JP2589757B2 - コンクリートの品質試験方法および品質管理方法 - Google Patents
コンクリートの品質試験方法および品質管理方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はコンクリートの品質試験方法および品質管理
方法に係り、特にコンクリートーが固まらない状態での
ワーカビリテイを的確に判定し得る品質試験方法および
この品質試験方法を利用した高強度コンクリートの品質
管理方法に関するものである。
方法に係り、特にコンクリートーが固まらない状態での
ワーカビリテイを的確に判定し得る品質試験方法および
この品質試験方法を利用した高強度コンクリートの品質
管理方法に関するものである。
[従来の技術] コンクリートの充填性や圧送性等を示すワーカビリテ
イは、高さ30cm、上面の内径10cm、下面の内径20cmの鉄
製コーンの中に測定しようとするコンクリートを充填
し、コーンを静かに鉛直に引き上げたときのコンリート
上面の沈下量を測定することにより判定するのが通例で
ある(JIS A 1101)。この試験は、スランプ試験と
呼ばれ、沈下量をcm単位で表わした数値はスランプ値と
呼ばれる。また、このスランプ試験は、コンクリートの
単位水量の変動に比較的敏感に反応する(例えば、スラ
ンプ値1cmの変動は、2〜3kg/m3の単位水量の変動に相
当する)ため、このスランプ値によりコンクリートの水
セメント比で代表される品質の変動のおよその度合を判
定することができ、同時に型枠の中への充填性等の施工
性についてもおよその目安を得ることができる。スラン
プ試験は、極めて簡便なワーカビリテイの試験方法であ
り、スランプ値によってコンクリートの品質や施工性の
品質管理を行うことができる。
イは、高さ30cm、上面の内径10cm、下面の内径20cmの鉄
製コーンの中に測定しようとするコンクリートを充填
し、コーンを静かに鉛直に引き上げたときのコンリート
上面の沈下量を測定することにより判定するのが通例で
ある(JIS A 1101)。この試験は、スランプ試験と
呼ばれ、沈下量をcm単位で表わした数値はスランプ値と
呼ばれる。また、このスランプ試験は、コンクリートの
単位水量の変動に比較的敏感に反応する(例えば、スラ
ンプ値1cmの変動は、2〜3kg/m3の単位水量の変動に相
当する)ため、このスランプ値によりコンクリートの水
セメント比で代表される品質の変動のおよその度合を判
定することができ、同時に型枠の中への充填性等の施工
性についてもおよその目安を得ることができる。スラン
プ試験は、極めて簡便なワーカビリテイの試験方法であ
り、スランプ値によってコンクリートの品質や施工性の
品質管理を行うことができる。
一方、スランプ試験とは別の建築物に用いるコンクリ
ートを対象とした試験方法として中央に鉛直の仕切り板
を設けた箱の片側にコンクリートを充填した後、仕切り
板をある高さまで引き上げ、そのときのコンクリートの
変形量からワーカビリテイを判定する試験方法が横山や
佐治等によって提案されており、実験室での研究に用い
られている(コンクリートジヤーナル Vol.5,NO.10,Oc
d,1967)。
ートを対象とした試験方法として中央に鉛直の仕切り板
を設けた箱の片側にコンクリートを充填した後、仕切り
板をある高さまで引き上げ、そのときのコンクリートの
変形量からワーカビリテイを判定する試験方法が横山や
佐治等によって提案されており、実験室での研究に用い
られている(コンクリートジヤーナル Vol.5,NO.10,Oc
d,1967)。
[発明が解決しようとする課題] しかしながら、スランプ試験およびスランプ試験以外
の試験方法も含めて、一般的にはワーカビリテイの試験
方法が適用できるコンクリートには、性質にある領域が
存在し、あらする性質のコンクリートのワーカビリテイ
を測定しうることは困難である。従来のスランプ試験
は、相当広い範囲のコンクリートに対応できる試験方法
であるが、スランプ値がゼロのような著しく固いコンク
リートや逆にスランプ値21cmを上まわるような流動性の
高いコンクリートのワーカビリテイのスランプ値による
測定は困難である。スランプ試験はコーンに充填された
コンクリートの自重によって変形した後の形状を測定す
る、すなわち粘塑性体の降伏値を測定するものであり、
粘性に関与する性質は何ら測定していないため、高強度
コンクリートで粘性が増大し、粘性の大小が施工性を左
右するようなコンクリートのワーカビリテイを測定する
ことはできない。従ってこのような高強度のコンクリー
トでは、水セメント比で代表されるコンクリートの品質
や施工性の変動をスランプ試験によって管理することは
不可能であり、この種のコンクリートをスランプ値のみ
で管理しようとすれば重大な品質上や施工性における変
動を見逃しいたり、誤った管理上の判断を下すことにな
る。また、先に述べたスランプ試験以外に提案されてい
る試験方法も、スランプ試験同様基本的にはコンクリー
トの降伏値を測定しているため、粘性が施工上問題とな
る高強度コンクリートのワーカビリテイを判定すること
はできない。降状値と粘性係数との二つのパラメータに
より支配される性質を有する粘塑性体である、まだ固ま
らないコンクリートのワーカビリテイを試験するのに、
従来のスランプ試験は基本的には降伏値のみを測定する
ものであり、粘性の高い高強度コンクリートの品質判定
には降伏値と粘性を同時に測定することが必要である。
従って、本発明は、降伏値の粘性とを同時に測定できる
簡便なコンクリートの品質試験方法を提供すると共に降
伏値と粘性との同時測定による試験方法を利用したコン
クリートの品質管理方法を提供しようとするものであ
る。
の試験方法も含めて、一般的にはワーカビリテイの試験
方法が適用できるコンクリートには、性質にある領域が
存在し、あらする性質のコンクリートのワーカビリテイ
を測定しうることは困難である。従来のスランプ試験
は、相当広い範囲のコンクリートに対応できる試験方法
であるが、スランプ値がゼロのような著しく固いコンク
リートや逆にスランプ値21cmを上まわるような流動性の
高いコンクリートのワーカビリテイのスランプ値による
測定は困難である。スランプ試験はコーンに充填された
コンクリートの自重によって変形した後の形状を測定す
る、すなわち粘塑性体の降伏値を測定するものであり、
粘性に関与する性質は何ら測定していないため、高強度
コンクリートで粘性が増大し、粘性の大小が施工性を左
右するようなコンクリートのワーカビリテイを測定する
ことはできない。従ってこのような高強度のコンクリー
トでは、水セメント比で代表されるコンクリートの品質
や施工性の変動をスランプ試験によって管理することは
不可能であり、この種のコンクリートをスランプ値のみ
で管理しようとすれば重大な品質上や施工性における変
動を見逃しいたり、誤った管理上の判断を下すことにな
る。また、先に述べたスランプ試験以外に提案されてい
る試験方法も、スランプ試験同様基本的にはコンクリー
トの降伏値を測定しているため、粘性が施工上問題とな
る高強度コンクリートのワーカビリテイを判定すること
はできない。降状値と粘性係数との二つのパラメータに
より支配される性質を有する粘塑性体である、まだ固ま
らないコンクリートのワーカビリテイを試験するのに、
従来のスランプ試験は基本的には降伏値のみを測定する
ものであり、粘性の高い高強度コンクリートの品質判定
には降伏値と粘性を同時に測定することが必要である。
従って、本発明は、降伏値の粘性とを同時に測定できる
簡便なコンクリートの品質試験方法を提供すると共に降
伏値と粘性との同時測定による試験方法を利用したコン
クリートの品質管理方法を提供しようとするものであ
る。
[課題を解決するための手段] 上記目的を達成するためには第1の発明は、貯留部に
コンクリートを貯留した後、貯留部の下部側面にコンク
リートの降伏値と粘性とを分離して測定可能な寸法に設
けられた開口部を開放し、貯留したコンクリートを自重
によって開口部から水平の一方向の開口部の形状に規制
して流動させたときの、貯留部におけるコンクリートの
沈下量または開口部から流動したコンクリートの水平方
向の移動量と、コンクリートの流動速度とを測定してコ
ンクリートの降伏値と粘性とに関する品質試験を行うこ
とを特徴とする。
コンクリートを貯留した後、貯留部の下部側面にコンク
リートの降伏値と粘性とを分離して測定可能な寸法に設
けられた開口部を開放し、貯留したコンクリートを自重
によって開口部から水平の一方向の開口部の形状に規制
して流動させたときの、貯留部におけるコンクリートの
沈下量または開口部から流動したコンクリートの水平方
向の移動量と、コンクリートの流動速度とを測定してコ
ンクリートの降伏値と粘性とに関する品質試験を行うこ
とを特徴とする。
また第2の発明は、高強度コンクリートの水セメント
比と施工性の変動とを、請求項(1)記載の品質試験方
法によって判定して品質管理を行うことを特徴とする。
比と施工性の変動とを、請求項(1)記載の品質試験方
法によって判定して品質管理を行うことを特徴とする。
[作用] スランプ試験は、コーンに充填したたコンクリートが
コーンを引き上げた後に自重によって変形した変形量に
より降伏値を測定している。従って、降伏値と粘性の同
時測定を行う本発明においても降伏値はコンクリートの
自重により変形量の測定するのが好ましい。しかし、変
形量の測定のみではコンクリートの粘性を測定すること
はできない。
コーンを引き上げた後に自重によって変形した変形量に
より降伏値を測定している。従って、降伏値と粘性の同
時測定を行う本発明においても降伏値はコンクリートの
自重により変形量の測定するのが好ましい。しかし、変
形量の測定のみではコンクリートの粘性を測定すること
はできない。
ところで、まだ固まらないコンクリートの粘塑性体と
しての性質は、第4図に示す特性を有するビンガム流体
には近似している。図中の直線部は、せん断応力τと歪
速度とが比例する領域であり、流体の粘性はこの部分
の勾配により定まる。従って、ビンガム流体に近似した
コンクリートの粘性を測定しようとすれば、コンクリー
トを流動させたときの力と変形速度との関係を測定すれ
ばよい。ただし、コーンにコンクリートを充填してコー
ンを引き上げ、自重により変形させる場合には、加わる
力はコンクリートの密度が同じあればコンクリートの性
質が変化しても殆ど変わらないと考えれるので、ある形
状から自重により変形するときの変形速度を測定すれ
ば、粘性に対応した性質を測定できることになる。
しての性質は、第4図に示す特性を有するビンガム流体
には近似している。図中の直線部は、せん断応力τと歪
速度とが比例する領域であり、流体の粘性はこの部分
の勾配により定まる。従って、ビンガム流体に近似した
コンクリートの粘性を測定しようとすれば、コンクリー
トを流動させたときの力と変形速度との関係を測定すれ
ばよい。ただし、コーンにコンクリートを充填してコー
ンを引き上げ、自重により変形させる場合には、加わる
力はコンクリートの密度が同じあればコンクリートの性
質が変化しても殆ど変わらないと考えれるので、ある形
状から自重により変形するときの変形速度を測定すれ
ば、粘性に対応した性質を測定できることになる。
従って、本発明では、貯留部にコンクリートを貯留し
た後貯留部の下部側面にコンクリートの降伏値と粘性と
を分離して測定可能な寸法に設けられた開口部を開放
し、貯留したコンクリートを自重によって開口部から水
平の一方向に開口部の形状に規制して流動させたとき
の、貯留部におけるコンクリートの沈下量または開口部
から流動したコンクリートの水平方向の移動量を測定す
ることにより降伏値を測定し、コンクリートの流動速度
を測定することにより粘性を測定して、コンクリートの
降伏値と粘性と同時に測定するようにしている。
た後貯留部の下部側面にコンクリートの降伏値と粘性と
を分離して測定可能な寸法に設けられた開口部を開放
し、貯留したコンクリートを自重によって開口部から水
平の一方向に開口部の形状に規制して流動させたとき
の、貯留部におけるコンクリートの沈下量または開口部
から流動したコンクリートの水平方向の移動量を測定す
ることにより降伏値を測定し、コンクリートの流動速度
を測定することにより粘性を測定して、コンクリートの
降伏値と粘性と同時に測定するようにしている。
本発明における貯留部のコンクリートの沈下量または
流動部におけるコンクリート移動量は降伏状に対応する
パラメータであり、従来のスランプ試験におけるスラン
プ値に相当するものである。また流動速度は粘性を表わ
すパラメータであり、この流動速度は、コンクリートが
移動した距離をそれまでに要した時間で除算した値また
は変形開始からある一定の距離を通過するまでに要した
時間でこの一定の距離を除算した値によって求めること
ができる。
流動部におけるコンクリート移動量は降伏状に対応する
パラメータであり、従来のスランプ試験におけるスラン
プ値に相当するものである。また流動速度は粘性を表わ
すパラメータであり、この流動速度は、コンクリートが
移動した距離をそれまでに要した時間で除算した値また
は変形開始からある一定の距離を通過するまでに要した
時間でこの一定の距離を除算した値によって求めること
ができる。
なお、上記の原理によって変形量(沈下量または移動
量)と変形速度とを測定しようとする場合、(1)コン
クリートの変形時間を測定可能な範囲となるようにでき
るだけ長くすること、(2)コンクリートの変形開始と
変形終了の状態が明確に判定できること、(3)自重に
よる変形のみを生じさせるために試験時に自重以外の力
がコンクリートに作用しないこと、の三つの条件を満足
していることが好ましい。
量)と変形速度とを測定しようとする場合、(1)コン
クリートの変形時間を測定可能な範囲となるようにでき
るだけ長くすること、(2)コンクリートの変形開始と
変形終了の状態が明確に判定できること、(3)自重に
よる変形のみを生じさせるために試験時に自重以外の力
がコンクリートに作用しないこと、の三つの条件を満足
していることが好ましい。
上記の試験方法によれば、粘性の高い高強度コンクリ
ート(例えば、圧縮強度350kg/cm2以上)の降伏値と粘
性とを測定できるので、水セメント比と施行性の変動と
を判定して品質管理を行うことができる。
ート(例えば、圧縮強度350kg/cm2以上)の降伏値と粘
性とを測定できるので、水セメント比と施行性の変動と
を判定して品質管理を行うことができる。
[実施例] 以下図面を参照して本発明の実施例を詳細に説明す
る。まず本発明の品質試験方法を実施するための試験装
置について説明する。
る。まず本発明の品質試験方法を実施するための試験装
置について説明する。
この試験装置は、第1図に示すようにL字型の筐体と
して構成されている。この筐体は、貯留部として作用す
る鉛直部10および流動部として作用する水平部12とを備
えている。鉛直部10の上端は開放しており、鉛直部10の
下部側面に相当する部分には開口16が穿設されている。
鉛直部10には、鉛直部10の側面に沿って移動可能な仕切
板14が収容されており、この仕切板14によって開口16が
閉鎖されている。水平部12の上面は開放しており、底面
には第2図に示すように開口16の位置を零点とする目盛
が付されている。このL型筐体の各寸法は第3図に示す
通りである(単位はmm)。この試験装置を用いてコンク
リートの品質試験を行うには、仕切板14によって開口16
を閉鎖した状態で鉛直部10に所定量のコンクリートを充
填し、次に仕切板14を鉛直方向に引き上げてコンクリー
トを鉛直部10下部の開口16から水平部12に流動させる。
このときコンクリートの変形開始時点は、仕切板14を引
き上げた時点、コンクリートの変形が終了する時点は水
平部12でのコンクリートの移動が停止した時点であり、
両者とも明確に判別することができる。また、コンクリ
ートの変形は、仕切板14を引き上げたときに開口16から
のみ進行するものであり、このL字形状はコンクリート
の変形が終了するまでの時間を長くするのに極めて有効
な形である。さらに、変形を開始させるときにコンクリ
ートに作用する自重以外の力は、仕切板14を引き上げる
ときの力のみであり、コンクリートに対する外力の作用
を極めて小さくすることができる。そして、コンクリー
トの変形が終了した時点の水平部12におけるコンクリー
トの移動量を測定することにより降伏値を求めることが
できる。なお、鉛直部10におけるコンクリートの沈下量
を測定して降伏値を求めてもよい。また、仕切板14を引
き上げた時点からコンクリートの移動が停止するまでの
時間を測定し、上記移動量(または沈下量)をこの時間
で除算することによりコンクリートの流動速度を測定し
て粘性を求めることができる。以下では、この移動量
(または沈下量)をL型スランプ値という。なお、仕切
板14の位置から一定距離をコンクリートが通過するまで
の時間を測定し、この一定の距離を時間で除算すること
により流動速度を求めるようにしてもよい。粘性を示す
パラメータである変形速度を測定する場合には、測定誤
差を小さくするためにコンクリートの変形が終了した時
点の移動距離をそれまでに要した時間で除算する方が好
ましい。
して構成されている。この筐体は、貯留部として作用す
る鉛直部10および流動部として作用する水平部12とを備
えている。鉛直部10の上端は開放しており、鉛直部10の
下部側面に相当する部分には開口16が穿設されている。
鉛直部10には、鉛直部10の側面に沿って移動可能な仕切
板14が収容されており、この仕切板14によって開口16が
閉鎖されている。水平部12の上面は開放しており、底面
には第2図に示すように開口16の位置を零点とする目盛
が付されている。このL型筐体の各寸法は第3図に示す
通りである(単位はmm)。この試験装置を用いてコンク
リートの品質試験を行うには、仕切板14によって開口16
を閉鎖した状態で鉛直部10に所定量のコンクリートを充
填し、次に仕切板14を鉛直方向に引き上げてコンクリー
トを鉛直部10下部の開口16から水平部12に流動させる。
このときコンクリートの変形開始時点は、仕切板14を引
き上げた時点、コンクリートの変形が終了する時点は水
平部12でのコンクリートの移動が停止した時点であり、
両者とも明確に判別することができる。また、コンクリ
ートの変形は、仕切板14を引き上げたときに開口16から
のみ進行するものであり、このL字形状はコンクリート
の変形が終了するまでの時間を長くするのに極めて有効
な形である。さらに、変形を開始させるときにコンクリ
ートに作用する自重以外の力は、仕切板14を引き上げる
ときの力のみであり、コンクリートに対する外力の作用
を極めて小さくすることができる。そして、コンクリー
トの変形が終了した時点の水平部12におけるコンクリー
トの移動量を測定することにより降伏値を求めることが
できる。なお、鉛直部10におけるコンクリートの沈下量
を測定して降伏値を求めてもよい。また、仕切板14を引
き上げた時点からコンクリートの移動が停止するまでの
時間を測定し、上記移動量(または沈下量)をこの時間
で除算することによりコンクリートの流動速度を測定し
て粘性を求めることができる。以下では、この移動量
(または沈下量)をL型スランプ値という。なお、仕切
板14の位置から一定距離をコンクリートが通過するまで
の時間を測定し、この一定の距離を時間で除算すること
により流動速度を求めるようにしてもよい。粘性を示す
パラメータである変形速度を測定する場合には、測定誤
差を小さくするためにコンクリートの変形が終了した時
点の移動距離をそれまでに要した時間で除算する方が好
ましい。
第5図は、第3図に示した寸法の試験装置を用いて第
1表(第16頁)に示す水セメント比30、35、40%のコン
クリートの水平部12における変形速度(以下、L型フロ
ー速度という)を測定したときの水セメント比とL型フ
ロー速度との関係を示す線図である。第5図の測定値
は、L型スランプ値17〜23cmの測定値のみをプロツトし
ているが、L型スランプ値が著しく変わらない、すなわ
ち降伏値が大きく変わらない条件下では、このL型フロ
ー速度は水セメント比が小さくなるにしたがって小さく
なっている。すなわちL型フロー速度は粘性が高くなる
にしたがって小さくなる傾向を示している。本発明の敷
け方法によってL型スランプ値とL型フロー速度との両
方を測定すれば、水セメント比40%を下回る高強度コン
クリートであってもコンクリートの水セメント比の変動
を簡便に判定できるものであり、コンクリートの水セメ
ント比により代表される品質の管理をこの試験により行
うことができる。
1表(第16頁)に示す水セメント比30、35、40%のコン
クリートの水平部12における変形速度(以下、L型フロ
ー速度という)を測定したときの水セメント比とL型フ
ロー速度との関係を示す線図である。第5図の測定値
は、L型スランプ値17〜23cmの測定値のみをプロツトし
ているが、L型スランプ値が著しく変わらない、すなわ
ち降伏値が大きく変わらない条件下では、このL型フロ
ー速度は水セメント比が小さくなるにしたがって小さく
なっている。すなわちL型フロー速度は粘性が高くなる
にしたがって小さくなる傾向を示している。本発明の敷
け方法によってL型スランプ値とL型フロー速度との両
方を測定すれば、水セメント比40%を下回る高強度コン
クリートであってもコンクリートの水セメント比の変動
を簡便に判定できるものであり、コンクリートの水セメ
ント比により代表される品質の管理をこの試験により行
うことができる。
上記と同一条件下における従来のスランプ試験の測定
値を第6図に示す。図から理解されるように、従来のス
ランプ試験では、水セメント比の変化に対してスランプ
値の変化傾向が一定でないため、スランプ値によって水
セメント比の相違による施工性の変動を捕えることがで
きない。また本発明の試験により降伏値と粘性との両方
を測定することにより、スランプ値が同一であっも粘性
の相違するコンクリートを識別できるため、コンクリー
トの充填性に粘性の寄与が高くなる高強度コンクリート
(圧縮強度350kg/cm2以上)の施工性の変動等を管理す
ることが可能となる。
値を第6図に示す。図から理解されるように、従来のス
ランプ試験では、水セメント比の変化に対してスランプ
値の変化傾向が一定でないため、スランプ値によって水
セメント比の相違による施工性の変動を捕えることがで
きない。また本発明の試験により降伏値と粘性との両方
を測定することにより、スランプ値が同一であっも粘性
の相違するコンクリートを識別できるため、コンクリー
トの充填性に粘性の寄与が高くなる高強度コンクリート
(圧縮強度350kg/cm2以上)の施工性の変動等を管理す
ることが可能となる。
上記第1表に示した水セメント比30、35、40%の3種
のコンクリートに、2類の界面活性剤A、Bを種々濃度
を変化させて、添加し本発明の試験を行った。このとき
の水セメント比とL型フロー速度との関係は第7図に示
す通りであり、界面活性剤の種類に拘らず水セメント比
が低下するにしたがってL型フロー速度が小さくなって
いるのが理解できる。しかしながら、界面活性剤Aを添
加したコンクリートと界面活性剤Bを添加したコンクリ
ートのL型フロー速度を比較すると、界面活性剤Bを添
加したコンクリートの方がL型フロー速度が速くなって
おり、この結果粘性が小さいことを測定できる。従っ
て、本発明の試験方法を利用すれば、コンクリートの粘
性が水セメント比や界面活性剤の種類により影響される
度合を定量的に測定することができる。
のコンクリートに、2類の界面活性剤A、Bを種々濃度
を変化させて、添加し本発明の試験を行った。このとき
の水セメント比とL型フロー速度との関係は第7図に示
す通りであり、界面活性剤の種類に拘らず水セメント比
が低下するにしたがってL型フロー速度が小さくなって
いるのが理解できる。しかしながら、界面活性剤Aを添
加したコンクリートと界面活性剤Bを添加したコンクリ
ートのL型フロー速度を比較すると、界面活性剤Bを添
加したコンクリートの方がL型フロー速度が速くなって
おり、この結果粘性が小さいことを測定できる。従っ
て、本発明の試験方法を利用すれば、コンクリートの粘
性が水セメント比や界面活性剤の種類により影響される
度合を定量的に測定することができる。
第8図は従来のスランプ試験におけるスランプ値と本
発明の試験によるL型スランプ値との関係を示すもの
で、スランプ値とL型スランプ値との間には直線的相関
があり、本発明によるL型スランプ値が降伏値(従来の
スランプ値から測定される)に対応するパラメータであ
ることが理解できる。すなわち、本発明の試験方法によ
ってL型フロー試験を行うことにより従来のスランプ試
験と同様降伏値に相当するパラメータも測定することが
できる。
発明の試験によるL型スランプ値との関係を示すもの
で、スランプ値とL型スランプ値との間には直線的相関
があり、本発明によるL型スランプ値が降伏値(従来の
スランプ値から測定される)に対応するパラメータであ
ることが理解できる。すなわち、本発明の試験方法によ
ってL型フロー試験を行うことにより従来のスランプ試
験と同様降伏値に相当するパラメータも測定することが
できる。
次に本発明のL型フロー試験によって第2表に示す水
セメント比37%の高強度コンクリートの品質管理を行っ
た。アジテータカーで運搬された生コンクリート車(総
数20台)が、1台到着する毎に本発明の試験と従来のス
ランプ試験とを行い、同時に塩酸溶解熱法による水セメ
ント比の直接測定を行った。第9図(1)、(2)およ
び(3)は、それぞれL型フロー測定、スランプ値およ
び水セメント比の測定結果をx−Rs管理のx管理図で示
したものである。L型フロー速度は、平均値CL6.2cm/秒
であり、10、11番目の測定値が上側管理限界線UCLを超
えるかまたはそれに近い値を示し、水セメント比が変動
した可能性を示した。しかしながら、スランプ試験によ
るスランプ値では10、11番目の測定値の異常は認められ
なかった。また、同時に実施した水セメント比の直接測
定による測定値は、10、11番目の測定値は30%強であ
り、所定のコンクリートの調合からは明らかに外れてい
ることがわかる。この結果本発明による粘性の測定によ
り建設現場のコンクリートの水セメント比の変動をチェ
ックし、品質管理を行い得ることを示している。また、
従来のスランプ試験によれば、スランプ値の明らかな変
動は全く検出されていないため、この種のコンクリート
の品質を管理することは困難である。
セメント比37%の高強度コンクリートの品質管理を行っ
た。アジテータカーで運搬された生コンクリート車(総
数20台)が、1台到着する毎に本発明の試験と従来のス
ランプ試験とを行い、同時に塩酸溶解熱法による水セメ
ント比の直接測定を行った。第9図(1)、(2)およ
び(3)は、それぞれL型フロー測定、スランプ値およ
び水セメント比の測定結果をx−Rs管理のx管理図で示
したものである。L型フロー速度は、平均値CL6.2cm/秒
であり、10、11番目の測定値が上側管理限界線UCLを超
えるかまたはそれに近い値を示し、水セメント比が変動
した可能性を示した。しかしながら、スランプ試験によ
るスランプ値では10、11番目の測定値の異常は認められ
なかった。また、同時に実施した水セメント比の直接測
定による測定値は、10、11番目の測定値は30%強であ
り、所定のコンクリートの調合からは明らかに外れてい
ることがわかる。この結果本発明による粘性の測定によ
り建設現場のコンクリートの水セメント比の変動をチェ
ックし、品質管理を行い得ることを示している。また、
従来のスランプ試験によれば、スランプ値の明らかな変
動は全く検出されていないため、この種のコンクリート
の品質を管理することは困難である。
[発明の効果] 以上説明したように本発明によれば、コンクリートの
降伏値と粘性と同時に簡便な方法で測定しているため、
ワーカビリテイの判定が困難な高強度コンクリートの試
験においても判定を行うことができる、という効果が得
られる。また、本発明のコンクリートの品質試験を行う
ことにより、高強度コンクリートの品質を簡便な方法で
管理することができる、という効果が得られる。
降伏値と粘性と同時に簡便な方法で測定しているため、
ワーカビリテイの判定が困難な高強度コンクリートの試
験においても判定を行うことができる、という効果が得
られる。また、本発明のコンクリートの品質試験を行う
ことにより、高強度コンクリートの品質を簡便な方法で
管理することができる、という効果が得られる。
第1図は本発明の品質試験方法を実施するための試験装
置の概略図、第2図は第1図の試験装置の一部平面図、
第3図は上記試験装置の寸法を示す説明図、第4図はビ
ンガム流体のせん断応力と歪速度との関係を示す線図、
第5図は水セメント比とL型フロー速度との関係を示す
線図、第6図は水セメント比とスランプ値との関係を示
す線図、第7図は界面活性剤を添加したときの水セメン
ト比とL型フロー速度との関係を示す線図、第8図はス
ランプ値とL型スランプ値との関係を示す線図、第9図
(1)、(2)および(3)はそれぞれL型フロー速
度、スランプ値、水セメント比の変化を示す線図であ
る。 10……鉛直部、 12……水平部、 14……仕切板。
置の概略図、第2図は第1図の試験装置の一部平面図、
第3図は上記試験装置の寸法を示す説明図、第4図はビ
ンガム流体のせん断応力と歪速度との関係を示す線図、
第5図は水セメント比とL型フロー速度との関係を示す
線図、第6図は水セメント比とスランプ値との関係を示
す線図、第7図は界面活性剤を添加したときの水セメン
ト比とL型フロー速度との関係を示す線図、第8図はス
ランプ値とL型スランプ値との関係を示す線図、第9図
(1)、(2)および(3)はそれぞれL型フロー速
度、スランプ値、水セメント比の変化を示す線図であ
る。 10……鉛直部、 12……水平部、 14……仕切板。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三井 健郎 東京都江東区南砂2丁目5番14号 株式 会社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 佐久田 昌治 東京都江東区南砂2丁目5番14号 株式 会社竹中工務店技術研究所内 (72)発明者 奥野 亨 東京都中央区銀座8丁目21番1号 株式 会社竹中工務店東京本店内 (56)参考文献 実開 昭51−30581(JP,U)
Claims (2)
- 【請求項1】貯留部にコンクリートを貯留した後、貯留
部の下部側面にコンクリートの降伏値と粘性とを分離し
て測定可能な寸法に設けられた開口部を開放し、貯留し
たコンクリートを自重によって開口部から水平の一方向
の開口部の形状に規制して流動させたときの、貯留部に
おけるコンクリートの沈下量または開口部から流動した
コンクリートの水平方向の移動量と、コンクリートの流
動速度とを測定してコンクリートの降伏値と粘性とに関
する品質試験を行うことを特徴とするコンクリートの品
質試験方法。 - 【請求項2】高強度コンクリートの水セメント比と施工
性の変動とを、請求項1記載の品質試験方法によって判
定して品質管理を行うことを特徴とするコンクリートの
品質管理方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63129341A JP2589757B2 (ja) | 1988-05-26 | 1988-05-26 | コンクリートの品質試験方法および品質管理方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63129341A JP2589757B2 (ja) | 1988-05-26 | 1988-05-26 | コンクリートの品質試験方法および品質管理方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH01297528A JPH01297528A (ja) | 1989-11-30 |
| JP2589757B2 true JP2589757B2 (ja) | 1997-03-12 |
Family
ID=15007217
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63129341A Expired - Lifetime JP2589757B2 (ja) | 1988-05-26 | 1988-05-26 | コンクリートの品質試験方法および品質管理方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2589757B2 (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008285843A (ja) * | 2007-05-16 | 2008-11-27 | East Nippon Expressway Co Ltd | トンネル覆工コンクリートの施工方法 |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| CN1877291B (zh) | 2006-07-10 | 2010-08-25 | 哈尔滨工业大学 | 检测新拌混凝土充填性能的装置 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS5130581U (ja) * | 1974-08-21 | 1976-03-05 |
-
1988
- 1988-05-26 JP JP63129341A patent/JP2589757B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP2008285843A (ja) * | 2007-05-16 | 2008-11-27 | East Nippon Expressway Co Ltd | トンネル覆工コンクリートの施工方法 |
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH01297528A (ja) | 1989-11-30 |
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