JP2728566B2 - 植物苗の育成方法 - Google Patents
植物苗の育成方法Info
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Landscapes
- Breeding Of Plants And Reproduction By Means Of Culturing (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、植物苗の育成方法に関
する。さらに詳しくは、植物の茎頂、花弁などを組織培
養して得られるシュートには、頻繁に植物体の葉や茎の
組織が水浸状になる現象(これを一般に「水浸状シュー
ト」と呼んでいる。)が見られ、それが健苗を大量に増
殖する上で大きな▲隘▼路になっている。本発明は、こ
の水浸状シュートを回復させる植物苗の育成方法に関す
る。
する。さらに詳しくは、植物の茎頂、花弁などを組織培
養して得られるシュートには、頻繁に植物体の葉や茎の
組織が水浸状になる現象(これを一般に「水浸状シュー
ト」と呼んでいる。)が見られ、それが健苗を大量に増
殖する上で大きな▲隘▼路になっている。本発明は、こ
の水浸状シュートを回復させる植物苗の育成方法に関す
る。
【0002】
【従来技術】従来、組織培養における水浸状シュートの
発生を抑制する方法として、組織培養の培地の支持体で
ある寒天もしくはジェランガム濃度の増大(例えば、
「Physiol Plant」、Vol.53、18
1〜187頁,1981年発行参照)、培養容器の通気
の向上(例えば、「育種学雑誌」、Vol.39、別冊
2、72〜73頁,1989年発行参照)、炭素源の砂
糖から果糖への変更(例えば、「Handbook o
f Plant Cell Culture」、Vo
l.4、574〜611頁、1986年発行参照)など
が有効であることが報告されている。しかしながら、こ
れらの方法によってもある種の植物(例えば、カーネー
ション)においては、水浸状シュートの発生を完全には
抑制できないし、また、いったん発生した水浸状シュー
トを回復させることは非常に困難である。
発生を抑制する方法として、組織培養の培地の支持体で
ある寒天もしくはジェランガム濃度の増大(例えば、
「Physiol Plant」、Vol.53、18
1〜187頁,1981年発行参照)、培養容器の通気
の向上(例えば、「育種学雑誌」、Vol.39、別冊
2、72〜73頁,1989年発行参照)、炭素源の砂
糖から果糖への変更(例えば、「Handbook o
f Plant Cell Culture」、Vo
l.4、574〜611頁、1986年発行参照)など
が有効であることが報告されている。しかしながら、こ
れらの方法によってもある種の植物(例えば、カーネー
ション)においては、水浸状シュートの発生を完全には
抑制できないし、また、いったん発生した水浸状シュー
トを回復させることは非常に困難である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、植物の
組織培養において水浸状シュートが極めて高率で発生
し、これらの水浸状シュートの順化を試みたがことごと
く失敗し、枯死するに至る課題を解決せんとして鋭意検
討した結果、驚くべきことに、水浸状シュートをペプト
ン添加培地に移植することによって、そのほとんどが回
復できることを見出した。加えて、水浸状を回復したシ
ュートは、順化率も飛躍的に向上し、植物の健苗が得ら
れることを知った。本発明者らは、かかる知見に基づい
てさらに検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った
ものである。
組織培養において水浸状シュートが極めて高率で発生
し、これらの水浸状シュートの順化を試みたがことごと
く失敗し、枯死するに至る課題を解決せんとして鋭意検
討した結果、驚くべきことに、水浸状シュートをペプト
ン添加培地に移植することによって、そのほとんどが回
復できることを見出した。加えて、水浸状を回復したシ
ュートは、順化率も飛躍的に向上し、植物の健苗が得ら
れることを知った。本発明者らは、かかる知見に基づい
てさらに検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った
ものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、組織培養によ
って生じた植物の水浸状シュートをペプトン添加培地に
移植することを特徴とする植物苗の育成方法を要旨とす
るものである。また、本発明は、ペプトン添加培地の組
成がペプトン、ハイポネックス、シュクロース、寒天で
あることを特徴とする植物苗の育成方法を要旨とするも
のである。さらに、本発明は、ペプトン添加培地におけ
るペプトン添加量が1〜10g/lであることを特徴と
する植物苗の育成方法を要旨とするものである。
って生じた植物の水浸状シュートをペプトン添加培地に
移植することを特徴とする植物苗の育成方法を要旨とす
るものである。また、本発明は、ペプトン添加培地の組
成がペプトン、ハイポネックス、シュクロース、寒天で
あることを特徴とする植物苗の育成方法を要旨とするも
のである。さらに、本発明は、ペプトン添加培地におけ
るペプトン添加量が1〜10g/lであることを特徴と
する植物苗の育成方法を要旨とするものである。
【0005】植物の生長点、花弁などを切りとって、組
織培養用培地に置床し、カルスを経過してあるいは経過
せずにシュートが育成される。このようにして育成され
たシュートが水浸状シュートとなる場合がしばしば発生
する。水浸状シュートをペプトン添加培地に移植するこ
とによって、正常なシュートに高率で回復される。本発
明方法に用いられるペプトン添加培地は、一般に知られ
る各種組織培養用培地にペプトン添加量が1〜10g/
lとなるように調整したものである。
織培養用培地に置床し、カルスを経過してあるいは経過
せずにシュートが育成される。このようにして育成され
たシュートが水浸状シュートとなる場合がしばしば発生
する。水浸状シュートをペプトン添加培地に移植するこ
とによって、正常なシュートに高率で回復される。本発
明方法に用いられるペプトン添加培地は、一般に知られ
る各種組織培養用培地にペプトン添加量が1〜10g/
lとなるように調整したものである。
【0006】
【実施例】以下、本発明方法を実施例に基づいてさらに
詳しく説明するが、本発明方法はこれに限られるもので
はない。 実施例1、カーネーションの茎頂培養の実施例 1)茎頂培養による水浸状シュートの発生 温室で栽培した成育の良い母株(品種は、Silver
y Pink、Albisole、Odeonの3品
種)より、茎の先端を含む穂を採取し、長さ5〜10c
m程に揃えた。次に、クリーンベンチ内の実体顕微鏡下
(倍率10〜40倍)で、メスによって幼葉あるいは幼
原基を、外側から順次取り除いて茎頂部生長点を露出さ
せた。生長点が露出したら、幼原基を2〜4枚含み、高
さにして0.3〜0.5mm程度の茎頂組織を分離し、
H1培地(培地組成は、下記の通り。)に置床した。
詳しく説明するが、本発明方法はこれに限られるもので
はない。 実施例1、カーネーションの茎頂培養の実施例 1)茎頂培養による水浸状シュートの発生 温室で栽培した成育の良い母株(品種は、Silver
y Pink、Albisole、Odeonの3品
種)より、茎の先端を含む穂を採取し、長さ5〜10c
m程に揃えた。次に、クリーンベンチ内の実体顕微鏡下
(倍率10〜40倍)で、メスによって幼葉あるいは幼
原基を、外側から順次取り除いて茎頂部生長点を露出さ
せた。生長点が露出したら、幼原基を2〜4枚含み、高
さにして0.3〜0.5mm程度の茎頂組織を分離し、
H1培地(培地組成は、下記の通り。)に置床した。
【0007】 注)Hyponexは、米国The Hyponex
CO.,INC.製。茎頂組織を置床後、温度25℃、
照度約2,000lux.で1日当たり12時間照明し
て培養した。2〜3か月後に、高さ約2cmのシュート
を得た。得られたシュートにおける水浸状シュートの発
生割合は、品種により26.9〜84.6%の間でバラ
ツキが見られた。
CO.,INC.製。茎頂組織を置床後、温度25℃、
照度約2,000lux.で1日当たり12時間照明し
て培養した。2〜3か月後に、高さ約2cmのシュート
を得た。得られたシュートにおける水浸状シュートの発
生割合は、品種により26.9〜84.6%の間でバラ
ツキが見られた。
【0008】2)水浸状シュートの回復1)で得られた
水浸状シュートを基部よりカットし、長さ1.5〜2.
0cmとし、それを管ビン内のペプトン添加培地(培地
組成は、下記の通り。)に移植した。 注)使用したペプトン(Peptone)は、米国DI
FCO LABORATORIES社製の商品名「BA
CTO−PEPTONE」である。ペプトン添加培地に
移植してから30日後の水浸状シュートの回復状況を調
査した結果を
水浸状シュートを基部よりカットし、長さ1.5〜2.
0cmとし、それを管ビン内のペプトン添加培地(培地
組成は、下記の通り。)に移植した。 注)使用したペプトン(Peptone)は、米国DI
FCO LABORATORIES社製の商品名「BA
CTO−PEPTONE」である。ペプトン添加培地に
移植してから30日後の水浸状シュートの回復状況を調
査した結果を
【表1】に示す。
【表1】から明らかな通り、ペプトン添加培地に移植す
ることにより、水浸状シュートの8割以上が回復した。
ることにより、水浸状シュートの8割以上が回復した。
【0009】実施例2、カーネーションの花弁培養の実
施例 1)花弁培養による水浸状シュートの発生 温室で栽培した成育の良い母株(品種は、Scani
a)より、開花前の蕾を採取した。次に、蕾を次亜塩素
酸ナトリウム溶液(有効塩素1%)に5分間浸した後、
滅菌水で洗浄して表面殺菌した。クリーンベンチ内でが
くを剥ぎとり、花弁を一枚一枚はがして管ビン内のMu
rasige & Skoog培地(以下、単に「MS
培地」と略称する。培地組成は、下記の通り。)に置床
した。 花弁を置床後、温度25℃、照度約2,000lux.
で1日当たり12時間照明して培養した。3か月後に、
高さ約2cmのシュートを得た。得られたシュートはす
べて水浸状シュートであった。
施例 1)花弁培養による水浸状シュートの発生 温室で栽培した成育の良い母株(品種は、Scani
a)より、開花前の蕾を採取した。次に、蕾を次亜塩素
酸ナトリウム溶液(有効塩素1%)に5分間浸した後、
滅菌水で洗浄して表面殺菌した。クリーンベンチ内でが
くを剥ぎとり、花弁を一枚一枚はがして管ビン内のMu
rasige & Skoog培地(以下、単に「MS
培地」と略称する。培地組成は、下記の通り。)に置床
した。 花弁を置床後、温度25℃、照度約2,000lux.
で1日当たり12時間照明して培養した。3か月後に、
高さ約2cmのシュートを得た。得られたシュートはす
べて水浸状シュートであった。
【0010】2)水浸状シュートの回復 1)で得られた水浸状シュートを基部よりカットし、長
さ1.5〜2.0cmとし、それを管ビン内のペプトン
添加培地(ペプトン以外の培地組成は、前記第2表の通
り。)に移植した。ペプトン添加培地のペプトン添加量
は、無添加区1g/l添加区、2g/l添加区、3g/
l添加区、5g/l添加区にそれぞれ調整した。ペプト
ン添加培地の各区に25本づつに移植し、2か月後の水
浸状シュートの回復状況を調査した結果を
さ1.5〜2.0cmとし、それを管ビン内のペプトン
添加培地(ペプトン以外の培地組成は、前記第2表の通
り。)に移植した。ペプトン添加培地のペプトン添加量
は、無添加区1g/l添加区、2g/l添加区、3g/
l添加区、5g/l添加区にそれぞれ調整した。ペプト
ン添加培地の各区に25本づつに移植し、2か月後の水
浸状シュートの回復状況を調査した結果を
【表2】に示す。
【表2】から明らかな通り、ペプトン添加培地に移植す
ることにより、水浸状シュートの回復が見られた。ペプ
トン添加量は、3g/l添加区で最高の回復率を示した
が、ペプトン添加量をさらに増加すると成育程度がやや
低下する傾向がみられた。
ることにより、水浸状シュートの回復が見られた。ペプ
トン添加量は、3g/l添加区で最高の回復率を示した
が、ペプトン添加量をさらに増加すると成育程度がやや
低下する傾向がみられた。
【0011】実施例1及び2によって得られた回復した
シュートを基部よりカットし、長さ1.5〜2.0cm
とし、それを管ビン内の発根培地(培地組成は、下記の
通り。)に移植した。 発根培地に移植後、4週間経過した発根幼植物を管ビン
より取り出し寒天を洗い落とした。この幼植物を、あら
かじめ準備したパーライトを入れたポットに植え付け、
25〜35℃の温室内で、高湿度、遮光下で順化を行っ
た。この結果、順化成功率は、90%以上となった。こ
れに対し、水浸状シュートを回復させないで発根培地に
移植し、得られた発根幼植物を同様にして準備したパー
ライトを入れたポットに植え付けた場合は、すべて順化
できなかった。
シュートを基部よりカットし、長さ1.5〜2.0cm
とし、それを管ビン内の発根培地(培地組成は、下記の
通り。)に移植した。 発根培地に移植後、4週間経過した発根幼植物を管ビン
より取り出し寒天を洗い落とした。この幼植物を、あら
かじめ準備したパーライトを入れたポットに植え付け、
25〜35℃の温室内で、高湿度、遮光下で順化を行っ
た。この結果、順化成功率は、90%以上となった。こ
れに対し、水浸状シュートを回復させないで発根培地に
移植し、得られた発根幼植物を同様にして準備したパー
ライトを入れたポットに植え付けた場合は、すべて順化
できなかった。
【0012】
【発明の効果】以上述べたように、植物を組織培養した
ときに発生する水浸状シュートは、ペプトン添加培地に
移植することによって、正常なシュートに回復すること
ができる。このようにして回復したシュートは、その後
の順化の成功率も高く、植物の健苗を大量に増殖するた
めに極めて有効である。
ときに発生する水浸状シュートは、ペプトン添加培地に
移植することによって、正常なシュートに回復すること
ができる。このようにして回復したシュートは、その後
の順化の成功率も高く、植物の健苗を大量に増殖するた
めに極めて有効である。
【表1】
【表2】
Claims (3)
- 【請求項1】 組織培養によって生じた植物の水浸状シ
ュートをペプトン添加培地に移植することを特徴とする
植物苗の育成方法。 - 【請求項2】 請求項1のペプトン添加培地の組成がペ
プトン、ハイポネックス、シュクロース、寒天であるこ
とを特徴とする植物苗の育成方法。 - 【請求項3】 請求項1又は2のペプトン添加培地にお
けるペプトン添加量が1〜10g/lであることを特徴
とする植物苗の育成方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP41795790A JP2728566B2 (ja) | 1990-12-20 | 1990-12-20 | 植物苗の育成方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP41795790A JP2728566B2 (ja) | 1990-12-20 | 1990-12-20 | 植物苗の育成方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH04222528A JPH04222528A (ja) | 1992-08-12 |
| JP2728566B2 true JP2728566B2 (ja) | 1998-03-18 |
Family
ID=18525948
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP41795790A Expired - Lifetime JP2728566B2 (ja) | 1990-12-20 | 1990-12-20 | 植物苗の育成方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2728566B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR102408810B1 (ko) * | 2020-01-02 | 2022-06-15 | 대한민국 | 생산성이 현저히 증진된 일본잎갈나무 조직배양 묘목의 생산방법 |
-
1990
- 1990-12-20 JP JP41795790A patent/JP2728566B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH04222528A (ja) | 1992-08-12 |
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