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JP2592565B2 - ビーフエキスの製造方法 - Google Patents
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JP2592565B2 - ビーフエキスの製造方法 - Google Patents

ビーフエキスの製造方法

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JP2592565B2
JP2592565B2 JP4071667A JP7166792A JP2592565B2 JP 2592565 B2 JP2592565 B2 JP 2592565B2 JP 4071667 A JP4071667 A JP 4071667A JP 7166792 A JP7166792 A JP 7166792A JP 2592565 B2 JP2592565 B2 JP 2592565B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ビーフエキスの製造
方法に関し、詳しくは、各種調理食品や調味料に、独特
の旨みを付与するのに用いられるビーフエキスを製造す
る方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ビーフエキスは、缶詰やレトルトパック
入りのスープ、即席ラーメン用の調味料、各種のソース
など、各種の調理食品およびその材料に、独特の旨みを
付与するために利用されており、このような調理食品の
消費拡大に伴って、その需要が増大している。
【0003】従来、ビーフエキスの製造方法としては、
牛肉を原料としてコンビーフやボイルドビーフを製造す
る際に、牛肉を煮た液が残るので、この煮汁を原料とし
て濃縮あるいは精製して、ビーフエキスすなわちビーフ
ミートエキスを製造していた。
【0004】また、上記ビーフミートエキスに似た製品
として、ビーフボーンエキスがある。これは、原料とし
て、牛骨を用い、この牛骨を加圧条件下で100〜12
0℃程度の高温で加熱することにより、骨に含まれるタ
ンパク質成分などを抽出したものである。但し、ビーフ
ボーンエキスは、ビーフミートエキスに比べて、その原
料および製造方法が異なることにより、旨みの点では明
らかに劣るものであった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところが、前記したビ
ーフミートエキスは、原料の確保が十分に行えず、安定
した生産が困難で、価格的にも高くつくという欠点があ
った。
【0006】前記したように、ビーフミートエキスは、
コンビーフやボイルドビーフ製造の際の副産物である煮
汁を原料にしているので、コンビーフ等の生産量が変動
すると、ビーフミートエキスの生産量も増減することに
なる。コンビーフ等の需給がだぶついて、コンビーフ等
の生産が削減されると、ビーフミートエキスも製造でき
なくなり、ビーフミートエキスの価格が高騰する結果を
招く。すなわち、ビーフミートエキスの生産および価格
が、ビーフミートエキス自体の需要に関係なく、コンビ
ーフ等の生産や需給に左右されるのであり、ビーフミー
トエキスの生産量および価格が安定せず、ビーフミート
エキスの利用拡大を阻害する原因になっていた。
【0007】これに対し、前記したビーフボーンエキス
は、比較的安定して原料が得られる牛骨を用いているの
で、原料の確保は容易で生産量や価格も安定している。
しかし、ビーフボーンエキスは、旨みの点では、ビーフ
ミートエキスに比べて数段劣るので、比較的低級な調理
食品等に利用することはあっても、味が重要視される高
級な調理食品等では、ビーフボーンエキスをビーフミー
トエキスの代用にすることは出来なかった。
【0008】そこで、この発明の課題は、従来のビーフ
ミートエキスに比べて、旨みの点で遜色のないビーフエ
キスを、供給量の安定した原料から、効率的に得る方法
を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、従来のビ
ーフボーンエキスが、ビーフミートエキスに比べて、旨
みが劣る原因を研究した結果、ビーフボーンエキスに
は、牛肉本来の旨みを与える有効成分のほかに、ゼラチ
ン成分あるいは骨髄に含まれる成分等が大量に含まれて
いることが判明した。これらのゼラチン成分などが、旨
みを損なっていたものと考えられる。したがって、ビー
フボーンすなわち牛骨を原料にしても、ゼラチン成分な
どが含まれないようにして、牛肉の旨みに関与する有効
成分のみを抽出できれば、従来のコンビーフ等の煮汁を
原料とするビーフミートエキスと同等の品質を備えたビ
フエキスが得られることになる。本発明者らは、牛骨
を原料として、その抽出条件を種々変更して、得られる
抽出液の成分を分析し、従来のビーフミートエキスと同
等の旨みを発揮できる抽出液が得られる抽出条件を見出
し、この発明を完成したものである。
【0010】そこで、上記課題を解決する、この発明に
かかるビーフエキスの製造方法は、小さく砕いたビーフ
ボーンに水を加えて、75〜85℃で加熱抽出する。ビ
ーフボーンとは、従来、ビーフボーンエキスを製造する
のに用いられていたものと同様の牛骨である。牛骨に
は、部位によって様々な品質あるいは形状のものがある
が、この発明では、何れの部位の牛骨も利用できる。牛
骨は、解体後の時間が短い新鮮なもののほうが、品質の
良好なビーフエキスが得られ、好ましいものとなる。ま
た、牛骨に付着している肉の量が多いものほど、良好な
ビーフエキスが得られる。
【0011】ビーフボーンは小さく砕いて使用する。具
体的には、長さ1〜30cm程度に砕いたものが用いら
れ、好ましくは長さ3〜10cmに細かく砕いたものが用
いられる。通常は、ビーフボーンを小さく砕いておくほ
ど、ビーフエキスの抽出効率が向上するが、細かく砕き
すぎたものは、抽出作業が行い難かったり、不純物が抽
出されやすくなる。例えば、後述する向流抽出法を適用
する場合、ビーフボーンの移動を行い易くするには、ビ
ーフボーンが小さ過ぎるのは好ましくなく、適度な大き
さが必要であり、長さ3〜10cm程度が望ましい。
【0012】抽出は、基本的には、各種食品原料などに
おける天然材料からの抽出方法や装置が適用できる。具
体的には、ビーフボーンに水を加えて加熱し、ビーフボ
ーンに含まれる成分を水に抽出し、この抽出液を濃縮し
て、ビーフエキス製品を得る。
【0013】この発明では、抽出温度を、75〜85℃
の比較的低温範囲で行う。抽出温度が高すぎると、旨み
成分以外の旨みを損なう成分が大量に抽出され、抽出温
度が低すぎると、旨み成分自体の抽出効率が低くなって
しまう。また、従来、ビーフボーンエキスの製造方法と
して、加圧抽出を行う方法もあるが、この方法も旨みを
損なう成分が抽出され易くなるので、この発明では加圧
抽出は好ましくない。
【0014】抽出時間は、短ければ、有効成分が十分に
抽出されず、長すぎても、もはや有効成分の抽出率は増
えない。好ましい抽出時間は、ビーフボーンや水の量、
抽出温度、抽出方法などの条件によっても異なるが、通
常1〜4時間程度である。
【0015】抽出は、容器内にビーフボーンを収容し
て、水を加えて一定時間加熱を行う方法や、容器に水を
一定量づつ連続的に供給しながら加熱抽出を行う方法な
ども採用できるが、水とビーフボーンの両方を連続的に
一定量づつ供給しながら加熱抽出を行う方法が好まし
い。
【0016】特に、向流抽出法が好ましい。向流抽出法
とは、抽出筒の一端にビーフボーンを供給して、順次他
端側へと送る。この他端側からは水を供給して、抽出筒
内で水およびビーフボーンを加熱して抽出を行い、抽出
液は、前記一端側から回収する。すなわち、抽出筒内
で、水とビーフボーンが互いに逆方向に移動しながら、
加熱抽出が進行するのである。向流抽出法に用いる装置
は、従来、各種の原料に対する向流抽出に利用されてい
たものと同様の構造を備えた抽出装置が用いられる。向
流抽出装置の抽出筒には、スクリューコンベア機構な
ど、ビーフボーンを移動させる機構を備えておく。
【0017】抽出の際に、加える水の量は、前記した各
種の抽出方法の違いによっても異なるが、ビーフボーン
の体積の約2倍〜1/3程度の水を用いるのが好まし
い。水が少なすぎると抽出効率が悪くなり、水が多すぎ
ると、抽出液を濃縮してビーフエキス製品を得るのに手
間がかかる。
【0018】抽出液は、荒濾過、加熱、遠心分離その
他、通常の精製および濃縮処理工程を経て、ビーフエ
ス製品が得られる。各処理工程の具体的な方法や処理装
置は、通常の各種抽出方法および装置と同様でよい。
【0019】
【作用】ビーフボーンには、牛肉の旨みのもとになるア
ミノ酸、ペプチド、有機酸、核酸などの有効成分ととも
に、ゼラチン成分や骨髄の成分などが含まれている。こ
のようなビーフボーンに対して、従来のビーフボーンエ
キスの抽出条件のような加圧および100〜120℃も
の高温での抽出を行うと、前記旨み成分以外の成分が多
量に抽出されてしまい、本来のビーフミートエキスに比
べて品質に劣るものとなる。
【0020】これに対し、この発明のように、75〜8
5℃で抽出を行うと、前記旨み成分以外の成分はほとん
ど抽出されないとともに、目的とする有効成分は十分効
率良く抽出されてくる。その結果、得られた抽出液から
は、従来のビーフミートエキスに比べて遜色のない品質
良好なビーフエキスが得られるのである。ビーフボーン
を小さく砕いておくと、抽出時に、水と接触するビーフ
ボーンの表面積が増大し、加熱および抽出が効率的に行
われるので、比較的低い温度で抽出を行っても、抽出率
が良好になる。
【0021】この発明の方法では、原料として、安定供
給の可能なビーフボーンを用いるので、生産量および価
格が安定する。
【0022】また、抽出方法として向流抽出法を採用し
た場合、従来のバッチ式の抽出方法等に比べて、抽出効
率が格段に向上する。これは、向流抽出法では、まず、
有効成分の含有率の高い供給直後のビーフボーンには、
ある程度有効成分が抽出された状態の抽出液が接触す
る。ビーフボーンと抽出液との有効成分の含有量の差に
もとづいて、ビーフボーンから抽出液に有効成分が抽出
されるので、この段階でも、有効成分を大量に含有する
ビーフボーンから抽出液に、有効成分の抽出が良好に行
われる。その後、ビーフボーンが移動するにつれて、ビ
ーフボーンの有効成分が抽出され、ビーフボーン内の有
効成分濃度は減るが、ビーフボーンに接触する水も、比
較的新しい抽出濃度の低い水になるので、抽出作用は良
好に行われる。すなわち、向流抽出法では、ビーフボー
ンと水が接触する何れの段階でも、ビーフボーンから水
への有効成分の抽出が良好に行われるのであり、その結
果、前記したような低温における抽出であっても、抽出
効率の高い抽出が行われるのである。
【0023】
【実施例】−従来技術との比較− <ビーフエキスの製造> ビーフボーンを、粉砕機(ホーライ株式会社製)で3〜
6cmの大きさに粉砕した。粉砕したビーフボーン250
g、水500gを容量1リットルのビーカーに入れて加
熱抽出を行った。抽出温度は、60〜100℃であっ
た。抽出時間は、各供試液が設定温度に到達してから1
〜4時間であった。抽出終了後、常法により、荒濾過を
行って抽出残渣を取り除いた。次いで、加熱処理(90
℃以上、10分間)を行い、不溶性タンパク質を除去し
た。遠心分離(10,000rpm 、10分間)を行った
後、Brix70まで濃縮した。比較のために、牛肉を25
0g用意し、これと水500gを容量1リットルのビー
カーに入れ、沸騰温度で2時間加熱して、抽出を行っ
た。その後の処理は、前記実施例と同様に行った(比較
例5)。
【0024】<ビーフエキスの品質評価> 従来、ビーフボーンエキス製品の品質評価は、ビーフボ
ーンエキス中の総クレアチニン量(クレアチンとクレア
チニンの総和)を測定することにより行われている。総
クレアチニンは、生体内において、ほとんど筋肉中に存
在するので、これを定量することによって、牛肉中の成
分がどれだけ含まれているかが判る。そして、総クレア
チン量が多いほど、旨みが優れたものになることが判っ
ている。そこで、これに準じて、前記で得られたビー
キスの総クレアチニン量を定量した。定量方法は、ア
ルカリピクレート法を用いた。比較のために、市販のビ
ーフボーンエキスについても、同様の試験を行った(比
較例6)。表1および表2に試験結果を示している。
【0025】
【表1】 ───────────────────────────────── 抽出温度 抽出時間 原料に対する 固形分に対する 固形分回収率 総クレアチニン量 ℃ hr % % ───────────────────────────────── 比較例1.1 60 1 0.70 1.90 比較例1.2 2 0.70 1.90 比較例1.3 3 0.75 1.90 比較例1.4 4 0.95 1.91 ───────────────────────────────── 比較例2.1 70 1 0.95 2.32 比較例2.2 2 1.05 2.55 比較例2.3 3 1.07 2.60 比較例2.4 4 1.12 2.98 ───────────────────────────────── 実施例1.1 75 1 1.33 3.63 実施例1.2 2 1.44 3.90 実施例1.3 3 1.49 4.20 実施例1.4 4 1.53 4.05 ───────────────────────────────── 実施例2.1 80 1 1.34 3.91 実施例2.2 2 1.49 4.25 実施例2.3 3 1.56 4.00 実施例2.4 4 1.60 3.88 ─────────────────────────────────
【0026】
【表2】 ───────────────────────────────── 抽出温度 抽出時間 原料に対する 固形分に対する 固形分回収率 総クレアチニン量 ℃ hr % % ───────────────────────────────── 実施例3.1 85 1 1.50 4.20 実施例3.2 2 1.52 4.00 実施例3.3 3 1.62 3.84 実施例3.4 4 1.66 3.23 ───────────────────────────────── 比較例3.1 90 1 1.50 2.99 比較例3.2 2 1.75 2.28 比較例3.3 3 2.29 2.15 比較例3.4 4 2.50 1.88 ───────────────────────────────── 比較例4.1 100 1 1.53 2.80 比較例4.2 2 1.83 2.13 比較例4.3 3 2.35 2.09 比較例4.4 4 2.60 1.70 ───────────────────────────────── 比較例5 100 2 4.03 4.67 (牛肉だけから抽出したビーフミートエキス) 比較例6 0.30 (市販のビーフボーンエキス) 〜0.38 ─────────────────────────────────
【0027】以上の結果、この発明の実施例では、市販
のビーフボーンエキス(比較例6)に比べて、格段に総
クレアチニン量の多いビーフエキスが得られていること
が判る。また、抽出温度によって、抽出固形分量、およ
び、抽出固形分に占める総クレアチニン量の割合が異な
ることも判る。さらに、得られた各実施例および比較例
のビーフエキスを食したところ、各実施例では、比較例
5と同等の旨みが感じられたが、これに比べて、比較例
3.1 〜3.4 、比較例4.1 〜4.4 および比較例6は、旨み
に劣っていた。
【0028】−向流抽出法− 前記実施例と同様の材料を用い、抽出温度80℃、抽出
時間2時間で、常法により向流抽出を行った。向流抽出
装置は、図1に示す構造のものであった。すなわち、抽
出筒1の内部に、モータ等で駆動されるスクリューコン
ベア2を備えている。一端には、原料(ビーフボーン)
の投入口3が設けられ、他端には、抽出残渣の回収用ス
クリューコンベア4が取り付けられている。また、回収
用スクリューコンベア4側には、水の供給口5が設けら
れ、原料投入口3側には、抽出液の回収口6が設けられ
ている。このような向流抽出装置を用いて、原料(ビー
フボーン)と仕込水の比率を種々に変えて抽出を行っ
た。その結果を、下記表3に示すとともに、図2にグラ
フで表している。
【0029】
【表3】 ──────────────────────────────── 原料と仕込水の比率(W/W) 1:2 1:1/3 1:1/5 1:1/6 1:1/8 ──────────────────────────────── 抽出エキス Brix 0.80 2.30 3.20 3.60 4.50 エキス固形分当たりの 総クレアチニン料(%) 4.25 4.15 4.20 4.15 4.15 原料に対する エキス固形分回収率(%) 1.49 1.47 1.40 1.35 0.87 ────────────────────────────────
【0030】表3に明らかなように、原料に対する仕込
水が少ないほど、抽出されたビーエキスのBrix値は高
い。しかし、原料に対する仕込水の比率が1/3(W/W
)以下になると、エキス固形分回収率が著しく減少し
ている。したがって、この実施例の場合、原料に対する
仕込水の比率が1/3以上であれば、エキス固形分の回
収率を落とすことなく、濃度の高いビーフエキスが抽出
されることになる。濃度の高いビーフエキスが抽出でき
れば、抽出液の濃縮工程が簡略化でき、濃縮装置の設備
費も削減できることになる。
【0031】なお、エキス固形分当たりの総クレアチニ
ン量(%)は、原料と仕込水の比率が変化しても、ほぼ
一定である。したがって、上記範囲内で仕込水の量を減
らしても、得られたビーフエキスの品質は低下しない。
【0032】
【発明の効果】以上に述べた、この発明にかかるビー
キスの製造方法によれば、原料に小さく砕いたビーフ
ボーンを用い、これを75〜85℃の比較的低温度で加
熱抽出することにより、品質に優れたビーフエキスを高
い効率で抽出製造することができる。そして、ビーフボ
ーンを原料にしているので、原料が安定して得られるこ
とになり、ビーフエキスの生産量および価格を安定させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施例を示す向流抽出装置の概略
構造図
【図2】 向流抽出で得られたエキスの性状を示す線図
【符号の説明】
1 抽出筒 2 スクリューコンベア 3 原料投入口 4 回収用スクリューコンベア 5 水供給口 6 抽出液回収口

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 小さく砕いたビーフボーンに水を加え
    て、75〜85℃で加熱抽出することを特徴とするビー
    フエキスの製造方法。
  2. 【請求項2】 請求項1の方法において、抽出を向流抽
    出で行うビーフエキスの製造方法。
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