なうことができ、温度予測に要する時
間を大幅に短縮できる。
【0048】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の熱間圧延
における鋼板の圧延温度予測方法によれば、圧延工程で
の種々の冷却形態でのオンライン圧延温度予測モデル
を、熱伝導方程式の弱表現式を用いることにより、熱伝
導方程式に基づいて物理的意味をもたせながら構築する
ので、そのモデルにより、平均温度だけでなく、鋼板板
厚方向の温度分布を極めて簡易な計算により高精度で算
定でき、板厚方向の必要位置での確実な温度評価を実現
できる効果がある。
における鋼板の圧延温度予測方法によれば、圧延工程で
の種々の冷却形態でのオンライン圧延温度予測モデル
を、熱伝導方程式の弱表現式を用いることにより、熱伝
導方程式に基づいて物理的意味をもたせながら構築する
ので、そのモデルにより、平均温度だけでなく、鋼板板
厚方向の温度分布を極めて簡易な計算により高精度で算
定でき、板厚方向の必要位置での確実な温度評価を実現
できる効果がある。
【図1】本発明の一実施例としての熱間圧延における鋼
板の圧延温度予測方法を説明すべく鋼板板厚方向の温度
分布例を示すグラフである。
板の圧延温度予測方法を説明すべく鋼板板厚方向の温度
分布例を示すグラフである。
【図2】本実施例の方法による温度予測値と差分法によ
る温度予測値とを比較して示すグラフである。
る温度予測値とを比較して示すグラフである。
Claims (1)
- 【請求項1】 熱間圧延における鋼板の圧延温度を予測
する方法において、 圧延工程での冷却形態にのみ支配される前記鋼板の板厚
方向の第1の温度分布と、前記鋼板内での復熱挙動を表
わす前記鋼板の板厚方向の第2の温度分布とを、それぞ
れ、熱伝導方程式に基づく連立偏微分方程式からなる初
期値境界値問題の解として求めるべく、前記連立偏微分
方程式について弱表現形式を用いることにより該連立偏
微分方程式を時間の連立常微分方程式系に帰着させ、 該連立常微分方程式を解くことにより前記の第1および
第2の温度分布を求めた後、圧延工程での各冷却形態下における 前記鋼板の板厚方向
に形成される温度場についてのオンライン圧延温度予測
モデルを、前記第1の温度分布と前記第2の温度分布と
を重畳したものとして構築してから、前記オンライン圧延温度予測モデルによって算定された
板厚方向の圧延温度分布に圧延の塑性加工発熱による温
度上昇量を加えることにより 、前記鋼板の圧延工程での
板厚方向の圧延温度を予測することを特徴とする熱間圧
延における鋼板の圧延温度予測方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3210610A JP2554414B2 (ja) | 1991-08-22 | 1991-08-22 | 熱間圧延における鋼板の圧延温度予測方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP3210610A JP2554414B2 (ja) | 1991-08-22 | 1991-08-22 | 熱間圧延における鋼板の圧延温度予測方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0550128A JPH0550128A (ja) | 1993-03-02 |
| JP2554414B2 true JP2554414B2 (ja) | 1996-11-13 |
Family
ID=16592177
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP3210610A Expired - Fee Related JP2554414B2 (ja) | 1991-08-22 | 1991-08-22 | 熱間圧延における鋼板の圧延温度予測方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2554414B2 (ja) |
Families Citing this family (6)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| EP1306770A1 (de) * | 2001-10-23 | 2003-05-02 | ABB Schweiz AG | Verfahren und System zur Schätzung der Temperaturverteilung in Festkörpern |
| CN103028615B (zh) * | 2012-11-29 | 2014-12-10 | 一重集团大连设计研究院有限公司 | 一种预测带钢热连轧过程温度演变的方法 |
| CN103605390B (zh) * | 2013-10-16 | 2015-11-11 | 东北大学 | 一种热连轧线超快速冷却系统的供水控制方法 |
| JP6197676B2 (ja) * | 2014-02-04 | 2017-09-20 | 東芝三菱電機産業システム株式会社 | 温度分布予測装置 |
| WO2016035778A1 (ja) * | 2014-09-01 | 2016-03-10 | 新日鐵住金株式会社 | 圧延方法及び圧延装置 |
| CN114722732B (zh) * | 2022-06-09 | 2022-09-02 | 华中科技大学 | 基于点云网络的高超声速飞行器燃料箱温度场预测方法 |
-
1991
- 1991-08-22 JP JP3210610A patent/JP2554414B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0550128A (ja) | 1993-03-02 |
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