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JP2676181B2 - Tナット - Google Patents
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JP2676181B2 - Tナット - Google Patents

Tナット

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JP2676181B2
JP2676181B2 JP5275229A JP27522993A JP2676181B2 JP 2676181 B2 JP2676181 B2 JP 2676181B2 JP 5275229 A JP5275229 A JP 5275229A JP 27522993 A JP27522993 A JP 27522993A JP 2676181 B2 JP2676181 B2 JP 2676181B2
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豊 永山
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、Tナットに関するも
ので、特に、中空の軸部の内周面上に雌ねじが形成さ
れ、軸部の一方端から外方へ張出すフランジに複数の爪
が設けられた、Tナットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図20には、この発明にとって興味ある
従来のTナット1が斜視図で示されている。また、図2
1は、Tナット1の平面図である。
【0003】Tナット1は、一体の金属材料からなる、
軸部2およびこの軸部2の第1の端部から外方へ張出す
フランジ部3を備える。軸2は、中空の筒状をなし、そ
の内周面上には、雌ねじ4が形成される。
【0004】フランジ部3には、前記第1の端部とは逆
の第2の端部に向かって延びる2対の爪5および6,7
および8がフランジ部3の径方向に対向して配置され
る。これら爪5〜8の各々は、フランジ部3の外周縁の
一部を切り起こすことによって形成されたものである。
【0005】このようなTナット1は、たとえば木材の
ような固着対象物に予め設けられた穴に軸部2を挿入
し、爪5〜8を固着対象物に打込むことによって、固着
対象物に対して固定される。このように、Tナット1が
固着対象物に対して固定されたとき、Tナット1の回転
が禁止されるとともに、ボルトのようなねじ部材を、軸
部2の内周面上に形成された雌ねじ4に螺合させること
ができる。
【0006】このようなTナット1は、通常、「ホッパ
ーフィードTナット」と呼ばれている。なぜなら、図2
0および図21に示したTナット1は、当該Tナット1
を固着対象物に固着するためのナット固着機に備える供
給トラックに沿って円滑に移動させることができ、Tナ
ットを自動的に供給することができるためである。な
お、ホッパーフィードTナットの一形式の詳細は、たと
えば、英国特許第1,157,734号明細書に記載さ
れている。
【0007】図22には、複数個のTナット1が、供給
トラック9に沿って供給されている状態が示されてい
る。供給トラック9は、断面C字状の案内レール10を
備える。図示しないもう一つの案内レールが、案内レー
ル10と対向するように対称的に配置され、これら案内
レール10の各々によってフランジ部3が受入れられ、
かつ、これら案内レール10の間に爪5〜6を位置させ
ながら、Tナット1が供給トラック9に沿って移動され
る。供給トラック9は、図22に示すように、しばしば
曲げられ、それによって、Tナット1を所望の姿勢にも
たらし、図示しない固着対象物に設けられた穴に軸部2
が整列するようにされる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、Tナッ
ト1が供給トラック9に沿って移動されるとき、特に、
それらが供給トラック9の曲がった部分を移動すると
き、図23に示すように、Tナット1のフランジ部3
が、互いに他のものの上に乗る傾向がある。このこと
は、しばしば、供給トラック9によるTナット1の供給
に、ミスまたは詰まりを生じさせる。
【0009】上述したようなフランジ部3が互いに他の
Tナット1のフランジ3上に乗り上げる現象は、供給ト
ラック9を構成する案内レール10内のフランジ部3に
与えるクリアランスを小さくすることにより、ある程度
防止できるが、このようにクリアランスを小さくした場
合、今度は、フランジ部3と案内レール10との摩擦抵
抗が大きくなり、供給トラック9に沿ってTナット1を
円滑に移動させ得ないという問題が生じる。
【0010】それゆえに、この発明の目的は、供給トラ
ックでの移動を円滑にし得るTナットを提供しようとす
ることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】この発明の請求項1に記
載のTナットは、一体の金属材料からなる、軸部および
前記軸部の第1の端部から外方へ張出すフランジ部を備
え、前記軸部は、中空の筒状をなし、その内周面上には
雌ねじが形成され、前記フランジ部には、その径方向に
対向する各位置に2個ずつ爪が互いに近接しかつ前記第
1の端部とは逆の第2の端部に向かって突出するように
設けられたTナットに向けられるものであって、前記フ
ランジ部の外周縁は、互いに近接する2個の前記爪の間
において、その全長にわたって一つの連続する円弧状を
なして内方へ向かう凹部を有することを特徴とする。
【0012】請求項4に記載のTナットは、一体の金属
材料からなる、軸部および前記軸部の第1の端部から外
方へ張出すフランジ部を備え、前記軸部は、中空の筒状
をなし、その内周面上には雌ねじが形成され、前記フラ
ンジ部には、その径方向に対向する各位置に2個ずつ爪
が互いに近接しかつ前記第1の端部とは逆の第2の端部
に向かって突出するように設けられたTナットにおい
て、前記フランジ部の外周縁は、互いに近接する2個の
前記爪の間において内方へ向かう凹部を有し、各前記爪
は、前記フランジ部の外周縁の一部を切り起こすことに
よって形成されたものであり、前記凹部は、互いに近接
する2個の前記爪が各々の基部において前記フランジ部
の外周縁より外周側へ張出すことによって形成される。
【0013】
【作用】この発明による複数個のTナットが列をなして
供給トラックに沿って移動されるとき、1つのTナット
に備える1対の爪の外周側基端部が、これと隣り合うT
ナットのフランジ部の対応する1対の爪の基部の外周側
に当接し、それによって、互いに他のTナットのフラン
ジ部の外周縁相互が重ならない位置関係に保たれる。
【0014】なお、この発明における前記凹部は、フラ
ンジの外周縁自体が内方へ向かって円弧状に切り欠かれ
ることによって形成される場合と、互いに近接する2個
の前記爪が各々の基部において前記フランジ部の外周縁
より外周側へ張出すことによって形成される場合とがあ
り得るが、いずれも、フランジ部の外周縁が、これと隣
り合うTナットのフランジ部の外周縁に重なる程度に届
くことが防止されるという意味において、その作用は等
価である。
【0015】
【発明の効果】したがって、この発明によれば、フラン
ジ部が、互いに他のTナットのフランジ部上に乗り上げ
ることを防止でき、Tナットの供給トラックに沿う円滑
な供給を可能にすることができる。
【0016】
【実施例】図1ないし図9は、この発明にとって参考と
なる第1の関連技術を説明するためのものである。ここ
で、図1は、この関連技術によるTナット11を示す斜
視図であり、図2は、Tナット11を示す平面図であ
り、図3は、図2の線III−IIIに沿う断面図であ
る。
【0017】Tナット11は、たとえば鉄系の金属板を
板金加工することにより一体に得られるもので、軸部1
2およびこの軸部12の第1の端部から外方へ張出すフ
ランジ部13を備える。
【0018】軸部12は、中空の筒状をなし、その第1
の端部とは逆の第2の端部においてかしめ予定部分14
を有し、かつかしめ予定部分14を除く内周面上には、
雌ねじ15が形成される。かしめ予定部分14は、好ま
しくは、雌ねじ15が形成される部分16に比べて肉薄
とされる。これにより、雌ねじ15を形成する場合、そ
のねじ切りを軸部12の第1の端部からでも第2の端部
側からでも行なうことができる。
【0019】軸部12における雌ねじ形成部分16の外
周面の一部は、内方へ押潰され、それによって、雌ねじ
形成部分16の外周面の一部には、凹部17が形成され
ている。凹部17は、たとえば180度の角度間隔をも
って、2個設けられる。これらの凹部17は、雌ねじ形
成部分16の所定の箇所を1対の適当な工具で挟む状態
としながら、これら工具を雌ねじ形成部分16に向かっ
て強く押圧することにより形成される。凹部17が形成
される位置は、フランジ部13に近い方が好ましい。な
ぜなら、フランジ部13から遠い位置において1対の工
具を作用させた場合、凹部17をほとんど形成すること
なく、軸部12の断面が偏平状に変形しやすいためであ
る。
【0020】図4は、図3の凹部17が形成された部分
の拡大図である。図5は、図4の線V−Vに沿う断面図
である。
【0021】上述した凹部17の形成の結果、雌ねじ1
5のねじ山の一部が不整化される。この不整化部分18
が、図4および図5によく示されている。なお、不整化
部分18におけるねじ山の不整化は図示のような態様に
なるとは限らず、その他の態様にもなり得る。
【0022】図示しないボルトが雌ねじ15に螺合する
とき、不整化部分18において、ボルトを比較的強く回
さなければ、不整化部分18を通過し得ない。このと
き、不整化部分18においては、ねじ山の一部が潰され
ることもあり得る。その結果、ボルトのTナット11に
対する螺合状態がロックされ、ボルトがTナット11か
ら緩むことが防止される。
【0023】なお、上述したような利点を望まないなら
ば、このような凹部17および不整化部分18は設けら
れなくてもよい。
【0024】再び図1ないし図3を参照して、フランジ
部13には、フランジ部13の外周縁の一部を外方から
内方に向かって押潰すことにより成形された複数のたと
えば2個の爪19が、180度の角度間隔をもって、軸
部12の第2の端部に向かって突出するように設けられ
る。フランジ部13の外周縁には、爪19が形成された
結果、断面ほぼ半円の切欠き20が残されている。
【0025】また、フランジ部13には、爪19の近傍
であって爪19より外周側に位置し、かつフランジ部1
3が延びる面に対して実質的に垂直方向に立上がる当接
壁21が設けられる。この関連技術では、当接壁21
は、各爪19の両側にそれぞれ位置している。
【0026】当接壁21は、爪19を成形するとき、同
時に成形される。これら爪19および当接壁21が形成
される前の段階では、フランジ部13は、図6に示すよ
うな形状を有している。すなわち、フランジ部13は、
爪19を形成しようとする位置において張出し部22を
有する実質的に円形状をなしている。これら張出し部2
2を外方から内方に向かって押潰すことにより、爪19
が形成され、同時に、その各々の両側に当接壁21が形
成される。このような張出し部22を変形させることに
より爪19および当接壁21を形成すれば、当接壁21
を爪19の外周側に容易に位置させることができる。
【0027】前述した軸部12に凹部17を形成するこ
とは、フランジ部13に爪19および当接壁21を形成
する前の段階で実施されるのが好ましい。なぜなら、爪
19および当接壁21の存在が、フランジ部13の近く
で凹部17を形成することを妨害することもあるからで
ある。
【0028】なお、凹部17と爪19との互いの円周方
向での位置関係に関して、図1ないし図3に示した位置
関係は一例にすぎない。すなわち、凹部17と爪19と
は、それぞれ、別の工程で形成され、それぞれの工程に
付されるときのTナット11の方向は、そのときの状況
に応じて、種々に変動する。その結果、凹部17と爪1
9との位置関係は、製品によって種々に変わり、また、
凹部17が爪19に対してどの位置にあっても、その作
用に変わりはない。なお、凹部17が設けられる数は、
2個に限らず、たとえば1個または3個以上であっても
よい。
【0029】図1には、Tナット11の供給を案内する
ための供給トラック23が想像線で示されている。図7
は、図1の線VII−VIIに沿う断面図である。図8
には、複数個のTナット11が連なって供給トラック2
3に沿って移動している状態が平面図で示されている。
【0030】供給トラック23は、図22および図23
に示した供給トラック9と同様、対称的に配置された断
面C字状の1対の案内レール24および25を備える。
これら案内レール24および25の各々内にフランジ部
13が受入れられるとともに、これら案内レール24お
よび25の間に、爪19および当接壁21を位置させな
がら、Tナット11が供給トラック23に沿って移動さ
れる。
【0031】上述したように、案内レール24および2
5の間に爪19および当接壁21が位置されることによ
り、Tナット11の方向が規制される。これによって、
図8に示すように、互いに隣り合う2個のTナット11
において、一方のTナット11の当接壁21が他方のT
ナット11の当接壁21に当接し、それによって、一方
のTナット11のフランジ部13が他方のTナット11
のフランジ部13上に乗り上げることが防止される。し
たがって、複数個のTナット11は、供給トラック23
に沿って円滑に移動されることができる。
【0032】このようなTナット11は、たとえば、図
9に示すように用いられる。図9を参照して、たとえば
木材からなる固着対象物26には、予め貫通孔27が設
けられている。この貫通孔27に、まず、Tナット11
の軸部12が挿入される。この状態で、かしめ機によ
り、かしめ予定部分14にかしめ加工が適用され、固着
対象物26の一方面側において、かしめ部分14aが形
成される。このとき同時に、爪19が固着対象物26の
他方面に食い込む状態とされる。このようにして、Tナ
ット11の固着対象物26への固定が完了する。
【0033】このようなTナット11の取付状態におい
て、Tナット11が固着対象物26に対して回転するこ
とが爪19によって禁止されるとともに、フランジ部1
3とかしめ部分14aとが固着対象物26を挟むことに
よって、Tナット11が貫通孔27から抜けることを禁
止する。したがって、Tナット11は、固着対象物26
に対して強固に固定される。また、このような取付状態
において、固着対象物26が、時間の経過とともに、そ
の寸法を変化させることがある。たとえば、固着対象物
26が木材である場合、乾燥によって縮むことがある。
それにもかかわらず、爪19が固着対象物26に食い込
んでいると、Tナット11が固着対象物26に対して回
転することが長年にわたって禁止された状態を維持する
ことができる。
【0034】図10には、この発明にとって参考となる
第2の関連技術によるTナット28が斜視図で示されて
いる。
【0035】このTナット28は、上記第1の関連技術
によるTナット11と同様、軸部29およびフランジ部
30を備え、軸部29には、かしめ予定部分31が与え
られている。また、軸部29の内周面上のかしめ予定部
分31を除く部分には、図示しないが、雌ねじが形成さ
れている。
【0036】フランジ部30の径方向に対向する各位置
には、2個ずつ互いに近接して、爪32および33が設
けられる。これら爪32および33の形成方法は、前述
した爪19の形成方法と実質的に同様であり、フランジ
部30の外周縁の所定の部分を外方から内方に向かって
押潰すことにより成形されたものである。これら爪32
および33の形成の結果、フランジ部30の外周縁に
は、断面ほぼ半円の切欠34および35が残される。
【0037】上述したような爪32および33の形成の
結果、互いに近接する2個の爪32および33の間に、
当接壁36が与えられる。この当接壁36は、爪32お
よび33より外周側に位置し、かつフランジ部30が延
びる面に対して実質的に垂直方向に立上がっている。
【0038】このTナット28も、供給トラックに沿っ
て移動されることが意図されていて、供給トラックを与
える1対の案内レールの間に爪32および33が位置さ
れる。そして、この供給トラックに沿う移動の間、隣り
合うTナット28の一方の当接壁36は、他方のTナッ
ト28の当接壁36に当接することにより、隣り合うフ
ランジ部30が互いに他のものと重なり合うことが防止
される。その結果、複数個のTナット28は、供給トラ
ックに沿って円滑に移動されることができる。
【0039】図11ないし図14は、この発明の第1の
実施例を説明するためのものである。ここで、図11
は、この実施例によるTナット37の斜視図であり、図
12は、Tナット37の平面図であり、図13は、図1
2の線XIII−XIIIに沿う断面図である。
【0040】Tナット37は、前述したTナット11お
よび28と同様、たとえば鉄系の金属板を板金加工する
ことによって一体に得られるもので、軸部38およびこ
の軸部38の第1の端部から外方へ張出すフランジ部3
9を備える。軸部38は、中空の筒状をなし、その内周
面上には、全面にわたって雌ねじ40が形成される。
【0041】フランジ部39には、前記第1の端部とは
逆の第2の端部に向かって延びる2対の爪41および4
2,43および44がフランジ部39の径方向に対向し
て配置される。これら爪41〜44の各々は、フランジ
部39の外周縁の一部をそれぞれ切り起こすことによっ
て形成されたものである。より具体的には、これら爪4
1〜44のうち、各対をなす爪41および42ならびに
43および44は、フランジ部39の周縁部に互いに逆
方向に延びる1対の切込み(これら切込みによって与え
られた切断線を、図12において「45」、「46」、
「47」、および「48」で示す。切断線45と46と
が対をなし互いに逆方向に延び、他方、切断線47と4
8とが対をなし互いに逆方向に延びている。)を形成
し、これら切込みの外側に位置する部分を、それぞれ、
切込みの各終端において折り曲げることによって形成さ
れたものである。
【0042】フランジ部39の周縁部には、2対の爪4
1および42ならびに43および44を対向させる径方
向とは直交する径方向に対向する各位置に、突起49お
よび50がそれぞれ設けられることが好ましい。これら
突起49および50は、前記第2の端部に向かって突出
する。これらの突起49および50は、たとえば、フラ
ンジ部39の外周縁の一部を外方から内方に向かって押
潰すことにより成形される。そのため、突起49および
50は、前述した実施例における爪19、32および3
3とその形状が類似している。このような突起49およ
び50の成形は、爪41〜44を形成した後、たとえば
プレスを適用することにより容易に行なうことができ
る。フランジ部39の外周縁には、突起49および50
が形成された結果、断面ほぼ半円の切欠き51および5
2が残されている。
【0043】なお、突起49および50の形成方法は、
上述した方法に限らず、たとえば折り曲げによって形成
してもよい。また、フランジ部39の外周縁の一部を、
図11による下方から上方に向かって押圧することによ
り、このような突起が形成されてもよい。
【0044】この実施例では、爪41〜44のそれぞれ
に、ギザギザの形状が与えられている。このことは、固
着対象物に打ち込まれた爪41〜44が容易には固着対
象物から抜けないようにする効果をもたらす。
【0045】爪41〜44の各々の基部には、フランジ
部39の外周側へ張出す舌片によって当接壁53、5
4、55および56が形成される。これら当接壁53〜
56は、爪41〜44より外周側に位置し、かつフラン
ジ部39が延びる面に対して実質的に垂直方向に立上が
っている。
【0046】図11には、Tナット37の供給を案内す
る供給トラック57が想像線で示されている。また、図
14には、複数個のTナット37が連なって供給トラッ
ク57に沿って移動している状態が示されている。
【0047】供給トラック57は、前述した供給トラッ
ク9および23と同様、対称的に配置された断面C字状
の1対の案内レール58および59を備える。これら案
内レール58および59の各々内にフランジ部39が受
入れられるとともに、これら案内レール58および59
の間に爪41〜44を位置させながら、Tナット37が
供給トラック57に沿って移動される。
【0048】このようなTナット37の移動中におい
て、図14によく示されているように、隣り合うTナッ
ト37の一方の当接壁53および54は他方の当接壁5
5および56に当接し、フランジ部39が互いに他のフ
ランジ部39と重なり合うことが防止される。なお、T
ナット37の方向によっては、たとえば当接壁53が、
当接壁55および56の間に入り込み、フランジ部39
に当接することもあり得るが、その場合であっても、当
接壁53の存在により、フランジ部39が互いに他のフ
ランジ部39と重なり合うことが防止される。
【0049】また、この実施例では、フランジ部39に
形成された突起49および50は、それぞれ、案内レー
ル58および59内に位置する。このとき、図14から
わかるように、突起49および50の存在により、案内
レール58および59の各々内のクリアランスは、ほん
とどない状態される。したがって、Tナット37が、案
内レール58および59内において大きく浮き上がるこ
とが防止され、これによっても、フランジ部39が互い
に他のフランジ部39と重なり合うことが防止される。
また、突起49および50が案内レール58および59
に接触する場合であっても、突起49および50が尖っ
た先端部を有しているので、その摩擦抵抗を極めて低く
することができる。
【0050】これらのことから、Tナット37は、供給
トラック57に沿って円滑に移動されることができる。
【0051】また、突起49および50は、Tナット3
7の、供給トラック57に沿う円滑な移動に対して、次
のような態様でも寄与している。すなわち、図12に示
した切断線45〜48に沿う切込みを形成して、爪41
〜44を形成するとき、フランジ部39には、切断線4
5〜48に沿って、爪41〜44が突出する方向と同じ
方向に突出するバリがしばしば形成される。このような
バリの存在は、Tナット37の、供給トラック57に沿
う円滑な移動を阻害する。そのため、バリは、通常、バ
レル研磨によって除去されるように努められる。しかし
ながら、バリを完全に除去することは、それほど容易で
はない。この実施例によれば、このようなバリの除去が
不完全であっても、また、バリの除去がまったく行なわ
れない場合であっても、バリの高さより高く突起49お
よび50を突出させることができるので、バリの存在に
よって、Tナット37が供給トラック57に沿って移動
されることが阻害されることを防止できる。それゆえ
に、バレル研磨を含むTナット37の仕上げ工程に要す
るコストを低減することができる。
【0052】図15は、この発明の第2の実施例による
Tナット60を示す斜視図である。このTナット60
は、上述したTナット37と共通する要素を多く含んで
いる。したがって、図15において、図11に示した要
素に相当する要素には同様の参照符号を付し、重複する
説明は省略する。
【0053】図15に示したTナット60に備える当接
壁53a、54a、55aおよび56aは、これら当接
壁53a〜56aを与える舌片を、互いに近接して設け
られた2個の爪41および42または43および44の
互いに他のものに向かって延びるように折り曲げること
によって形成される。この実施例によれば、当接壁53
a〜56aのそれぞれによって与えられる面積が、前述
した当接壁53〜56の場合に比べて大きくすることが
できる。したがって、当接壁53aおよび54aと当接
壁55aおよび56aとの当接状態をより安定に維持す
ることができる。その結果、フランジ部39相互の重な
り合いを一層確実に防止することができる。
【0054】図16は、この発明の第3の実施例による
Tナット61を示す斜視図である。このTナット61
は、当接壁53b、54b、55bおよび56bのそれ
ぞれを与える舌片が、互いに近接して設けられた2個の
爪41および42または43および44の互いに他のも
のから遠ざかるように折り曲げられている。この点を除
いて、Tナット61は、図15に示したTナット60と
実質的に同様である。図16においても、前述した図1
1に示す要素に相当する要素には、同様の参照符号を付
し、重複する説明は省略する。
【0055】上述した図11ないし図14に示す第1の
実施例、図15に示す第2の実施例、ならびに図16に
示す第3の実施例は、それぞれ、当接壁53〜56、5
3a〜56a、ならびに53b〜56bを形成するた
め、爪41〜44の各々の基部においてフランジ部39
の外周側へ張出す舌片を備えている。このことによっ
て、これら実施例は、いずれも、フランジ部39の外周
縁が、互いに近接する2個の爪41および42、ならび
に43および44の各間において凹部を形成するように
位置している、という構造を有している。この構造は、
以下に述べる第4の実施例によっても実現されることが
できる。
【0056】図17は、この発明の第4の実施例による
Tナット62を示す斜視図であり、図18は、このTナ
ット62の平面図であり、図19は同じく側面図であ
る。
【0057】Tナット62は、前述したたとえばTナッ
ト37と同様、軸部63およびこの軸部63の第1の端
部から外方へ張出すフランジ部64を備える。軸部63
は、中空の筒状をなし、その内周面上には、雌ねじ65
が形成される。
【0058】フランジ部64には、前記第1の端部とは
逆の第2の端部に向かって延びる2対の爪66および6
7,68および69がフランジ部64の径方向に対向し
て配置される。これら爪66〜69の各々は、フランジ
部64の外周縁の一部をそれぞれ切り起こすことによっ
て形成されたものである。爪66〜69のそれぞれに、
ギザギザの形状が与えられている。
【0059】この実施例の特徴とするところは、フラン
ジ部64の外周縁の形状にある。すなわち、互いに近接
する各々2個の爪66および67,68および69の各
間において、フランジ部64の外周縁は、内方へ切欠か
れた形状とされ、それによって、凹部70および71が
それぞれ形成されている。この実施例では、凹部70お
よび71を形成するための内方への切欠きは、円弧状端
縁72および73によって与えられている。これら円弧
状端縁72および73は、より平滑な端縁を与えなが
ら、凹部70および71を形成することを可能にする。
しかしながら、このような利点を望まないならば、他の
端縁形状によって凹部を形成するようにしてもよい。
【0060】このように、この実施例によっても、互い
に近接する各々2個の爪66および67,68および6
9の各間において凹部70および71がそれぞれ形成さ
れるので、複数個のTナット62を供給トラックに沿っ
て移動させるとき、1つのTナット62のたとえば爪6
6が、これと隣り合うTナット62のたとえば爪68お
よび69の間に位置しても、凹部70および71の存在
により、フランジ部64が互いに他のフランジ部64と
重なり合うことが有利に防止される。
【0061】上述した隣り合うフランジ部64が互いに
重なり合うことを防止する効果は、この実施例において
は、次のようにして一層助長されている。すなわち、図
19に特によく示されているように、互いに近接する2
個の爪66および67(ならびに、図19では図示され
ないが、爪68および69)の間に位置するフランジ部
64の外周縁、すなわち円弧状端縁72(および73)
には、爪66〜69の各々の基部を第2の端部側により
近接した位置に位置させるようにするアール形状74お
よび75が付されている。これによって、フランジ部6
4は、各々2個の爪66および67(ならびに68およ
び69)の各間において、その肉厚が大きくされたのと
同等の効果が与えられている。
【0062】また、互いに近接する2個の爪66および
67(ならびに68および69)の間に位置するフラン
ジ部64の外周縁、すなわち円弧状端縁72(および7
3)には、図19において破線でその基部を示すよう
に、第2の端部側へ突出する切断加工時のバリ76が残
されている。このようなバリ76をより多く残すため、
フランジ部64の外周の切断加工時において、より多く
のバリ76が積極的に形成されるように、ポンチおよび
ダイの寸法関係を選ぶのが好ましい。
【0063】上述したアール形状74および75、なら
びにバリ76の存在は、隣り合うフランジ部64が互い
に重なり合うことを防止するのに有効に作用するが、こ
の実施例において、これらアール形状74および75に
よる対策およびバリ76による対策の少なくとも一方が
施されていない変形例も可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明にとって参考となる第1の関連技術に
よるTナット11を示す斜視図であり、併せて供給トラ
ック23を想像線で示している。
【図2】図1に示したTナット11を示す平面図であ
る。
【図3】図2の線III−IIIに沿う断面図である。
【図4】図3の凹部17が形成された部分の拡大図であ
る。
【図5】図4の線V−Vに沿う断面図である。
【図6】図2に相当する図であって、爪19および当接
壁21の形成前の状態を示すTナット11の平面図であ
る。
【図7】図1の線VIII−VIIIに沿う断面図であ
る。
【図8】図1に示した複数個のTナット11が供給トラ
ック23に沿って移動している状態を示す平面図であ
る。
【図9】図1に示したTナット11の使用状態を示す断
面図である。
【図10】この発明にとって参考となる第2の関連技術
によるTナット28を示す斜視図である。
【図11】この発明の第1の実施例によるTナット37
を示す斜視図であり、併せて供給トラック57を想像線
で示している。
【図12】図11に示したTナット37を示す平面図で
ある。
【図13】図12の線XIII−XIIIに沿う断面図
である。
【図14】図11に示した複数個のTナット37が連な
って供給トラック57に沿って供給されている状態を示
す正面図であり、一方の案内レール59の図示が省略さ
れている。
【図15】この発明の第2の実施例によるTナット60
を示す斜視図である。
【図16】この発明の第3の実施例によるTナット61
を示す斜視図である。
【図17】この発明の第4の実施例によるTナット62
を示す斜視図である。
【図18】図17に示したTナット62の平面図であ
る。
【図19】図17に示したTナット62の側面図であ
る。
【図20】この発明にとって興味ある従来のTナット1
を示す斜視図である。
【図21】図20に示したTナット1を示す平面図であ
る。
【図22】図20に示した複数個のTナット1が連なっ
て供給トラック9に沿って供給されている状態を示す正
面図であり、一方の案内レールの図示が省略されてい
る。
【図23】図22に相当する図であって、フランジ部3
が互いに他のフランジ部3上に乗り上げた状態を示して
いる。
【符号の説明】
11,28,37,60,61,62 Tナット 12,29,38,63 軸部 13,30,39,64 フランジ部 14,31 かしめ予定部分 15,40,65 雌ねじ 16 雌ねじ形成部分 18 不整化部分 19,32,33,41,42,43,44,66,6
7,68,69 爪 21,36,53〜56,53a〜56a,53b〜5
6b 当接壁 22 張出し部 23,57 供給トラック 24,25,58,59 案内レール 26 固着対象物

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一体の金属材料からなる、軸部および前
    記軸部の第1の端部から外方へ張出すフランジ部を備
    え、 前記軸部は、中空の筒状をなし、その内周面上には雌ね
    じが形成され、 前記フランジ部には、その径方向に対向する各位置に2
    個ずつ爪が互いに近接しかつ前記第1の端部とは逆の第
    2の端部に向かって突出するように設けられたTナット
    において、 前記フランジ部の外周縁は、互いに近接する2個の前記
    爪の間において、その全長にわたって一つの連続する円
    弧状をなして内方へ向かう凹部を有することを特徴とす
    る、Tナット。
  2. 【請求項2】 互いに近接する2個の前記爪の間に位置
    する前記フランジ部の外周縁には、各前記爪の基部を前
    記第2の端部側により近接した位置に位置させるように
    するアール形状が付されている、請求項1記載のTナッ
    ト。
  3. 【請求項3】 互いに近接する2個の前記爪の間に位置
    する前記フランジ部の外周縁には、前記第2の端部側へ
    突出する切断加工時のバリが残されている、請求項1ま
    たは2に記載のTナット。
  4. 【請求項4】 一体の金属材料からなる、軸部および前
    記軸部の第1の端部から外方へ張出すフランジ部を備
    え、 前記軸部は、中空の箇状をなし、その内周面上には雌ね
    じが形成され、 前記フランジ部には、その径方向に対向する各位置に2
    個ずつ爪が互いに近接しかつ前記第1の端部とは逆の第
    2の端部に向かって突出するように設けられたTナット
    において、 前記フランジ部の外周縁は、互いに近接する2個の前記
    爪の間において内方へ向かう凹部を有し、 各前記爪は、前記フランジ部の外周縁の一部を切り起こ
    すことによって形成されたものであり、前記凹部は、互
    いに近接する2個の前記爪が各々の基部において前記フ
    ランジ部の外周縁より外周側へ張出すことによって形成
    される、Tナット。
  5. 【請求項5】 前記爪の各々の基部の外周側に張出した
    部分が、前記2個の爪の互いに他のものに向かって延び
    るように折曲げられる、請求項4記載のTナット。
  6. 【請求項6】 前記爪の各々の基部の外周側に張出した
    部分が、互いに近接して設けられた前記2個の爪の互い
    に他のものから遠ざかるように折曲げられる、請求項4
    に記載のTナット。
  7. 【請求項7】 前記フランジ部の周縁部には、前記2個
    ずつの爪を対向させる径方向とは直交する径方向に対向
    する各位置に、前記第2の端部に向かって突出する突起
    がそれぞれさらに設けられる、請求項4ないし6のいず
    れかに記載のTナット。
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