JP2579475B2 - 草食動物の硝酸塩中毒予防方法 - Google Patents
草食動物の硝酸塩中毒予防方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は草食動物の硝酸塩中毒(メトヘモグロビン血
症)予防方法に係り、酪農分野において草食動物の健康
維持に利用することができる。
症)予防方法に係り、酪農分野において草食動物の健康
維持に利用することができる。
(従来の技術) 草食動物例えば牛、馬、豚、山羊等の飼育において
は、餌として牧草、青刈飼料作物及びサイレージが汎く
用いられているが、これらの内には多量の硝酸態窒素を
含有しているものがある。硝酸態窒素を多量に含有して
いる餌を常時与えていると硝酸塩中毒、即ち各種の代謝
障害や所謂「ポックリ病」と称される突然死の発生し易
いことが知られている。
は、餌として牧草、青刈飼料作物及びサイレージが汎く
用いられているが、これらの内には多量の硝酸態窒素を
含有しているものがある。硝酸態窒素を多量に含有して
いる餌を常時与えていると硝酸塩中毒、即ち各種の代謝
障害や所謂「ポックリ病」と称される突然死の発生し易
いことが知られている。
即ち、例えば乳牛の場合に、哺食された餌中に含有さ
れる硝酸態窒素はルーメン(第1胃)内のバクテリアで
あるミクロフローラの作用により還元されて亜硝酸態窒
素となり、次いで胃中及び血液中で還元され、最後には
アンモニアに変化するものと考えられているが、これら
の還元に際して放出される酸素が易酸化性ビタミンであ
るビタミンA、D、E、K等のビタミン類を破壊してそ
の欠乏症である繁殖障害、後産停滞、産前産後の起立不
能、乳房炎、血乳等の代謝障害を発生し易くし、又出乳
量の低下や増体量の低下の遠因となり、更に血中に吸収
された亜硝酸体窒素は赤血球中の酸化ヘモグロビンと結
合して酸素運搬能を有しないメトメモグロビンとなり酸
素欠乏状態をもたらして全身の機能を低下させ、この酸
素欠乏状態が著しい場合には突然死であるポックリ病と
なり、又最終的に生成されるアンモニアは直接細胞を傷
めるのみならず、解毒作用をもたらす肝臓に大きな負担
を強いることになる。
れる硝酸態窒素はルーメン(第1胃)内のバクテリアで
あるミクロフローラの作用により還元されて亜硝酸態窒
素となり、次いで胃中及び血液中で還元され、最後には
アンモニアに変化するものと考えられているが、これら
の還元に際して放出される酸素が易酸化性ビタミンであ
るビタミンA、D、E、K等のビタミン類を破壊してそ
の欠乏症である繁殖障害、後産停滞、産前産後の起立不
能、乳房炎、血乳等の代謝障害を発生し易くし、又出乳
量の低下や増体量の低下の遠因となり、更に血中に吸収
された亜硝酸体窒素は赤血球中の酸化ヘモグロビンと結
合して酸素運搬能を有しないメトメモグロビンとなり酸
素欠乏状態をもたらして全身の機能を低下させ、この酸
素欠乏状態が著しい場合には突然死であるポックリ病と
なり、又最終的に生成されるアンモニアは直接細胞を傷
めるのみならず、解毒作用をもたらす肝臓に大きな負担
を強いることになる。
牧草等が多量の硝酸態窒素を含有している理由は、そ
の成長のために取り込んだ窒素を光合成に至るまで硝酸
態窒素の形で主として茎部に、又一部は葉部に貯えてお
くためであり、例えば牧草に関連して言及すれば、その
多量収穫を目的として大量の窒素肥料が施与され、又多
頭飼育による合理化及び糞尿投棄場の不足に基因して糞
尿が牧草地に投棄され、その結果牧草地における窒素濃
度が累積的に過多となるためである。このことは、牧草
等がその生育のために形成した硝酸態窒素を、草食動物
が牧草等の哺食により吸収し、その量が過大であると草
食動物に硝酸塩中毒が発生することを意味しており、こ
の因果関係が存在するために且つ又硝酸塩中毒の発生は
既述のように酪農家に過大な経済的負担をもたらすため
に、その予防は酪農家にとって重大な関心事となってい
る。
の成長のために取り込んだ窒素を光合成に至るまで硝酸
態窒素の形で主として茎部に、又一部は葉部に貯えてお
くためであり、例えば牧草に関連して言及すれば、その
多量収穫を目的として大量の窒素肥料が施与され、又多
頭飼育による合理化及び糞尿投棄場の不足に基因して糞
尿が牧草地に投棄され、その結果牧草地における窒素濃
度が累積的に過多となるためである。このことは、牧草
等がその生育のために形成した硝酸態窒素を、草食動物
が牧草等の哺食により吸収し、その量が過大であると草
食動物に硝酸塩中毒が発生することを意味しており、こ
の因果関係が存在するために且つ又硝酸塩中毒の発生は
既述のように酪農家に過大な経済的負担をもたらすため
に、その予防は酪農家にとって重大な関心事となってい
る。
硝酸塩中毒の発症は血中のメトヘモグロビン量を測定
することにより大体の目安を得ることができる。メトヘ
モグロビン量が如何程になった場合に致死に至るかは固
体差があり、又個体がその時に必要としている酸素要求
量に依存するので明確ではないが、一般的には全ヘモグ
ロビンの50−90%がメトヘモグロビンになった時とされ
ており、従ってメトヘモグロビン含量50%が危険域への
一応の闘値である[篠崎「畜産の研究」第29巻第3号第
375頁(1975年)及び宮崎「畜産コンサルタント」第141
項第47頁(1976年9月)]。
することにより大体の目安を得ることができる。メトヘ
モグロビン量が如何程になった場合に致死に至るかは固
体差があり、又個体がその時に必要としている酸素要求
量に依存するので明確ではないが、一般的には全ヘモグ
ロビンの50−90%がメトヘモグロビンになった時とされ
ており、従ってメトヘモグロビン含量50%が危険域への
一応の闘値である[篠崎「畜産の研究」第29巻第3号第
375頁(1975年)及び宮崎「畜産コンサルタント」第141
項第47頁(1976年9月)]。
しかしながら、従来行われてきた硝酸塩中毒の予防対
策としては、牧草等の餌をサンプリングし硝酸態窒素を
定量して硝酸態窒素量の少ないものを与えるか、硝酸態
窒素量が高い場合にはこれに野草等の硝酸態窒素の少な
いものを混じて全体としての硝酸態窒素摂取量を低下さ
せるに過ぎなかった。例えばサイロに貯蔵されている餌
の場合に、硝酸態窒素は水溶性であり底に溜っている水
に溶存している場合が多いのでサイロの底部分にある餌
を与える場合には硝酸態窒素の含有量を測定し、その量
が高ければ水洗して与える等の方策が採用されており、
具体的には次の対策が講じられる[農林水産技術会議事
務所編「実用技術レポート」第34号(牛の硝酸塩中毒の
発生要因と防除対策)第10頁]。
策としては、牧草等の餌をサンプリングし硝酸態窒素を
定量して硝酸態窒素量の少ないものを与えるか、硝酸態
窒素量が高い場合にはこれに野草等の硝酸態窒素の少な
いものを混じて全体としての硝酸態窒素摂取量を低下さ
せるに過ぎなかった。例えばサイロに貯蔵されている餌
の場合に、硝酸態窒素は水溶性であり底に溜っている水
に溶存している場合が多いのでサイロの底部分にある餌
を与える場合には硝酸態窒素の含有量を測定し、その量
が高ければ水洗して与える等の方策が採用されており、
具体的には次の対策が講じられる[農林水産技術会議事
務所編「実用技術レポート」第34号(牛の硝酸塩中毒の
発生要因と防除対策)第10頁]。
a) 早魃が続いた後に降雨があった場合には飼料作物
における硝酸塩含量が高いので3−5日間はこれを与え
るのを避ける、 b) 硝酸塩含量が低下するまで刈取りや放牧を見合わ
せる、 c) 硝酸塩含量の低い上部だけを与える、 d) 採食速度が遅くなるように工夫する、 e) 自由採食させず、1−2週かけて供与量を漸増し
てゆく、 f) 少なめに与える、 g) 硝酸塩含量が高いものと推定される飼料作物を病
気中や虚弱動物に与えない、 h) 硝酸塩含量が高いものと推定される飼料作物につ
いて時間的に間隔をおいて、例えば24時間間隔で与え
る、 i) 硝酸塩含量が高いものと推定される飼料作物につ
いては硝酸塩含量の低い粗飼料と組合せて与える、 j) 硝酸塩含量が高いものと推定される飼料作物につ
いては一度に大量に与えず、分割して与える、 k) 硝酸塩含量が高いものと推定される飼料作物につ
いては高エネルギー飼料と一緒に与える、 l) 硝酸塩含量が高いものと推定される飼料作物につ
いてはサイレージにして与える、 m) 非蛋白態窒素の添加量を制限する、 n) 硝酸塩含量が高いものと推定される飼料作物につ
いては沃素塩を添加して与える、 o) 硝酸塩含量が高いものと推定される飼料作物につ
いてはビタミンAを添加して与える、 p) 飼料の急変を避け、青刈作物の供与時には尿素等
を添加しない、 q) 硝酸塩含量が高いものと推定される飼料作物の供
与時には抗生物質の投与を避ける。
における硝酸塩含量が高いので3−5日間はこれを与え
るのを避ける、 b) 硝酸塩含量が低下するまで刈取りや放牧を見合わ
せる、 c) 硝酸塩含量の低い上部だけを与える、 d) 採食速度が遅くなるように工夫する、 e) 自由採食させず、1−2週かけて供与量を漸増し
てゆく、 f) 少なめに与える、 g) 硝酸塩含量が高いものと推定される飼料作物を病
気中や虚弱動物に与えない、 h) 硝酸塩含量が高いものと推定される飼料作物につ
いて時間的に間隔をおいて、例えば24時間間隔で与え
る、 i) 硝酸塩含量が高いものと推定される飼料作物につ
いては硝酸塩含量の低い粗飼料と組合せて与える、 j) 硝酸塩含量が高いものと推定される飼料作物につ
いては一度に大量に与えず、分割して与える、 k) 硝酸塩含量が高いものと推定される飼料作物につ
いては高エネルギー飼料と一緒に与える、 l) 硝酸塩含量が高いものと推定される飼料作物につ
いてはサイレージにして与える、 m) 非蛋白態窒素の添加量を制限する、 n) 硝酸塩含量が高いものと推定される飼料作物につ
いては沃素塩を添加して与える、 o) 硝酸塩含量が高いものと推定される飼料作物につ
いてはビタミンAを添加して与える、 p) 飼料の急変を避け、青刈作物の供与時には尿素等
を添加しない、 q) 硝酸塩含量が高いものと推定される飼料作物の供
与時には抗生物質の投与を避ける。
尚、硝酸塩中毒に基因するものと思われる症状が現れ
た場合の対策としてはビタミンAや糖分の投与が有効と
されているが、例えば糖分を投与すると一時的ではある
が血中メトヘモグロビン濃度の急上昇を招き、これが原
因となって動物を致死に至らしめる場合があるので、現
実的に対策としては2%メチレンブルーの生理食塩水溶
液の静脈内投与又はこのメチレンブルー投与とエピネフ
ィリン投与との併用しかないのが実情である[前出の宮
崎「畜産コンサルタント」第141号第47頁(1976年9
月)]参照]。
た場合の対策としてはビタミンAや糖分の投与が有効と
されているが、例えば糖分を投与すると一時的ではある
が血中メトヘモグロビン濃度の急上昇を招き、これが原
因となって動物を致死に至らしめる場合があるので、現
実的に対策としては2%メチレンブルーの生理食塩水溶
液の静脈内投与又はこのメチレンブルー投与とエピネフ
ィリン投与との併用しかないのが実情である[前出の宮
崎「畜産コンサルタント」第141号第47頁(1976年9
月)]参照]。
(発明の解決しようとする問題点及び発明の目的) 硝酸塩中毒を予防するために従来採用されてきた方策
は何れも消極的なものである点に問題がある。蓋し、牧
草等に含有される硝酸態窒素と草食動物の硝酸塩中毒と
の間には言わば宿命的な因果関係が存在し且つ牧草等も
有限な資源であって硝酸態窒素が皆無の、又はその含有
量が極めて低いものを常に供給し得るものとは限らず、
従って餌に基因する硝酸塩中の発生を確実に防止し得る
ものではないからである。
は何れも消極的なものである点に問題がある。蓋し、牧
草等に含有される硝酸態窒素と草食動物の硝酸塩中毒と
の間には言わば宿命的な因果関係が存在し且つ牧草等も
有限な資源であって硝酸態窒素が皆無の、又はその含有
量が極めて低いものを常に供給し得るものとは限らず、
従って餌に基因する硝酸塩中の発生を確実に防止し得る
ものではないからである。
一方、硝酸塩中毒を治療するために従来採用されてき
たメチレンブルーの静脈内投与は、メチレンブルーが本
来塩基性染料であるために、殊に肉獣の場合には畜主が
これを避けたがる傾向を示す点に問題がある。即ち、メ
チレンブルーの投与を必要とする程に思い硝酸塩中毒の
場合に当該動物は気息奄奄の状態にあり、その投与によ
って当該動物の延命が必ずしも保証される訳ではなく、
死ねば食肉として売却できず、一方その投与によって中
毒死を免がれたとしても肉に色が付き食肉としての価値
が低下するために、生存状態にある間に屠殺場に搬入し
て食肉として売却するか、或はメチレンブルーの投与に
よる治療に賭けるかは畜主が判断に迷う処だからであ
る。
たメチレンブルーの静脈内投与は、メチレンブルーが本
来塩基性染料であるために、殊に肉獣の場合には畜主が
これを避けたがる傾向を示す点に問題がある。即ち、メ
チレンブルーの投与を必要とする程に思い硝酸塩中毒の
場合に当該動物は気息奄奄の状態にあり、その投与によ
って当該動物の延命が必ずしも保証される訳ではなく、
死ねば食肉として売却できず、一方その投与によって中
毒死を免がれたとしても肉に色が付き食肉としての価値
が低下するために、生存状態にある間に屠殺場に搬入し
て食肉として売却するか、或はメチレンブルーの投与に
よる治療に賭けるかは畜主が判断に迷う処だからであ
る。
従って、本発明の目的は草食動物における硝酸塩中毒
の発生を積極的に防止する方法を提供することにあり、
更に具体的に述べれば、牧草等の哺食により必然的に摂
取される硝酸塩態窒素を積極的に無害化させることによ
り硝酸塩中毒を予防する方法を提供することにある。
の発生を積極的に防止する方法を提供することにあり、
更に具体的に述べれば、牧草等の哺食により必然的に摂
取される硝酸塩態窒素を積極的に無害化させることによ
り硝酸塩中毒を予防する方法を提供することにある。
(問題点を解決し、目的を達成する手段及び作用) 本発明は、基本的には、脱窒バクテリアを草食動物に
投与することにより上記の問題点を解決しようとするも
のである。
投与することにより上記の問題点を解決しようとするも
のである。
脱窒バクテリアとしては種々のものが知られており、
その内の幾つかの菌種は汚水処理等に関して利用されて
いるものがあるが、一般的に病原性を有しており、従っ
て生体に関連して脱窒バクテリアを利用することは従来
全く考えられて来なかった。
その内の幾つかの菌種は汚水処理等に関して利用されて
いるものがあるが、一般的に病原性を有しており、従っ
て生体に関連して脱窒バクテリアを利用することは従来
全く考えられて来なかった。
従って、本発明者が毒性が一般に低いとされる光合成
バクテリアの利用を検討していた処、文献“Archives o
f Microbiology",Vol.108,pages 265−269(1976)に、
脱窒能において優れた光合成バクテリアがToshio SATOH
氏等により報告されていることを見い出した。この文献
には、7株の光合成バクテリア(1L 101−1L 107株)が
得られたこと、これらの内で1L 101,102,103,104,106及
び107株がRhodopseudomonas sphaeroides(ロードプソ
イドモナス・スファエロイデス)に属するバクテリアで
あり、1L 105株はRhodopseudomonas capusulata(ロー
ドプソイドモナス・キャプシュラータ)に属するバクテ
リアであると考えられること、並びに1L 106株に関する
詳細が開示されている。この論文中において、第266頁
右欄中程には「0.2% KNO3含有バーサル培地中で、照明
を与え又は与えずに嫌気培養する場合に、1L 106はガス
を激しく発生する。このガスを捕集し、ガスクロマトグ
ラフィーにより同定した。捕集したガスの殆どは窒素で
あり、H2,NO及びN2Oは検出されなかった」旨記載されて
いることに本発明者は着目した。何故ならば、牧草等の
捕食により摂取される硝酸塩自体は草食動物に害を与え
るものではないが、その分解(還元)により生じる亜硝
酸及びアンモニアが草食動物における硝酸塩中毒の原因
であり、上記の光合成バクテリア(1L 106株)は摂取さ
れた硝酸塩を有害な亜硝酸やアンモニアとして放出する
ことなしに、直接的に無害な窒素ガスとする機能を有し
ているものと考えられたからである。
バクテリアの利用を検討していた処、文献“Archives o
f Microbiology",Vol.108,pages 265−269(1976)に、
脱窒能において優れた光合成バクテリアがToshio SATOH
氏等により報告されていることを見い出した。この文献
には、7株の光合成バクテリア(1L 101−1L 107株)が
得られたこと、これらの内で1L 101,102,103,104,106及
び107株がRhodopseudomonas sphaeroides(ロードプソ
イドモナス・スファエロイデス)に属するバクテリアで
あり、1L 105株はRhodopseudomonas capusulata(ロー
ドプソイドモナス・キャプシュラータ)に属するバクテ
リアであると考えられること、並びに1L 106株に関する
詳細が開示されている。この論文中において、第266頁
右欄中程には「0.2% KNO3含有バーサル培地中で、照明
を与え又は与えずに嫌気培養する場合に、1L 106はガス
を激しく発生する。このガスを捕集し、ガスクロマトグ
ラフィーにより同定した。捕集したガスの殆どは窒素で
あり、H2,NO及びN2Oは検出されなかった」旨記載されて
いることに本発明者は着目した。何故ならば、牧草等の
捕食により摂取される硝酸塩自体は草食動物に害を与え
るものではないが、その分解(還元)により生じる亜硝
酸及びアンモニアが草食動物における硝酸塩中毒の原因
であり、上記の光合成バクテリア(1L 106株)は摂取さ
れた硝酸塩を有害な亜硝酸やアンモニアとして放出する
ことなしに、直接的に無害な窒素ガスとする機能を有し
ているものと考えられたからである。
上記の研究論文は、東京都立大学の研究グループによ
り発表されているので、その代表者である佐藤敏生氏を
訪ね、病原性を何等有していないことを確認した上で、
Rhodopseudomonas sphaeroides forma sp.denitrifican
s(ロードプソイドモナス・スファエロイデス・フォル
マ・sp・デニトリフィカンス)1L 106株と命名された脱
窒(光合成)バクテリアの提供を受け、このバクテリア
を乳牛に与えた処、血中メトヘモグロビン量が有意に低
下することを見い出して本発明を完成するに至った。
り発表されているので、その代表者である佐藤敏生氏を
訪ね、病原性を何等有していないことを確認した上で、
Rhodopseudomonas sphaeroides forma sp.denitrifican
s(ロードプソイドモナス・スファエロイデス・フォル
マ・sp・デニトリフィカンス)1L 106株と命名された脱
窒(光合成)バクテリアの提供を受け、このバクテリア
を乳牛に与えた処、血中メトヘモグロビン量が有意に低
下することを見い出して本発明を完成するに至った。
即ち、本発明による草食動物の硝酸塩中毒予防方法
は、脱窒能を有する上記の光合成バクテリアであるロー
ドプソイドモナス・スファエロイデス・フォルマ・sp・
デニトリフィカンスを草食動物に投与することを特徴と
している。
は、脱窒能を有する上記の光合成バクテリアであるロー
ドプソイドモナス・スファエロイデス・フォルマ・sp・
デニトリフィカンスを草食動物に投与することを特徴と
している。
本発明方法において脱窒バクテリアの投与は、その培
養液の経口投与により行うことができる。培養液1000ml
中の菌体量は湿潤重量で約3g、乾燥重量ではその約1/5
−1/6であり、投与量としては培養液量で500−1000ml程
度で充分である。
養液の経口投与により行うことができる。培養液1000ml
中の菌体量は湿潤重量で約3g、乾燥重量ではその約1/5
−1/6であり、投与量としては培養液量で500−1000ml程
度で充分である。
このロードプソイドモナス・スファエロイデス・フォ
ルマ・sp・デニトリフィカンス 1L 106株は、ロードバ
クター スフェロイデス f.sp.デニトリカンス(Rhodob
acter sphaeroides f.sp.denitrificans)になる表示を
以て通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所に寄託
された(微工研 菌寄第13016号)。
ルマ・sp・デニトリフィカンス 1L 106株は、ロードバ
クター スフェロイデス f.sp.デニトリカンス(Rhodob
acter sphaeroides f.sp.denitrificans)になる表示を
以て通商産業省工業技術院微生物工業技術研究所に寄託
された(微工研 菌寄第13016号)。
尚、投与された脱窒バクテリアを定着させ得るか否か
については検討中であるが、対象動物における個体差も
あって未だ明確なものとはなっていない。
については検討中であるが、対象動物における個体差も
あって未だ明確なものとはなっていない。
(発明の効果) 本発明方法によれば、脱窒バクテリアを投与するだけ
で草食動物の血中メトヘモグロビン濃度を低下させるこ
とができ、延いては草食動物の硝酸延中毒を予防するこ
とができる。従って、本発明方法はその実施が極めて容
易であると言う利点を有している。
で草食動物の血中メトヘモグロビン濃度を低下させるこ
とができ、延いては草食動物の硝酸延中毒を予防するこ
とができる。従って、本発明方法はその実施が極めて容
易であると言う利点を有している。
(実施例等) 次に、草食動物としてホルスタイン種の乳牛を選択
し、その飲料水である井戸水に関してなされた水質試
験、種々の餌に関してなされた硝酸塩含量の測定試験、
脱窒バクテリアの培養試験及び脱窒バクテリアの投与試
験に関連して本発明を更に詳細に説明する。
し、その飲料水である井戸水に関してなされた水質試
験、種々の餌に関してなされた硝酸塩含量の測定試験、
脱窒バクテリアの培養試験及び脱窒バクテリアの投与試
験に関連して本発明を更に詳細に説明する。
試験例 1(井戸水の水質試験) 乳牛用の飲料水である井戸水の水質試験を常法により
実施して亜硝酸態窒素及び硝酸態窒素の含有量を調べた
結果、前者は検出されず、又後者の含量は僅かに1.445p
pmであった。
実施して亜硝酸態窒素及び硝酸態窒素の含有量を調べた
結果、前者は検出されず、又後者の含量は僅かに1.445p
pmであった。
試験例 2(餌における硝酸態窒素含量) 乳牛には配合飼料や藁の他にビートパルプ、燕麦、コ
ーンサイレージ、スーダングラス乾草、ヘイキューブ等
が適宜配合されて施与されるので、後者について常法に
より硝酸カリウムの含有量を調べた結果は下記の表1に
示される通りであった。
ーンサイレージ、スーダングラス乾草、ヘイキューブ等
が適宜配合されて施与されるので、後者について常法に
より硝酸カリウムの含有量を調べた結果は下記の表1に
示される通りであった。
試験例 3(脱窒バクテリアの培養) a) 前培養 保存培地に保存されている脱窒バクテリアであるロー
ドプソイドモナス・スファエロイデス・フォルマ・sp・
デニトリフィカンス(1L 106株)を下記の液体培地に接
種し、30℃において約3000ルックスの光照射下に(60W
白熱電球の場合に光源から5−10mc程度離す)嫌気的に
3日間静置培養する。
ドプソイドモナス・スファエロイデス・フォルマ・sp・
デニトリフィカンス(1L 106株)を下記の液体培地に接
種し、30℃において約3000ルックスの光照射下に(60W
白熱電球の場合に光源から5−10mc程度離す)嫌気的に
3日間静置培養する。
前培養用液体培地 酵母エキス 0.3% カサミノ酸 0.2% KNO3 0.2% 蒸留水 残部 b) 本培養 上記の前培養を終了した培養液を下記の本培養用液体
培地に約1対50(容量比)の割合で接種し、前培養と同
様の条件下に約24時間培養する。尚、この本培養の場合
には嫌気条件を充分ならしめるために、前培養液と本培
養培地にて培養フラスコを略完全に満たし、これによっ
て培養フラスコの残スペースをなるべく少なくなすのが
好ましいが、培養の進行につれて窒素ガスが放出される
ので余り厳密な配慮は不要なものと考えられた。
培地に約1対50(容量比)の割合で接種し、前培養と同
様の条件下に約24時間培養する。尚、この本培養の場合
には嫌気条件を充分ならしめるために、前培養液と本培
養培地にて培養フラスコを略完全に満たし、これによっ
て培養フラスコの残スペースをなるべく少なくなすのが
好ましいが、培養の進行につれて窒素ガスが放出される
ので余り厳密な配慮は不要なものと考えられた。
尚、得られた培養液の菌体量は培養液1000ml当り平均
して湿潤重量で約3gであり、乾燥重量ではその約1/5−1
/6であった。
して湿潤重量で約3gであり、乾燥重量ではその約1/5−1
/6であった。
本培養用液体培地 バーサル塩溶液(注 1) 100 ml マレイン酸ナトリウム 3 g ビタミン溶液(注 2) 1 ml (NH4)2SO4 1 g KNO3 1 g 酵母エキス 0.1g 上記の混合物を滅菌し、この滅菌混合物に 燐酸塩溶液(注 3) 15ml を添加し、次いで蒸留水を添加して全量を1リットルと
なすことにより調製する。
なすことにより調製する。
(注 1)バーサル塩溶液の調製 MgSO4・7H2O 2.0 g CaCl2・2H2O 0.75g FeSO4・7H2O 118.0 mg及び EDTA(4H) 200.0 m を蒸留水800mlに溶解させて全量を990mlになすと共にpH
を6.8に調整し、次いで 痕跡元素溶液(注 4) 10ml を添加し、全量を1リットルとなすことにより調製す
る。
を6.8に調整し、次いで 痕跡元素溶液(注 4) 10ml を添加し、全量を1リットルとなすことにより調製す
る。
(注 2)ビタミン溶液の組成 ナイアシン 1 g チアミン塩酸塩 1 g ビオチン 0.04g 蒸留水 残部 計 1リットル (注 3)燐酸塩溶液の調製 KH2PO4 40gに K2HPO4 60g を添加し、次いで蒸留水を添加して全量を1リットルと
なした後に滅菌処理を施すことにより調製する。
なした後に滅菌処理を施すことにより調製する。
(注 4)痕跡元素溶液の組成 MnSO4・4H2O 2.1g H3BO3 2.8g Cu(NO3)2・3H2O 40.0mg ZnSO4・7H2O 240.0mg Na2MoO4・2H2O 750.0mg Co(NO3)2・6H2O 248.0mg 蒸留水 残部 計 1リットル 実施例(脱窒バクテリアの投与試験) a) 試験期間 1986年12月2日−12月18日 b) 実験動物 健康状態の良好なホルスタイン種の乳牛3頭を選択
し、内2頭を被験動物とし、残1頭を対照動物として使
用。
し、内2頭を被験動物とし、残1頭を対照動物として使
用。
c) 飼料 被験動物、対照動物とも同質、同量の飼料を与えた。
試験期間中に与えた一日当りの主な飼料は下記表2の通
りであった。
試験期間中に与えた一日当りの主な飼料は下記表2の通
りであった。
d) 被験薬(脱窒バクテリア) 前記の試験例2における本培養で得た培養液をその侭
使用。
使用。
e) 被験薬の投与日、投与量及び投与方法予め決めら
れた日(12月4日、10日、16日及び17日)の朝飼料を与
えてから、2時間後に(12月16及び17日には1時間後
に)、被験動物No.1に対しては培養液500mlを、又No.2
に対しては1000mlを強制的に経口投与する。勿論、対照
動物(No.3)に対しては被験薬を投与しない。
れた日(12月4日、10日、16日及び17日)の朝飼料を与
えてから、2時間後に(12月16及び17日には1時間後
に)、被験動物No.1に対しては培養液500mlを、又No.2
に対しては1000mlを強制的に経口投与する。勿論、対照
動物(No.3)に対しては被験薬を投与しない。
f) 試験方法 被験動物については被験薬の投与から2時間後に(12
月16及び17日には1時間後に)、対照動物を含めて全頭
から約7mlの静脈血を真空採血管により採取し、冷凍保
存し、次いで常法により総ヘモグロビン量及びメトヘモ
グロビン量を測定した。
月16及び17日には1時間後に)、対照動物を含めて全頭
から約7mlの静脈血を真空採血管により採取し、冷凍保
存し、次いで常法により総ヘモグロビン量及びメトヘモ
グロビン量を測定した。
g) 結果及び考察 結果は下記の表3に示される通りであった(表中にお
いてMHb及びTHbはそれぞれメトヘモグロビン及び総ヘモ
グロビンを意味しており、又「採血日」の欄においてア
ンダーラインが付されている日は被験薬である脱窒バク
テリア培養液の投与日であることを示している)。
いてMHb及びTHbはそれぞれメトヘモグロビン及び総ヘモ
グロビンを意味しており、又「採血日」の欄においてア
ンダーラインが付されている日は被験薬である脱窒バク
テリア培養液の投与日であることを示している)。
餌の摂取及び給水により胃内に取り込まれた硝酸塩は
胃内バクテリアの作用により還元されて亜硝酸となり、
その一部は血中のヘモグロビンと結合して酸素運搬能を
有しないメトヘモグロビンとなり、その量が多くなると
健常動物ではこれを代償する機能が働いて総ヘモグロビ
ン量が増加する傾向が認められ、逆にメトヘモグロビン
量が低下すると総ヘモグロビン量も低下する傾向があ
り、脱窒バクテリア培養液無投与の対照動物に関するデ
ータはこれらの傾向を反映している。一方、被験動物で
は脱窒バクテリア培養液の投与により血中メトヘモグロ
ビン量が低下するのみならず、メトヘモグロビン量が低
下しても総ヘモグロビン量は上昇する傾向を示してお
り、これはメトヘモグロビン量の増加に伴う酸素不足を
補う代償としてではないので、脱窒バクテリア培養液の
投与は血中酸素を富化させる固有の効果を有するものと
考えられる。
胃内バクテリアの作用により還元されて亜硝酸となり、
その一部は血中のヘモグロビンと結合して酸素運搬能を
有しないメトヘモグロビンとなり、その量が多くなると
健常動物ではこれを代償する機能が働いて総ヘモグロビ
ン量が増加する傾向が認められ、逆にメトヘモグロビン
量が低下すると総ヘモグロビン量も低下する傾向があ
り、脱窒バクテリア培養液無投与の対照動物に関するデ
ータはこれらの傾向を反映している。一方、被験動物で
は脱窒バクテリア培養液の投与により血中メトヘモグロ
ビン量が低下するのみならず、メトヘモグロビン量が低
下しても総ヘモグロビン量は上昇する傾向を示してお
り、これはメトヘモグロビン量の増加に伴う酸素不足を
補う代償としてではないので、脱窒バクテリア培養液の
投与は血中酸素を富化させる固有の効果を有するものと
考えられる。
Claims (2)
- 【請求項1】脱窒能を有する光合成バクテリアであるロ
ードプソイドモナス・スファエロイデス・フォルマ・sp
・デニトリフィカンスを草食動物に投与することを特徴
とする、草食動物の硝酸塩中毒予防方法。 - 【請求項2】前記の光合成バクテリアが、その培養液の
形で経口投与されることを特徴とする、特許請求の範囲
第1項に記載の草食動物の硝酸塩中毒予防方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62037759A JP2579475B2 (ja) | 1987-02-23 | 1987-02-23 | 草食動物の硝酸塩中毒予防方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP62037759A JP2579475B2 (ja) | 1987-02-23 | 1987-02-23 | 草食動物の硝酸塩中毒予防方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPS63208528A JPS63208528A (ja) | 1988-08-30 |
| JP2579475B2 true JP2579475B2 (ja) | 1997-02-05 |
Family
ID=12506395
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP62037759A Expired - Lifetime JP2579475B2 (ja) | 1987-02-23 | 1987-02-23 | 草食動物の硝酸塩中毒予防方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2579475B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR20010050310A (ko) * | 1999-09-02 | 2001-06-15 | 김학응 | 로도슈도모나스속 세균을 포함하는 미생물 복합제제 및이의 용도 |
| KR20020028991A (ko) * | 2002-03-13 | 2002-04-17 | 나광출 | 광합성세균 배양액을 함유한 배합사료 |
| JP5470637B2 (ja) * | 2009-07-01 | 2014-04-16 | 独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構 | 発酵飼料中の硝酸態窒素・亜硝酸態窒素を低減する微生物 |
-
1987
- 1987-02-23 JP JP62037759A patent/JP2579475B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPS63208528A (ja) | 1988-08-30 |
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