JP2590600B2 - ニッケル基合金圧延クラッド鋼板の製造方法 - Google Patents
ニッケル基合金圧延クラッド鋼板の製造方法Info
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Description
【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明はニッケル基合金圧延クラッド鋼板の製造方法
に関する。
に関する。
[従来の技術] 石油、ガスの生産、精製プラントや脱硫装置等の化学
プラントの反応槽、圧力容器及びその周辺機器は、高
温、高圧、高塩化物濃度、強酸性で、かつ、H2 S、CO2
等の腐食性ガスを含む非常に苛酷な腐食環境に晒される
場合が多い。
プラントの反応槽、圧力容器及びその周辺機器は、高
温、高圧、高塩化物濃度、強酸性で、かつ、H2 S、CO2
等の腐食性ガスを含む非常に苛酷な腐食環境に晒される
場合が多い。
このような環境下では、ニッケル基合金のような耐食
性の高い高合金を使用する必要がある。しかし高合金は
一般的に降伏強度が低いため、ソリッド板では厚肉とな
り、非常に高価になる。したがって、経済性の面からは
クラッド鋼板が適している。
性の高い高合金を使用する必要がある。しかし高合金は
一般的に降伏強度が低いため、ソリッド板では厚肉とな
り、非常に高価になる。したがって、経済性の面からは
クラッド鋼板が適している。
この種の用途に使用するクラッド鋼板は、たとえば、
特開昭62−199719号公報に開示されている様に、圧延接
着、すなわち熱間圧延法によって製造されることが多
い。これを、以後、圧延クラッド鋼板と記す。
特開昭62−199719号公報に開示されている様に、圧延接
着、すなわち熱間圧延法によって製造されることが多
い。これを、以後、圧延クラッド鋼板と記す。
[発明が解決しようとする課題] 上述した圧延クラッド鋼板の製造においては、合せ材
には耐食性が、母材には強度や靭性が要求される。
には耐食性が、母材には強度や靭性が要求される。
圧延クラッド鋼板の用途の拡大とともに、耐食性に対
する要求はより厳しくなる傾向にある。高耐食性の合金
には、たとえば、重量%で(以下、単に%と記す。)M
o:5%以上30%以下、且Mo+Cr≧25%以上を含有するニ
ッケル基合金がある。しかし、この種の合金には、圧延
中や冷却中に耐食性を劣化させる原因となる金属間化合
物が生成するため、圧延と冷却を組合せた加工熱処理法
では耐食性の優れた圧延クラッド鋼板は製造できない。
する要求はより厳しくなる傾向にある。高耐食性の合金
には、たとえば、重量%で(以下、単に%と記す。)M
o:5%以上30%以下、且Mo+Cr≧25%以上を含有するニ
ッケル基合金がある。しかし、この種の合金には、圧延
中や冷却中に耐食性を劣化させる原因となる金属間化合
物が生成するため、圧延と冷却を組合せた加工熱処理法
では耐食性の優れた圧延クラッド鋼板は製造できない。
したがって、合せ材の耐食性を確保するためには、C
r、Moを含む金属間化合物を消滅させる高温加熱と、冷
却中に金属間化合物の形成がないような急冷、すなわ
ち、固溶化熱処理を行なう必要がある。しかし、圧延後
に高温にする固溶化熱処理を行なった場合は、母材の靭
性が低下する。
r、Moを含む金属間化合物を消滅させる高温加熱と、冷
却中に金属間化合物の形成がないような急冷、すなわ
ち、固溶化熱処理を行なう必要がある。しかし、圧延後
に高温にする固溶化熱処理を行なった場合は、母材の靭
性が低下する。
[課題を解決するための手段及び作用] 本発明は上記の問題点の解決を図ったものであり、合
せ材の耐食性と母材の強度、靭性を同時に満足するニッ
ケル基合金圧延クラッド鋼板の製造方法の提供を目的と
しており、 Cr:0.5%以上25%以下、Mo:5%以上30%以下、且Mo+
Cr≧25%を含有したニッケル基合金を鋼板の少なくとも
片面に重ね合わせるクラッド鋼板の合せ材とし、C:0.02
%以上0.05%以下、Si:0.01%以上1.0%以下、Mn:0.80
%以上1.3%以下、P:0.015%以下、S:0.01%以下、Nb:
0.02%以上0.05%以下、Ti:0.005%以上0.03%以下、A
l:0.001%以上0.06%以下、N:0.007%以下を含有し、残
部をFe及び不可避不純物からなる鋼をクラッド鋼板の母
材としたクラッド鋼板の圧延に際し、1100℃以上1250℃
以下に加熱後、900℃以下の圧化率を50%以上とし、終
了温度を700℃以上850℃以下とし、圧延後、合せ材の耐
食性の観点から1100℃以上1250℃以下の温度で固溶化熱
処理を施し、その後1℃/秒以上の速度で冷却するニッ
ケル基合金圧延クラッド鋼板の製造方法であり、 合せ材として重量%で、Cr:0.5%以上25%以下、Mo:5
%以上30%以下、且Mo+Cr≧25%を含有し、更にW:3%
以上10%以下、Co:0.5%以上10%以下、Fe:20%以下の
一種又は二種以上を含有し、残部をNi及び不可避不純物
からなるニッケル基合金を用いることができる。
せ材の耐食性と母材の強度、靭性を同時に満足するニッ
ケル基合金圧延クラッド鋼板の製造方法の提供を目的と
しており、 Cr:0.5%以上25%以下、Mo:5%以上30%以下、且Mo+
Cr≧25%を含有したニッケル基合金を鋼板の少なくとも
片面に重ね合わせるクラッド鋼板の合せ材とし、C:0.02
%以上0.05%以下、Si:0.01%以上1.0%以下、Mn:0.80
%以上1.3%以下、P:0.015%以下、S:0.01%以下、Nb:
0.02%以上0.05%以下、Ti:0.005%以上0.03%以下、A
l:0.001%以上0.06%以下、N:0.007%以下を含有し、残
部をFe及び不可避不純物からなる鋼をクラッド鋼板の母
材としたクラッド鋼板の圧延に際し、1100℃以上1250℃
以下に加熱後、900℃以下の圧化率を50%以上とし、終
了温度を700℃以上850℃以下とし、圧延後、合せ材の耐
食性の観点から1100℃以上1250℃以下の温度で固溶化熱
処理を施し、その後1℃/秒以上の速度で冷却するニッ
ケル基合金圧延クラッド鋼板の製造方法であり、 合せ材として重量%で、Cr:0.5%以上25%以下、Mo:5
%以上30%以下、且Mo+Cr≧25%を含有し、更にW:3%
以上10%以下、Co:0.5%以上10%以下、Fe:20%以下の
一種又は二種以上を含有し、残部をNi及び不可避不純物
からなるニッケル基合金を用いることができる。
また母材にC:0.02%以上0.05%以下、Si:0.01%以上
1.0%以下、Mn:0.80%以上1.3%以下、P:0.015%以下、
S:0.01%以下、Nb:0.02%以上0.05%以下、Ti:0.005%
以上0.03%以下、Al:0.001%以上0.06%以下、N:0.007
%以下を含有し、さらに、Cu:0.1%以上1.0%以下、Ni:
0.1%以上1.0%以下、Mo0.01%以上0.10%以下、V:0.01
%以上0.10%以下の一種または二種以上を含有し、残部
をFe及び不可避不純物からなる鋼を用いることができ
る。
1.0%以下、Mn:0.80%以上1.3%以下、P:0.015%以下、
S:0.01%以下、Nb:0.02%以上0.05%以下、Ti:0.005%
以上0.03%以下、Al:0.001%以上0.06%以下、N:0.007
%以下を含有し、さらに、Cu:0.1%以上1.0%以下、Ni:
0.1%以上1.0%以下、Mo0.01%以上0.10%以下、V:0.01
%以上0.10%以下の一種または二種以上を含有し、残部
をFe及び不可避不純物からなる鋼を用いることができ
る。
第1図は合せ材の耐食性と製造条件との関係を示す図
である。代表的なニッケル基合金である56Ni−16Cr−15
Mo−5Fe−1Co−4W合金を1150〜1250℃に加熱して、1075
゜仕上げの圧延後、20℃/秒で加速冷却した場合(図中
ではTMCPタイプと記している。△印でプロット)と、圧
延後に1120℃で30分保持し、その後0.7℃/秒、1℃/
秒、15℃/秒の冷却速度で冷却する固溶化熱処理を行な
った場合(図中ではSTタイプと記している。順次◎、
○、●印でプロット)の耐食性をストライカー試験と,2
3%H2 SO4−1.2%HCl−FeCl3−CuCl2試験で評価した。
である。代表的なニッケル基合金である56Ni−16Cr−15
Mo−5Fe−1Co−4W合金を1150〜1250℃に加熱して、1075
゜仕上げの圧延後、20℃/秒で加速冷却した場合(図中
ではTMCPタイプと記している。△印でプロット)と、圧
延後に1120℃で30分保持し、その後0.7℃/秒、1℃/
秒、15℃/秒の冷却速度で冷却する固溶化熱処理を行な
った場合(図中ではSTタイプと記している。順次◎、
○、●印でプロット)の耐食性をストライカー試験と,2
3%H2 SO4−1.2%HCl−FeCl3−CuCl2試験で評価した。
TMCPタイプの場合の合せ材の耐食性は、1250℃加熱を
した場合も、固溶化熱処理を行なった場合に比較して劣
っている。また、固溶化熱処理を行なった場合も、0.7
℃/秒で冷却した場合は、1℃/秒以上で冷却した場合
と比較して耐食性が劣っている。
した場合も、固溶化熱処理を行なった場合に比較して劣
っている。また、固溶化熱処理を行なった場合も、0.7
℃/秒で冷却した場合は、1℃/秒以上で冷却した場合
と比較して耐食性が劣っている。
耐食性の劣っていた場合の合金には、電子顕微鏡観察
により、圧延中や冷却中に生じたと考えられるCr、Moを
多く含む金属間化合物が確認された。この金属間化合物
により耐食性が低下したと考えられ、したがって、この
ような多量のCr、Moを含有するニッケル基合金圧延クラ
ッド鋼板を、低温で圧延すること、すなわち、加工熱処
理法により製造することが困難なこと、および、高温で
の固溶化熱処理の必要性を再確認した。
により、圧延中や冷却中に生じたと考えられるCr、Moを
多く含む金属間化合物が確認された。この金属間化合物
により耐食性が低下したと考えられ、したがって、この
ような多量のCr、Moを含有するニッケル基合金圧延クラ
ッド鋼板を、低温で圧延すること、すなわち、加工熱処
理法により製造することが困難なこと、および、高温で
の固溶化熱処理の必要性を再確認した。
高温での固溶化熱処理を必須とした場合は、当然それ
に対応する母材の開発、すなわち、最適成分や最適圧延
条件、固溶化熱処条件の検討が必要である。以下にその
詳細を述べる。
に対応する母材の開発、すなわち、最適成分や最適圧延
条件、固溶化熱処条件の検討が必要である。以下にその
詳細を述べる。
以後、供試鋼の成分についての実験No.は、鋼No.で表
示し、処理条件の実験No.は条件No.で示す。
示し、処理条件の実験No.は条件No.で示す。
第2図にC量と機械的性質との関係を示す。●印はNb
系鋼、■印はNb−Mo系鋼、▲印はNb−V系鋼である。第
1表に示す鋼No.1〜No.10を1200℃に加熱し、1000℃で
圧延を終了後、空冷した鋼板を再度1120℃に昇温し、30
分保持後18℃/秒で冷却した。
系鋼、■印はNb−Mo系鋼、▲印はNb−V系鋼である。第
1表に示す鋼No.1〜No.10を1200℃に加熱し、1000℃で
圧延を終了後、空冷した鋼板を再度1120℃に昇温し、30
分保持後18℃/秒で冷却した。
Nb系、Nb−Mo系、Nb−V系のいずれにおいても、C量
を0.05%(一点鎖線)以下にし、固溶化熱処理時に上部
ベイナイトが生成しない成分にすると靭性は顕著に向上
する。一方、強度を確保する観点からは、C量は0.020
%以上は必要である。したがって、C量は0.020%以上
0.05%以下とする。
を0.05%(一点鎖線)以下にし、固溶化熱処理時に上部
ベイナイトが生成しない成分にすると靭性は顕著に向上
する。一方、強度を確保する観点からは、C量は0.020
%以上は必要である。したがって、C量は0.020%以上
0.05%以下とする。
第3図にNb量と機械的性質との関係を示す。第2表に
示す鋼No.11〜鋼No.15を1200℃に加熱し、1000℃で圧延
を終了後、空冷した鋼板を再度1120℃に昇温し、30分保
持後16℃/秒で冷却した。
示す鋼No.11〜鋼No.15を1200℃に加熱し、1000℃で圧延
を終了後、空冷した鋼板を再度1120℃に昇温し、30分保
持後16℃/秒で冷却した。
Nbは圧延時にC、Nと共に、微細なNb(C、N)とし
て析出し、γ→α変態で生成するフェライト粒を微細化
して靭性を向上させるが、Nb量が0.02%未満の場合は、
Nbと結びつかないC量が増え、組織は上部ベイナイト単
相となり、強度は著しく高く、また靭性も低くなる。
て析出し、γ→α変態で生成するフェライト粒を微細化
して靭性を向上させるが、Nb量が0.02%未満の場合は、
Nbと結びつかないC量が増え、組織は上部ベイナイト単
相となり、強度は著しく高く、また靭性も低くなる。
Nb量を0.02%以上にすると、強度は適当な値となり、
靭性も向上する。一方、Nb量が0.05%を超えると析出物
が増加し靭性が低下する。したがって、Nb量は0.02%以
上0.05%以下(2本の一点鎖線の間)とする。
靭性も向上する。一方、Nb量が0.05%を超えると析出物
が増加し靭性が低下する。したがって、Nb量は0.02%以
上0.05%以下(2本の一点鎖線の間)とする。
第4図にMn量と機械的性質との関係を示す。第3表に
示す鋼No.16〜No.19を1200℃に加熱し、900℃以下での
圧下率を50%とする圧延を870℃で終了する制御圧延の
後、空冷し、再度1200℃の昇温し、30分保持後20℃/秒
で冷却した。Mn量を1.30%以下にすると靭性は向上す
る。一方、脱酸と強度の確保のためには、Mn量は0.80%
以上は必要である。したがって、0.80%以上1.30%以下
とする。
示す鋼No.16〜No.19を1200℃に加熱し、900℃以下での
圧下率を50%とする圧延を870℃で終了する制御圧延の
後、空冷し、再度1200℃の昇温し、30分保持後20℃/秒
で冷却した。Mn量を1.30%以下にすると靭性は向上す
る。一方、脱酸と強度の確保のためには、Mn量は0.80%
以上は必要である。したがって、0.80%以上1.30%以下
とする。
その他の成分の限定理由を以下に述べる。
Siは脱酸のため、0.010%以上必要である。一方、1.0
%を超えると,熱間加工性に有害である。したがって、
0.010%以上1.0%以下とする。
%を超えると,熱間加工性に有害である。したがって、
0.010%以上1.0%以下とする。
Pは靭性を劣化させる。その悪影響は0.015%を越え
ると顕著になる。したがって、0.015%以下とする。
ると顕著になる。したがって、0.015%以下とする。
Sは主として介在物となり靭性を著しく劣化させる。
その悪影響は0.01%を越えると顕著になる。したがっ
て、0.01%以下とする。
その悪影響は0.01%を越えると顕著になる。したがっ
て、0.01%以下とする。
TiはNを固定し、TiNとして析出してフェライト粒を
微細化し、靭性を向上させる。そのためには、0.005%
以上必要である。一方、0.03%を超えると靭性が低下す
る。したがって、0.005%以上0.03%以下とする。
微細化し、靭性を向上させる。そのためには、0.005%
以上必要である。一方、0.03%を超えると靭性が低下す
る。したがって、0.005%以上0.03%以下とする。
Alは脱酸剤として必要な元素であるが、含有量が0.00
1%未満の場合は効果がない。一方、0.06%を超えると
靭性に有害である。したがって、0.001%以上0.06以下
とする。
1%未満の場合は効果がない。一方、0.06%を超えると
靭性に有害である。したがって、0.001%以上0.06以下
とする。
Nは強度を上げるが、0.007%を超えると靭性を低下
させる。したがって、0.007%以下とする。
させる。したがって、0.007%以下とする。
CuとNiは強度及び靭性を向上させる元素である。いず
れも、0.1%未満の場合は十分な効果が得られない。一
方、Cuが1.0%超えると、熱間加工性を悪化させる。ま
た、Niを1.0%を超えて含有させることは経済性の観点
から得策でない。したがって、CuおよびNi量は、0.1%
以上1.0%以下の範囲で必要に応じて添加できるものと
する。
れも、0.1%未満の場合は十分な効果が得られない。一
方、Cuが1.0%超えると、熱間加工性を悪化させる。ま
た、Niを1.0%を超えて含有させることは経済性の観点
から得策でない。したがって、CuおよびNi量は、0.1%
以上1.0%以下の範囲で必要に応じて添加できるものと
する。
Mo、Vは固溶化熱処理後の母材の強度と靭性を向上さ
せる元素である。しかし、いずれも、0.01%未満ではそ
の効果が得られず、一方、0.10%を超えると靭性を下げ
る。したがって、いずれも、0.01%以上0.10%以下の範
囲で、必要に応じて添加できるものとする。
せる元素である。しかし、いずれも、0.01%未満ではそ
の効果が得られず、一方、0.10%を超えると靭性を下げ
る。したがって、いずれも、0.01%以上0.10%以下の範
囲で、必要に応じて添加できるものとする。
次に圧延、熱処理等の条件について述べる。
第5図に圧延条件と機械的性質との関係を示す。鋼N
o.16を用いており、1200℃に加熱し1000℃で圧延を終
了後空冷、1200℃に加熱し900℃以下の圧下率を50%
とし、850℃で圧延を終了後空冷、1200℃に加熱し900
℃以下の圧下率を50%とし、800℃で圧延終了後空冷、
1200℃に加熱し900℃以下の圧下率を65%とし、800℃
で圧延を終了後空冷し、さらに、それらの鋼板を1120℃
にし、30分保持後、18℃/秒で冷却した。
o.16を用いており、1200℃に加熱し1000℃で圧延を終
了後空冷、1200℃に加熱し900℃以下の圧下率を50%
とし、850℃で圧延を終了後空冷、1200℃に加熱し900
℃以下の圧下率を50%とし、800℃で圧延終了後空冷、
1200℃に加熱し900℃以下の圧下率を65%とし、800℃
で圧延を終了後空冷し、さらに、それらの鋼板を1120℃
にし、30分保持後、18℃/秒で冷却した。
900℃以下での圧下率を50%以上とする制御圧延材
は、1000℃で圧延を終了後、空冷した鋼板に比較して靭
性が優れている。また、同一の圧下率の場合には、終了
温度が低い場合に靭性が優れている。一方、ニッケル基
合金は加工性が低く、終了温度を700℃より低くする
と、合せ材が圧延中に割れる。したがって、圧延条件は
900℃以下の圧下率を50%以上とし、終了温度を700℃以
上850℃以下とした。
は、1000℃で圧延を終了後、空冷した鋼板に比較して靭
性が優れている。また、同一の圧下率の場合には、終了
温度が低い場合に靭性が優れている。一方、ニッケル基
合金は加工性が低く、終了温度を700℃より低くする
と、合せ材が圧延中に割れる。したがって、圧延条件は
900℃以下の圧下率を50%以上とし、終了温度を700℃以
上850℃以下とした。
第6図に900℃以下における圧下率および圧延終了温
度と、TS・vTrs・組織との関係を示す。いずれも、固溶
化熱処理後のおける値または状態である。900℃以下で
の圧下率を大きく、また、圧延終了温度を低くすること
により、固溶化熱処理後の母材の靭性は向上する。
度と、TS・vTrs・組織との関係を示す。いずれも、固溶
化熱処理後のおける値または状態である。900℃以下で
の圧下率を大きく、また、圧延終了温度を低くすること
により、固溶化熱処理後の母材の靭性は向上する。
これは固溶化熱処理前の制御圧延により、圧延組織が
極めて微細なフェライト組織になり、固溶化熱処理時の
オーステナイト変態の核発生箇所が多くなり、変態生成
するオーステナイト粒が多くなり、その結果、オーステ
ナイトの平均粒径が微細化し、その後の急速冷却時の母
材の焼き入れ性が抑えられ、微細な擬ポリゴナルフェラ
イトが多く発生し、靭性を悪化させる上部ベイナイトの
生成が抑制されるためである。
極めて微細なフェライト組織になり、固溶化熱処理時の
オーステナイト変態の核発生箇所が多くなり、変態生成
するオーステナイト粒が多くなり、その結果、オーステ
ナイトの平均粒径が微細化し、その後の急速冷却時の母
材の焼き入れ性が抑えられ、微細な擬ポリゴナルフェラ
イトが多く発生し、靭性を悪化させる上部ベイナイトの
生成が抑制されるためである。
上記した様に、本発明ではMn量を抑えた成分系として
おり、機械的性質を確保するためには、未再結晶域での
圧下率と終了温度の制御が重要である。一方、合せ材の
耐食性の確保のためには、加熱温度をある程度高くする
必要がある。加熱温度が1100℃未満の場合は、Cr、Moを
含む金属間化合物が完全には固溶せず、合せ材の耐食性
が確保できない。
おり、機械的性質を確保するためには、未再結晶域での
圧下率と終了温度の制御が重要である。一方、合せ材の
耐食性の確保のためには、加熱温度をある程度高くする
必要がある。加熱温度が1100℃未満の場合は、Cr、Moを
含む金属間化合物が完全には固溶せず、合せ材の耐食性
が確保できない。
固溶加熱処理温度を1100℃以上としたのも同じ理由で
ある。冷却温度を1℃/秒以上としたのは、1℃/秒未
満の場合は、冷却中に金属間化合物が生成し、合せ材の
耐食性が劣化するためである。
ある。冷却温度を1℃/秒以上としたのは、1℃/秒未
満の場合は、冷却中に金属間化合物が生成し、合せ材の
耐食性が劣化するためである。
[実施例] 以下に本発明の実施例を説明する。
(実施例1) 第4表に、本発明が規定する母材の成分を待つ鋼No.2
1、鋼No.25、及び本発明の規定する母材の成分範囲を外
れる鋼No.20、鋼No.22〜No.24、鋼No.26の成分、およ
び、それらの鋼に、56.3Ni−16.5Cr−15.2Mo−4.8Fe−
1.2Co−4.5Wニッケル基合金に重ね、1200℃に加熱後、9
00℃以下の圧下率が50%の圧下をし、800℃で圧延を終
了後、1120℃で30分保持し、その後18℃/秒で冷却した
場合の母材の靭性示した。仕上板厚は、合せ材3mm、母
材17mmの合計20mmである。
1、鋼No.25、及び本発明の規定する母材の成分範囲を外
れる鋼No.20、鋼No.22〜No.24、鋼No.26の成分、およ
び、それらの鋼に、56.3Ni−16.5Cr−15.2Mo−4.8Fe−
1.2Co−4.5Wニッケル基合金に重ね、1200℃に加熱後、9
00℃以下の圧下率が50%の圧下をし、800℃で圧延を終
了後、1120℃で30分保持し、その後18℃/秒で冷却した
場合の母材の靭性示した。仕上板厚は、合せ材3mm、母
材17mmの合計20mmである。
鋼No.20及び鋼No.24はC量が上限値0.05%を越えてお
り、vE−46℃は、0.5kgf・mおよび1.7kgf・mと低い。
Mn量が上限値を越えている鋼No.22および鋼No.26も、vE
−46℃は1.3kgf・m、1.2kgf・mと低い。鋼No.23はNb
量が下限値未満のため、vE−46℃が、0.3kgf・mと低
い。これに対して鋼No.21はvE−46℃が、40.3kgf・m、
鋼No.25は38.2kgf・mと非常に良好である。
り、vE−46℃は、0.5kgf・mおよび1.7kgf・mと低い。
Mn量が上限値を越えている鋼No.22および鋼No.26も、vE
−46℃は1.3kgf・m、1.2kgf・mと低い。鋼No.23はNb
量が下限値未満のため、vE−46℃が、0.3kgf・mと低
い。これに対して鋼No.21はvE−46℃が、40.3kgf・m、
鋼No.25は38.2kgf・mと非常に良好である。
(実施例2) 第5表に、本発明の規定する成分条件を満たす鋼No.2
1と鋼No.25の成分と、それらに69.5Ni−0.8Cr−27.9Mo
−1.3Fe−0.5Coニッケル基合金に重ね、種々の条件下
で、20mm(合せ材3mm、母材17mm)、30mm(合せ材7mm、
母材23mm)に圧延した後、1120℃で30分保持し、18℃/
秒で冷却した場合の母材の靭性値を示す。
1と鋼No.25の成分と、それらに69.5Ni−0.8Cr−27.9Mo
−1.3Fe−0.5Coニッケル基合金に重ね、種々の条件下
で、20mm(合せ材3mm、母材17mm)、30mm(合せ材7mm、
母材23mm)に圧延した後、1120℃で30分保持し、18℃/
秒で冷却した場合の母材の靭性値を示す。
条件2は圧延終了温度が、本発明が規定する圧延終了
温度範囲である700℃以上850℃以下を外れている。また
条件4、5は加熱温度が本発明が規定する温度範囲であ
る1150℃以上1250℃以下を外れている。また、条件7は
900℃以下での圧下率50%を満足していない。これらの
条件下で、製造した鋼板のvE−46℃は、いずれも2.0kgf
・m以下と低い。
温度範囲である700℃以上850℃以下を外れている。また
条件4、5は加熱温度が本発明が規定する温度範囲であ
る1150℃以上1250℃以下を外れている。また、条件7は
900℃以下での圧下率50%を満足していない。これらの
条件下で、製造した鋼板のvE−46℃は、いずれも2.0kgf
・m以下と低い。
これに対して本発明の条件を満足している条件1、
6、8による鋼板は、いずれもvE−46℃が20.0kgf・m
以上と良好である。
6、8による鋼板は、いずれもvE−46℃が20.0kgf・m
以上と良好である。
(実施例3) 第6表に、鋼No.27〜No.32鋼の成分と、それらに43.7
Ni−22.3Cr−6.8Mo−19.4Fe−4.7Co−1.3Wニッケル基合
金に重ね、1200℃に加熱し、900℃以下で圧下率50%の
圧下を加え、800℃で圧延を終了後、1120℃で保持し、1
8℃/秒で冷却した場合の母材の靭性値を示す。仕上げ
板厚は合わせ材3mm母材17mmの合計20mmである。
Ni−22.3Cr−6.8Mo−19.4Fe−4.7Co−1.3Wニッケル基合
金に重ね、1200℃に加熱し、900℃以下で圧下率50%の
圧下を加え、800℃で圧延を終了後、1120℃で保持し、1
8℃/秒で冷却した場合の母材の靭性値を示す。仕上げ
板厚は合わせ材3mm母材17mmの合計20mmである。
鋼No.27および鋼No.28はMoを、また鋼No.30および鋼N
o.31はVを本発明の規定する範囲内で含有している。他
の成分も、本発明の規定範囲内であり、vE−46℃はいず
れも15kgf・m以上と良好である。これに対して、C量
が上限値を越えている、鋼No.29および鋼No.32のvE−46
℃は、2.0kgf・m以下と著しく低い。
o.31はVを本発明の規定する範囲内で含有している。他
の成分も、本発明の規定範囲内であり、vE−46℃はいず
れも15kgf・m以上と良好である。これに対して、C量
が上限値を越えている、鋼No.29および鋼No.32のvE−46
℃は、2.0kgf・m以下と著しく低い。
以上に述べた様に、母材の成分及び固溶化熱処理前の
圧延条件、固溶化熱処理温度、冷却速度を限定すること
により、高強度で靭性の優れた母材と、優れた耐食性を
持つ合せ材よりなるニッケル基合金圧延クラッド鋼板を
製造することができる。
圧延条件、固溶化熱処理温度、冷却速度を限定すること
により、高強度で靭性の優れた母材と、優れた耐食性を
持つ合せ材よりなるニッケル基合金圧延クラッド鋼板を
製造することができる。
なお、本発明においては、母材と合せ材の中間に、Fe
箔やNi箔の一種あるいは二種を中間材として挿むことに
より、母材から合せ材へのCの拡散を防ぎ、炭化物形成
による合せ材の耐食性の低下を防止できる。
箔やNi箔の一種あるいは二種を中間材として挿むことに
より、母材から合せ材へのCの拡散を防ぎ、炭化物形成
による合せ材の耐食性の低下を防止できる。
[発明の効果] 母材の成分及び固溶化熱処理前の圧延条件、固溶化熱
処理温度、冷却速度を最適範囲に限定する本発明の完成
により、従来は不可能とされていた、高強度で靭性の優
れた母材と、耐食性に優れた合せ材よりなるニッケル基
合金圧延クラッド鋼板の製造が初めて可能となった。こ
の圧延クラッド鋼板を用いることによる経済的効果は極
めて大きい。
処理温度、冷却速度を最適範囲に限定する本発明の完成
により、従来は不可能とされていた、高強度で靭性の優
れた母材と、耐食性に優れた合せ材よりなるニッケル基
合金圧延クラッド鋼板の製造が初めて可能となった。こ
の圧延クラッド鋼板を用いることによる経済的効果は極
めて大きい。
第1図は合せ材の耐食性に及ぼす製造条件の影響を示す
図である。第2図は母材のC量と機械的性質との関係を
示す図である。第3図は母材のNb量と機械的性質との関
係を示す図である。第4図は母材のMn量と機械的性質と
の関係を示す図である。第5図は圧延条件と機械的性質
との関係を示す図である。第6図は900℃以下での圧下
率・圧延終了温度と固溶化熱処理後のTS・vTrs・組織と
の関係を示す図である。
図である。第2図は母材のC量と機械的性質との関係を
示す図である。第3図は母材のNb量と機械的性質との関
係を示す図である。第4図は母材のMn量と機械的性質と
の関係を示す図である。第5図は圧延条件と機械的性質
との関係を示す図である。第6図は900℃以下での圧下
率・圧延終了温度と固溶化熱処理後のTS・vTrs・組織と
の関係を示す図である。
Claims (3)
- 【請求項1】重量%でCr:0.5%以上25%以下、Mo:5%以
上30%以下、且Mo+Cr≧25%を含有したニッケル基合金
を鋼板の少なくとも片面に重ね合わせるクラッド鋼板の
合せ材とし、重量%でC:0.02%以上0.05%以下、Si:0.0
1%以上1.0%以下、Mn:0.80%以上1.3%以下、P:0.015
%以下、S:0.01%以下、Nb:0.02%以上0.05%以下、Ti:
0.005%以上0.03%以下、Al:0.001%以上0.06%以下、
N:0.007%以下を含有し、残部をFe及び不可避不純物か
らなる鋼をクラッド鋼板の母材としたクラッド鋼板の圧
延に際し、1100℃以上1250℃以下に加熱後、900℃以下
の圧下率を50%以上とし、終了温度を700℃以上850℃以
下とし、圧延後、1100℃以上1250℃以下の温度で固溶化
熱処理を施し、その後1℃/秒以上の速度で冷却するこ
とを特徴とするニッケル基合金圧延クラッド鋼板の製造
方法。 - 【請求項2】合せ材が重量%で、Cr:0.5%以上25%以
下、Mo:5%以上30%以下、且Mo+Cr≧25%を含有し、更
にW:3%以上10%以下、Co:0.5%以上10%以下、Fe:20%
以下の一種又は二種以上を含有し、残部をNi及び不可避
不純物からなるニッケル基合金としたことを特徴とする
請求項1記載のニッケル基合金圧延クラッド鋼板の製造
方法。 - 【請求項3】母材が重量%で、C:0.02%以上0.05%以
下、Si:0.01%以上1.0%以下、Mn:0.80%以上1.3%以
下、P:0.015%以下、S:0.01%以下、Nb:0.02%以上0.05
%以下、Ti:0.005%以上0.03%以下、Al:0.001%以上0.
06%以下、N:0.007%以下を含有し、さらに、Cu:0.1%
以上1.0%以下、Ni:0.1%以上1.0%以下、Mo:0.01%以
上0.10%以下、V:0.01%以上0.10%以下の一種または二
種以上を含有し、残部をFe及び不可避不純物からなる鋼
としたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載
のニッケル基合金圧延クラッド鋼板の製造方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2247856A JP2590600B2 (ja) | 1990-09-18 | 1990-09-18 | ニッケル基合金圧延クラッド鋼板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2247856A JP2590600B2 (ja) | 1990-09-18 | 1990-09-18 | ニッケル基合金圧延クラッド鋼板の製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04128314A JPH04128314A (ja) | 1992-04-28 |
| JP2590600B2 true JP2590600B2 (ja) | 1997-03-12 |
Family
ID=17169667
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2247856A Expired - Lifetime JP2590600B2 (ja) | 1990-09-18 | 1990-09-18 | ニッケル基合金圧延クラッド鋼板の製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2590600B2 (ja) |
-
1990
- 1990-09-18 JP JP2247856A patent/JP2590600B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04128314A (ja) | 1992-04-28 |
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