JP2742366B2 - CdSxSe(1−x)半導体微結晶含有ガラスの製造方法 - Google Patents
CdSxSe(1−x)半導体微結晶含有ガラスの製造方法Info
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、CdSx Se(1-x) 半
導体微結晶含有ガラスの製造方法に関する。本発明によ
り得られるCdSx Se(1-x) 半導体微結晶含有ガラス
は、光スイッチや光波長変換素子等の、光情報分野にお
いて用いられる大きな非線形効果を有するガラス材料と
して利用される。
導体微結晶含有ガラスの製造方法に関する。本発明によ
り得られるCdSx Se(1-x) 半導体微結晶含有ガラス
は、光スイッチや光波長変換素子等の、光情報分野にお
いて用いられる大きな非線形効果を有するガラス材料と
して利用される。
【0002】
【従来の技術】CdSx Se(1-x) 、CuCl、CuB
rなどの半導体微結晶を含有したガラスは、 光双安定性を有する、 ps(ピコ秒)オーダーの光緩和時間を有する、 量子サイズ効果が存在する、 等の点から、光スイッチや光波長変換素子等に利用可能
な非線形光学材料として注目されている。このような半
導体微結晶を含有したガラスとしては、1%程度のCd
Sx Se(1-x) 微結晶を含んだ多成分ガラスが一般的に
知られており、フィルターガラスとして市販されてい
る。この半導体微結晶含有ガラスは、マトリックスとな
るガラスの原料と半導体の原料とを加熱してガラス融液
とした後、このガラス融液を急冷、再加熱処理すること
により製造される。
rなどの半導体微結晶を含有したガラスは、 光双安定性を有する、 ps(ピコ秒)オーダーの光緩和時間を有する、 量子サイズ効果が存在する、 等の点から、光スイッチや光波長変換素子等に利用可能
な非線形光学材料として注目されている。このような半
導体微結晶を含有したガラスとしては、1%程度のCd
Sx Se(1-x) 微結晶を含んだ多成分ガラスが一般的に
知られており、フィルターガラスとして市販されてい
る。この半導体微結晶含有ガラスは、マトリックスとな
るガラスの原料と半導体の原料とを加熱してガラス融液
とした後、このガラス融液を急冷、再加熱処理すること
により製造される。
【0003】しかしながら、このような溶融法による従
来の半導体微結晶含有ガラスは、 ガラス融液の調製時に半導体原料の酸化、揮発、分解
が生じるために、半導体微結晶の含有濃度が低い、 急冷後の再加熱処理で半導体微結晶が無秩序に成長す
るために、半導体微結晶の大きさが均一でない、 薄膜化することが困難である、 含有させ得る化合物半導体の種類に制限がある、 等の点から、非線形光学材料として有用であるとは言い
難い。
来の半導体微結晶含有ガラスは、 ガラス融液の調製時に半導体原料の酸化、揮発、分解
が生じるために、半導体微結晶の含有濃度が低い、 急冷後の再加熱処理で半導体微結晶が無秩序に成長す
るために、半導体微結晶の大きさが均一でない、 薄膜化することが困難である、 含有させ得る化合物半導体の種類に制限がある、 等の点から、非線形光学材料として有用であるとは言い
難い。
【0004】このため、半導体微結晶の含有濃度の向
上、半導体微結晶の大きさの均一化あるいは薄膜化等を
目的として、ゾル−ゲル法、CVD法、スパッタリング
法、同時蒸着法、リソグラフィー法、多孔質ガラスの利
用等の、新しい非晶質材料作製技術を用いた半導体微結
晶含有ガラスの作製が種々試みられている。
上、半導体微結晶の大きさの均一化あるいは薄膜化等を
目的として、ゾル−ゲル法、CVD法、スパッタリング
法、同時蒸着法、リソグラフィー法、多孔質ガラスの利
用等の、新しい非晶質材料作製技術を用いた半導体微結
晶含有ガラスの作製が種々試みられている。
【0005】これらの中で、CdSx Se(1-x) 半導体
微結晶含有ガラスの作製方法としては、特開平3−18
7950号公報に記載の方法とザルジキー(Zarzy
cki)らが報告している方法(Journal of
Non−Crystalline solids,1
21 221(1990)、SPIE Proceed
ings of Sol−Gel Optics,13
28 108(1990))とがある。
微結晶含有ガラスの作製方法としては、特開平3−18
7950号公報に記載の方法とザルジキー(Zarzy
cki)らが報告している方法(Journal of
Non−Crystalline solids,1
21 221(1990)、SPIE Proceed
ings of Sol−Gel Optics,13
28 108(1990))とがある。
【0006】前者の方法は、Cd元素とSe元素(また
はS元素)を含むゲル固化体を還元雰囲気中で加熱して
CdSe半導体微結晶(またはCdS半導体微結晶)を
ガラスマトリックス中に析出させた後、H2 Sガス(ま
たはH2 Seガス)と反応させて、ガラスマトリックス
中に粒子径が小さく、粒径の分布が均一なCdSx Se
(1-x) 半導体微結晶がドープされた半導体含有ガラスを
得るものである。
はS元素)を含むゲル固化体を還元雰囲気中で加熱して
CdSe半導体微結晶(またはCdS半導体微結晶)を
ガラスマトリックス中に析出させた後、H2 Sガス(ま
たはH2 Seガス)と反応させて、ガラスマトリックス
中に粒子径が小さく、粒径の分布が均一なCdSx Se
(1-x) 半導体微結晶がドープされた半導体含有ガラスを
得るものである。
【0007】一方、後者の方法は、セレン酸カリウム
(K2 SeO4 )と硝酸カドミウム(Cd(N
O3 )2 )を半導体微結晶の原料として作製したCd元
素とSe元素を含む湿潤シリカゲルを、チオアセトアミ
ド(CH3 CSNH2 )溶液に浸漬しS2-を湿潤ゲル内
に拡散させることによって、CdSx Se(1-x) 半導体
微結晶を分散させたシリカゲルを得るというものであ
る。
(K2 SeO4 )と硝酸カドミウム(Cd(N
O3 )2 )を半導体微結晶の原料として作製したCd元
素とSe元素を含む湿潤シリカゲルを、チオアセトアミ
ド(CH3 CSNH2 )溶液に浸漬しS2-を湿潤ゲル内
に拡散させることによって、CdSx Se(1-x) 半導体
微結晶を分散させたシリカゲルを得るというものであ
る。
【0008】
【発明が解決しようする課題】しかしながら、これらの
方法には、 SとSeの比率の制御が容易ではない、 半導体微結晶内での元素の存在分布が均一でない恐れ
がある、 半導体微結晶のサイズ制御が容易ではない、 等の問題がある。また前者の特開平3−187950号
公報に記載の方法は、有毒なH2 SガスやH2 Seガス
を使用するので、安全性に十分な配慮をする必要があ
る。
方法には、 SとSeの比率の制御が容易ではない、 半導体微結晶内での元素の存在分布が均一でない恐れ
がある、 半導体微結晶のサイズ制御が容易ではない、 等の問題がある。また前者の特開平3−187950号
公報に記載の方法は、有毒なH2 SガスやH2 Seガス
を使用するので、安全性に十分な配慮をする必要があ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
決するためになされたものであり、本発明のCdSxS
e(1-x) (但し、0<x<1である)半導体微結晶含有
ガラスの製造方法は、Cd,SおよびSe元素を含有す
る酸性溶液と、最終的にガラスとなる化合物成分とを混
合した後、ゲル化・乾燥させてゲル固化体を得て、該ゲ
ル固化体を還元雰囲気内で熱処理してガラスマトリック
ス中にCdSx Se(1-x) 半導体微結晶を析出させるこ
とを特徴とするものである。
決するためになされたものであり、本発明のCdSxS
e(1-x) (但し、0<x<1である)半導体微結晶含有
ガラスの製造方法は、Cd,SおよびSe元素を含有す
る酸性溶液と、最終的にガラスとなる化合物成分とを混
合した後、ゲル化・乾燥させてゲル固化体を得て、該ゲ
ル固化体を還元雰囲気内で熱処理してガラスマトリック
ス中にCdSx Se(1-x) 半導体微結晶を析出させるこ
とを特徴とするものである。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明の
CdSx Se(1-x) 半導体微結晶含有ガラスの製造方法
においては、出発原料としてCd,S,Se元素を含有
する酸性溶液(A) と最終的にガラスとなる化合物成分
(B) とを用いる。
CdSx Se(1-x) 半導体微結晶含有ガラスの製造方法
においては、出発原料としてCd,S,Se元素を含有
する酸性溶液(A) と最終的にガラスとなる化合物成分
(B) とを用いる。
【0011】ここにCd,S,Se元素含有酸性溶液
(A) は、Cd,S,Se元素の少なくとも1種を含む化
合物の1種または2種以上を酸に溶解し、反応させるこ
とにより得られる。ここに、Cd,S,Se元素の少な
くとも1種を含有する化合物としては、例えばカドミウ
ム単体、酢酸カドミウム、硝酸カドミウム、塩化カドミ
ウム、過塩素酸カドミウムなどのCd元素含有化合物、
セレン単体、セレン酸、亜セレン酸、セレン酸アンモニ
ウム、セレノ尿素などのSe元素含有化合物、イオウ単
体、チオシアン酸アンモニウム、チオ尿素、硫酸、硫酸
アンモニウムなどのS元素含有化合物、セレン酸カドミ
ウムなどのCd,Se元素含有化合物、硫酸カドミウム
などのCd,S元素含有化合物などが挙げられる。
(A) は、Cd,S,Se元素の少なくとも1種を含む化
合物の1種または2種以上を酸に溶解し、反応させるこ
とにより得られる。ここに、Cd,S,Se元素の少な
くとも1種を含有する化合物としては、例えばカドミウ
ム単体、酢酸カドミウム、硝酸カドミウム、塩化カドミ
ウム、過塩素酸カドミウムなどのCd元素含有化合物、
セレン単体、セレン酸、亜セレン酸、セレン酸アンモニ
ウム、セレノ尿素などのSe元素含有化合物、イオウ単
体、チオシアン酸アンモニウム、チオ尿素、硫酸、硫酸
アンモニウムなどのS元素含有化合物、セレン酸カドミ
ウムなどのCd,Se元素含有化合物、硫酸カドミウム
などのCd,S元素含有化合物などが挙げられる。
【0012】またCd,S,Se元素の少なくとも1種
を含有する化合物を溶解するための酸としては硝酸、過
塩素酸などの無機酸が挙げられ、また溶媒としては水、
有機溶媒(アルコール類など)が挙げられる。
を含有する化合物を溶解するための酸としては硝酸、過
塩素酸などの無機酸が挙げられ、また溶媒としては水、
有機溶媒(アルコール類など)が挙げられる。
【0013】Cd,S,Se元素の少なくとも1種を含
有する化合物は、酸性溶液中で互いに反応して、Cd,
S,Se元素が均一に分散した反応系を形成する。例え
ば出発原料としてセレン酸カドミウムとチオシアン酸ア
ンモニウムとを用い、これらを濃硝酸に溶解した場合に
は、チオシアン酸アンモニウムは濃硝酸によってSe
(NH2 )2 になり、セレン酸カドミウムと反応し、錯
体Cd[Se(NH2 )2 ]n SeO4 を形成する。
有する化合物は、酸性溶液中で互いに反応して、Cd,
S,Se元素が均一に分散した反応系を形成する。例え
ば出発原料としてセレン酸カドミウムとチオシアン酸ア
ンモニウムとを用い、これらを濃硝酸に溶解した場合に
は、チオシアン酸アンモニウムは濃硝酸によってSe
(NH2 )2 になり、セレン酸カドミウムと反応し、錯
体Cd[Se(NH2 )2 ]n SeO4 を形成する。
【0014】本発明の好ましい態様によれば、上記C
d,Se,S元素含有酸性溶液(A) にアンモニア水等の
pH調整剤を加えてpHを調製することにより、酸性溶
液(A)中のSeとSとの割合を適宜コントロールするこ
とができる。すなわち、pHを低くすると、Seが系外
に出てしまい、最終的に得られるCdSx Se(1-x) 半
導体微粒子におけるSの割合xが相対的に大きく、Se
の割合(1−x)が相対的に小さくなる。また逆にpH
を高くすると、Seが系内に残り易いので、CdSx S
e(1-x) 微粒子におけるSの割合が相対的に小さく、S
eの割合が相対的に大きくなる。例えば、濃硝酸40g
と水30gの酸性溶液にセレン酸カドミウム(CdSe
O4 )とチオシアン酸アンモニウム(NH4 SCN)を
溶解させると、チオシアン酸アンモニウムがSC(NH
2 )2 に変化し、CdSeO4 との間に錯体Cd[SC
(NH2 )2 ]n ・SeO4 が形成される。この錯体の
nの値は1〜3の範囲で、錯体中のSの比率が、Seの
それより高くなる。錯体形成に関与しないSe分はゲル
化の際に系外に出てしまい、最終的にもSの割合が大き
くなる。
d,Se,S元素含有酸性溶液(A) にアンモニア水等の
pH調整剤を加えてpHを調製することにより、酸性溶
液(A)中のSeとSとの割合を適宜コントロールするこ
とができる。すなわち、pHを低くすると、Seが系外
に出てしまい、最終的に得られるCdSx Se(1-x) 半
導体微粒子におけるSの割合xが相対的に大きく、Se
の割合(1−x)が相対的に小さくなる。また逆にpH
を高くすると、Seが系内に残り易いので、CdSx S
e(1-x) 微粒子におけるSの割合が相対的に小さく、S
eの割合が相対的に大きくなる。例えば、濃硝酸40g
と水30gの酸性溶液にセレン酸カドミウム(CdSe
O4 )とチオシアン酸アンモニウム(NH4 SCN)を
溶解させると、チオシアン酸アンモニウムがSC(NH
2 )2 に変化し、CdSeO4 との間に錯体Cd[SC
(NH2 )2 ]n ・SeO4 が形成される。この錯体の
nの値は1〜3の範囲で、錯体中のSの比率が、Seの
それより高くなる。錯体形成に関与しないSe分はゲル
化の際に系外に出てしまい、最終的にもSの割合が大き
くなる。
【0015】一方、アンモニア水等で溶液のpHを高く
するとNH4 SCNはSC(NH2)2 にならず、Cd
SeO4 との間に錯体を形成することはない。それ故、
ゲル化の際に調合成分の全てが系外に分離されることな
く、ゲル中に含まれることになるので、Se比率が高く
なる。
するとNH4 SCNはSC(NH2)2 にならず、Cd
SeO4 との間に錯体を形成することはない。それ故、
ゲル化の際に調合成分の全てが系外に分離されることな
く、ゲル中に含まれることになるので、Se比率が高く
なる。
【0016】本発明においては、上記Cd,S,Se元
素含有酸性溶液(A) に、最終的にガラスとなる化合物成
分(B) を混合するが、この最終的にガラスとなる化合物
成分(B) としては、ガラス構成金属を有するアルコキシ
ド類またはそれらの加水分解物が用いられる。すなわ
ち、例えば得ようとするガラスがシリカ単成分系ガラス
の場合、ケイ素テトラアルコキシド(テトラアルコキシ
シラン)、その部分または完全加水分解物が用いられ
る。また得ようとするガラスが多成分系ガラスの場合に
は、その成分に応じてケイ素、ホウ素、ジルコニウム、
チタニウム、アルミニウム等のアルコキシド類またはそ
れらの部分または完全加水分解物が用いられる。最終的
にガラスとなる化合物成分(B) として、ガラス構成金属
の硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩などの無機塩
や、酢酸塩などの有機塩を用いてもよい。またガラス構
成金属酸化物それ自体も部分的に用いることができる。
素含有酸性溶液(A) に、最終的にガラスとなる化合物成
分(B) を混合するが、この最終的にガラスとなる化合物
成分(B) としては、ガラス構成金属を有するアルコキシ
ド類またはそれらの加水分解物が用いられる。すなわ
ち、例えば得ようとするガラスがシリカ単成分系ガラス
の場合、ケイ素テトラアルコキシド(テトラアルコキシ
シラン)、その部分または完全加水分解物が用いられ
る。また得ようとするガラスが多成分系ガラスの場合に
は、その成分に応じてケイ素、ホウ素、ジルコニウム、
チタニウム、アルミニウム等のアルコキシド類またはそ
れらの部分または完全加水分解物が用いられる。最終的
にガラスとなる化合物成分(B) として、ガラス構成金属
の硝酸塩、炭酸塩、リン酸塩、ホウ酸塩などの無機塩
や、酢酸塩などの有機塩を用いてもよい。またガラス構
成金属酸化物それ自体も部分的に用いることができる。
【0017】本発明においては、上記Cd,Se,S元
素含有酸性溶液(A) とガラス形成化合物成分(B) との混
合物をゲル化・乾燥させてゲル固化体を得る。このゲル
化・乾燥処理は、以下のようにして行なわれる。すなわ
ち、溶液(A) と成分(B) との混合物を撹拌してゾル溶液
を作製した後、ポリメチルペンテンやポリプロピレンな
どの容器に移し放置する。この放置によりゾル溶液中の
ガラス形成化合物成分(B) が加水分解、重合反応を行な
いゲル化し、注意深く乾燥することにより過剰の水や有
機溶媒が揮発してCd,S,Se元素を含むゲル固化体
が得られる。
素含有酸性溶液(A) とガラス形成化合物成分(B) との混
合物をゲル化・乾燥させてゲル固化体を得る。このゲル
化・乾燥処理は、以下のようにして行なわれる。すなわ
ち、溶液(A) と成分(B) との混合物を撹拌してゾル溶液
を作製した後、ポリメチルペンテンやポリプロピレンな
どの容器に移し放置する。この放置によりゾル溶液中の
ガラス形成化合物成分(B) が加水分解、重合反応を行な
いゲル化し、注意深く乾燥することにより過剰の水や有
機溶媒が揮発してCd,S,Se元素を含むゲル固化体
が得られる。
【0018】本発明においては、得られたゲル固化体を
還元雰囲気内で熱処理することにより、ガラスマトリッ
クス中にCdSx Se(1-x) 半導体微結晶が分散した、
目的とする半導体微結晶含有ガラスを得ることができ
る。還元雰囲気内での熱処理は、例えば水素ガスと不活
性ガス(窒素ガス、ヘリウムガスなど)の混合ガス中に
ゲル固化体を置き、例えば300〜1100℃の温度で
1〜10時間加熱することにより行なわれる。この熱処
理によりゲル固化体がガラス化するとともにCdSx S
e(1-x) 微結晶がガラス内に析出する。上記熱処理にお
いて、加熱温度が300℃未満であると有機物、CN
基、NH2 基などの離脱・分解が生ぜずガラス化が不十
分となり、CdSx Se(1-x) 微結晶も析出しにくく、
また1100℃を超えると、Sの割合xが低くなり、場
合によってはマトリックスであるガラス自身の結晶化が
起る可能性があるので、加熱温度は上述のように300
〜1100℃とするのが好ましい。また上記熱処理にお
いて、加熱時間は1時間未満であるとガラス化およびC
dSx Se(1-x) 半導体微結晶の析出が不十分となる。
一方、あまりに長時間の加熱は意味がなく、例えば10
時間を超えて加熱しても最早変化は認められなかった。
還元雰囲気内で熱処理することにより、ガラスマトリッ
クス中にCdSx Se(1-x) 半導体微結晶が分散した、
目的とする半導体微結晶含有ガラスを得ることができ
る。還元雰囲気内での熱処理は、例えば水素ガスと不活
性ガス(窒素ガス、ヘリウムガスなど)の混合ガス中に
ゲル固化体を置き、例えば300〜1100℃の温度で
1〜10時間加熱することにより行なわれる。この熱処
理によりゲル固化体がガラス化するとともにCdSx S
e(1-x) 微結晶がガラス内に析出する。上記熱処理にお
いて、加熱温度が300℃未満であると有機物、CN
基、NH2 基などの離脱・分解が生ぜずガラス化が不十
分となり、CdSx Se(1-x) 微結晶も析出しにくく、
また1100℃を超えると、Sの割合xが低くなり、場
合によってはマトリックスであるガラス自身の結晶化が
起る可能性があるので、加熱温度は上述のように300
〜1100℃とするのが好ましい。また上記熱処理にお
いて、加熱時間は1時間未満であるとガラス化およびC
dSx Se(1-x) 半導体微結晶の析出が不十分となる。
一方、あまりに長時間の加熱は意味がなく、例えば10
時間を超えて加熱しても最早変化は認められなかった。
【0019】本発明の好ましい態様によれば、熱処理条
件を適宜変化させることにより、CdSx Se(1-x) 半
導体微結晶におけるSの割合xとSeの割合(1−x)
を適宜変動させることができる。この点を詳述すると、
酸性溶液(pH約2)の条件下で調合し、錯体形成を行
なって得られたゲルを加熱したときのCdSx Se(1
-x) のxの値は、400℃で2時間,5時間及び10時
間加熱したとき、それぞれ順にx=0.52,0.49
及び0.40となり時間が長くなるにつれてxの値は小
さくなった。また400℃,500℃で2時間加熱した
ときはそれぞれx=0.52,0.29となった。
件を適宜変化させることにより、CdSx Se(1-x) 半
導体微結晶におけるSの割合xとSeの割合(1−x)
を適宜変動させることができる。この点を詳述すると、
酸性溶液(pH約2)の条件下で調合し、錯体形成を行
なって得られたゲルを加熱したときのCdSx Se(1
-x) のxの値は、400℃で2時間,5時間及び10時
間加熱したとき、それぞれ順にx=0.52,0.49
及び0.40となり時間が長くなるにつれてxの値は小
さくなった。また400℃,500℃で2時間加熱した
ときはそれぞれx=0.52,0.29となった。
【0020】結晶の大きさについては、熱処理条件を変
えてもそれほど大きく変化しなかった。ただpHの値が
大きいほど小さくなる傾向があるが、むしろCdSx S
e(1 -x) の量に強く依存し、その量が多くなると結晶径
も大きくなる傾向がある。本発明により得られる半導体
微結晶の好ましい粒子径は20〜100オングストロー
ムである。
えてもそれほど大きく変化しなかった。ただpHの値が
大きいほど小さくなる傾向があるが、むしろCdSx S
e(1 -x) の量に強く依存し、その量が多くなると結晶径
も大きくなる傾向がある。本発明により得られる半導体
微結晶の好ましい粒子径は20〜100オングストロー
ムである。
【0021】
【実施例】以下実施例により本発明を更に説明する。 実施例1 セレン酸カドミウム(CdSeO4 )3.8gを濃硝酸
(HNO3 )40.0gと水(H2 O)30.0gの混
合液に加え、室温で撹拌して溶解させた後、チオシアン
酸アンモニウム(NH4 SCN)0.6gを加えてC
d、SおよびSe元素を含む酸性溶液を作製した。この
溶液のpHを測定したところ、pH=2であった。この
溶液にテトラエトキシシラン(Si(OC2 H5 )4 )
177.0gを撹拌しながら加え、1時間撹拌してゾル
溶液を作製した。
(HNO3 )40.0gと水(H2 O)30.0gの混
合液に加え、室温で撹拌して溶解させた後、チオシアン
酸アンモニウム(NH4 SCN)0.6gを加えてC
d、SおよびSe元素を含む酸性溶液を作製した。この
溶液のpHを測定したところ、pH=2であった。この
溶液にテトラエトキシシラン(Si(OC2 H5 )4 )
177.0gを撹拌しながら加え、1時間撹拌してゾル
溶液を作製した。
【0022】得られたゾル溶液は、ポリメチルペンテン
やポリプロピレンなどの容器に移し放置した。ゾル溶液
は、加水分解と重合反応が進行するとともにゲル化し、
注意深く乾燥することにより余分の水や有機溶媒が揮発
して、Cd、Se、Sを含むゲル固化体となった。
やポリプロピレンなどの容器に移し放置した。ゾル溶液
は、加水分解と重合反応が進行するとともにゲル化し、
注意深く乾燥することにより余分の水や有機溶媒が揮発
して、Cd、Se、Sを含むゲル固化体となった。
【0023】得られたゲル固化体を電気管状炉に入れ、
水素、窒素混合ガス(H2 :N2 =3:97)を流しな
がら、500℃で2時間加熱することによって、CdS
x Se(1-x) 半導体微結晶を析出させたガラスを製造し
た。
水素、窒素混合ガス(H2 :N2 =3:97)を流しな
がら、500℃で2時間加熱することによって、CdS
x Se(1-x) 半導体微結晶を析出させたガラスを製造し
た。
【0024】この半導体含有ガラスの組成は、10.0
重量%のCdSx Se(1-x) を含むシリカ(SiO2 )
ガラスであり、試料のX線回折によって六方晶系のCd
SxSe(1-x) 結晶のみが認められ、他の結晶物の存在
は認められなかった。更に、CdSx Se(1-x) 結晶の
Sの割合x、結晶の大きさ、エネルギーギャップ値を求
めた。CdSx Se(1-x) 結晶のSの割合xは、X線回
折測定の格子定数およびラマン分光スペクトルから求め
たところ、共にx=0.29であった。結晶の大きさを
X線回折のピーク幅(シェラー(Scherrer)の
式を用いる)と透過型電子顕微鏡を使用して求めたとこ
ろ、その値は、共に63オングストローム(平均)であ
った。また、可視紫外吸収スペクトルから求めたエネル
ギーギャップ値(Eg)は1.79eVであった。
重量%のCdSx Se(1-x) を含むシリカ(SiO2 )
ガラスであり、試料のX線回折によって六方晶系のCd
SxSe(1-x) 結晶のみが認められ、他の結晶物の存在
は認められなかった。更に、CdSx Se(1-x) 結晶の
Sの割合x、結晶の大きさ、エネルギーギャップ値を求
めた。CdSx Se(1-x) 結晶のSの割合xは、X線回
折測定の格子定数およびラマン分光スペクトルから求め
たところ、共にx=0.29であった。結晶の大きさを
X線回折のピーク幅(シェラー(Scherrer)の
式を用いる)と透過型電子顕微鏡を使用して求めたとこ
ろ、その値は、共に63オングストローム(平均)であ
った。また、可視紫外吸収スペクトルから求めたエネル
ギーギャップ値(Eg)は1.79eVであった。
【0025】実施例2〜10 CdSx Se(1-x) の含有量および/まは加熱条件を変
えた以外は実施例1と同様にしてCdSx Se(1-x) 半
導体微結晶含有ガラスを作製した。結果を実施例1の結
果と共に表1に示す。
えた以外は実施例1と同様にしてCdSx Se(1-x) 半
導体微結晶含有ガラスを作製した。結果を実施例1の結
果と共に表1に示す。
【0026】
【表1】 表1より、CdSx Se(1-x) の含有量および/または
加熱条件(温度と時間)を適宜変動させることにより、
CdSx Se(1-x) 半導体微結晶中のSの割合x(換言
すればSeの割合(1−x))および粒子径を適宜変化
させることができることが明らかとなった。また、エネ
ルギーギャップ値(Eg)は1.79〜1.90eVの
範囲であり、優れた値を示した。
加熱条件(温度と時間)を適宜変動させることにより、
CdSx Se(1-x) 半導体微結晶中のSの割合x(換言
すればSeの割合(1−x))および粒子径を適宜変化
させることができることが明らかとなった。また、エネ
ルギーギャップ値(Eg)は1.79〜1.90eVの
範囲であり、優れた値を示した。
【0027】実施例11〜13 実施例1と同様の手順で作製したCd,SeおよびS元
素を含む酸性溶液へアンモニア水(NH4 OH)を加え
てpHを5.3に調整した他は、実施例1と同様にして
CdSx Se(1-x) 半導体微結晶含有ガラスを作製し
た。結果を表2に示す。
素を含む酸性溶液へアンモニア水(NH4 OH)を加え
てpHを5.3に調整した他は、実施例1と同様にして
CdSx Se(1-x) 半導体微結晶含有ガラスを作製し
た。結果を表2に示す。
【0028】
【表2】 表2より、酸性溶液のpHを上昇させることにより、C
dSx Se(1-x) 半導体微結晶中のSの割合xを少なく
し、Seの割合(1−x)を多くすることが可能となる
ことが判明した。またエネルギーギャップ値(Eg)は
1.79〜1.82eVの範囲であり、優れた値を示し
た。
dSx Se(1-x) 半導体微結晶中のSの割合xを少なく
し、Seの割合(1−x)を多くすることが可能となる
ことが判明した。またエネルギーギャップ値(Eg)は
1.79〜1.82eVの範囲であり、優れた値を示し
た。
【0029】実施例14、15 酢酸カドミウム2水塩(Cd(CH3 COO)2 ・2H
2 O)、セレン(Se)粉末、チオ尿素(SC(N
H2 )2 )を原料にしてCd,SおよびSe元素を含む
酸性溶液を作製した。この溶液のpHを測定したとこ
ろ、pH=1.5であった。この酸性溶液を用いて実施
例1と同様にしてCdSx Se(1-x) 半導体微結晶含有
ガラスを作製した。結果を表3に示す。
2 O)、セレン(Se)粉末、チオ尿素(SC(N
H2 )2 )を原料にしてCd,SおよびSe元素を含む
酸性溶液を作製した。この溶液のpHを測定したとこ
ろ、pH=1.5であった。この酸性溶液を用いて実施
例1と同様にしてCdSx Se(1-x) 半導体微結晶含有
ガラスを作製した。結果を表3に示す。
【0030】
【表3】 表3より、酸性溶液中のCd,S,Se元素の給源とし
て、実施例1〜10で用いたものと異なる化合物(酢酸
カドミウム2水塩、セレン粉末、チオ尿素)を用いた場
合にもエネルギーギャップ値(Eg)が1.94〜1.
98の高値を示すCdSx Se(1-x) 半導体微結晶含有
ガラスが得られることが明らかである。
て、実施例1〜10で用いたものと異なる化合物(酢酸
カドミウム2水塩、セレン粉末、チオ尿素)を用いた場
合にもエネルギーギャップ値(Eg)が1.94〜1.
98の高値を示すCdSx Se(1-x) 半導体微結晶含有
ガラスが得られることが明らかである。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
優れた非線形光学特性を有するCdSx Se(1-x) 半導
体微結晶含有ガラスを得ることができる。
優れた非線形光学特性を有するCdSx Se(1-x) 半導
体微結晶含有ガラスを得ることができる。
Claims (6)
- 【請求項1】 Cd,SおよびSe元素を含有する酸性
溶液と、最終的にガラスとなる化合物成分とを混合した
後、ゲル化・乾燥させてゲル固化体を得て、該ゲル固化
体を還元雰囲気内で熱処理してガラスマトリックス中に
CdSx Se(1-x) (但し、0<x<1である)半導体
微結晶を析出させることを特徴とするCdSx Se
(1-x) 半導体微結晶含有ガラスの製造方法。 - 【請求項2】 酸性溶液のpHを調製してCdSx Se
(1-x) 半導体微結晶のSとSeの割合を制御することを
特徴とする、請求項1に記載の方法。 - 【請求項3】 熱処理条件を変化させてCdSx Se
(1-x) 半導体微結晶のSとSeの割合を変化させること
を特徴とする、請求項1に記載の方法。 - 【請求項4】 前記酸性溶液中のCd元素の給源とし
て、カドミウム単体、酢酸カドミウム、硝酸カドミウ
ム、塩化カドミウム、過塩素酸カドミウム、セレン酸カ
ドミウム又は硫酸カドミウムを用いることを特徴とす
る、請求項1に記載の方法。 - 【請求項5】 前記酸性溶液中のS元素の給源として、
イオウ単体、チオシアン酸アンモニウム、チオ尿素、硫
酸、硫酸アンモニウム又は硫酸カドミウムを用いること
を特徴とする、請求項1に記載の方法。 - 【請求項6】 前記酸性溶液中のSe元素の給源とし
て、セレン単体、セレン酸、亜セレン酸、セレン酸アン
モニウム、セレノ尿素又はセレン酸カドミウムを用いる
請求項1に記載の方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6873193A JP2742366B2 (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | CdSxSe(1−x)半導体微結晶含有ガラスの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP6873193A JP2742366B2 (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | CdSxSe(1−x)半導体微結晶含有ガラスの製造方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH06279053A JPH06279053A (ja) | 1994-10-04 |
| JP2742366B2 true JP2742366B2 (ja) | 1998-04-22 |
Family
ID=13382235
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP6873193A Expired - Lifetime JP2742366B2 (ja) | 1993-03-26 | 1993-03-26 | CdSxSe(1−x)半導体微結晶含有ガラスの製造方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2742366B2 (ja) |
-
1993
- 1993-03-26 JP JP6873193A patent/JP2742366B2/ja not_active Expired - Lifetime
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH06279053A (ja) | 1994-10-04 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 19980113 |