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JP2716481B2 - グリシンの製造法 - Google Patents
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JP2716481B2 - グリシンの製造法 - Google Patents

グリシンの製造法

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JP2716481B2
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年彦 坂本
靖 塚原
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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はグリシンの製造法に関する。特に、グリコロ
ニトリルとアンモニアおよび炭酸ガスを反応させてグリ
シンを製造する方法に関する。
グリシンは加工食品の食品添加剤や農薬、医薬の原料
として広く使用されている有用な化合物である。
〔従来技術〕
従来、グリシンの製造方法としては、主としてモノク
ロル酢酸のアミノ化法、ストレッカー法、ヒダントイン
法等が知られている。モノクロル酢酸法は毒物であるシ
アン化水素を使用しないという長所があるが、2級およ
び3級アミン同族体が副生し、グリシン収率が低い。ま
た、ストレッカー法は反応時に副生するイミノジ酢酸塩
や加水分解後の中和塩の分離が必要である。シアン化水
素とホルムアルデヒドを原料とし、ヒダントインを経由
し、その加水分解によりグリシンを製造する方法は公知
である。たとえば、シア化水素とアルデヒドとアンモニ
アおよび二酸化炭素を水溶媒中で100℃以上で加熱する
方法(USP3,536,726)。また、たとえば水媒体中シアン
化水素とホルムアルデヒドおよび炭酸アンモニウムを加
熱する方法(特開昭49−127915)。また、たとえばグリ
コロニトリル、アンモニアおよび炭酸ガスを加熱しアン
モニアと炭酸ガスを除去した後、アルキルアミンあるい
はアルキルアンモニウムハドロオキシドで処理する方法
(特開昭53−28115)。また、たとえばグリコロニトリ
ル、アンモニアおよび炭酸ガスを加熱しアンモニアと炭
酸ガスを除去した後、鉱酸で処理して加水分解する方法
(特開昭53−28116)。また、たとえばグリコロニトリ
ル、アモニアおよび炭酸ガスを加熱し、アルカリ金属あ
るいはアルカリ土類金属の水酸化物、炭酸塩および重炭
酸塩等のアルカリ性物質で処理する方法(特開昭53−31
6161)等である。
〔発明が解決しようとする課題〕
しかしながら、これらの方法はいずれも副生生物が多
く、グリシンの選択性が必ずしも充分とはいえない。ま
た、アルカリ性の塩あるいは金属で加水分解する方法で
はグリシの選択性は向上するが、仕込んだグリコロニト
リルに対して等モル以上のアルカリを必要とするだけで
なく、グリシン塩を加水分解する必要がある。また、生
成した塩とグリシンとの分離工程が煩雑となりグリシン
製造の経済性を大きく損なう。
〔課題を解決するための手段〕
本発明者らはグリシンの選択率を向上させるために鋭
意検討を行い、副生量のヒダントイン酸あるいは2,5−
ジケトピペラジンを反応器へ供給することにより正味の
ヒダントイン酸あるいは2,5−ジケトピペラジンの副生
量が減少し、その結果グリシンの選択率が大幅に向上す
ることを見い出し本発明に至った。すなわち、本発明は
グリコロニトリル、炭酸ガスおよびアンモニアを水の存
在下、100〜200℃に加熱してグリシを製造するにあた
り、ヒダントイン酸および/または2,5−ジケトピペラ
ジンを反応器へ供給することを特徴とするグリシンの製
造方法である。
本発明の方法は水溶媒中で行われる。
本発明の方法で使用されるグリコロニトリルは純粋な
ものは当然であるが、硫酸やリン酸等の安定剤を含有し
ていても使用することができる。また、反応条件下でグ
リコロニトリルを生成し得る化合物も使用することがで
きる。このような化合物の例としてはシアン化水素とホ
ルムアルデヒドの混合物、あるいはシアン化ナトリウム
とパラホルムアルデヒドの混合物等が挙げられる。グリ
コロニトリルの使用量は使用する水に対し、1〜50wt%
の範囲である。
本発明の方法で使用する炭酸ガスおよびアンモニアは
これらをそのまま使用してもよいが、反応条件下でこれ
らの化合物を生成する化合物、たとえば、炭酸アンモニ
ウムや重炭酸アンモニウムを使用してもよい。また、こ
れらを混合して使用しても好ましい結果が得られる。
アンモニアの使用量はグリコロニトリルに対し、当モ
ル以上、好ましくは1〜50モル倍である。また、炭酸ガ
スの使用量はグリコロニトリルに対し当モル以上、好ま
しくは1〜50モル倍である。
本発明の方法で供給するヒダントイン酸および2,5−
ジケトピペラジンの供給量はこれらを供給しないで同一
条件下で反応を行った場合に副生する量が好ましい。さ
らに好ましくは、この副生量を目安に試行的にこれらの
供給量を変えて反応を行い、ヒダントイン酸あるいは2,
5−ジケトピペラジンの正味の副生量が0となる量を供
給することが好ましい。ヒダントイン酸および2,5−ジ
ケトピペラジンの副生量は仕込みのグリコロニトリル濃
度の影響を受け、グリコロニトリル濃度が高いほどそれ
らの副生量は多くなる。通常、水溶媒中、グリコロニト
リル、アンモニアおよび炭酸ガスを100〜200℃で加熱し
た場合、ヒダントイン酸および2,5−ジケトピペラジン
の副生量はそれぞれ仕込みのグリコロニトリルの1〜10
モル%、0.1〜10モル%である。したがって、本発明の
方法で供給するヒダントイン酸および2,5−ジケトピペ
ラジンの供給量としてはそれぞれグリコロニトリルの1
〜10モル%、0.1〜10モル%程度で良い。
本発明の方法で供給するヒダントイン酸あるいは2,5
−ジケトピペラジンは反応器へあらかじめ供給しておい
てもよく、また、連続的に供給しても好ましい結果が得
られる。この場合、グリシン精製系より分離してヒダン
トイン酸及び2,5−ジケトピペラジン濃度を高めた成分
を回収循環する事ができる。
反応圧力は特に制限はないが反応中に発生するアンモ
ニア、炭酸ガスあるいは溶媒の蒸気等を適宜抜き出して
も反応させることができる。
本発明の方法で使用される反応温度は低い方がグリシ
ンの収率は向上するが反応速度が遅くなる。従って、反
応温度は100〜200℃が好ましい。
本発明の方法は回分式でも、また、半流通式、あるい
は、流通式でも行うことができる。
〔実施例〕
本発明の方法を実施例および比較例により詳細に説明
する。
実施例1 チタンライニングした100mlオートクレーブにグリコ
ロニトリル2.9g(51.0mmol)、炭酸アンモニウム49.0g
(600mmol、純度85%)、水45.5g、ヒダントイン酸0.34
g(2.87mmol)および2,5−ジケトピペラジン0.03g(0.2
3mol)を入れ150℃まで1時間で加熱した。この時の反
応圧力は43気圧であった。4時間反応後反応液を室温ま
で冷却し、液体クロマトグラフで分析した結果、ヒダン
トイン酸アミド0.10mmol、ヒダントイン酸3.06mmol、2,
5−ジケトピペラジン0.24mmol、ヒダントイン0.06mmo
l、グリシルグリシン1.54mmol、トリグリシン0.02mmol
およびグリシン43.57mmolであった。この回収生成物か
ら供給したヒダントイン酸および2,5−ジケトピペラジ
ンを除いたグリシンのグリコロニトリル基準の選択率は
92.5%であった。
比較例1 オートクレーブへヒダントイン酸および2,5−ジケト
ピペラジンを供給しないこと以外は実施例1と同じ方法
で反応を行った。この結果を実施例1と共に第1表に示
す。
実施例2〜3 グリコロニトリルの濃度、炭酸アンモニウムの量、反
応温度を第1表のように変え、他は実施例1と同様の方
法で反応を行った。結果を第1表に示す。
比較例2〜3 グリコロニトリルの濃度、炭酸アンモニウムの量、反
応温度を第1表のように変え、オートクレーブへヒダン
トイン酸および2,5−ジケトピペラジンを供給しないこ
と以外は実施例2〜3と同じ方法で反応を行った。この
結果を第1表に示す。
〔発明の効果〕 本発明の方法、すなわち、ヒダントイン酸および2,5
−ジケトピペラジンを供給して反応を行った結果、グリ
シンの選択率は6〜9%向上し、実施例1及び2ではグ
リシンの選択率として90%以上が得られた。このよう
に、本発明の方法はヒダントイン経由のグリシン製造を
工業的に有利な方法にまで向上させることができる。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】グリコロニトリル、炭酸ガスおよびアンモ
    ニアを水の存在下、100〜200℃に加熱してグリシンを製
    造するにあたり、ヒダントイン酸および/または2,5−
    ジケトピペラジンを反応器へ供給することを特徴とする
    グリシンの製造方法。
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