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JP2554497B2 - エポキシコハク酸誘導体を含有する医薬組成物 - Google Patents
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JP2554497B2 - エポキシコハク酸誘導体を含有する医薬組成物 - Google Patents

エポキシコハク酸誘導体を含有する医薬組成物

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JP2554497B2
JP2554497B2 JP62144790A JP14479087A JP2554497B2 JP 2554497 B2 JP2554497 B2 JP 2554497B2 JP 62144790 A JP62144790 A JP 62144790A JP 14479087 A JP14479087 A JP 14479087A JP 2554497 B2 JP2554497 B2 JP 2554497B2
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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、エポキシコハク酸エステルを含有する医薬
組成物、更に詳細には、次の一般式(I) (式中、Rは水素原子、アルキル基、アラルキル基又は
アリール基を示し、nは0〜3の整数を示す) で表わされるエポキシコハク酸誘導体又はその無毒性塩
を有効成分として含有する、アントラサイクリン系抗生
物質による心筋障害に対する治療及び予防作用を有する
医薬組成物に関する。
心筋症とは、高血圧、先天性異常や弁膜、冠動脈ある
いは心筋の異常で起こるものではなく、一次的に心筋を
侵す疾患である。
心筋症はその成因により、原因不明の心筋疾患である
特発性心筋症と、原因又は関連の明らかな二次性心筋疾
患(特殊心筋疾患)等に分けられる。この二次性心筋疾
患をきたす諸種疾患としては、各種心筋炎、心アミロイ
ドーシス、心筋サルコイドーシス、薬物等による過敏反
応ならびに中毒等が挙げられる。薬物による心筋症とし
て、アントラサイクリン系抗生物質による心筋病変が知
られている。
1967年、アルカモン(F.Arcamone)らによりStreptom
yces peucetius var.caesiusの培養液から分離されたア
ントラサイクリン系抗生物質である塩酸ドキソルビシン
(Doxorubicin HCl,アドリアマイシン)は、癌細胞の核
酸合成の過程を阻害することによって癌細胞の分裂を抑
制し、強い抗腫瘍作用を有する。しかも、その抗癌スペ
クトルは広く、急性及び慢性白血病、悪性リンパ腫(細
綱肉腫、リンパ肉腫等)、肺癌、乳癌、消火器癌(胃
癌、肝癌、結腸癌等)、膀胱腫瘍などに有効であるの
で、現在抗癌剤として広く使用されている。
ところで、上記のアドリアマイシンは、副作用として
白血球減少や貧血などの骨髄抑制、食欲不振・嘔吐など
の消化器障害、脱毛、そして心筋障害が発生することが
知られている。
特に、総投与量が500〜550mg/m2(体表面積)以上に
なると心筋障害の出現頻度が急速に高率となることが知
られている。(久保明良;がん化学療法,1985年,69〜72
頁) アドリアマイシンの心筋障害は非炎症性の障害であ
り、その発生機序としては、核のDNA合成障害、心筋細
胞膜のCa透過性亢進による細胞内へのCaの貯留、カテコ
ールアミン等の血管作動物質の遊離作用、ミトコンドリ
アのCoQ10の関連酵素系レベルでのATP産生障害などが考
えられており、従来心筋障害因子を抑制する目的で、Ca
拮抗薬、β遮断薬、CoQ10などが用いられている。
本発明者らは、上記の事情に鑑み、鋭意研究を行った
結果、CANP(カルシウム依存性中性プロテアーゼ)阻害
剤として知られている上記一般式(I)で表わされる化
合物が、アントラサイクリン系抗生物質による心筋障害
に対する治療及び予防作用を有することを見い出し、本
発明を完成した。
すなわち、本発明の目的は、上記一般式(I)で表わ
されるエポキシコハク酸誘導対又はその無毒性塩を有効
成分として含有する、アントラサイクリン系抗生物質に
よる心筋障害に対する治療及び予防作用を有する医薬組
成物を提供するにある。
上記一般式(I)で表わされる化合物は、本発明者ら
により、既に冠状動脈結紮による実験的心筋梗塞モデル
で効果を示し、心筋梗塞の予防及び治療剤として有用で
あることが知られている。(特開昭57−169478,特開昭5
8−126879)。しかしながら、前記特許に記載の心筋虚
血の結果生じる心筋梗塞は、その発生機序ならびに病態
において、心筋症、特にアントラサイクリン系抗生物質
による心筋障害とは全く異なっている。
前記一般式(I)中のRがアルキル基の場合の例とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソブチル
基、n−ブチル基、sec−ブチル基などのC1〜C5の低級
アルキル基が挙げられ、アラルキル基としては、ベンジ
ル基、フェネチル基、ベンズヒドリル基等が挙げられ、
またアリール基としては、フェニル基等が挙げられる。
一般式(I)のオキシランは、トランス体すなわち
(2S,3S)又は(2R,3R)配位のものが好ましい。
また、無毒性塩としては、ナトリウム、カリウム、カ
ルシウム、マグネシウム、更には、トリアルキルアミ
ン、ジベンジルアミン、N−低級アルキルピペリジン、
α−フェネチルアミン、1−(1−ナフチル)エチルア
ミン、N−ベンジル−β−フェネチルアミンなどの無毒
性塩、あるいは塩酸、臭化水素酸、ギ酸、硫酸、フマー
ル酸、マレイン酸、酒石酸などとの無毒性塩が挙げられ
る。
前記一般式(I)で表わされる化合物は、例えば次の
方法により得ることができる。
(式中、R及びnは前記と同じ意味を示す) 一般式(I)で表わされる化合物の具体例としては、
下記のものを挙げることができる。
(2R,3R)−3−[(s)−1−{4−(4−メトキシ
フェニルメチル)ピペラジン−1−イルカルボニル}−
3−メチルブチルカルバモイル]オキシラン−2−カル
ボン酸、 (2R,3R)−3−[(s)−1−{4−(3,4−ジメトキ
シフェニルメチル)ピペラジン−1−イルカルボニル}
−3−メチルブチルカルバモイル]オキシラン−2−カ
ルボン酸、 (2R,3R)−3−[(s)−3−メチル−1−{4−
(2,3,4−トリメトキシフェニルメチル)ピペラジン−
1−イルカルボニル}ブチルカルバモイル]オキシラン
−2−カルボン酸、 (2R,3R)−3−[(s)−3−メチル−1−{4−
(3,4,5−トリメトキシフェニルメチル)ピペラジン−
1−イルカルボニル}ブチルカルバモイル]オキシラン
−2−カルボン酸、 (2R,3R)−3−[(s)−1−(4−ベンジルピペラ
ジン−1−イルカルボニル)−3−メチルブチルカルバ
モイル]オキシラン−2−カルボン酸、 (2S,3S)−3−[(s)−1−{4−(4−メトキシ
フェニルメチル)ピペラジン−1−イルカルボニル}−
3−メチルブチルカルバモイル]オキシラン−2−カル
ボン酸、 (2S,3S)−3−[(s)−1−{4−(3,4−ジメトキ
シフェニルメチル)ピペラジン−1−イルカルボニル}
−3−メチルブチルカルバモイル]オキシラン−2−カ
ルボン酸、 (2S,3S)−3−[(s)−3−メチル−1−{4−
(2,3,4−トリメトキシフェニルメチル)ピペラジン−
1−イルカルボニル}ブチルカルバモイル]オキシラン
−2−カルボン酸、 (2S,3S)−3−[(s)−3−メチル−1−{4−
(3,4,5−トリメトキシフェニルメチル)ピペラジン−
1−イルカルボニル}ブチルカルバモイル]オキシラン
−2−カルボン酸、 (2S,3S)−3−[(s)−1−(4−ベンジルピペラ
ジン−1−イルカルボニル)−3−メチルブチルカルバ
モイル]オキシラン−2−カルボン酸。
これらの化合物のエステル体又は無毒性塩も本発明の
有効成分である。
アントラサイクリン系抗生物質としては、前述のアド
リアマイシンの他、ダウノマイシン(Daunomycin)、ア
クラシノマイシンA(Aclacinomycin A)などが知られ
ている。
次に、本発明の活性成分である上記一般式(I)で表
わされるエポキシコハク酸誘導体又はその無毒性塩が、
アントラサイクリン系抗生物質による心筋障害に対する
治療及び予防効果を示すことは、ラットを用いたアドリ
アマイシンと本発明の活性成分である(2R,3R)−3−
[(s)−3−メチル−1−{4−(2,3,4−トリメト
キシフェニルメチル)ピペラジン−1−イルカルボニ
ル}ブチルカルバモイル]オキシラン−2−カルボン酸
エチル 1/2硫酸塩(以下、活性成分Aと略す)との16
日間の単独及び併用投与実験により明らかになった。
すなわち、アドリアマイシン単独投与群での生存率は
66.7%であるのに対し、活性成分Aとの併用群では80
%、対照として用いたCoQ10併用群では70.6%であっ
た。また、生存例の心筋壊死の発生率(全視野数に対す
る有所見視野数)は、アドリアマイシン単独投与群では
31.4%に対し、活性成分A併用群では22.1%であり、活
性成分Aがアドリアマイシンによる心筋病変を抑制又は
予防することが明らかになった。
また、本発明の有効成分である一般式(I)で表わさ
れる化合物は、既にマウスにおける急性毒性試験によ
り、生体に対して安全性の高い物質であることが知られ
ている。(特開昭58−126879) 本発明における一般式(I)の化合物及びその無毒性
塩の投与量は、化合物の種類及び患者の症状の程度によ
って異なるが、通常は1日約10mg〜1gを患者に投与すれ
ばよい。
一般式(I)で表わされる化合物及びその塩は、これ
をアントラサイクリン系抗生物質による心筋障害に対す
る治療及び予防作用を有する医薬組成物として用いる場
合、通常は製剤的担体と共に製剤組成物の形態とされ
る。また、他の薬剤との配合剤として用いることもでき
る。
担体としては、使用形態に応じた薬剤を調製するのに
通常使用される増量剤、結合剤、崩壊剤、滑沢剤等の希
釈剤あるいは賦形剤が用いられる。
投与形態としては、注射剤、散剤、カプセル剤、顆粒
剤、錠剤などいずれの形態でも可能である。
錠剤の形態として用いるに際しては、担体として、例
えば乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプ
ン、炭酸カルシウム、結晶セルロース、ケイ酸等の賦形
剤、水、エタノール、プロパノール、ブドウ糖液、デン
プン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、
メチルセルロース、リン酸カリウム等の結合剤、乾燥デ
ンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素
ナトリウム、炭酸カルシウム、ステアリン酸モノグリセ
リド、デンプン、乳糖等の崩壊剤、ステアリン酸塩、ホ
ウ酸末、固体ポリエチレングリコール等の滑沢剤等、こ
の分野で広く用いられているものを使用することができ
る。更に、必要に応じて糖衣錠、ゼラチン被包錠、フィ
ルムコーティング錠等にすることもできる。
注射剤として調製される場合には、希釈剤として、例
えば水、エチルアルコール、プロピレングリコール、ポ
リオキシエチレンソルビット、ソルビタンエステル等を
挙げることができる。この際、等張性の溶液を調製する
のに充分な量の食塩、ブドウ糖あるいはグリセリンを含
有させてもよく、また、通常の溶解補助剤、緩衝剤、無
痛化剤、保存剤等を必要に応じて含有させてもよい。
以上に述べたように、前記一般式(I)で表わされる
エポキシコハク酸誘導体又はその無毒性塩を含有する医
薬組成物は、アントラサイクリン系抗生物質による心筋
障害の治療及び予防に優れた作用を示し、有用な医薬組
成物である。
次に実施例を挙げて、本発明を具体的に説明する。
実施例 実験方法 ラットを3群に分け、第1群には、アドリアマイシン
を4日目ごとに2mg/kg(i.v.)を4回、計8mg/kg投与
し、16日目に屠殺した。死亡例については、生存率を16
日目に計算し、その生存例について、心筋を形態学的に
観察した。第2群には、アドリアマイシンを第1群と同
様に投与し、合わせて本発明の活性成分である(2R,3
R)−3−[(s)−3−メチル−1−{4−(2,3,4−
トリメトキシフェニルメチル)ピペラジン−1−イルカ
ルボニル}ブチルカルバモイル]オキシラン−2−カル
ボン酸エチル 1/2硫酸塩(活性成分A)を毎日100mg/k
g(i.p.)を投与した。第3群には、アドリアマイシン
を第1群と同様に投与し、合わせて毎日CoQ1010mg/kg
(i.p.)を投与した。
心筋の観察は、16日目に摘出心か横断面を2割面と
り、これを光顕的に観察した。観察方法は、左室心筋を
200倍で走査し、総視野数に対する心筋病変の有所見視
野数を百分率で表わした。尚、心筋病変については、病
変が存在する部分を有所見とした。
表1にその結果を示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、Rは水素原子、アルキル基、アラルキル基、又
    はアリール基を示し、nは0〜3の整数を示す) で表されるエポキシコハク酸誘導体又はその無毒性塩を
    有効成分として含有する、アントラサイクリン系抗生物
    質による心筋障害に対する治療及び予防作用を有する医
    薬組成物。
JP62144790A 1987-06-10 1987-06-10 エポキシコハク酸誘導体を含有する医薬組成物 Expired - Lifetime JP2554497B2 (ja)

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Chem.Abstr.,第98巻、要約番号65225(1983)

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