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JP2723745B2 - 即席麺類の製造方法 - Google Patents
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JP2723745B2 - 即席麺類の製造方法 - Google Patents

即席麺類の製造方法

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JP2723745B2 JP4045553A JP4555392A JP2723745B2 JP 2723745 B2 JP2723745 B2 JP 2723745B2 JP 4045553 A JP4045553 A JP 4045553A JP 4555392 A JP4555392 A JP 4555392A JP 2723745 B2 JP2723745 B2 JP 2723745B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、復元・喫食の際に、極
めて生麺類の食感に近似した所謂『腰の強い』食感であ
り、しかも、優れた食味を呈し、所謂『湯のび』が少な
い、熱風乾燥麺、フライ麺、凍結乾燥麺などの即席麺類
を製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、フライ麺や熱風乾燥麺、凍結乾燥
麺などの即席麺類は、小麦粉、澱粉等の製麺原料を混練
し、圧延、切出しを行って製麺し、これを蒸煮後、裁断
し型詰して、フライ、熱風乾燥、凍結乾燥等の乾燥処理
を施し、乾燥麺塊を製造している。
【0003】ところで、昨今の消費者は、その食生活に
おいて、簡便化志向に加えて、本格派志向がその流れと
なっており、即席麺類についても、生麺類の食感に近似
した、所謂『腰の強い』食感を有し、かつ、優れた食味
を呈し、又『湯のび』が少ない即席麺類の開発が望まれ
ていた。
【0004】また、このような現状の中で、即席麺類の
麺質を改良する技術として、例えば、軽度に酸処理した
ワキシーコーンスターチを小麦粉などに添加する麺の製
造方法(特公昭49−46912 号) や、ポリグリセリン脂肪
酸エステルを配合する麺類の製造方法( 特開昭62−1152
45号) などがある。
【0005】しかしながら、前者は、麺の所謂『あ
し』、『こし』を強化するものであっても、湯のび防止
の点においては未だに不十分なものであり、また、後者
は、茹であがりを早くし、煮崩れを防止するもので、麺
本来の食感においては不十分なものであった。
【0006】一方、アルギン酸添加による即席麺類に関
しては、特公平1 −26665 号、特公平1 −49472 号があ
るが、前者は、低カロリー食品を製造しようとするもの
であって、即席麺類の麺質を改良するものではなく、ま
た、後者にあっては、復元後の即席麺の食感 (歯ごた
え) を良好にするものであるが、歯切れが良すぎてしま
い、麺本来の食感を有するものではなかった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来の即
席麺類の製造方法によっては、生麺類に見られるような
麺本来の腰・粘弾性に欠けており、また、湯のび防止の
効果が十分に得られず、未だ満足の得られる品質を備え
ていないのが現状であった。
【0008】さらに、即席中華麺類においては、フライ
麺においても、又熱風乾燥麺、凍結乾燥麺等のノンフラ
イ麺においても、その製造上、かんすい等のアルカリ剤
を使用することが必須であって、この場合、かんすいの
量が多くなれば、小麦粉とかんすいの反応で麺生地、蒸
し工程後の麺ならびに乾燥処理後の麺に、いわゆる『か
ん焼け』を生じてしまいその商品価値が低下することと
もなっていた。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記課題に鑑
みてなされたものであり、その目的とするところは、熱
湯を注加又は短時間の沸騰水中での煮沸のみで調理、喫
食でき、復元状態においてその食感も極めて生麺類の食
感に近似した所謂『腰と粘弾性』を有し、しかも、優れ
た食味を呈し、『湯のび』が少ない即席麺類を提供する
ことを目的とする。
【0010】また、本発明の別の目的として、従来の即
席中華麺におけるような所謂『かん焼け』を生じないよ
うにし、その外観上の商品価値が低下することのない即
席麺類の製造方法を提供することも目的とする。
【0011】かかる目的を達成するために、本発明者ら
が鋭意研究した結果、小麦粉、澱粉などの原料粉、かん
すい等のアルカリ剤を含む原材料に、アルギン酸及び/
又はアルギン酸塩を配合して、麺生地(麺線)のpHを中
性ないし弱アルカリ性に調整し、その後、酸液処理を行
って、麺線のpHを酸性域に調整し、これによって、麺線
中に酸による不溶性のアルギン酸の網状組織を形成し、
これを、フライ乾燥、熱風乾燥、凍結乾燥などの適宜の
乾燥処理を施すことによって、目的とする即席麺を製造
できると考えられ、本発明とした。これによると、熱湯
注加などによる復元の際にも、アルギン酸の網状組織の
作用によって、麺の湯のびが少なく、かつ腰のある食感
を付与できる。
【0012】すなわち、本発明では、「アルギン酸は、
ナトリウム、カリウム、およびアンモニウム等と化合し
ている状態では各々のアルギン酸塩となって水に溶解す
るが、これに酸を加えると、不溶性のアルギン酸となっ
て析出する」というアルギン酸の性質を利用したもの
で、アルギン酸及び/又はアルギン酸塩を原料に混合し
て、麺生地を所定のpH域に調整し、該麺生地を麺線状と
して、得られた麺線を酸液処理することにより、麺線の
pHを酸性域に調整し、これによって、麺線中に酸による
不溶性のアルギン酸の網状組織を形成し、麺の湯のびを
防止するとともに、麺にいわゆる腰を付与しようという
ものである。
【0013】以下、その詳細について説明する。
【0014】先ず、小麦粉、澱粉などの原料粉、かんす
い等のアルカリ剤、食塩等などの原材料に、アルギン酸
及び/又はアルギン酸塩を含有するように混練して、麺
生地を調製する。
【0015】ここで、麺生地用として使用する原料粉と
しては、めん類製造に際して通常使用される小麦粉、澱
粉等が単独で若しくはそれらの混合物としてその目的に
応じて適宜使用でき、例えば、澱粉としては、小麦澱
粉、米澱粉等の穀類澱粉、とうもろこし澱粉、いも類澱
粉、豆類澱粉等及びこれらの加工澱粉類を用いることが
でき、さらに、そば粉等の穀粉類も用いることができ
る。
【0016】また、本発明におけるアルカリ剤として
は、通常、中華めん類製造において麺質改良剤として使
用されている、かんすい、重合リン酸塩等の一般的に使
用可能な公知の食品用アルカリ剤であって、例えば、炭
酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭
酸アンモニウム、リン酸ナトリウム、リン酸カリウム、
ポリリン酸塩、縮合リン酸塩等の1種又は2種以上の混
合物などを用いることができる。
【0017】さらに、本発明におけるアルギン酸塩とし
ては、アルギン酸のアルカリ金属塩(例えば、アルギン
酸ナトリウム、アルギン酸カリウム等) 、マグネシウム
塩、アンモニウム塩などを用いることができ、これらア
ルギン酸塩及びアルギン酸は、適宜市販の製品を使用で
きる。その添加方法は、粉体のままでも、また、予め水
溶液として添加してもよく、適宜選択できる。但し、本
発明においては、カルシウム塩を含むアルカリ剤を用い
る際には注意を要する。麺生地調整時において、アルギ
ン酸又はアルギン酸のアルカリ金属塩の存在下、カルシ
ウム塩を含むアルカリ剤を添加混練すると、その工程で
アルギン酸カルシウムのゼリー状の固形物が形成され、
良好な麺生地を調製することができなくなるからであ
る。
【0018】アルギン酸及び/又はアルギン酸塩の添加
方法としては、小麦粉、澱粉などの原料粉に、直接アル
ギン酸及び/又はアルギン酸塩を粉体で混合し、これ
に、カンスイなどのアルカリ剤、必要に応じて、食塩、
色素、油脂などを水に添加して調製した『練り水』を添
加して混練する方法、又は、『練り水』にアルギン酸及
び/又はアルギン酸塩を添加して、これを小麦粉、澱粉
などの原料粉に添加して混練する方法の何れでも構わな
い。
【0019】また、アルギン酸及び/又はアルギン酸塩
の添加量は、麺生地における他の製麺原料との関係、例
えば、アルカリ剤の添加量とそれに基づく麺生地のpH、
また酸液処理の程度、製品の麺質 (腰の強さ等) を勘案
して適宜決定されるが、原料粉1kgに対して通常約1 g
(約0.1 %) 以上が好ましく、アルギン酸成分が約0.1
%よりも少ないと、製品の即席麺類において『腰』の軟
弱化を防止する効果が発揮されにくく、また、一方過剰
に添加すると麺質の腰が強くなりすぎ、食感が悪くなっ
てしまう。
【0020】一方、アルカリ剤の添加量は、アルカリ剤
の種類に応じ適宜加減されるが、麺生地のpHが中性乃至
弱アルカリ性、好ましくは約6.5 〜9.0 になるように添
加量を設定する。pHが約6.5 以下では、目的とする麺質
や食感が得られないので好ましくなく、また、pH9.0 以
上になると、後工程の酸液処理における、麺線pHの酸性
域への移行が不十分となり、目的とする麺質の発現が困
難となるので好ましくない。
【0021】この場合、麺生地の調製は、従来周知の装
置によって、常圧下又は減圧下で実施され、後者では、
例えば、減圧ミキサーなどを使用することができる。
【0022】このように調製した麺生地は、次に、常法
通り、圧延、切り出し、スチーム処理、裁断などの処理
を経た後、酸液処理が施され、酸液後の麺線のpHが酸性
域になるように調整される。
【0023】その際、圧延は常法通り、ロール圧延など
によって、又は減圧下でエクストルーダーなどによる押
出し麺帯の形成などにより、例えば、特願昭59−254855
号などに開示される麺帯製造装置なども使用可能であ
る。
【0024】また、このように、減圧下で麺生地又は麺
帯を製造することは、混練などに際して内部に包含され
た気体の脱気を促進し、緻密な生地や麺帯を得ることが
でき、滑らかさ、透明感、ほぐれなどにおいて、製品の
麺質をより一層改良することができる。
【0025】一方、酸液処理に使用する酸としては、酢
酸、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、醸造酢などの有機酸、
塩酸などの無機酸など、食品に使用可能な酸であれば使
用可能である。この場合、麺線の酸液処理としては、麺
線の酸液中への浸漬による他、酸液の麺線への塗布、噴
霧などにより実施できる。
【0026】また、麺線の酸液処理は、α化処理の後に
別途pH調製した酸液にて麺線を処理する方法、又は、α
化処理と同時に同一工程で麺線の酸液処理を行う方法の
いずれでも実施可能である。この場合、後者の方法とし
ては、例えば、煮沸用水に酸を添加し酸性溶液を用いて
の煮沸、蒸煮工程中での麺線への酸液の散布、噴霧など
が使用可能である。
【0027】さらに、かんすいを使用する即席中華麺類
等の場合は、かんすい添加量が比較的多くなった場合
に、原料の小麦粉とかんすいが反応して、麺生地、蒸し
麺、乾燥処理後の麺にいわゆる「かん焼け」を生じる
が、本発明においては、酸液処理を施すことにより、そ
の焼けが抑制される。
【0028】次に、酸液処理が施された麺線は、乾燥処
理工程を経て、即席麺製品となり、適宜、従来のような
他の調味料、具材とともに、袋入り包装又はポリスチレ
ンなどの容器に収納されて、包装即席麺又はカップ入り
即席麺の商品形態を採ることができる。
【0029】なお、乾燥方法としては、フライ、熱風乾
燥、凍結乾燥の他、マイクロウェーブ乾燥等の方法を用
いることができる。
【0030】
【実施例】A.熱風乾燥麺への適用:実施例1 アルカリ剤( かんすい) の添加量による麺質
への影響 原料粉として、0.9 kgの小麦粉 (蛋白10%、水分14.0
%、灰分0.38%) 、0.1kg の馬鈴薯澱粉を粉体混合して
調製した。0 〜8gの範囲で、かんすいの添加量を変更し
て、5gのアルギン酸、16 gの食塩を水330 mlに溶かし練
り水を調製し、前記粉体混練物にこの練り水を加えて、
常圧ミキサーにて15分間混練して麺生地を調製した。
【0031】この麺生地を、ロール圧延機にかけて、麺
帯厚1.07 mm の麺帯とし、これを#20 の切刃 (丸) を通
して、麺線とした。この麺線を常法により蒸煮処理を施
した後、約20cmの長さになるようにカットした。
【0032】この蒸し麺100 g を、9 l の0.5 %乳酸溶
液に2 分間浸漬後、液切りし、乾燥温度85℃にて30分
間、熱風乾燥処理をして熱風乾燥麺75g を得た。
【0033】この麺を、500 mlの沸騰した熱湯に入れ、
3 分間煮沸した後、粉末しょうゆスープを加え、器に入
れてその官能評価を行った。
【0034】その結果を、下記の表1 に示した。
【0035】
【表1】
【0036】上記表1 から明らかなように、麺生地のpH
が6.2 〜8.9 の範囲で、アルギン酸の添加効果が見ら
れ、特に、麺生地のpHが6.6 付近で極めて良好なアルギ
ン酸添加効果が見られ、しかも湯のびもなかった。しか
し、麺生地のpHが5.1 のかんすいを添加していないもの
では、麺は腰がなく、くちゃついたものとなりアルギン
酸の添加効果が見られず、麺生地のpHが9.2 の場合に
は、ほとんど麺に腰が付与されなかった。従って、麺生
地のpHが、約6.5 〜9.0 程度の範囲になるようにアルカ
リ剤(かんすい)を加えれば、アルギン酸の添加効果が
認められることが分かる。
【0037】実施例2 アルギン酸の添加量による麺質への影響 そこで、アルギン酸の添加量を変化させることにより、
麺質にどのような影響があるかを、以下のように調べ
た。
【0038】かんすいの添加量を2gにし、0 〜20g の範
囲でアルギン酸の添加量を変更して練り水を調製した以
外、実施例1 と同様にして、熱風乾燥麺を調製した。こ
の麺を、実施例1 と同様にして、官能評価を行った。
【0039】その結果を、下記の表2 に示した。
【0040】
【表2】
【0041】上記表2 から明らかなように、アルギン酸
添加量が1g(0.1%) 以上で麺に「腰」を付与する等の効
果が見られ、又、10g(1 %) 以上添加すると、麺生地の
pHが下がりすぎ、その効果が見られなかった。従っ
て、麺生地のpHを約6.5 〜9.0 程度にする範囲の、す
なわち、本実施例の場合、0.1 %〜1 %の範囲において
アルギン酸を添加するのが好ましい。
【0042】実施例3 酸液処理における酸液 (乳酸液)
のpH( 濃度) による麺質への影響 次に、乳酸の濃度(pH)によって、麺質にどのような影響
があるかを、以下のようにして調べた。
【0043】かんすいの添加量を2gにするとともに、ア
ルギン酸の添加量を5gとして練り水を調製し、酸液処理
の乳酸の濃度を0 〜20 g/l(0 〜2 %)に変更した以
外、実施例1 と同様にして、熱風乾燥麺を調製した。こ
の麺を、実施例1 と同様にして、官能評価を行った。
【0044】その結果を、下記の表3 に示した。
【0045】
【表3】
【0046】上記表3 の結果から明らかなように、酸液
浸漬後の麺線のpHが約6.0 以下の範囲となるように酸液
処理する事で、アルギン酸の添加効果が認められること
が分かる。また、乳酸濃度が 0 g/l、すなわち、水浸漬
の場合は、腰がなく、くちゃついたものとなった。
【0047】実施例4 麺生地のpHが麺質に及ぼす影響 上記実施例1 及び実施例3 の結果から、麺生地のpHをア
ルカリ剤の添加で約6.5 〜9.0 程度の範囲として、酸浸
漬後の麺線pHを約6 以下の範囲とすれば、アルギン酸の
添加効果が認められたので、この範囲内に麺生地及び麺
線のpHを調整すれば、アルギン酸とかんすいの添加量を
変更しても、アルギン酸の添加効果が認められるかどう
か、以下のようにして調べた。
【0048】 アルギン酸5 g 、かんすい2 g 、 アルギン酸10 g、かんすい4 g 、 アルギン酸10 g、かんすい2 g 、 に変更して練り水を調製した以外、実施例1 と同様にし
て、熱風乾燥麺を調製した。この麺を、実施例1 と同様
にして、官能評価を行った。
【0049】その結果を、下記の表4 に示した。
【0050】
【表4】
【0051】上記表4 の結果から明らかなように、アル
ギン酸とかんすいの添加量を変更しても、麺生地のpHを
かんすい添加によって約6.5 〜9.0 とし、酸浸漬後の麺
線pHを約6 以下の範囲としたとの場合には、アルギ
ン酸添加効果が現れ、腰の強い食感となった。しかし、
このpH範囲を外れるの場合には、アルギン酸添加効果
はなく、くちゃついた腰の弱い食感となった。従って、
この範囲内に麺生地及び麺線のpHがあれば、アルギン酸
とかんすいの添加量を変更しても、アルギン酸の添加効
果が認められることが分かる。
【0052】B.フライ麺への適用: 実施例5 アルカリ剤( かんすい) の添加量による麺質
への影響 0 〜8gの範囲でかんすいの添加量を変更して、5gのアル
ギン酸、16 gの食塩を水330 mlに溶かし練り水を調製し
た。原料粉として、1.0 kgの小麦粉 (蛋白10%、水分1
4.0%、灰分0.38%) に、この練り水を加えて、常圧ミ
キサーにて15分間混練して麺生地を調製した。
【0053】この麺生地を、ロール圧延機にかけて、麺
帯厚1.07 mm の麺帯とし、これを#20 の切刃 (丸) を通
して、麺線とした。この麺線を常法により蒸煮処理を施
した後、約20cmの長さになるようにカットした。
【0054】この蒸し麺115 g を、9 l の0.5 %乳酸溶
液に2 分間浸漬後、液切りし、フライリテーナに入れ、
フライ温度143 ℃にて2 分10秒間、フライ乾燥処理をし
てフライ麺94g を得た。
【0055】このフライ麺を、500 mlの沸騰した熱湯に
入れ、3 分間煮沸した後、粉末しょうゆスープを加え、
器に入れてその官能評価を行った。
【0056】その結果を、下記の表5 に示した。
【0057】
【表5】
【0058】上記表5 から明らかなように、麺生地のpH
が6.2 〜8.9 の範囲で、アルギン酸の添加効果が見ら
れ、特に、麺生地のpHが6.6 付近で極めて良好なアルギ
ン酸添加効果が見られ、しかも湯のびもなかった。しか
し、麺生地のpHが5.1 のかんすいを添加していないもの
では、麺は腰がなく、くちゃついたものとなりアルギン
酸の添加効果が見られず、麺生地のpHが9.2 の場合に
は、ほとんど麺に腰が付与されなかった。従って、麺生
地のpHが、約6.5 〜9.0 程度の範囲になるようにアルカ
リ剤(かんすい)を加えれば、フライ乾燥即席麺におい
ても、アルギン酸の添加効果が認められることが分か
る。
【0059】実施例6 アルギン酸の添加量による麺質への影響 そこで、アルギン酸の添加量を変化させることにより、
麺質にどのような影響があるかを、以下のように調べ
た。
【0060】かんすいの添加量を2gにし、0 〜20g の範
囲でアルギン酸の添加量を変更して練り水を調製した以
外、実施例5 と同様にして、フライ麺を調製した。この
フライ麺を、実施例5 と同様にして、官能評価を行っ
た。
【0061】その結果を、下記の表6 に示した。
【0062】
【表6】
【0063】上記表6 から明らかなように、アルギン酸
添加量が1g(0.1%)以上で麺に「腰」を付与する等の効
果が見られ、又、10g(1 %)以上添加すると麺生地のp
Hが下がりすぎ、その効果が見られなかった。従って、
麺生地のpHを約6.5 〜9.0程度にする範囲の、すなわ
ち、本実施例の場合0.1 %〜1 %の範囲においてアルギ
ン酸を添加するのが好ましい。
【0064】実施例7 酸液処理における酸液 (乳酸液)
のpH( 濃度) による麺質への影響 次に、乳酸の濃度(pH)によって、麺質にどのような影響
があるかを、以下のようにして調べた。
【0065】かんすいの添加量を2gにするとともに、ア
ルギン酸の添加量を5gとして練り水を調製し、酸液浸漬
の乳酸の濃度を0 〜20 g/lの範囲で変更した以外、実施
例5と同様にして、フライ麺を調製した。このフライ麺
を、実施例5 と同様にして、官能評価を行った。
【0066】その結果を、下記の表7 に示した。
【0067】
【表7】
【0068】上記表7の結果から明らかなように、フラ
イ麺においても、酸液浸漬後の麺線のpHが約6.0 以下の
範囲となるように酸液処理する事で、アルギン酸の添加
効果が認められることが分かる。また、乳酸濃度が 0 g
/l、すなわち、水浸漬の場合は、腰がなく、くちゃつい
たものとなった。
【0069】実施例8 麺生地のpHが麺質に及ぼす影響 上記実施例5及び実施例7 の結果から、麺生地のpHをア
ルカリ剤の添加で約6.5 〜9.0 程度として酸浸漬後の麺
線pHを約6 以下の範囲内とすれば、アルギン酸の添加効
果が認められたので、この範囲内に麺生地のpHがあれ
ば、アルギン酸とかんすいの添加量を変更しても、アル
ギン酸の添加効果が認められるかどうか、以下のように
して調べた。
【0070】 アルギン酸5 g 、かんすい2 g 、 アルギン酸10 g、かんすい4 g 、 アルギン酸10 g、かんすい2 g 、 に変更して練り水を調製した以外、実施例5と同様にし
て、フライ乾燥即席麺を調製した。このフライ乾燥即席
麺を、実施例5と同様にして、官能評価を行った。
【0071】その結果を、下記の表8に示した。
【0072】
【表8】
【0073】上記表8の結果から明らかなように、アル
ギン酸とかんすいの添加量を変更しても、麺生地のpHを
かんすいの添加によって約6.5 〜9.0 の範囲内とし、酸
浸漬後の麺線pHを約6 以下の範囲としてとの場合に
は、アルギン酸添加効果が現れ、腰の強い食感となっ
た。しかし、このpH範囲を外れるの場合には、アルギ
ン酸添加効果はなく、腰がなくくちゃついた食感となっ
た。従って、フライ乾燥即席麺においても、この範囲内
に麺生地及び麺線のpHがあれば、アルギン酸とかんすい
の添加量を変更しても、アルギン酸の添加効果が認めら
れることが分かる。
【0074】C.アルギン酸の代替えとしてのアルギン酸塩の適用 以上の実施例1〜8の結果、熱風乾燥即席麺及びフライ
乾燥即席麺に関して、アルギン酸の添加による麺質の改
良効果が得られたので、アルギン酸の代わりに、アルギ
ン酸塩を用いた場合にも同様な効果が得られるかどうか
を下記の通りに調べた。
【0075】実施例9 アルギン酸ナトリウム添加麺に
おけるアルカリ剤の添加量が麺質に及ぼす影響 アルギン酸の代わりに、アルギン酸ナトリウム5.5 g を
用いて、0 〜8gにかんすいの添加量を変化させた以外、
実施例1 と同様にして熱風乾燥麺を、実施例5と同様に
してフライ麺を調製し、それぞれ実施例1 及び実施例5
に基づいて官能試験を行った。なお、この場合、アルギ
ン酸ナトリウムは、分子量を換算してアルギン酸に対し
て1.1 倍にしている。
【0076】その結果を下記の表9 に示した。
【0077】
【表9】
【0078】表9 の結果から、アルギン酸の代わりに、
アルギン酸ナトリウムを用いた場合にも、麺生地のpHを
約6.5 〜9.0 程度とするようにかんすい(アルカリ剤)
を加えれば、アルギン酸ナトリウムの添加効果が認めら
れた。
【0079】実施例10 アルギン酸ナトリウムの添加量
が麺質に及ぼす影響 そこで、アルギン酸塩の添加量を変化させることによ
り、麺質にどのような影響があるかを、以下のように調
べた。
【0080】かんすいの添加量を2gにし、アルギン酸ナ
トリウムの添加量を1 〜10g に変更して練り水を調製し
た以外、実施例1 及び実施例5 と同様にして、それぞれ
熱風乾燥即席麺及びフライ乾燥処理即席麺を調製した。
この熱風乾燥即席麺及びフライ乾燥処理即席麺を、それ
ぞれ実施例1 及び実施例5 と同様にして、官能評価を行
った。
【0081】その結果を、下記の表10に示した。
【0082】
【表10】
【0083】上記表10の結果から明らかなように、熱風
乾燥麺及びフライ麺とも、アルギン酸の代わりに、アル
ギン酸ナトリウムを用いた場合にも、アルギン酸量とし
て1g〜10g においてその効果が認められた。
【0084】実施例11 アルギン酸ナトリウム添加麺に
おける酸液浸漬の酸液 (乳酸液) のpH( 濃度) が麺質に
及ぼす影響 次に、アルギン酸の代わりに、アルギン酸ナトリウムを
用いた場合にも、乳酸の濃度(pH)によって、麺質にどの
ような影響があるかを、以下のようにして調べた。
【0085】かんすいの添加量を2gにするとともに、ア
ルギン酸ナトリウムの添加量を5.5gとして練り水を調製
し、酸液浸漬の乳酸の濃度を0 〜20 g/lに変更した以
外、実施例1 及び実施例5 と同様にして、それぞれ熱風
乾燥麺及びフライ麺を調製した。この熱風乾燥麺及びフ
ライ麺を、それぞれ実施例1 及び実施例5 と同様にし
て、官能評価を行った。
【0086】その結果を、下記の表11に示した。
【0087】
【表11】
【0088】上記表11の結果から明らかなように、アル
ギン酸の代わりに、アルギン酸ナトリウムを用いた場合
にも、酸液浸漬後の麺線のpHが約6.6 以下の範囲となる
ように酸液処理することで、その添加効果が認められる
ことが分かる。また、乳酸濃度が 0 g/l、すなわち、水
浸漬の場合は、腰がなく、くちゃついたものとなった。
【0089】実施例12 アルギン酸ナトリウム添加麺の
麺生地のpHが麺質に及ぼす影響 上記実施例9 及び実施例11の結果から、アルギン酸の代
わりに、アルギン酸ナトリウムを用いた場合にも、麺生
地のpHをかんすい添加によって約6.5 〜9.0 とし、酸浸
漬後の麺線pHを約6 以下とすれば、アルギン酸ナトリウ
ムの添加効果が認められたので、この範囲内に麺生地及
び麺線のpHがあれば、アルギン酸ナトリウムとかんすい
の添加量を変更しても、アルギン酸ナトリウムの添加効
果が認められるかどうか、以下のようにして調べた。
【0090】 アルギン酸ナトリウム1.1 g 、かんすい無添加、 アルギン酸ナトリウム5.5 g 、かんすい2 g 、 アルギン酸ナトリウム5.5 g 、かんすい8 g 、 アルギン酸ナトリウム11.0 g、かんすい4 g 、 アルギン酸ナトリウム11.0 g、かんすい2 g 、 に変更して練り水を調製した以外、実施例1 及び実施例
5 と同様にして、熱風乾燥麺及びフライ麺をそれぞれ調
製した。この熱風乾燥麺及びフライ麺をそれぞれを、実
施例1 と及び実施例5 同様にして、官能評価を行った。
【0091】その結果を、下記の表12に示した。
【0092】
【表12】
【0093】上記表12の結果から明らかなように、アル
ギン酸の代わりに、アルギン酸ナトリウムを用いた場合
にも、アルギン酸ナトリウムとかんすいの添加量を変更
しても、麺生地のpHをかんすいの添加によって約6.5 〜
9.0 とし、酸浸漬後の麺線pHを約6 以下の範囲とした
, ,の場合には、アルギン酸添加効果が現れ、腰
の強い食感となった。しかし、このpH範囲を外れるの
場合には、アルギン酸添加効果はなく、腰がない粘着性
の強い食感となった。従って、この範囲内に麺生地及び
麺線のpHがあれば、アルギン酸とかんすいの添加量を変
更しても、アルギン酸の添加効果が認められることが分
かる。
【0094】D.凍結乾燥麺への適用:実施例13 4g のかんすい、5gのアルギン酸、16 gの食塩を水330
mlに溶かし練り水を調製した。原料粉として、1.0 kgの
小麦粉 (蛋白10%、水分14.0%、灰分0.38%)に、この
練り水を加えて、常圧ミキサーにて15分間混練して麺生
地を調製した。
【0095】この麺生地を、ロール圧延機にかけて、麺
帯厚1.07 mm の麺帯とし、これを#22 の切刃 (丸) を通
して、約20cmの長さになるようにカットして、麺線100g
とした。この麺線を沸騰水中で2 分間茹で処理を施した
後、流水中で30秒間水洗した。
【0096】この茹で麺を、9 l の0.5 %乳酸溶液に2
分間浸漬、液切り後フライリテーナに入れ、凍結乾燥処
理をして凍結乾燥麺70g を得た。
【0097】一方、上記とは別に、酸液浸漬( 乳酸浸
漬) 処理をする代わりに、水浸漬をしたものを比較のた
めに調製した。
【0098】これらの凍結乾燥即席麺を、「粉末しょう
ゆスープ」を使用し、500 mlの沸騰した熱湯に入れ、3
分間煮沸した後、器に入れてその官能評価を行った。
【0099】その結果を、下記の表13に示した。
【0100】
【表13】
【0101】上記表13から明らかなように、水浸漬した
だけのものは、柔らかく全くアルギン酸添加効果が認め
られないのに対して、酸液浸漬したものでは、腰も強く
感じられ、アルギン酸添加効果が認められ、凍結乾燥麺
においても、アルギン酸の添加により麺質を改良するこ
とが可能であることが容易に理解できる。
【0102】E.うどんへの適用 実施例14 アルギン酸5 g 、かんすい2 g 、食塩16 gを水360 mlに
溶解して、練り水を調製した。小麦粉0.7 kg、澱粉0.3
kgの粉体混合物に、この練り水を加えて常圧ミキサーに
て15分間混練して麺生地を調製した。
【0103】この麺生地をロール圧延機にかけて、麺帯
厚1.08 mm の麺帯とし、これを#10の切刃 (角) を通し
て、麺線とした。この麺線を常法により蒸煮処理を施し
た後、約20 cm となるように、カットした。
【0104】この蒸し麺115 g を0.5 %乳酸溶液に2 分
間浸漬した後、液切りし、フライパッドに入れ、フライ
温度143 ℃で2 分10秒間フライ乾燥処理をしてフライ麺
を得た。
【0105】比較対照品として、水浸漬したものの他、
かんすいの代わりに、ポリリン酸Naとリン酸2Na を用い
たものを調製した。
【0106】これらのフライ麺を、500 mlの沸騰した熱
湯に入れ、3 分間煮沸した後、粉末しょうゆスープを加
え、器に入れてその官能評価を行った。その結果を、下
記表14に示した。
【0107】
【表14】
【0108】上記表14から、アルギン酸無添加のもの
は、弾力性がなく湯のびが早く、また、水浸漬のものの
アルギン酸添加効果は認められなかった。
【0109】麺生地pHをアルカリ剤(かんすい、ポリリ
ン酸Na、リン酸2Na等)によって約6.5 〜9.0 に調
整したもので、酸浸漬後の麺線pHが約6 以下の範囲内と
したものは、アルギン酸添加効果が認められ、麺に腰が
あり湯のびもなかった。また、麺の色調も白っぽくな
り、うどん本来の色調を呈するものとなった。
【0110】
【発明の効果】本発明方法を用いることによって、熱風
乾燥麺、フライ乾燥麺、凍結乾燥麺などの即席麺類であ
りながら、アルギン酸添加とpH調整により、従来の即席
麺には見られない『腰』の強い独特の『粘りと歯ごた
え』を保持しつつ、しかも、より一層向上させ、さらに
湯のびがしにくく、また、口当たり、食味等が飛躍的に
改善向上された即席麺類を製造することができるのであ
る。
【0111】すなわち、本発明においては、アルギン酸
及び/又はアルギン酸塩を配合して麺生地を調製してい
るので、これらを圧延後、麺線として酸液処理を施す
と、麺に不溶性のアルギン酸の網目組織が形成されると
考えられ、乾燥工程によって即席麺としても、麺の『粘
弾性』は維持され、従来の即席麺には見られない『粘り
( 粘着性) 』のある『歯ごたえ』と『腰』を有する食感
を実現させることができ、しかも、湯のびも防止でき
る。
【0112】また、本発明においては、従来の即席中華
麺類の場合にしばしば見られた所謂『かん焼け』を抑え
ることができ、その商品価値が低下することのない即席
麺類の製造方法を提供することができる。
【0113】
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 白波瀬 博己 大阪府大阪市淀川区西中島4丁目1番1 号 日清食品株式会社内 (72)発明者 赤松 伸行 大阪府大阪市淀川区西中島4丁目1番1 号 日清食品株式会社内 (72)発明者 田渕 満幸 大阪府大阪市淀川区西中島4丁目1番1 号 日清食品株式会社内 (72)発明者 横越 隆史 大阪府大阪市淀川区西中島4丁目1番1 号 日清食品株式会社内 (72)発明者 田中 充 大阪府大阪市淀川区西中島4丁目1番1 号 日清食品株式会社内 (72)発明者 平田 俊成 大阪府大阪市淀川区西中島4丁目1番1 号 日清食品株式会社内

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 即席麺類の製造方法であって、下記の工
    程、すなわち、 (1) 小麦粉もしくは小麦粉と澱粉を主成分とする原料
    粉、アルギン酸及び/又はアルギン酸塩、アルカリ剤、
    必要に応じて食塩等を加えて、水とを混練し、弱酸性か
    ら弱アルカリ性のpHを呈する麺生地を混練・調製する工
    程、 (2) 前記麺生地を麺線として、α化処理を施す工程、 (3) 前記α化処理を施した麺線を酸液処理して、麺線pH
    を酸性域に調整する工程、ならびに、 (4) 前記pH調整した麺線を乾燥する工程、 を含むことを特徴とする即席麺類の製造方法。
  2. 【請求項2】 即席麺類の製造方法であって、下記の工
    程、すなわち、 (1) 小麦粉もしくは小麦粉と澱粉を主成分とする原料
    粉、アルギン酸及び/又はアルギン酸塩、アルカリ剤、
    必要に応じて食塩等を加えて、水とを混練し、弱酸性か
    ら弱アルカリ性のpHを呈する麺生地を混練・調製する工
    程、 (2) 前記麺生地を麺線とする工程、 (3) 前記麺線をα化処理と同時に酸液処理して、麺線pH
    を酸性域に調整する工程、ならびに、 (4) 前記pH調整した麺線を乾燥する工程、 を含むことを特徴とする即席麺類の製造方法。
  3. 【請求項3】 アルカリ剤を前記麺生地のpHが6.5 〜9.
    0 になるように添加する請求項1又は2のいずれかに記
    載の即席麺類の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記麺線を酸液処理する工程において、
    酸液処理後の麺線のpHが6.6 以下である請求項1から3
    のいずれかに記載の即席麺類の製造方法。
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