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JP2601373B2 - 両親媒性化合物及びそれを用いたリポソーム - Google Patents
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JP2601373B2 - 両親媒性化合物及びそれを用いたリポソーム - Google Patents

両親媒性化合物及びそれを用いたリポソーム

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JP2601373B2 JP2242981A JP24298190A JP2601373B2 JP 2601373 B2 JP2601373 B2 JP 2601373B2 JP 2242981 A JP2242981 A JP 2242981A JP 24298190 A JP24298190 A JP 24298190A JP 2601373 B2 JP2601373 B2 JP 2601373B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、安定な単一膜リポソームを形成するように
設計されたコハク酸およびアミノ酸部分を含有する両親
媒性化合物、およびそれを膜構成成分とする負電荷を帯
びたリポソームに関するものである。
(従来の技術) リポソーム(Liposome)は、脂質2分子膜からなる閉
鎖小胞体である。天然の生体膜は、脂質の2分子構造を
とっていると言われており、このリポソームは生体膜の
モデル膜としての物理化学的性質の研究に広く用いられ
る。また、リポソームは内部の水層や膜内に種々の物質
を閉じ込めることが出来、細胞と融合したり、細胞に取
り込まれたりするので、生体内へ物質を送りこむキャリ
ヤーとして利用される。
リポソームを利用した研究は、生物学、医学、薬学な
ど広範な分野にわたっており、酸素が制ガン剤を運ぶキ
ャリヤーとしての利用、免疫学分野での利用、細胞との
相互作用、ドラッグデリバリーシステムとしての利用等
が研究されている。
リポソームは上述したように、極めて広範な利用分野
を有するが、その問題点として膜構造の脆弱性が指摘さ
れている。
即ち、膜形成物質である脂質の化学的、または物理的
変化により膜の配向が乱れ、内包物の漏出、リポソーム
同志の会合、凝集が起こり、やがて沈澱を生成してしま
う現象である。
この欠点を克服する試みとして、例えば天然リン脂質
を模倣した人工両親媒性化合物によりベシクルを形成さ
せる報告が多数あるが(例えば、野島、砂本、井上編
「リポソーム」(南江堂)第8章)、いずれもベシクル
の安定性や人体への毒性の点から薬物運搬体として満足
できるものではなかった。
オリゴペプチドを親水部に、2本の長鎖アルキル基を
疎水部に有する両親媒性化合物としては、伊原らの例
(Polym.Commun.,27,282(1986);Polymer J.,18,163
(1986);Chem.Lett.,(1984),1713;日化誌(1987)、
543)や、清水らの例(Chem.Lett.,(1986),1341;Thin
Solid Films.180(1989),179、特開平2−69498号、
同2−71836号)が知られている。しかしいずれも単一
膜ベシクルを形成しないか、あるいは形成しても容易に
他の構造に変化し、薬物運搬体としては適当でない。ま
たこれらの化合物が形成する分子集合体はいずれも正電
荷を帯び、ホスファチジルセリン、ホスファチジリグリ
セロール等のアニオン性脂質を含む生体膜の適当なモデ
ルとはならない。
(発明の目的) 本発明の目的は、内包する薬物のもれが少く、かつ会
合、凝集、沈殿をおこしにくい安定な単一膜リポソーム
を形成するように設計されたコハク酸およびアミノ酸部
分を含有する両親媒性化合物、およびそれを膜構成成分
とする負電荷を帯びたリポソームを提供することであ
る。
(発明の構成) 本発明の目的は、一般式(I)〜(III)であらわさ
れる化合物、およびそれを膜構成成分とするリポソーム
により達成された。
R1、R2はそれぞれ炭素数8〜24、好ましくは12、14、
16、または20の直鎖または分岐のアルキル基またはアシ
ル基であり、置換基、不飽和基を有していても良い。置
換基としてはアルキルカルボニル、アルコキシカルボニ
ル、ハロゲン原子、アリール基が挙げられる。不飽和基
としては2重結合、3重結合であり、同一鎖に2つ以上
を有していても良い。またR1とR2は同じであっても異っ
ていてもよい。R1、R2の具体例としてはドデシル、テト
ラデシル、ヘキサデシル、ミリストイル、パルミトイル
などが挙げられる。
R3n、R3(n+1)、R3m、R3(m+1)はそれぞれα−アミノ酸
の側鎖残基をあらわす。これには、天然に存在するα−
アミノ酸20種類(例えばCREIGHTON 著 “PROTEINS"(F
REEMAN社))の側鎖またはその類似体がすべて含まれ
る。中でも好ましいのは、水素原子、−CH2OH、 −CH2CO2H、 −CH2CH2CO2H、 −CH2CH2CH2CH2NH2 等、グリシンまたはそれ以上に親水性のアミノ酸の側鎖
残基である。R3(n+1)の(n+1)は1桁台の数字を表
わす。例えばn=5のとき、R3(n+1)はR36を表わす。R
31、R32、…、R3(n+1)はそれぞれ同じであっても異なっ
てもよい。mについても同様である。
nは式(I)では1から5の整数をあらわし、式(I
I)、(III)ではnは0から5の整数をあらわすが、特
に好ましいのは、0、1、2、3である。mについても
同様である。
分子内に存在する不斉炭素に関しては、ラセミ体、光
学活性体のいずれでもよい。また、分子末端のカルボキ
シル基は適当なカチオン成分と塩を形成していてもよ
い。この場合好ましいカチオン成分としては、Na+、K+
等のアルカリ金属イオン、アンモニウムイオン等が挙げ
られる。
次に一般式(I)〜(III)で示される化合物の具体
例を示すが本発明はこれに限られるものではない。
本発明の両親媒性化合物は、1位および2位が置換さ
れたグリセロール(一般式(IV))を原料とし、アミノ
酸部およびコハク酸部を順次導入することにより合成さ
れる。アミノ酸部の導入には、アミノ基またはカルボキ
シル基が保護されたアミノ酸を用い、適当な縮合剤で縮
合する通常の方法を用いることができる。保護基および
縮合剤としては、例えば、M.Bodanszk 著 “PRINCIPLE
S OF PEPTIDE STNTHESIS"(Springer−Verlag,New Yor
k,1984)及び“THE PRACTICE OF PEPTIDE STNTHESIS"
(Springer−Verlag,New York,1984)に記載されている
ものをいずれも用いることができる。コハク酸無水物部
の導入には、コハク酸を用いる方法がもっとも簡便でか
つ有用である。
一般式(IV)であらわされる化合物は、例えばJ.Am.C
hem.Soc.)63、3244(1941)に記載されている方法によ
って合成でき、市販もされている。
以下に本発明の化合物の合成例を記す。アミノ酸およ
び保護基の略号は、一般に用いられている略号(例えば
Bodanzky著による前記成書)をそのまま用いた。なお、
ここでいう液晶相転移点とは、結晶相から液晶相に転移
する温度をセイコー電子製DSCを用いて求めた値であ
る。
合成例1.化合物3の合成 化合物3は、以下の合成ルートで合成した。
市販のGlyGly常法(泉屋ら編「ペプチド合成の基礎と
実験」(丸善))に従いtBoc−GlyGlyに変換した。
tBoc−GlyGly1.39g(6mmol)、1,2−o−ジテトラデ
シル−sn−グリセロール2.42g(5mmol)、N,N−ジメチ
ルアミノピリジン60mgをDMF20mlと塩化メチレン10mlに
溶解した。この溶液を水冷、かくはんしながらDCC1.3g
を加え、室温で24時間かくはんした。析出したジシクロ
ヘキシル尿素を濾別し、濾液から塩化メチレンを減圧留
去した。残留液に酢酸エチル50mlを加え、10%クエン酸
水溶液、水、食塩水の順で洗浄、分液した。酢酸エチル
層に再び析出したジシクロヘキシル尿素を濾別し、濾液
を濃縮した後に残渣をシリカゲルダロマトグラフィーで
精製(n−ヘキサン/酢酸エチル=2/1)して、化合物
(3a)3.37g(4.8mmol)を得た。収率90% この保護体3.37gを塩化メチレン60mlに溶解し、トリ
フロオロ酢酸30mlを加えて室温で30分かくはんした。溶
媒を減圧留去し、残渣を酢酸エチルとアセトニトリルの
混合溶媒(1/1)より再結晶して、化合物(3b)2.87g
(4.03mmol)を得た。収率84%。液晶相転移点79℃。
(3b)2.85g(4mmol)を、塩化メチレン30ml、トリエ
チルアミン1.4mlの混合溶媒に溶解し、水冷かくはんし
ながら無水コハク酸0.5g(5mmol)を加えた。氷冷下1
時間、室温で2時間かくはんした後、塩化メチレン溶液
を1規定塩酸、水、食塩水の順に洗浄した。硫酸ナトリ
ウムで乾燥後、塩化メチレンを減圧留去し、残渣を酢酸
エチルで再結晶して化合物(3)2.49g(3.56mmol)を
得た。
収率89%、液晶相転移点103℃ 合成例2.化合物(1)の合成 tBoc−Gly530mg(3mmol)、1,2−o−ジテトラデシル
−sn−グリセロール1.21g(2.5mmol)、N,N−ジメチル
アミノピリジン37mgを塩化メチレン15mlを溶解した。こ
の溶液を水冷、かくはんしながらDCC600mgを加え、室温
で24時間かくはんした。析出したジシクロヘキシル尿素
を濾別し、濾液から塩化メチレンを減圧留去した。残留
液に酢酸エチル50mlを加え、10%クエン酸水溶液、水、
食塩水の順で洗浄し、分液した。酢酸エチル層に再び析
出したジシクロヘキシル尿素を濾別し、濾液を濃縮した
後に残渣をシリカゲルクロマトグラフィーで精製(n−
ヘキサン/酢酸エチル=5/1)して、無色油状の化合物
(1a)1.55g(2.4mmol)を得た。収率97%。
この保護体1.55gを塩化メチレン10mlに溶解し、トリ
フルオロ酢酸5mlを加えて30分かくはんした。溶媒を減
圧留去した後、酢酸エチルと4%炭酸ナトリウム水溶液
を加え、抽出分液した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥
し、溶媒を減圧留去した。残渣を塩化メチレン15mlに溶
解し、氷冷して無水コハク酸を250mg加えた。氷冷下で3
0分室温で1時間かくはんした後溶媒を減圧留去した。
残渣シリカゲルクロマドグラフィー(クロロホルム/メ
タノール=10/1)で精製した後酢酸エチルで結晶化させ
て化合物1 1.1g(1.68mmol)を得た。収率70%。(2
段階)液晶相転移点71℃。
合成例3.化合物6の合成 合成例2において、1,2−o−ジテトラデシル−sn−
グリセロールの代わりに1,2−o−ジミリストイル−sn
−グリセロールを用いて同様の操作を行い、化合物6を
得た。液晶相転移点70℃。
合成例4.化合物4の合成 合成例2において、1,2−o−ジテトラデシル−sn−
グリセロールの代わりに、1,2−o−ジパルミトイル−s
n−グリセロールを用いて同様の操作を行い、化合物4
を得た。液晶相転移点78℃。
合成例5.化合物12の合成 1,2−o−ジテトラデシル−sn−グリセロール3g(6.2
mmol)、N,N−ジメチルアミノピリジン80mgを含む塩化
メチレン溶液(30ml)に無水コハク酸680mgを加え、室
温で39時間かくはんした。終了溶媒を減圧留去し、シリ
カゲルカラムクロマトグラフィーで精製(ヘキサン/酢
酸エチル/=2/1〜1/1)して、無色油状(4℃で固化)
の化合物(12a)2.4g(4.1mmol)を得た。収率66%。
(12a)1.95g(2.3mmol)、Gly−OBzlp−トルエンス
ルホン酸塩1.2g(3.55mmol)、トリエチルアミン490μ
l、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール1水和物540mg
を、塩化メチレン(15ml)とDMF(5ml)の混合溶媒に溶
解し、氷冷かくはんしながらDCC750mgを加えた。氷冷下
2時間、室温で終夜かくはんを続けた後、析出したジシ
クロヘキシル尿素を濾別し、濾液から塩化メチレンを減
圧留去した。残留液に酢酸エチルを加え、10%クエン酸
水溶液、水、食塩水の順で洗浄、分液した。酢酸エチル
層に再び析出したジシクロヘキシル尿素を濾別し、濾液
を濃縮した後に残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフ
ィー(ヘキサン/酢酸エチル=3/1〜2/1)で精製して化
合物(12b)2.01g(2.75mmol)を得た。収率83%。
化合物(12b)1.97g(2.69mmol)をメタノール(20m
l)で酢酸エチル(20ml)の混合溶媒に溶解し、5%パ
ラジウム炭素を200mg加えて室温で3時間常圧水素添加
をおこなった。触媒をセライトで濾別し、濾液を濃縮し
た後アセトニトリルから結晶化させて化合物(12)1.54
g(2.4mmol)を得た。収率89%、液晶相転移点66℃。
合成例6.化合物15の合成 化合物12を原料として、合成例5と同様の方法で、Gl
y−OBzlとの縮合および脱ベンジルエステル化を行い、
酢酸エチルとアセトニトリルとの混合溶媒(5:1)より
結晶化させて化合物15を得た。液晶相転移点86℃。
本発明の化合物(I)〜(III)を膜構成成分とする
リポソームは公知の方法によって調整される。
すなわちボルテクスイング法〔A.D.Bangham J.Mol.Bi
ol.,13,238(1965)、ソニケーション法(C.Huang,Bioc
hem.,,344(1969)〕、プレベシクル法〔H.Trauble,N
eurosci.Res.Prog.Bull.,,273(1971)〕、エタノー
ル注入法〔S.Batzri,Biochem.Biophys.Acta.,298,1015
(1973)〕、フレンチプレス押出法〔Y.Barenhollz..FE
BS.Lett.,99,210(1979)〕、コール酸除去法〔Y.Kagaw
a,J.Biol.Chem.,246,5477(1971)〕、トリトンX−100
バッチ法〔W.J.Gerritsen,Eur.J.Biochem.,85,255(197
8)〕、Ca2+融合法〔D.PaPahadjopoulos,Biokhem.Bioph
ys.Acta.394,483(1975)〕、エーテル注入法〔D.Deame
r.Biokhem.Biophys.Akta.,443,629(1976)〕、アニー
リング法〔R.Lawaczeck,Biochem.Biophys.Acta,443,313
(1976)〕、凍結融解合法〔M.Kasahara,J.Biol.Chem.,
252,7384(1977)〕、W/O/Wエマルジョン法〔S.Matsumo
to,J.Colloid Interface Sci.,62,149(1977)〕、逆相
蒸発法〔F.Szoka,Proc.Natl.Acad.Sci.USA,75,4194(19
78)〕、高圧乳化法〔E.Mayhew,Biochem.Biophys.Acta,
775,169(1984)〕の他、特開昭60−7932、同60−793
3、同60−7934、同60−12127、同62−152531に記載の方
法等、多くの方法が知られているが、本発明では上記の
いずれの調製法を用いてもよくまたこれらに限定される
ものではない。
本発明に使用させる封入部材としては親水性薬物と親
油性薬物のいずれかあるいは両者を同時に用いることが
できる。このような親水性薬物としては例えばアドリア
マイシン、アクチノマイシン、マイトマイシン、1−β
−アラビノフラシルシトシン、ブレオマイシン、シスプ
ラチン等の抗がん剤、インターフェロン等の抗ウイルス
剤、アミノ酸糖体(例えば、ゲンタマイシン)、β−ラ
クタム化合物(例えばスルベニシリン、セフォチアム、
セフメノキシム)等の抗生物質、TRH、リュウブロライ
ド、インスリン等のペプチドホルモン剤、リゾチーム、
アスパラギナーゼ、グリコシダーゼ等の酸素剤、ムラミ
ルジペプチド、ムラミルトリペプチド等の免疫賦活性
剤、イムノグロブリン、各種トキシン等の蛋白質があげ
られる。
親油性薬物の例としては、アンサマイトシンのような
抗ガン剤や、TMD−66(Gann74(2)192−195(198
3))、MTP−PE(特開昭59−163389)のような免疫賦活
性剤、リン脂質誘導体(特開昭59−163389)があげられ
る。
その他薬物以外のものでも、マーカー、あるいはプラ
スミド、DNA、RNA等生体内に投与して有用なものであれ
ば特に制限されることはない。
次に封入液は水を媒体とし、これに適宜の水溶性物質
を溶解した水溶液が用いられる。場合によっては単に水
に薬物を溶解したものであってもよい。水溶性物質とし
ては、種々の緩衝液(例、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝
液)、各種塩類(例、塩化ナトリウム、リン酸−ナトリ
ウム、リン酸二ナトリウム)、糖類(例、グルコー
ス)、アミノ酸類(例、l−アルギニン)などを単独ま
たは混合して用いることができる。
この封入液中には、必要に応じて、保存剤(例、パラ
バン)等を加えておいてもよい。
未封入薬物とリポソームは、透析法、ろ過法(例、ゲ
ル濾過)、遠心分離法等で容易に分離できる。この際内
水相と外水相の浸透圧をできるだけ一致させることが望
ましい。
本発明の化合物は、単独でもまた二種類以上混合して
用いてもよい。また他のリポソーム膜形成脂質と混合し
て用いてもよい。各種リン脂質、スフィンゴ脂質、ある
いは合成脂質をこの目的のために用いることができる。
またさらに膜構造を強化するために、リン脂質リポソ
ームにおいて既知の様々な手段を併用することができ
る。
その代表例としては、ステロールまたはコレステロー
ルの混合、及び多糖ポリマーによる被覆(特開昭61−69
801号)が挙げられる。
本発明の化合物は、通常の二分子膜形成脂質のように
水和半径の大きい親水部をもたない。にもかかわらず安
定なリポソームを形成するのは、ペプチド部位の分子間
水素結合のためと考えられる。
以下に、本発明の化合物を膜構成成分とするリポソー
ムの調整例について記す。
〔実施例1〕 化合物3 30mgをクロロホルム10mlに溶解した後、ロ
ータリーエバポレーターを用いてクロロホルムを留去
し、さらに真空で乾燥して化合物3の薄膜を形成した。
これに15mMの塩化ナトリウムを含むトリス緩衝液(6m
M、pH7.0)3mlを加え、Vortex分散を行った。この際少
しのpH低下が認められたので、1HHaOHを約20μl加えpH
を7に調整した。次いで、バス型の超音波照射を50℃で
10分行い、さらに80℃で10分間加温した。分散液を、エ
クストレーダー(0.2μポリカーボネートフィルター、5
5℃)を用いて加圧濾過(約11kg/cm2)を6回行った。N
ICOMPで粒径測定を行った結果120nmを平均とする単分散
モードの粒径分布を得た。さらにリンタングステン酸に
よる染色後TEMで観察した結果、一枚膜のベシクルであ
ることが確認できた。
〔実施例2〕 実施例1と同様の方法で得たVortex分散液に、プロー
ブ型の超音波(30W、5分)照射を行った。実施例1と
同様の方法で、平均粒径約80nmの一枚のジシクルが調整
できたことを確認した。
〔実施例3〕 本発明の化合物の、リン酸緩衝液(20mM、pH7.0)の
中でのゲルー液晶相転移点をPrivalog型DSCを用いて測
定した。表1に結果を示す。
〔実施例4〕 化合物1 30mgの薄膜を実施例1と同様にして調整し
た後、50mMのカルボキシフルオレセイン(CF)を含むリ
ン酸緩衝液(20mM、pH7.0)3mlを加えた。次いで実施例
1と同様にVortex分散、バス型超音波、80℃加温、エク
ストルーダーの順で処理を行った。この場合は、実施例
1で見られたpH低下はおこらなかった。そして、分散液
を、150mMの塩化ナトリウムを含むリン酸緩衝液(20m
M、pH7.0)で平衡化したファデックスG−50でゲル濾過
を行い、未内包のCFを分離した。
ここで得られた脂質分画(平均粒径120nm)を37℃で
インキュベートし、漏出するCFをケイ光法で定量した。
比較例として、化合物1の代わりに、DPPC(ジパルミト
イルホスファチジルコリン)を用いて同じ操作でCF内包
のリポソーム(平均粒径140nm)を調整し、やはり37℃
でインキュベートしてCFの漏出を定量した。
結果を表2に示す。
表2より、本発明の化合物1を膜構成成分とするリポ
ソームは天然のリン脂質であるDPPCと比較して、CFに対
して高いバリアー能を有することがわかった。
〔実施例5〕 化合物1の代わりに化合物3、4、6、12、15を用い
て実施例4と同様にCFを内包するリポソームを作製し、
37℃での漏出を調べた。1時間後のCF漏出率を表3に記
す。
表3より、本発明の化合物の多くは、天然リン脂質の
DPPCと比べ同等またはそれ以上のバリアー能を有してい
ることがわかった。
また化合物(12)の合成中間体である化合物,(12
a)を用いて、同様の方法でリポソーム形成を試みた
が、CF内包のリポソームは作製できなかった。(ゲル濾
過段階で、リポソームに相当するフラクションが存在し
ない。)この結果より、本発明の化合物に含まれるペプ
チド結合が、リポソームの安定化に寄与していることが
推察される。
〔実施例6〕 実施例4において調整した、化合物1を用いたCF内包
のリポーソームを、4℃でインキュベートした。DPPCよ
り調整したCF内包リポソームは、4℃で保存すると20日
後には沈澱を生じたが、化合物1を用いたリポソームは
4ヶ月以上経ても安定な分散形態を維持した。また60日
後におけるCFの漏出は、わずか1.1%であった。
〔実施例7〕 実施例4において、化合物1の代わりに化合物4を用
いて、CF内包のリポソームを調整した。また、化合物4
にモル比で20%および50%のコレステロールを加えて、
同様にCF内包のリポソームを調整した。これらのリポソ
ーム溶液を37℃でインキュベートして、漏出するCFをケ
イ光法で定量した。1時間後の漏出量を表4に記す。
表4より、コレステロール添加により、本発明の化合
物が形成するリポソームのバリヤー能が大幅に向上する
ことがわかった。またコレステロールを50%添加したリ
ポソームを4℃でインキュベートしたが、2ヶ月以上安
定な分散形態を維持し、60日後のCFの漏出は1%以下で
あった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 C07K 5/083 B01J 13/02 Z // C07M 7:00

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】下記一般式(I)〜(III)であらわされ
    る化合物。 式中R1、R2は炭素数8〜24の直鎖または分岐のアルキル
    基またはアシル基であり、置換基、不飽和基を有してい
    ても良い。 R3n、R3(n+1)、R3m、R3(m+1)はそれぞれα−アミノ酸の
    側鎖残基をあらわす。 式(I)ではnは1から5、mは0から5の整数をあら
    わし、式(II)、(III)では、nおよびmは0から5
    の整数をあらわす。 また分子内に存在する不斉炭素に関しては、セラミ体、
    光学活性体のいずれでも良い。また分子末端のカルボキ
    シ基は、適当なカチオン成分と塩を形成していても良
    い。
  2. 【請求項2】請求項(1)記載の一般式(I)〜(II
    I)であらわされる化合物を膜構成成分とするリポソー
    ム。
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