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JP2648361B2 - 選択透過膜およびそれを用いる電極 - Google Patents
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JP2648361B2 - 選択透過膜およびそれを用いる電極 - Google Patents

選択透過膜およびそれを用いる電極

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JP2648361B2
JP2648361B2 JP1057588A JP5758889A JP2648361B2 JP 2648361 B2 JP2648361 B2 JP 2648361B2 JP 1057588 A JP1057588 A JP 1057588A JP 5758889 A JP5758889 A JP 5758889A JP 2648361 B2 JP2648361 B2 JP 2648361B2
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Description

【発明の詳細な説明】 産業上の利用分野 本発明は、たとえば電気化学的に検出可能な物質の生
成、または消費を検出する方式の固定化生体触媒電極な
どに好適に用いられる選択透過膜およびそれを用いる電
極に関する。
従来の技術 近年、生化学などの研究の発達によつて従来未解明で
あつた生体反応が解明されて化学工業の各分野に応用さ
れるようになつてきた。
細胞、酵素などが触媒する生化学反応の応用範囲は広
いが、特に生化学反応を物質の検出手段に応用するいわ
ゆるバイオセンシングは注目を集めている。このバイオ
センシングによつて、従来の技術では測定不可能であつ
た物質あるいは測定に多大の時間と労力を費やした物質
を簡便に測定することができ、環境計測、食品製造、食
品分析、医療分析などの各分野において実用化が進んで
いる。
一般に、酵素などの生体触媒には、 反応の特異性が高い。
温和な条件下での測定が可能である。
高感度で微量成分の測定が可能である。
などの利点があるが、触媒として生体由来の物質を用い
ている故に、 酵素などの生体触媒が高価である。
温度、pHなどの反応条件に制限がある。
様々な要因によつて酵素などの生体触媒の触媒能が失
われる、いわゆる失活が生じる。
という欠点を併せ持つている。
このような問題点を解決するために、生体触媒を固定
化して用いることが考え出されており、多くの方法が提
案されている。そのうちで共有結合性の架橋剤を用いて
生体触媒を架橋反応によつて固定化する方法は、その結
合が吸着やイオン結合などに比較して強固であるため
に、実用化に適している。
このような固定化生体触媒を被検出物質の測定に応用
する場合には、生体触媒とその生化学反応によつて増減
する物質を検出できる検出機構とを組合わせて使用す
る。このとき検出機構としては、電気化学検出器、蛍光
検出器、熱検出器などが応用されている。特に、固定化
酵素による生化学反応における酸素の消費または過酸化
水素の生成を酸素電極または過酸化水素電極などを用い
て電気化学的に検出する方法は、装置構成の簡単さ、検
出感度の高さ、応答速度の速さなどの利点を有してお
り、最もよく用いられている。
しかしながら、たとえば過酸化水素電極を用いた場合
には、生化学反応によつて生成された過酸化水素だけで
なく、測定試料に含まれるアスコルビン酸などの妨害物
質をも検出してしまい、測定の信頼性が低下してしまう
ことが知られている。そこで固定化酵素膜と、酵素電極
または過酸化水素電極との間に選択透過膜を介在させる
方法が実用化されている。すなわち、酵素電極や過酸化
水素電極などの表面の近傍に緩衝液などを介して被検出
物質以外の物質の透過を制限する選択透過膜と、固定化
酵素膜とをこの順に配置するかあるいは電極表面に直接
選択透過膜と、固定化酵素膜とをこの順に形成する。こ
れによつて妨害物質の検出を防止するとともに、測定精
度を向上することができる。
従来では、このような選択透過膜として、たとえば特
開昭60−56254号に開示されているように、アセチルセ
ルロースなどの素材を用いた選択透過膜が使用されてい
る。しかしながら、この選択透過膜を製造するために
は、取り扱いの不便な溶剤を使用しなければならないと
いう問題がある。また、所望の選択透過能を得るために
は、微妙に乾燥時間等を調節しなければならず、多大な
時間と非常に面倒な操作とを要しなければ実用可能な選
択透過膜を得ることができない。
また、本件発明者等は、タンパク質と架橋剤とを用い
て簡便に選択透過膜を形成する方法を提案した(特開昭
63−182559号)。しかしながら、選択透過膜に限らず、
一般にタンパク質と架橋剤とを用いて形成された固定化
タンパク質膜には、物理的強度が低いという問題があ
り、その取り扱いが不便であり、耐久性に劣るという欠
点がある。
このような固定化タンパク質膜の物理的強度の問題
は、たとえば物理的強度の大きい担体上にタンパク質を
固定化しても固定化タンパク質膜自体が脆くなり、部分
的に剥離することがあり、根本的に解決することはでき
ない。
したがつて、上述したような選択透過膜に対する問題
点は、有効な解決策が提示されずに現在に至つている。
一般に、選択透過膜ではなく、酵素などの生体触媒であ
るタンパク質を固定化した固定化タンパク質膜の強度を
向上させる方法は、たとえば特公昭58−49821号に示さ
れている。この方法は、アミノおよびイミノ系高分子と
ともに、生体触媒である酵素を固定化し、酵素固定化膜
の物理的強度を向上させるものである。しかしながら、
このような方法を選択透過膜に応用する場合には、固定
化されたタンパク質の物性が変化しやすいので所望の選
択透過能を得ることが困難であるという問題がある。
さらに、特開昭62−32352号に示されているように、
タンパク質である酵素をポリエステル布に固定化し、酵
素固定化膜の物理的強度の補強を図る方法も提案されて
いる。しかしながら、このような場合には、タンパク質
膜の膜厚が増大してしまい、選択透過膜の形成に応用す
る場合には、固定化酵素電極の測定感度と測定速度が悪
化してしまうという問題がある。
発明が解決しようとする課題 したがつて本発明の目的は上記技術的課題を解決し、
所望の選択透過能を有し、物理的強度に優れ、なおかつ
簡便に製造することができる選択透過膜およびそれを用
いる電極を提供することである。
課題を解決するための手段 本発明は、タンパク質と、少なくとも1種類の架橋剤
とを含み、前記タンパク質以外に架橋剤と反応する高分
子物質が少なくとも1種類添加された混合溶液を膜状に
展開し、 架橋反応により前記タンパク質を固定化して成ること
を特徴とする選択透過膜である。
また本発明は、前記タンパク質か少なくと1種類以上
の球状タンパク質を含む成分構成であり、 前記少なくとも1種類の架橋剤がアミノ基と架橋反応
する架橋剤を含み、 前記高分子物質がアミノ基、アミノ基の誘導体あるい
はその両方を有する直鎖状多糖類を含むことを特徴とす
る前記選択透過膜である。
前記タンパク質と直鎖状多糖類との構成重量比は100
0:1から1000:10の範囲であり、タンパク質と架橋剤との
構成重量比は、100:5から100:50の範囲であることが好
ましい。また前記直鎖状多糖類はキトサンであつてもよ
い。
さらに本発明は、上述した選択透過膜を導電性基体近
傍に設けたことを特徴とする電極である。このような電
極において前記選択透過膜の電極性基体と反対側表面上
に、少なくとも1種類のオキシダーゼを固定化した固定
化酵素膜を設けてもよい。
作 用 導電性基体表面上にタンパク質を固定化し、これを選
択透過膜とし、さらに固定化酵素膜を形成する場合に
は、この選択透過膜の物理強度が固定化酵素電極の寿命
に大きな影響を与える。
一般に、固定化タンパク質膜の物理的強度を向上させ
るためには、固定化タンパク質膜中における架橋剤の濃
度を高くすればよい。しかし、この固定化タンパク質膜
を選択透過膜として形成する場合には、固定化タンパク
質膜の物理的特性が架橋剤濃度によつて変化するので、
選択透過能が悪化してしまうことがあり、望ましくな
い。
また、固定化タンパク質膜中に架橋剤と反応する補強
物質を共存させて固定化タンパク質膜の強度を向上させ
る方法もある。しかし、このような方法では、補強物質
が固定化タンパク質膜の物理的特性に悪影響を与え、選
択透過膜としての本来の機能、すなわち選択性を失わせ
てしまう恐れがある。
本件発明者らは、特にタンパク質と架橋剤とで構成さ
れる選択透過膜中に架橋剤と反応する補強物質を共存さ
せる実験を行い、選択透過膜の物理的特性に悪影響を与
えず、なおかつ選択透過膜の物理的強度を向上させる補
強物質および、その製造条件を検討し、本発明を完成す
るに至つた。
このような補強物質には、 固定化されるタンパク質の溶液またはこのタンパク質
と架橋剤との混合溶液に溶解する物質であること。
選択透過膜の物理的特性に悪影響を与えないために少
量で選択透過膜の物理的強度を向上させることができる
物質であること。
架橋剤に対して、固定化すべきタンパク質と同程度の
反応性を有し、架橋反応によつて不溶化する物質である
こと。
などの諸性質が要求される。
したがつて本件発明者は、タンパク質と架橋剤との混
合溶液中に共存させることが可能で、架橋剤と架橋反応
を行い、かつ、選択透過膜の選択透過能に悪影響を与え
ない化合物を探索した。
たとえば、架橋剤としてグルタルアルデヒド等を用
い、溶媒として蒸留水または緩衝液などを用いて一定濃
度のタンパク質と架橋剤の混合溶液を調製し、この混合
溶液に各種化合物を共存させてグルタルアルデヒド等と
架橋反応を行わせ、固定化タンパク質膜を作成した。作
成された固定化タンパク質膜の物理的強度および選択透
過能について実験し、選択透過膜の物理強度を向上さ
せ、選択透過能に悪影響を与えない化合物を探索するこ
とができる。
この結果、タンパク質を少なくとも1種類以上の球状
タンパク質を含む成分構成にし、架橋剤としてアミノ基
と架橋反応を行う化合物を用い、前記混合溶液に共存さ
せる化合物としてアミノ基、アミノ基の誘導体、あるい
はその両方を含む直鎖状多糖類を使用すれば固定化タン
パク質膜の選択透過性に悪影響を与えることなく、なお
かつ固定化タンパク質膜の物理的強度を向上することが
できることが見いだされた。
本発明によれば、容易に優れた選択透過膜を形成する
ことが可能である。特に、導電性基体表面上に選択透過
膜を直接に設けることが容易に可能となり、さらに選択
透過膜上に固定化酵素膜を形成することにより、固定化
酵素電極を製造することができる。
本発明に使用される架橋剤としては、各種架橋剤を使
用することができるが、グルタルアルデヒド、ヘキサメ
チレンジイソシアネートなどの架橋試薬は結合強度が大
きいので、好ましく用いられる。特にグルタルアルデヒ
ドはより好ましく用いられる。
タンパク質と架橋剤との構成重量比は、得られる選択
透過膜の選択透過性の点で、好ましくは100:5〜100:50
の範囲である。
また本発明に従う選択透過膜に使用されるタンパク質
は、アルブミン、グロブリン、プロラミンなどの球状タ
ンパク質を少なくとも1種類以上含む成分構成であれ
ば、優れた選択透過能を有する選択透過膜を製造するこ
とができる。
また、タンパク質と架橋剤との混合溶液に添加され架
橋剤と反応する高分子物質は、好ましくはアミノ基、ア
ミノ基誘導体あるいはその両方を有する直鎖状多糖類で
あり、具体的にはグルコサミン、ガラクトサミンなどの
アミン糖およびその誘導体を構成単位とする他糖類を用
いることが可能である。このようなものには、バクテリ
アのペプチドグリカン、一部脱アセチル化したヒアルロ
ン酸や一部脱アセチル化したコンドロイチン硫酸、キト
サンが例示できる。容易に入手可能なキトサンは、この
ような高分子物質として好適に用いられる。
また本発明に従う選択透過膜においては、タンパク質
と前記直鎖状多糖類との構成重量比は、1000:1から100
0:10の範囲にあることが好ましい。タンパク質に対する
直鎖状多糖類の構成重量比が1000:10より大きくなる
と、選択透過膜の選択能が悪化してくる。この原因につ
いては定かではないが、直鎖状多糖類のタンパク質に対
する構成重量比が大きくなると、相対的にタンパク質に
対する架橋剤濃度が低下し、タンパク質に対する架橋反
応が不十分になる。したがつて、固定化タンパク質膜が
脆くなり、導電性基体表面との結合性、密着性およびタ
ンパク質間の結合性に影響し、膜の緻密さが保たれなく
なるためだと考えられる。また、上記構成重量比が100
0:1よりも小さくなると膜強度の向上が不充分となる。
本発明に従えば、選択透過膜は先ず上述したタンパク
質と架橋剤とを蒸留水または緩衝液などに溶解し、さら
に上記高分子物質を添加し、たとえば導電体基体などの
表面上に塗布する。これによつて高分子物質を添加した
混合溶液では、架橋反応が進行し、固定化タンパク質膜
が形成される。このようにして、製造された選択透過膜
は、たとえば超音波処理などの物理的衝撃に対して非常
に耐久性に優れている。また高分子物質を添加したこと
により、選択透過能が悪化するといつた事態を招来する
こともない。
本発明に従う選択透過膜を導電性基体上に配置し、こ
れによつて過酸化水素測定用電極を構成することができ
る。このとき、選択透過膜を衝撃液などを介して導電性
基体近傍に配置することも可能であるが、導電性基体上
に直接選択透過膜を形成してもよい。さらに、この選択
透過膜の導電性基体とは反対側に少なくとも1種類のオ
キシターゼ等の酵素を固定化することによつて、固定化
酵素電極を製造することができる。このような固定化酵
素電極は物理的強度が大きく、耐久性および被検出物質
の選択性に非常に優れている。
また本発明に従う選択透過膜は、バイオリアクターに
おいて反応生成物、若しくは原材料のみを選択的に分離
するためなどにも使用することが可能である。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明する
が、本発明はこれのみに限定されるものではない。な
お、%は重量%を表す。
実施例 測定装置 本実施例では、第1図に示されるフロー型測定装置を
使用した。第1図に示されるフロー型測定装置、μオ
ーダの試料注入が可能な高速液体クロマトグラフイ用の
インジエクタ3と、本発明に従う選択透過膜を用いた電
極E1〜E4(C1〜C5)および参照電極としてのAg/AgCl電
極8が取付けられ、対極7としてステンレス鋼製の管路
が備えられた測定用セル5とを含んで構成される。たと
えば内径0.5mm、長さ1.5mのテフロン製の希釈用管路4
は、インジエクタ3と、測定用セル5との間に接続され
る。測定用セル5の内容積は40μであり、電極E1〜E4
(C1〜C5)とAg/AgCl電極8とが、緩衝液の管路を介し
て対向して配置される。電極E1〜E4(C1〜C5)には、ポ
テンシオスタツト9によつてAg/AgCl電極8に対して+
0.60Vの電圧が印加される。
このような構成は、恒温槽12内に配置され、恒温槽12
内の温度は37℃に保持される。緩衝液1の送液には高速
液体クロマトグラフイ用のポンプ2を用い、緩衝液1と
してpH6.0の0.1Mリン酸ナトリウム緩衝液が1.0ml/分の
流量で送液される。測定を終えた試料を含む緩衝液は廃
液瓶11にて捕捉される。なお測定値は記録計10によつて
記録される。
実施例1 タンパク質としてウシ血清アルブミン(フラクシヨン
V,シグマ社製)を、架橋剤としてグルタルアルデヒド
を、タンパク質以外に架橋剤と反応する物質としてキト
サン(東京化成工業製)を用いた。
キトサンは100mM塩酸水溶液に溶解して0.5%キトサン
溶液とした。
ワツセルマン試験管中で 5%ウシ血清アルブミン水溶液 400μ、 25%グルタルアルデヒド水溶液 20μ、 0.5%キトサン溶液 20μ、 蒸留水 560μ、 を混合し、 最終濃度 2% ウシ血清アルブミン、 0.5% グルタルアルデヒド、 0.01% キトサン の混合溶液を調製した。
この混合溶液のタンパク質とキトサンの構成重量比は
1000:5、タンパク質と架橋剤の構成重量比100:25であ
る。
一方、導電性基体である直径2mmの白金線の側面を熱
収縮テフロンで被覆し、その断面を1600番手のエメリー
紙で研磨した。この研磨された表面に、マイクロシリン
ジで上記混合溶液5μを載せて40℃で乾燥し、白金電
極上に直接タンパク質膜を形成した。このようにして、
過酸化水素を検出するための電極E1を作成した。
このタンパク質膜で被覆された白金電極から成る電極
E1を第1図に示すフロー型測定装置に組み込み、100mM
リン酸緩衝液1を流しながら、Ag/AgCl電極8に対して
0.6Vの電位を印加した。この状態でインジエクタ3から
5mM過酸化水素を注入したところ、検出電流値は218nAで
あつた。次に5mMアスコルビン酸の溶液を注入したとこ
ろ、検出電流値は2.9nAであつた。したがつて、第1表
に示すようにアスコルビン酸による検出電流値の同濃度
の過酸化水素の検出電流値に対する割合は1.3%であつ
た。
上述したように作成した電極E1を超音波処理装置で10
分間処理した後、再び第1図に示すフロー型測定装置に
組み込んだ。5mM過酸化水素を注入したときの検出電流
値は218nAであり、5mMアスコルビン酸の溶液を注入した
ときの検出電流値は2.9nAであつた。
この結果は、超音波処理を行う前の結果とともに第2
表に示されている。第2表から、超音波処理の前後にお
いて、電極E1の過酸化水素およびアスコルビン酸に対す
る感度に変化はなかつたことが判る。
実施例2 タンパク質としてウシ血清アルブミン(フラクシヨン
V,シグマ社製)を、架橋剤としてグルタルアルデヒド
を、タンパク質以外に架橋剤と反応する物質としてキト
サン(東京化成工業製)を用いた。
キトサンは100mM酢酸水溶液に溶解して0.5%キトサン
溶液とした。
ワツセルマン試験管中で 5%ウシ血清アルブミン水溶液 400μ、 25%グルタルアルデヒド水溶液 20μ、 0.5%キトサン溶液 20μ、 蒸留水 560μ、 を混合し、 最終濃度 2% ウシ血清アルブミン、 0.5% グルタルアルデヒド、 0.01% キトサン の混合溶液を調製した。
この混合溶液のタンパク質とキトサンの構成重量比は
1000:5、タンパク質と架橋剤の構成重量比100:25であ
る。
一方、導電性基体である直径2mmの白金線の側面を熱
収縮テフロンで被覆し、その断面を1600番手のエメリー
紙で研磨した。この研磨された表面に、マイクロシリン
ジで上記混合溶液5μを載せて40℃で乾燥し、白金電
極上に直接タンパク質膜を形成した。このようにして、
過酸化水素を検出するための電極E2を作成した。
このタンパク質膜で被覆された白金電極から成る電極
E2を図面に示すフロー型測定装置に組み込み、100mMリ
ン酸緩衝液1を流しながら、Ag/AgCl電極8に対して0.6
Vの電位を印加した。この状態でインジエクタ3から5mM
過酸化水素を注入したところ、検出電流値は220nAであ
つた。次に5mMアスコルビン酸の溶液を注入したとこ
ろ、検出電流値は2.9nAであつた。したがつて、第1表
に示すようにアスコルビン酸による検出電流値の同濃度
の過酸化水素の検出電流値に対する割合は実施例1と同
様に1.3%であつた。また、電極E2に超音波処理を行つ
ても、過酸化水素およびアスコルビン酸に対する感度に
変化はなかつた。したがつて、キトサンを溶解するため
の水溶液は、酸性溶液であれば、塩酸であつても酢酸で
あつてもよいことが判つた。
実施例3 タンパク質としてウシ血清アルブミン(フラクシヨン
V,シグマ社製)を、架橋剤としてグルタルアルデヒド
を、タンパク質以外に架橋剤と反応する物質としてキト
サン(東京化成工業製)を用いた。
キトサンは100mM塩酸水溶液に溶解して0.5%キトサン
溶液とした。
ワツセルマン試験管中で 5%ウシ血清アルブミン水溶液 400μ、 25%グルタルアルデヒド水溶液 20μ、 0.5%キトサン溶液 200μ、 蒸留水 380μ、 を混合し、 最終濃度 2% ウシ血清アルブミン、 0.5% グルタルアルデヒド、 0.05% キトサン の混合溶液を調製した。
この混合溶液のタンパク質とキトサンの構成重量比は
1000:25、タンパク質と架橋剤の構成重量比100:25であ
る。
一方、導電性基体である直径2mmの白金線の側面を熱
収縮テフロンで被覆し、その断面を1600番手のエメリー
紙で研磨した。この研磨された表面に、マイクロシリン
ジで上記混合溶液5μを載せて40℃で乾燥し、白金電
極上に直接タンパク質膜を形成した。このようにして、
過酸化水素を検出するための電極E3を作成した。
このタンパク質膜で被覆された白金電極から成る電極
E3を第1図に示すフロー型測定装置に組み込み、100mM
リン酸緩衝液1を流しながら、Ag/AgCl電極8に対して
0.6Vの電位を印加した。この状態でインジエクタ3から
5mM過酸化水素を注入したところ、検出電流値は219nAで
あつた。次に5mMアスコルビン酸の溶液を注入したとこ
ろ、検出電流値は6.8nAであつた。したがつて、第1表
に示すようにアスコルビン酸による検出電流値の同濃度
の過酸化水素の検出電流値に対する割合は3.1%であつ
た。実施例1,2に比較してわずかに選択透過能に劣る
が、充分使用に耐える値である。また電極E3に超音波処
理を行つても、過酸化水素およびアスコルビン酸に対す
る感度に変化はなかつた。
比較例1 直径2mmの白金線の側面を熱収縮テフロンで被覆し、
その断面を1600番手のエメリー紙で研磨し、白金電極C1
とした。
この白金電極C1を図面に示すフロー型測定装置に組み
込み、100mMリン酸緩衝液1を流しながら、Ag/AgCl電極
8に対して0.6Vの電位を印加し、5mM過酸化水素を注入
したところ、検出電流値は530nAであり、次に5mMアスコ
ルビン酸の溶液を注入したところ、検出電流値は333nA
であつた。したがつて、第1表に示すようにアスコルビ
ン酸による検出電流値の同濃度の過酸化水素の検出電流
値に対する割合は62.9%であつた。これによつて選択透
過膜を設けていない白金電極C1では、アスコルビン酸を
含む試料を測定することはできないことが判つた。
比較例2 タンパク質としてウシ血清アルブミン(フラクシヨン
V,シグマ社製)を、架橋剤としてグルタルアルデヒド
を、タンパク質以外に架橋剤と反応する物質として1,4
−ジアミノブタンを用いた。
ワツセルマン試験管中で 5%ウシ血清アルブミン水溶液 400μ、 25%グルタルアルデヒド水溶液 20μ、 0.5%1,4−ジアミノブタン溶液 20μ、 蒸留水 560μ、 を混合し、 最終濃度 2% ウシ血清アルブミン、 0.5% グルタルアルデヒド、 0.01% 1,4−ジアミノブタン の混合溶液を調製した。
一方、導電性基体である直径2mmの白金線の側面を熱
収縮テフロンで被覆し、その断面を1600番手のエメリー
紙で研磨した。この研磨された表面に、マイクロシリン
ジで上記混合溶液5μを載せて40℃で乾燥し、白金電
極上に直接タンパク質膜を形成した。このようにして、
過酸化水素を検出するための電極C2を作成した。
このタンパク質膜で被覆された白金電極から成る電極
C2を第1図に示すフロー型測定装置に組み込み、100mM
リン酸緩衝液1を流しながら、Ag/AgCl電極8に対して
0.6Vの電位を印加した。この状態でインジエクタ3から
5mM過酸化水素を注入したところ、検出電流値は296nAで
あつた。次に5mMアスコルビン酸の溶液を注入したとこ
ろ、検出電流値は144nAであつた。したがつて、第1表
に示すようにアスコルビン酸による検出電流値の同濃度
の過酸化水素の検出電流値に対する割合は48.5%であつ
た。1,4−ジアミノブタンを添加して得られた選択透過
膜は選択透過能に劣り、電極C2では、妨害物質としてア
スコルビン酸を含む試料の測定を行うことができないこ
とが判つた。また、超音波処理を行うとさらに選択性が
低下することから物理的強度にも劣ることが判つた。
比較例3 タンパク質としてウシ血清アルブミン(フラクシヨン
V,シグマ社製)を、架橋剤としてグルタルアルデヒド
を、タンパク質以外に架橋剤と反応する物質としてトリ
エチレンテトラアミンを用いた。
ワツセルマン試験管中で 5%ウシ血清アルブミン水溶液 400μ、 25%グルタルアルデヒド水溶液 20μ、 0.5%トリエチレンテトラアミン溶液 20μ、 蒸留水 560μ、 を混合し、 最終濃度 2% ウシ血清アルブミン、 0.5% グルタルアルデヒド、 0.01% トリエチレンテトラアミン、 の混合溶液を調製した。
一方、導電性基体である直径2mmの白金線の側面を熱
収縮テフロンで被覆し、その断面を1600番手のエメリー
紙で研磨した。この研磨された表面に、マイクロシリン
ジで上記混合溶液5μを載せて40℃で乾燥し、白金電
極上に直接タンパク質膜を形成した。このようにして、
過酸化水素を検出するための電極C3を作成した。
このタンパク質膜で被覆された白金電極から成る電極
C3を図面に示すフロー型測定装置に組み込み、100mMリ
ン酸緩衝液1を流しながら、Ag/AgCl電極8に対して0.6
Vの電位を印加した。この状態でインジエクタ3から5mM
過酸化水素を注入したところ、検出電流値は426nAであ
つた。次に5mMアスコルビン酸の溶液を注入したとこ
ろ、検出電流値は104nAであつた。したがつて、第1表
に示すようにアスコルビン酸による検出電流値の同濃度
の過酸化水素の検出電流値に対する割合は24.4%であつ
た。トリエチレンテトラアミンを添加して得られた選択
透過膜は選択透過能に劣り、電極C3では妨害物質として
アスコルビン酸を含む試料の測定を行うことができない
ことが判つた。また超音波処理を行うと、さらに選択性
が低下することから物理的強度にも劣ることが判つた。
比較例4 タンパク質としてウシ血清アルブミン(フラクシヨン
V,シグマ社製)を、架橋剤としてグルタルアルデヒドを
用いた。
ワツセルマン試験管中で 5%ウシ血清アルブミン水溶液 400μ、 25%グルタルアルデヒド水溶液 20μ、 蒸留水 580μ、 を混合し、 最終濃度 2% ウシ血清アルブミン、 0.5% グルタルアルデヒド、 の混合溶液を調製した。
一方、導電性基体である直径2mmの白金線の側面を熱
収縮テフロンで被覆し、その断面を1600番手のエメリー
紙で研磨した。この研磨された表面に、マイクロシリン
ジで上記混合溶液5μを載せて40℃で乾燥し、白金電
極上に直接タンパク質膜を形成した。このようにして、
過酸化水素を検出するための電極C4を作成した。
このタンパク質膜で被覆された白金電極から成る電極
C4を図面に示すフロー型測定装置に組み込み、100mMリ
ン酸緩衝液1を流しながら、Ag/AgCl電極8に対して0.6
Vの電位を印加した。この状態でインジエクタ3から5mM
過酸化水素を注入したところ、検出電流値は219nAであ
つた。次に5mMアスコルビン酸の溶液を注入したとこ
ろ、検出電流値は2.6nAであつた。したがつて、第1表
に示すようにアスコルビン酸による検出電流値の同濃度
の過酸化水素の検出電流値に対する割合は1.2%であつ
た。このように、タンパク質と架橋剤とからのみ成る選
択透過膜は、その選択透過能に優れている。
しかし、この電極C4を超音波処理装置で10分間処理し
た後、再び第1図に示すフロー型測定装置に組み込ん
だ。5mM過酸化水素を注入したときの検出電流値は262nA
であり、5mMアスコルビン酸の溶液を注入したときの検
出電流値は6.6nAであつた。
この結果は、超音波処理を行う前の結果とともに第2
表に示されている。第2表から、超音波処理の後におい
ては、電極C4の過酸化水素およびアスコルビン酸に対す
る感度が上昇し、また選択透過性が悪くなつている。し
たがつて、このような電極C4では、物理的強度が不充分
であり、その耐久性に劣ることが判つた。
実施例4 直径2mmの白金線の側面を熱収縮テフロンで被覆し、
その断面を1600番手のエメリー紙で研磨した表面に実施
例1と同様な材料および手順で選択透過膜を形成する。
この上に牛血清アルブミンを1mg/ml、グルコースオキシ
ダーゼ(タイプII、シグマ社製)を1mg/ml、グルタルア
ルデヒドを0.2%になるよう100mMリン酸ナトリウム緩衝
液(pH6.0)に溶解した液をマイクロシリンジで3μ
滴下し、40℃で15分間加熱し、固定化酵素層を形成し、
電極E4とした。
この電極E4を図面に示すフロー型測定装置に組み込
み、100mMリン酸緩衝液1を流しながら、Ag/AgCl電極8
に対して0.6Vの電圧を印加した。インジエクタ3から30
mMのグルコース水溶液5μを注入したところ、検出電
流値は393nAであつた。次に、、30mMのアスコルビン酸
水溶液を同量注入したところ、検出電流値は11.2nAであ
つた。つまり、同濃度のグルコースに対するアスコルビ
ン酸の検出値は2.8%であり、実用上全く無視できるも
のである。
さらに、この電極E4をフロー型測定装置から一旦取外
し、超音波処理装置で10分間処理した後、再度フロー型
測定装置に取付けた。そして超音波処理前と同様に、30
mMのグルコースおよびアスコルビン酸水溶液を、各々5
μ注入した。グルコースに対する検出電流値は395nA
で、アスコルビン酸に対する検出電流値は11.1nAであつ
た。この結果は第3表に示されている。このように、本
電極E4は超音波処理による性能劣化がないことが判つ
た。
また、超音波処理した本電極を室温、緩衝液中で保存
したところ、3カ月後も感度低下や選択性の低下が認め
られず優れた耐久性を示した。
比較例5 選択透過膜作成時にキトサンを含まなかつた以外、実
施例4と同様に固定化酵素電極C5を作成した。
この電極C5を第1図に示すフロー型測定装置に組み込
み100mMリン酸緩衝液1を流しながら、Ag/AgCl電極に対
して0.6Vの電圧を印加した。30mMのグルコース水溶液5
μを注入したところ検出電流値は385nAであつた。次
に、30mMのアスコルビン酸水溶液を同量注入したところ
検出電流値は10.3nAであつた。
さらに、この電極C5をフロー型測定装置から一旦取外
し、超音波処理装置で10分間処理した。目視的には膜に
異常は認められなかつたが、再度フロー型測定装置に電
極を取付け、超音波処理前と同様に、30mMのグルコース
およびアスコルビン酸水溶液を、各々5μ注入したと
ころ、グルコースに対する検出電流値は402nAで、アス
コルビン酸に対する検出電流値は16.2nAであつた。この
結果は、実施例4の結果とともに第3表に示されてい
る。このように、電極C5においては、超音波処理によつ
て膜透過性が変動し選択性の低下が起きたことが判る。
また、超音波処理した本電極を室温、・緩衝液中で保
存したところ、2カ月後に目視的に膜の剥離が認めら
れ、超音波処理によつて引き起こされた膜の部分的破損
が最終的に膜の剥離にまで進展したものと考えられる。
発明の効果 以上説明したように本発明によれば、タンパク質を用
いて選択透過能を有する機能性膜を構築する場合に、固
定化タンパク質膜の特性に悪影響を与えず、なおかつ、
物理的強度に優れた選択透過膜を容易に作成することが
できる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の一実施例および比較例において使用さ
れるフロー型測定装置の概略図である。 1……緩衝液、2……ポンプ、3……インジエクタ、4
……希釈用管路、5……測定用セル、E1〜E4……電極、
7……対極、8……Ag/AgCl電極、9……ポテンシオス
タツト、10……記録計、11……廃液瓶
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G01N 27/327 G01N 27/30 341G 27/404 341J 353Q (56)参考文献 特開 昭63−182559(JP,A) 特開 昭55−164349(JP,A) 特開 昭60−56254(JP,A) 特開 昭62−32352(JP,A)

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タンパク質と、少なくとも1種類の架橋剤
    とを含み、前記タンパク質以外に架橋剤と反応する高分
    子物質か少なくとも1種類添加された混合溶液を膜状に
    展開し、 架橋反応により前記タンパク質を固定化して成ることを
    特徴とする選択透過膜。
  2. 【請求項2】前記タンパク質が少なくとも1種類以上の
    球状タンパク質を含む成分構成であり、 前記少なくとも1種類の架橋剤がアミノ基と架橋反応す
    る架橋剤を含み、 前記高分子物質がアミノ基、アミノ基の誘導体あるいは
    その両方を有する直鎖状多糖類を含むことを特徴とする
    請求項第1項記載の選択透過膜。
  3. 【請求項3】前記高分子物質がキトサンであることを特
    徴とする請求項第2項記載の選択透過膜。
  4. 【請求項4】前記タンパク質と直鎖状多糖類との構成重
    量比が1000:1から1000:10の範囲であることを特徴とす
    る請求項第2項記載の選択透過膜。
  5. 【請求項5】前記タンパク質と架橋剤との構成重量比が
    100:5から100:50の範囲であることを特徴とする請求項
    第2項または第4項記載の選択透過膜。
  6. 【請求項6】請求項第1項〜第5項のいずれか一項に記
    載される選択透過膜を、導電性基体近傍に設けたことを
    特徴とする電極。
  7. 【請求項7】前記選択透過膜の導電性基体とは反対側表
    面上に、少なくとも1種類のオキシターゼを固定化した
    固定化酵素膜を設けたことを特徴とする請求項第6項記
    載の電極。
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