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JP2665118B2 - 細径ピッチ系炭素繊維の製造方法ならびに紡糸ノズル - Google Patents
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JP2665118B2 - 細径ピッチ系炭素繊維の製造方法ならびに紡糸ノズル - Google Patents

細径ピッチ系炭素繊維の製造方法ならびに紡糸ノズル

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JP2665118B2
JP2665118B2 JP31084892A JP31084892A JP2665118B2 JP 2665118 B2 JP2665118 B2 JP 2665118B2 JP 31084892 A JP31084892 A JP 31084892A JP 31084892 A JP31084892 A JP 31084892A JP 2665118 B2 JP2665118 B2 JP 2665118B2
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spinning
fiber
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fibers
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豊 荒井
健 小林
邦夫 三浦
寛之 田所
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はピッチ系炭素繊維の製造
方法に関するものであり、特に繊維径が4〜8μmと従
来のピッチ径炭素繊維に比べ繊維径が細いマルチフィラ
メントの連続繊維を安定して製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】炭素繊維は、比強度および比弾性率の高
い材料で、近年、航空宇宙分野、自動車工業、その他の
工業分野で、強くて軽い素材として注目を浴びている。
このような分野では、高強度、高弾性率でありながら安
価な材料が望まれている。
【0003】現在、炭素繊維は、ポリアクリルニトリル
(PAN)を原料とするPAN系炭素繊維とピッチ類を
原料とするピッチ系炭素繊維が製造されているが、現状
では高強度、高弾性率の高性能炭素繊維としては、主に
PAN系炭素繊維が使用されている。
【0004】しかしながら、PAN系炭素繊維で600
GPa以上の高弾性率を得ることは非常な困難が伴い、
特に650GPa以上の高弾性率な炭素繊維は製造する
ことは殆ど不可能である。
【0005】近年、弾性率が600GPaを越えるよう
な炭素繊維としては、高弾性率化が容易なメソフェーズ
ピッチを原料とするピッチ系炭素繊維が主に製造され使
用される現状にある。
【0006】繊維は高弾性になるにしたがい繊維糸条は
剛直となり繊維のハンドリング時に毛羽が発生したりあ
るいは繊維糸条が折れる等の問題が生じる。
【0007】このため繊維のハンドリングが容易な、よ
り細径な炭素繊維が求められている。
【0008】一方コンポジット製品あるいはこの中間品
を作る際には、使用する炭素繊維のボビン数を減らす目
的で繊度の大きな、すなわちフィラメント数が多い炭素
繊維が要求されている。
【0009】しかしながらピッチ系炭素繊維で、平均繊
維径が8μm以下で、かつフィラメントが1000本以
上の繊維から構成されるマルチフィラメント連続繊維は
製造が困難であった。
【0010】ピッチ系炭素繊維で細径な繊維を製造する
には、細径のピッチ繊維を製造する必要がある。しかし
ながらピッチ繊維は非常に脆弱であり紡糸が困難なた
め、フィラメント数が1000以上となる紡糸を行なう
ことは非常に困難であった。
【0011】これは多ホール化によって、紡糸時に発生
する随伴流の影響によりノズルプレート直下の雰囲気温
度は内周が高温になること、また、随伴気流の速度が非
常に大きくなり、この気流のために細径繊維の紡糸が安
定して行なわれないためと考えられる。
【0012】フィラメント数を低下させることにより、
細径のピッチ繊維の紡糸は若干容易となるが、得られた
ピッチ繊維糸条は脆弱で、次工程におけるハンドリング
が困難であった。
【0013】特開平1―229820号公報には、フィ
ラメント数が1000未満のピッチ系炭素繊維に関して
記載がなされており、その中にフィラメント数が100
0未満のピッチ繊維糸条を得、これを複数本合糸する方
法が開示されている。
【0014】しかしながら、フィラメント数が1000
未満で、かつ炭素繊維の繊維径が8μm以下となるよう
な細径なピッチ繊維では、糸条の強度が著しく小さく、
このため合糸の際に必要な張力も充分に与えることが困
難で、糸の揃いが不十分な炭素繊維しか得られなかっ
た。
【0015】仮に細心の注意を払うことで、合糸法によ
って高品位な炭素繊維の製造が可能であったとしても、
煩雑な合糸工程を経ることで、得られる炭素繊維の価格
上昇はやむを得ないものがあった。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は100
0ホール以上のキャピラリーを有する紡糸ノズルを用い
て、繊維径が4〜8μmの細径な炭素繊維用ピッチ繊維
を安定に紡糸を行なうことを可能とするピッチ繊維の紡
糸ノズルならびに細径マルチフィラメント炭素繊維の製
造方法を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段】本発明は (1)単一のノズルプレートに a)1000ホール以上のキャピラリーを有し、 b)キャピラリーが同心円状に3〜20列配置してお
り、 c)キャピラリーの配置が、2個以上のブロックに分割
されており、 d)ノズルプレートの中央にノズルプレート面から20
mm以上飛び出した円柱状の突起物を有し、 e)キャピラリー径が50〜110μm であることを特徴とする細径ピッチ系炭素繊維の紡糸ノ
ズル。
【0018】(2)紡糸用ピッチを溶融して紡糸ノズル
を用いてピッチ繊維を得、不融化、炭化して炭素繊維を
製造する際に、請求項1記載の紡糸ノズルを用いて紡糸
し、平均繊維径が4〜8μmであり、繊維本数が100
0〜100000本からなる連続繊維で構成されるマル
チフィラメントピッチ系炭素繊維を製造することを特徴
とする細径ピッチ系炭素繊維の製造方法。
【0019】(3)紡糸用ピッチを溶融して紡糸ノズル
を用いてピッチ繊維を得、不融化、炭化して炭素繊維を
製造する際に、請求項1記載の紡糸ノズルを複数個配置
し、複数個の当該ノズルから押し出されるピッチ繊維を
単一のロールで延伸して紡糸し、平均繊維径が4〜8μ
mであり、繊維本数が1000〜100000本からな
る連続繊維で構成されるマルチフィラメントピッチ系炭
素繊維を製造することを特徴とする細径ピッチ系炭素繊
維の製造方法である。
【0020】以下、本発明の溶融紡糸装置を図面に基づ
いて、てさらに詳しく説明する。
【0021】図1は本発明の溶融紡糸ノズル断面図で溶
融紡糸ノズル12はノズルプレート2を具備し、該ノズ
ルプレート2には複数のキャピラリ9が配置されてい
る。
【0022】キャピラリー9は同心円上に3〜20列配
置している。同心円状に配置されるキャピラリー位置の
最外周半径は50〜250mmが好ましい。
【0023】キャピラリーの配置する列数は3列未満で
は単一のノズルプレートに1000個以上のキャピラリ
ーを配置することが困難であったり、あるいはノズルプ
レートが非常に大きなものとなる。
【0024】また、列数が20列超では列中央部の雰囲
気温度が外周列あるいは内周列の雰囲気温度に較べ高温
となり安定した紡糸が困難となる。
【0025】また、図2および図3〜図8に示されるよ
うにキャピラリーの配置箇所は2個以上のブロックに分
割されている必要がある。
【0026】キャピラリーとキャピラリーの間隔は好ま
しくは1〜6mm、さらに好ましくは2〜3mmが適当
である。
【0027】ブロックとブロックの間隔は扇型に分割し
た場合(図3〜図6)角度で10〜30°の間隔をあけ
るか、あるいは最狭部で10mm以上の間隔をあけるこ
とが好ましい。
【0028】また、キャピラリー径は直径50μm〜1
10μm、好ましくは70μm〜100μmである。キ
ャピラリー径が110μm超では細径なピッチ繊維の紡
糸が不安定となり、50μm未満ではキャピラリーの加
工が非常に困難となったり、ノズルの整備が煩雑となり
好ましくない。
【0029】キャピラリーが配置されている箇所が分割
されずに連続した同心円状となると、ノズル中央への雰
囲気ガスの導入が不十分となり、ノズル中央部の雰囲気
が高温となり安定した紡糸の継続が困難となる。
【0030】また、本発明ではノズルプレート下部に高
さ20mm以上好ましくは30〜150mmの円柱状の
突起物3を設けることが肝要である。
【0031】円柱状突起物3はキャピラリーを配置した
ブロックとブロックの間隙を流れる気流を制御する役割
を担い、この突起部3が無い場合、あるいはこの高さが
20mm未満の場合、ブロックとブロックの間隙を流れ
る気流がノズル中央部でぶつかり、ノズル中央部で気流
が非常に乱れ、このためノズル中央付近(ノズル最内周
付近に配置するキャピラリー付近)での紡糸の安定化が
極めて困難となる。
【0032】この円柱状突起物とキャピラリーの配置を
ブロックごとに分割することにより、ノズル内周部の冷
却と随伴流の制御による安定紡糸化の両方の効果をもた
らすことが可能となる。
【0033】円柱状突起物3は図9〜12に示すように
円柱に限定されるものではなく、円柱の一端が縮小して
いたり、角が丸められたものであっても、効果に顕著な
差はみられず、図9〜12に示した高さHが20mm以
上、好ましくは30〜150mmであればよい。
【0034】以上の要件を満足するのであれば、1ノズ
ル当り、1000以上、好ましくは1500〜1000
0キャピラリー、さらに好ましくは1500〜5000
キャピラリーという、従来の紡糸装置では全く不可能と
考えられていたキャピラリー数を有するノズルであって
も安定した紡糸が初めて可能となる。
【0035】しかしながら、ピッチ繊維を溶融紡糸する
場合、溶融紡糸時にピッチから発生するベーパー、ある
いは分解物によりノズルプレート面が著しく汚れる。
【0036】このため、安定した紡糸の継続期間がノズ
ルプレートの汚れのために、限定せざるを得なかった。
【0037】そこで紡糸時に生じる随伴流を、ノズルプ
レート近傍にまで接近させることで、ノズルプレート直
下の雰囲気の置換が良好となり、ノズルの汚れが著しく
減じることを見いだした。
【0038】具体的には、キャピラリー配置部の外周、
ノズルプレート下部に円周状にスリットを設け、ここか
ら雰囲気ガスを吸気することにより、紡糸によって生じ
る随伴流がノズルプレート直下を流れるようになる。
【0039】この時スリットは、キャピラリー配置部の
最外周部より20mm以上好ましくは50〜200mm
とすることがよく、また、スリットの幅は5〜30mm
が好ましい。
【0040】同心円に配置されるキャピラリー位置の最
外周半径が100mmを超えると、1箇所の吸気位置で
スリット全体にわたって均一に吸引を行なうことが困難
となるため、必要に応じ2個以上好ましくは4〜8箇所
に分割し、吸引量が均一となるように制御することによ
り、安定した紡糸が可能となる。
【0041】このときの気流の流れは、図1に示すよう
に吸引用スリット4の吸引により、随伴流の開始位置は
全体的にノズルプレート2側に引き寄せられ、ノズルプ
レート直下を流れることとなる。
【0042】また、キャピラリーが配置されたブロック
とブロックの間隙を通る気流は円柱状突起物3により下
方向の流れが与えられ、気流は乱れることなく安定的に
流れ、このため安定した紡糸が可能となる。
【0043】本発明に使用する紡糸用ピッチの原料は、
コールタール、コールタールピッチ等の石炭系ピッチ、
石炭液化ピッチ、エチレンタールピッチ、流動接触触媒
分解残査油から得られるデカントオイルピッチ等の石油
系ピッチ、あるいはナフタレン等から触媒などを用いて
作られる合成ピッチ等、各種のピッチを包含するもので
ある。
【0044】本発明の炭素繊維に使用されるメソフェー
ズピッチは、前記のピッチを公知の方法でメソフェーズ
を発生させたものである。
【0045】メソフェーズピッチは、紡糸した際のピッ
チ繊維の配向性が高いものが望ましく、このためメソフ
ェーズ含有量は40%以上、より好ましくは70%以
上、さらに好ましくは90%以上含有するものが望まし
い。
【0046】また、本発明で用いるメソフェーズピッチ
は軟化点が200〜400℃、より好ましくは250〜
350℃のものがよい。
【0047】得られたピッチは紡糸に先だって絶対濾過
精度が3μm以下であるフィルター、あるいはこのフィ
ルターと同等あるいはそれ以上の濾過精度が得られる濾
過方法によりピッチ中の異物を取り除くことが必要であ
る。
【0048】ピッチ中に3μm以上の固形異物が存在す
ると糸切れが頻発することとなる。
【0049】上記メソフェーズピッチを本発明の紡糸装
置で紡糸する条件としては例えば、粘度200〜900
ポイズを示す温度で、圧力10〜100kg/cm2
度で押し出しながら100〜1000m/min、好ま
しくは300〜600m/minの引き取り速度で延伸
し、所定の繊維径のピッチ繊維を得る。
【0050】このときに、キャピラリーを1000以上
有する紡糸ノズルを単独で使用してピッチ繊維を得ても
よいし、当該紡糸ノズルを2個以上、図13のごとく本
発明の紡糸ノズルを複数個ならべた紡糸装置において、
当該紡糸ノズルから押し出されるピッチ繊維を、単一の
ロールで延伸し、マルチフィラメントのピッチ繊維を得
てもよい。
【0051】このときに並べる紡糸ノズルの数は、10
個以下が好ましく、これより数が多いと、各ノズル間の
調整が煩雑になったり、また、紡糸ノズルの間隔が広が
り単一のロールで延伸することが困難となり、糸の揃い
のよいマルチフィラメント炭素繊維の製造が困難とな
る。
【0052】本発明の紡糸ノズルによりフィラメント数
が1000以上の細径炭素繊維を用ピッチ繊維を得るこ
とができるが、不融化工程において繊維束全体を均一に
反応させるにはフィラメント数の上限は100000
本、好ましくは50000本となる。
【0053】ピッチ繊維の繊維径は、ピッチ繊維を不融
化、炭化、黒鉛化することにより繊維径の収縮が生じる
ので、この分を考慮してピッチ繊維の繊維径を決定すれ
ばよく通常、ピッチ繊維で直径5〜11μmに紡糸する
ことで繊維径4〜8μmの細径炭素繊維を得ることがで
きる。
【0054】つぎに得られたピッチ繊維は、従来公知の
方法で不融化、炭化、黒鉛化を行うことで、繊維径が4
〜8μmフィラメント数が1000〜100000本か
らなる細径マルチフィラメントピッチ系炭素繊維が得ら
れる。なお、炭素繊維の平均繊維径Dは次式から求めら
れるものである。
【0055】
【数1】
【0056】W=単位長さ当りの繊維束の重さ N=フィラメント数(単糸本数) ρ=繊維の密度
【0057】
【実施例】
【0058】
【実施例1】原料としてキノリン不溶分を除去した軟化
点80℃のコールタールピッチを、触媒を用い直接水素
化を行った。この水素化処理ピッチを常圧下480℃で
熱処理した後、低沸点分を除きメソフェーズピッチを得
た。
【0059】このピッチは、軟化点が300℃、メソフ
ェーズ含有量が95%であった。このピッチを濾過精度
3μmのステンレスファイバー製のフィルターを用いて
温度340℃で濾過を行い、ピッチ中の異物を取り除
き、精製ピッチを得た。
【0060】この精製ピッチを紡糸原料とし、直径22
0mmのノズルプレートにキャピラリー径100μm、
キャピラリー長さ150μm、キャピラリー数2000
のノズルパックを用いて紡糸を行なった。
【0061】キャピラリーの配置は図5の形式であり、
最外周に配置するキャピラリー位置は半径100mm、
最内周は半径75mmで、同心円状に11列のキャピラ
リーを配置したブロックは23°の角度の間隔もって4
分割されている。
【0062】ノズル中央には、高さ50mm直径120
mmの図9の断面形状の円柱突起物を取り付けた。
【0063】また、ノズルプレート外周部には直径30
0mm幅15mmのスリットを設け、4方向から分割し
て吸引を行なった。
【0064】ノズルプレート表面温度316℃、紡糸粘
度600ポイズ、キャピラリー当りのピッチ流量を0.
043g/minとして、紡糸速度が400m/min
となるよう、ロールを回転させ延伸し、得られたピッチ
繊維を吸引ノズルで引き取りケンスに収納した。
【0065】このとき6時間の長時間にわたり糸切れが
なく、平均繊維径が9.8μm、フィラメント数が20
00のピッチ繊維の紡糸が可能であった。
【0066】つぎにピッチ繊維をケンスに収納した状態
で、空気に二酸化窒素ガスを5体積%添加した酸化ガス
をケンス下部から吹き込みながら150℃から300℃
まで1℃/minで昇温し、そのまま300℃に30分
保持して不融化繊維を得た。
【0067】この不融化繊維をケンスに収納した状態で
窒素ガス雰囲気下で不融化繊維を10℃/minで昇温
し、390℃まで昇温しその温度で30min保持し炭
化を行なった。
【0068】つぎにこの炭化糸を内温1100℃、窒素
ガス雰囲気の炉にケンスから繊維糸条を繰り出しながら
線状に焼成しボビンに巻とった。得られたボビンから糸
条を巻き返しながら2400℃の温度で黒鉛化を行い、
黒鉛化繊維を得た。
【0069】この黒鉛化繊維は平均繊維径7.0μm、
引張強度4.2GPa、引張弾性率620GPa、フィ
ラメント数2000の糸揃いのよい美麗なものであっ
た。
【0070】
【比較例1】実施例1で円柱突起物を取り除いて紡糸を
行なった以外は実施例1と全く同じ条件で紡糸を実施し
たところ、ノズル内周部に配置したキャピラリー部から
糸切れが頻発し、紡糸の継続が不可能であった。
【0071】
【比較例2】実施例1で用いたノズルでキャピラリー径
を130μmとした以外は実施例1と全く同じ条件で紡
糸を実施したところ、5分に1回程度の糸切れが発生し
安定した紡糸の継続が不可能であった。
【0072】
【比較例3】実施例1で用いたノズルと同様な構造で、
キャピラリーの配置を同心円上に配置した(ブロックで
分割されていない)ノズルを用いた以外は実施例1と全
く同じ条件で紡糸したところ、糸切れが頻発し紡糸の継
続が不可能であった。
【0073】
【実施例2】実施例1で用いたノズルでキャピラリー径
を80μm、キャピラリー長さを120μmとした以外
は全く同じ構造を有する紡糸ノズルを用いて、ノズルプ
レート表面温度323℃、紡糸粘度400ポイズ、キャ
ピラリー当りのピッチ流量を0.022g/minとし
て、紡糸速度が400m/minとなる条件で紡糸を行
なった。
【0074】このとき2時間の長時間にわたり糸切れが
なく、平均繊維径が7.0μm、フィラメント数が20
00のピッチ繊維の紡糸が可能であった。
【0075】このピッチ繊維を実施例1と同じ条件で、
不融化、炭化を行ない、2500℃の温度で黒鉛化をし
た。
【0076】得られた黒鉛化繊維は平均繊維径4.9μ
m、引張強度4.7GPa、弾性率620GPa、フィ
ラメント数2000の糸揃いのよい美麗なものであっ
た。
【0077】
【実施例3】実施例1で用いた紡糸ノズル3台を直線状
に並列にならべ、このうち中央に配置する紡糸ノズルの
下部に位置するロール1台で3台のノズルから押し出さ
れるピッチ繊維を同時に延伸し紡糸した。
【0078】このときの紡糸条件は、ノズルプレート表
面温度316℃、紡糸粘度600ポイズ、キャピラリー
当りのピッチ流量を0.035g/minとして、紡糸
速度が400m/minとなるよう、ロールを回転させ
延伸し、得られたピッチ繊維を吸引ノズルで引き取りケ
ンスに収納した。
【0079】このとき2時間の長時間にわたり糸切れな
く、平均繊維径が8.8μm、フィラメント数6000
のピッチ繊維を得ることができた。
【0080】このピッチ繊維を実施例1と同じ条件で、
不融化、炭化、黒鉛化をして得られた黒鉛化繊維は平均
繊維径6.3μm、引張強度4.3GPa、弾性率60
5GPa、フィラメント数6000の糸揃いのよい美麗
なものであった。
【0081】
【発明の効果】本発明により、長時間にわたり、糸切れ
なく安定した紡糸が可能となり、細径のマルチフィラメ
ントピッチ系炭素繊維を効率よく製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶融紡糸ノズルの断面図。
【図2】溶融紡糸ノズルの底面図。
【図3】ノズルのキャピラリー配置図。
【図4】ノズルキャピラリー配置図。
【図5】ノズルのキャピラリー配置図。
【図6】ノズルのキャピラリー配置図。
【図7】ノズルのキャピラリー配置図。
【図8】ノズルキャピラリー配置図。
【図9】円柱状突起物の側面図。
【図10】円柱状突起物の側面図。
【図11】円柱状突起物の側面図。
【図12】円柱状突起物の側面図。
【図13】溶融紡糸装置の模式図。
【符号の説明】
1 溶融ピッチ 2 ノズルプレート 3 円柱状突起物 4 吸引用スリット 6 吸引量調整ダンパー 8 ピッチ繊維 9 キャピラリー 10 ノズルプレート押え 11 キャピラリー配置ブロック 12 溶融紡糸装置 13 延伸ロール搬送ロール 14 ピッチ繊維搬送ロール 15 ピッチ繊維束吸引ノズル 16 ピッチ繊維収納ケンス
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 三浦 邦夫 姫路市広畑区富士町1番地 新日本製鐵 株式会社 広畑製鐵所内 (72)発明者 田所 寛之 姫路市広畑区富士町1番地 新日本製鐵 株式会社 広畑製鐵所内

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 単一のノズルプレートに a)1000ホール以上のキャピラリーを有し、 b)キャピラリーが同心円状に3〜20列配置してお
    り、 c)キャピラリーの配置が、2個以上のブロックに分割
    されており、 d)ノズルプレートの中央にノズルプレート面から20
    mm以上飛び出した円柱状の突起物を有し、 e)キャピラリー径が50〜110μm であることを特徴とする細径ピッチ系炭素繊維の紡糸ノ
    ズル。
  2. 【請求項2】 紡糸用ピッチを溶融して紡糸ノズルを用
    いてピッチ繊維を得、不融化、炭化して炭素繊維を製造
    する際に、請求項1記載の紡糸ノズルを用いて紡糸し、
    平均繊維径が4〜8μmであり、繊維本数が1000〜
    100000本からなる連続繊維で構成されるマルチフ
    ィラメントピッチ系炭素繊維を製造することを特徴とす
    る細径ピッチ系炭素繊維の製造方法。
  3. 【請求項3】 紡糸用ピッチを溶融して紡糸ノズルを用
    いてピッチ繊維を得、不融化、炭化して炭素繊維を製造
    する際に、請求項1記載の紡糸ノズルを複数個配置し、
    複数個の当該ノズルから押し出されるピッチ繊維を単一
    のロールで延伸して紡糸し、平均繊維径が4〜8μmで
    あり、繊維本数が1000〜100000本からなる連
    続繊維で構成されるマルチフィラメントピッチ系炭素繊
    維を製造することを特徴とする細径ピッチ系炭素繊維の
    製造方法。
JP31084892A 1992-09-04 1992-10-27 細径ピッチ系炭素繊維の製造方法ならびに紡糸ノズル Expired - Lifetime JP2665118B2 (ja)

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