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JP2701736B2 - 超電導素子 - Google Patents
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JP2701736B2 - 超電導素子 - Google Patents

超電導素子

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JP2701736B2
JP2701736B2 JP6098363A JP9836394A JP2701736B2 JP 2701736 B2 JP2701736 B2 JP 2701736B2 JP 6098363 A JP6098363 A JP 6098363A JP 9836394 A JP9836394 A JP 9836394A JP 2701736 B2 JP2701736 B2 JP 2701736B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は微小磁場の検出装置、電
圧標準、マイクロ波あるいはミリ波検出回路や高速デジ
タル回路、アナログデータ処理回路等、超電導性を用い
ることにより特有の性能を発揮する超電導エレクトロニ
クスの分野にかかわり、とくに微細化と出力信号の高電
圧化、あるいは高電流化等、高性能化、高信頼化、およ
び高耐久化等に適した超電導素子の素子構造に関するも
のである。
【0002】
【従来の技術】ジョセフソン特性を示すマイクロブリッ
ジ形の超電導素子は、微小磁場の検出装置に用いる超電
導量子干渉素子、電圧標準やマイクロ波検出素子、混合
器等に用いられる。すなわち、超電導電流成分はジョセ
フソン効果によってマイクロ波の照射に反応し、周波数
に比例する直流電圧を周期として、電流ステップが発生
する。このようなマイクロ波に対する応答現象がマイク
ロ波検出素子および混合器等に用いられている。とくに
マイクロ波周波数と発生電圧の比は物理定数であるプラ
ンク定数と、素電荷の比として与えられる恒常的な量で
ある。このことを原理として超電導デバイスが電圧標準
に用いられている。さらには磁場に対して電圧−電流特
性は変調を受ける。超電導ループ中に超電導素子を1
個、あるいは2個挿入した超電導量子干渉素子は印加磁
場に対して微小な周期で超電導電流が周期的に変化する
ので、高感度の磁場検出器に用いられる。従来のマイク
ロブリッジ形の超電導素子の構造は単純であり、超電導
膜の一部をサブミクロンの寸法に絞った形状である。マ
イクロブリッジ部に要請される寸法は長さおよび幅が、
マイクロブリッジを構成する超電導材料のコヒーレンス
長、あるいはこの数倍の寸法である。金属系超電導材料
のコヒーレンス長は数十nm、あるいはサブミクロンの
寸法であるので、金属系超電導材料を用いたマイクロブ
リッジ形の超電導素子はサブミクロン微細加工技術を用
いて作製されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術は以下に
述べる問題点があった。
【0004】第1は、マイクロブリッジ形超電導素子の
寸法に関連するものである。高温超電導体である酸化物
材料の超電導コヒーレンス長は約1nmであり、従来の
金属系超電導材料と比較すれば、きわめて短い寸法であ
る。マイクロブリッジ形の超電導素子で、それぞれの電
極の超電導波動関数の位相がマイクロブリッジ部分でず
れて、弱結合特性を示すには、マイクロブリッジの長
さ、幅および厚みを超電導コヒーレンス長の数倍以内に
抑える必要がある。したがって、酸化物超電導材料を用
いてマイクロブリッジ形の超電導素子を得るには、この
ような短いコヒーレンス長の数倍、すなわち大きくとも
10nmの微細加工技術が必要とされる。このようなナ
ノメートル加工は極めて高度な技術水準を必要とし、電
子線描画技術をもってしても非常に困難である。
【0005】第2は、マイクロブリッジ形超電導素子の
電流容量に関連するものである。マイクロブリッジ形超
電導素子の電流容量は、超電導素子に用いた超電導材料
の臨界電流密度と、マイクロブリッジ部の断面積によっ
て決まる。酸化物系の超電導材料を用いた場合、先に述
べたように、弱結合特性を示す寸法に対応する断面積は
数ナノメートル角である。超電導材料の動作温度におけ
る臨界電流密度を10の6乗アンペアとすれば、流し得
る電流値は高々0.1マイクロアンペアにすぎない。通
常マイクロブリッジ形超電導素子を超電導量子干渉素子
等に用いるために必要とされる超電導電流は数マイクロ
アンペアから数百マイクロアンペアである。従来の金属
系超電導材料を用いたマイクロブリッジ形素子の構造を
適用するかぎり、実用的に動作し得る酸化物系のマイク
ロブリッジ形素子を得ることはできない。
【0006】本発明の目的は、高温動作できる酸化物系
の超電導材料を用い、加工可能な寸法を有するマイクロ
ブリッジ形超電導素子の構造を得ることにある。また、
実用的に動作させることが可能な電流容量を有する酸化
物系のマイクロブリッジ形素子の構造を与えることにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、基板上にマイクロブリッジ構造をなす少
なくとも一対の超電導電極を有し、上記超電導電極は、
超電導膜と動作温度において常伝導状態である常伝導膜
とのそれぞれ2膜以上からなる積層膜によって構成す
る。
【0008】このような超電導素子において、1対の超
電導電極およびマイクロブリッジを構成する積層膜中の
超電導材料として、Y,Ba,Cuからなる酸化物、B
i,Sr,Ca,およびCuからなる酸化物、Tl,B
a,Ca,およびCuからなる酸化物を用い、常伝導材
料として、これら超電導材料の構成元素を主成分とし、
超電導材料と同一の結晶構造を有し、かつこれら超電導
材料の構成元素の一部を置換することにより、超電導臨
界温度を低減するか、あるいは常伝導特性化した酸化物
を用いる。
【0009】このような超電導素子において、Y−Ba
−Cu酸化物超電導膜とともに用いる積層膜中の常伝導
膜として、Cuの一部をCo,Fe,Ni,Zn,A
l,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,Mo,
W等の遷移金属元素で置換した酸化物,あるいはYの一
部あるいは全部をLa,Pr,Ce等の希土類金属で置
換することにより、超電導臨界温度を低減するか、ある
いは常伝導特性化した材料を用いる。
【0010】さらにこのような超電導素子において、B
i−Sr−Ca−Cu酸化物、あるいはTl−Ba−C
a−Cu酸化物等超電導膜とともに用いる積層膜中の常
伝導膜として、Caの一部をY,La,Ce,Pr,N
d,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,Ho,Er、Yb
等の希土類元素の中から選ばれる元素によって置換する
ことにより、超電導臨界温度を低減するか、あるいは常
伝導特性化した材料を用いる。
【0011】超電導素子を構成する積層膜として、構成
する各超電導膜の膜厚を10nm以下であり、かつ2n
m以上の寸法とする。
【0012】さらにこのような超電導素子において、縊
れ構造を有するマイクロブリッジ部の長さを0.2ミク
ロン以下とし、かつ幅を0.4ミクロン以下とする。
【0013】超電導素子において、積層膜を構成する超
電導膜および常伝導膜ともに、結晶のc軸が膜面に対し
て垂直な方位を有する酸化物薄膜を用いる。
【0014】超電導素子において、マイクロブリッジと
は独立した常伝導膜をやはり酸化物薄膜からなる絶縁層
を介して、超電導素子を構成するマイクロブリッジ部分
に重ね、かつ該常伝導膜に対して電圧を印加することに
より、マイクロブリッジ部分の電気伝導特性が変調され
る構造とする。
【0015】
【作用】マイクロブリッジ形の超電導素子で超電導弱結
合特性を示すのは、マイクロブリッジの寸法をコヒーレ
ンス長に近い寸法にすることによって、超電導波動関数
の位相が変化することを容易にした結果によるものであ
る。超電導のカッップリング部分が位相の変化し難い強
結合であるか、あるいは弱結合であるかは超電導臨界電
流の磁場依存性によって、最もよく判定できる。強結合
であれば、バルク超電導材料の臨界磁場まで超電導電流
が流れる。これは位相の場所的な変化による超電導電流
の低下ではなく、波動関数の振幅の縮小によるものであ
る。弱結合であれば、磁場の印加は位相の変化を来すか
ら、臨界磁場には無関係に、寸法に依存した低い磁界で
超電導電流が零になる。
【0016】超電導波動関数の位相が空間的に変化する
寸法の単位がコヒーレンス長であるのはバルク試料の場
合である。超電導薄膜の膜厚を薄くしていった場合、超
電導特性および、超電導特性を決定づける波動関数は2
次元的になる。2次元的な超電導特性の特徴は位相の揺
らぎが生じやすくなることであり、このためにバルク試
料のコヒーレンス長より長い寸法で位相の変化が生じえ
る。このようなバルク試料としての位相特性から2次元
的な位相特性に変化する膜厚は酸化物超電導結晶の数ユ
ニットセル厚であり、膜厚にして10nm以下である。
超電導薄膜の膜厚を数nmにすれば、面内方向の寸法を
数十nmとしても、マイクロブリッジ部分で位相の変化
を来すことができる。超電導薄膜の膜厚を1ユニットセ
ルに近い寸法にすれば、マイクロブリッジの寸法をサブ
ミクロンの寸法にすることも可能である。ただし、膜厚
をあまりにも薄くしすぎると、素子として必要な超電導
電流を得ることができない。マイクロブリッジを構成す
る超電導薄膜を、超電導膜と、動作温度において常伝導
状態である常伝導膜とのそれぞれの2枚以上から成る積
層膜によって構成すれば、超電導臨界電流は位相が変化
するのに必要な寸法に限定されることがない。積層膜の
超電導の層数を増加させることにより、デバイス設計か
ら要請される電流レベルにあわせて、臨界電流を設定す
ることができる。しかも、超電導膜と常伝導膜との層状
構造では、超電導層間で常伝導層を介して超電導カップ
リングを生じ、一体の超電導体になり、超電導波動関数
の2次元性が失われることはない。
【0017】超電導膜を積層化しても波動関数の2次元
性が保たれ、かつ超電導臨界電流が膜数の積になるため
には、積層膜の上部の膜まで、結晶方位や原子配列の規
則性等の結晶性が維持される必要がある。常伝導材料と
して、超電導材料の構成元素を主成分とし、超電導材料
と同一の結晶構造を有し、かつこれら超電導材料の構成
元素の一部を置換することにより常伝導特性化した材料
を用いることはこのような要請に必要である。さらに酸
化物系の超電導材料は結晶のab面内とc軸方向とで異
なった超電導特性を示すので、積層膜を構成する超電導
膜および常伝導膜ともに、結晶のc軸が膜面に対して垂
直な方位を有する酸化物薄膜を用いることにより、面内
で均一な特性を確保できる。
【0018】2次元的な超電導材料の波動関数の位相は
キャリア濃度に依存して場所的な安定性が変化する。し
たがって、とくに位相の変化しやすいマイクロブリッジ
部分に電界を印加してキャリア濃度を変化させることに
より、超電導素子の臨界電流や電圧−電流特性等の超電
導特性を制御することができる。
【0019】
【実施例】本発明を以下に述べる実施例にもとづいて説
明する。
【0020】(実施例1)図1に示すごとく、(10
0)配向チタン酸ストロンチウム基板1上に、膜厚6n
mのY−Ba−Cu酸化物薄膜2をレーザ蒸着法により
形成する。レーザ蒸発源はKrFのエキシマレーザと
し、成膜時の基板温度は摂氏700度とし、酸素分圧は
30Paとする。このような条件によって形成されたY
−Ba−Cu酸化物薄膜は結晶のc軸が膜面と垂直な配
向性を示す。
【0021】つぎに、膜厚6nmのPr−Ba−Cu酸
化物薄膜3をレーザ蒸着法により形成する。成膜条件は
Y−Ba−Cu酸化物薄膜と同様とする。このようなY
−Ba−Cu酸化物薄膜およびPr−Ba−Cu酸化物
薄膜の成膜工程をそれぞれ5回繰返し、全体として膜厚
50nmの超電導−常伝導積層膜4を得る。超電導−常
伝導積層膜は全体として結晶のc軸が膜面と垂直な配向
性を示す。
【0022】この超電導−常伝導積層膜に図2に示され
るように、マイクロブリッジ12および1対の超電導電
極11としてのパターンを形成する。パターンの形成は
電子線描画法によりレジスト膜パターンを形成し、Ar
を用いたイオンビームエッチング法により、レジスト膜
パターンを超電導−常伝導積層膜に転写する。このよう
な工程により、長さが50nmで、幅が100nmのマ
イクロブリッジを得る。
【0023】このようにして作製された、マイクロブリ
ッジ形超電導素子はマイクロ波の照射によって、電圧−
電流特性に一定の電圧間隔で電流ステップが検出され
た。さらに、図3に示されるように、磁場の印加に対し
て、一定の磁場周期で超電導臨界電流が増減する、いわ
ゆるフラウンフォーファパターンを示す。磁場の周期は
約100エルステッドである。これらの特性はマイクロ
ブリッジ形超電導素子が弱結合特性を有することを示す
ものである。
【0024】このような超電導弱結合特性は超電導層と
して、Y−Ba−Cu酸化物以外に、Bi−Sr−Ca
−Cu酸化物、Tl−Ba−Ca−Cu酸化物等他の超
電導酸化物を用いてマイクロブリッジ形超電導素子を作
製することによっても得られる。さらに常伝導層とし
て、Pr−Ba−Cu酸化物薄膜以外に、Prサイトに
LaあるいはCe等の希土類金属を用いも同様である。
さらにY−Ba−Cu酸化物超電導層とともに用いる常
伝導層として、Cuの一部をCo,Fe,Ni,Zn,
Al,Ti,Zr,Hf,V,Nb,Ta,Cr,M
o,W等の遷移金属元素で置換した酸化物を用いても同
様の特性を示す。Bi−Sr−Ca−Cu酸化物、ある
いはTl−Ba−Ca−Cu酸化物等超電導層とともに
用いる積層膜中の常伝導層として、Caの一部をY,L
a,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,D
y,Ho,Er、Yb等の希土類元素の中から選ばれる
元素によって置換した酸化物を用いても、やはり同様の
弱結合特性を示す。
【0025】上記構造を採用することにより、電子線描
画法等のパターン形成加工技術を用いることによって形
成可能な素子寸法となり、かつ素子動作が可能と成る。
また、このような超電導弱結合特性を有するマイクロブ
リッジ形超電導素子は電圧標準やマイクロ波検出素子、
混合器等、さらには超電導量子干渉素子にも用い得る。
【0026】(実施例2)マイクロブリッジ形超電導素
子を要素素子とする超電導量子干渉素子を作製する。
【0027】(100)配向チタン酸ストロンチウム基
板1上に、膜厚100nmのBi−Sr−Ca−Cu酸
化物薄膜をレーザ蒸着法により形成する。レーザ蒸発源
はKrFのエキシマレーザとし、成膜時の基板温度は摂
氏約700度とし、酸素分圧は30Paとする。このよ
うな条件によって形成されたBi−Sr−Ca−Cu酸
化物薄膜は結晶のc軸が膜面と垂直な配向性を示す。
【0028】このBi−Sr−Ca−Cu酸化物薄膜
に、図4に示されるごとく、超電導配線としてのパター
ンを形成する。パターンの形成は電子線描画法によりレ
ジスト膜パターンを形成し、化学腐食法によりエッチン
グを行い、レジスト膜パターンをBi−Sr−Ca−C
u酸化物薄膜に転写する。化学腐食法によるエッチング
ではサイドエッチングが進行するので、膜端部に約45
度のテーパを有するパターン15が得られる。このよう
な工程により、超電導量子干渉素子の超電導ループ13
を含む配線14を得る。
【0029】つぎに、膜厚6nmのBi−Sr−Ca−
Cu酸化物薄膜およびCaサイトの一部をYで置換し、
常伝導特性化したBi−Sr−Ca(Y)−Cu酸化物
薄膜を交互に5層ずつ、レーザ蒸着法により形成する。
この超電導−常伝導積層膜に電子線描画法とイオンビー
ムエッチング法を用いて、マイクロブリッジ12および
1対の超電導電極11としてのパターンを形成する。こ
のような作製工程により、2個のマイクロブリッジ形超
電導素子を得る。
【0030】このような方法により作製された超電導量
子干渉素子は磁場の印加に対し、超電導臨界電流は量子
磁束と超電導ループの寸法から計算されるとおりの、2
ミリエルステッドを周期とする規則的な変化を示す。電
圧状態に素子をバイアスした場合、図5に示されるごと
く、印加磁場が磁束量子の整数倍に比例する場合21、
半整数倍に比例する場合22の間で、周期的な変化を示
す。
【0031】上記構造を採用することにより、電子線描
画法等のパターン形成加工技術を用いることによって形
成可能な素子寸法となり、かつ素子動作が可能と成る。
また、このようにマイクロブリッジ形超電導素子を用い
た超電導量子干渉素子は高感度の磁場特性を有し、医療
計測等の分野に利用できるセンサ性能を有する。
【0032】(実施例3)図6に示される構造のマイク
ロブリッジ形超電導素子を要素素子とする三端子素子を
以下の方法により得る。
【0033】(100)配向チタン酸ストロンチウム基
板1上に、膜厚6nmのY−Ba−Cu酸化物薄膜およ
びCuの一部をCoで置換し、常伝導特性化したY−B
a−Cu(Co)酸化物薄膜を交互に5層ずつ、レーザ
蒸着法により形成する。この超電導−常伝導積層膜に電
子線描画法とイオンビームエッチング法を用いて、マイ
クロブリッジ12および1対の超電導電極16、17と
してのパターンを形成する。
【0034】マイクロブリッジ部を覆うように、チタン
酸ストロンチウム薄膜18をゲート絶縁膜として、レー
ザ蒸着法により積層する。レーザ蒸発源としてはKrF
のエキシマレーザを用い、成膜時の基板温度は摂氏60
0度とし、酸素分圧は30Paとする。
【0035】つぎに、あらかじめゲート電極としてのレ
ジストパターンを電子線描画法により形成する。さらに
Au膜を真空蒸着法により形成する。リフトオフ法によ
り、すなわちレジスト上のAu膜部分をレジストととも
に溶剤によって除去することにより、Auのゲート電極
膜19を得る。
【0036】このようにして作製した超電導三端子素子
にゲート電極に電圧信号を加えながら、マイクロブリッ
ジ形チャネル部の電圧−電流特性を調べる。ゲート電極
に負の電圧を数ボルト印加した場合24、ゲート電圧零
の場合23と比較して、超電導臨界電流は増大する。一
方、ゲート電極に正の電圧を数ボルト印加した場合2
5、超電導臨界電流は減少し、零に近くなる。したがっ
て、本超電導三端子素子は零電圧状態と有限電圧状態間
をスイッチングする機能を有する。
【0037】上記構造を採用することにより、電子線描
画法等のパターン形成加工技術を用いることによって形
成可能な素子寸法となり、かつ素子動作が可能と成る。
また、このような制御特性を有する超電導三端子素子は
論理回路や、記憶回路等のデータ処理デバイスに用いる
ことができる。さらに超電導量子干渉素子やデジタルー
アナログ変換デバイス等のアナログデバイスとしても利
用できる。
【0038】
【発明の効果】以上述べたごとく、本発明になる超電導
素子においては以下の効果を有する。
【0039】(1)本素子構造を採用することにより、
電子線描画法等のパターン形成加工技術を用いることに
よって、形成可能な素子寸法となり、かつ素子動作が可
能となる。
【0040】(2)回路あるいはデバイスからの要請に
見合った、任意の超電導電流を有するマイクロブリッジ
形の超電導素子が得られる。
【0041】したがって、超電導量子干渉素子、電圧標
準やマイクロ波検出素子、混合器等の超電導デバイス、
さらには超電導データ処理回路等への応用が可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】超電導素子の膜構造図である。
【図2】マイクロブリッジ形超電導素子の構造図であ
る。
【図3】超電導素子の臨界磁場−電流特性を示す図であ
る。
【図4】超電導量子干渉素子の構造図である。
【図5】超電導量子干渉素子の電圧−電流特性を示す図
である。
【図6】三端子素子の構造図である。
【図7】三端子素子の制御特性を示す図である。
【符号の説明】
1…基板、2…超電導層、3…常伝導層、4…超電導−
常伝導積層膜、11…超電導電極、12…マイクロブリ
ッジ、13…超電導ループ、14…超電導配線、15…
接続部、21…磁束量子の整数倍に比例する印加磁場、
22…半整数倍に比例する印加磁場、23…ゲート電圧
零、24…ゲート電圧負、25…ゲート電圧正。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 深沢 徳海 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 高木 一正 東京都国分寺市東恋ケ窪1丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (56)参考文献 特開 平6−13665(JP,A) 特開 昭64−28875(JP,A) 特開 平1−161785(JP,A)

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】基板上にマイクロブリッジ構造をなす少な
    くとも1対の超電導電極を有し、上記超電導電極は、超
    電導膜と動作温度において常伝導状態である常伝導膜と
    のそれぞれ2膜以上からなる積層膜によって構成され
    上記積層膜を構成する各超電導膜の膜厚が2nm以上1
    0nm以下であって、上記超電導膜は、Y,Ba,Cu
    からなる酸化物、Bi,Sr,CaおよびCuからなる
    酸化物、Tl,Ba,CaおよびCuからなる酸化物よ
    り選ばれ、上記常伝導膜は、上記超電導膜と同一の結晶
    構造を有し、上記超電導膜の構成元素の一部を遷移金属
    元素または希土類元素で置換することにより常伝導特性
    化したものであることを特徴とする超電導素子。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の超電導素子において、上
    記積層膜を構成する超電導膜および常伝導膜はともに結
    晶のc軸が膜面に対して垂直であることを特徴とする超
    電導素子。
  3. 【請求項3】 請求項1に記載の超電導素子において、上
    記超電導電極の少なくともマイクロブリッジ部上に絶縁
    膜を介して常伝導膜を形成することにより、上記常伝導
    膜に対して電圧が印可され、上記マイクロブリッジ部分
    の電気伝導特性が変調されることを特徴とする超電導素
    子。
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