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JP2739799B2 - 重袋原紙用未晒クラフト紙およびその製造方法 - Google Patents
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JP2739799B2 - 重袋原紙用未晒クラフト紙およびその製造方法 - Google Patents

重袋原紙用未晒クラフト紙およびその製造方法

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JP2739799B2 JP4120294A JP12029492A JP2739799B2 JP 2739799 B2 JP2739799 B2 JP 2739799B2 JP 4120294 A JP4120294 A JP 4120294A JP 12029492 A JP12029492 A JP 12029492A JP 2739799 B2 JP2739799 B2 JP 2739799B2
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【発明の詳細な説明】
【0001】本発明は、製袋工場等で重袋に加工されて
使用される重袋原紙用未晒クラフト紙およびそれを製造
する方法に関し、さらに詳しく述べるならば、印刷及び
製袋加工後に内容物を充填された袋を積載する際、ある
いは搬送する際に発生する所謂重袋滑りトラブルを生じ
難い重袋原紙用未晒クラフト紙およびそれを製造する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】製粉業、製糖業、化学品製造業などの粉
体製品を製造する産業においては、未晒クラフト紙から
製造された重袋内に粉体製品を充填し、これを何層にも
積み重ねて貯蔵したり、あるいはパレットの上に積み重
ねて積載してフォークリフトで搬送しトラックに積み込
んで出荷している。このように粉体製品を充填した重袋
を積み重ねた場合に、袋の表面が滑りやすいと積み重ね
た袋が滑り落ち搬送作業の大幅な能率低下となる。ま
た、落下の衝撃により破袋が起これば、重袋に充填され
た粉体製品が飛散し回収できずに大きな損失となる。滑
り落下はフォークリフトあるいはトラックがカーブまた
は急停止する時に起こりやすく、落下場所に人がいれば
人身事故となる場合も考えられる。こうした重袋の滑り
問題は、生産性の低下だけでなく大きな事故につながる
非常に大きな問題であり、重袋のユーザーのみならず製
袋メーカーや製紙メーカーにとっても品質上の死活問題
である。従って、製袋作業性及び製袋後の品質を維持し
た滑らない重袋原紙が強く要望されている。
【0003】しかしながら、重袋原紙として使用される
未晒クラフト紙は、印刷、製袋、搬送工程で物理的な表
面摩擦や化学的成分付着により滑りやすくなる機会が非
常に多い。例えば、未晒クラフト紙の巻取から重袋を製
造する製袋工場においては、原紙はその表面に商品名等
を印刷された後、製袋機に送られて折込、糊付け、切
断、底紙貼付け、ミシン掛け等の加工工程を経て重袋と
されるが、印刷や加工工程では巻取りから繰り出された
原紙の走行方向を変えるために多くのロールが配置さ
れ、その結果、原紙の表面が摩擦されて滑りやすくな
る。また、通常の印刷インキには乾燥後の印刷面を滑ら
かにして印刷面を保護する目的でポリエチレン等が配合
されているため、さらに油性インキの場合はビヒクルが
紙に浸透するため、原紙表面は滑りやすい状態となる。
重袋の搬送工程においても、ローラーコンベア等の搬出
コンベアやパレタイザーの普及により搬送作業が自動化
された結果、連続的な重袋の流れとなり、袋の表面が擦
られる機会が増大している。
【0004】重袋に使用される原紙の表面を滑りにくく
するために、従来から製紙業界では原紙製造段階の乾燥
工程中にサイズプレスや噴霧ノズルなどを用い原紙表面
に市販防滑剤を塗布あるいは噴霧する方法が種々試みら
れている。市販防滑剤としては、コロイダルシリカ系無
機物やスチレン・アクリル系重合体の糊等が主に使用さ
れている。また製袋業界においても、主に多色印刷機で
インキ1色分を防滑剤塗布用に使用している例が多い。
さらに、製袋後の袋表面に防滑剤を塗布することも行わ
れている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、原紙製
造段階の乾燥工程で原紙表面に防滑剤を塗布または噴霧
する方法は、ドライヤー部での汚れが著しく、製紙用カ
ンバスやドライヤーシリンダーに付着蓄積して熱により
変質した汚れが原紙に転移すると、原紙の商品価値がな
くなってしまうという欠点がある。また、抄紙機は非常
に多くの品種の紙を抄造するため、重袋原紙抄造時に発
生した防滑剤汚れが、テープ用原紙や食品用途の紙のよ
うに品質が厳しい品種に混入すると、製紙メーカーとし
ては信用失墜となる。さらに、原紙の片面に防滑剤を塗
布した製品においては、製袋メーカーで防滑剤塗布面を
袋の内側にして製造するとまったく無意味となってしま
うという問題もある。
【0006】また、原紙に印刷するに際して印刷機で防
滑剤を塗布する方法は、インキ転写前後の極めて短い時
間に防滑剤の塗布が行われるため、最も滑りやすい印刷
面への塗布ができず、絵柄印刷部の外側や袋の裏側にし
か塗布する事ができない。さらに、製袋後の袋表面に防
滑剤を塗布する方法は、袋1枚毎の作業となるため効率
が悪い。
【0007】従って本発明の目的は、原紙の抄造段階あ
るいは製袋段階において原紙表面に防滑剤を塗布しなく
ても、粉体製品を充填した後に積み重ねても滑りにくい
重袋を製造することができる重袋原紙用未晒クラフト紙
およびその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上述した
従来技術の問題をコロイド化学的観点から検討し鋭意研
究した結果、特定の粒子径分布を有する製紙用水和珪酸
塩の特定量を填料として未晒クラフト紙の製紙原料中に
内添して抄造した未晒クラフト紙から製造した重袋は、
これに粉体製品を充填して積み重ねたときに滑りにくく
なることを見出し、本発明を完成するに至ったものであ
る。
【0009】すなわち本発明の重袋原紙用未晒クラフト
紙は、粒子径1〜30μmの範囲の粒子割合が少なくと
も80重量%以上、粒子径70μm以上の粒子割合が
0.4重量%以下であり、かつ平均粒子径が5〜10μ
mの範囲にある製紙用水和珪酸塩からなる填料を、絶乾
パルプ当り0.2〜3重量%内添したことを特徴とする
ものである。 さらにまた本発明の重袋原紙用未晒クラフ
ト紙の製造方法は、粒子径1〜30μmの範囲の粒子割
合が少なくとも80重量%以上、粒子径70μm以上の
粒子割合が0.4重量%以下であり、かつ平均粒子径が
5〜10μmの範囲にある製紙用水和珪酸塩からなる填
料を、未晒クラフト紙の製紙原料中に絶乾パルプ当り
0.2〜3重量%内添して抄造することを特徴とするも
のである。
【0010】かくして得られた未晒クラフト紙は、原紙
段階においては主として内添填料の物理的磨耗抵抗力に
よって、JISP8147による滑り傾斜角が30度以
上となり、また印刷・製袋後においても、印刷インキや
加工工程から転移付着する油成分汚れを内添填料が吸収
保持しセルロース表面への付着を防止する結果、滑り傾
斜角を25度以上に保持することが可能となる。
【0011】印刷及び製袋加工後の滑り傾斜角について
は、印刷面積、インキの種類、加工機の種類、加工機保
守状態など様々な影響を受けるが、滑り傾斜角が20度
以下となると滑りトラブルが発生することが経験的に判
明しており、滑り傾斜角を25度以上に保つことができ
れば滑りトラブルは発生しない。
【0012】本発明において原紙の滑り傾斜角が向上す
るメカニズムについては、界面化学的な考察が必要とな
るが、原紙表面の分子間凝集力低下を防止することによ
るせん断抵抗力の向上と填料自体の摩擦抵抗力の向上に
よるものと考えられる。即ち、填料粒子の表面積及び表
面の親油性によって、原紙表面間で働く分子レベルでの
吸引力が分子膜程度の汚れで低滅することを防止する効
果と、原紙表面同志が接触した時に出来る微小のめり込
み部によって填料自体の摩擦抵抗力が高くなる効果とに
より、滑り現象への抵抗力が付与されると考えられる。
【0013】一般に紙の滑り傾斜角は、用いるパルプの
種類、填料、添加薬品、紙の表面性により変化するが、
本発明の場合、添加する填料の種類の影響が最も大き
く、他の要因はそれに比較して小さい。すなわち本発明
においては、粒子径1〜30μmの範囲の粒子割合が少
なくとも80重量%以上、粒子径70μm以上の粒子割
合が0.4重量%以下、好ましくは0.05重量%以下
であり、かつ平均粒子径が5〜10μmの範囲にある製
紙用水和珪酸塩からなる填料を使用する。粒子径1〜3
0μmの範囲の粒子割合が80重量%より少く、粒子径
70μm以上の粒子割合が0.4重量%より多いと、滑
り防止に関与する粒子数が著しく低減するため、内添量
を大幅に増加する必要があり経済的でない。
【0014】かような粒子径分布を有する製紙用水和珪
酸塩は、珪酸ソーダと鉱酸および塩類を水溶液中で反応
させることによって製造することができる。この製造方
法は、例えば特公平1−60183号公報に記載されて
いる。
【0015】また上記填料の添加率は、未晒クラフト紙
の製紙原料中に絶乾パルプ当り0.2〜3重量%内添す
る。添加率が3重量%を超えると、紙の滑り傾斜角の上
昇に顕著な効果がなくなり、コスト増大を招くうえ、得
られる重袋原紙の強度が低下する。また、添加率が0.
2重量%未満では、所望の滑り傾斜角向上効果が得られ
ない。
【0016】上記填料の製紙原料中への添加場所は特に
限定されることはなく、通常の叩解後の未晒パルプ原
料、酸素晒パルプ、古紙原料あるいは白水へ他の内添薬
品を添加するのと同様に添加することができる。紙への
歩留まりを考慮して、製紙原料中に硫酸バンドなどのカ
チオン歩留まり助剤を添加してパルプ表面電荷を中和し
た後に、製紙用水和珪酸塩からなる填料を添加すること
が好ましい。
【0017】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて本発明をよ
り具体的に説明するが、本発明はもちろんこれらに限定
されるものではない。尚、実施例及び比較例において%
及び部とあるのは全て重量%及び重量部を示す。実施例
及び比較例における“滑り傾斜角度”は、JISP81
47に規定される傾斜方法により、同一試料で10回連
続して測定し10回後の値を滑り傾斜角とした。また水
和珪酸塩の粒子径分布は、小孔通過法(通称コールター
カウンター法)により測定した。
【0018】実施例1 針葉樹材としてダグラスファー50部、国内松35部、
国内杉檜15部を混合して、カッパー価40の未晒クラ
フトパルプを製造し、レファイナーでフリーネスを58
0c.s.f.(カナダ標準フリーネス)に調整後、合
成サイズ剤0.2%、硫酸バンド1.0%、アクリルア
ミド0.2%を添加し、さらに製紙用水和珪酸塩(粒子
径1〜30μmの粒子割合が95%、粒子径70μm以
上の粒子割合が0.1%、平均粒子径が10μm、特公
平1−60183号公報に記載の方法により製造したも
の)を填料として絶乾パルプ当り2%の割合で添加し、
紙料とした。次いで、この紙料を用いてベルフォームフ
ォーマーIII 型抄紙機(三菱重工業社製)を用いて抄速
600m/分で抄造し、クルパック装置により紙表面に
クレープを付与し、坪量84g/m2 の重袋原紙用未晒
クラフト紙を製造し、1,010mm幅×6,000m
長の巻取り4本を作成した。この原紙の滑り傾斜角度は
32度であった。この巻取りを製袋工場にて印刷及び袋
加工を行い、456mm×790mmの3層袋の外層に
使用した。袋の表面の紙同志の滑り傾斜角度は28度で
あった。この袋に製糖会社にて砂糖25kgを充填し製
品としたが、滑りトラブルの発生はなかった。
【0019】比較例1 製紙用水和珪酸塩を填料として添加しないこと以外は実
施例1と同様にして、坪量84g/m2 の重袋原紙用未
晒クラフト紙を製造し、実施例1と同じ寸法の巻取り4
本を作成した。この原紙の滑り傾斜角は25度であっ
た。この巻取りを実施例1と同様にして印刷及び袋加工
に使用した。袋の表面の紙同志の滑り傾斜角度は20度
であった。製糖会社からは、滑り落下トラブルはなかっ
たが、滑りやすく荷扱いしにくいという指摘を受けた。
【0020】実施例2 針葉樹材としてダグラスファー30部、国内松35部、
国内杉檜15部を混合して、カッパー価40の未晒クラ
フトパルプを製造し、さらにこれに脱墨古紙20部を混
合し、レファイナーでフリーネスを560c.s.f.
に調整後、合成サイズ剤0.2%、硫酸バンド1.0
%、アクリルアミド0.2%を添加し、実施例1と同じ
製紙用水和珪酸塩を填料として絶乾パルプ当り1%の割
合で添加し、紙料とした。次いで、この紙料を用いて
ルフォームフォーマーIII 型抄紙機(三菱重工業社製)
にて秒速550m/分で抄造し、坪量84g/m2 の重
袋原紙用未晒クラフト紙を製造し、1,110mm幅×
6,000m長の巻取り2本を作成した。この原紙の滑
り傾斜角度は31度であった。この巻取りを製袋工場に
て、印刷及び袋加工を行い456mm×790mmの2
層袋の外層に使用した。袋の表面の紙同志の滑り傾斜角
度は27度であった。この袋に化学品会社にて樹脂25
kgを充填し製品としたが、滑りトラブルの発生はなか
った。
【0021】比較例2 製紙用水和珪酸塩を填料として添加しないこと以外は実
施例2と同様にして、坪量90g/m2 の重袋原紙用未
晒クラフト紙を製造し、実施例2と同じ寸法の巻取り2
本を作成した。この原紙の滑り傾斜角は24度であっ
た。この巻取りを実施例2と同様にして印刷及び袋加工
に使用した。袋の表面の紙同志の滑り傾斜角度は18度
であった。化学品会社では、フォークリフト搬送時急ブ
レーキにより滑り落下トラブルを発生したという指摘を
受けた。上記した実施例及び比較例をまとめると表1の
ようになる。
【0022】
【0023】
【発明の効果】以上の説明からわかるように本発明によ
れば、特定の粒子径分布をもつ製紙用水和珪酸塩を未晒
クラフト紙の製紙原料に所定の割合で内添して抄造した
重袋原紙用未晒クラフト紙は、原紙段階での滑り傾斜角
が30度以上とすることができ、さらに製袋加工後の滑
り傾斜角を25度以上に保持することができる。
【0024】その結果、この袋に粉体充填後の重袋製品
を積み重ねて搬送する際に発生する危険のある滑り落下
事故を防ぐことができ、重袋製品の倉庫内での搬送を安
全かつ円滑に行うことができるとともに、従来抄造時あ
るいは製袋加工時に行っていた原紙あるいは袋表面への
防滑剤塗布工程を行わずに済み、原紙製造工程あるいは
製袋加工工程の大幅な簡略化、円滑化を行うことができ
るという効果を奏する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 清田 憲三 広島県呉市広末広2丁目1番1号 王子 製紙株式会社呉工場内 (56)参考文献 特公 平1−60183(JP,B2) 特公 昭56−18712(JP,B2) 米谷稔、中西篤、太田節三著「印刷用 紙」、改訂第2刷、印刷学会出版部、昭 42年9月、p.26−29

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒子径1〜30μmの範囲の粒子割合が少
    なくとも80重量%以上、粒子径70μm以上の粒子割
    合が0.4重量%以下であり、かつ平均粒子径が5〜1
    0μmの範囲にある製紙用水和珪酸塩からなる填料を、
    絶乾パルプ当り0.2〜3重量%内添したことを特徴と
    する重袋原紙用未晒クラフト紙。
  2. 【請求項2】粒子径1〜30μmの範囲の粒子割合が少
    なくとも80重量%以上、粒子径70μm以上の粒子割
    合が0.4重量%以下であり、かつ平均粒子径が5〜1
    0μmの範囲にある製紙用水和珪酸塩からなる填料を、
    未晒クラフト紙の製紙原料中に絶乾パルプ当り0.2〜
    3重量%内添して抄造することを特徴とする重袋原紙用
    未晒クラフト紙の製造方法。
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米谷稔、中西篤、太田節三著「印刷用紙」、改訂第2刷、印刷学会出版部、昭42年9月、p.26−29

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