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JP2561986B2 - NiめっきCu−Fe系合金屑の溶解方法 - Google Patents
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JP2561986B2 - NiめっきCu−Fe系合金屑の溶解方法 - Google Patents

NiめっきCu−Fe系合金屑の溶解方法

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JP2561986B2
JP2561986B2 JP30853491A JP30853491A JP2561986B2 JP 2561986 B2 JP2561986 B2 JP 2561986B2 JP 30853491 A JP30853491 A JP 30853491A JP 30853491 A JP30853491 A JP 30853491A JP 2561986 B2 JP2561986 B2 JP 2561986B2
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井 基 浩 新
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はNiめっきCu−Fe系
合金屑の溶解方法に関し、さらに詳しくは、Niめっき
Cu−Fe系合金屑から再利用することができるCu−
Ni系合金、Cu−Fe系合金および純銅系金属を製造
できるNiめっきCu−Fe系合金の溶解方法に関する
ものである。
【0002】
【従来技術】従来から、銅および銅合金は、優れた熱伝
導性および電気伝導性を有しており、熱交換器または電
気・電子等の技術分野等において広く利用されている。
そして、特に、電気・電子等の技術分野においては、リ
ードフレーム材等の用途において高電気伝導度および高
強度の特性を両方共に兼ね備える必要があり、そのため
に、一般的には、銅合金系統が使用されるが、さらに、
種々の特性を保有させるためにこの銅合金にめっきする
ことが行われている。
【0003】しかして、上記に説明した材料は、加工性
が低くて歩留りが悪く、加工後の屑を再利用することが
必須とされてきている。例えば、NiめっきCu−Fe
系合金屑は、現在において代表的な溶解方法である誘導
炉を使用する還元溶解方法により溶解を行うと、Feお
よびNiを除去することができず、Cu−Fe−Ni系
合金となって、JIS規格から外れる材料となり、元の
合金系または他の合金系には共に再利用することができ
ない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記に説明し
た従来のNiめっきCu−Fe系合金が再利用すること
が不可能であるという問題点に鑑み、本発明者が鋭意研
究を行い、検討を重ねた結果、NiめっきCu−Fe系
合金から、Cu−Ni系合金、Cu−Fe系合金および
純銅として再利用することができる溶解方法を開発した
のである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明に係るNiめっき
Cu−Fe系合金の溶解方法は、NiめっきCu−Fe
系合金屑を溶解原料の一部または全部として溶解を行
い、このNiを含有するCu−Fe系合金溶湯に対して
酸素濃度を上昇させることにより、溶湯表面に浮遊して
くる鉄酸化物を滓として除去し、Cu−Ni系合金溶湯
とすることを第1の発明とし、NiめっきCu−Fe系
合金屑を溶解原料の一部または全部として溶解を行い、
このNiを含有するCu−Fe系合金溶湯に対して、
鉄、鉄酸化物、マンガン、マンガン酸化物の中から選ん
だ1種または1種以上を添加した後、溶湯の酸素濃度を
上昇させることにより、溶湯表面に浮遊してくるニッケ
ル含有酸化物を滓として除去し、Cu−Fe系合金溶湯
とすることを第2の発明とし、NiめっきCu−Fe系
合金屑を溶解原料の一部または全部として溶解を行い、
このNiを含有するCu−Fe系合金溶湯に対して酸素
濃度を上昇させることにより、溶湯表面に浮遊してくる
鉄酸化物を滓として除去してCu−Ni系合金溶湯と
し、このNiを含有するCu系合金溶湯に対して鉄、鉄
酸化物、マンガン、マンガン酸化物の中から選んだ1種
または1種以上を添加した後、溶湯酸素濃度を上昇させ
ことにより、溶湯表面に浮遊してくるニッケル含有酸
化物を滓として除去し、さらに、このFeおよびNiを
除去した溶湯を還元して純Cu溶湯とすることを第3の
発明とする3つの発明よりなるものである。
【0006】本発明に係るNiめっきCu−Fe系合金
の溶解方法は、 NiめっきCu−Fe系合金からFeを除去すること
により、Cu−Ni系合金とすること。 NiめっきCu−Fe系合金からNiを除去すること
により、Cu−Fe系合金とすること。 NiめっきCu−Fe系合金からFeおよびNiを除
去することにより、純Cuとすること。に分けることが
できる。
【0007】先ず、本発明に係るNiめっきCu−Fe
系合金屑の溶解方法により、Cu−Ni系合金を製造す
る場合について説明する。
【0008】NiめっきCu−Fe系合金屑(Niめっ
き量屑全重量の1wt%、Fe含有量1wt%)からC
u−NI系合金を製造するには、NiめっきCu−Fe
系合金屑を通常の溶製法により溶解して、Ni含有Cu
−Fe系合金溶湯とし、この溶湯からFeを除去する必
要がある。
【0009】そして、溶湯中のFeは酸化し易く、従っ
て、溶湯中のO2濃度を上昇させることにより酸化物
(Fe34)となって溶湯表面に浮上して浮遊するよう
になるので、簡単に除去することができる。図1にはN
iめっきCu−Fe系合金屑(Niめっき量は屑全重量
の1wt%、また、Fe含有量は1wt%)を100%
の原料を溶解して、溶湯からFeを除去するのに必要な
溶湯中のO2濃度を示してある。
【0010】この図1から1wt%含有のFeを除去す
るには、溶湯中のO2 濃度は少なくとも、800ppm
以上とすれば、Feは殆ど溶湯中に残留することがな
く、Cu−N系合金として再利用することが可能であ
ることがわかる。しかし、溶湯中のNiには何の影響も
なく、除去されることはなかった。
【0011】この場合、Ni含有Cu−Fe系合金溶湯
中のO2濃度を上昇させる方法としては、O2を含有する
ガスを溶湯中に吹き込むか、或いは、溶湯表面に吹き付
けるか、または、これら両方を併用するか、さらには、
化合物を使用する方法として、Cu2O等の酸化物を溶
湯中に添加することが挙げられる。
【0012】次に、本発明に係るNiめっきCu−Fe
系合金屑の溶解方法により、Cu−Fe系合金を製造す
る方法について説明する。
【0013】しかして、NiめっきCu−Fe系合金屑
を溶解して溶湯としてから、Niを単に酸化することに
よって溶湯表面に浮上させることにより除去可能であれ
ば、極めて簡単であるが、溶湯中のNiを酸化させるこ
とは非常に難しく、従って、酸化の容易な元素を使用し
て酸化物を生成させてから、Niを付着させるか、また
は、複合酸化物として除去させるのがよい。この酸化物
を生成する元素としては、溶湯を汚染させることがな
く、安全で、かつ、安価であること等を考慮して、鉄、
鉄酸化物、マンガン、マンガン酸化物の中から選んだ1
種または1種以上を選択した。
【0014】即ち、NiめっきCu−Fe系合金屑(N
iめっき量は屑全重量の1wt%、また、Fe含有量は
1wt%)を通常の溶製法により溶解するとNiが溶解
しているCu−Fe系合金溶湯となり、この溶湯からN
iを除去すれば、Cu−Fe系合金を製造することがで
きる。
【0015】そして、Ni含有Cu−Fe系合金溶湯に
添加物の具体例としてFeを添加した。この場合、Fe
の形態としては、電解鉄、冷間圧延鋼板、Cu−Fe母
合金、鋳鉄等金属鉄を含有するものであれば良い。ま
た、溶湯への添加方法としては、溶湯表面への散布、添
加、吹き込み等溶湯中に入れば如何なる方法でもよい。
なお、金属鉄の代わりに、鉄酸化物を鉄量がNiの2倍
以上となるように添加することもでき、Feと同様な結
果が得られた。なお、Mn、Mn酸化物を添加しても同
様の効果が得られた。
【0016】次いで、空気を吹き込むことにより溶湯中
のO2濃度を10000ppmとした。そして、溶湯中
のNiを分析したところ、Ni含有量は100ppmに
減少していた。この時の、Niの除去形態は、酸化物等
の滓の分析したところ、Ni−Fe−O酸化物、或い
は、Fe−O酸化物にNiが付着・溶解であった。
【0017】図2に1200℃の温度におけるNiめっ
きCu−Fe系合金屑の溶解によるNi含有Cu−Fe
系合金溶湯からのNiの除去挙動におよぼすFeを添加
することにより影響と溶湯中のNi濃度との関係を示し
ており、この図2から、Ni含有Cu−Fe系合金溶湯
からのNiを除去するためには、溶湯にFeを添加後酸
化処理した場合に良い結果が得られていることが分か
る。なお、Mnを添加しても同様の効果が得られた。
【0018】また、NiめっきCu−Fe系合金屑の溶
解によるNi含有Cu−Fe系合金溶湯からNiを除去
するのに必要なFeの添加量について調査した。そし
て、図3にNi含有Cu−Fe系合金溶湯からNiを除
去するのに必要なFe添加量とNi濃度との関係を示し
てあり、この図3から1200℃の温度において、O2
濃度が10000ppm(一定)の場合に、溶湯からN
iを除去するのに必要なFe添加量はNi濃度の2倍以
上にすれば充分である。なお、Mnを用いた場合におい
ても同様である。
【0019】次に、NiめっきCu−Fe系合金屑の溶
解によるNi含有Cu−Fe系合金溶湯からNiを除去
するのに必要なO2量について調査した。図4に120
0℃の温度において、Ni含有Cu−Fe系合金溶湯か
らNiを除去するのに必要なO2濃度を示してあり、溶
湯中のO2濃度(O2/N比)と溶湯中のNi濃度との関
係から、O2濃度はNi濃度の2倍以上であれば良好な
結果が得られることがわかる。因に、図4においては、
Fe/Ni=4(一定)である。
【0020】また、NiめっきCu−Fe系合金屑の溶
解方法により、純粋にCuのみを製造する方法を説明す
ると、この合金屑を通常の溶製法により溶解してからF
eおよびNiを除去するのであるが、Ni含有量、即
ち、Niめっき量が多くなるとFeおよび鉄酸化物(F
23)の添加量が多くなるので、溶湯中のFe濃度が
上昇した場合は、酸化法を2回繰り返して行うのであ
る。
【0021】先ず、本発明に係るNiめっきCu−Fe
系合金屑の溶解方法により、Feを除去する場合につい
て説明すると、NiめっきCu−Fe系合金屑を通常の
溶製法により溶解して、Ni含有Cu−Fe系合金溶湯
とし、この溶湯からFeを除去する必要がある。
【0022】そして、溶湯中のFeは酸化し易く、従っ
て、溶湯中のO2濃度を上昇させると、酸化物Fe34
となって溶湯表面に浮上して浮遊するようになので、簡
単に除去することができる。図1にNiめっきCu−F
e系合金屑(Niめっき量は屑全重量の1wt%、ま
た、Fe含有量は1wt%)を100%の原料を溶解し
て、溶湯からFeを除去するのに必要な溶湯中のO2
度を示してある。
【0023】この図1から1wt%含有のFeを除去す
るのには、溶湯中のO2濃度は少なくとも、800pp
m以上とすれば、Feは殆ど溶湯中に残留することがな
く、Cu−Ni系合金として再利用することが可能であ
ることがわかる。しかし、溶湯中のNiには何の影響も
なく、除去されることはなかった。
【0024】この場合、Ni含有Cu−Fe系合金溶湯
中のO2濃度を上昇させる方法としては、O2を含有する
ガスを溶湯中に吹き込むか、或いは、溶湯表面に吹き付
けるか、または、これら両方を併用するか、さらには、
化合物を使用する方法として、Cu2O等の酸化物を溶
湯中に添加することが挙げられる。
【0025】次に、上記の方法によりFeを除去したN
i含有Cu系合金からNiを除去する方法について説明
すると、Feを除去したNi含有Cu系合金溶湯から、
Niを単に酸化することによって溶湯表面に浮上させる
ことにより除去可能てあれば、極めて簡単であるが、溶
湯中のNiを酸化させることは非常に難しく、従って、
酸化の容易な元素を使用して酸化物を生成させてから、
Niを付着させるか、または、複合酸化物として除去さ
せるのがよい。この酸化物を生成する元素としては、溶
湯を汚染させることがなく、安全で、かつ、安価である
こと等を考慮して、Fe、または、Feの酸化物を選択
した。なお、Mn、Mn酸化物でも同様の効果が得られ
た。以下、Fe、または、Fe酸化物を使用した場合に
ついて説明する。
【0026】即ち、Ni含有Cu系合金(Niめっき量
は屑全重量の1wt%)溶湯からNiを除去すれば、純
粋なCuを製造することができる。そして、Ni含有C
u系合金溶湯にFeを添加した。この場合、Feの形態
としては、電解鉄、冷間圧延鋼板、Cu−Fe母合金、
鋳鉄等金属鉄を含有するものであれば良い。また、溶湯
への添加方法としては、溶湯表面への散布、添加、吹き
込み等溶湯中に入れば如何なる方法でもよい。なお、金
属鉄の代わりに、鉄酸化物を鉄量がNiの2倍以上とな
るように添加することもでき、Feと同様な結果が得ら
れた。
【0027】次いで、空気を吹き込むことにより溶湯中
のO2濃度を10000ppmとした。そして、溶湯中
のNiを分析したところ、Ni含有量は100ppmに
減少していた。この時の、Niの除去形態は、酸化物等
の滓の分析したところ、Ni−Fe−O酸化物、或い
は、Fe−O酸化物にNiが付着・溶解であった。そし
て、1200℃の温度におけるNi含有Cu系合金溶湯
からのNiの除去挙動におよぼすFeの添加による影響
は、Ni含有Cu系合金溶湯にFeを添加後酸化処理し
た場合に良い結果が得られるのである。
【0028】また、Ni含有Cu系合金溶湯からNiを
除去するのに必要なFeの添加量は、1200℃の温度
において、O2濃度が10000ppm(一定)の場合
に、溶湯からNiを除去するのに必要なFe添加量はN
i濃度の2倍以上にすれば充分である。さらに、Ni含
有Cu合金溶湯からNiを除去するのに必要なO2
は、1200℃の温度において、溶湯中のO2濃度(O2
/N比)と溶湯中のNi濃度との関係から、O2濃度は
Ni濃度の2倍以上であればよい。
【0029】しかして、Ni含有量が高い場合には、こ
れに対応してFeを除去したNi含有Cu系溶湯中のN
i除去の場合に使用するFeおよびFe2 3 添加量
が多くなり、必然的に溶湯中に残留するFe量が増加し
てくるので、再び溶湯中のO2 量を800ppm以上に
し、Feを酸化させて除去する。即ち、この場合には、
酸化処理は2回行うことになる。その後、溶湯表面に浮
遊している酸化物を主体とする滓を除去する。従って、
NiめっきCu−Fe系合金屑は純粋なCuとして利用
することができる。
【0030】しかしながら、このようにして製造された
純粋Cu溶湯中のO2濃度はJIS規格よりも著しく高
いために還元処理を行う必要がある。即ち、純Cu溶湯
表面に、固体還元剤として、例えば、木炭等の還元剤を
満遍なく散布してから、溶湯中にランスにより不活性ガ
ス等の溶湯のO2ガス分圧より低いO2ガス分圧を有する
ガスを吹き込み、この吹き込んだガス気泡中のO2ガス
分圧と溶湯中のO2ガス分圧との分圧差を利用して、溶
湯中のO2ガスを吹き込んだガス気泡中に拡散・捕集し
て溶湯中を浮上させ、溶湯表面に吹き込んだガスと共に
2ガスを放出するものである。
【0031】さらに、この放出されたO2 ガスが再び溶
湯中に溶解しないように、不活性ガス等の溶湯表面のO
2 ガス分圧(濃度)より低いO2 ガス分圧を有するガス
を、溶湯表面に吹き付け、溶湯から放出されたO2 ガス
を除去、即ち、還元を促進する工程を付加、または、併
用しても良い。
【0032】
【0033】このような、純Cu溶湯の還元法は上記に
説明した通りであるが、従来における銅溶湯の還元法
は、通説として、溶湯中におけるO2ガスの含有されて
いる状態としては、酸化物(Cu2O)およびその
他、および、溶湯中に溶解しているという2種類があ
り、還元剤として、例えば、木炭が溶湯に添加される
と、下記のとおり、(木炭はCで示す。) 酸化物として存在するO2ガスは、Cu2O+C→Cu+
CO↑ ガスとして溶湯中に溶解しているO2ガスは、O2+C→
CO↑ の反応式に示すように、溶湯中のCu2OおよびO2ガス
は木炭のCにより還元され、COガスとして放出されて
いる。
【0034】しかして、純Cu溶湯中に溶解しているO
2 ガスの挙動を実測することにより、従来とは異なった
結果が得られた。即ち、Cu溶湯中に含有されている溶
解したO2 ガスを分圧平衡法を使用した測定法〔特願昭
62−272380号(特開平01−113658号
報参照)〕により実測を行った。
【0035】この実測の結果によると、還元反応前に溶
湯中に含有されているO2 ガスはその殆ど全てが酸化
物(CuO、Cu2 Oその他)であり、溶湯中には溶解
したO2 ガスは殆ど含有されていないことを確認した。
従って、この実測値より、還元反応は以下に示す通りと
予測される。即ち、溶湯表面に木炭等の還元剤が散布さ
れると、 のように、主として溶湯中のCuO、或いは、Cu2
が木炭(C)により還元される反応だけが生成し、この
反応により生じたO2 ガス2 ガスがCと反応したC
2 ガスが存在することが考えられる。これを裏付ける
ために、溶湯を上記の方法により改めて測定を行った結
果、従来において通説とされていたCOガスに代わっ
て、O2 ガスおよびCO2 ガスが認められた。また、こ
の状態は溶湯表面においても同様であった。
【0036】このことから、純Cu溶湯の還元を行う場
合、所期の目的とする効果が得られない主な原因は、還
元反応において新たに発生したO2ガスが溶湯内または
溶湯表面直上に残存するために、丁度O2ガスが溶湯を
被覆するような状態となり、新たに発生したO2ガス等
のガスの放出を妨害するためである。
【0037】この場合の変化を図5、図6、図7および
図8により説明すると、図5においては、ガスクロマト
グラフによる溶湯表面直上のガス濃度の変化を示してお
り、木炭(C)を溶湯表面に添加した時は、O2ガスお
よびCO2ガスが急激に発生し、時間が経過しても、こ
れらのガスの発生量には変化がなく、COガスは木炭添
加後に殆ど発生しておらず、時間が経過しても発生量は
変わらない。
【0038】図6は分圧平衡法による溶湯中のガス濃度
変化を示しており、木炭(C)添加後、急激にO2ガス
およびCO2ガスが発生し、時間が経過してもこれらガ
ス濃度にはあまり変化はなく、COガスは木炭添加後に
おいても殆ど発生しておらず、時間が経過しても発生量
は全然変わっていない。
【0039】図7は溶湯表面に木炭(C)の散布を行う
前においては、溶湯表面にはO2ガスとN2ガスが存在し
ており、溶湯中にはCu2O等の酸化物が多量に存在し
ている。しかし、図8においては、溶湯表面に木炭
(C)を散布・被覆した場合であり、溶湯表面にはO2
ガスおよびCO2ガス濃度が大であり、また、溶湯内に
おける溶湯表面近傍においても、O2ガスおよびCO2
スの溶解量が大であることが分かる。そして、溶湯内に
はCu2O等の酸化物の量は少なくなっていることがわ
かる。
【0040】従って、以上説明したように、純Cu溶湯
の還元を行う場合には、還元反応により発生したO2
スおよびCO2ガスを溶湯内および溶湯表面直上から速
やかに系外に放出する必要があり、この放出手段として
は、不活性ガス等の溶湯中に新たに発生したO2ガス分
圧より低いO2ガス分圧のガスを吹き込み、この分圧〜
により吹き込んだガス中に溶湯中のO2ガスを拡散・捕
集して系外に放出するのである。
【0041】
【実 施 例】本発明に係るNiめっきCu−Fe系合
金の溶解方法の実施例を説明する。
【0042】
【実 施 例 1】 原料 NiめっきCu−1wt%Fe系合金屑100%配合 (Ni量1wt%) 溶解 溶解炉 3t高周波溝型誘導炉 温度 1200℃〜1250℃ 溶解雰囲気 大気 溶湯中O2濃度 8000ppm 除滓 除滓剤を使用しないで除滓を行った。 還元 木炭を溶湯重量の1wt%を溶湯表面に散布し、ポーラスカーボン パイプによりAr吹き込みを行った。 結果 溶湯品質 1wt%NiめっきCu−1wt%Fe系合金溶湯 →Cu−Fe(10ppm以下、)−Ni(10ppm以下) O2 8000ppm→20ppm 検査合格 歩留り 97%
【0043】
【実 施 例 2】 原料 NiめっきCu−1wt%Fe系合金屑屑100%配合 (Ni量1wt%) 溶解 溶解炉 5t重油焚反射炉 温度 1200℃〜1250℃ 溶解雰囲気 大気 溶湯中のO2濃度 10000ppm 除滓 除滓剤を使用しないで除滓を行った。 還元 木炭を溶湯重量の1wt%を溶湯表面に散布し、ポーラスカーボン パイプによりAr吹き込みを行った。 結果 溶湯品質 1wt%NiめっきCu−1wt%Fe系合金溶湯 Cu−Fe(10ppm以下)−Ni(10ppm以下) O2 10000ppm→20ppm 検査合格 歩留り 96%
【0044】
【実 施 例 3】 原料 NiめっきCu−1wt%Fe系合金屑100%配合 (Ni量3wt%) 溶解 溶解炉 3t高周波溝型誘導炉 温度 1200℃〜1250℃ 溶解雰囲気 大気 溶湯中のO2濃度 10000ppm 再酸化(Fe除去)Air30分吹き込み、O23000ppm増 加 除滓 除滓剤を使用しないで除滓を行った。 還元 木炭を溶湯重量の1wt%溶湯表面に散布し、ポーラスカーボンパ イプによりArを吹き込んだ。 結果 溶湯品質 3wt%NiめっきCu−1wt%Fe系合金溶湯 Cu−Fe(10ppm以下)−Ni(10ppm以下) O2 10000ppm→300ppm 検査合格 歩留り 95%
【0045】
【実 施 例 4】 原料 NiめっきCu−1wt%Fe系合金屑100%配合 (Ni量1wt%) 溶解 溶解炉 3t高周波溝型誘導炉 温度 1200℃〜1250℃ 溶解雰囲気 大気 溶湯中O2濃度 1200ppm 除滓 除滓剤を使用しないで除滓を行った。 還元 木炭を溶湯重量の1wt%溶湯表面に散布した。 結果 溶湯品質 1wt%NiめっきCu−1wt%Fe系合金溶湯 →Cu−1wt%Ni−Fe(10ppm以下) O2 1200ppm→50ppm以下 検査合格 歩留り 98%
【0046】
【実 施 例 5】 原料 NiめっきCu−1wt%Fe系合金屑100%配合 (Ni量1wt%) 溶解 溶解炉 3t高周波溝型誘導炉 温度 1200〜1250℃ 溶解雰囲気 大気 溶融中のO2濃度 5000ppm Fe添加 2wt%(対溶湯量) 除滓 除滓剤を使用しないで除滓した。 還元 木炭を溶湯重量の1wt%溶湯表面に散布し、ポーラスカーボンパ イプによりAr吹き込みを行った。 結果 溶湯品質 1wt%NiめっきCu−1wt%Fe系合金溶湯 →Cu−Fe(10ppm以下)−Ni(10ppm以下) O2 5000ppm→30ppm 検査合格 (なお、Feの代わりにMn、Fe酸化物、Mn酸化物を添加しても同等の効 果が得られた。)
【0047】
【実 施 例 6】 原料 NiめっきCu−1wt%Fe系合金屑100%配合 (Ni量1wt%) 溶解 溶解炉 3t高周波溝型誘導炉 温度 1200〜1250℃ 溶解雰囲気 大気 溶湯中のO2濃度 10000ppm 除滓 除滓剤を使用しないで除滓した。 除滓後の溶湯組成 Cu−1wt%Ni−10ppm以下Fe系合 金 Fe添加 2wt%(対溶湯重量) 除滓剤使用せずに除滓した。 除滓後の溶湯組成 Cu−10ppm以下Ni−10ppm以下 Fe系合金 還元 木炭を溶湯重量の1wt%溶湯表面に散布し、ポーラスカーボンパ イプによりAr吹き込みを行った。 結果 溶湯品質 Cu−10ppm以下Ni−10ppm以下Fe系合金溶湯 O2 10000ppm→30ppm 検査合格 (なお、Feの代わりにMn、Fe酸化物、Mn酸化物を添加しても同等の効 果が得られた。)
【0048】
【実 施 例 7】 原料 NiめっきCu−1wt%Fe系合金屑100%配合 (Ni量1wt%) 溶解 溶解炉 3t高周波溝型誘導炉 温度 1200〜1250℃ 溶解雰囲気 大気 溶湯中のO2濃度 5000ppm Fe+Fe酸化物添加 Fe0.5wt%+Fe酸化物2wt% 除滓 除滓剤使用しないで除滓した。 還元 木炭を溶湯重量の1wt%溶湯表面に散布し、ポーラスカーボンパ イプによりAr吹き込みを行った。 結果 溶湯品質 1wt%NiめっきCu−1wt%Fe系合金溶湯 →Cu−Fe(10ppm以下)−Ni(10ppm以下) O2 5000ppm→30ppm 検査合格 (なお、Fe−Fe酸化物以外の組み合わせでも同等の効果が得られた。)
【0049】
【実 施 例 8】 原料 NiめっきCu−1wt%Fe系合金屑100%配合 (Ni量1wt%) 溶解 溶解炉 3t高周波溝型誘導炉 温度 1200〜1250℃ 溶解雰囲気 大気 溶湯中のO2濃度 10000ppm 除滓 除滓剤を使用しないで除滓をお粉つた。 Fe+Fe酸化物添加 Fe0.5wt%+Fe酸化物2wt% 除滓 除滓剤を使用しないで除滓を行った。 還元 木炭を溶湯重量の1wt%溶湯表面に散布し、ポーラスカーボンパ イプによりAr吹き込みを行った。 結果 溶湯品質 1wt%NiめっきCu−1wt%Fe系合金溶湯 →Cu−Fe(10ppm以下)−Ni(10ppm以下) O2 10000ppm→30ppm 検査合格 (なお、Fe−Fe酸化物以外の組み合わせでも同等の効果が得られた。)
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係るNi
めっきCu−Fe系合金屑の溶解方法は上記の構成であ
るから、このNiめっきCu−Fe系合金から、Cu−
Ni系合金、Cu−Fe系合金および純Cuを、Niめ
っきCu−Fe系合金を溶解を行っている間に効率的に
製造することができるという効果を有するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】NiめっきCu−Fe系合金屑溶湯からFeの
除去におよぼす溶湯中のO2の関係を示す図である。
【図2】NiめっきCu−Fe系合金屑溶湯からNi除
去挙動におよぼすFe添加の影響を示す図である。
【図3】NiめっきCu−Fe系合金屑溶湯からのNi
除去に必要なFe添加量を示す図である。
【図4】NiめっきCu−Fe系合金屑溶湯からNi除
去に必要な溶湯中のO2濃度を示す図である。
【図5】純Cu合金溶湯表面直上のガス濃度と時間との
関係を示す図である。
【図6】純Cu溶湯中のガス濃度と時間との関係を示す
図である。
【図7】純Cu溶湯表面に木炭を散布・被覆する前の溶
湯内と溶湯表面の状態を示す模式図である。
【図8】純Cu溶湯表面に木炭を散布・被覆した後の溶
湯内と溶湯表面のガスの分布状態を示す図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池 田 隆 吉 山口県下関市長府紺屋町1−32 (72)発明者 吉 田 栄 次 山口県下関市長府黒門東町3番F−301 (72)発明者 岡 田 裕 文 山口県下関市長府紺屋町1−32 (72)発明者 浜 中 龍 介 山口県下関市長府黒門東町3番F−303

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 NiめっきCu−Fe系合金屑を溶解原
    料の一部または全部として溶解を行い、このNiを含有
    するCu−Fe系合金溶湯に対して酸素濃度を上昇させ
    ることにより、溶湯表面に浮遊してくる鉄酸化物を滓と
    して除去し、Cu−Ni系合金溶湯とすることを特徴と
    するNiめっきCu−Fe系合金の溶解方法。
  2. 【請求項2】NiめっきCu−Fe系合金屑を溶解原料
    の一部または全部として溶解を行い、このNiを含有す
    るCu−Fe系合金溶湯に対して鉄、鉄酸化物、マンガ
    ン、マンガン酸化物の中から選んだ1種または1種以上
    を添加した後、溶湯の酸素濃度を上昇させることによ
    り、溶湯表面に浮遊してくるニッケル含有酸化物を滓と
    して除去し、Cu−Fe系合金溶湯とすることを特徴と
    するNiめっきCu−Fe系合金の溶解方法。
  3. 【請求項3】NiめっきCu−Fe系合金屑を溶解原料
    の一部または全部として溶解を行い、このNiを含有す
    るCu−Fe系合金溶湯に対して酸素濃度を上昇させる
    ことにより、溶湯表面に浮遊してくる鉄酸化物を滓とし
    て除去してCu−Ni系合金溶湯とし、このNiを含有
    するCu系合金溶湯に対して鉄、鉄酸化物、マンガン、
    マンガン酸化物の中から選んだ1種または1種以上を添
    した後、溶湯の酸素濃度を上昇させることにより溶湯
    表面に浮遊してくるニッケル含有酸化物を滓として除去
    し、さらに、このFeおよびNiを除去した純Cu溶湯
    を還元することを特徴とするNiめっきCu−Fe系合
    金の溶解方法。
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