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JP2588439B2 - 清浄空間に存在する帯電物品の除電設備 - Google Patents
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JP2588439B2 - 清浄空間に存在する帯電物品の除電設備 - Google Patents

清浄空間に存在する帯電物品の除電設備

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JP2588439B2
JP2588439B2 JP22254290A JP22254290A JP2588439B2 JP 2588439 B2 JP2588439 B2 JP 2588439B2 JP 22254290 A JP22254290 A JP 22254290A JP 22254290 A JP22254290 A JP 22254290A JP 2588439 B2 JP2588439 B2 JP 2588439B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は,交流式イオン発生器を用いて清浄空間内の
帯電物品を除電する設備に係り,特に,同一出願人に係
る特願平1−265189号および特願平1−265190号に提案
した発明の一層の改善に関する。
〔従来の技術〕
例えば半導体素子を製造するクリーンルームでは,静
電気の帯電現象に起因する種々の障害が問題視されるよ
うになった。このような障害には,半導体デバイスの破
壊と性能劣化,微粒子の吸着による製品の表面汚染,エ
レクトロニクス機器の誤動作等がある。
一方,最近のクリーンルームでは室内に供給する清浄
空気流中には0.03μm以上の大きさの粒子は検出されな
いと言った超清浄度を維持するものまで登場した。しか
し,クリーンルーム内に存在するオペレータ,ロボッ
ト,更には種々の製造装置類から微粒子が不可避的に発
生する。このような内部発生微粒子の大きさは0.1μm
から数10μmにもおよび,かような粒子が最小線幅が1
μmといった最近のLSI,VLSI等のウエハ上に付着すれ
ば,格落ち品となって製品歩留りを低下させる。かよう
な微粒子のウエハ表面への沈着は,大部分は静電気力に
よって起こり,その付近の気流形状とはほとんど無関係
であることが明らかとなってきた。
したがって,この微粒子の吸着による製品の表面汚染
の防止には,クリーンルームの清浄度を高める技術およ
びフイルターの性能向上技術とは別に静電気の除電技術
の開発が待たねばならない。
この除電は,帯電物体が電気の良導体である場合には
接地すればよく,これによって帯電した静電気を素早く
逃がすことができる。しかしクリーンルーム内の全ての
導体物品を設置することは事実上不可能であるし,帯電
物体が絶縁体の場合では接地しても除電できず無意味と
なる。ウエハについて言えば,ウエハ自身は導体であっ
ても絶縁物であるカセットケースやパレットに入れて搬
送されるために,接地によって帯電を除去することは困
難である。このようなことから,イオナイザによる除電
方式が提案された。
クリーンルーム内はフイルターで浄化された清浄空気
流がほぼ一方向性に流れているので,この清浄空気流の
上流側(通常はフイルターの空気吹出し面に近い位置)
にコロナ放電によって空気をイオン化するイオナイザ
(イオン発生器)を配置し,ここでイオン化した空気の
流れを帯電物体の表面と触れさせることにより,帯電物
体上の静電気を中和しようとするものである。すなわ
ち,物体表面がプラスに帯電していればマイナスにイオ
ン化した空気によって中和し,マイナスに帯電していれ
ばプラスにイオン化した空気によって中和して,物体表
面の静電気を除電しようとするものである。
これまで,かようなコロナ放電によるイオン発生器と
して,Pulsed−DCタイプ,DCタイプおよびACタイプのもの
が知られている(DCは直流,ACは交流を意味する)。い
ずれにしても,空気中に配置した電極(Emitter)近傍
で発生する電界強度が,空気の絶縁破壊電界強度以上と
なるような直流または交流の高電圧を該電極に印加する
ことによってコロナ放電を行わせるものであり,それぞ
れ次のような特徴を有する。
Pulsed−DCタイプ:これは所定の間隔(例えば数10cm
の間隔)を開けて対向配置された一対の針状エミッタ
(タングステン電極)に,例えば+13〜+20kVまたは−
13〜−20kVの直流を,例えば1〜11秒間隔(パルス)で
交互に印加してエミッタから交互に正と負のイオン(ai
r ions)を発生させ,このエアイオンを気流に乗せて帯
電物体に運び,帯電物体の帯電電荷と反対極性のイオン
で中和する仕組みである。
DCタイプ:これは,それぞれ多数本の針状エミッタを
1〜2cm間隔で埋め込んだ一対のバーを所定の間隔(例
えば数10cm間隔)でバー軸を平行にして対向配置し,一
方のバーの各々エミッタに+12〜+30kV,他方のバーの
各エミッタに−12〜−30kVの直流電圧を印加して空気を
イオン化する仕組みである。
ACタイプ:これは針状エミッタに高電圧の交流(周波
数は商用の50/60Hz)を印加するものであり,多数本の
エミッタを二次元的拡がりをもって配置すると共に,こ
れらの交流高圧電源に対して絶縁被覆されたフレーム状
の導電性バーによって接続し,各エミッタの放電端を取
り囲むように放電端から離して導電性のグリッドを対極
として配置し,このグリッドを接地する構造のものが知
られている。これによると,各エミッタと接地グリッド
との間で交流サイクルに応じて極性が反転する電界が形
成され,各エミッタからイオン空気が発生する。
ところが,これらいずれのタイプの公知のイオン発生
器も,クリーンルーム内の帯電物品の除電に使用しよう
とすると,以下のような問題に遭遇する。
先ず第一は,いずれのタイプでも,エミッタ自身によ
るクリーンルームの汚染の問題である。放電極である針
状エミッタの材質はタングステンが最も好ましいとされ
ているが,このエミッタに高電圧を印加してコロナ放電
を行わせると,スパッタリング現象によって正イオン発
生時におびただしい微粒子(0.1μm以下の粒径のもの
が殆んどである)がエミッタ先端から発生し,これが清
浄空気流に運ばれてクリーンルーム内を汚染する。
第二に,いずれのタイプでも,クリーンルーム内で長
時間稼働するとエミッタの放電端に主としてSiO2からな
る白色の粉塵が目視できるほど付着堆積する。これは,
クリーンルームに清浄空気を供給するためのフイルタ素
材によの原因があると考えられる。この堆積粉塵によっ
てイオン発生量が低下したり,またこの堆積粉塵がクリ
ーンルーム内に再飛散したりする問題を起こす。したが
って,エミッタの洗浄が怠れず,また前記のスパッタリ
ング現象はエミッタ先端を損傷させるので頻繁な取り換
えを必要とする。
第三に,クリーンルームの天井面に多数のイオン発生
器を取付けると,クリーンルーム内のオゾン濃度が高く
なることがある。その濃度は人体に影響を与えるほどで
はなくても,オゾンは反応性に富むので半導体製造には
好ましくない。
そして,前記の各タイプそれぞれ次のような個別の問
題がある。
DCタイプでは一方のエミッタからは正にイオン化した
空気が,他方のエミッタからは負にイオン化した空気が
空気流にのって流れるので,正と負の何方かに偏ったイ
オンが帯電物品に到達することになりかねない。このた
め,帯電物品の帯電負荷の極性と同じ極性のイオンが供
給される機会も多く,この場合には除電されることはな
い。逆に,帯電していないか若しくは帯電量が小さい物
品に対しては,搬送された空気イオンによって帯電を助
成する事態も起こり得る。この現象は特に正負の電極間
距離を離した場合に起こり易いが,電極間距離をあまり
短くするとスパークが生じるといった問題がある。
Pulsed−DCタイプでは所定の周期でこのイオンの極性
を反転させるのでその発生周期毎に交互に正負イオンが
帯電物品に供給されることになり,DCタイプのように正
負どちらかのイオンが連続して送られるといったことは
避けられるが,その周期をあまり短くすると正の負のイ
オンが搬送気流中で混ざり合って帯電物品に到達する前
に結合してイオンが消滅する度合いが多くなる。また逆
に周期をあまり長くすると,正負イオンの結合の割合は
低下する代わりに,正の負のイオンの大きな塊が交互に
帯電表面に到達することになる。M.Blitshtyen,et,al.,
はAssessing The Effectiveness of Cleanroom Ionizat
ion Systems,Microcontamination,March 1985,P.46〜5
2,76においてPulsed−DCタイプでは帯電表面の電位は正
と負を交互に繰り返して減衰することを報告している。
この結果では,帯電表面は帯電電荷が無くなることはな
く,正または負に500V程度の帯電が交互に生じることに
なる。近年の超LSIが数10Vの表面電位でも破壊されるこ
とを考えると,かような500Vの如き表面電位が生じるこ
とは,かえって製品歩留りを低下することにもになりか
ねない。
ACタイプは,正イオンと負イオンの発生量が異なると
いう基本的な問題がある。エミッタに高電圧の交流を印
加すると,正イオンの発生量は負イオンの発生量の10倍
以上となることもある。鈴木政典ほかは,第6回空気清
浄とコンタミネーションコントロール研究大会予稿集
(1987),P269〜276およびこれに対応する英文文献,M.S
uzuki,et.al.Effectiveness of Air Ionization System
s in Clean Rooms,1988 Proceedings of The IES Annua
l Technical Meeting,Institute of Environmental Sci
ences,Mt.Prospect,Illinois,p.405〜412において,ACタ
イプのイオン発生器で発生するイオン濃度の測定例を報
告しているが,負イオンの濃度は正イオンのそれに比べ
て著しく少なくなっている。このように,従来のACタイ
プのイオン発生器では正イオン濃度の高いイオン空気が
供給されるので,帯電表面は中和されるどこらか数10ボ
ルトから200ボルト程度の正の電位に帯電したままにな
ることすらある。
このような問題を根本的に解決するクリーンルーム用
のイオナイザーを,同一出願人に係る特願平1−265189
号および特願平1−265190号に既に提案した。その詳細
はそれらの明細書および図面に示したとおりであるが,
要するところ,ACタイプのイオン発生器において,高電
圧の交流を印加する放電極の先端に誘導体材料例えば石
英を被覆した点,この放電極の群に対して,その或るも
のにはマイナスのバイアス電圧が印加された交流の高電
圧を印加し,他のものにはこれよりもプラス側に偏った
バイアス電圧が付加された交流の高電圧を付与すること
によって,プラスイオンとマイナスイオンが等しい濃度
分布をもって均等に帯電物品に到達するようにした点,
さらには,放電極に対して前記のようなバイアスを付与
した上で,或いは付与しないで,対極に直流電圧を印加
し,その直流電圧を調節することによってプラスイオン
とマイナスイオンが等しい濃度分布をもって均等に帯電
物品に到達するようにしした点,に特徴がある。
〔発明が解決しようとする問題点〕
前記の特願平1−265189号および特願平1−265190号
に提案したイオン発生器によれば,発塵の問題やACタイ
プの正負イオンの偏りの問題等が全て解決でき,帯電物
品の除電が極めて効率良く実現できたのであるが,本発
明者らはこのイオン発生器を特殊な環境,例えば半導体
製造プロセスのうちでも,エッチング・水洗・乾燥等の
工程をもつクリーンルームに適用した場合に,新たな問
題に遭遇した。その問題とは,イオナイザを構成する金
属素材表面,とりわけ,対極の金属表面に錆びが発生す
る点である。これはステンレス鋼であっても起き,この
錆が新たな発塵源となる。
半導体製造プロセスにおけるエッチング工程では酸や
有機溶剤が使用されるので,それらの蒸気や廃ガスが室
内に拡散しないように,局所排気設備が設けられるのが
通常であるが,排気量が十分でないときやクリーンエア
の吹き出しが停止したときは,イオナイザの該金属表面
が該蒸気に曝され,発錆起点となる。
水洗工程では,エッチングされた半導体ウエハ表面を
純水でスプレーするか,該ウエハを純水中に浸漬する操
作が行われるが,前者のスプレー操作では高圧水流と空
気との摩擦で数十KVの大きな帯電がウエハ表面に発生す
る。後者の浸漬の場合でもウエハを水から引き上げるさ
い数KVの帯電が発生する。
乾燥工程では,スピンドライヤでウエハを高速回転し
たりN2ガス吹きつけが行われるが,前者では数KVの帯電
がウエハに発生し,後者でも同様である。
このようにしてウエハ表面に発生した大きな静電気は
二つの障害をもたらす。一つは帯電したウエハ表面への
微粒子の吸着であり,清浄であるべきウエハ表面が汚れ
て歩留りを低下させる。もう一つは,ウエハ表面に形成
された薄い絶縁膜を該帯電によって静電破壊したり絶縁
性を悪化させる点である。これは半導体素子の品質不良
の原因となる。
このようなウエハ表面の帯電は先の特願平1−265189
号および特願平1−265190号に提案したイオン発生器に
よって可及的に除電可能であるが,それでも空気中に微
粒子が浮遊すると,これが静電気力以外の要因例えば拡
散力や重力等によってウエハに付着する機会が多いこと
になる。先述のようにエッチング工程で使用する酸や有
機溶媒の蒸気によってイオン発生器の発錆が促進される
と,その錆粒子がイオン発生器から微粉塵として飛散
し,クリーンルームの循環空気内に金属酸化物の微粒子
を浮遊させる結果となる。高集積度の半導体では金属系
粒子の付着は致命的な欠陥となる。HEPAフイルタやULPA
フイルタにおいてかような粒子が捕集されても再飛散の
可能性がある。折角の除電設備であるイオン発生器が,
これがエッチング室に設置された場合に,半導体ウエハ
の製造に対して悪影響を与えるようなことは何としても
回避しなければならない問題である。
本発明はこのような問題の解決は目的としたものであ
る。
〔問題点を解決する手段〕
本発明は,金属材料からなる針状の放電極に交流の高
電圧を印加してコロナ放電を行わせる交流式イオン発生
器を,フイルタを通過した清浄空気の流れの中に設置
し,このイオン発生器によってイオン化された空気の流
れを下流側に存在する静電気を帯びた物体に供給するこ
とにより,該帯電物体上の静電気を中和する設備におい
て,該イオン発生器の該放電極の放電端が好ましくはセ
ラミックスの誘電体材料で被覆されると共に,該放電極
の金属面が該清浄空気の流れの中に露出しないように非
金属材料で覆われており,該放電端に対して所定の距離
を離して,接地されたまたは直流電圧が印加された導電
性の対極が空気中に配置され,この導電性の対極の表面
が樹脂またはセラミックスからなる誘電体材料の薄膜で
被覆されており,該放電極と該対極とからなる放電対が
前記の清浄空気の流れを横切る方向に二次元的な拡がり
をもって多数配置されていることを特徴とする,清浄空
間に存在する帯電物品の除電設備を提供するものであ
る。
〔作用〕
放電極の先端をセラミックス誘電体例えば石英で被覆
し,且つ対極の表面を樹脂やセラミックスの誘電体材料
の薄膜で被覆したとしても,帯電物質を除電できるに十
分なイオン空気を,特願平1−265189号および特願平1
−265190号に提案したイオン発生器のように発生させる
ことができる。
放電極の金属表面を非金属材料でカバーし且つ対極を
樹脂やセラミックスで被覆することによって,金属面が
清浄空気の流れの中に露出することが防止され,この結
果,酸や有機溶媒の蒸気が存在する環境で使用されて
も,発錆並びに発塵が回避される。
〔実施例〕
第1図は,矢印1で示す清浄空気の流れの中に配置さ
れた本発明に従うイオン発生器の例を示したものであ
り,針状の放電極2(以後,エミッタ2と呼ぶ)が清浄
空気の流れを横切る方向に二次元的な拡がりをもって多
数配置されている。各エミッタ2は,清浄空気の流れを
横切る方向に互いに間隔をあけて配設されたメイン管3
a,3b,3c・・に取付けられている。メイン管3a,3b,3c・
・は,リード線4a,4b,4c・・に樹脂(フッソ樹脂,例え
ば商標名テフロン)を被覆したものであり,各リード線
4a,4b,4c・・にエミッタ2が導通接続されている。この
ようにして分散配置されたエミッタ2に対して,所定の
距離を隔てて対極5が配置さる。図示の例では,この対
極5はメイン管3a,3b,3c・・に平行な直線形状のものが
多数本使用されている。各エミッタ2は,この直線形状
の互いに平行な二本の対極5の丁度中間付近に位置する
ように配置される。したがって,一本の直線状の対極は
複数のエミッタ2と共用することになるが,エミッタ2
の一つと対極5との間に一つの放電対が形成されること
になり,この放電対が清浄空気の流れを横切る方向に二
次元的に拡がりをもって多数配置されることになる。各
エミッタ2の先端はその詳細な後述するがセラミック例
えば石英で被覆されると共に,エミッタの金属面が露出
しないように非金属材料で覆われ,また対極5も後述の
ように樹脂で被覆されている。
図示されてはいないが,このイオン発生器が配置され
た位置より空気流れの上流側にはHEPAまたはULPAフイル
ターが設置されており,該フイルターによって浄化され
た空気がこのイオン発生器を通過する。そして,このイ
オン発生器を通過した一方向性の空気流が帯電物品の表
面に向けて流れる。図示の例では,各針状エミッタ2
は,その先端を気流の下流方向に向けて配置されてお
り,対極5は,エミッタ2の先端よりも斜め下流側に位
置している。
エミッタ2に交流電圧を印加し,対極5をアースすれ
ば,通常のACタイプのイオン発生器となるが,これだけ
では,既述したとおり正イオン濃度と負イオン濃度がバ
ランスしたイオン空気流を形成できない。このため,本
発明でも先の特願平1−265189号および特願平1−2651
90号に提案したように,各エミッタ2に誘導体材料例え
ば石英を被覆したうえ,或る放電極の群に対して(第1
図で多数本のメイン管のうち,一本おきのもの4b,4d・
・に対して),マイナスのバイアス電圧が付加された交
流の高電圧を印加し,他のものに対しては(第1図では
同じく4a,4b・・に対して)これよりもプラス側に偏っ
たバイアス電圧が印加された交流の高電圧を付与するこ
とによって,プラスイオンとマイナスイオンが等しい濃
度分布をもって均等に帯電物品の到達するようにする。
また,放電極に対して前記のようなバイアスを付与した
上で,或いは付与しないで,対極5の側に直流電圧を印
加するかまたは接地(アース)する。直流電圧を印加す
る場合には,その直流電圧を調節することによってプラ
スイオンとマイナスイオンが等しい濃度分布をもって均
等に帯電物品に到達するようにする。エミッタ2の側に
付加するバイアス電圧の極性や大きさ,さらには対極5
に印加する直流電圧の調整等については先の特願平1−
265189号および特願平1−265190号の明細書および図面
に記載したものと同様にして行なう。なお,本願第1図
の実施例では対極5として直線状のものが使用されてい
る。先願図面のようにグリッド状やループ状でもよい
が,直線状のものでも同様の性能を有する。
第2図は,エミッタ2の実施例を示したものである。
第2図の例では,先細りの針部13を先端にもつタングス
テン棒12(エミッタ)をセラミックス製のチューブ14内
の同心的に収容している。そのさい,セラミックス製の
チューブ14の先端も先細りの針部15をもつ封鎖された形
状とし,タングステン棒の針部13の先端が,このセラミ
ックスチユーブの針部15の内面と接触するようにする。
これによって,タングステン棒の針部13はセラミックス
チユーブの薄い層で覆われる。第2図の例ではタングス
テン棒12の外径がセラミックス製のチューブ14の内径よ
りもやや小さく,また,タングステン棒の針部13のテー
パー角度は,セラミックスチユーブの針部15のテーパー
角度よりも鋭角となっているので,タングステンの針部
13がセラミックスチユーブの針部15の内面に接するよう
にタングステン棒にセラミックスチユーブを被着させれ
ば,タングステン棒の針部13の先端中心が,セラミック
スチユーブの針部15の内面中心に自然に整合して接する
ことになる。タングステン棒12の他方の端部16は金属導
体17に導通接続され,この接続は,タングステン棒12よ
りも径大の金属導体17の端部に同心的にタングステン棒
の端部16を緊密に所定の距離だけ挿入することによって
達成される。この金属導体17は絶縁材料例えばガラスの
チユーブ18内に納められ,この絶縁チユーブ18に対して
セラミックスチユーブ14の他方の端部19もシール部材20
を介して接続されている。放電端を被覆するセラミック
スは誘電体材料からなることが必要であり,具体的には
石英,アルミナ,アルミナ−シリカ,耐熱ガラス等のセ
ラミックス材料が使用できるが,石英,特に透明石英が
好適である。タングステン棒の針部13を覆うその厚みは
2mm以下,好ましくは0.5mm以下で0.05mm以上であるのが
よい。そのさい被覆セラミックスも針部(例えば第2図
の15で示すような鋭角的な先端)を有することが必要で
ある。
第3図は,第2図のエミッタ構造物をメイン管3にジ
ヨイント部材23を介して意図する位置に適宜接続した状
態を示しており,これにより,エミッタ2は空気の流れ
の中に空気流れをそれほど乱すことなく配置できる。他
方,対極5はエミッタ2の放電端21から気流の下流側に
斜め方向に配置される。
このようにして,タングステンエミッタ12の放電端13
がセラミックスチユーブ15で被覆されると共に,タング
ステンエミッタ12の金属面が清浄空気の流れの中に露出
しないようにセラミックスチユーブ14でカバーされ,し
かも金属導体17もガラス管等からなる絶縁チユーブ18内
に納められ,第1図のメイン管4も絶縁被覆されるか
ら,放電端はもとより,導線の全体もその金属表面が清
浄空気の流れの中に露出するようなことはない。
一方,対極5も,第4図に示すように,リード線24の
外側に樹脂またはセラミックス薄膜25を被覆したものを
使用する。この薄膜25は放電対を構成するところのみな
らず,清浄空気と触れるところでは全て被覆され,リー
ド線24の金属表面が雰囲気空気と直接的に触れないよう
にする。この薄膜25としては耐薬品性と耐摩耗性に優れ
るものが好ましくフッソ樹脂例えばテフロンが好適であ
る。そのほかにも、ポリプロピレン,ポリエチレン等の
樹脂や石英等であってもよい。これらの材料は,耐薬品
性が要求されるウエハハンドリングに多用されるもので
あり,いずれも絶縁材料である。金属やカーボンが混入
されたいわゆる導電性樹脂,アルカリ金属等の入ったガ
ラス,さらには多孔性の焼結セラミックス等は良くな
い。その理由は,導電性樹脂は酸・アルカリと反応しや
すいし,アルカリ金属類は半導体製造のウエハハンドリ
ングでは極めて有害であり,また多孔性セラミックスは
薬品蒸気が浸透するからである。薄膜25の厚みは薄いほ
ど好ましい。厚みが増すほど後述の第9図や第11図の等
価回路に示す容量C3が小さくなり,放電端と対極表面の
電位差が小さくなってコロナ放電が起こりにくくなる。
またコスト的にも薄いほうが有利である。しかし,薄さ
にも絶縁破壊の強さの点で限界があり,例えばステンレ
ス鋼の母線にテフロンコートした場合を例とすると,該
母線に−500Vの直流を印加したときのテフロンの絶縁破
壊の強さは約20kV・mm-1であるから,テフロンコートの
膜厚は25μm以上は必要であることになる。
なお,対極5は直線状のものに代えて,第5図(a)
や(b)に示すように,ループ状やグリッド状の形状で
あってもよい。この場合,エミッタ2は各ループや格子
の中心部に配置されるのがよい。
以下に,本発明者らの行った代表的な実験結果を挙げ
て本発明の効果を具体的に示す。
第6図に実験設備を示した。第2図のエミッタ2を放
電端が下向きとなるようにメイン管3に垂直に接続す
る。メイン管3はリード線4にテフロン樹脂を被覆した
ものである。エミッタ2の放電端から,第7図に示すよ
うに,Gだけ垂直下方に直線状の放電対極5a,5bを水平に
張り渡す。二本の対極5aと5bはLだけ間隔を開け,その
中央垂直面上にエミッタ2を位置させる。エミッタ2と
対極5a,5bはテフロン樹脂製の支持枠27a,27bによって支
持され,エミッタ2のリード線4は交流高圧電源に接続
され,対極5a,5bのリード線24は直流電源に接続され
る。このように構成されたイオン発生器を垂直気流中に
配置し,下流側(放電端から35cm直下)に設置したイオ
ン濃度計28で気流中のイオン濃度を測定する。
実験は,気流速度:0.4m/s,G=25mm,L=80mmのもとで
行った。
主な実験条件は次のとおりである。
(1).第2図のエミッタのタングステン針12に石英ガ
ラス管14を被着するか,またはしない。
(2).直径3mmのステンレス線からなる対極5a,5bの表
面を70μm厚のテフロン膜で被覆するか,またはしな
い。
(3).エミッタ側に印加する交流電圧にバイアス電圧
を付加するか,しない。付加する場合にはその大きさと
極性を変える。
(4).対極5a,5bを接地するか,または直流電圧を印
加する。印加する場合にはその大きさと極性を変える。
エミッタの石英ガラス被着の有無,対極のテフロン被
覆の有無によって,次の表1に示す4通りの組み合わせ
があり,いずれも実験した。
Aは従来タイプ,Cは特願平1−265189号および特願平
1−265190号に提案したタイプ,BおよびDが本発明の対
象とするものである。
Aタイプのコロナ放電の様子を等価回路で示すと第8
図のようになる。エミッタの放電端で生成した空気イオ
ンは,放電端と対極の間に介在する空気を通過して対極
に到達するイオン量(i1)と,放電端と接地周囲環境
(例えば床とか壁)の間に介在する空気を通過して接地
周囲環境に到達するイオン量(i2)に分かれる。ここ
で,それぞれの介在空気は容量C1と抵抗R1の並列回路
と,容量C2と抵抗R2の並列回路とで表される。高圧交流
電源T1はエミッタに交流の高電圧を印加するためのもの
であり,直流電源T2は+,−いずれかの極性の直流電圧
を対極に印加するためのものである。
Bタイプのコロナ放電の様子を等価回路で示すと第9
図のようになる。Aタイプと異なるのは,対極に被覆し
たテフロン皮膜の容量C3が新たに加わる点である。
Cタイプのコロナ放電の様子を等価回路で示すと第10
図のようになる。Aタイプ異なるのは,エミッタに被着
した石英薄膜の容量C4が新たに加わる点である。
Dタイプのコロナ放電の様子を等価回路で示すと第11
図にようになる。Aタイプと異なるのは,対極に被覆し
たテフロン皮膜の容量C3と,エミッタに被着した石英薄
膜の容量C4が新たに加わる点である。
これらA〜Dタイプについて,表2に示した電圧を印
加して実験を行ない,実験番号1〜8について測定され
たイオン濃度の分布を第12図〜第19図に示した。なお,
エミッタ側には11.5kVの交流電圧を印加したうえで,表
示のバイアス電圧を印加した。
これらの実験結果から次のことがわかる。
実験1(第12図) Aタイプにおいて,対極の直流電圧Ve=0ボルト(ア
ースした状態)とし,エミッタ側に1.15kVの交流電圧を
印加し,その交流電圧にバイアス電圧VBを−1.0〜+1.8
kVまで変化させて印加したものであるが(雰囲気温度22
℃,相対温度54%),第12図にみられるように,VB=+
0.5kVにおいて正と負の発生イオン量はバランスとして
いる。正と負のバイアス電圧VBを適当に設定すれば,ほ
とんど正イオンのみ,ほとんど負イオンのみを発生させ
ることも可能である。ただし,この場合にはエミッタか
らの発塵と対極の発錆の問題があることは既述のとおり
である。
実験2(第13図) Aタイプにおいて,エミッタ側に11.5kVの交流電圧を
印加したがバイアス電圧VBを0kVとし,対極側の直流電
圧Veを−1000V〜+1000Vに変化させた(雰囲気温度22
℃,相対湿度54%)。第13図の結果に見られるように,V
e=+200Vにおいて正と負の発生イオン量はバランスし
ている。正と負の直流電圧Veを適当に設定すればほとん
ど正イオンのみ,ほとんど負イオンのみを発生させるこ
とも可能である。ただし,この場合もエミッタからの発
塵と対極の発錆の問題はつきまとう。
実験3(第14図) Bタイプにおいて,対極の直流電圧Ve=0ボルト(ア
ースした状態)とし,エミッタ側に11.5kVの交流電圧を
印加し,その交流電圧にバイアス電圧VBを−1.0〜+1.8
kVまで変化させて印加したものであるが(雰囲気温度22
℃,相対温度54%),第14図にみられるように,VB=+
0.68kVにおいて正と負の発生イオン量はバランスとして
いる。正と負のバイアス電圧VBを適当に設定すれば,ほ
とんど正イオンのみ,ほとんど負イオンのみを発生させ
ることも可能である。この場合にはエミッタからの発塵
の問題があるが,対極は耐薬品性を示し,発錆に基づく
発塵は防止される。
実験4(第15図) Bタイプにおいて,エミッタ側に11.5kVの交流電圧を
印加したがバイアス電圧VBを0kVとし,対極側の直流電
圧Veを−1000V〜+1000Vに変化させた(雰囲気温度22
℃,相対湿度54%)。第15図の結果に見られるように,
負イオンの発生量は正イオンの発生量の約2倍から4倍
もあり,直流電圧Veをコントロールしても,正と負の発
生イオン量をバランスさせることは不可能である。
実験5(第16図) Cタイプにおいて,対極の直流電圧Ve=0ボルト(ア
ースした状態)とし,エミッタ側に11.5kVの交流電圧を
印加し,その交流電圧にバイアス電圧VBを−4〜+4kV
まで変化させて印加したものであるが(雰囲気温度21.6
℃,相対温度53%),第16図にみられるように,VB=−
3.3kVにおいて正と負の発生イオン量はバランスしてい
る。VBが正に偏るほど正イオンが過剰に発生し,ほとん
ど正イオンのみを発生させることは可能であるが,ほと
んど負イオンのみを発生させることは不可能である。こ
の場合には,エミッタの発塵の問題は解消されるが,対
極の発錆の問題が残る。
実験6(第17図) Cタイプにおいて,エミッタ側に11.5kVの交流電圧を
印加したがバイアス電圧VBを0kVとし,対極側の直流電
圧Veを−1000V〜+1000Vに変化させた(雰囲気温度21.6
℃,相対湿度53%)。第17図の結果に見られるように,V
e=−270Vにおいて正と負の発生イオン量はバランスし
ている。正と負の直流電圧Veを適当に設定すればほとん
ど正イオンのみ,ほとんど負イオンのみを発生させるこ
とも可能である。ただし,この場合にも対極の発錆の問
題はつきまとう。
実験7(第18図) Dタイプにおいて,対極の直流電圧Ve=0ボルト(ア
ースした状態)とし,エミッタ側に11.5kVの交流電圧を
印加し,その交流電圧にバイアス電圧VBを−4〜+4kV
まで変化させて印加したものであるが(雰囲気温度21.6
℃,相対温度53%),第18図にみられるように,VB=+
0.27kVにおいて正と負の発生イオン量はバランスしてい
る。正と負のバイアス電圧VBを適当に設定すれば,正イ
オンを過剰に,或いは負イオンを過剰に発生することが
可能であるが,ほとんど負イオンのみ,またはほとんど
正イオンのみを発生させることは不可能である。この場
合には,エミッタの発塵の問題も対極の発錆の問題も解
消する。
実験8(第19図) Dタイプにおいて,エミッタ側に11.5kVの交流電圧を
印加したがバイアス電圧VBは0kVとし,対極側の直流電
圧Veを−1000V〜+1000Vに変化させた(雰囲気温度21.6
℃,相対湿度53%)。第19図の結果に見られるように,V
e=0Vにおいて正と負の発生イオン量はバランスしてい
る。正と負の直流電圧Veを適当に設定すればほとんど正
イオンのみ,ほとんど負イオンのみを発生させることも
可能である。そして,エミッタの発塵の問題も対極の発
錆の問題も解消する。
以上のように,エミッタ側の石英被着の有無,対極側
のテフロン被着の有無によって,また,エミッタ側に印
加する交流電圧にバイアスを付加した場合,或いは対極
側に直流電圧を印加した場合等において,各々発生する
正イオンと負イオンの濃度は興味深い互いに異なった挙
動をとるが,BタイプおよびDタイプの対極にテフロン膜
を施したものでも,正と負の発生イオン量をバランスさ
せることが可能であり,またその比を適当に調整するこ
ともできることが明らかとなった。
第20図は,気流速度を変化させた場合(0.2m/s〜0.5m
/s)に,正と負のイオン発生量がバランスする対極側の
直流電圧Veと,その際のバランスしたイオン濃度がどの
ように変化するかを,CタイプとDタイプについて調べた
結果(雰囲気温度21.6℃,相対温度53%)を示したもの
であり,気流速度以外の実験条件は第12図〜第19図と同
様である。
第20図の結果に見られるように,正負イオン濃度のバ
ランス時の発生イオン量については,Dタイプ(テフロン
被膜有り)はCタイプ(テフロン被膜無し)の半分強で
ある。しかしCタイプ(テフロン被膜無し)では,気流
速度の変化(0.2m/s〜0.5m/s)に応じて対極の直流電圧
Veを−195Vから−300Vに変える必要があるのに対し,Dタ
イプ(テフロン被膜有り)ではVeは全く変化する必要は
ない。つまり,気流速度が変化する一般の使用条件下に
おいては,Cタイプでは気流速度の変化毎に対極側の直流
電圧Veの調節が不可欠であるのに対してDタイプではこ
のような調節は一切必要ない。例えば,Cタイプにおいて
気流速度=0.2m/s,Ve=−195Vの条件下で正負イオン濃
度がバランスしている状態から,気流速度=0.5m/s,Ve
=195Vの条件に急に変化すると,正イオンがたちまち過
剰になって放電対極から1mも離れた位置に置かれた4イ
ンチのシリコンウエハですら,+50Vの表面電位が残留
する。一方,Dタイプでは一度対極側の直流電圧Veを調節
してしまえば,気流速度が0.2m/sから0.5m/sに変化して
も正負イオン濃度のバランスは全く崩れず,気流速度の
変化毎のVeの調節という面倒な作業は省略できる。この
効果は放電対極にテフロンコーテングしたことで生じた
と言える。
このようにして,本発明に従うイオン発生器を,例え
ば半導体製造プロセスのウエハエッチング工程等の薬品
蒸気が存在する清浄空間に適用しても,対極側に耐薬品
性の絶縁被覆が施されているのでこれが発錆して有害物
質の発塵源となることが防止できると共に,正イオンと
負イオンがバランスしたイオン空気を帯電物品に供給す
ることができるので,超清浄度が要求される最近のクリ
ーンルーム内での除電設備として極めて有益である。
【図面の簡単な説明】
第1図は,本発明に従うイオン発生器の放電極(エミッ
タ)と対極の配置例を示す斜視図,第2図は,本発明に
従うエミッタの例を示す断面図,第3図は,本発明に従
うエミッタをメイン管に接続する状態を示した略正面
図,第4図は対極の部分切欠拡大図,第5図(a)は対
極の他の配置例を示す部分斜視図,第5図(b)の対極
のさらに他の配置例を示す部分斜視図,第6図は本文記
載の実験に使用した実験設備の示す図,第7図は該実験
におけるエミッタと対極との位置関係を示す図,第8図
は本文のAタイプのイオン発生器の等価回路図,第9図
は本文のBタイプのイオン発生器の等価回路図,第10図
は本文のCタイプのイオン発生器の等価回路図,第11図
は本文のDタイプのイオン発生器の等価回路図,第12図
の本文の実験No.1の結果を示す正負イオン濃度とエミッ
タ側バイアス電圧との関係図,第13図は実験No.2の結果
を示す正負イオン濃度と対極側直流電圧との関係図,第
14は実験No.3の結果を示す正負イオン濃度とエミッタ側
バイアス電圧との関係図,第15図は実験No.4の結果を示
す正負イオン濃度と対極側直流電圧との関係図,第16図
は実験No.5の結果を示す正負イオン濃度とエミッタ側バ
イアス電圧との関係図,第17図は実験No.6の結果を示す
正負イオン濃度と対極側直流電圧との関係図,第18図は
実験No.7の結果を示す正負イオン濃度とエミッタ側バイ
アス電圧との関係図,第19図は実験No.8の結果を示す正
負イオン濃度と対極側直流電圧との関係図,第20図は気
流速度を変化させた場合に,正と負のイオン発生量がバ
ランスする対極側の直流電圧Veと,その際のバランスし
たイオン濃度がどのように変化するかを,CタイプとDタ
イプについて調べた結果を示した図である。 2……エミッタ, 3……メイン管 4……メイン管のリード線, 5……対極, 12……タングステン棒, 14……セラミックス(石英ガラス)製のチューブ, 18……保護カバー, 25……対極の絶縁薄膜, 24……対極のリード線。

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】針状の放電極に交流の高電圧を印加してコ
    ロナ放電を行わせる交流式イオン発生器を,フイルタを
    通過した清浄空気の流れの中に設置し,このイオン発生
    器によってイオン化された空気の流れを下流側に存在す
    る静電気を帯びた物体に供給することにより,該帯電物
    体上の静電気を中和する設備において, 該放電極の放電端に対して所定の距離を離して接地され
    たまたは直流電圧が印加される導電性の対極が空気中に
    配置され, この導電性の対極の表面が樹脂またはセラミックスから
    なる誘電体材料の薄膜で被覆されており, 該放電極と該対極とからなる放電対が前記の清浄空気の
    流れを横切る方向に二次元的な拡がりをもって多数配置
    されていることを特徴とする清浄空間に存在する帯電物
    品の除電設備。
  2. 【請求項2】該針状の放電極は,その放電端がセラミッ
    クスの誘電体材料で被覆されると共に,該放電極の金属
    面が該清浄空気の流れの中に露出しないように非金属材
    料で覆われている請求項1に記載の除電設備。
  3. 【請求項3】多数の放電対のうち,或る放電対の放電極
    が,マイナスのバイアス電圧が付加された交流の高電圧
    電源に接続され,他の放電対の放電極が,前記のマイナ
    スのバイアス電圧よりもプラスの側に偏ったバイアス電
    圧が付加された交流の高電圧電源に接続され,両者の放
    電対が前記の二次元的な拡がりをもった配置のなかで分
    散して配置されている請求項1または2に記載の除電設
    備。
  4. 【請求項4】多数の放電対のうち,或る放電対の対極が
    プラス側に偏った直流電源に接続され,他の放電対の対
    極がマイナス側に偏った直流電源に接続され,両者の放
    電対が前記の二次元的な拡がりをもった配置のなかで分
    散して配置されている請求項1または2に記載の除電設
    備。
  5. 【請求項5】清浄空間は半導体製造のための空間である
    請求項1,2,3または4に記載の除電設備。
  6. 【請求項6】放電極の放電端を被覆する誘電体材料は石
    英である請求項2,3,4または5に記載の除電設備。
  7. 【請求項7】対極の表面を被覆する誘電体材料はフッ素
    樹脂である請求項1,2,3,4,5または6に記載の除電設
    備。
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