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JP2556024B2 - 感光体とその製造方法 - Google Patents
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JP2556024B2 - 感光体とその製造方法 - Google Patents

感光体とその製造方法

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JP2556024B2 JP5362887A JP5362887A JP2556024B2 JP 2556024 B2 JP2556024 B2 JP 2556024B2 JP 5362887 A JP5362887 A JP 5362887A JP 5362887 A JP5362887 A JP 5362887A JP 2556024 B2 JP2556024 B2 JP 2556024B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、表面保護膜を設けた有機系感光体並びにそ
の製造方法に関する。
従来の技術 電子写真感光体として有機系感光体はよく知られてお
り(例えば、NIKKEI NEW MATERIALS 1986年12月15日
号 第83頁〜第98頁等)、感度、帯電能、製造コスト面
で優れた感光体であり実用化がなされている。
一般に、有機系感光層の作製に用いられる材料として
は、電荷発生に寄与する光導電性材料として、例えば、
フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、ペリレン系顔料等
が用いられ、電荷輸送に寄与する電荷輸送性材料とし
て、例えば、トリフェニルメタン化合物、トリフェニル
アミン化合物、ヒドラゾン化合物、スチリル化合物、ピ
ラゾリン化合物、オキサゾール化合物、オキサジアゾー
ル化合物等が用いられ、これらを分散塗布せしめるため
の結着材料のとして、例えば、ポリエステル、ポリビニ
ルブチラール、ポリカーボネイト、ポリアリレート、フ
ェノキシ、スチレンアクリル等の樹脂が用いられる。
しかし、そのような感光体でも繰り返し使用すると画
像欠陥、白スジ等の問題が発生する。これは、有機系感
光体の表面がJIS−K−5400規格鉛筆硬度にしておよそ5
BないしB程度と柔らかいため、繰り返し使用における
転写紙、クリーニング部材、現像剤等との摩耗により感
光体表面が削れたり、傷付いたりするためである。ま
た、ペーパージャム時およびその復帰の際の人為的操作
等による苛酷な表面接触もその一因となる。また、感光
体表面の削れにより表面電位の低下を招く。
そこで、感光体の表面に保護層を設け上記問題点を解
消する試みが提案されている。
特開昭50−20728号公報に記載の技術はセレン層また
はセレン−テルル合金層とポリビニルカルバゾール重合
体とを順次積層してなる感光層上に、グロー放電重合ポ
リマー膜を設ける感光体の製造方法を開示している。
特開昭60−61761号公報に記載の技術は感光活性層の
表面に、ダイヤモンド状炭素膜を被覆した感光体を開示
している。
発明が解決しようとする問題点 しかしながら、上記特開昭50−20728号公報記載の製
造方法は感光体の耐溶剤性を改善しようとするものであ
り、耐湿性および耐摩耗性については充分とはいえず、
画像流れおよび削れが発生しやすいという欠点が存在す
る。上記開示にはこれらの欠点を改善するための示唆は
ない。また、上記特開昭60−61761号公報記載の感光体
は耐湿性が悪く、画像流れが発生しやすいという欠点が
存在する。
一方、有機系感光体は耐熱性に乏しいものが殆どであ
り、表面保護層を設ける工程において過度に高温加熱す
る過程が含まれると感度が失われる。上記特開昭60−61
761号公報公報に記載の技術は、感光活性層として通常1
50ないし300℃で作製されるアモルファスシリコン層の
形成に続けてダイヤモンド状炭素膜を形成する方法を示
唆しており、この方法を有機系感光体に用いると感度が
全く無くなるという欠点が存在する。
すなわち、有機系感光体は、その表面が柔らかく傷が
付きやすく、また、長期間使用しても画像流れ等の発生
しない有効な保護膜は存在しない。
そこで、本発明の目的は、繰り返し使用しても感光体
表面に傷が付かず、かつ耐候性に優れた感光体を提供す
ることにある。
本発明のさらなる目的は、有機系感光層の感度特性を
損なうことなく表面保護層を形成する感光体の製造方法
を提供することにある。
問題点を解決するための手段 すなわち本発明は、導電性基板上に有機系感光層を設
けた感光体において、表面保護層を設け、該表面保護層
はグロー放電法により形成され、少なくともS、Seおよ
びTeから選択されるカルコゲン原子を含む非晶質炭化水
素膜であることを特徴とする感光体に関する。
さらに本発明は、導電性基板上に、有機系感光層を形
成する工程と、該感光層上にグロー放電法により前記導
電性基板の温度を100℃以下に保った状態で少なくとも
S、SeおよびTeから選択されるカルコゲン原子を含有す
る非晶質炭化水素膜よりなる表面保護層を形成する工程
とを含むことを特徴とする感光体の製造方法に関する。
本発明感光体の構成例を第1図に示す。アルミニウム
等の導電性基板(3)上に感光層(2)および非晶質炭
化水素膜よりなる表面保護層(1)が順次積層されてい
る。感光層(2)はそれ自体公知の有機系感光体を基板
(3)上に設けたものであり、感光層(2)内部構造
は、電荷発生層と電荷輸送層とを積層してなる機能分離
型構成であってもよいし、電荷発生材料と電荷輸送材料
とを結着材中に分散してなるバインダー型構成であって
もよいし、これら以外の構成であってもよい。
本発明の特徴は、表面保護層(1)の非晶質炭化水素
膜中に少なくともカルコゲン原子を含むことである。非
晶質炭化水素膜はそれ自体4H程度の硬い膜であるが、カ
ルコゲン原子を含有させることにより、より硬度のある
傷付きにくいかつ、耐湿性を有し、好適な帯電能を保証
し、しかもより透光性に優れた表面保護層(1)とする
ことができる。
非晶質炭化水素膜中に含有されるカルコゲン原子の量
は、全構成原子に対して0.1原子%以上、好ましくは0.5
原子%以上、より好ましくは1.0原子%以上である。カ
ルコゲン原子の量が全構成原子に対して0.1原子%より
少ない場合には、耐湿性の面で好ましくない。
本発明において非晶質炭化水素膜中に含有されるカル
コゲン原子の最大含有量は特に制限はないが、表面保護
層の構造およびグロー放電という製造面から必然的に制
約される。
非晶質炭化水素膜中に含有される水素原子の量は特に
制限はないが、表面保護層の構造およびグロー放電とい
う製造面から必然的に制約され、その量は概ね30ないし
60原子%となる。
非晶質炭化水素膜中に含有される炭素原子、水素原
子、カルコゲン原子等の量は、有機元素分析、オージェ
分析等の手段により知ることができる。
本発明の表面保護層(1)は、0.01ないし5μm、好
ましくは0.05ないし2μm、より好ましくは0.1ないし
1μmの厚さに形成する。0.01μmより薄いと膜強度が
低下し、傷が付きやすくなる。また、5μmより厚いと
透光性が低下し、照射光を有機感光層中に有効に導くこ
とができなくなり感度低下を招く。
本発明の感光体の表面保護層(1)は、自体公知な有
機系感光体の上に形成すればよく、本発明の目的を有効
に達成することができる。
表面保護層(1)はグロー放電法により形成する。表
面保護層(1)は気相状態の少なくとも炭素原子および
水素原子を含む分子を少なくともカルコゲン原子を含む
分子とともに減圧下で放電し、発生したプラズマ雰囲気
中に含まれる活性中性種あるいは荷電種を基板上に拡
散、電気力あるいは磁気力等により誘導し、基板上での
再結合反応により固相として堆積させる、いわゆるプラ
ズマ反応(以下、P−CVD反応という)することにより
少なくともカルコゲン原子を含む非晶質炭化水素膜とし
て調整することができる。
上記各分子は常温常圧において必ずしも気相で有る必
要はなく、加熱あるいは減圧等により溶融、蒸発、昇華
等を経て気化し得るものであれば、液相でも固相でも使
用可能である。
少なくとも炭素原子および水素原子を含む分子として
は炭化水素、例えば、飽和炭化水素、不飽和炭化水素、
脂環式炭化水素、芳香族炭化水素、等を用いることがで
きる。
飽和炭化水素としては、例えば、メタン、エタン、プ
ロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オク
タン、イソブタン、イソペンタン、ネオペンタン、イソ
ヘキサン、ネオヘキサン、ジメチルブタン、メチルヘキ
サン、エチルペンタン、ジメチルペンタン、トリプタ
ン、メチルヘプタン、ジメチルヘキサン、トリメチルペ
ンタン、イソナノン、等を用いることができる。
不飽和炭化水素としては、例えば、エチレン、プロピ
レン、イソブチレン、ブテン、ペンテン、メチルブテ
ン、ヘキセン、テトラメチルエチレン、ヘプテン、オク
テン、アレン、メチルアレン、ブタジエン、ペンタジエ
ン、ヘキサジエン、シクロペンタジエン、オシメン、ア
ロシメン、ミルセン、ヘキサトリエン、アセチレン、メ
チルアセチレン、ブチン、ペンチン、ヘキシン、ヘプチ
ン、オクチン、ブタジイン等を用いることができる。
脂環式炭化水素としては、例えば、シクロプロパン、
シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シク
ロヘプタン、シクロオクタン、シクロプロペン、シクロ
ブテン、シクロペンテン、シクロヘキセン、シクロヘプ
テン、シクロオクテン、リモネン、テルビノレン、フェ
ランドレン、シルベストレン、ツエン、カレン、ピネ
ン、ボルニレン、カンフェン、フェンチェン、シクロフ
ェンチェン、トリシクレン、ピサボレン、ジンギベレ
ン、クルクメン、フムレン、カジネンセスキベニヘン、
セリネン、カリオフィレン、サンタレン、セドレン、カ
ンホレン、フィロクラデン、ポドカルプレン、ミレン等
を用いることができる。
芳香族炭化水素としては、例えば、ベンゼン、トルエ
ン、キシレン、ヘミメリテン、プソイドクメン、メシチ
レン、プレニテン、イソジュレン、ジュレン、ペンタメ
チルベンゼン、ヘキサメチルベンゼン、エチルベンゼ
ン、プロピルベンゼン、クメン、スチレン、ビフェニ
ル、テルフェニル、ジフェニルメタン、トリフェニルメ
タン、ジベンジル、スチルベン、イソデン、ナフタリ
ン、テトラリン、アントラセン、フェナントレン等を用
いることができる。
非晶質炭化水素膜中に含まれる水素原子の量は、成膜
装置の形態並びに成膜時の条件により変化し水素量が低
くなる場合としては、例えば、基板温度を高くする、圧
力を低くする、原料炭化水素ガスの希釈率を低くする、
水素含有率の低い原料ガスを用いる、印加電圧を高くす
る、交番電界の周波数を低くする、交番電界に重畳せし
めた直流電界強度を高くする、等の場合が挙げられる。
少なくともカルコゲン原子を含む分子としては、例え
ば、H2S、CH3(CH24S(CH24CH3、CH2=CHCH2SCH2CH
=CH2、C2H5SC2H5、C2H5SCH3、チオフェン、H2Se、(C2
H52Se、H2Te等を用いることができる。
非晶質炭化水素膜中に含まれるカルコゲン原子の量
は、P−CVD反応に用いる少なくともカルコゲン原子を
含む分子の量を増減することにより調整することができ
る。
第2図および第3図は本発明の表面保護膜を形成する
ためのグロー放電分解装置の一例を示す図である。第2
図は平行平板型P−CVD装置、第3図は円筒型P−CVD装
置を示す。
まず、第2図を用いて説明する。
第2図中(701)〜(706)は常温において気相状態に
ある原料化合物およびキャリアガスを密封した第1ない
し第6タンクで、各々のタンクは第1ないし第6調節弁
(707)〜(712)と第1ないし第6流量制御器(713)
〜(718)に接続されている。
図中(719)〜(721)は常温において液相または固相
状態にある原料化合物を封入した第1ないし第3容器
で、各々の容器は気化のため、第1ないし第3加熱器
(722)〜(724)により与熱可能であり、さらに各々の
容器は第7ないし第9調節弁(725)〜(727)と第7な
いし第9流量制御器(728)〜(730)に接続されてい
る。
これらのガスは混合器(731)で混合された後、主管
(732)を介して反応室(733)に送り込まれる。
途中の配管は、常温において液相または固相状態にあ
った原料化合物が気化したガスが、途中で凝結しないよ
うに、適宜配置された配管加熱器(734)により、与熱
可能とされている。
反応室内には接地電極(735)と電力印加電極(736)
が対向して設置され、各々の電極は電極加熱器(737)
により与熱可能とされている。
電力印加電極(736)には、高周波電力用調合器(73
8)を介して高周波電源(739)、低周波電力用整合器
(740)を介して低周波電源(741)、ローパスフィルタ
(742)を介して直流電源(743)が接続されており、接
続選択スイッチ(744)により周波数の異なる電力が印
加可能とされている。
反応室(733)内の圧力は圧力制御弁(745)により調
整可能であり、反応室(733)内の減圧は、排気系選択
弁(746)を介して、拡散ポンプ(747)、油回転ポンプ
(748)、あるいは、冷却除外装置(749)、メカニカル
ブースターポンプ(750)、油回転ポンプ(748)により
行なわれる。
排ガスについては、さらに適当な除外装置(753)に
より安全無害化した後、大気中に排気される。
これら排気系配管についても、常温において液相また
は固相状態にあった原料化合物が気化したガスが、途中
で凝結しないように、適宜配置された配管加熱器(73
4)により、与熱可能とされている。
反応室(733)も同様の理由から反応室加熱器(751)
により与熱可能とされ、内部に配された電極上に基板
(752)が設置される。
第2図において基板(752)は接地電極(735)に固定
して配されているが、電力印加電極(736)に固定して
配されても良く、さらに双方に配されても良い。
第3図に示した装置も基本的には第2図に示した装置
と同様であり、反応室(733)内の形態が基板(752)が
円筒形であることに応じて変更されているものである。
基板(752)は接地電極(735)を兼ね、電力印加電極
(736)および電極加熱器(737)共に円筒形をなしてい
る。また、導電性基板(752)は、外部より駆動モータ
(754)を用いて自転可能となっている。
以上の構成において、感光体製造に供する反応室は、
拡散ポンプにより予め10-4ないし10-6Torr程度にまで減
圧し、真空度の確認と装置内部に吸着したガスの脱離を
行なう。
同時に電極加熱器により、電極並びに電極に固定して
配された基板を所定の温度まで昇温する。このとき、有
機系感光層の熱変成を防止するために基板温度は100℃
以下(常温ないし100℃)に温度設定される。基板とし
ては導電性基板上に自体公知の有機系感光体を用いる。
次いで、第1ないし第6タンクおよび第1ないし第3
容器から原料ガスを第1ないし第9流量制御器を用いて
定流量化しながら反応室内に導入し、圧力調節弁により
反応室内を一定の減圧状態に保つ。
ガス流量が安定化した後、接続選択スイッチにより、
例えば低周波電源を選択し、電力印加電極に低周波電力
を投入する。
両電極間には放電が開始され、時間と共に基板上に固
相の非晶質炭化水素膜が形成される。所定の膜厚に達し
たところで放電を停止し、本発明による感光体を得る。
本発明の表面保護層には、さらにハロゲン原子を添加
して感光体表面に高い滑性を付与することも可能であ
る。
本発明の表面保護層には、さらに周期律表第IV族原子
を添加して感光層との高い接着性を付与することも可能
である。
本発明の表面保護層には、さらに周期律表第V族原
子、周期律表第III族原子等を添加して高い帯電能を付
与することも可能である。
以下、実施例を挙げながら本発明を説明する。
まず、有機系感光層A〜Eの作製を行なった。以下、
縦50×横50×厚さ3mmの平板状アルミニウム基板上に形
成したしたものを補助記号pを用いて有機系感光層Ap〜
Epと称し、直径80mm×長さ330mmの円筒状アルミニウム
基板上に形成したものを補助記号dを用いて有機系感光
層Ad〜Edと称する。
有機系感光層Aの作製 ジスアゾ顔料としてクロロジアンブルー(CDB)1g、
ポリエステル樹脂(東洋紡社製V−200)1g、及び、シ
クロヘキサノン98gの混合液をサンドブラインダーで13
時間分散した。この分散液を縦50×横50×厚さ3mmの平
板状アルミニウム基板上にバーコーターを用いて乾燥後
の膜厚が0.3μmとなるように塗布し、乾燥して電荷発
生層を形成した。
次いで、4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−ジフ
ェニルヒドラゾン(DEH)5g、及び、ポリカーボネイト
(帝人化成社製K−1300)5gをTHF30gに溶解させ、この
溶液を電荷発生層上に乾燥後膜厚が15μmとなるように
塗布し、乾燥させて電荷輸送層を形成し、有機系感光層
Apを得た。
同様の工程にて、ディッピングを用いて、直径80mm×
長さ330mmの円筒状アルミニウム基板上に有機系感光層A
dを形成した。
比較例1 得られた有機系感光層Apを常用のカールソンプロセス
の中でコロナ放電を用いて−600Vに帯電し、白色光半減
光量(以下、E1/2と称する)を測定したところ、2.0ル
ックス・秒、残留電位は−5Vであった。また、JIS−K
−5400規格による鉛筆硬度を測定したところ、約5Bの表
面硬度を有していた。
また、得られた有機系感光層Adについても同様の性能
が認められたが、有機系感光層Adについてはさらに、実
際の複写機に搭載して耐刷試験を行なったところ、A4複
写紙約5千枚の耐刷試験にて1μmの膜厚減少が観察さ
れた。従って、静電特性には優れるものの、耐久性には
乏しいことが確認された。
有機系感光層Bの作製 電荷輸送層形成用のポリカーボネイトをメチルメタク
リレートPMMA(三菱レーヨン社製BR−85)に代える事以
外は有機系感光層Ap、Adと同様にして有機系感光層Bp、
Bdを作製した。
比較例2 得られた有機系感光層Bpを常用のカールソンプロセス
の中でコロナ放電を用いて−600Vに帯電し、E1/2を測定
したところ、6.2ルックス・秒、残留電位は−12Vであっ
た。また、JIS−K−5400規格による鉛筆硬度を測定し
たところ、約Bの表面硬度を有していた。
また、得られた有機系感光層Bdについても同様の性能
が認められたが、有機系感光層Bdについてはさらに、実
際の複写機に搭載して耐刷試験を行なったところ、A4複
写紙約8千枚の耐刷試験にて1μmの膜厚減少が観察さ
れた。従って、静電特性には優れるものの、耐久性には
乏しいことが確認された。
有機系感光層Cの作製 ポリカーボネイトをポリアリレート(ユニチカ社製U
−100)に代えること以外は有機系感光層Ap、Adと同様
にして有機系感光層Cp、Cdを作製した。
比較例3 得られた有機系感光層Cpを常用のカールソンプロセス
の中でコロナ放電を用いて−600Vに帯電し、E1/2を測定
したところ、2.3ルックス・秒、残留電位は−8Vであっ
た。また、JIS−K−5400規格による鉛筆硬度を測定し
たところ、約5Bの表面硬度を有していた。
また、得られた有機系感光層Cdについても同様の性能
が認められたが、有機系感光層Cdについてはさらに、実
際の複写機に搭載して耐刷試験を行なったところ、A4複
写紙約4千枚の耐刷試験にて1μmの膜厚減少が観察さ
れた。従って、静電特性には優れるものの、耐久性には
乏しいことが確認された。
有機系感光層Dの作製 ポリカーボネイトをポリエステル(東洋紡社製V−20
0)に代える事以外は有機系感光層Ap、Adと同様にして
有機系感光層Dp、Ddを作製した。
比較例4 得られた有機系感光層Dpを常用のカールソンプロセス
の中でコロナ放電を用いて−600Vに帯電し、E1/2を測定
したところ、2.2ルックス・秒、残留電位は−7Vであっ
た。また、JIS−K−5400規格による鉛筆硬度を測定し
たところ、約5Bの表面硬度を有していた。
また、得られた有機系感光層Ddについても同様の性能
が認められたが、有機系感光層Ddについてはさらに、実
際の複写機に搭載して耐刷試験を行なったところ、A4複
写紙約5千枚の耐刷試験にて1μmの膜厚減少が観察さ
れた。従って、静電特性には優れるものの、耐久性には
乏しいことが確認された。
有機系感光層Eの作製 特殊α型調フタロシアニン(東洋インキ製)25重量
部、アクリルメラミン熱硬化型樹脂(大日本インキ製A
−405とスーパーベッカミンJ820の混合物)50重量部、
4−ジエチルアミノベンズアルデヒド−ジフェニルヒド
ラゾン25重量部、有機溶剤(キシレン7重量部とブタノ
ール3重量部の混合物)500重量部の混合液をボールミ
ルで10時間粉砕分散した。この分散液を縦50×横50×厚
さ3mmの平板状アルミニウム基板上にバーコーターを用
いて乾燥、焼き付け後の膜厚が15μmとなるように塗布
し、150℃で1時間焼き付けて、有機系感光層Epを得
た。
同様の工程にて、ディッピングを用いて、直径80mm×
長さ330mmの円筒状アルミニウム基板上に有機系感光層E
dを形成した。
比較例5 得られた有機系感光層Epを常用のカールソンプロセス
の中でコロナ放電を用いて+600Vに帯電し、E1/2を測定
したところ、4.3ルックス・秒、残留電位は+5Vであっ
た。また、JIS−K−5400規格による鉛筆硬度を測定し
たところ、約Bの表面硬度を有していた。
また、得られた有機系感光層Edについても同様の性能
が認められたが、有機系感光層Edについてはさらに、実
際の複写機に搭載して耐刷試験を行なったところ、A4複
写紙約1万枚の耐刷試験にて1μmの膜厚減少が観察さ
れた。従って、静電特性には優れるものの、耐久性には
乏しいことが確認された。
実施例1〜5 第2図に示すグロー放電分解装置において、感光体の
表面保護層を作製した。
まず、反応装置(733)の内部を10-6Torr程度の高真
空にした後、第1、第2および第3調節弁(707、708お
よび709)を解放し、第1タンク(701)より水素ガス、
第2タンク(702)よりブタジエンガスおよび第3タン
ク(703)より硫化水素ガスを各々出力圧1.0Kg/cm2の下
で第1、第2および第3流量制御器(713、714および71
5)内へ流入させた。そして各流量制御器の目盛を調整
して、水素ガスの流量を210sccm、ブタジエンガスの流
量を60sccmおよび硫化水素ガスの流量を10sccmとなるよ
うに設定して、途中混合器(731)を介して、主管(73
2)より反応室(733)内へ流入した。各々の流量が安定
した後に、反応室(733)内の圧力が0.5Torrとなるよう
に圧力調節弁(745)を調整した。一方、基板(752)と
しては、有機系感光層が設けられたAp(実施例1)、Bp
(実施例2)、Cp(実施例3)、Dp(実施例4)、Ep
(実施例5)を用いた。基板(752)は、ガス導入前に
約15分間をかけて常温より50℃にまで昇温した。ガス流
量および圧力が安定した状態で、予め接続選択スイッチ
(744)により接続しておいた低周波電源(741)を投入
し、電力印加電極(736)に50Wattの電力を周波数100KH
zの下で印加して約2分間プラズマ重合反応を行ない、
基板(752)上に厚さ0.25μmの非晶質炭化水素膜を表
面保護層として形成した。成膜完了後は電力印加を停止
し、水素ガス以外の調節弁を閉じ、反応室(733)内に
水素ガスだけを200sccm流入し、圧力を10Torrに保持
し、約15分間で30℃まで降温した。その後、水素ガスの
調節弁を閉じ、反応室(733)内を充分に排気し、反応
室(733)の真空を破り、本発明による表面保護層を有
する感光体を取り出した。
以上のようにして得られた非晶質炭化水素膜につぎ有
機定量分析およびオージェ分析を行なったところ、含有
される水素原子の量は全構成原子に対して45原子%、カ
ルコゲン原子、即ち、硫黄原子の量は全構成原子に対し
3.7原子%であった。
特性: 得られた感光体の表面について、鉛筆硬度をJIS−K
−5400規格に基づいて測定したところ実施例1ないし実
施例5の何れも約6Hであり、本発明による感光体の表面
保護層により高硬度化されることが確認された。
また、感度特性は比較例1ないし比較例5とほぼ同等
であり、このことから本発明による感光体の表面保護層
は有機系感光体が本来有する感度を損なわないことが確
認された。
また、実施例1ないし実施例5で得られた感光体を、
温度10℃相対湿度30%の低温低湿雰囲気と温度50℃相対
湿度90%の高温高湿雰囲気とが30分毎に交互に繰返され
る環境下に6時間放置したところ、表面保護層の剥離、
あるいは、ひび割れ等が認められず、本発明による感光
体の表面保護層は、有機系感光体との接着性に優れた膜
であることが確認された。
実施例6〜10 第3図に示すグロー放電分解装置において、感光体の
表面保護層を作製した。
まず、反応装置(733)の内部を10-6Torr程度の高真
空にした後、第1、第2および第3調節弁(707、708お
よび709)を解放し、第1タンク(701)より水素ガス、
第2タンク(702)よりブタジエンガスおよび第3タン
ク(703)より硫化水素ガスを各々出力圧1.0Kg/cm2の下
で第1、第2および第3流量制御器(713、714および71
5)内へ流入させた。そして各流量制御器の目盛を調整
して、水素ガスの流量を250sccm、ブタジエンガスの流
量を60sccmおよび硫化水素ガスの流量を5sccmとなるよ
うに設定して、途中混合器(731)を介して、主管(73
2)より反応室(733)内へ流入した。各々の流量が安定
した後に、反応室(733)内の圧力が2.0Torrとなるよう
に圧力調節弁(745)を調整した。一方、基板(752)と
しては、有機系感光層が設けられたAd(実施例6)、Bd
(実施例7)、Cd(実施例8)、Dd(実施例9)、Ed
(実施例10)を用いた。基板(752)は、ガス導入前に
約15分間をかけて常温より50℃にまで昇温した。ガス流
量および圧力が安定した状態で、予め接続選択スイッチ
(744)により接続しておいた低周波電源(741)を投入
し、電力印加電極(736)に100Wattの電力を周波数50KH
zの下で印加して約1分20秒プラズマ重合反応を行な
い、基板(752)上に厚さ0.3μmの非晶質炭化水素膜を
表面保護層として形成した。成膜完了後は電力印加を停
止し、水素ガス以外の調節弁を閉じ、反応室(733)内
に水素ガスだけを200sccm流入し、圧力を10Torrに保持
し、約15分間で30℃まで降温した。その後、水素ガスの
調節弁を閉じ、反応室(733)内を充分に排気し、反応
室(733)の真空を破り、本発明による表面保護層を有
する感光体を取り出した。
以上のようにして得られた非晶質炭化水素膜につき有
機定量分析およびオージェ分析を行なったところ、含有
される水素原子の量は全構成原子に対して43原子%、カ
ルコゲン原子、即ち、硫黄原子の量は全構成原子に対し
1.1原子%であった。
特性: 得られた感光体の表面について、鉛筆硬度をJIS−K
−5400規格に基づいて測定したところ実施例6ないし実
施例10の何れも約6Hであり、このことから本発明による
感光体の表面保護層により高硬度化されることが確認さ
れた。
また、感度特性は比較例1ないし比較例5とほぼ同等
であり、このことから本発明による感光体の表面保護層
は有機系感光体が本来有する感度を損なわないことが確
認された。
また、実施例6ないし実施例10で得られた感光体を、
温度10℃相対湿度30%の低温低湿雰囲気と温度50℃相対
湿度90%の高温高湿雰囲気とが30分毎に交互に繰返され
る環境下に6時間放置したところ、表面保護層の剥離、
あるいは、ひび割れ等は認められず、本発明による感光
体の表面保護層は、有機系感光体との接着性に優れた膜
であることが確認された。
また、実施例6ないし実施例10で得られた感光体をミ
ノルタカメラ(株)製複写機EP650Zに搭載し実写したと
ころ、何れも鮮明な画像が得られ、さらに、温度35℃相
対湿度80%の環境下で実写してもいわゆる画像流れは認
められなかった。また、複写機内での現像剤、転写紙、
並びに、清掃部材との接触においても表面保護層の剥離
は認められなかった。また、通常の室内において実写を
25万枚行なったところ、最後まで鮮明な画像が得られ
た。また、25万枚実写後においても感光層膜厚の現像は
認められなかった。これらのことから本発明による感光
体の表面保護層は、画像品位を損なわずに耐久性の向上
と有害性の改善を達成するものであることが確認され
た。
比較例6〜10 硫化水素を流入しないこと以外は、実施例6ないし実
施例10と同様にして有機系感光層上に表面層を形成し
た。
得られた感光体の表面について鉛筆硬度をJIS−K−5
400規格に基づいて測定したところ、比較例6ないし比
較例10の何れも約4Hであり、実施例6ないし実施例10と
比較して低硬度であることが確認された。このことから
カルコゲン原子を添加することにより高硬度化されるこ
とが確認された。
次いで、実施例6ないし実施例10と同様にして実際の
複写機に搭載して実写を試みたところ、温度35℃相対湿
度80%の環境下でいわゆる画像流れが発生した。このこ
とからカルコゲン原子を添加することにより耐湿性が向
上することが確認された。
さらに、実写後、比較例6ないし比較例10で得られた
感光体を、温度10℃相対湿度30%の低温低湿雰囲気と温
度50℃相対湿度90%の高温高湿雰囲気とが30分毎に交互
に繰返される環境下に6時間放置したところ、表面保護
層が部分的に剥離し、このことからカルコゲン原子を添
加することにより密着性が向上することが確認された。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明感光体の模式的断面図を示す。 第2図および第3図は感光体製造用装置の一例を示す図
である。 図中の記号は以下の通りである。 (1)……表面保護層 (2)……感光層 (3)……導電性基板 (701)〜(706)……タンク (707)〜(712)……調節弁 (725)〜(727)……調節弁 (713)〜(718)……流量制御器 (728)〜(730)……流量制御器 (719)〜(721)……容器 (722)〜(724)……加熱器 (731)……混合器 (732)……主管 (733)……反応室 (734)……配管加熱器 (735)……接地電極 (736)……電力印加電極 (737)……電極加熱器 (738)……高周波電力用整合器 (739)……高周波電源 (740)……低周波電力用整合器 (741)……低周波電源 (742)……ローパスフィルタ (743)……直流電源 (744)……接続選択スイッチ (745)……圧力調節弁 (746)……排気系選択弁 (747)……拡散ポンプ (748)……油回転ポンプ (749)……冷却除外装置 (750)……メカニカルブースターポンプ (751)……反応室加熱器 (752)……基板 (753)……除外装置 (754)……駆動モータ

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性基板上に有機系感光層を設けた感光
    体において、表面保護層を設け、該表面保護層はグロー
    放電法により形成され、少なくともS、SeおよびTeから
    選択されるカルコゲン原子を含む非晶質炭化水素膜であ
    ることを特徴とする感光体。
  2. 【請求項2】導電性基板上に、有機系感光層を形成する
    工程と、該感光層上にグロー放電法により前記導電性基
    板の温度を100℃以下に保った状態で少なくともS、Se
    およびTeから選択されるカルコゲン原子を含有する非晶
    質炭化水素膜よりなる表面保護層を形成する工程とを含
    むことを特徴とする感光体の製造方法。
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