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JP2701005B2 - 減感作剤 - Google Patents
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JP2701005B2 - 減感作剤 - Google Patents

減感作剤

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JP2701005B2
JP2701005B2 JP23860294A JP23860294A JP2701005B2 JP 2701005 B2 JP2701005 B2 JP 2701005B2 JP 23860294 A JP23860294 A JP 23860294A JP 23860294 A JP23860294 A JP 23860294A JP 2701005 B2 JP2701005 B2 JP 2701005B2
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cedar pollen
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、ニッポンスギ由来の
新規なスギ花粉アレルゲンを有効成分とする減感作剤に
関する。
【0002】
【従来の技術】スギ花粉症は、スギの開花時に、大気中
に飛散した花粉が引起こすアレルギー症である。我国に
おいては、近年、スギの植林面積が増大するにつれ、ス
ギ花粉症患者が著増している。季節的な発症とはいえ、
今や、公衆衛生上、放置することのできない問題の一つ
になっている。
【0003】これまでのスギ花粉症の治療は対症療法が
主流を占め、ステロイドホルモンやクロモグリク酸ナト
リウムなどの抗炎症剤や抗アレルギー剤が頻用されてき
た。これら抗炎症剤、抗アレルギー剤はスギ花粉症によ
るアレルギー症状を一時的に緩和するにすぎず、スギ花
粉症そのものを根治するものではないうえに、ステロイ
ドホルモンは、患者に依っては、重篤な副作用を引起こ
すことがある。
【0004】一方、スギ花粉症を診断したり、スギ花粉
症を根治する試みの一つとして、スギ花粉症患者にスギ
花粉アレルゲンそのものを投与して減感作する診断・治
療が注目を浴びている。しかしながら、現行の減感作療
法等においては、依然として、ニッポンスギの花粉を水
性媒体中で抽出し、適宜希釈しただけの、きわめて粗な
状態のスギ花粉アレルゲンがそのまま患者に投与されて
いる。斯かる抽出物は、同一の抽出方法であっても、原
料の花粉次第で組成や薬効が大幅に変動し易く、一定の
減感作効果が得られない欠点がある。
【0005】このようなことから、スギ花粉症を正確に
診断するためにも、スギ花粉症を安全且つ効果的に治療
するためにも、スギ花粉アレルゲンを悉く単離し、その
性質・性状を解明するのが斯界の急務となっている。
【0006】
【発明により解決すべき課題】斯かる状況に鑑み、この
発明の目的は、アミノ酸配列の一部まで解明されたスギ
花粉アレルゲンを有効成分とする減感作剤を提供するこ
とにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記課題
を、N末端に配列表における配列番号1に示すアミノ酸
配列を有するニッポンスギ由来のスギ花粉アレルゲンを
有効成分とする減感作剤により解決するものである。
【0008】
【作用】アミノ酸配列の一部まで解明されたこの発明の
スギ花粉アレルゲンは、ヒトを始めとする哺乳類に投与
すると、スギ花粉アレルゲンに対して安定した減感作効
果を発揮する。
【0009】斯かるスギ花粉アレルゲンは、ニッポンス
ギの花粉を原料とすることにより、比較的容易に所望量
製造することができる。
【0010】以下、実施例等によりこの発明を説明する
に、この発明のスギ花粉アレルゲンは、N末端に配列表
における配列番号1に示すアミノ酸配列、通常、配列表
における配列番号2に示すアミノ酸配列を有している。
この発明のスギ花粉アレルゲンは、産地に依って「オモ
テスギ」又は「ウラスギ」なる通称名で呼称されるニッ
ポンスギ(学名:『クリプトメリア・ヤポニカ(Cry
ptomeria japonica)』)の花粉から
得ることができる。すなわち、ニッポンスギの花粉又は
花粉を含む雄花を水性媒体中に懸濁し、4℃前後に保ち
つつ、1時間前後抽出する操作を1乃至2回以上繰返
す。そして、抽出物を塩析、透析、濾過、濃縮、ゲル濾
過クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィ
ー、アフィニティークロマトグラフィー、高速液体クロ
マトグラフィー、ゲル電気泳動、等電点電気泳動などの
生理活性物質を精製・単離するための斯界における慣用
の方法を適宜組合わせて適用し、SDS−ポリアクリル
アミドゲル電気泳動おいて分子量約50,000ダルト
ンを示す画分を採取する。具体的には、例えば、上記の
ようにして得られた抽出物を硫酸アンモニウムで塩析
し、蛋白質成分を含む沈澱部にDEAE−セファデック
ス、CM−セファデックスを使用するカラムクロマトグ
ラフィーを適用して精製後、Mono Sカラムクロマ
トグラフィーによりさらに分画して、還元剤非存在下の
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動上で分子量約
50,000ダルトン、通常、49,000乃至53,
000ダルトンを示す画分を採取する。Mono Sカ
ラムクロマトグラフィーに高速液体クロマトグラフィー
を組合わせるときには、目的とする画分をより一層容易
に得ることができる。
【0011】斯くして得られるこの発明のスギ花粉アレ
ルゲンは、ヒトを始めとする哺乳類においてスギ花粉症
を惹起する性質がある。この性質により、この発明のス
ギ花粉アレルゲンは、従来公知のスギ花粉抽出物と同
様、哺乳類に投与すると、スギ花粉アレルゲンに対して
顕著な減感作効果を発揮し、スギ花粉症を診断・治療す
るための減感作剤として広範な用途を有することとな
る。
【0012】スギ花粉症を治療するための減感作剤に配
合使用する場合には、この発明のスギ花粉アレルゲンを
糖質との複合体にするのが望ましく、斯かる複合体は、
この発明のスギ花粉アレルゲンを分子量約500乃至1
0,000,000ダルトン、望ましくは、約10,0
00乃至1,000,000ダルトンの澱粉、アミロー
ス、デキストラン、ポリスクロース、プルラン、エルシ
ナン、カードラン、アラビアガム、トラガカントガム、
グアガム、ザンタンガム、カラギーナン、ペクチン、セ
ルロース、グルコマンナン、キトサン及びリポ多糖を含
む単純糖質、複合糖質又はそれらの誘導体若しくは部分
加水分解物に、例えば、ジアゾ法、ペプチド法、アルキ
ル化法、架橋法、過沃素酸酸化法、ジスルフィド結合法
などにより共有結合させて得ることができる。なお、抗
原性蛋白質に糖質を共有結合させる反応方法について
は、特公昭57−8090号公報に詳述されている。
【0013】この発明のスギ花粉アレルゲンを斯かる複
合体の形態にして使用するときには、アレルゲンの投与
に伴なうことあるアナフィラキーショック等の望ましく
ない副作用を実質皆無にできるばかりか、ガラス容器、
金属容器等に付着し難くなるので、取扱いが一段と容易
になる。これらの効果は、プルラン、エルシナンなど
の、本質的にマルトトリオースを反復単位とする水溶性
中性多糖類との複合体においていよいよ顕著となる。大
腸菌、サルモネラ菌、セラチア菌などの微生物由来のリ
ポ多糖及びその部分加水分解物は、この発明のスギ花粉
アレルゲンと共有結合させると、哺乳類における粘膜へ
の結合性を高める性質がある。したがって、斯かる糖質
との複合体は、経皮又は経粘皮投与する減感作剤におい
て極めて有用である。
【0014】つぎに、この発明のスギ花粉アレルゲンの
製造と理化学的性質につき、実施例に基づき説明する。
【0015】
【実施例1 スギ花粉アレルゲンの製造と理化学的性
質】
【0016】
【実施例1−1 スギ花粉アレルゲンの製造】千葉県産
のオモテスギから採取したスギ花粉を、重量で約15倍
量の0.125M炭酸水素ナトリウム水溶液(pH8.
0)に懸濁させ、穏やかに攪拌しながら4℃で1時間抽
出した。抽出物を遠心分離して得られた残渣に再度上記
の抽出操作を適用し、得られた上清と初回の上清をプー
ルし、硫酸アンモニウムを80%飽和になるように加
え、4℃で一昼夜静置して蛋白質成分を塩析した。
【0017】塩析物における沈澱部を採取し、0.05
Mトリス−塩酸緩衝液(pH7.8)に溶解し、新鮮な
緩衝液に対して透析し、濾過後、予め0.05Mトリス
−塩酸緩衝液(pH7.8)で平衡化させておいたDE
AE−セファデックスカラムに通液し、非吸着画分を採
取した。この画分を予め0.01M酢酸緩衝液(pH
5.0)で平衡化させておいたCM−セファデックスカ
ラムに負荷し、0.01M酢酸緩衝液(pH5.0)を
通液してカラムを洗浄後、0.3M塩化ナトリウムを含
む0.1M燐酸緩衝液(pH7.0)を通液して蛋白質
成分を含む画分を採取した。その後、この画分を予め2
0mMトリス−塩酸緩衝液(pH7.8)で平衡化させ
ておいたMono Sカラムに負荷し、カラムに25m
Mから100mMに上昇する濃度勾配のトリス−塩酸緩
衝液(pH7.0)を通液したところ、この発明のスギ
花粉アレルゲンを含む溶液が、原料スギ花粉固形分当た
り、約0.02%の収量で得られた。
【0018】
【実施例1−2】<スギ花粉アレルゲンの理化学的性質
【0019】
【実施例1−2(a)】<生物作用> 実施例1−1で得たスギ花粉アレルゲンを一部とり、常
法にしたがって、花粉症患者の血液から採取したイムノ
グロブリンE抗体とマウス由来のモノクローナル抗スギ
花粉アレルゲン抗体に対する親和性を調べたところ、い
ずれに対しても強い親和性を示した。このことは、この
発明のスギ花粉アレルゲンがスギ花粉症の原因物質の一
つであること、すなわち、ヒトを始めとする哺乳類にお
いてスギ花粉症を惹起することを示唆している。
【0020】
【実施例1−2(b)】<分子量> 実施例1−1で得たスギ花粉アレルゲンの一部をとり、
還元剤の非存在下、ユー・ケー・レムリが『ネイチャ
ー』、第227巻、第680乃至685頁(1970
年)に報告している方法にしたがってSDS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動したところ、分子量約50,0
00ダルトン付近に主たるバンドが観察された。
【0021】
【実施例1−2(c)】<等電点> 実施例1−1で得たスギ花粉アレルゲンを一部とり、常
法にしたがって、ファルマシア製等電点電気泳動用ゲル
『アンフォライン・パグプレート』上で等電点電気泳動
したところ、8.8付近に等電点を示した。
【0022】
【実施例1−2(d)】<N末端アミノ酸配列> 実施例1−1で得たスギ花粉アレルゲンを一部とり、
『ジャーナル・オブ・バイオロジカル・ケミストリ
ー』、第256巻、第7,990乃至7,997頁(1
981年)に記載された方法に準じて気相プロテイン・
シーケンサにより分解し、生成したアミノ酸を高速液体
クロマトグラフィーにより同定したところ、この発明の
スギ花粉アレルゲンは、N末端に配列表における配列番
号1に示すアミノ酸配列、詳細には、配列表における配
列番号2に示すアミノ酸配列を有していた。ただし、そ
の配列番号2において、「Xaa」はセリン、システイ
ン、トレオニン又はヒスチジンを表すものとする。
【0023】上記のような理化学的性質を有するニッポ
ンスギ由来のスギ花粉アレルゲンは未だ知られておら
ず、新規物質であると判断される。
【0024】
【実施例2】<スギ花粉アレルゲンの製造> 実施例1と同様にして、秋田県産のウラスギから採取し
たスギ花粉を抽出し、抽出物に含まれるスギ花粉アレル
ゲンを精製し、分画したところ、花粉症患者から採取し
たイムノグロブリンE抗体及びマウス由来のモノクロー
ナル抗スギ花粉アレルゲン抗体に強い親和性を示すスギ
花粉アレルゲンが、原料スギ花粉固形分当たり、約0.
015%の収量で得られた。
【0025】このスギ花粉アレルゲンの一部をとり、実
施例1−2と同様に試験したところ、SDS−ポリアク
リルアミドゲル電気泳動法で分子量約50,000ダル
トンを、また、等電点電気泳動法で8.8付近に等電点
を示した。さらに、実施例1−2(d)と同様にして、
N末端から第20番目までのアミノ酸配列を調べたとこ
ろ、配列表における配列番号2に示すアミノ酸配列に一
致した。
【0026】
【発明の効果】以上説明したとおり、この発明は、N末
端に特定のアミノ酸配列を有する、ニッポンスギ由来の
新規なスギ花粉アレルゲンの発見に基づくものである。
この発明は、アミノ酸配列の一部までが解明されたスギ
花粉アレルゲンを提供するものであり、斯かるスギ花粉
アレルゲンは、ヒトを始めとする哺乳類に投与すると、
スギ花粉アレルゲンに対して安定した減感作効果を発揮
する。したがって、この発明のスギ花粉アレルゲンは、
スギ花粉症を診断・治療するための減感作剤に有利に配
合使用できるのみならず、スギ花粉症を診断・治療する
ための減感作剤の標準物質としても有用である。
【0027】
【配列表】
配列番号:1 配列の長さ:6 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:蛋白質 フラグメント型:N末端フラグメント 配列 Asp Asn Pro Ile Asp Ser 1 5
【0028】 配列番号:2 配列の長さ:20 配列の型:アミノ酸 トポロジー:直鎖状 配列の種類:蛋白質 フラグメント型:N末端フラグメント 配列 Asp Asn Pro Ile Asp Ser Xaa Trp Arg Gly Asp Ser Asn Trp Ala Gln Asn 1 5 10 15 Arg Met Lys 20

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 N末端に配列表における配列番号1に示
    すアミノ酸配列を有するニッポンスギ由来のスギ花粉ア
    レルゲンを有効成分とする減感作剤。
  2. 【請求項2】 スギ花粉アレルゲンが、N末端に配列表
    における配列番号2に示すアミノ酸配列(ただし、「X
    aa」はセリン、システイン、トレオニン又はヒスチジ
    ンを表すものとする。)を有していることを特徴とする
    請求項1に記載の減感作剤。
  3. 【請求項3】 スギ花粉アレルゲンが、SDS−ポリア
    クリルアミドゲル電気泳動法により測定すると分子量約
    50,000ダルトンを示し、等電点電気泳動法により
    測定すると8.8付近に等電点を示すことを特徴とする
    請求項1又は2に記載の減感作剤。
  4. 【請求項4】 スギ花粉アレルゲンが、ニッポンスギの
    花粉を水性媒体中で抽出し、その抽出物から採取された
    ものであることを特徴とする請求項1又は2に記載の減
    感作剤。
  5. 【請求項5】 スギ花粉アレルゲンが、Mono Sカ
    ラムクロマトグラフィーによる分画工程を含む工程によ
    って抽出物から得られたものであることを特徴とする請
    求項4に記載の減感作剤。
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