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JP2741815B2 - 化学吸着膜の製造方法 - Google Patents
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JP2741815B2 - 化学吸着膜の製造方法 - Google Patents

化学吸着膜の製造方法

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JP2741815B2
JP2741815B2 JP2967792A JP2967792A JP2741815B2 JP 2741815 B2 JP2741815 B2 JP 2741815B2 JP 2967792 A JP2967792 A JP 2967792A JP 2967792 A JP2967792 A JP 2967792A JP 2741815 B2 JP2741815 B2 JP 2741815B2
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  • Solid-Sorbent Or Filter-Aiding Compositions (AREA)
  • Physical Or Chemical Processes And Apparatus (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は化学吸着単分子膜の製造
方法に関するもので、さらに詳しくは、親水性基と反応
する官能基を末端に有する分子を溶解させる非水系有機
溶媒に、塩基性化合物を添加して単分子膜を製造する方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、親水性基と反応する官能基を末端
に有する化合物(以下化学吸着剤と称す)を溶解するた
めの非水系有機溶媒は、市販のものを精製し、乾燥剤を
加えて保存していた。また、長期保存しておいた溶媒
は、再度精製して使用していた。さらに、化学吸着剤を
溶解するときには前記乾燥剤を溶媒から取り除いてい
た。
【0003】また、化学吸着剤を溶解させた非水系有機
溶媒に、親水性基を表面に有する基板を浸漬し、脱ハロ
ゲン化水素(たとえば塩酸等)反応を起こさせ、単分子
膜を形成する際には、その反応を促進させる触媒を添加
するようなことはなかった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】化学吸着単分子膜の製
造原理は、基板表面の例えば水酸基等の親水性基と、吸
着分子の一端にある例えばクロルシリル基等の親水性基
と反応する官能基との脱ハロゲン化水素反応を用いて、
単分子膜を形成することにある。
【0005】したがって、吸着分子を溶解させる非水系
有機溶媒中に水分子が存在すると、吸着分子と反応し
て、吸着分子の重合等が起こり、単分子膜の形成が不十
分となる。従来の化学吸着単分子膜の製造方法では、非
水系有機溶媒の精製のために例えばモレキュラーシーブ
等の乾燥剤を添加し、化学吸着剤を溶解させる直前に前
記乾燥剤を取り除いて使用していたため、吸着溶媒中に
乾燥剤が入らないような操作が必要であった。
【0006】また、単分子膜の形成が進むにつれ、溶媒
中にハロゲン化水素が発生するが、従来は、その発生量
は溶媒及び化学吸着剤の量に比して、非常に少ないため
に、吸着反応にそれほど影響がないと考えられていた。
しかし、ハロゲン化水素は基板表面で発生するため、部
分的に基板表面のハロゲン化水素濃度は高濃度となると
考えられる。そのため、単分子膜形成後期には、形成速
度がかなり小さくなり、完全に単分子膜形成が終了する
までに長時間を要するという課題もあった。
【0007】本発明は、前記従来技術の課題を解決する
ため、脱ハロゲン化水素反応を伴う化学吸着時に、ハロ
ゲン化水素濃度が高くならないようにして、操作を簡略
化し短時間で完全な化学吸着単分子膜を効率良く製造す
る方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記目的を達成するた
め、本発明の化学吸着膜の製造方法は、親水性基と反応
するハロゲン系官能基を末端に有する化学吸着剤を含む
非水系有機溶媒を、親水性基を表面に有する基板に接触
させ、脱ハロゲン化水素反応により化学吸着膜を製造す
る方法であって、前記非水系有機溶媒に、塩基性化合物
を存在させることを特徴とする。
【0009】前記構成においては、非水系有機溶媒に添
加する塩基性化合物が、脱水作用を有する化合物である
ことが好ましい。また前記構成においては、塩基性化合
物が第3アミンまたは無水炭酸塩であることが好まし
い。
【0010】また前記構成においては、第3アミンがピ
リジンまたはジメチルアニリンであることが好ましい。
また前記構成においては、無水炭酸塩が無水炭酸カルシ
ウム、無水炭酸ナトリウム、無水炭酸カリウムから選ば
れる少なくとも一つの化合物であることが好ましい。
【0011】また前記構成においては、塩基性化合物の
存在割合が吸着溶媒に対して10-3容量%〜1容量%の
範囲であることが好ましい。また前記構成においては、
化学吸着剤がハロゲン化シリル(−SiX)基,ハロゲ
ン化チタニル(−TiX)基,ハロゲン化スタニル(−
SnX)基(但し式中のXは塩素,臭素,フッ素または
よう素原子)から選ばれる少なくとも一つの化合物であ
ることが好ましい。
【0012】前記構成においては、化学吸着剤が一端に
クロロシリル(−SiCln 3-n )基を有するととも
に分子中にフロロカーボン基を有することが好ましい。
また前記構成においては、化学吸着剤の濃度が、10-4
〜10-1モル/リットルの範囲であることが好ましい。
【0013】また前記構成においては、化学吸着膜が単
分子膜またはポリマー膜であることが好ましい。
【0014】
【作用】前記本発明の構成によれば、化学吸着剤を溶解
させる非水系有機溶媒中に塩基性化合物を加えて、吸着
反応によって発生したハロゲン化水素を前記塩基性化合
物と反応させ除去することにより、吸着反応を促進する
ことができる。
【0015】さらに、前記塩基性化合物として脱水作用
を有する塩基性脱水剤を使用することによって、溶媒中
の水分子を完全に除去し、吸着分子どうしの重合反応を
抑えるとともに、吸着反応によって発生したハロゲン化
水素を塩基性脱水剤と反応させ除去することにより、吸
着工程における乾燥剤除去の操作を省略化、および吸着
反応の促進を図ることができる。
【0016】
【実施例】本発明を具体的に実施するには、化学吸着剤
と塩基性化合物とを添加した非水系有機溶媒を作成する
工程、親水性基を表面に有する基板を前記溶媒に浸漬す
る工程、非水系有機溶媒を用いて未反応化学吸着剤を洗
浄・除去する工程、水分と反応させる工程及び必要に応
じて乾燥する工程を採用することが好ましい。このよう
な処理によって化学吸着単分子膜を形成することができ
る。前記において、非水系有機溶媒を用いて未反応化学
吸着剤を洗浄・除去する工程を省略すると、化学吸着ポ
リマー膜を形成することができる。
【0017】本発明に使用できる塩基性化合物は、使用
する非水系有機溶媒分子と反応せずに、塩酸、臭酸、フ
ッ酸などのハロゲン化水素との反応により親水性基を有
する分子を生じないものが好ましく、例えばピリジン、
ジメチルアニリン等の第3アミン類が最適である。
【0018】また、本発明に使用できる塩基性化合物の
うち、脱水性を有する塩基性脱水剤としては、その分子
自身が親水性基を持たず、その上、脱水反応の結果、親
水性基を持つ分子を生じないものであることが好まし
く、例えば無水炭酸カルシウム、無水炭酸ナトリウム、
無水炭酸カリウム等の無水炭酸塩が好適である。これら
の塩基性化合物の溶媒に対する濃度は、溶媒中の水分量
および、基板表面に存在する親水性基の密度等によって
異なり一概には決められないが、溶媒中の水分がかなり
低い場合には、吸着溶媒に対して10-3容量%から1容
量%程度添加すれば充分であり、好ましくは10-1容量
%が適当である。特に、塩基性の強い化合物を使用する
時には高濃度になると、基板もしくは吸着分子が侵され
る可能性があるためできるだけ低濃度で、かつ充分に水
分子及びハロゲン化水素と反応可能な濃度であることが
望ましい。
【0019】本発明に使用できる吸着分子は、親水性基
と化学反応する官能基を含み、この官能基としては例え
ばクロロシリル(−SiCln 3-n )基,クロロチタ
ニル(−TiCln 3-n )基,クロロスタニル(−S
nCln 3-n )基(但し何れの式中のnは1〜3の整
数、Xは水素原子または低級アルキル基,低級アルコキ
シ基等の置換基)など活性クロルを有する分子等が挙げ
られる。また他の一端側は、アルキル基、シクロアルキ
ル基、アリル基など任意の有機基を有する化合物を採用
できる。一例としては、フッ元素含有アルキル基を有す
る化合物を挙げることができる。
【0020】本発明に使用できる基板としては、表面に
例えば−OH基,−COOH基,−NH2 基,=NH基
等の親水性基を含む基板であれば何れでもよい。例えば
石英ガラス、クリスタルガラス、金属ガラス等の各種ガ
ラス、アルミニウム、鉄、ステンレス、チタン等の金属
材料、シリコン、ゲルマニウム等の半導体材料、もしく
はポリプロピレン、ポリスチレン、ポリエチレン、アク
リル、ナイロン等のプラスチック材料が挙げられる。但
し表面の親水性基が少ない基板の場合は、例えばオゾン
酸化、プラズマ処理、コロナ処理もしくは電子線照射等
の通常の手段の化学処理によって、親水性基を増やして
用いると、本発明により適した基板とすることができ
る。ポリアミド、ポリウレタン等のような表面にイミノ
基(=NH)を有する樹脂の場合は、この様な前処理は必要
でない。
【0021】本発明に使用できる溶媒は、化学吸着剤が
水系分子と反応するためできるだけ水分の少ない非水系
有機溶媒で、しかも基板を侵さず、かつ吸着分子を充分
溶解させることができる溶媒であれば何れでもよい。例
えば、長鎖アルキル系溶媒、芳香族系溶媒、脂環族炭化
水素系溶媒、含ハロゲン溶媒等がある。
【0022】本発明の吸着溶媒の濃度は、基板表面に存
在する親水性基の密度もしくは基板の表面積等によって
異なり一概には言えないが、濃度が低いと吸着速度が小
さくなり、実験室レベルでは適応できるが工業的観点で
は実用性に欠ける。また、あまり濃度を高くしても、基
板の表面にある親水性基に優先的に化学吸着する分子数
及び吸着速度は変化せず、さらに吸着過程後期の基板表
面に残存した未吸着の親水性基に吸着していく分子も、
既に優先的に吸着した単分子膜をいわばかいくぐって吸
着してゆき、このかいくぐることが律速となるため高密
度な吸着状態にまで達する時間にも影響が少ない。した
がって吸着液の濃度は、約10-4mol/l(モル/リット
ル)程度以上あれば充分であり、好ましくは10-3mol/
l 以上が適当である。
【0023】次に本発明において、非水系有機溶媒を親
水性基を表面に有する基板に接触させる手段は、浸漬
(ディッピング)、スプレー塗布、刷毛塗り、吹き付
け、スピンコートなどいかなる手段でも採用できる。
【0024】本発明に用いる化学吸着剤としては、例え
ばフロロカーボン基とクロロシラン基とを含む化合物が
挙げられ、具体的材料としては、CF3 −(CF2 n
−(R)m −SiXp Cl3-p (但しnは0または整
数、好ましくは1〜22の整数、Rはアルキル基、ビニ
ル基、エチニル基、シリコン若しくは酸素原子を含む置
換基、mは0又は1、XはH,アルキル基,アルコキシ
ル基,含フッ素アルキル基又は含フッ素アルコキシ基の
置換基、pは0、1または2)を用いることが可能であ
る。このフッ素とクロロシリル基とを含む化合物を用い
ると、撥水性、撥油性、防汚性及び滑性等が付与される
ため好ましい。
【0025】前記の吸着剤に加えて、下記の具体的吸着
剤を挙げる。 CF3 CH2 O(CH2 15SiCl3 , CF3 (CH2 2 Si(CH3 2 (CH2 15Si
Cl3 , CF3 (CH2 6 Si(CH3 2 (CH2 9 Si
Cl3 , CF3 COO(CH2 15SiCl3 他の化学吸着剤としては、たとえば次のような炭化水素
系化学吸着剤も使用できる。 CH3 −(CH2 r SiXp Cl3-p , CH3 (CH2 s O(CH2 t SiXp Cl3-p , CH3 (CH2 u −Si(CH3 2 (CH2 v
SiXp Cl3-p , CH3 COO(CH2 w SiXp Cl3-p (但し、好ましい範囲してrは1〜25、sは0〜1
2、tは1〜20、uは0〜12、vは1〜20、wは
1〜25を示す。) 前記の吸着剤に加えて、下記の具体的吸着剤を挙げる。 CH3 CH2 O(CH2 15SiCl3 , CH3 (CH2 2 Si(CH3 2 (CH2 15Si
Cl3 , CH3 (CH2 6 Si(CH3 2 (CH2 9 Si
Cl3 , CH3 COO(CH2 15SiCl3 本発明は、前記の化学吸着剤を用いて化学吸着膜を形成
する前に内層膜を形成しても良い。内層膜を形成するク
ロロシリル基を含む物質としては、例えばSiCl4
SiHCl3 、SiH2 Cl2 、またはCl(SiCl
2 O)n SiCl3 (但しnは整数)等が挙げられる。
【0026】特に、SiCl4 を用いれば、分子が小さ
く水酸基に対する活性も大きいので、基材表面を均一に
親水化する効果が大きいため好ましい。クロロシリル基
を含む物質の非水系溶媒に対する濃度は、用いるクロロ
シリル基を含む物質或は溶媒の種類によって異なるが、
1重量パーセント程度溶解した溶液(吸着溶液)を使用
できる。この吸着溶液に基材を30分間程度浸漬する
と、基材表面には親水性のOH基が多少とも存在するの
で、表面で脱塩酸反応が生じ、クロロシリル基を含む物
質の薄膜(内層膜前駆体)が形成される。
【0027】次に内層膜前駆体が形成された表面を、非
水系溶媒を用いて残存未反応物を洗浄・除去するか又は
せずして、水分と反応させる。水分は液体の水でもよい
し、空気中にさらして空気中の水分(湿度成分)を利用
してもよい。非水系溶媒を用いて残存未反応物を洗浄・
除去する場合は、次に水分と反応させると内層膜である
シロキサン系単分子膜が形成される。また非水系溶媒に
よる残存未反応物の洗浄・除去をおこなわずに水分と反
応させると内層膜であるシロキサン系薄膜が形成され
る。この場合は単分子膜よりも厚い膜(例えばオリゴマ
やポリマ程度の分子量のもの)を得ることができる。本
発明は目的に応じてどちらの製造プロセスでも採用でき
る。
【0028】前記において、非水系溶媒としては例えば
フレオン、クロロホルム等いかなるものでも採用でき
る。しかしながら基材がプラスチック等の場合は、膨潤
や溶解などをおこさない、すなわち基材を傷めないフレ
オン等の溶液を好ましく使用できる。
【0029】本発明は下記の用途など広く適用できる。 (a)基材の例;基材が金属、セラミックスまたはプラ
スチック、木材、石材からなる材料に適用できる。表面
は塗料などで塗装されていても良い。 (b)刃物の例:包丁、鋏、ナイフ、カッター、彫刻
刀、剃刀、バリカン、鋸、カンナ、ノミ、錐、千枚通
し、バイト、ドリルの刃、ミキサーの刃、ジュ−サ−の
刃、製粉機の刃、芝刈り機の刃、パンチ、押切り、ホッ
チキスの刃、缶切りの刃、または手術用メス等。 (c)針の例:鍼術用の針、縫い針、ミシン針、畳針、
注射針、手術用針、安全ピン等。 (d)窯業製品の例:陶磁器製、ガラス製、セラミック
ス製またはほうろうを含む製品等。例えば衛生陶磁器
(例えば便器、洗面器、風呂等)、食器(例えば、茶
碗、皿、どんぶり、湯呑、コップ、瓶、コーヒー沸かし
容器、鍋、すり鉢、カップ等)、花器(水盤、植木鉢、
一輪差し等)、水槽(養殖用水槽、鑑賞用水槽等)、化
学実験器具(ビーカー、反応容器、試験管、フラスコ、
シャーレ、冷却管、撹拌棒、スターラー、乳鉢、バッ
ト、注射器)、瓦、タイル、ほうろう製食器、ほうろう
製洗面器、ほうろう製鍋。 (e)鏡の例:手鏡、姿見鏡、浴室用鏡、洗面所用鏡、
自動車用鏡(バックミラー、サイドミラー)、ハーフミ
ラー、ショーウィンドー用鏡、デパートの商品売り場の
鏡等。 (f)成形用部材の例:プレス成形用金型、注型成形用
金型、射出成形用金型、トランスファー成形用金型、真
空成形用金型、吹き込み成形用金型、押し出し成形用ダ
イ、インフレーション成形用口金、繊維紡糸用口金、カ
レンダー加工用ロールなど。 (g)装飾品の例:時計、宝石、真珠、サファイア、ル
ビー、エメラルド、ガーネット、キャッツアイ、ダイヤ
モンド、トパーズ、ブラッドストーン、アクアマリン、
サードニックス、トルコ石、瑪瑙、大理石、アメジス
ト、カメオ、オパール、水晶、ガラス、指輪、腕輪、ブ
ローチ、ネクタイピン、イヤリング、ネックレス、貴金
属装飾製品、白金、金、銀、銅、アルミ、チタン、錫あ
るいはそれらの合金やステンレス製、メガネフレーム
等。 (h)食品成形用型の例:ケーキ焼成用型、クッキー焼
成用型、パン焼成用型、チョコレート成形用型、ゼリー
成形用型、アイスクリーム成形用型、オーブン皿、製氷
皿等。 (i)調理器具の例:鍋、釜、やかん、ポット、フライ
パン、ホットプレート、焼き物調理用網、油切り、タコ
焼きプレート等。 (j)紙の例:グラビア紙、撥水撥油紙、ポスター紙、
高級パンフレット紙等 (k)樹脂の例:ポリプロピレン、ポリエチレン等のポ
リオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、
ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、ポリエス
テル、アラミド、ポリスチレン、ポリスルホン、ポリエ
ーテルスルホン、ポリフェニレンスルフィド、フェノー
ル樹脂、フラン樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、ポリ
ウレタン、ケイ素樹脂、ABS樹脂、メタクリル樹脂、
アクリル酸エステル樹脂、ポリアセタール、ポリフェン
レンオキサイド等 (l)家庭電化製品の例:テレビジョン、ラジオ、テー
プレコーダー、オーディオ、CD、冷凍関係機器の冷蔵
庫、冷凍庫、エアコン、ジューサー、ミキサー、扇風機
の羽根、照明器具、文字盤、パーマ用ドライヤー等。 (m)スポーツ用品の例:スキー、釣竿、棒高跳び用の
ポール、ボート、ヨット、ジェットスキー、サーフボー
ド、ゴルフボール、ボーリングのボール、釣糸、魚網、
釣り浮き等。 (n)乗り物部品に適用する例: (1) ABS樹脂:ランプカバー、インストルメントパネ
ル、内装部品、オートバイのプロテクター (2) セルロースプラスチック:自動車のマーク、ハンド
ル (3) FRP(繊維強化樹脂):外板バンパー、エンジン
カバー (4) フェノール樹脂:ブレーキ (5) ポリアセタール:ワイパーギヤ、ガスバルブ、キャ
ブレター部品 (6) ポリアミド:ラジエータファン (7) ポリアリレート:方向指示レンズ、計器板レンズ、
リレーハウジング (8) ポリブチレンテレフタレート:リヤエンド、フロン
トフェンダ (9) ポリアミノビスマレイミド:エンジン部品、ギヤボ
ックス、ホイール、サスペンジョンドライブシステム (10)メタクリル樹脂はランプカバーレンズ、計器板とカ
バー、センターマーク (11)ポリプロピレンはバンパー (12)ポリフェニレンオキシド:ラジエーターグリル、ホ
イールキャップ (13)ポリウレタン:バンパー、フェンダー、インストル
メントパネル、ファン (14)不飽和ポリエステル樹脂:ボディ、燃料タンク、ヒ
ーターハウジング、計器板 (o)事務用品の例:万年筆、ボールペン、シャ−プペ
ンシル、筆入れ、バインダー、机、椅子、本棚、ラッ
ク、電話台、物差し、製図用具等。 (p)建材の例:屋根材、外壁材、内装材。屋根材とし
て窯瓦、スレート瓦、トタン(亜鉛メッキ鉄板)など。
外壁材としては木材(加工木材を含む)、モルタル、コ
ンクリート、窯業系サイジング、金属系サイジング、レ
ンガ、石材、プラスチック材料、アルミ等の金属材料な
ど。内装材としては木材(加工木材を含む)、アルミ等
の金属材料、プラスチック材料、紙、繊維など。 (q)石材の例:花コウ岩、大理石、みかげ石等。たと
えば建築物、建築材、芸術品、置物、風呂、墓石、記念
碑、門柱、石垣、歩道の敷石など。 (r)楽器および音響機器の例:打楽器、弦楽器、鍵盤
楽器、木管楽器、金管楽器などの楽器、およびマイクロ
ホン、スピーカなどの音響機器等。具体的には、ドラ
ム、シンバル、バイオリン、チェロ、ギター、琴、ピア
ノ、フルート、クラリネット、尺八、ホルンなどの打楽
器、弦楽器、鍵盤楽器、木管楽器、金管楽器などの楽
器、およびマイクロホン、スピーカ、イヤホーンなどの
音響機器。 (s)その他、魔法瓶、真空系機器、電力送電用碍子ま
たはスパークプラグ等の撥水撥油防汚効果の高い高耐電
圧性絶縁碍子等。
【0030】以下具体的実施例を挙げて、本発明をより
詳細に説明する。 実施例1 まず、塩基性化合物としてピリジンを使用した場合につ
いて説明する。
【0031】ドライエアー(乾燥空気)中で非水系有機
溶媒にピリジンを0.1容量%になるよう加える。ここ
で用いた非水系有機溶媒は、市販のノルマルヘキサデカ
ン80重量%、クロロホルム12重量%、四塩化炭素8
重量%の混合溶媒で、各有機溶媒は予め精製しておいた
ものである。
【0032】次に、液温を30℃とし、この溶媒に化学
吸着剤としてノナデシルトリクロロシラン[CH3 (C
2 18SiCl3 ]を10mmol/lの濃度になるよう溶
解し、さらに基板を浸漬し化学吸着単分子膜の形成を開
始した。基板としては、表面に水酸基が充分露出してい
るガラス基板を用いた。化学吸着剤が基板上の水酸基
(−OH)に吸着し、脱塩酸反応により、塩酸の発生が
起こるが、その塩酸とピリジンが反応し、ピリジン塩が
生成し、塩酸は減少する。
【0033】その結果、基板表面の水酸基と化学吸着剤
との間の脱塩酸反応が促進され、やがて基板上に未反応
の水酸基がなくなり効率良く単分子膜が形成される。こ
の反応を次式(化1)に示す。
【0034】
【化1】
【0035】次にクロロホルムを用いてガラス基板上の
未反応化学吸着剤を洗浄除去し、その後水分(液体の水
または空気中の水分)と反応させることにより、下記式
(化2)の反応が進む。
【0036】
【化2】
【0037】次に基板を乾燥するか空気中にさらすこと
により、シラノール基が脱水し架橋する。これを次の式
(化3)に示す。
【0038】
【化3】
【0039】なお、比較のため塩基性化合物を加えない
状態で上記実施例1と同様に操作した従来法で、化学吸
着単分子膜を作製した。このようにして得られた2種の
化学吸着単分子膜の吸着分子の基板への吸着割合をFT
IRで評価し、吸着時間と吸着量の関係を図1に示し
た。なお、赤外吸収スペクトルの分析結果より、メチレ
ン基(−CH2 −)の対称伸縮振動、及び逆対称伸縮振
動のピ−ク面積を測定し、相対吸収強度として示した。
この図1より、白丸で記載した本発明の塩基性化合物を
添加した場合は、黒丸で記載した塩基性化合物を添加し
なかった従来の場合に比べて、約2倍の吸着速度を示し
た。
【0040】以上本実施例によれば、非水系有機溶媒
(例えばノルマルヘキサデカン80重量%、クロロホル
ム12重量%、四塩化炭素8重量%の混合溶媒)に塩基
性化合物の一例としてピリジンを0.1容量%になるよ
う加え、この溶媒に化学吸着剤の一例としてノナデシル
トリクロロシランを10mmol/lの濃度になるよう溶解
し、さらに基板を接触させて化学吸着単分子膜を形成す
る。脱塩酸反応により、塩酸の発生が起こるが、ピリジ
ンにより中和され、吸着反応を促進できる。
【0041】この結果、非水系有機溶媒に塩基性化合物
を添加した溶媒に親水性基と反応する官能基を末端に有
する分子を溶解させ、その溶媒に基板を接触させること
によって、化学吸着単分子膜を短時間に効率良く形成す
ることができる。
【0042】実施例2 次に、脱水作用を有する塩基性化合物として無水炭酸カ
リウムを使用した場合について説明する。
【0043】まず、ドライエアー中で非水系有機溶媒に
塩基性脱水剤として無水炭酸カリウムを1g/l になるよ
うに加える。ここで用いた非水系有機溶媒は、市販のビ
シクロヘキシル80重量%、クロロホルム12重量%、
四塩化炭素8重量%の混合溶媒で、各有機溶媒は予め精
製しておいたものである。この段階で有機溶媒中に残っ
ている微量の水分子が、炭酸カリウム分子の結晶水とな
り除去される。
【0044】次に、液温を30℃とし、この溶媒に化学
吸着剤としてノナデシルトリクロロシランを10mmol/l
の濃度になるよう溶解し、さらにアルミニウム基板を浸
漬し化学吸着単分子膜の形成を開始した。化学吸着剤が
基板上の水酸基に吸着し、塩酸の発生が起こるが、その
塩酸と炭酸カリウムが反応し、塩化カリウムと水と二酸
化炭素が生成する。ここで生じた水は過剰に存在する未
反応の無水炭酸カリウムによって除去される。
【0045】このようにして基板表面の水酸基と化学吸
着剤との間の脱塩酸反応が促進され、やがて基板上に未
反応の水酸基がなくなり前記式(化1)に示したと同様
な反応が終了する。次にクロロホルムを用いてアルミニ
ウム基板上の未反応化学吸着剤を洗浄除去し、その後水
分(液体の水または空気中の水分)と反応させ、空気中
で乾燥することにより、前記式(化2〜3)と同様に反
応が進む。
【0046】なお、比較のため塩基性脱水剤を加えない
状態で上記実施例2と同様に操作した従来法で、化学吸
着単分子膜を作製した。このようにして得られた2種の
化学吸着単分子膜を上記実施例1と同様に分析した結
果、本発明の塩基性脱水剤を添加した場合、塩基性脱水
剤を添加しなかった従来の場合に比べて、約1.5倍の
吸着速度を示した。
【0047】実施例3 水酸基の少ないガラス基材を用いる場合は、下記のよう
に内層膜をあらかじめ形成する。ガラス基材以外にも金
属、セラミックス、プラスチック等でも有効である。吸
着溶液として、クロロシリル基を複数個含む物質[例え
ばSiCl4、SiHCl3 、SiH2 Cl2 、Cl
(SiCl2 O)n SiCl3 (nは整数)。特に、S
iCl4 を用いれば、分子が小さく水酸基に対する活性
も大きく、部材表面を均一に親水化する効果が大きいの
で好ましい。]を、例えば実質的に非水のクロロホルム
溶媒に1重量%溶解し、これにピリジンを0.1容量%
を添加して調製した。雰囲気の相対湿度も30%以下
(好ましくは相対湿度10%程度)に保持した。この吸
着溶液にガラス基材を30分間程度浸漬すると、部材の
表面には、親水性のOH基が存在するので、表面で脱塩
酸反応が生じシラン系吸着膜が形成できる。
【0048】例えば、クロロシリル基を複数個含む物質
としてSiCl4 を用いると、ガラス基材表面には少量
の親水性のOH基が露出されているので、表面で脱塩酸
反応が生じ、下記に示す(化4)、(化5)のように分
子が−SiO−結合を介して表面に固定される。
【0049】
【化4】
【0050】
【化5】
【0051】前記式(化4)、(化5)のような共有結
合を形成するには脱塩酸反応が伴うが、添加したピリジ
ンによって中和され、反応速度の低下を防止できる。そ
の後、非水系の溶媒例えばクロロホルムで洗浄して、さ
らに水で洗浄すると、部品表面と反応していないSiC
4 分子は除去され、下記に示す(化6)、(化7)の
ようにガラス基材表面に等のシロキサン単分子膜が得ら
れる。
【0052】
【化6】
【0053】
【化7】
【0054】なお、このときできた単分子膜はガラス基
材表面とは−SiO−の化学結合を介して完全に結合さ
れているので剥がれることが無い。また、得られた単分
子膜は表面にシラノール基(SiOH基)を数多く持
つ。当初の水酸基のおよそ3倍程度の数が生成される。
【0055】前記において、クロロホルムによる未反応
吸着剤の洗浄・除去処理をしない場合は、内層膜はシロ
キサン系ポリマー膜となる。この場合は内層膜の膜厚は
単分子膜に比較して厚いものになるが、緻密膜としては
優れたものとなる。
【0056】前記(化6)、(化7)のシロキサン単分
子膜の表面に、さらにフッ化炭素基を含む吸着膜を形成
した。吸着剤はCF3 (CF2 7 (CH2 2 SiC
3 を用い、3重量%程度の濃度で溶かした80重量%
n−ヘキサデカン、12重量%四塩化炭素、8重量%ク
ロロホルム、ピリジン0.1容量%溶液を調整したもの
を用いた。この吸着溶液に前記シロキサン系単分子膜の
形成された基材を1時間程度浸漬すると、前記式(化
1)〜(化3)と同様にガラス基材表面にCF3 (CF
2 7 (CH2 2 Si(O−)3 の結合が生成され、
フッ素を含む単分子膜が下層のシロキサン単分子膜と化
学結合した状態で高密度に約21オングストローム
(2.1nm)の膜厚で形成できた。
【0057】なお、単分子膜は剥離試験を行なっても剥
離することがなかった。また、実質的にピンホールフリ
ーで、極薄で、防汚性と透明性に優れたものであった。
前記において、クロロホルムによるフッ化炭素基を含む
未反応吸着剤の洗浄・除去処理をしない場合は表層膜は
ポリマー吸着膜となる。この場合は表層膜の膜厚は単分
子膜に比較して厚いものになるが、緻密膜としては優れ
たものとなる。そして実質的にピンホールフリーで、極
薄で、防汚性と透明性に優れたものとなる。
【0058】
【発明の効果】以上のように本発明は、分子吸着膜形成
に使用する非水系有機溶媒に塩基性化合物を添加するこ
とにより、吸着反応によって発生するハロゲン化水素を
除去することができ、従来の分子膜形成工程に比べ吸着
時間を短縮することが可能となった。さらに、前記塩基
性化合物として脱水作用を有する塩基性脱水剤を使用す
ることにより、有機溶媒中の水分及び吸着反応によって
発生するハロゲン化水素を一種類の塩基性脱水剤で除去
することが可能となり、従来の単分子膜形成工程に比べ
操作の効率化及び吸着時間の短縮化が行え、工業的に大
量生産する場合にも有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における吸着時間と吸着量の
関係を示す図である。

Claims (10)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 親水性基と反応するハロゲン系官能基を
    末端に有する化学吸着剤を含む非水系有機溶媒を、親水
    性基を表面に有する基板に接触させ、脱ハロゲン化水素
    反応により化学吸着膜を製造する方法であって、前記非
    水系有機溶媒に、塩基性化合物を存在させることを特徴
    とする化学吸着膜の製造方法。
  2. 【請求項2】 非水系有機溶媒に添加する塩基性化合物
    が、脱水作用を有する化合物である請求項1記載の化学
    吸着膜の製造方法。
  3. 【請求項3】 塩基性化合物が、第3アミンまたは無水
    炭酸塩である請求項1または2記載の化学吸着膜の製造
    方法。
  4. 【請求項4】 第3アミンが、ピリジンまたはジメチル
    アニリンである請求項3記載の化学吸着単分子膜の製造
    方法。
  5. 【請求項5】 無水炭酸塩が、無水炭酸カルシウム、無
    水炭酸ナトリウム、無水炭酸カリウムから選ばれる少な
    くとも一つの化合物である請求項3記載の化学吸着膜の
    製造方法。
  6. 【請求項6】 塩基性化合物の存在割合が、吸着溶媒に
    対して10-3容量%〜1容量%の範囲である請求項1記
    載の化学吸着膜の製造方法。
  7. 【請求項7】 化学吸着剤が、ハロゲン化シリル(−S
    iX)基,ハロゲン化チタニル(−TiX)基,ハロゲ
    ン化スタニル(−SnX)基(但し式中のXは塩素,臭
    素,フッ素またはよう素原子)から選ばれる少なくとも
    一つの化合物である請求項1記載の化学吸着膜の製造方
    法。
  8. 【請求項8】 化学吸着剤が、一端にクロロシリル(−
    SiCln 3-n )基を有するとともに分子中にフロロ
    カーボン基を有する請求項1記載の化学吸着膜の製造方
    法。
  9. 【請求項9】 化学吸着剤の濃度が、10-4〜10-1
    ル/リットルの範囲である請求項1記載の化学吸着膜の
    製造方法。
  10. 【請求項10】 化学吸着膜が単分子膜またはポリマー
    膜である請求項1記載の化学吸着膜の製造方法。
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