JP2638994B2 - 熱伝導率測定方法 - Google Patents
熱伝導率測定方法Info
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Classifications
-
- B29C47/92—
Landscapes
- Investigating Or Analyzing Materials Using Thermal Means (AREA)
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、断熱材や保温材等の各種材料の特に高温下
における熱伝導率を測定する場合に採用して好適な熱伝
導率測定方法に関するものである。
における熱伝導率を測定する場合に採用して好適な熱伝
導率測定方法に関するものである。
「従来の技術」 一般に、断熱材や保温材として用いられる各種の材料
の熱伝導率の値は、常に一定ではなく温度条件によって
変化するものであって、第7図に示すように温度が高い
ほど熱伝導率も大きくなる、すなわち熱を伝え易くなる
傾向にある。したがって、特にたとえば1,000℃を越え
るような温度条件で使用される断熱材や保温材のように
高温下における熱伝導率が問題とされる材料にあって
は、その熱伝導率の測定は試料を実際に使用温度まで加
熱して行うことが必要となる。
の熱伝導率の値は、常に一定ではなく温度条件によって
変化するものであって、第7図に示すように温度が高い
ほど熱伝導率も大きくなる、すなわち熱を伝え易くなる
傾向にある。したがって、特にたとえば1,000℃を越え
るような温度条件で使用される断熱材や保温材のように
高温下における熱伝導率が問題とされる材料にあって
は、その熱伝導率の測定は試料を実際に使用温度まで加
熱して行うことが必要となる。
そのような熱伝導率の測定を行う装置としては第8図
に示すものが知られている。この従来の熱伝導率測定装
置は、断熱性を有する保護円筒a内の上部、下部にそれ
ぞれ主ヒータb、補助ヒータcを配して、保護円筒a内
部に下向きの定常的な熱流を生ぜしめるとともに、補助
ヒータcの上部にその定常熱流の熱流量を計測するため
の熱流計測板dを備えたものである。
に示すものが知られている。この従来の熱伝導率測定装
置は、断熱性を有する保護円筒a内の上部、下部にそれ
ぞれ主ヒータb、補助ヒータcを配して、保護円筒a内
部に下向きの定常的な熱流を生ぜしめるとともに、補助
ヒータcの上部にその定常熱流の熱流量を計測するため
の熱流計測板dを備えたものである。
この熱伝導率測定装置によって測定を行うには、保護
円筒a内の中心位置に熱伝導率を測定するべき試料Sを
配するとともに、その上下に熱伝導率が既知の標準伝熱
板s1,s2を配し、主ヒータb、補助ヒータcを制御する
ことによって保護円筒a内部に図中破線Aで示すような
熱平衡状態を作って、試料Sおよび標準伝熱板s1,s2に
折線Bのような温度勾配を形成させ、試料Sの平均内部
温度が熱伝導率を計測するべき温度T℃になるように保
持する。
円筒a内の中心位置に熱伝導率を測定するべき試料Sを
配するとともに、その上下に熱伝導率が既知の標準伝熱
板s1,s2を配し、主ヒータb、補助ヒータcを制御する
ことによって保護円筒a内部に図中破線Aで示すような
熱平衡状態を作って、試料Sおよび標準伝熱板s1,s2に
折線Bのような温度勾配を形成させ、試料Sの平均内部
温度が熱伝導率を計測するべき温度T℃になるように保
持する。
そして、定常状態において試料Sの上面、下面の正確
な温度を温度計e,eによって計測して、それらの温度差
と、熱流計測板dによって計測される定常熱流の熱量す
なわち試料Sを透過した熱貫流量とから、試料Sのその
温度T℃(試料Sの平均内部温度)における熱伝導率を
算出するようにしている。
な温度を温度計e,eによって計測して、それらの温度差
と、熱流計測板dによって計測される定常熱流の熱量す
なわち試料Sを透過した熱貫流量とから、試料Sのその
温度T℃(試料Sの平均内部温度)における熱伝導率を
算出するようにしている。
すなわち、計測された熱貫流量がQ(Kcal/h)、試料
Sの上面温度、下面温度がそれぞれθ1,θ2(℃)であ
ったとし、試料Sの厚み寸法がδ(m)、試料Sの有効
面積がA(m2)であったとすると、試料Sの温度T℃に
おける熱伝導率λ(Kcal/m・h・deg)は、 Q=(λ/δ)・A(θ1−θ2) の関係が成り立つから、この式から、 λ=Q・δ/A(θ1−θ2) ……(1) として求められる。
Sの上面温度、下面温度がそれぞれθ1,θ2(℃)であ
ったとし、試料Sの厚み寸法がδ(m)、試料Sの有効
面積がA(m2)であったとすると、試料Sの温度T℃に
おける熱伝導率λ(Kcal/m・h・deg)は、 Q=(λ/δ)・A(θ1−θ2) の関係が成り立つから、この式から、 λ=Q・δ/A(θ1−θ2) ……(1) として求められる。
なお、上記従来の熱伝導率測定装置における標準伝熱
板s1,s2は、試料Sの温度を高温に保持するためのもの
であるとともに、それらの表面温度を温度計f…によっ
て計測することによって、それらの表面温度および上記
の熱貫流量Qとから求められる熱伝導率の値を既知の熱
伝導率の値と比較することによって、計測値を検証し、
必要に応じて補正するためのものである。
板s1,s2は、試料Sの温度を高温に保持するためのもの
であるとともに、それらの表面温度を温度計f…によっ
て計測することによって、それらの表面温度および上記
の熱貫流量Qとから求められる熱伝導率の値を既知の熱
伝導率の値と比較することによって、計測値を検証し、
必要に応じて補正するためのものである。
また、符号g…は壁面温度補償用のヒータであって、
これらのヒータg…は、保護円筒a内部の温度勾配がA
の状態となるように保護円筒aの表面温度を制御し、こ
れにより保護円筒aとその内部空間との間の熱授受を無
くして熱流が保護円筒aの周面から放散してしまうこと
を防止するためのものである。
これらのヒータg…は、保護円筒a内部の温度勾配がA
の状態となるように保護円筒aの表面温度を制御し、こ
れにより保護円筒aとその内部空間との間の熱授受を無
くして熱流が保護円筒aの周面から放散してしまうこと
を防止するためのものである。
「発明が解決しようとする課題」 ところで、上記の場合、試料Sの上面温度θ1が熱伝
導率λを測定するべき温度Tより若干高くなるように
し、かつ、下面温度θ2が測定温度Tより若干低くなる
ようにして、それら上面、下面での温度θ1,θ2の単純
平均温度を試料S全体の温度を代表する平均内部温度と
みなし、この平均内部温度をもって測定温度Tとしてい
る。つまり、 T=(θ1+θ2)/2 の関係を満たすように、θ1,θ2の値を保持するように
している。
導率λを測定するべき温度Tより若干高くなるように
し、かつ、下面温度θ2が測定温度Tより若干低くなる
ようにして、それら上面、下面での温度θ1,θ2の単純
平均温度を試料S全体の温度を代表する平均内部温度と
みなし、この平均内部温度をもって測定温度Tとしてい
る。つまり、 T=(θ1+θ2)/2 の関係を満たすように、θ1,θ2の値を保持するように
している。
しかしながら、上記のように、試料Sの上下両面の単
純平均温度をもって試料S全体の温度を代表させること
は、以下のような理由から必ずしも妥当ではない。
純平均温度をもって試料S全体の温度を代表させること
は、以下のような理由から必ずしも妥当ではない。
すなわち、試料Sの熱伝導率が温度によって不変であ
って、その内部温度が第8図にBで示されているように
上面温度θ1と下面温度θ2との間で直線的に変化して
いる場合には、上下両面の単純平均温度をそのまま試料
Sの平均内部温度の見なして差し支えないが、一般に試
料Sの熱伝導率は上述したように温度によって変わるた
め、内部温度はそのように直線的に変化することはな
く、たとえば第9図にB′で示すように曲線的に変化す
るものである。そして、この場合には、上下両面の温度
θ1,θ2の単純平均として算定される内部平均温度T
と、実質的な内部平均温度T′との間に大きな誤差が生
じてしまい、上下両面の単純平均温度が試料S全体の温
度を代表するとはいえない場合がある、という問題があ
る。
って、その内部温度が第8図にBで示されているように
上面温度θ1と下面温度θ2との間で直線的に変化して
いる場合には、上下両面の単純平均温度をそのまま試料
Sの平均内部温度の見なして差し支えないが、一般に試
料Sの熱伝導率は上述したように温度によって変わるた
め、内部温度はそのように直線的に変化することはな
く、たとえば第9図にB′で示すように曲線的に変化す
るものである。そして、この場合には、上下両面の温度
θ1,θ2の単純平均として算定される内部平均温度T
と、実質的な内部平均温度T′との間に大きな誤差が生
じてしまい、上下両面の単純平均温度が試料S全体の温
度を代表するとはいえない場合がある、という問題があ
る。
このような場合にあっても、上下両面の温度θ1,θ2
の差が充分に小さい場合には、温度変化曲線はほぼ直線
とみなすことができて上記の誤差はほぼ無視することが
できるので、したがってその温度差はできるだけ小さく
することが望まれるのであるが、温度差を充分に小さく
した場合には、また別の問題を生じる。すなわち、試料
Sの上下両面での温度差を上記の誤差が無視できる程度
に小さくすることは、試料Sを極力薄くする必要が生じ
たり、試料Sの上下両面の温度を一定に保持することが
著しく困難になるばかりでなく、それらの温度の計測誤
差が僅かであっても測定結果に大きな影響が及び、得ら
れる熱伝導率の値に大きな誤差が生じてしまうことがあ
る。このことから、従来においては、上述したような問
題を内在しながらも、試料Sの上下両面にある程度大き
な温度差を確保せざるを得ないものであった。
の差が充分に小さい場合には、温度変化曲線はほぼ直線
とみなすことができて上記の誤差はほぼ無視することが
できるので、したがってその温度差はできるだけ小さく
することが望まれるのであるが、温度差を充分に小さく
した場合には、また別の問題を生じる。すなわち、試料
Sの上下両面での温度差を上記の誤差が無視できる程度
に小さくすることは、試料Sを極力薄くする必要が生じ
たり、試料Sの上下両面の温度を一定に保持することが
著しく困難になるばかりでなく、それらの温度の計測誤
差が僅かであっても測定結果に大きな影響が及び、得ら
れる熱伝導率の値に大きな誤差が生じてしまうことがあ
る。このことから、従来においては、上述したような問
題を内在しながらも、試料Sの上下両面にある程度大き
な温度差を確保せざるを得ないものであった。
本発明は上記の事情に鑑みてなされたもので、所望の
測定温度における試料の熱伝導率を、容易にかつ正確に
測定することのできる測定方法を提供することを目的と
している。
測定温度における試料の熱伝導率を、容易にかつ正確に
測定することのできる測定方法を提供することを目的と
している。
「課題を解決するための手段」 本発明は、所定の測定温度Tにおける試料の熱伝導率
λを測定するに際し、試料の下面温度T0を前記測定温度
Tより充分に低くかつ一定温度に保持したまま、試料の
上面温度Tmを下面温度T0より十分に高い温度となすとと
もにその上面温度Tmを順次変更していって、それぞれの
状態における試料の熱伝導率λmの計測を複数回行い、
それらの計測値から、試料下面温度T0が一定に保持され
た場合における試料上面温度Tmと熱伝導率λmとの関係
を表す関数を決定し、その関数に基づいて、試料の内部
温度が前記測定温度Tとなっている状態における熱伝導
率λを演算により算出するようにしたものである。
λを測定するに際し、試料の下面温度T0を前記測定温度
Tより充分に低くかつ一定温度に保持したまま、試料の
上面温度Tmを下面温度T0より十分に高い温度となすとと
もにその上面温度Tmを順次変更していって、それぞれの
状態における試料の熱伝導率λmの計測を複数回行い、
それらの計測値から、試料下面温度T0が一定に保持され
た場合における試料上面温度Tmと熱伝導率λmとの関係
を表す関数を決定し、その関数に基づいて、試料の内部
温度が前記測定温度Tとなっている状態における熱伝導
率λを演算により算出するようにしたものである。
「実施例」 以下、本発明の実施例を説明するが、それに先立ち、
本発明方法を実施するに際して用いて好適な熱伝導率測
定装置の一例を第1図を参照して説明し、また、本発明
方法の基本原理について第2図を参照して説明する。
本発明方法を実施するに際して用いて好適な熱伝導率測
定装置の一例を第1図を参照して説明し、また、本発明
方法の基本原理について第2図を参照して説明する。
まず、第1図を参照して、本発明方法を実施するに際
して用いて好適な熱伝導率測定装置について説明する。
第1図はその装置の概略構成を示す立断面図であって、
図中符号1は炉容器である。この炉容器1は、それぞれ
水冷ジャケットを有する本体2および本体2にヒンジ3
によって連結された蓋体4から構成されている。
して用いて好適な熱伝導率測定装置について説明する。
第1図はその装置の概略構成を示す立断面図であって、
図中符号1は炉容器である。この炉容器1は、それぞれ
水冷ジャケットを有する本体2および本体2にヒンジ3
によって連結された蓋体4から構成されている。
その炉容器1内には、それぞれ円板状の下部断熱材
5、上部断熱材6、および円筒状の側部断熱材7によっ
て、内部に試料Sが配される計測室8が形成されてい
る。この計測室8内の上部空間には計測室8内を所定の
温度に保持するための主ヒータ9が取り付けられている
とともに、下部断熱材中5にはこの下部断熱材5の内面
温度を熱流計測板15(後述)の温度と同等に保持するた
めの補償ヒータ10が埋め込まれており、それらの主ヒー
タ9、補償ヒータ10には炉容器1の蓋体4および本体2
を貫通している電極11,12が接続されている。なお、符
号13は計測室8内の温度を計測するための放射温度計で
ある。
5、上部断熱材6、および円筒状の側部断熱材7によっ
て、内部に試料Sが配される計測室8が形成されてい
る。この計測室8内の上部空間には計測室8内を所定の
温度に保持するための主ヒータ9が取り付けられている
とともに、下部断熱材中5にはこの下部断熱材5の内面
温度を熱流計測板15(後述)の温度と同等に保持するた
めの補償ヒータ10が埋め込まれており、それらの主ヒー
タ9、補償ヒータ10には炉容器1の蓋体4および本体2
を貫通している電極11,12が接続されている。なお、符
号13は計測室8内の温度を計測するための放射温度計で
ある。
また、計測室8の側壁を形成している上記の側部断熱
材7の内面は、充分な耐熱性を有しかつ熱伝導性に優れ
た材料、たとえば、グラファイト、耐熱鋼、モリブデン
等、によって筒状に形成された壁面温度補償板14によっ
て覆われている。この補償板14は、その優れた熱伝導性
によって計測室8の上部から下部に向かって熱を運び、
もって、側部断熱材7の内面温度を試料Sの各々の位置
の温度と同等に保持するためのものである。したがっ
て、この装置においては、従来の装置(第8図参照)に
おける壁面温度補償用のヒータg…を設ける必要がなく
なり、装置の簡略化、小形化が実現されている。
材7の内面は、充分な耐熱性を有しかつ熱伝導性に優れ
た材料、たとえば、グラファイト、耐熱鋼、モリブデン
等、によって筒状に形成された壁面温度補償板14によっ
て覆われている。この補償板14は、その優れた熱伝導性
によって計測室8の上部から下部に向かって熱を運び、
もって、側部断熱材7の内面温度を試料Sの各々の位置
の温度と同等に保持するためのものである。したがっ
て、この装置においては、従来の装置(第8図参照)に
おける壁面温度補償用のヒータg…を設ける必要がなく
なり、装置の簡略化、小形化が実現されている。
また、下部断熱材5の上面中央部には円板形状の熱流
計測板15が配され、その周囲には環状の補償冷却板16が
配されている。熱流計測板15は、内部に熱貫流量を計測
するための測温用ガスの流通路が渦巻き状に形成されて
おり、その流通路に測温用ガスを図中の矢印で示すよう
に流通させるためのガス導入管17およびガス導出管18が
それぞれ接続されている。また、補償冷却板16は、内部
に冷却ガスを流通させるための流通路が渦巻き状に形成
されていて、冷却用ガスを図中の矢印のように流通させ
るための冷却ガス導入管19、冷却ガス導出管20がそれぞ
れ接続されている。上記の測温用ガス、冷却用ガスは、
下部断熱材5中に埋め込まれているガス予熱器21,22に
よって所定の温度とされた後に、それぞれ熱流計測板1
5、補償冷却板16に導入されるようになっている。ま
た、図示は省略したが測温用ガスの入口温度と出口温
度、冷却用ガスの入口温度と出口温度を計測するための
温度計がそれぞれ設けられている。
計測板15が配され、その周囲には環状の補償冷却板16が
配されている。熱流計測板15は、内部に熱貫流量を計測
するための測温用ガスの流通路が渦巻き状に形成されて
おり、その流通路に測温用ガスを図中の矢印で示すよう
に流通させるためのガス導入管17およびガス導出管18が
それぞれ接続されている。また、補償冷却板16は、内部
に冷却ガスを流通させるための流通路が渦巻き状に形成
されていて、冷却用ガスを図中の矢印のように流通させ
るための冷却ガス導入管19、冷却ガス導出管20がそれぞ
れ接続されている。上記の測温用ガス、冷却用ガスは、
下部断熱材5中に埋め込まれているガス予熱器21,22に
よって所定の温度とされた後に、それぞれ熱流計測板1
5、補償冷却板16に導入されるようになっている。ま
た、図示は省略したが測温用ガスの入口温度と出口温
度、冷却用ガスの入口温度と出口温度を計測するための
温度計がそれぞれ設けられている。
上記の熱流計測板15は、測温用ガスの入り口と出口で
の温度を計測することによって、その温度差とガス流量
とから測温用ガスの受熱量、すなわち試料Sを透過した
熱貫流量を計測するためのものである。また、その周囲
に配された補償冷却板16は、熱流計測板15と同温度に保
持されることによりそれら相互間の熱授受を防ぐための
ものである。
の温度を計測することによって、その温度差とガス流量
とから測温用ガスの受熱量、すなわち試料Sを透過した
熱貫流量を計測するためのものである。また、その周囲
に配された補償冷却板16は、熱流計測板15と同温度に保
持されることによりそれら相互間の熱授受を防ぐための
ものである。
上記の熱流計測板15および補償冷却板16の上面には下
部測温板23が配され、その上面に熱伝導率を計測するべ
き試料Sが配され、さらにその上面に上部測温板24が配
されるようになっている。また、試料Sの周囲には断熱
材25が配されるようになっている。下部測温板23、上部
測温板24にはそれぞれ熱電対温度計(図示略)が挿入さ
れており、それらの熱電対温度計または上記の放射温度
計13によって試料Sの上面、下面の温度が計測できるよ
うにされている。
部測温板23が配され、その上面に熱伝導率を計測するべ
き試料Sが配され、さらにその上面に上部測温板24が配
されるようになっている。また、試料Sの周囲には断熱
材25が配されるようになっている。下部測温板23、上部
測温板24にはそれぞれ熱電対温度計(図示略)が挿入さ
れており、それらの熱電対温度計または上記の放射温度
計13によって試料Sの上面、下面の温度が計測できるよ
うにされている。
なお、本例では、測温および冷却の媒体としてガスを
用いているが、ガスに変えて水等の他の流体を用いるこ
とは差し支えない。
用いているが、ガスに変えて水等の他の流体を用いるこ
とは差し支えない。
上記の熱伝導率測定装置を用いて熱伝導率の測定を行
うには、まず、計測室8内に試料Sを配してその上面に
上部計測板24を配し、上部断熱材6によって計測室8を
密閉するとともに炉容器1の蓋体4を閉じる。そして、
以下で説明する測定方法により試料Sの上下両面の温度
を制御し、それらの温度と、熱流計測板15によって計測
される定常熱流の熱流量とから上述の(1)式に基づい
て熱伝導率を求めるのであるが、本実施例の測定方法を
説明するに先立ち、その基本原理を第2図を参照して説
明する。
うには、まず、計測室8内に試料Sを配してその上面に
上部計測板24を配し、上部断熱材6によって計測室8を
密閉するとともに炉容器1の蓋体4を閉じる。そして、
以下で説明する測定方法により試料Sの上下両面の温度
を制御し、それらの温度と、熱流計測板15によって計測
される定常熱流の熱流量とから上述の(1)式に基づい
て熱伝導率を求めるのであるが、本実施例の測定方法を
説明するに先立ち、その基本原理を第2図を参照して説
明する。
上記の測定装置を用いて測定温度がT℃における試料
Sの熱伝導率λ、すなわち試料Sの平均内部温度がT℃
となっている状態における熱伝導率λの値を求める場
合、次のような測定手順が考えられる。
Sの熱伝導率λ、すなわち試料Sの平均内部温度がT℃
となっている状態における熱伝導率λの値を求める場
合、次のような測定手順が考えられる。
まず、試料Sの下面温度を測定温度Tより充分に低い
温度T0に保持するとともに、試料Sの上面温度をTより
ΔT(deg)だけ低い温度T1に保持するように制御す
る。そのΔTの値は充分に小さくし、たとえば、測定温
度T=2,000℃の場合には、下面温度T0=100℃とすると
ともに、ΔT=50degとして上面温度T1=T−ΔT=1,9
50℃となるように制御する。これにより、試料Sの内部
には、第2図にB″で示すような温度勾配が生じる。
温度T0に保持するとともに、試料Sの上面温度をTより
ΔT(deg)だけ低い温度T1に保持するように制御す
る。そのΔTの値は充分に小さくし、たとえば、測定温
度T=2,000℃の場合には、下面温度T0=100℃とすると
ともに、ΔT=50degとして上面温度T1=T−ΔT=1,9
50℃となるように制御する。これにより、試料Sの内部
には、第2図にB″で示すような温度勾配が生じる。
そして、その状態における試料Sの熱伝導率λ1を求
める。すなわち、具体的には、測温用ガス、冷却用ガス
をそれぞれ予熱器21,22によって所定温度に加熱して熱
流計測板15、補償冷却板16に流通させることによってそ
れらの温度を同等に保持するようにし、計測室8内の温
度および試料Sの内部温度が定常状態となったら、つま
り温度変化が認められなくなったら(より具体的には、
温度変化がたとえば10分間で±0.5degの範囲内に収まる
か、あるいは許容値に対して±0.1%の範囲内に収まっ
たら)、熱流計測板15内を流通する測温用ガスの入口、
出口の温度を計測し、測温用ガスの温度差とその流量と
から受熱量すなわち試料Sを透過した熱貫流量Q1を求
め、その熱貫流量Q1と、試料Sの上下両面の温度T1,T0
および試料Sの厚み寸法δとから、次の(2)式に基づ
いてこの状態における試料Sの熱伝導率λ1を求める。
なお、この場合、試料Sの有効面積Aは熱流計測板15の
面積となる。
める。すなわち、具体的には、測温用ガス、冷却用ガス
をそれぞれ予熱器21,22によって所定温度に加熱して熱
流計測板15、補償冷却板16に流通させることによってそ
れらの温度を同等に保持するようにし、計測室8内の温
度および試料Sの内部温度が定常状態となったら、つま
り温度変化が認められなくなったら(より具体的には、
温度変化がたとえば10分間で±0.5degの範囲内に収まる
か、あるいは許容値に対して±0.1%の範囲内に収まっ
たら)、熱流計測板15内を流通する測温用ガスの入口、
出口の温度を計測し、測温用ガスの温度差とその流量と
から受熱量すなわち試料Sを透過した熱貫流量Q1を求
め、その熱貫流量Q1と、試料Sの上下両面の温度T1,T0
および試料Sの厚み寸法δとから、次の(2)式に基づ
いてこの状態における試料Sの熱伝導率λ1を求める。
なお、この場合、試料Sの有効面積Aは熱流計測板15の
面積となる。
Q1=(λ1/δ)A(T1−T0) ……(2) T1=T−ΔT これにより、上面温度がT1℃、下面温度がT0℃におけ
る熱伝導率λ1が求められる。
る熱伝導率λ1が求められる。
次に、試料Sの下面温度はそのままT0を保持し、上面
温度のみを上昇させてTよりΔTだけ高温のT2に保持す
るように制御する。つまり、T2=T+ΔTとする(上記
の例では、T2=2,050℃となる)。そして、定常状態と
なったらその状態における熱貫流量Q2を上記と同様にし
て求め、次の(3)式に基づいてこの状態における熱伝
導率λ2を求める。
温度のみを上昇させてTよりΔTだけ高温のT2に保持す
るように制御する。つまり、T2=T+ΔTとする(上記
の例では、T2=2,050℃となる)。そして、定常状態と
なったらその状態における熱貫流量Q2を上記と同様にし
て求め、次の(3)式に基づいてこの状態における熱伝
導率λ2を求める。
Q2=(λ2/δ)A(T2−T0) ……(3) T2=T+ΔT これにより、上面温度がT2℃、下面温度がT0℃におけ
る熱伝導率λ2が求められる。
る熱伝導率λ2が求められる。
この状態において、試料Sの内部には第2図にBで
示すような温度勾配が生じるが、この温度勾配曲線B
から、試料Sの内部温度がT1となっている部分の試料下
面からの距離がxであると仮定する。そして、試料Sの
厚みを下面からそのxまでの部分と、そのxの位置から
上面までの2つの部分に分割して考えると、定常状態に
おいてはいずれの部分も熱貫流量Q2は一定であることか
ら、上記(3)式は、次のように展開することができ
る。
示すような温度勾配が生じるが、この温度勾配曲線B
から、試料Sの内部温度がT1となっている部分の試料下
面からの距離がxであると仮定する。そして、試料Sの
厚みを下面からそのxまでの部分と、そのxの位置から
上面までの2つの部分に分割して考えると、定常状態に
おいてはいずれの部分も熱貫流量Q2は一定であることか
ら、上記(3)式は、次のように展開することができ
る。
Q2=(λ2/δ)A(T2−T0) ……(3) =(λ1/x)A(T1−T0) ……(3)′ ={λ/(δ−x)}A(T2−T1) ……(3)″ ここで、(3)′式は試料下面からxまでの部分の熱
バランスを示しており、この部分では上面温度(xの位
置における温度)T1、下面温度T0であるから、ここでの
熱伝導率の値は上記(2)式で求められたλ1となって
いる。また、(3)″式は、xの位置から試料上面まで
の部分における熱バランスを示しており、この部分では
上面温度T2、下面温度(xの位置における温度)T1であ
るから、ここでの熱伝導率の値がすなわち最終的に求め
るべき熱伝導率λの値となっている。
バランスを示しており、この部分では上面温度(xの位
置における温度)T1、下面温度T0であるから、ここでの
熱伝導率の値は上記(2)式で求められたλ1となって
いる。また、(3)″式は、xの位置から試料上面まで
の部分における熱バランスを示しており、この部分では
上面温度T2、下面温度(xの位置における温度)T1であ
るから、ここでの熱伝導率の値がすなわち最終的に求め
るべき熱伝導率λの値となっている。
したがって、(3)式=(3)′式とおいてこれを解
くと、 x=(λ1/λ2)・δ・(T1−T0)/(T2−T0) ……(4) となり、(3)′式=(3)″式として(4)式を代入
してこれを解くと、 λ=λ2・(T2−T0)/(T2−T1) −λ1・(T1−T0)/(T2−T1) ……(5) となり、この(5)式により、上面温度がT2、下面温度
がT1の場合における熱伝導率λが、上面温度がT1であり
下面温度がT0の場合における熱伝導率λ1の値と、上面
温度がT2であり下面温度がT0である場合における熱伝導
率λ2の値とから、求められることになる。
くと、 x=(λ1/λ2)・δ・(T1−T0)/(T2−T0) ……(4) となり、(3)′式=(3)″式として(4)式を代入
してこれを解くと、 λ=λ2・(T2−T0)/(T2−T1) −λ1・(T1−T0)/(T2−T1) ……(5) となり、この(5)式により、上面温度がT2、下面温度
がT1の場合における熱伝導率λが、上面温度がT1であり
下面温度がT0の場合における熱伝導率λ1の値と、上面
温度がT2であり下面温度がT0である場合における熱伝導
率λ2の値とから、求められることになる。
そして、この場合、T1とT2の差が充分に小さいことか
ら、それらの単純平均温度をそのまま試料Sの平均内部
温度と見なして差し支えなく、したがって、上記(5)
式で得られたλの値は、測定温度T=(T1+T2)/2にお
ける熱伝導率の値と見なすことができるものである。
ら、それらの単純平均温度をそのまま試料Sの平均内部
温度と見なして差し支えなく、したがって、上記(5)
式で得られたλの値は、測定温度T=(T1+T2)/2にお
ける熱伝導率の値と見なすことができるものである。
以上で本実施例の測定方法の基本原理を説明したが、
次に、本実施例の測定方法について第3図を参照して説
明する。
次に、本実施例の測定方法について第3図を参照して説
明する。
本実施例の測定方法は、試料Sの測定温度T℃におけ
る熱伝導率λを求めるにあたり、試料Sの下面温度を上
記と同様に測定温度Tより十分に低いT0に保持したま
ま、試料Sの上面温度Tmを下面温度T0より十分に高く
し、かつ、その上面温度Tmを順次変えて少なくとも3回
の測定を行い、上記で導き出された(5)式を利用して
測定温度Tにおける熱伝導率λを演算により算出するも
のである。
る熱伝導率λを求めるにあたり、試料Sの下面温度を上
記と同様に測定温度Tより十分に低いT0に保持したま
ま、試料Sの上面温度Tmを下面温度T0より十分に高く
し、かつ、その上面温度Tmを順次変えて少なくとも3回
の測定を行い、上記で導き出された(5)式を利用して
測定温度Tにおける熱伝導率λを演算により算出するも
のである。
すなわち、試料Sの下面温度をT0とし、上面温度Tmを
まず任意の温度Tm1として、その状態における熱貫流量Q
m1を測定し、それらの値から、上述した(2)式、
(3)式と同様の次式に基づきその状態における熱伝導
率λm1の値を求める。
まず任意の温度Tm1として、その状態における熱貫流量Q
m1を測定し、それらの値から、上述した(2)式、
(3)式と同様の次式に基づきその状態における熱伝導
率λm1の値を求める。
Qm1=(λm1/δ)A(Tm1−T0) ……(6) 次に、下面温度をそのままT0に保持したまま、上面温
度Tmのみを変更して任意の温度Tm2となし、その状態に
おける熱貫流量Qm2を計測し、熱伝導率λm2を上記と同
様に次式に基づいて求める。
度Tmのみを変更して任意の温度Tm2となし、その状態に
おける熱貫流量Qm2を計測し、熱伝導率λm2を上記と同
様に次式に基づいて求める。
Qm2=(λm2/δ)A(Tm2−T0) ……(6)′ さらに、下面温度をT0に保持したまま上面温度Tmを任
意の温度Tm3に変更し、その状態における熱貫流量Qm3を
測定し、同様にしてその状態における伝導率λm3を次式
に基づいて求める。
意の温度Tm3に変更し、その状態における熱貫流量Qm3を
測定し、同様にしてその状態における伝導率λm3を次式
に基づいて求める。
Qm3=(λm3/δ)A(Tm3−T0) ……(6)″ 上記の3回の測定を行う際の試料上面温度Tm1,Tm2,Tm
3は、下面温度T0に対して十分に高くなっていれば良
く、必ずしも測定温度Tに近い温度とする必要はない。
また、それらの温度差も任意である。
3は、下面温度T0に対して十分に高くなっていれば良
く、必ずしも測定温度Tに近い温度とする必要はない。
また、それらの温度差も任意である。
そして、上記の測定結果から、試料Sの上面温度Tmを
横軸とし、熱伝導率λmを縦軸とする第3図に示すよう
なグラフを作成するとともに、それらの測定値から、λ
mとTmとの関係を表す二次関数Φを求める。すなわち、 λm=Φ(Tm)=aTm2+bTm+c ……(7) として、上記a,b,cの値をたとえば最小自乗法により決
定する。
横軸とし、熱伝導率λmを縦軸とする第3図に示すよう
なグラフを作成するとともに、それらの測定値から、λ
mとTmとの関係を表す二次関数Φを求める。すなわち、 λm=Φ(Tm)=aTm2+bTm+c ……(7) として、上記a,b,cの値をたとえば最小自乗法により決
定する。
この関数Φが決定されれば、下面温度がT0であり上面
温度が任意の温度Tmである場合における熱伝導率λmが
上記(7)式から、あるいは第3図のグラフを読み取る
ことによって、求められることになる。
温度が任意の温度Tmである場合における熱伝導率λmが
上記(7)式から、あるいは第3図のグラフを読み取る
ことによって、求められることになる。
したがって、上記(7)式により下面温度がT0、上面
温度がT1の場合における熱伝導率λ1は、 λ1=aT1 2+bT1+c ……(8) として求められ、また、下面温度がT0、上面温度がT2の
場合における熱伝導率λ2は、 λ2=aT2 2+bT2+c ……(9) として求められるので、これらλ1、λ2の値を、下面
温度がT1であり上面温度がT2である場合における熱伝導
率λを求めるための上記(5)式に代入して整理する
と、次式が得られる。
温度がT1の場合における熱伝導率λ1は、 λ1=aT1 2+bT1+c ……(8) として求められ、また、下面温度がT0、上面温度がT2の
場合における熱伝導率λ2は、 λ2=aT2 2+bT2+c ……(9) として求められるので、これらλ1、λ2の値を、下面
温度がT1であり上面温度がT2である場合における熱伝導
率λを求めるための上記(5)式に代入して整理する
と、次式が得られる。
λ=a(T2 2+T2T1+T1 2) +(b−aT0)(T2+T1)+(c−bT0) ……(10) この(10)式から、下面温度がT1であり上面温度がT2
である場合(すなわち、試料Sの平均内部温度が測定温
度Tとなっている場合)における熱伝導率λの値が、そ
れらT2,T1の値、上記(7)式の関数Φにおけるa,b,cの
値、その関数Φを決定するための測定の際の試料Sの下
面温度T0の値、によってのみ算出し得ることになる。す
なわち、関数Φが決定されれば、試料Sの上面温度を実
際に測定温度Tに近い温度として測定せずとも、その測
定温度Tにおける熱伝導率λの値が(10)式により演算
によって求められることになる。
である場合(すなわち、試料Sの平均内部温度が測定温
度Tとなっている場合)における熱伝導率λの値が、そ
れらT2,T1の値、上記(7)式の関数Φにおけるa,b,cの
値、その関数Φを決定するための測定の際の試料Sの下
面温度T0の値、によってのみ算出し得ることになる。す
なわち、関数Φが決定されれば、試料Sの上面温度を実
際に測定温度Tに近い温度として測定せずとも、その測
定温度Tにおける熱伝導率λの値が(10)式により演算
によって求められることになる。
そして、最終的に求めたい熱伝導率λの値は、理想的
には試料Sの両面の温度T1,T2の温度差が限りなく小さ
いときの値、すなわち、T2≒T1=Tとおいた値であるか
ら、上記(10)式にT2=T1=Tを代入すると、 λ=3aT2+2(b−aT0)T+(c−bT0) ……(11) となり、この(11)式により、試料Sの測定温度Tにお
ける熱伝導率λが求められることになる。
には試料Sの両面の温度T1,T2の温度差が限りなく小さ
いときの値、すなわち、T2≒T1=Tとおいた値であるか
ら、上記(10)式にT2=T1=Tを代入すると、 λ=3aT2+2(b−aT0)T+(c−bT0) ……(11) となり、この(11)式により、試料Sの測定温度Tにお
ける熱伝導率λが求められることになる。
したがって、この(11)式から任意の測定温度Tにお
ける熱伝導率λを直ちに算出することができるし、(1
1)式から第9図に示したようなグラフが作成できるか
ら、そのグラフを読み取ることで任意の測定温度Tにお
ける熱伝導率λを直ちに求めることができる。
ける熱伝導率λを直ちに算出することができるし、(1
1)式から第9図に示したようなグラフが作成できるか
ら、そのグラフを読み取ることで任意の測定温度Tにお
ける熱伝導率λを直ちに求めることができる。
以上で説明したように、上記実施例の測定方法によれ
ば、試料Sの下面温度T0を一定に保持したまま試料Sの
上面温度Tmを変えて3回の測定を行い、その結果に基づ
いて試料Sの上面温度Tmと熱伝導率λmとの関係を表す
関数Φを決定し、その決定された関数Φに基づいて所望
の測定温度Tにおける熱伝導率λを演算により求めるの
で、任意の測定温度Tにおける熱伝導率λの値を、容易
にかつ正確に求めることができる。
ば、試料Sの下面温度T0を一定に保持したまま試料Sの
上面温度Tmを変えて3回の測定を行い、その結果に基づ
いて試料Sの上面温度Tmと熱伝導率λmとの関係を表す
関数Φを決定し、その決定された関数Φに基づいて所望
の測定温度Tにおける熱伝導率λを演算により求めるの
で、任意の測定温度Tにおける熱伝導率λの値を、容易
にかつ正確に求めることができる。
そして、この場合、関数Φを決定するためにはわずか
3回の測定を行うのみで良いし、その測定は試料Sの上
下両面での温度差が大きく確保されている状態で行うか
ら、試料Sの温度制御が容易であるし、また、測定誤差
が大きくなることもない。
3回の測定を行うのみで良いし、その測定は試料Sの上
下両面での温度差が大きく確保されている状態で行うか
ら、試料Sの温度制御が容易であるし、また、測定誤差
が大きくなることもない。
なお、上記実施例では、試料Sの上面温度λmと熱伝
導率λmとの関係を表す関数Φを二次関数とし、その関
数Φを決定するために熱伝導率の測定を3回行うように
したが、関数Φは必ずしも二次関数に限ることはなく、
測定結果を正確に表し得るものであれば他の関数、たと
えばさらに多次の関数や指数関数等とすることでも良
く、その場合、熱伝導率の測定は関数Φを正確に決定す
るために必要な回数だけ行うようにすれば良い。
導率λmとの関係を表す関数Φを二次関数とし、その関
数Φを決定するために熱伝導率の測定を3回行うように
したが、関数Φは必ずしも二次関数に限ることはなく、
測定結果を正確に表し得るものであれば他の関数、たと
えばさらに多次の関数や指数関数等とすることでも良
く、その場合、熱伝導率の測定は関数Φを正確に決定す
るために必要な回数だけ行うようにすれば良い。
また、関数Φを決定するための熱伝導率の測定は手動
により逐次行っても良いが、熱伝導率測定装置にマイク
ロコンピュータを備えておいて全ての手順を予めプログ
ラミングしておくとともに、そのマイクロコンピュータ
によって全ての制御を行うようにし、かつ、計測値から
直ちに演算を行って関数Φを決定し、所望の測定温度に
おける熱伝導率を算出するように構成することが望まし
い。
により逐次行っても良いが、熱伝導率測定装置にマイク
ロコンピュータを備えておいて全ての手順を予めプログ
ラミングしておくとともに、そのマイクロコンピュータ
によって全ての制御を行うようにし、かつ、計測値から
直ちに演算を行って関数Φを決定し、所望の測定温度に
おける熱伝導率を算出するように構成することが望まし
い。
さらに、上記の熱伝導率測定装置を用いて関数Φを決
定するための測定を行う場合、試料Sの側部から断熱材
25(第1図参照)を通して外部に放熱されることがあ
り、これにより測定誤差が生じることが考えられる。し
たがって、より正確な計測を行うためには、その断熱材
25の内面温度、外面温度を計測することによってその放
熱量を把握し、熱流計測板15によって得られた熱貫流量
の測定値に対して次のような補正を行うと良い。
定するための測定を行う場合、試料Sの側部から断熱材
25(第1図参照)を通して外部に放熱されることがあ
り、これにより測定誤差が生じることが考えられる。し
たがって、より正確な計測を行うためには、その断熱材
25の内面温度、外面温度を計測することによってその放
熱量を把握し、熱流計測板15によって得られた熱貫流量
の測定値に対して次のような補正を行うと良い。
すなわち、第4図に示すように、断熱材25の内面平均
温度がt1、外面平均温度t2であったとし、この断熱材25
の熱伝導率λb、内径寸法R2、外形寸法R3、試料Sの厚
みδとすると、試料Sの側部から断熱材25を通して放熱
される熱量のうち、試料Sの有効半径R1の範囲に影響す
る熱量Qbは、 Qb={λb/(R3−R2)}(R1/R2)4 ×2πRmδ(t1−t2) 但しRm=(R3−R2)/1n(R3/R2) で表されるから、このQbの値を、熱流計測板15によって
得られた熱貫流量の値に対して補正すれば良い。この場
合、断熱材25の内面温度、外面温度は試料Sの厚み方向
で均一ではないので、断熱材25全体を代表する温度とし
て、試料の上面から試料厚み寸法の3分の2ないし4分
の3程度の位置、すなわちz=(2/3〜3/4)δにおける
内面温度、外面温度を測定し、これをもって内面平均温
度t1、外面平均温度t2とすることが良い。
温度がt1、外面平均温度t2であったとし、この断熱材25
の熱伝導率λb、内径寸法R2、外形寸法R3、試料Sの厚
みδとすると、試料Sの側部から断熱材25を通して放熱
される熱量のうち、試料Sの有効半径R1の範囲に影響す
る熱量Qbは、 Qb={λb/(R3−R2)}(R1/R2)4 ×2πRmδ(t1−t2) 但しRm=(R3−R2)/1n(R3/R2) で表されるから、このQbの値を、熱流計測板15によって
得られた熱貫流量の値に対して補正すれば良い。この場
合、断熱材25の内面温度、外面温度は試料Sの厚み方向
で均一ではないので、断熱材25全体を代表する温度とし
て、試料の上面から試料厚み寸法の3分の2ないし4分
の3程度の位置、すなわちz=(2/3〜3/4)δにおける
内面温度、外面温度を測定し、これをもって内面平均温
度t1、外面平均温度t2とすることが良い。
さらに、より厳密には、第5図に示すように、断熱材
25を厚さ寸法がδ1,δ2,…,δnの複数の部分に分割し
て考えて、それぞれの部分における内面温度、外面温度
を計測し、それらの温度に基づいてQb′を求めると良
い。この場合、各部分の内面温度をt1n、外面温度をt2n
とすると、 Qb′={λb/(R3−R2)}(R1/R2)4 ×2πRm{Σδn(t1n−t2n)} 但しRm=(R3−R2)/1n(R3/R2) で表される。
25を厚さ寸法がδ1,δ2,…,δnの複数の部分に分割し
て考えて、それぞれの部分における内面温度、外面温度
を計測し、それらの温度に基づいてQb′を求めると良
い。この場合、各部分の内面温度をt1n、外面温度をt2n
とすると、 Qb′={λb/(R3−R2)}(R1/R2)4 ×2πRm{Σδn(t1n−t2n)} 但しRm=(R3−R2)/1n(R3/R2) で表される。
また、測定誤差が生じる他の原因として、熱流計測板
15と補償ヒータ10の温度差に起因してそれらの間に生じ
る熱授受が考えられる。このような誤差が生じることを
防ぐには、測温用ガスの熱流計測板15への導入温度およ
び導出温度を測定して、それらの平均温度と補償ヒータ
10の温度とが同等になるように制御し、もってそれらの
間の熱授受を無くすようにすれば良いが、あるいは、次
のような補正を行うことでも良い。
15と補償ヒータ10の温度差に起因してそれらの間に生じ
る熱授受が考えられる。このような誤差が生じることを
防ぐには、測温用ガスの熱流計測板15への導入温度およ
び導出温度を測定して、それらの平均温度と補償ヒータ
10の温度とが同等になるように制御し、もってそれらの
間の熱授受を無くすようにすれば良いが、あるいは、次
のような補正を行うことでも良い。
すなわち、第6図に示すように、熱流計測板15と補償
ヒータ10との間で生じる熱授受量Qcは、断熱材5の熱伝
導率がλc、その厚み寸法がC、熱流計測板15の半径が
R1であり、熱流計測板の下面温度がt3、補償ヒータの表
面温度がt4であったとすると、 Qc=(λc/C)πR1 2(t3−t4) として求められる。したがって、上記のt3,t4を計測し
てQcを算出し、このQcの値を熱流計測板15によって得ら
れた熱貫流量に対して補正してやれば良い。
ヒータ10との間で生じる熱授受量Qcは、断熱材5の熱伝
導率がλc、その厚み寸法がC、熱流計測板15の半径が
R1であり、熱流計測板の下面温度がt3、補償ヒータの表
面温度がt4であったとすると、 Qc=(λc/C)πR1 2(t3−t4) として求められる。したがって、上記のt3,t4を計測し
てQcを算出し、このQcの値を熱流計測板15によって得ら
れた熱貫流量に対して補正してやれば良い。
さらになお、上記の実施例における測定の際には、試
料Sの下面温度T0を上面温度Tmに関係なく常に一定に保
持するのであるが、そのためには、熱流計測板15に導入
する測温用ガスの流量を可変とし、試料Sからの受熱に
伴う測温用ガスの温度上昇が過度にならないようにガス
流量を制御することが望ましい。この場合、その温度上
昇は、計測誤差が最も少なくなる5〜10deg程度の範囲
に収めることが良い。
料Sの下面温度T0を上面温度Tmに関係なく常に一定に保
持するのであるが、そのためには、熱流計測板15に導入
する測温用ガスの流量を可変とし、試料Sからの受熱に
伴う測温用ガスの温度上昇が過度にならないようにガス
流量を制御することが望ましい。この場合、その温度上
昇は、計測誤差が最も少なくなる5〜10deg程度の範囲
に収めることが良い。
「発明の効果」 以上で詳細に説明したように、本発明の熱伝導率測定
方法は、試料の下面温度を一定に保持しつつ上面温度を
変化させて複数回の計測を行い、その計測値から、試料
上面温度と熱伝導率との関係を表す関数を決定し、その
関数に基づいて任意の測定温度における熱伝導率を演算
により求めるので、所望の測定温度における熱伝導率、
しかも試料全体が均一に測定温度となっていると見なせ
る状態における熱伝導率を、容易にかつ正確に求めるこ
とができる、という効果を奏する。そして、本発明方法
によれば、実際の熱伝導率の測定は上下両面での温度差
が大きく確保されている状態で行うから、試料の温度制
御が容易であるし、また、測定誤差が大きくなることも
なく、特に高温下における熱伝導率の測定の際に採用し
て好適である。
方法は、試料の下面温度を一定に保持しつつ上面温度を
変化させて複数回の計測を行い、その計測値から、試料
上面温度と熱伝導率との関係を表す関数を決定し、その
関数に基づいて任意の測定温度における熱伝導率を演算
により求めるので、所望の測定温度における熱伝導率、
しかも試料全体が均一に測定温度となっていると見なせ
る状態における熱伝導率を、容易にかつ正確に求めるこ
とができる、という効果を奏する。そして、本発明方法
によれば、実際の熱伝導率の測定は上下両面での温度差
が大きく確保されている状態で行うから、試料の温度制
御が容易であるし、また、測定誤差が大きくなることも
なく、特に高温下における熱伝導率の測定の際に採用し
て好適である。
第1図は本発明方法の実施に用いて好適な熱伝導率測定
装置の一例を示す立断面図である。第2図はこの発明方
法の基本原理を説明するための試料の内部温度状態を表
す図である。 第3図ないし第6図はこの発明方法の実施例を説明する
ための図であって、第3図は試料の下面温度を一定に保
持した場合における試料の上面温度と熱伝導率の関係を
表す関数を示す図、第4図および第5図はそれぞれ試料
側部からの放熱による測定誤差に対する補正を行う場合
の説明図、第6図は熱流計測板と補償ヒータとの間の熱
授受による測定誤差に対する補正を行う場合の説明図で
ある。 第7図は熱伝導率と温度との関係を示す図、第8図は従
来の熱伝導率測定装置の概略構成を示す立断面図、第9
図は試料の内部温度状態を示す図である。 S……試料、T……測定温度、T0……下面温度、Tm……
上面温度、Φ……関数、λm……試料の下面温度がT0で
あり上面温度がTmである場合における熱伝導率、λ……
試料の内部温度が測定温度となっている状態における熱
伝導率。
装置の一例を示す立断面図である。第2図はこの発明方
法の基本原理を説明するための試料の内部温度状態を表
す図である。 第3図ないし第6図はこの発明方法の実施例を説明する
ための図であって、第3図は試料の下面温度を一定に保
持した場合における試料の上面温度と熱伝導率の関係を
表す関数を示す図、第4図および第5図はそれぞれ試料
側部からの放熱による測定誤差に対する補正を行う場合
の説明図、第6図は熱流計測板と補償ヒータとの間の熱
授受による測定誤差に対する補正を行う場合の説明図で
ある。 第7図は熱伝導率と温度との関係を示す図、第8図は従
来の熱伝導率測定装置の概略構成を示す立断面図、第9
図は試料の内部温度状態を示す図である。 S……試料、T……測定温度、T0……下面温度、Tm……
上面温度、Φ……関数、λm……試料の下面温度がT0で
あり上面温度がTmである場合における熱伝導率、λ……
試料の内部温度が測定温度となっている状態における熱
伝導率。
Claims (1)
- 【請求項1】所定の測定温度Tにおける試料の熱伝導率
λを測定するに際し、試料の下面温度T0を前記測定温度
Tより十分に低くかつ一定温度に保持したまま、試料の
上面温度Tmを下面温度T0より十分に高い温度となすとと
もにその上面温度Tmを順次変更していって、それぞれの
状態における試料の熱伝導率λmの計測を複数回行い、
それらの計測値から、試料下面温度T0が一定に保持され
た場合における試料上面温度Tmと熱伝導率λmとの関係
を表す関数を決定し、その関数に基づいて、試料の内部
温度が前記測定温度Tとなっている状態における熱伝導
率λを演算により算出することを特徴とする熱伝導率測
定方法。
Priority Applications (4)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63236727A JP2638994B2 (ja) | 1988-09-21 | 1988-09-21 | 熱伝導率測定方法 |
| EP19890300473 EP0325441B1 (en) | 1988-01-18 | 1989-01-18 | A method for measuring thermal conductivity |
| DE1989627938 DE68927938T2 (de) | 1988-01-18 | 1989-01-18 | Verfahren zur Messung der thermischen Konduktivität |
| US07/795,308 US5258929A (en) | 1988-01-18 | 1991-11-21 | Method for measuring thermal conductivity |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP63236727A JP2638994B2 (ja) | 1988-09-21 | 1988-09-21 | 熱伝導率測定方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0283440A JPH0283440A (ja) | 1990-03-23 |
| JP2638994B2 true JP2638994B2 (ja) | 1997-08-06 |
Family
ID=17004891
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP63236727A Expired - Lifetime JP2638994B2 (ja) | 1988-01-18 | 1988-09-21 | 熱伝導率測定方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2638994B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4736786B2 (ja) * | 2005-12-20 | 2011-07-27 | パナソニック株式会社 | 液体センサ用受液容器及びそれを備えた冷却装置 |
| DE102020101724A1 (de) * | 2020-01-24 | 2021-07-29 | Sikora Aktiengesellschaft | Vorrichtung und Verfahren zum Bestimmen der Temperatur eines rohrförmigen Strangs |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPH0750050A (ja) * | 1993-08-04 | 1995-02-21 | Fujitsu Ten Ltd | 記録媒体のローディング装置 |
-
1988
- 1988-09-21 JP JP63236727A patent/JP2638994B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0283440A (ja) | 1990-03-23 |
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