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JP2595041B2 - 原子炉の燃料集合体及び原子炉の制御棒並びにその燃料集合体を用いた原子炉の炉心 - Google Patents
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JP2595041B2 - 原子炉の燃料集合体及び原子炉の制御棒並びにその燃料集合体を用いた原子炉の炉心 - Google Patents

原子炉の燃料集合体及び原子炉の制御棒並びにその燃料集合体を用いた原子炉の炉心

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JP2595041B2 JP63125773A JP12577388A JP2595041B2 JP 2595041 B2 JP2595041 B2 JP 2595041B2 JP 63125773 A JP63125773 A JP 63125773A JP 12577388 A JP12577388 A JP 12577388A JP 2595041 B2 JP2595041 B2 JP 2595041B2
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は高速炉に係り、特に、燃料の長寿命化に好適
な燃料集合体に関する。
〔従来の技術〕
高速炉の炉心は、一般に、燃料ペレツトを充てんした
被覆管を多数束ねて断面形状が六角形のラツパ管で覆つ
た燃料集合体を、さらに束ねて円柱状に形成されてい
る。また、この炉心の周囲を燃料親物質からなる軸方向
及び径方向ブランケツトで囲設して燃料の増殖性を向上
させている。炉心には燃料として濃縮ウランあるいはプ
ルトニウムを富化したウランが装荷され、ブランケツト
には燃料親物質として、例えば天然ウランあるいは劣化
ウランが装荷される。この燃料親物質が炉心から洩れ出
るエネルギーの高い高速中性子を捕獲することにより、
有用な核分裂性物質が生産される。これと同時に、高速
中性子は、被覆管やラツパ管などの炉心構造材にも吸収
され、材料中の原子をはじきだしたり、不純物等と核反
応を起こしてヘリウムの気泡を生成することにより、材
料に体積膨張(スエリング)を引き起こす。高速炉の燃
料寿命は、この炉心構造材のスエリングに起因する燃料
要素束とラツパ管の機械的相互作用(BDI)や隣接する
集合体のラツパ管同士の機械的相互作用(DDI)で制限
されることが多い。
炉心構造材のスエリングの度合いは、燃料集合体の高
速中性子照射量や照射温度に依存する。第4図に電気出
力1,000MWクラスの大型均質炉心の高速中性子照射量が
最大となる燃料集合体について、これらの特性量の軸方
向分布を示した。図からわかるように、高速中性子照射
量が最大となる炉心軸方向中心付近での被覆管温度とラ
ツパ管温度は約100℃異なる。高速炉の従来の設計で
は、燃料集合体の被覆管材とラツパ管材とに同一の材料
を使用する場合が多い。このような構成では、被覆管と
ラツパ管の照射温度の違いから、材料のスエリングの温
度依存性によつて、BDIまたはDDIが発生してしまう。す
なわち、材料のスエリングがピークとなる温度が被覆管
の照射温度範囲の前後にある場合には、被覆管のスエリ
ングがラツパ管のそれよりも大きくなるため、BDIが発
生する。また、スエリングのピーク温度がラツパ管の照
射温度範囲の前後にある場合には、ラツパ管のスエリン
グ大きくなるため、DDIが発生する。
BDIの低減を目的として、特開昭57−166591号公報
に、被覆管にスエリングの比較的小さい材料を、ラツパ
管にスエリングの比較的大きい材料をそれぞれ使用した
燃料集合体の発明が開示されており、DDIの回避につい
ては、ラッパ管同志の接触をラッパ管同志の間隔を寿命
末期において接触しない程度にあらかじめ開いておくこ
とにより達成している。
〔発明が解決しようとする課題〕
上記従来技術によれば、被覆管のスエリングがラツパ
管のそれに比べ小さくなるのでBDIは防止することがで
きる。しかし、ラツパ管のスエリング低減に関しては考
慮しておらず、DDIによつて燃料寿命が制限される場合
には、燃料の長寿命化は期待できない。
DDIをも達成して燃料の寿命を伸ばす場合には、従来
例では、ラッパ管同志の間隔を寿命末期において互いに
接触しない程度にあらかじめ拡大させておく必要から、
ラッパ管が設置される原子炉炉心が大型化する。
本発明の第一の目的は、BDIとDDIとをラッパ管同志の
間隔を広げることなく同時に抑制できる燃料集合体を提
供することにある。
本発明の第二の目的は、燃料集合体と同様に原子炉の
炉心内で使用される制御棒とその案内管との機械的相互
作用(DDI)を制御棒と案内管とのギャップを拡大する
ことなく抑制して制御棒の挿入性確保を確実に達成する
ことにある。
本発明の第三の目的は、炉心の大型化を伴うことなく
原子炉の稼動率を向上するのに寄与する原子炉の炉心を
提供することにある。
〔課題を解決するための手段〕
本発明の第一の目的を達成するための第1手段は、中
性子照射によつて発熱する物質が充填される被覆管を複
数本束ねたものを、ラッパ管で覆って成る原子炉の燃料
集合体において、前記被覆管の材質として前記被覆管の
使用温度よりも低い温度にてスエリングが最大と成る低
温ピークスエリング材を、前記ラッパ管の材質として前
記ラッパ管の使用温度よりも高い温度にてスエリングが
最大となる高温ピークスエリング材をそれぞれ用いた事
を特徴とする原子炉の燃料集合体である。
同じく第2段は、第1手段において、前記被覆管と同
種の材料からなるその他の構造物を前記被覆管と被覆管
の間に配置したことを特徴とする原子炉の燃料集合体で
ある。
同じく第3手段は、第1手段において、前記ラツパ管
と同種の材料からなるその他の構造物を前記被覆管と被
覆管の間に配置したことを特徴とする原子炉の燃料集合
体である。
同じく第4手段は、中性子照射によつて発熱する物質
が充填される被覆管を複数本束ねたものを、ラツパ管で
覆つてなるものにおいて、前記被覆管と前記ラッパ管と
の両管の材質として前記両管の使用温度よりも低い温度
でスエリングが最大と成る低温ピークスエリング材を用
い、前記ラツパ管とこれに隣接する前記被覆管とにはさ
まれた冷却材流路に棒状または管状の冷却材除去物を配
置したことを特徴とする原子炉の燃料集合体である。
同じく第5手段は、核分裂性物質を富化した燃料親物
質からなる燃料を充てんした被覆管を複数本束ねたもの
を、ラツパ管で覆つてなる原子炉の燃料集合体におい
て、前記被覆管と前記ラッパ管との両管の材質として前
記両管の使用温度よりも低い温度でスエリングが最大と
成る低温ピークスエリング材を用い、前記ラツパ管に隣
接する前記被覆管に充てんされる核分裂性物質の富化度
を、前記ラツパ管に隣接しない前記被覆管に充てんされ
る核分裂物質の富化度に比べ高くしたことを特徴とする
原子炉の燃料集合体である。
同じく第6手段は、第5手段において、前記被覆管と
前記ラツパ管とを同種の材料で構成したことを特徴とす
る原子炉の燃料集合体である。
本発明の第二の目的を達成するための第7手段は、中
性子吸収物質からなる制御材が充填される被覆管を複数
本束ねたものを、保護管で覆って案内管内に挿入されて
成る原子炉の制御棒において、前記被覆管の材質として
前記被覆管の使用温度よりも低い温度にてスエリングが
最大と成る低温ピークスエリング材を、前記保護管の材
質として前記保護管の使用温度よりも高い温度にてスエ
リングが最大となる高温ピークスエリング材をそれぞれ
用いた事を特徴とする原子炉の制御棒である。
同じく第8手段は、中性子吸収物質からなる制御材が
充填される被覆管を複数本束ねたものを、保護管で覆っ
て案内管内に挿入されて成る原子炉の制御棒において、
前記保護管の材質として前記保護管の使用温度よりも低
い温度にてスエリングが最大と成る低温ピークスエリン
グ材を、前記案内管の材質として前記案内管の使用温度
よりも高い温度にてスエリングが最大となる高温ピーク
スエリング材をそれぞれ用いた事を特徴とする原子炉の
制御棒である。
本発明の第三の目的を達成するための第9手段は、第
1手段から第6手段までのいずれか一手段による原子炉
の燃料集合体を装荷してなることを特徴とする原子炉の
炉心である。
同じく第10手段は、第7手段または第8手段による制
御棒を使用したことを特徴とする原子炉の炉心である。
〔作用〕
第1手段によれば以下の作用が得られる。
即ち、原子炉の炉心内で最大の中性子照射量を受けて
いる部分での被覆管の使用温度は530℃で、ラッパ管の
それは使用温度420℃が目安となる。
被覆管の材料は低温ピークスエリング材であるから、
スエリングが最大と成る温度はその使用温度(530℃)
から低温の方向に大きく外されて、その使用温度近辺で
は、温度−スエリング特性曲線(例えば第5図のe)の
右裾部分、即ちスエリング自体が少ない部分で使用され
る。
一方、ラッパ管の材料は高温ピークスエリング材であ
るから、スエリングが最大と成る温度はその使用温度
(420℃)から高温方向に大きく外されて、その使用温
度近辺では、温度−スエリング特性曲線(例えば第5図
のd)の左裾部分、即ちスエリング自体が少ない部分で
使用される。
このようにして被覆管とラッパ管ともにスエリングが
本来的に少なく制御される。
そして、被覆管の使用温度(530℃)での被覆管のス
エリングとラッパ管の使用温度(420℃)でのラッパ管
のスエリングとは、被覆管のスエリングがラッパ管のス
エリングよりも小さい関係に出来るからBDIを抑制でき
る。
被覆管の使用温度での被覆管のスエリングとラッパ管
の使用温度でのラッパ管のスエリングとは、特開昭57−
166591号公報の従来例では2倍近くの差を生じるが、本
発明では、上述のようにスエリングが小さく制御されて
いる上に、使用温度では、前記2倍に比べれば僅かとい
える差に抑制でき、ラッパ管の極端なスエリングの増大
を抑制してDDIをラッパ管同志の間隔を広げることなく
抑制することが出来る。
第2手段によれば、第1手段による作用に加えて、他
の構造物が被覆管同志の間隔を維持する手段として利用
され、その間隔間の温度が被覆管の使用温度と同じくら
いに高温であっても前記他の構造物が低温ピークスエリ
ング材であるから、他の構造物のスエリングをも小さく
維持して他の構造物の存在によるBDIの発生を抑制でき
る作用が得られる。
第3手段によれば、第1手段による作用に加えて他の
構造物が被覆管同志の間隔を維持する手段として利用さ
れ、その間間隔の温度がラッパ管の使用温度と同じくら
いに低温であっても前記他の構造物が高温ピークスエリ
ング材であるから、他の構造物のスエリングをも小さく
維持して他の構造物の存在によるBDIの発生を抑制でき
る作用が得られる、」第4手段によれば、ラッパ管と被
覆管との材料はいずれも低温ピークスエリング材である
から前記両管の使用温度におけるスエリングの増減は高
温になるに従いスエリングが減少する傾向を示す上、被
覆管の使用温度はラッパ管の使用温度よりも高温である
から、ラッパ管のスエリングは被覆管のスエリングより
も大きくなってBDIが抑制される。その上、ラッパ管に
近接する冷却材流路に存在する冷却材除去物が冷却材に
置き換えられてラッパ管の冷却効果が低下しているか
ら、ラッパ管の使用温度は高温側、即ちスエリングが少
ない方向にシフトして、ラッパ管のスエリングが少ない
方向に調整され、DDIの抑制をもラッパ管同志の間隔を
広げることなく同時に達成される作用が得られる。
第5手段によれば、ラッパ管と被覆管との材料はいず
れも低温ピークスエリング材であるから前記両管の使用
温度におけるスエリングの増減傾向は高温になるに従い
スエリングが減少する傾向を示す上、被覆管の使用温度
はラッパ管の使用温度よりも高温であるから、ラッパ管
のスエリングは被覆管のスエリングよりも大きくなりBD
Iが抑制される。その上、ラッパ管に近接する被覆管内
の核分裂性富化度が他の被覆管よりも大きいことにより
ラッパ管に近接位置で大きな発熱が得られて隣接するラ
ッパ管の使用温度が高温側、即ちスエリングが少ない方
向にシフトして、ラッパ管のスエリングが少ない方向に
調整され、DDIの抑制をもラッパ管同志の間隔を広げる
ことなく同時に達成される作用が得られる。
第6手段によれば、第5手段による作用に加えて、そ
の作用がラッパ管と被覆管とを同種の材料にして得られ
る。
第7手段によれば、制御材が中性子の照射を受けると
発熱して被覆管が高温になり、その被覆管の外側に存在
する保護管の温度は被覆管よりも低温の使用温度と成
る。
このため、第1手段の燃料集合体のラッパ管を保護管
に置き換えたと同じ作用が得られる。
即ち、、被覆管の材料は低温ピークスエリング材であ
るから、スエリングが最大と成る温度から被覆管の使用
温度は大きく外されて、温度−スエリング特性曲線の右
裾部分、即ちスエリング自体が少ない部分で使用され
る。
保護管の材料は高温ピークスエリング材であるから、
スエリングが最大と成る温度から被覆管の使用温度は大
きく外されて、温度−スエリング特性曲線の左裾部分、
即ちスエリング自体が少ない部分で使用される。このよ
うにして、被覆管及び保護管のスエリング自体が少ない
ように高温ピークスエリング材と低温ピークスエリング
材とを使いわけてある。そして被覆管の使用温度での被
覆管のスエリングと保護管の使用温度での保護管のスエ
リングとは、被覆管のスエリングが保護管のスエリング
よりも小さい関係にして、制御棒におけるBDIを抑制で
きる。
被覆管の使用温度での被覆管のスエリングと保護管の
使用温度での保護管のスエリングとは、特開昭57−1665
91号公報に燃料集合体として例示されたような2倍近く
の差を生じること無く、前記2倍に比べれば僅かである
差に抑制できるから、保護管の極端なスエリングの増大
を抑制して保護管と案内管とのギャップが確保されて、
そのギャップを予め拡大しておくことなく制御棒の案内
管に対する機械的相互作用を抑制することが出来るとい
う作用及び、そのギャップの確保作用により案内管内で
の制御棒の挿入性が損なわれないという作用が得られ
る。
第8手段によれば、保護管の外側に案内管があるの
で、一般的には、保護管の使用温度が高くて案内管の使
用温度が低く、その案内管の材質として採用した高温ピ
ークスエリング材のスエリングのピークが高温側に大き
くはずせるから、使用温度の低い案内管のスエリングは
少なく抑制され、一方、その保護管の材質として採用し
た低温ピークスエリング材のスエリングのピークが低温
側に大きくはずせるから、使用温度の高い保護管のスエ
リングも少なく抑制され、両管のギャップは挿入性を損
なわれること無く確保されるという作用が得られる。
第9手段によれば、原子炉の炉心内に装荷された燃料
集合体は、BDIとDDIとをラッパ管同志の間隔を拡大する
ことなく同時に抑制することが出来るから、炉心を大型
化することなく炉心の高燃焼度化及び連続運転期間を延
長して原子炉の稼動率を向上することが出来る。
第10手段によれば、原子炉の制御のために炉心内に挿
入される制御棒の挿入性や健全性が、制御棒と案内管と
のギャップを拡大することなく、長く維持出来て、炉心
の大型化を伴うことなく安全で長期間の運転を可能と
し、原子炉の稼動率を向上することが出来る。
〔実施例〕
以下、本発明を実施例に従つて説明する。第1図〜第
3図は、本発明の第一の実施例であり、高速炉の燃料集
合体に適用したものである。第1図は、燃料集合体の正
面図(一部断面図)であり、第2図は、第1図のB−B
断面図である。第3図は、燃料要素を示している。燃料
集合体は、ウランとプルトニウムの混合酸化物からなる
燃料ペレツト5を充てんした冷間加工316SSにチタンを
添加した材料(冷間加工316SS−Ti)からなる被覆管2
を多数束ねて冷管加工AISI316のラツパ管1で覆って構
成されている。
本実施例の効果を、上記の燃料集合体を第14図及び第
15図に示した高速炉の炉心に適用した場合に基づいて評
価した。炉心及び燃料の仕様並びに運転条件を第1表に
示す。すなわち、原子炉熱出力は約2,600MW、電気出力
は約1,000MW、等価炉心径と炉心高さはそれぞれ330cm及
び100cmである。軸方向ブランケツト24及び径方向ブラ
ンケツト23の厚さは、それぞれ35cm及び30cmである。運
転期間は12ケ月で、燃料交換バツチ数は炉心で3、径方
向ブランケツトで4としている。燃料の組成は、内側炉
心21でプルトニウム富化度は約16%、外側炉心22では約
20%である。
第4図は、本発明の第一の実施例の燃料集合体のう
ち、炉内滞在期間を通じての高速中性子照射量が最大と
なるものについて、その高速中性子照射量と平均使用温
度との軸方向分布特性を示したものである。高速炉の炉
心では、炉心上下端部の中性子漏洩効果が大きいため、
高速中性子照射量は炉心軸方向中心付近で最大となる。
この領域での材料の温度は、第4図のように被覆管で約
530℃前後、ラツパ管で約420℃前後である。一方、材料
のスエリングの温度依存性は、第5図のようになつてい
る。すなわち、冷間加工AISI316では約580℃にスエリン
グのピークがありそれ以下の温度では、スエリングは急
激に小さくなつている。冷間加工316SS−Tiでは約450℃
にスエリングのピークがあり、それ以上の温度では、ス
エリングは急激に小さくなつている。本実施例では、こ
のスエリングの温度依存性を利用して使用温度範囲が約
530℃前後となる被覆管には、冷間加工316SS−Tiを、使
用温度範囲が約420℃前後となるラツパ管には、冷間加
工AISI316をそれぞれ使用している。この構成により、
冷間加工AISI316を被覆管及びラツパ管の両方に使用し
た場合に比べ、被覆管のスエリングの最大値が約1/2に
なり、BDIも約1/2に低減できる。また、冷間加工316SS
−Tiを被覆間及びラツパ管の両方に使用した場合に比
べ、ラツパ管のスエリングの最大値が約1/2になり、DDI
の発生を防止できる。また、特開昭57−166591号公報に
開示の発明のように、被覆管にスエリングの比較的小さ
い材料として316SS−Tiを、ラツパ管にスエリングの比
較的大きい材料としてOKh18N9Tをそれぞれ使用した場合
に比べると、ラツパ管はスエリングが約1/3の低減され
る。したがつて、従来例とスエリングの上限をそろえれ
ば、許容高速中性子照射量を約20%以上大きくできるの
で、それだけ燃料集合体の寿命を延ばすことができる。
第6図及び第7図は、本発明の他の実施例であり、高
速炉の制御棒に適用したものである。第6図は、制御棒
の垂直断面図であり、第7図は、第6図のA−A断面図
である。制御棒は、炭化硼素(B4C)からなる中性子吸
収材ペレツト14を充てんした冷間加工316SS−Tiからな
る被覆管12を多数束ねて冷間加工AISI316の保護管11で
覆つて構成されている。制御棒の温度分布は、燃料集合
体の場合とほぼ同じになるため、このような構成によ
り、従来の被覆管12と保護管11とに同じ材料を使用する
場合に比べ、被覆管12と保護管11との機械的相互作用を
低減できる共に、外側に配置された案内管13とのギヤツ
プを保つことができるため、制御棒の挿入性が向上す
る。また、保護管11が比較的高温で、案内管13が比較的
低温となる場合には、保護管11に冷間加工316SS−Ti等
の低温ピークスエリング材(スエリングが最大となる温
度が低い材料)を、案内管13に冷間加工AISI316等の高
温ピークスエリング材(スエリングが最大となる温度が
高い材料)をそれぞれ使用することにより、制御棒の挿
入性を向上できる。
第8図〜第11図は本発明の他の実施例で、第一の実施
例に加え、隣接する被覆官同士の間隔を保持するスペー
サの材質を工夫したものである。第8図及び第9図はワ
イヤースペーサを使用した場合である。ワイヤースペー
サの温度が比較的高温で被覆管の温度に近くなる場合に
は、第8図のように、冷間加工316SS−Ti等の低温ピー
クスエリング材からなるワイヤースペーサ41を使用す
る。また、ワイヤースペーサの温度が比較的低温でラツ
パ管の温度に近くなる場合には、第9図のように、冷間
加工AISI316等の高温ピークスエリング材からなるワイ
ヤースペーサ42を使用する。このような構成によつて
も、第一の実施例と同様な効果が得られる。
第10図及び第11図はグリツドスペーサを使用した場合
であり、構成及び効果は上記のワイヤースペーサを使用
した場合と同様である。
第12図及び第13図は、本発明の他の実施例であり、被
覆管2とラツパ管1とには同じ低温ピークスエリング材
を用いるが、ラツパ管の温度が従来に比べ高くなるよう
にして、ラツパ管のスエリングを低減するものである。
第12図では、ラツパ管1に隣接する燃料要素を高富化度
燃料6としたことが特徴である。このような構成によ
り、ラツパ管に隣接する流路を流れる冷却材の温度が上
昇するため、ラツパ管の温度も高まる。第13図では、ラ
ツパ管1に隣接する冷却材流路にラツパ管と同じ材料か
らなる中空または中実の冷却材除去棒を配置したことが
特徴である。このような構成により、ラツパ管に隣接す
る流路の断面積が減り、冷却材の流量も減少するためラ
ツパ管の温度を高めることができる。
第14図及び第15図は、本発明の他の実施例であり、本
発明の燃料集合体8及び制御棒9を用いて高速炉の炉心
を構成したものである。燃料集合体及び制御棒の長寿命
化により、従来技術に比べ、炉心の連続運転期間を約20
%延ばすことができ、稼働率が約2%向上する。
第16図及び第17図を用いて、本発明を原子炉の運転方
法に適用した実施例を説明する。第16図は、炉心軸方向
の温度分布特性図である。原子炉の入口での冷却材温度
はTiで、燃料集合体や制御棒を冷却することによりその
温度は上昇し、原子炉出口で最大値T0となる。高速中性
子照射量の高い炉心軸方向中心付近の冷却材温度は、上
記のTi及びT0の算術平均Tmにほぼ等しい。一方、炉心軸
方向中心付近の燃料集合体の径方向温度分布は、第17図
に示すようになる。すなわち、被覆管の平均温度T0は、
冷却材平均温度Tmより高く、ラツパ管平均温度TwはTm
り低くなる。したがつて、被覆管に使用する材料のスエ
リングピーク温度よりもTmが高くなり、かつ、ラツパ管
に使用する材料のスエリングピーク温度よりもTmが低く
なるように温度条件を定めることにより、被覆管及びラ
ツパ管のスエリングを抑制でき、燃料を長寿命化でき
る。
上記の実施例では、低温ピークスエリング材として冷
間加工316SS−Tiを、高温ピークスエリング材として冷
間加工AISI316をそれぞれ使用したが、その他の組み合
わせでも同様な効果が得られる。例えば、低温ピークス
エリング材として冷間加工316SS−Tiを、高温ピークス
エリング材としてチタンを添加しない冷間加工316SSを
使用する方法、低温ピークスエリング材として冷間加工
316SS−Tiを、高温ピークスエリング材として冷間加工
を施さない316SSを使用する方法、あるいは、低温ピー
クスエリング材としてフエライト鋼のHT−9を、高温ピ
ークスエリング材としてオーステナイト鋼のD−9を使
用する方法などがある。また、上記の実施例では、燃料
として、ペレツト状のウランとプルトニウムの混合酸化
物を、中性子吸収材として炭化硼素を、冷却材としてナ
トリウムを、炉心構成として、均質炉心をそれぞれ使用
したが、その他の燃料,中性子吸収材,冷却材,及び炉
心構成にも本発明は適用できる。
〔発明の効果〕
特許請求の範囲の第1項の発明によれば、高温ピーク
スエリング材と低温ピークスエリング材とをラッパ管と
被覆管とに使いわけてBDIのみならずラッパ管のスエリ
ングを極端に増大させること無くDDIをも同時に低減す
ることが出来るから、炉心を大型化を伴うことなく原子
炉の燃料集合体の長寿命化と燃料の高燃焼度化とを達成
できるという効果が得られる。
特許請求の範囲第2項の発明によれば、特許請求の範
囲第1項の発明による効果に加えて、被覆管同志間の間
隔間の温度が被覆管の温度に近い場合に、被覆管同志間
の間隔を制限するスペーサ等の構造物のスエリングも低
減して一層のことBDIを低減できる。
特許請求の範囲第3項の発明によれば、特許請求の範
囲第1項の発明による効果に加えて、被覆管同志間の間
隔間の温度がラッパ管の温度に近い場合に、被覆管同志
間の間隔を制限するスペーサ等の構造物のスエリングも
低減して一層のことBDIを低減できる。
特許請求の範囲第4項の発明によれば、ラッパ管と被
覆管との材料はいずれも低温ピークスエリング材である
から前記両管の使用温度におけるスエリングの増減は高
温になるに従いスエリングが減少する傾向を示し、一方
被覆管の使用温度はラッパ管の使用温度よりも高温であ
るから、ラッパ管のスエリングは被覆管のスエリングよ
りも大きくてBDIが抑制され、ラッパ管に近接する冷却
材流路に存在する冷却材除去物が冷却材に置き換えられ
ているから、ラッパ管の使用温度は高温側、即ちスエリ
ングが少ない方向にシフトして、ラッパ管のスエリング
が少ない方向に調整されることで、炉心の大型化を伴う
ことなくDDIの抑制も達成される。
特許請求の範囲第5項の発明によれば、ラッパ管と被
覆管との材質を低温ピークスエリング材にしながらも核
分裂性物質の富化度の調整でラッパ管の使用温度を高温
側、即ち低温ピークスエリング材にあっては低スエリン
グ方向にシフトしてBDIとDDIとを炉心の大型化に伴うこ
となく同時に抑制出来るという効果が得られる。
特許請求の範囲第6項の発明によれば、特許請求の範
囲第5項の発明による効果に加えて、ラッパ管と被覆管
との材料を同種の材料に出来るという効果が得られる。
特許請求の範囲第7項の発明によれば、制御棒におけ
るBDIと制御棒の保護管と案内管との間での機械的相互
作用を抑制して制御棒の寿命を延長し、且つ案内管に対
する制御棒の挿入に必要なギャップを確保して、炉心を
大型化することなく制御棒挿入機能の確保が確実とな
る。
特許請求の範囲第8項の発明によれば、案内管に対す
る制御棒の挿入機能の確保が炉心を大型化を伴うことな
く達成できる。
特許請求の範囲第9項の発明によれば、原子炉炉心の
大型化を伴うことなく、高燃焼度化と原子炉の稼動率の
向上を達成できる。
特許請求の範囲第10項の発明によれば、制御棒の挿入
機能を確実に維持して原子炉炉心の大型化を伴うことな
く安全性と原子炉の稼働率の向上とを達成できるという
効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の燃料集合体の一例を示す燃料集合体の
一部断面図、第2図は第1図のB−B断面図、第3図は
燃料要素の一部断面図、第4図は本発明の燃料集合体の
高速中性子照射量及び温度の軸方向分布特性図、第5図
は本発明の実施例で使用した材料のスエリング特性図、
第6図は本発明の実施例を示す制御棒の垂直断面図、第
7図は第6図中のA−A断面図、第8図〜第13図は本発
明の実施例を示す燃料集合体の水平断面図(1/6のみ図
示)、第14図は本発明の実施例を示す炉心の水平断面
図、第15図は第14図中のC−C断面図、第16図及び第17
図は、本発明の原子炉の運転方法を示す原子炉炉心及び
燃料集合体の温度分布特性図である。 1……ラツパ管、2……被覆管、3……冷却材、4……
ワイヤースペーサ、5……燃料ペレツト、6……高富化
度燃料、7……冷却材除去棒、8……燃料集合体、9…
…制御棒、11……保護管、12……被覆管、13……案内
管、14……吸収材ペレツト、21……内側炉心、22……外
側炉心、23……径方向ブランケツト、24……軸方向ブラ
ンケツト、41……ワイヤースペーサ(低温ピークスエリ
ング材)、42……ワイヤースペーサ(高温ピークスエリ
ング材)、43……グリツドスペーサ(低温ピークスエリ
ング材)、44……グリツドスペーサ(高温ピークスエリ
ング材)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G21C 7/10 GDF G21C 7/10 GDFC

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】中性子照射によつて発熱する物質が充填さ
    れる被覆管を複数本束ねたものを、ラッパ管で覆って成
    る原子炉の燃料集合体において、前記被覆管の材質とし
    て前記被覆管の使用温度よりも低い温度にてスエリング
    が最大と成る低温ピークスエリング材を、前記ラッパ管
    の材質として前記ラッパ管の使用温度よりも高い温度に
    てスエリングが最大となる高温ピークスエリング材をそ
    れぞれ用いた事を特徴とする原子炉の燃料集合体。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項に記載のものにおい
    て、前記被覆管と同種の材料からなるその他の構造物を
    前記被覆管と被覆管の間に配置したことを特徴とする原
    子炉の燃料集合体。
  3. 【請求項3】特許請求の範囲第1項に記載のものにおい
    て、前記ラツパ管と同種の材料からなるその他の構造物
    を前記被覆管と被覆管の間に配置したことを特徴とする
    原子炉の燃料集合体。
  4. 【請求項4】中性子照射によつて発熱する物質が充填さ
    れる被覆管を複数本束ねたものを、ラツパ管で覆つてな
    るものにおいて、前記被覆管と前記ラッパ管との両管の
    材質として前記両管の使用温度よりも低い温度でスエリ
    ングが最大と成る低温ピークスエリング材を用い、前記
    ラツパ管とこれに隣接する前記被覆管とにはさまれた冷
    却材流路に棒状または管状の冷却材除去物を配置したこ
    とを特徴とする原子炉の燃料集合体。
  5. 【請求項5】核分裂性物質を富化した燃料親物質からな
    る燃料を充てんした被覆管を複数本束ねたものを、ラツ
    パ管で覆つてなる原子炉の燃料集合体において、前記被
    覆管と前記ラップ管との両管の材質として前記両管の使
    用温度よりも低い温度でスエリングが最大と成る低温ピ
    ークスエリング材を用い、前記ラツパ管に隣接する前記
    被覆管に充てんされる核分裂性物質の富化度を、前記ラ
    ツパ管に隣接しない前記被覆管に充てんされる核分裂性
    物質の富化度に比べ高くしたことを特徴とする原子炉の
    燃料集合体。
  6. 【請求項6】特許請求の範囲第5項に記載のものにおい
    て、前記被覆管と前記ラツパ管とを同種の材料で構成し
    たことを特徴とする原子炉の燃料集合体。
  7. 【請求項7】中性子吸収物質からなる制御材が充填され
    る被覆管を複数本束ねたものを、保護管で覆って案内管
    内で挿入されて成る原子炉の制御棒において、前記被覆
    管の材質として前記被覆管の使用温度よりも低い温度に
    てスエリングが最大と成る低温ピークスエリング材を、
    前記保護管の材質として前記保護管の使用温度よりも高
    い温度にてスエリングが最大となる高温ピークスエリン
    グ材をそれぞれ用いた事を特徴とする原子炉の制御棒。
  8. 【請求項8】中性子吸収物質からなる制御材が充填され
    る被覆管を複数本束ねたものを、保護管で覆って案内管
    内に挿入されて成る原子炉の制御棒において、前記保護
    管の材質として前記保護管の使用温度よりも低い温度に
    てスエリングが最大と成る低温ピークスエリング材を、
    前記案内管の材質として前記案内管の使用温度よりも高
    い温度にてスエリングが最大となる高温ピークスエリン
    グ材をそれぞれ用いた事を特徴とする原子炉の制御棒。
  9. 【請求項9】特許請求の範囲第1項から第6項のいずれ
    か一項に記載の原子炉の燃料集合体のうち少なくともひ
    とつを装荷してなることを特徴とする原子炉の炉心。
  10. 【請求項10】特許請求の範囲第7項または第8項に記
    載の制御棒を使用したことを特徴とする原子炉の炉心。
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