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JP2715357B2 - 合成樹脂成形用金型 - Google Patents
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JP2715357B2 - 合成樹脂成形用金型 - Google Patents

合成樹脂成形用金型

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JP2715357B2
JP2715357B2 JP14554192A JP14554192A JP2715357B2 JP 2715357 B2 JP2715357 B2 JP 2715357B2 JP 14554192 A JP14554192 A JP 14554192A JP 14554192 A JP14554192 A JP 14554192A JP 2715357 B2 JP2715357 B2 JP 2715357B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は合成樹脂の成形用金型に
関する。
【0002】
【従来の技術】熱可塑性樹脂を金型キャビティへ射出し
て成形し、成形品に対する型表面の形状状態の付与にお
ける再現性を良くし、成形品の艶を良くするには、通
常、樹脂温度を高くしたり、射出圧力を高くする等の成
形条件を選ぶことによりある程度達成できる。
【0003】これらの要因の中で最も大きな影響がある
のは金型温度であり、金型温度を高くする程好ましい。
しかし、金型温度を高くすると、可塑化された樹脂の冷
却固化に必要な冷却時間が長くなり成形能率が下がる。
金型温度を高くすることなく型表面の再現性を良くし、
又金型温度を高くしても必要な冷却時間が長くならない
方法が要求されている。金型に加熱用、冷却用の孔をそ
れぞれとりつけておき交互に熱媒、冷媒を流して金型の
加熱、冷却を繰返す方法も行われているが、この方法は
熱の消費量も多く、冷却時間が長くなる。
【0004】金型キャビティを形成する型壁面を熱伝導
率の小さい物質で被覆することにより金型表面再現性を
良くする方法はUSP3544518号明細書等で開示
されており、熱伝導率が小さい物質としてポリエチレン
テレフタレート、ポリフェニレンサルファイド等が示さ
れている。更に、金型表面近くに断熱層を設ける方法と
してWO89/10823号明細書がある。この明細書
には、射出された樹脂が金型内で冷却される際に、ゆっ
くり冷却し、樹脂の外表面と中心部の温度差を小さく
し、ひずみの少いレンズ等を成形する方法を示してい
る。ゆっくり冷却する手段として、金型最表面をアルミ
ニウムあるいはニッケル等の金属とし、次の層に断熱
層、その下を金型本体とする金型構造が示されている。
断熱層を設ける目的は射出された加熱樹脂の冷却速度を
大巾に低減することであり、断熱層として数mm厚の液
晶ポリマーの板、ベスペル(成形されたポリイミド、D
u Pont社商品名)の板が示されている。
【0005】また、特開昭62−37107号公報は、
ゴム加硫用金型の表面に断熱層を設けることを開示して
おり、断熱材として、セラミックス、グラファイト、テ
フロン、ポリカーボネートおよびポリイミドが記載され
ているが、それ以上の詳しい記載はなされていない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】射出成形は複雑な形状
の成形品が一度の成形で得られることに最大の長所があ
り、この長所を保持しつつ、金型内の冷却時間が長くな
らず、且つ、金型表面再現性を良くした鏡面状成形品を
成形することが要求されている。本発明はこれ等の要求
に応えた金型である。
【0007】本発明の課題は、 1)複雑な形状の金型キャビティを有する金型に適用で
きる 2)冷却時間の増大が小さい 3)繰返し成形に耐える 4)高光沢成形品が得られる を達成することができる、金型を提供することである。
【0008】本発明者らは、この課題を達成するため、
断熱層で被覆した金型について検討を行い、主金型表面
を被覆する断熱物質、その被覆状態、被覆方法について
次のことが非常に重要であることを見出した。すなわ
ち、断熱層に関しては、実質的に金型最表面にあって薄
層であること、また断熱物質に関しては、熱伝導度が低
いこと、耐熱性に優れること、引張強度、伸びが大きく
しかも冷熱サイクルに強いこと、表面硬度が大きいこ
と、耐摩耗性に優れること、金型本体への塗布が良好に
できること、金型本体との密着性が良いこと、表面研磨
ができること、さらに断熱層の形成時あるいは本金型を
用いた合成樹脂の成形時に、耐蝕性に優れることであ
る。
【0009】そこで、本発明者らは、これ等の事項を満
す断熱物質、被覆状態および被覆方法について更に研究
を重ねた結果、始めて本発明に至ったのである。
【0010】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明は、以
下に記載する通りである。
【0011】 室温に於ける熱伝導率が0.05cal
/cm・sec・℃以上の金属から成る主金型の型キャ
ビティを形成する型壁面を、クロムメッキ及び/又はニ
ッケルメッキで被覆し、その表面に直鎖型高分子量ポリ
イミドの前駆体溶液を塗布し、次いで加熱して型表面に
0.001〜2mm厚の高鎖型高分子量ポリイミドを形
成し、該ポリイミドと主金型の密着力が500g/10
mm巾以上である合成樹脂成形用金型
【0012】 以下に本発明について詳細に説明する。
【0013】本発明の金型に適用しうる合成樹脂は一般
に射出成形やブロー成形等に使用できる熱可塑性樹脂で
ある。例えば、スチレン重合体又はその共重合体、ポリ
エチレン、ポリプロピレン等オレフィン重合体又はその
共重合体、塩化ビニール重合体又はその共重合体、ポリ
アミド、ポリエステル、等の一般の熱可塑性樹脂が使用
できる。
【0014】これ等の樹脂に、各種強化材、各種充填物
を配合した場合、あるいはポリマーアロイ等とした場合
は特に大きい効果が得られる。例えば、これ等の樹脂
に、ゴム、ガラス繊維、アスベスト、炭酸カルシウム、
タルク、硫酸カルシウム、発泡剤、木粉等の1種又は2
種以上を配合することができる。本発明に述べる熱伝導
率が0.05cal/cm・sec・℃以上の主金型材
質とは、鉄又は鉄を主成分とする鋼材、アルミニウム又
はアルミニウムを主成分とする合金、亜鉛合金、等の一
般に合成樹脂の金型に使用されている金属を包含する。
特に鋼材が最も良好に使用できる。
【0015】本発明では、主金型の型キャビティを形成
する型壁面をクロムメッキ又は/及びニッケルメッキで
被覆されている。クロムメッキとニッケルメッキはポリ
イミドとの密着性に優れ、また耐蝕性にも優れているの
で、本発明の金型に採用する場合、特に効果が著しいこ
とがわかった。
【0016】すなわち、鋼材等から成る主金型表面に直
接ポリイミドを被覆する場合には、その被覆工程で主金
型表面が変質し易く、ポリイミドとの密着性が不安定と
なり、剥離が生じやすかった。クロムメッキ又はニッケ
ルメッキの場合は、表面変質が起こり難く、又、クロム
とニッケルは、鉄に比べポリイミドとの密着性が良く、
その上表面が安定しているので、本発明にとって非常に
好ましいことがわかった。合成樹脂の成形中には、金型
に加熱と冷却が繰返し加えられるため、密着力が安定し
て大きいことが非常に重要であり、数万回の成形に耐え
るためには、クロムメッキ又は/及びニッケルメッキの
効果が著るしく大きいことがわかった。硬質クロムメッ
キのうちでも、硬質クロムメッキは硬く、耐擦傷性にも
優れ、最も好ましいものであった。
【0017】クロムメッキ又は/及びニッケルメッキの
厚みは0.001から0.1mmが好ましい。メッキ方
法は電気メッキ又は、化学メッキのいずれでも良い。電
気メッキは、一般に次の作業工程で行われるが、本発明
でも同様の作業工程が適用できる。 素地仕上→表面洗浄→ストップオフ→ジグ取付→陽極処
理→メッキ操作→水素除去→仕上。
【0018】メッキはクロムあるいはニッケルの単一メ
ッキでも良いが銅−ニッケル−クロム、ニッケル−クロ
ム、銅−クロム−銅−ニッケル等の多層メッキが必要に
応じて使用できる。本発明では、ニッケル又はクロムと
ポリイミドとの密着性が良いことを利用しているため、
ニッケル又はクロムがメッキの最表面に存在することが
必要であり、この条件を満す多層メッキは本発明に含ま
れる。
【0019】ポリイミドには各種あり、次の表1の様に
分類される。
【0020】
【表1】
【0021】 本発明の金型はポリイミドで被覆されて
いるが、この被覆にあたっては、ポリイミド前駆体溶液
使用できる。この溶液の溶媒は、金型に塗布して加熱
されると、硬化に先だって、あるいは硬化と併行して蒸
発する溶媒であり、一般に使用される有機溶媒である。
【0022】 溶液を金型に塗布し、次いで加熱して形
成されたポリイミドは、金型表面のクロムあるいはニッ
ケルと非常に良く密着する。この様にして得られたポリ
イミドの表面は表面硬度が大きく、耐摩耗性に優れ、使
用中にキズがつき難いものとなる。射出成形では、冷却
された金型へ、加熱され可塑化された合成樹脂が射出さ
れ、それが金型内で冷却されて成形されるため、各成形
毎に、金型表面では100℃にも及ぶ加熱と冷却が繰り
返される。ポリイミドと鉄等の金属では、熱膨張係数が
1桁も異なっているので、100℃にも及ぶ加熱と冷却
が繰り返される毎に、金属とポリイミドとの界面に激し
い応力が発生することになる。この応力に数千回あるい
は数万回にわたって耐え得るポリイミドとして、破断
強度、破断伸度共に大きい、強靱な直鎖型の高分子量ポ
リイミドである。
【0023】 ビスマレイミド系樹脂、アセチレン末端
ポリイミド、ナジック変性ポリイミド等の熱硬化型ポリ
イミドは高度に架橋が起こっているため、激しい冷熱サ
イクルに耐える点では直鎖型ポリイミドに劣る。
【0024】 特に、本発明に使用されるポリイミド
は、直鎖型の高分子量可溶型ポリイミド前駆体を金型表
面に塗布し、次いで加熱してイミド環を形成させた高分
子量閉環体から成る直鎖型高分子量ポリイミドである。
本発明に使用される直鎖型の高分子量ポリイミドの例を
表2に示した。なお、Tgはガラス転移温度を表わす。
【0025】
【表2】
【0026】直鎖型ポリイミドのTgは構成成分によっ
て異り、その例を表3および表4に示した。本発明者ら
の知見ではTgが200℃以上が好ましく、更に好まし
くは230℃以上であった。
【0027】
【表3】
【0028】
【表4】
【0029】射出成形は複雑な形状の成形品を一度の成
形で得られるところに経済的価値がある。この複雑な金
型表面をポリイミドで被覆し、且つ強固に密着させるに
は、ポリイミド前駆体溶液を塗布し、次いで加熱してポ
リイミドを形成させることが最も好ましい。本発明に
は、前述したようにポリイミドの溶液が使用されるが、
最も好ましい直鎖型ポリイミド前駆体であるポリアミド
酸の代表例の繰返し単位を化1に示す。
【0030】
【化1】
【0031】ポリイミド前駆体のポリマーは、カルボキ
シル基等のため金型との密着性が良く、金型表面上でポ
リイミドを反応形成させることにより金型表面に密着し
たポリイミド薄層が得られる。ポリイミドの前駆体溶液
には、コーティング時の粘度を調整したり、溶液の表面
張力を調整、チキソトロピー性を調整するための添加物
を加えたり、又は/及び金型との密着性を上げるための
添加物を加えることができる。これ等ポリイミドの中
で、PMDA系ポリイミドは、耐熱性、機械的性質等に
優れ、最も好ましい。特に塗布用に変性したワニスは良
好に使用できる。しかし、ポリイミドの熱伝導率を大巾
に高くする様な添加物は好ましくない。又、ポリイミド
と金型の密着力を大巾に低下させる添加物も好ましくな
い。
【0032】 ポリイミド前駆体のポリマーはカルボキ
シル基等を含有するため金型との密着性が良く、金型表
面上でポリイミドを反応形成させることにより金型表面
に密着したポリイミド薄層が得られる。本発明のポリイ
ミドと主金型との密着力は、室温で500g/10mm
巾以上であり、更に好ましくは1kg/10mm巾以
上、最も好ましくは、1.5kg/10mm巾以上であ
る。これは密着したポリイミドを10mm巾に切り、接
着面と直角方向に20mm/分の速度で引張った時の剥
離力である。この剥離力は測定場所、測定回数によりか
なりバラツキが見られるが、バラツキの最小値が重要で
あり、安定して大きい剥離力であることが好ましい。ク
ロムメッキ、ニッケルメッキの場合は安定した剥離力を
もたらす。
【0033】ポリイミドの熱伝導率は小さい程好ましい
が、ポリイミドの熱伝導率は0.002cal/cm・
sec・℃以下のものが好ましく使用できる。ポリイミ
ドの厚みは、0.001〜2mmの範囲で適度に選択さ
れる。0.001mm未満の厚みでは成形品表面改良の
効果が少なく、2mmを超えると金型の冷却効果が低下
し、成形効率が低下する。金型温度が高い程、ポリイミ
ドの厚みを薄くし、金型温度が低い程、ポリイミドの厚
みを厚くする必要があり、0.001〜2mmの範囲で
適度に選択される。又、本発明の金型が使用される成形
法によっても、好ましいポリイミドの厚みは異る。本発
明の金型が最も良好に使用できる射出成形では、0.0
1〜0.5mmの厚みが好ましく、更に好ましくは0.
01〜0.1mmの厚みである。これに対して、押出ブ
ロー成形では0.2〜1mmの厚みが好ましい。
【0034】射出成形品特に大型射出成形品は、一般に
射出圧力が伝達されやすい樹脂注入口(以後ゲートと称
す)付近は金型表面再現性が良く、艶が良くなり、ゲー
トから離れるに従って金型表面再現性は悪くなり、樹脂
流動端部は最も悪くなる。成形品肉厚が薄くなったり、
あるいは射出される樹脂の粘度が高い場合、あるいは成
形品が大きい場合に特に、ゲート部と樹脂流動端部の外
観の差が大きくなる。
【0035】本発明はこれ等を改善する金型をも提供す
る。すなわちポリイミドの厚みが、樹脂注入口(ゲー
ト)付近から樹脂流動端部方向へ向って増大している金
型である。ここで述べるゲート付近とは、ダイレクトゲ
ート、ピンポイントゲート、サイドゲート等の一般に使
用されるゲート付近である。射出成形品には外観が要求
される部分と、不要の部分があり、一般にゲートは外観
が要求されない部分を選んでその位置を決める。従っ
て、外観が要求される最もゲートに近い部分のポリイミ
ドの厚みをゲート付近のポリイミド厚みとする。ゲート
付近とはゲートから金型キャビティへ入った部分、一般
にはゲートから樹脂流動端部までの距離の1/10付近
の金型壁面を示す。
【0036】ゲートから金型キャビティに入った真近及
びその近傍部にはポリイミドが無く、数10mm進んだ
所からポリイミドが被覆されることもあり、この場合
は、ポリイミドが本格的に被覆されはじめた部分を本発
明にいう、ゲート付近とする。そして、この部分のポリ
イミドの厚みを用いることとする。樹脂流動端部付近と
は、外観が要求される最も樹脂流動端部に近い部分、す
なわち、樹脂流動端部からゲートまでの距離の1/10
付近を示す。本発明では樹脂流動端部付近のポリイミド
厚みはゲート付近のポリイミド厚みの1.1倍から4倍
であり、好ましくは、1.2倍から3倍であり、更に好
ましくは1.3倍から2.5倍である。
【0037】射出成形は、複雑な形状の型物が一度の成
形でできることが最大の長所であり、そのため金型キャ
ビティは一般に複雑な形状をしている。この複雑な金型
キャビティ表面に鏡面状に被覆物質を塗布することはき
わめて困難であり、そのため塗布された被覆層を表面研
磨して鏡面状に仕上げる必要がある。従って、被覆物質
は研磨でき、鏡面化できることが要求される。
【0038】合成樹脂を研磨して、不要部分を削り鏡面
化することは、プラスチックレンズ等を研磨する際に用
いられている方法である。合成樹脂を研磨粉等を用いて
研磨するには、研磨するに適した合成樹脂を使用する必
要があり、よく知られたCR−39(ジェチレングリコ
ールビスアリルカーボネート)重合体等が適している。
すなわち、高度に架橋されていて、硬くて、伸びが小さ
く、しかもガラス転移温度が高い樹脂が適していると一
般に云われている。これに対して直鎖状高分子量体で、
破断伸度が大きく強靱な樹脂は研磨には適していないと
見られてきた。
【0039】従来のこの考えから云えば、直鎖型高分子
量ポリイミドは破断伸度が大きく、強靱であるので、研
磨性には適しないということになる。しかし、このよう
な直鎖型高分子量ポリイミドも、高度に架橋が起ってい
る熱硬化型ポリイミドとともに、研磨性が良好であるこ
とが、本発明によって始めて明らかとなり、本発明に良
好に使用できることがわかった。
【0040】ポリイミドの薄層の表面の平滑性等を更に
向上させるため、あるいは表面の耐擦傷性を更に向上さ
せるため、ポリイミド層の厚みの1/10付近より薄い
別材質をポリイミド表面に塗布することも必要に応じて
でき、本発明に含まれる。合成樹脂のシートや型物の表
面に、耐擦傷性向上のため使用されている、一般にハー
ドコートと云われている塗料を塗布することもできる。
例えば、熱硬化型のシリコーン系ハードコート剤は良好
に使用でき、本発明にとって好ましいものである。
【0041】金型キャビティに射出される加熱溶融され
た合成樹脂は、その軟化温度以上の状態で金型壁面に高
圧で押しつけられることが必要である。とくに高速射出
成形のために本発明の金型が有効である。高速射出成形
というのは、該金型キャビティへの射出時間が1秒未満
の高速射出成形を行う合成樹脂の射出成形法である。好
ましくは高速射出時間は0.5秒以下、更に好ましくは
0.3秒以下である。
【0042】前述した型キャビティへの射出時間が1秒
未満の高速射出成形とは、加熱可塑化された合成樹脂が
型キャビティのゲートより型キャビティへ入り始めてか
ら型キャビティの端部にまで達するまでの時間が1秒未
満であることを意味する。ゲートが多数ある場合には最
初に合成樹脂が入り始める時から、型キャビティが満た
されるまでの時間である。加熱可塑化された合成樹脂は
型キャビティの端部に達した後、合成樹脂には引続き、
高圧射出圧力が加えられて、高圧となり、更に合成樹脂
の冷却による収縮量を補充する合成樹脂が型キャビティ
に注入され続ける。
【0043】更に、金型キャビティに加熱したガス体等
の流体を導入することにより更に良好な成形品表面が得
られる。加熱したガス体等の流体を金型キャビティに導
入することにより金型キャビティを形成する金型壁表面
を選択的に加熱することができる。金型キャビティに導
入する加熱ガスの温度は金型温度より高ければよいが、
高温ガスを短時間導入した方が効果は大きく、ガス温度
は金型温度より100℃以上、好ましくは200℃以
上、更に好ましくは300℃以上高いガス等が好まし
い。
【0044】 金型キャビティに加熱ガスを導入する方
法として種々の方法が考えられるが、その一例として金
型キャビティにガスは通過できるが溶融樹脂は通過でき
ない大きさの細孔をあておきその細孔より加熱ガスを
導入する。したがって、加熱ガスの入口、及び出口に適
した位置に細孔を設けなくてはならない。ガスは通過で
きるが溶融樹脂は通過できない細孔の大きさは樹脂の種
類、成形条件等により異なるが、一般には0.01〜
0.2mmの空隙をもつ細長い細孔が適している。しか
しながら、通常の金型は気密でなくパーティング面がこ
の空隙の条件を充す。とくにパーティング面が気密な金
型には特別に前述した如き細孔を設けてガスの導入をす
るのである。
【0045】
【実施例】次の各金型及び各ポリイミドを用いて実験を
行った。 (1)金型 主金型(A):鋼材(S55C)でつくられ、2mm厚
の平板状型キャビティを有し、型表面は鏡面状である。
鋼材の熱伝導率約0.2cal/cm・sec・℃。
【0046】主金型(B):主金型(A)の表面に、電
気分解による硬質クロムメッキを鏡面状に0.02mm
厚に行ったもの。 (2)ポリイミド ポリイミド(A):直鎖型ポリイミド前駆体、ポリイミ
ドワニス「トレニース♯3000」(東レ(株)商品
名)。
【0047】硬化後のポリイミドのTgは300℃、熱
伝導率0.0007cal/cm・sec・℃。 ポリイミド(B):直鎖型ポリイミド前駆体、ポリイミ
ドワニス「Larc−TPI」(三井東圧(株)商品
名)。硬化後のポリイミドのTgは256℃。
【0048】ポリイミド(C):直鎖型ポリイミド前駆
体、ポリアミドイミド「AI−10」(アモコジャパン
リミテッド製品)溶液。硬化後のポリイミドのTgは2
30℃。
【0049】
【実施例1】主金型(A)を4個用意し、各金型をサン
ドペーパー等で研磨して、表面粗度を変化させた各金
型、並びに主金型(B)を用いた。金型表面を、十分に
脱脂した後、ポリイミド(A)に若干のチキソトロピー
性付与剤を配合した塗料を塗布し、120℃で15分、
210℃で15分、290℃で30分間加熱して直鎖状
ポリイミドを形成した。次いで、バフにダイヤモンドペ
ーストをつけて電動グラインダーで研磨を行い、0.0
5mm厚の鏡面状直鎖型ポリイミド被覆層を形成した。
【0050】 被覆層を10mm巾に切り、20mm/
分の速度で被覆面と直角方向に引張り、密着力を測定し
た。結果を表5に示した。主金型とポリイミドの密着力
はいずれも0.3kg/cm以上であったが、硬質クロ
ムメッキを行った主金型Bとポリイミド(A)との密着
力は1kg/cmと大きく、そのバラツキも小さく、非
常に好ましいものであった。密着力は、最小値が大きい
ことが重要である。
【0051】
【実施例2】主金型(B)を4個用意し、各金型を十分
に脱脂した後、ポリイミド(A)、(B)、(C)をそ
れぞれ塗布し、実施例1と同様にして0.04mmと
0.1mm厚の鏡面状直鎖型ポリイミド被覆層を形成し
た。該直鎖型ポリイミド被覆金型と主金型(B)を使用
して、ゴム強化ポリスチレン(旭化成工業(株)商品
名、スタイロン495)を射出成形し、成形品の光沢度
を測定し、表6に結果を示した。ポリイミド(A)、
(B)、(C)では全く同様の結果を得た。クロムメッ
キの上にポリイミドを被覆した場合、成形品の光沢は著
しく良くなり、射出成形を1万回行っても、型表面の異
常、成形品の光沢の低下は全く認められなかった。
【0052】なお、射出成形条件および光沢度測定条件
は以下の通りであった。 射出成形条件:射出シリンダー温度 220℃ 金型温度 60℃ 射出速度 X: 射出時間1.1秒 射出速度 Y: 射出時間0.2秒 光沢度測定条件:JIS K7105、反射角度 60
【0053】
【比較例3】実施例1に示した方法で金型表面に形成し
た0.04mm厚と0.1mm厚の鏡面状直鎖型ポリイ
ミド層表面に、シランカップリング剤KBE903(信
越化学工業(株)商品)を塗布し、120℃で10分間
加熱し、0.1μm厚以下の薄膜を形成し、そのシラン
カップリング剤薄膜表面に、シリコーンハードコート剤
X−12−2150A/B(信越化学工業(株)商品)
を塗布し、120℃で10分間加熱し、約1μm厚の薄
膜を形成して、シリコーンハードコート層をつけた。
【0054】この金型を用いて、実施例3と同様に射出
成形を行い、ほぼ同様の高光沢度の射出成形品を得た。
シリコーンハードコート層を最表面につけることによ
り、金型取扱い中、等の傷つき防止が達成できた。
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】
【発明の効果】本発明の合成樹脂成形用金型により、型
表面再現性に極めて優れた成形品が得られる。複雑な形
状の金型キャビティを有する金型とすることができる、
冷却時間の増大が小さい、繰返し成形に耐えるおよび高
光沢度成形品が得られるなど、工業的に非常に有用な合
成樹脂成形用金型である。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 室温に於ける熱伝導率が0.05cal
    /cm・sec・℃以上の金属から成る主金型の型キャ
    ビティを形成する型壁面を、クロムメッキ及び/又は
    ッケルメッキで被覆し、その表面に直鎖型高分子量ポリ
    イミドの前駆体溶液を塗布し、次いで加熱して型表面に
    0.001〜2mm厚の直鎖型高分子量ポリイミドを形
    成し、該ポリイミドと主金型の密着力が500g/10
    mm巾以上である合成樹脂成形用金型。
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