JP2743783B2 - 耐火物損耗量の測定方法 - Google Patents
耐火物損耗量の測定方法Info
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- JP2743783B2 JP2743783B2 JP5192318A JP19231893A JP2743783B2 JP 2743783 B2 JP2743783 B2 JP 2743783B2 JP 5192318 A JP5192318 A JP 5192318A JP 19231893 A JP19231893 A JP 19231893A JP 2743783 B2 JP2743783 B2 JP 2743783B2
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Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、溶融金属精錬炉または
溶融金属保持容器内に溶融金属が滞留している場合にス
ラグ及び/又は溶融金属による耐火物の損耗速度の測定
に関する。
溶融金属保持容器内に溶融金属が滞留している場合にス
ラグ及び/又は溶融金属による耐火物の損耗速度の測定
に関する。
【0002】
【従来の技術】炉体及び保持容器の損耗速度を測定する
方法として以下の方法がある。 (1)レーザーによる炉体測定(AGA) 実公昭60−27924号公報には、レーザー光を用い
た炉体測定により処理又は精錬ごとの残存煉瓦寸法を求
め、これに基づき耐火物の損耗速度を求めるAGA装置
が開示されている。 (2)炉体解体調査 炉体を使用した後に残存煉瓦寸法を調査し、これと使用
開始前の煉瓦寸法との差から煉瓦の損耗速度を求める。
方法として以下の方法がある。 (1)レーザーによる炉体測定(AGA) 実公昭60−27924号公報には、レーザー光を用い
た炉体測定により処理又は精錬ごとの残存煉瓦寸法を求
め、これに基づき耐火物の損耗速度を求めるAGA装置
が開示されている。 (2)炉体解体調査 炉体を使用した後に残存煉瓦寸法を調査し、これと使用
開始前の煉瓦寸法との差から煉瓦の損耗速度を求める。
【0003】また、煉瓦の損耗速度を測定する方法とし
ては、実炉ではなく下記の模擬試験を用いた実験室的検
討によっている。 (3)スラグ侵食試験 煉瓦、耐火物の損耗速度を知る方法として、回転式スラ
グ侵食試験炉、高周波誘導炉による煉瓦、耐火物張り分
け試験がある。回転式スラグ侵食試験炉は円筒ドラムの
中に試験煉瓦、あるいは耐火物を内張りとして張り分
け、このドラムの中でバーナーあるいは電極により加熱
し、スラグを溶融させ、スラグと煉瓦、あるいは耐火物
の反応による侵食の度合いを調べる。また、高周波誘導
炉による試験は、誘導炉の内張りを試験煉瓦あるいは耐
火物により張り分け金属及びスラグを溶解し、スラグ、
溶融金属、スラグ−溶融金属界面の煉瓦の耐火物損耗を
調べる。
ては、実炉ではなく下記の模擬試験を用いた実験室的検
討によっている。 (3)スラグ侵食試験 煉瓦、耐火物の損耗速度を知る方法として、回転式スラ
グ侵食試験炉、高周波誘導炉による煉瓦、耐火物張り分
け試験がある。回転式スラグ侵食試験炉は円筒ドラムの
中に試験煉瓦、あるいは耐火物を内張りとして張り分
け、このドラムの中でバーナーあるいは電極により加熱
し、スラグを溶融させ、スラグと煉瓦、あるいは耐火物
の反応による侵食の度合いを調べる。また、高周波誘導
炉による試験は、誘導炉の内張りを試験煉瓦あるいは耐
火物により張り分け金属及びスラグを溶解し、スラグ、
溶融金属、スラグ−溶融金属界面の煉瓦の耐火物損耗を
調べる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながらAGA装
置においては、煉瓦表面に付着したスラグの厚みを煉瓦
厚みとともに測定してしまうので、煉瓦のみの損耗速度
を正確に測定することができない。また、AGA装置に
よれば基準点の設定で誤差を生じやすいのでミリメート
ル単位の測定は不可能である。
置においては、煉瓦表面に付着したスラグの厚みを煉瓦
厚みとともに測定してしまうので、煉瓦のみの損耗速度
を正確に測定することができない。また、AGA装置に
よれば基準点の設定で誤差を生じやすいのでミリメート
ル単位の測定は不可能である。
【0005】また、炉体解体調査法においては、炉代を
通しての平均損耗量および平均損耗速度は求まるが、処
理ごとの温度、スラグ組成、吹錬条件等の製鋼条件にお
ける損耗速度を知ることはできない。
通しての平均損耗量および平均損耗速度は求まるが、処
理ごとの温度、スラグ組成、吹錬条件等の製鋼条件にお
ける損耗速度を知ることはできない。
【0006】さらに、模擬試験法においては処理雰囲
気、スラグ成分、スラグ量、溶鉄量、攪拌条件などが一
定範囲に限られることから実炉又は溶融金属保持容器内
の損傷環境を正確にシュミレートしているとはいえな
い。このため、これら実験室的検討から直ちに実炉での
損耗速度を求めることはできない。
気、スラグ成分、スラグ量、溶鉄量、攪拌条件などが一
定範囲に限られることから実炉又は溶融金属保持容器内
の損傷環境を正確にシュミレートしているとはいえな
い。このため、これら実験室的検討から直ちに実炉での
損耗速度を求めることはできない。
【0007】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
であり、実炉でのチャージ間、及び種々の精錬条件、す
なわち温度、温度変化、スラグ成分、溶融物の成分変
化、攪拌強度等の差による損耗量の変化などを的確に把
握し、これを実炉の耐火物の損耗速度管理に用いること
ができる耐火物損耗量の測定方法を提供することを目的
とする。
であり、実炉でのチャージ間、及び種々の精錬条件、す
なわち温度、温度変化、スラグ成分、溶融物の成分変
化、攪拌強度等の差による損耗量の変化などを的確に把
握し、これを実炉の耐火物の損耗速度管理に用いること
ができる耐火物損耗量の測定方法を提供することを目的
とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】発明者らは、実炉内、又
は溶融金属保持容器内に煉瓦を投入し、回収後損耗速度
を測定することを実現するために障害となる点を種々検
討した結果、下記(イ)乃至(ニ)の知見を得た。 (イ)煉瓦、耐火物を炉内に投入するときに生じる熱ス
ポールにより投入した煉瓦に割れが発生し、所定の煉瓦
の形状を保つことができない。 (ロ)投入した煉瓦、耐火物が晒される環境は、炉体に
内張りされている煉瓦より厳しく、完全に損耗して、消
滅してしまう懸念がある。 (ハ)投入した煉瓦、耐火物は1200℃〜1600℃
のスラグ中に入り、この煉瓦、耐火物を回収すること
は、極めて高温であるという温度の面から、一般的には
容易ではなく、危険を伴う作業である。 (ニ)多量の溶融スラグ中で小さな煉瓦を探し出すこと
自体容易ではない。
は溶融金属保持容器内に煉瓦を投入し、回収後損耗速度
を測定することを実現するために障害となる点を種々検
討した結果、下記(イ)乃至(ニ)の知見を得た。 (イ)煉瓦、耐火物を炉内に投入するときに生じる熱ス
ポールにより投入した煉瓦に割れが発生し、所定の煉瓦
の形状を保つことができない。 (ロ)投入した煉瓦、耐火物が晒される環境は、炉体に
内張りされている煉瓦より厳しく、完全に損耗して、消
滅してしまう懸念がある。 (ハ)投入した煉瓦、耐火物は1200℃〜1600℃
のスラグ中に入り、この煉瓦、耐火物を回収すること
は、極めて高温であるという温度の面から、一般的には
容易ではなく、危険を伴う作業である。 (ニ)多量の溶融スラグ中で小さな煉瓦を探し出すこと
自体容易ではない。
【0009】これらの知見に基づき発明者らは鋭意研究
を進めた結果、煉瓦の投入という簡易な操作によって炉
内耐火物の損耗速度を容易に知る方法を見出だした。以
下、炉または保持容器内に投入される煉瓦及び形状を有
する耐火物を総称して「成形耐火物」と記す。
を進めた結果、煉瓦の投入という簡易な操作によって炉
内耐火物の損耗速度を容易に知る方法を見出だした。以
下、炉または保持容器内に投入される煉瓦及び形状を有
する耐火物を総称して「成形耐火物」と記す。
【0010】本発明に係る耐火物損耗量の測定方法は、
成形耐火物に含まれるバインダーの揮発分、自由水、あ
るいは結晶水を除く工程と、成形耐火物の初期寸法を測
定する工程と、金属製造プロセスにおける溶融金属精錬
炉または溶融金属保持容器に収容された溶融物中に前記
成形耐火物を投入する工程と、投入した成形耐火物を前
記溶融物中から回収する工程と、回収した成形耐火物の
寸法を測定する工程と、この測定寸法と前記初期寸法と
に基づき成形耐火物の損耗量を算出する工程と、を有す
ることを特徴とする。スラグライン近傍の耐火物は溶融
スラグ及び溶鋼から複雑な損傷を受けるため、実験室内
の模擬試験だけでは実炉の耐火物損耗挙動を推定するの
は困難である。そこで、本発明では上記の揮発分除去工
程、初期寸法測定工程、投入工程、回収工程、損耗量算
出工程を実炉操業たびに実施することにより、実炉にお
ける耐火物の損耗量を的確に把握することができるよう
にしている。とくに、成形耐火物中に含まれるバインダ
ーの揮発分や水分を投入前に予め成形耐火物から除去し
ておくことにより、投入後に成形耐火物が溶融物中で部
分欠損したり全壊したりすることが防止され、本来の測
定目的である溶損による耐火物の損耗量を高精度に測定
することができ、かつ、成形耐火物を溶融物中から確実
に回収することができる。
成形耐火物に含まれるバインダーの揮発分、自由水、あ
るいは結晶水を除く工程と、成形耐火物の初期寸法を測
定する工程と、金属製造プロセスにおける溶融金属精錬
炉または溶融金属保持容器に収容された溶融物中に前記
成形耐火物を投入する工程と、投入した成形耐火物を前
記溶融物中から回収する工程と、回収した成形耐火物の
寸法を測定する工程と、この測定寸法と前記初期寸法と
に基づき成形耐火物の損耗量を算出する工程と、を有す
ることを特徴とする。スラグライン近傍の耐火物は溶融
スラグ及び溶鋼から複雑な損傷を受けるため、実験室内
の模擬試験だけでは実炉の耐火物損耗挙動を推定するの
は困難である。そこで、本発明では上記の揮発分除去工
程、初期寸法測定工程、投入工程、回収工程、損耗量算
出工程を実炉操業たびに実施することにより、実炉にお
ける耐火物の損耗量を的確に把握することができるよう
にしている。とくに、成形耐火物中に含まれるバインダ
ーの揮発分や水分を投入前に予め成形耐火物から除去し
ておくことにより、投入後に成形耐火物が溶融物中で部
分欠損したり全壊したりすることが防止され、本来の測
定目的である溶損による耐火物の損耗量を高精度に測定
することができ、かつ、成形耐火物を溶融物中から確実
に回収することができる。
【0011】 1cm3 <V<90000cm3 …(1) ただし、Vは成形耐火物の体積[cm3 ]を示す。体積
Vが90000cm3 を上回ると、成形耐火物内部に発
生する熱応力が過大になり、スポーリングによって成形
耐火物に亀裂が生じる。ところで、成形耐火物の耐スポ
ール性を改善し、かつ体積Vを90000cm3 より大
きくすると、耐火物の熱容量が大きくなりすぎ、投入直
後に周囲のスラグや溶融金属から熱を奪って耐火物表面
に固化したスラグや金属の膜が形成されるので、これら
の固化スラグ等が直ちに溶解しない場合には、耐火物損
耗量を正確に測定することができない。一方、体積Vが
1cm3 を下回ると、成形耐火物は構造体としての耐火
物組織を維持することができなくなる。
Vが90000cm3 を上回ると、成形耐火物内部に発
生する熱応力が過大になり、スポーリングによって成形
耐火物に亀裂が生じる。ところで、成形耐火物の耐スポ
ール性を改善し、かつ体積Vを90000cm3 より大
きくすると、耐火物の熱容量が大きくなりすぎ、投入直
後に周囲のスラグや溶融金属から熱を奪って耐火物表面
に固化したスラグや金属の膜が形成されるので、これら
の固化スラグ等が直ちに溶解しない場合には、耐火物損
耗量を正確に測定することができない。一方、体積Vが
1cm3 を下回ると、成形耐火物は構造体としての耐火
物組織を維持することができなくなる。
【0012】さらに、成形耐火物の最大外径Lは、通常
の内張り耐火物がおかれる環境を維持するために、次の
不等式(2)を満たすことが必要である。 (1/400)D<L<(1/3)D …(2) ただし、Lは成形耐火物の最大外径[cm]を示し、D
は炉又は保持容器の最小径あるいは距離[cm]を示
す。
の内張り耐火物がおかれる環境を維持するために、次の
不等式(2)を満たすことが必要である。 (1/400)D<L<(1/3)D …(2) ただし、Lは成形耐火物の最大外径[cm]を示し、D
は炉又は保持容器の最小径あるいは距離[cm]を示
す。
【0013】ここで、投入する成形耐火物の最大外径L
が(1/3)Dより大きくなると、精錬炉の場合では精
錬を阻害してしまうか、あるいは内張り耐火物がおかれ
る環境とは異なってしまう。一方、成形耐火物の最大外
径Lが(1/400)Dより小さくなると、成形耐火物
の回収が難しくなる。 [平面研削]少なくとも一つ以上の面と向きあう平行面
を平面研削することにより、成形耐火物の損耗量の測定
を容易にすることができる。また、成形耐火物表面のミ
クロ的な損耗速度を調べるためには、少なくとも一つ以
上の面を研削し、顕微鏡観察によって耐火物組織の骨材
及びマトリックスの損耗速度を求めることが可能であ
る。 [成形耐火物の特定及び製造時の方向性の特定方法]成
形耐火物を材質ごとにあるいは耐火物の前処理ごとに特
定するために次の(1) 〜(4) の方法が有効である。 (1) 成形耐火物の特定の方向の長さをある間隔に変える
ことにより、成形耐火物を材質ごとにあるいは前処理ご
とに特定することができる。例えば最大長さが400m
mの成形耐火物を特定するために、380mm、390
mm、400mmというように10mmずつ長さを変え
る。 (2) また、直方体形状の成形耐火物の端(コーナー部)
を斜めに角度を変えて切断することにより、同様に成形
耐火物を特定することができる。 (3) マグカーボン耐火物においては、一般に耐火物中の
鱗片状のグラファイトの配向方向により、耐火物面の損
耗速度が異なる傾向がある。このグラファイトの配向方
向は耐火物を製造する時の成形(加圧)方向によるもの
であり、このようなグラファイトの配向をもつマグカー
ボン耐火物の面を特定するには以下の方法が考えられ
る。
が(1/3)Dより大きくなると、精錬炉の場合では精
錬を阻害してしまうか、あるいは内張り耐火物がおかれ
る環境とは異なってしまう。一方、成形耐火物の最大外
径Lが(1/400)Dより小さくなると、成形耐火物
の回収が難しくなる。 [平面研削]少なくとも一つ以上の面と向きあう平行面
を平面研削することにより、成形耐火物の損耗量の測定
を容易にすることができる。また、成形耐火物表面のミ
クロ的な損耗速度を調べるためには、少なくとも一つ以
上の面を研削し、顕微鏡観察によって耐火物組織の骨材
及びマトリックスの損耗速度を求めることが可能であ
る。 [成形耐火物の特定及び製造時の方向性の特定方法]成
形耐火物を材質ごとにあるいは耐火物の前処理ごとに特
定するために次の(1) 〜(4) の方法が有効である。 (1) 成形耐火物の特定の方向の長さをある間隔に変える
ことにより、成形耐火物を材質ごとにあるいは前処理ご
とに特定することができる。例えば最大長さが400m
mの成形耐火物を特定するために、380mm、390
mm、400mmというように10mmずつ長さを変え
る。 (2) また、直方体形状の成形耐火物の端(コーナー部)
を斜めに角度を変えて切断することにより、同様に成形
耐火物を特定することができる。 (3) マグカーボン耐火物においては、一般に耐火物中の
鱗片状のグラファイトの配向方向により、耐火物面の損
耗速度が異なる傾向がある。このグラファイトの配向方
向は耐火物を製造する時の成形(加圧)方向によるもの
であり、このようなグラファイトの配向をもつマグカー
ボン耐火物の面を特定するには以下の方法が考えられ
る。
【0014】直方体形状の成形耐火物の各辺(a,b,
c)を次式(3)のように規定し、それぞれの面を特定
することにより、成形時における加圧面を特定する。 a<b<c …(3) なお、これらの辺の長さを変えることによっても、回収
後においても成形耐火物の材質、熱処理ごとの履歴を特
定することができる。 (4) さらに上記(3) に加えて、直方体形状の成形耐火物
の長手方向の端(エッジ部)を斜めに角度を変えて切断
することにより、同様に成形耐火物の成形面を特定する
ことができる。 [成形耐火物の密度の変更]成形耐火物の見掛けの密度
を変えることにより、成形耐火物をスラグ層の深さ方向
の任意レベルに位置させることができる。例えば、成形
耐火物の内部に空洞を設けることにより見掛けの比重を
小さくし、成形耐火物をスラグ層の上面に常に位置させ
ると、スラグ表面でのスラグのスプラッシュ、揺動によ
る摩耗、炉内雰囲気による損耗を調べることができる。
また、成形耐火物の内部にタングステンカーバイド等の
密度の高い物質を埋め込むことにより、成形耐火物の見
掛けの比重を溶融金属のそれより大きくし、成形耐火物
を溶融金属中に浸漬させると、耐火物と溶融金属との反
応を調べることができる。さらに、成形耐火物の見掛け
の比重をスラグと溶融金属との中間に調整することによ
りスラグ及び溶融金属共存下における損耗速度を調べる
ことができる。 [成形耐火物の寸法の測定]成形耐火物の寸法の測定に
は通常のノギス等を利用する。ただし、損耗速度の遅い
耐火物については、少なくとも小数点以下二桁まで測定
できる機器が必要である。なお、耐火物を熱処理する場
合は、熱処理後において耐火物寸法を再度測定する必要
がある。 [成形耐火物の熱処理]不焼成耐火物、例えばマグカー
ボン耐火物の場合、耐火物製造時に、約300℃の温度
域で熱処理を行っている。このような成形耐火物を炉内
に投入すると、フェノール樹脂等のバインダー剤がガス
化し、炉内耐火物に悪影響を及ぼす可能性がある。とく
に、成形耐火物の寸法が大きくなるにしたがって発生ガ
ス量が増大し、炉内耐火物が多大な損傷を受けるおそれ
があるので、注意を要する。そこで、このような危険性
がある場合は、成形耐火物を予め熱処理しておき、ガス
が発生しないような状態にしておく必要がある。熱処理
は成形耐火物に即した方法で行う。例えばマグカーボン
耐火物の場合は、コークスブリーズ中か、又は非酸化ガ
ス雰囲気中で熱処理する。また、バインダー剤等がアル
ミナセメントのように水和物を形成するものは、熱処理
により、自由水を始めとして、結晶水を予め除くことが
でき、成形耐火物の爆裂を防止することができる。
c)を次式(3)のように規定し、それぞれの面を特定
することにより、成形時における加圧面を特定する。 a<b<c …(3) なお、これらの辺の長さを変えることによっても、回収
後においても成形耐火物の材質、熱処理ごとの履歴を特
定することができる。 (4) さらに上記(3) に加えて、直方体形状の成形耐火物
の長手方向の端(エッジ部)を斜めに角度を変えて切断
することにより、同様に成形耐火物の成形面を特定する
ことができる。 [成形耐火物の密度の変更]成形耐火物の見掛けの密度
を変えることにより、成形耐火物をスラグ層の深さ方向
の任意レベルに位置させることができる。例えば、成形
耐火物の内部に空洞を設けることにより見掛けの比重を
小さくし、成形耐火物をスラグ層の上面に常に位置させ
ると、スラグ表面でのスラグのスプラッシュ、揺動によ
る摩耗、炉内雰囲気による損耗を調べることができる。
また、成形耐火物の内部にタングステンカーバイド等の
密度の高い物質を埋め込むことにより、成形耐火物の見
掛けの比重を溶融金属のそれより大きくし、成形耐火物
を溶融金属中に浸漬させると、耐火物と溶融金属との反
応を調べることができる。さらに、成形耐火物の見掛け
の比重をスラグと溶融金属との中間に調整することによ
りスラグ及び溶融金属共存下における損耗速度を調べる
ことができる。 [成形耐火物の寸法の測定]成形耐火物の寸法の測定に
は通常のノギス等を利用する。ただし、損耗速度の遅い
耐火物については、少なくとも小数点以下二桁まで測定
できる機器が必要である。なお、耐火物を熱処理する場
合は、熱処理後において耐火物寸法を再度測定する必要
がある。 [成形耐火物の熱処理]不焼成耐火物、例えばマグカー
ボン耐火物の場合、耐火物製造時に、約300℃の温度
域で熱処理を行っている。このような成形耐火物を炉内
に投入すると、フェノール樹脂等のバインダー剤がガス
化し、炉内耐火物に悪影響を及ぼす可能性がある。とく
に、成形耐火物の寸法が大きくなるにしたがって発生ガ
ス量が増大し、炉内耐火物が多大な損傷を受けるおそれ
があるので、注意を要する。そこで、このような危険性
がある場合は、成形耐火物を予め熱処理しておき、ガス
が発生しないような状態にしておく必要がある。熱処理
は成形耐火物に即した方法で行う。例えばマグカーボン
耐火物の場合は、コークスブリーズ中か、又は非酸化ガ
ス雰囲気中で熱処理する。また、バインダー剤等がアル
ミナセメントのように水和物を形成するものは、熱処理
により、自由水を始めとして、結晶水を予め除くことが
でき、成形耐火物の爆裂を防止することができる。
【0015】なお、熱処理を行った場合に、成形耐火物
の寸法が変化する可能性が極めて高いので、熱処理後に
寸法を測定することを要する。また、熱処理により、成
形耐火物内に新たに化合物等が生成され、これが大気中
の水分等と反応する可能性がある場合には、熱処理後の
成形耐火物を周囲の雰囲気と遮断する必要がある。とく
にマグカーボン耐火物では、熱処理で耐火物内の添加剤
が炭化することにより、常温において、空気中の水分と
反応し、消化膨張を起す。そこで、この場合は、ガス非
透過袋の中に熱処理耐火物を真空封入して消化防止を行
うか、または真空下、乾燥雰囲気下に使用まで熱処理耐
火物を保管しておく。
の寸法が変化する可能性が極めて高いので、熱処理後に
寸法を測定することを要する。また、熱処理により、成
形耐火物内に新たに化合物等が生成され、これが大気中
の水分等と反応する可能性がある場合には、熱処理後の
成形耐火物を周囲の雰囲気と遮断する必要がある。とく
にマグカーボン耐火物では、熱処理で耐火物内の添加剤
が炭化することにより、常温において、空気中の水分と
反応し、消化膨張を起す。そこで、この場合は、ガス非
透過袋の中に熱処理耐火物を真空封入して消化防止を行
うか、または真空下、乾燥雰囲気下に使用まで熱処理耐
火物を保管しておく。
【0016】
[炉内への投入タイミング]精錬炉の場合は、精錬前お
よび精錬中等の任意の時期に成形耐火物を炉内に投入す
ることにより、回収までの任意の期間において耐火物の
損耗速度を求めることができる。 [熱スポーリングを避けるための方策]ダンボール等の
一定時間炉内で存在し、かつ存在しているときには断熱
性を発揮する部材で成形耐火物をくるみ、ある時間だけ
断熱の役目をさせ、投入初期における成形耐火物の急熱
を防止する。耐火物は急熱されると表面に圧縮応力、内
部に引っ張り応力が働き、一般に引っ張り応力に対し弱
い耐火物は容易に割れが発生するからである。このよう
な熱スポーリングを防止するためには、成形耐火物表面
に断熱層が必要になり、かつ投入時の割れを防止すると
いう目的を達成したあとは耐火物表面から除去されれ
ば、耐火物の損耗量を耐火物投入時の熱スポーリングに
よる崩壊なしに測定することができる。 [成形耐火物の回収]成形耐火物の回収は、極めて難し
いが、炉の大きさ、耐火物の比重等から以下の方法のう
ち、最も適した方法で行うことにより回収効率が向上す
る。 (イ)炉前からの回収 成形耐火物の見掛けの比重がスラグより軽い場合は、ス
ラグ上に浮かぶ成形耐火物をスコップ状の治具で回収す
ることができる。また、成形耐火物の見掛けの比重がス
ラグの比重より大きくかつ溶融金属の比重より小さい場
合は、スラグを静かに少量づつ排滓し、最後に排出され
る成形耐火物をその排出の直前で回収することができ
る。ただし、作業員が人力を用いて回収する場合は、炉
及び保持容器が小型であることが必要である。この場合
は、安全性も高く、回収率が高く、また大型の炉及び溶
融金属保持容器内からも回収することができる遠隔操作
の専用の回収機械を用いることが望ましい。 (ロ)スラグとともに排出し、スラグヤードで回収 溶融金属より耐火物の比重が小さい場合は、溶融金属を
排出した後に、成形耐火物をスラグと共にスラグポット
(滓パン)内に排滓し、スラグヤード(滓処理場)にお
いてスラグポットより排滓し回収する。この時、スラグ
ポットからスラグヤードへの排滓時に鋼鉄製の網(す
き)を介して排滓することにより耐火物回収の効率は向
上する。 (ハ)スラグ排滓時、炉下で耐火物回収受けで回収 溶融金属の比重より成形耐火物の見掛けの比重が小さい
場合は、溶融金属を排出後、炉及び溶融金属保持容器か
らのスラグの排出時に、鋼鉄製の網(すき)を介して排
滓することにより成形耐火物を回収する。 (ニ)スラグを少量残し、比重の重い耐火物とともに炉
下へ回収 成形耐火物の見掛けの比重がスラグ比重と溶融金属比重
との中間にある場合は、出鋼口より溶融金属を排出した
後に、残ったスラグを静かに少量づつ排滓し、最後に排
出される成形耐火物を残ったスラグとともに炉下に排滓
し、その中から成形耐火物を回収する。または、溶融金
属保持容器の場合は別の位置に排滓し、その中から成形
耐火物を回収してもよい。 (ホ)スラグを少量残し、比重の重い耐火物とともに炉
下へ回収 成形耐火物の見掛けの比重が溶融金属の比重より大きい
場合は、スラグを予め極力排出した後に、静かに溶融金
属を排出し、最後に残っている成形耐火物を残留してい
るスラグとともに炉下あるいは溶融金属保持容器の場合
は別の位置に排滓し、その中から成形耐火物を回収す
る。 [回収耐火物の冷却]カーボン含有耐火物(マグカーボ
ン耐火物等)の場合は、成形耐火物をグラファイト中で
冷却することで、耐火物中のカーボンの酸化消耗を防止
することができる。この場合は、回収後できるだけ速や
かに成形耐火物をグラファイト中に入れることが重要で
ある。なお、酸化防止の方法において、含有カーボンの
酸化を防止するために、グラファイト以外のカーボン源
でもよく、また空気を遮断することから、真空下、減圧
下あるいは不活性雰囲気中で冷却することも効果が認め
られる。
よび精錬中等の任意の時期に成形耐火物を炉内に投入す
ることにより、回収までの任意の期間において耐火物の
損耗速度を求めることができる。 [熱スポーリングを避けるための方策]ダンボール等の
一定時間炉内で存在し、かつ存在しているときには断熱
性を発揮する部材で成形耐火物をくるみ、ある時間だけ
断熱の役目をさせ、投入初期における成形耐火物の急熱
を防止する。耐火物は急熱されると表面に圧縮応力、内
部に引っ張り応力が働き、一般に引っ張り応力に対し弱
い耐火物は容易に割れが発生するからである。このよう
な熱スポーリングを防止するためには、成形耐火物表面
に断熱層が必要になり、かつ投入時の割れを防止すると
いう目的を達成したあとは耐火物表面から除去されれ
ば、耐火物の損耗量を耐火物投入時の熱スポーリングに
よる崩壊なしに測定することができる。 [成形耐火物の回収]成形耐火物の回収は、極めて難し
いが、炉の大きさ、耐火物の比重等から以下の方法のう
ち、最も適した方法で行うことにより回収効率が向上す
る。 (イ)炉前からの回収 成形耐火物の見掛けの比重がスラグより軽い場合は、ス
ラグ上に浮かぶ成形耐火物をスコップ状の治具で回収す
ることができる。また、成形耐火物の見掛けの比重がス
ラグの比重より大きくかつ溶融金属の比重より小さい場
合は、スラグを静かに少量づつ排滓し、最後に排出され
る成形耐火物をその排出の直前で回収することができ
る。ただし、作業員が人力を用いて回収する場合は、炉
及び保持容器が小型であることが必要である。この場合
は、安全性も高く、回収率が高く、また大型の炉及び溶
融金属保持容器内からも回収することができる遠隔操作
の専用の回収機械を用いることが望ましい。 (ロ)スラグとともに排出し、スラグヤードで回収 溶融金属より耐火物の比重が小さい場合は、溶融金属を
排出した後に、成形耐火物をスラグと共にスラグポット
(滓パン)内に排滓し、スラグヤード(滓処理場)にお
いてスラグポットより排滓し回収する。この時、スラグ
ポットからスラグヤードへの排滓時に鋼鉄製の網(す
き)を介して排滓することにより耐火物回収の効率は向
上する。 (ハ)スラグ排滓時、炉下で耐火物回収受けで回収 溶融金属の比重より成形耐火物の見掛けの比重が小さい
場合は、溶融金属を排出後、炉及び溶融金属保持容器か
らのスラグの排出時に、鋼鉄製の網(すき)を介して排
滓することにより成形耐火物を回収する。 (ニ)スラグを少量残し、比重の重い耐火物とともに炉
下へ回収 成形耐火物の見掛けの比重がスラグ比重と溶融金属比重
との中間にある場合は、出鋼口より溶融金属を排出した
後に、残ったスラグを静かに少量づつ排滓し、最後に排
出される成形耐火物を残ったスラグとともに炉下に排滓
し、その中から成形耐火物を回収する。または、溶融金
属保持容器の場合は別の位置に排滓し、その中から成形
耐火物を回収してもよい。 (ホ)スラグを少量残し、比重の重い耐火物とともに炉
下へ回収 成形耐火物の見掛けの比重が溶融金属の比重より大きい
場合は、スラグを予め極力排出した後に、静かに溶融金
属を排出し、最後に残っている成形耐火物を残留してい
るスラグとともに炉下あるいは溶融金属保持容器の場合
は別の位置に排滓し、その中から成形耐火物を回収す
る。 [回収耐火物の冷却]カーボン含有耐火物(マグカーボ
ン耐火物等)の場合は、成形耐火物をグラファイト中で
冷却することで、耐火物中のカーボンの酸化消耗を防止
することができる。この場合は、回収後できるだけ速や
かに成形耐火物をグラファイト中に入れることが重要で
ある。なお、酸化防止の方法において、含有カーボンの
酸化を防止するために、グラファイト以外のカーボン源
でもよく、また空気を遮断することから、真空下、減圧
下あるいは不活性雰囲気中で冷却することも効果が認め
られる。
【0017】一方、酸化物系耐火物においても耐スポー
ル性に劣る耐火物に関しては徐冷が必要であり、グラフ
ァイト粉あるいはマグネシア粉等の中、または断熱材を
内張りした容器内で冷却することで、耐火物の冷却によ
る割れを防止することができる。この場合に、回収後で
きるだけ速やかに成形耐火物を粉あるいは断熱箱に入れ
ることが重要である。 [損耗量の測定]回収耐火物を切断し、切断面の寸法を
測定する。投入前の初期寸法と測定寸法との差分から耐
火物の損耗量を求め、さらに耐火物の損耗量、及び耐火
物のスラグ、溶融金属内滞留時間から損耗速度を算出す
る。この場合に耐火物の損耗量は0.01mmの精度で
測定可能である。
ル性に劣る耐火物に関しては徐冷が必要であり、グラフ
ァイト粉あるいはマグネシア粉等の中、または断熱材を
内張りした容器内で冷却することで、耐火物の冷却によ
る割れを防止することができる。この場合に、回収後で
きるだけ速やかに成形耐火物を粉あるいは断熱箱に入れ
ることが重要である。 [損耗量の測定]回収耐火物を切断し、切断面の寸法を
測定する。投入前の初期寸法と測定寸法との差分から耐
火物の損耗量を求め、さらに耐火物の損耗量、及び耐火
物のスラグ、溶融金属内滞留時間から損耗速度を算出す
る。この場合に耐火物の損耗量は0.01mmの精度で
測定可能である。
【0018】損耗量の少ない耐火物に関しては、顕微鏡
観察により耐火物稼働面を調査することで、耐火物の骨
材とマトリックスの損耗量を知ることができる。なお、
回収耐火物の耐火物稼働面の顕微鏡SEM観察により、
耐火物とスラグとの反応機構を求めることができる。 [測定できる項目]下記の項目(イ)〜(ヘ)を耐火物
投入による方法を用いて測定することができる。
観察により耐火物稼働面を調査することで、耐火物の骨
材とマトリックスの損耗量を知ることができる。なお、
回収耐火物の耐火物稼働面の顕微鏡SEM観察により、
耐火物とスラグとの反応機構を求めることができる。 [測定できる項目]下記の項目(イ)〜(ヘ)を耐火物
投入による方法を用いて測定することができる。
【0019】(イ)炉の処理ごと(チャージごと)の損
耗速度 (ロ)製錬、精錬条件(温度、スラグ成分、塩基度、時
間)による損耗速度への影響 (ハ)炉の処理中の損耗速度の変化(たとえば、耐火物
投入時期を処理の前期、中期、後期のように種々変えて
各時期における損耗状態を把握する) (ニ)耐火物の材質の損耗速度に与える影響 (ホ)耐火物内の骨材とマトリックスの損耗速度 (ヘ)耐火物の成形方向による損耗速度の差
耗速度 (ロ)製錬、精錬条件(温度、スラグ成分、塩基度、時
間)による損耗速度への影響 (ハ)炉の処理中の損耗速度の変化(たとえば、耐火物
投入時期を処理の前期、中期、後期のように種々変えて
各時期における損耗状態を把握する) (ニ)耐火物の材質の損耗速度に与える影響 (ホ)耐火物内の骨材とマトリックスの損耗速度 (ヘ)耐火物の成形方向による損耗速度の差
【0020】
【実施例】以下、添付の図面を参照して本発明の種々の
実施例について比較例をあげながら説明する。 実施例1 炉内径1.6mの精錬炉の吹錬中の耐火物の損耗を求め
るために、6種のマグカーボン耐火物、各1個を精錬開
始前に投入し、吹錬後にこれを回収して調べた。図1に
示すように、投入した成形耐火物は各辺の長さがa,
b,cの直方体である。表1に示すように、6個の成形
耐火物の各辺a,b,cの長さは不等式a<b<cを満
足する関係にある。この場合に、各成形耐火物の辺a,
bの長さをそれぞれ90mm、110mmと固定し、マ
グカーボン耐火物の作業時の加圧面が、b−c辺が作る
面となるようにした。(以下、辺bと辺cとが作る面及
びその面に平行な面をb−c面と呼ぶ。その他の面をa
−b面およびa−c面という。)そして、成形耐火物の
長手方向、すなわち最大辺cの長さを160mm〜26
0mmの範囲内で20mmごとに変えて、6種類の成形
耐火物を区別した。
実施例について比較例をあげながら説明する。 実施例1 炉内径1.6mの精錬炉の吹錬中の耐火物の損耗を求め
るために、6種のマグカーボン耐火物、各1個を精錬開
始前に投入し、吹錬後にこれを回収して調べた。図1に
示すように、投入した成形耐火物は各辺の長さがa,
b,cの直方体である。表1に示すように、6個の成形
耐火物の各辺a,b,cの長さは不等式a<b<cを満
足する関係にある。この場合に、各成形耐火物の辺a,
bの長さをそれぞれ90mm、110mmと固定し、マ
グカーボン耐火物の作業時の加圧面が、b−c辺が作る
面となるようにした。(以下、辺bと辺cとが作る面及
びその面に平行な面をb−c面と呼ぶ。その他の面をa
−b面およびa−c面という。)そして、成形耐火物の
長手方向、すなわち最大辺cの長さを160mm〜26
0mmの範囲内で20mmごとに変えて、6種類の成形
耐火物を区別した。
【0021】6種類の成形耐火物は、あらかじめグラフ
ァイトの量、骨材の種類により表1に示すようにオイル
プレスで成形したものを加工代を残して所定形状に切断
した。耐火物の面間の平行度と耐火物の表面を平滑にす
るために耐火物表面を平面研削加工機を用いて、JIS
規格表示で表面アラサ三角記号▽▽まで加工した。加工
後の最終的な各耐火物の厚みa,b,cを小数点以下2
桁まで、ノギスを用いて長さ方向に5mmごとに測定し
た。
ァイトの量、骨材の種類により表1に示すようにオイル
プレスで成形したものを加工代を残して所定形状に切断
した。耐火物の面間の平行度と耐火物の表面を平滑にす
るために耐火物表面を平面研削加工機を用いて、JIS
規格表示で表面アラサ三角記号▽▽まで加工した。加工
後の最終的な各耐火物の厚みa,b,cを小数点以下2
桁まで、ノギスを用いて長さ方向に5mmごとに測定し
た。
【0022】各成形耐火物を投入初期の熱スポールを避
けるため5mm厚さの梱包箱作成用ダンボール紙で全面
を包んだ。成形耐火物は、転炉に溶鉄を収容した後に、
炉入部サブランス開口部から炉内に投入した。投入後所
定の吹錬を行った。57分後、吹錬終了により、炉を傾
倒しスラグを徐々に排出し、スラグ排出末期に成形耐火
物を炉前より人力で一つづつ回収した。回収耐火物は赤
熱しており、酸化を防止するために直ちにグラファイト
粉中に入れて冷却した。ここでは、すべて6個の成形耐
火物の回収に成功した。
けるため5mm厚さの梱包箱作成用ダンボール紙で全面
を包んだ。成形耐火物は、転炉に溶鉄を収容した後に、
炉入部サブランス開口部から炉内に投入した。投入後所
定の吹錬を行った。57分後、吹錬終了により、炉を傾
倒しスラグを徐々に排出し、スラグ排出末期に成形耐火
物を炉前より人力で一つづつ回収した。回収耐火物は赤
熱しており、酸化を防止するために直ちにグラファイト
粉中に入れて冷却した。ここでは、すべて6個の成形耐
火物の回収に成功した。
【0023】常温程度に冷えた成形耐火物には表面にス
ラグが付着していたため直ちに残存厚みを測定すること
ができない。そこで、辺c方向の長さを測定し成形耐火
物8個の長さを順位付け成形耐火物を特定した後に、成
形耐火物をb−c面に平行に耐火物中央部を切断し、こ
れにより成形耐火物が通常使用されるa−b面とa−c
面との損耗を得ることができた。
ラグが付着していたため直ちに残存厚みを測定すること
ができない。そこで、辺c方向の長さを測定し成形耐火
物8個の長さを順位付け成形耐火物を特定した後に、成
形耐火物をb−c面に平行に耐火物中央部を切断し、こ
れにより成形耐火物が通常使用されるa−b面とa−c
面との損耗を得ることができた。
【0024】切断面観察の結果では、回収耐火物に熱ス
ポールによる亀裂の発生、剥落、割れは起っていなかっ
た。辺b及び辺cの回収後の寸法を5mmごとに測定し
た。耐火物の角部は三面加熱およびスラグとの反応によ
り他の部分より損耗が著しい。また辺c方向の長さは矩
形の中で一番長い辺であり、スラグの付着により測定が
難しい。損耗の程度が安定している半裁部の辺b方向の
残存寸法距離の内、辺cの中央部を中心として辺cの長
さの2/3の部位の残存寸法(辺b方向の厚さ)を耐火
物の代表値とした。耐火物投入前の寸法からこの残存寸
法を引き損耗量を求め、これを炉内滞留時間で割り損耗
速度を求めた。これを表2に示す。
ポールによる亀裂の発生、剥落、割れは起っていなかっ
た。辺b及び辺cの回収後の寸法を5mmごとに測定し
た。耐火物の角部は三面加熱およびスラグとの反応によ
り他の部分より損耗が著しい。また辺c方向の長さは矩
形の中で一番長い辺であり、スラグの付着により測定が
難しい。損耗の程度が安定している半裁部の辺b方向の
残存寸法距離の内、辺cの中央部を中心として辺cの長
さの2/3の部位の残存寸法(辺b方向の厚さ)を耐火
物の代表値とした。耐火物投入前の寸法からこの残存寸
法を引き損耗量を求め、これを炉内滞留時間で割り損耗
速度を求めた。これを表2に示す。
【0025】この結果、耐火物の材質の影響において、
骨材の種類の影響、グラファイトの含有量の影響を明ら
かにできた。この結果をもとにこの炉において耐火物の
改善による炉の寿命の向上を適切なグラファイト配合、
マグネシア原料の選択により改善した。 比較例1 実施例1と同じ条件においてダンボール紙で包んだ長さ
560mm、600mmのそれぞれ成形耐火物B及び成
形耐火物C、及びダンボール紙で包まない長さ580m
m、620mmのそれぞれ成形耐火物B及び成形耐火物
Cの計2個を投入したが、投入直後に、ダンボールで包
まない2つの成形耐火物は長辺方向の半分の位置で割れ
てしまった。また、残りの2つの成形耐火物は炉容が最
小半径1.6mであることから炉の中央に耐火物が常に
位置することになり、炉中央に位置するランスからの酸
素ジェットが直接耐火物にあたり、精錬反応を阻害した
のみならず、回収マグカーボン耐火物のかなりの脱炭層
が認められた。炉壁に用いる耐火物の評価にこのような
状況は不適であると判断した。 比較例2 図1に示すような直方体形状の成形耐火物を用いた。成
形耐火物の寸法を200×400×1200mmとし
た。これをコークスブリーズ中にて1100℃で熱処理
した。熱処理後、寸法測定し、梱包用ダンボール紙で包
んだあと、実施例1と同条件において耐火物投入による
損耗量の測定を試みた。投入後、成形耐火物はスラグ中
でしだいに周辺のスラグが付着しだし、大きな塊状に成
長発達し、スラグ上に浮遊する状態になった。このため
精錬操業も満足にできない状態に陥った。これは、この
成形耐火物が大きな熱容量を持つことから周囲のスラグ
が表面に凝固付着し、これが次第に成長したものと推定
される。 実施例2 炉内径4.8mの精錬炉は、2種類の精錬処理を交互に
行っている。この精錬炉に使われているマグカーボン耐
火物の精錬処理ごとの耐火物に及ぼす影響の調査、及び
処理中の前期、中期、後期の損耗を調べ精錬条件を改善
するため、精錬毎、精錬処理中耐火物を投入する時期を
かえて損耗速度を求めた。
骨材の種類の影響、グラファイトの含有量の影響を明ら
かにできた。この結果をもとにこの炉において耐火物の
改善による炉の寿命の向上を適切なグラファイト配合、
マグネシア原料の選択により改善した。 比較例1 実施例1と同じ条件においてダンボール紙で包んだ長さ
560mm、600mmのそれぞれ成形耐火物B及び成
形耐火物C、及びダンボール紙で包まない長さ580m
m、620mmのそれぞれ成形耐火物B及び成形耐火物
Cの計2個を投入したが、投入直後に、ダンボールで包
まない2つの成形耐火物は長辺方向の半分の位置で割れ
てしまった。また、残りの2つの成形耐火物は炉容が最
小半径1.6mであることから炉の中央に耐火物が常に
位置することになり、炉中央に位置するランスからの酸
素ジェットが直接耐火物にあたり、精錬反応を阻害した
のみならず、回収マグカーボン耐火物のかなりの脱炭層
が認められた。炉壁に用いる耐火物の評価にこのような
状況は不適であると判断した。 比較例2 図1に示すような直方体形状の成形耐火物を用いた。成
形耐火物の寸法を200×400×1200mmとし
た。これをコークスブリーズ中にて1100℃で熱処理
した。熱処理後、寸法測定し、梱包用ダンボール紙で包
んだあと、実施例1と同条件において耐火物投入による
損耗量の測定を試みた。投入後、成形耐火物はスラグ中
でしだいに周辺のスラグが付着しだし、大きな塊状に成
長発達し、スラグ上に浮遊する状態になった。このため
精錬操業も満足にできない状態に陥った。これは、この
成形耐火物が大きな熱容量を持つことから周囲のスラグ
が表面に凝固付着し、これが次第に成長したものと推定
される。 実施例2 炉内径4.8mの精錬炉は、2種類の精錬処理を交互に
行っている。この精錬炉に使われているマグカーボン耐
火物の精錬処理ごとの耐火物に及ぼす影響の調査、及び
処理中の前期、中期、後期の損耗を調べ精錬条件を改善
するため、精錬毎、精錬処理中耐火物を投入する時期を
かえて損耗速度を求めた。
【0026】成形耐火物として、図1乃至図3のそれぞ
れに示す形状ごとに各3種類ずつ第1乃至第3シリーズ
まで用意した。第1シリーズの成形耐火物は、処理の初
期で投入するものであり、図1に示す直方体をなし、表
3に示す各辺a,b,c(ただしa<b<c)の長さを
持ち、各成形耐火物の辺a,bの長さは固定し、辺cの
長さを変えたものである。第2及び第3シリーズの成形
耐火物は、処理の中間、及び末期でそれぞれ投入するも
のであり、最大辺cの端面を図2及び図3に示すように
それぞれ斜めに角度を変えたものとした。これにより精
錬後に回収した成形耐火物の投入時期及び成形耐火物を
それぞれ特定することができる。
れに示す形状ごとに各3種類ずつ第1乃至第3シリーズ
まで用意した。第1シリーズの成形耐火物は、処理の初
期で投入するものであり、図1に示す直方体をなし、表
3に示す各辺a,b,c(ただしa<b<c)の長さを
持ち、各成形耐火物の辺a,bの長さは固定し、辺cの
長さを変えたものである。第2及び第3シリーズの成形
耐火物は、処理の中間、及び末期でそれぞれ投入するも
のであり、最大辺cの端面を図2及び図3に示すように
それぞれ斜めに角度を変えたものとした。これにより精
錬後に回収した成形耐火物の投入時期及び成形耐火物を
それぞれ特定することができる。
【0027】なお、マグカーボン耐火物は成形時の加圧
方向を、a−c面となるようにし、損耗の差が明確にな
るように加圧方向を特定するために、辺aと辺bの寸法
と固定している(a<b)。ここで用いた成形耐火物
は、炉のスラグラインに用いるグラファイトの20重量
%、電融マグネシア50重量%、焼結マグネシア50重
量%のマグカーボン耐火物(煉瓦C)である。所定の形
状に加工代を残し切断した後、耐火物表面を平面研削加
工機を用いて、表面あらさがJIS規格表示で三角記号
▽▽になるまで研削した。成形耐火物は予め1000℃
までコークスブリーズ中で熱処理し、耐火物のバインダ
ーからの揮発分を除去し、耐火物投入時の急熱による揮
発ガスの膨張による耐火物の崩壊を防止した。処理後、
各成形耐火物の厚みbを小数点以下2桁まで、ノギスを
用いて長さ方向に5mmごとに測定した。
方向を、a−c面となるようにし、損耗の差が明確にな
るように加圧方向を特定するために、辺aと辺bの寸法
と固定している(a<b)。ここで用いた成形耐火物
は、炉のスラグラインに用いるグラファイトの20重量
%、電融マグネシア50重量%、焼結マグネシア50重
量%のマグカーボン耐火物(煉瓦C)である。所定の形
状に加工代を残し切断した後、耐火物表面を平面研削加
工機を用いて、表面あらさがJIS規格表示で三角記号
▽▽になるまで研削した。成形耐火物は予め1000℃
までコークスブリーズ中で熱処理し、耐火物のバインダ
ーからの揮発分を除去し、耐火物投入時の急熱による揮
発ガスの膨張による耐火物の崩壊を防止した。処理後、
各成形耐火物の厚みbを小数点以下2桁まで、ノギスを
用いて長さ方向に5mmごとに測定した。
【0028】投入初期の熱スポールを避けるため5mm
厚さの梱包箱作業用ダンボール紙で各耐火物の全面を包
んだ。成形耐火物の投入は、各精錬処理の精錬開始前、
中期、及び末期に、炉上部のサブランス開口部から炉内
に投入した。成形耐火物の回収方法は、吹錬終了、出湯
した後、炉を傾倒しスラグを徐々に滓パンに排出し、ス
ラグ排滓末期に炉下に設けた「すき」を装入し、これに
より成形耐火物を回収した。これにより、精錬処理Aに
おいては9個中6個、精錬処理Bにおいては9個中7個
回収できた。残りの成形耐火物は排滓の初期に滓パン
に、スラグとともに流出したものと考えられる。「す
き」上の回収耐火物は、赤熱しているため直ちに酸化を
防止するために予め準備してあるグラファイト粉中にグ
ラファイトの入った箱の中に投入した。
厚さの梱包箱作業用ダンボール紙で各耐火物の全面を包
んだ。成形耐火物の投入は、各精錬処理の精錬開始前、
中期、及び末期に、炉上部のサブランス開口部から炉内
に投入した。成形耐火物の回収方法は、吹錬終了、出湯
した後、炉を傾倒しスラグを徐々に滓パンに排出し、ス
ラグ排滓末期に炉下に設けた「すき」を装入し、これに
より成形耐火物を回収した。これにより、精錬処理Aに
おいては9個中6個、精錬処理Bにおいては9個中7個
回収できた。残りの成形耐火物は排滓の初期に滓パン
に、スラグとともに流出したものと考えられる。「す
き」上の回収耐火物は、赤熱しているため直ちに酸化を
防止するために予め準備してあるグラファイト粉中にグ
ラファイトの入った箱の中に投入した。
【0029】角度と寸法により成形耐火物を特定した後
に、加圧方向と、それに直角な方向との損耗量を求める
ために、まず、成形耐火物をa−b面に平行にc辺を半
裁した。それぞれの半裁した成形耐火物をa−c面に直
角、b−c面に直角に、辺a、辺bの中央部を切断し
た。これにより、辺a及び辺bの回収後の残存寸法を測
定した。成形耐火物の角部は三面加熱およびスラグとの
反応により他の部分より損耗が著しいためこの部位を外
し、長手方向、c方向の中央部、すなわち最初に半裁し
た場所から2/6cの位置までの平均の厚みを残存寸法
と定めた。まず、投入前の寸法から残存寸法を引き、成
形耐火物によって炉内滞留時間が異なるため、それぞれ
の炉内滞留時間で割り、さらに片面の損耗速度を求める
ために2で割り求めた損耗速度を表4に示す。
に、加圧方向と、それに直角な方向との損耗量を求める
ために、まず、成形耐火物をa−b面に平行にc辺を半
裁した。それぞれの半裁した成形耐火物をa−c面に直
角、b−c面に直角に、辺a、辺bの中央部を切断し
た。これにより、辺a及び辺bの回収後の残存寸法を測
定した。成形耐火物の角部は三面加熱およびスラグとの
反応により他の部分より損耗が著しいためこの部位を外
し、長手方向、c方向の中央部、すなわち最初に半裁し
た場所から2/6cの位置までの平均の厚みを残存寸法
と定めた。まず、投入前の寸法から残存寸法を引き、成
形耐火物によって炉内滞留時間が異なるため、それぞれ
の炉内滞留時間で割り、さらに片面の損耗速度を求める
ために2で割り求めた損耗速度を表4に示す。
【0030】損耗速度=(初期の寸法−残存寸法)/2
/炉内滞留時間 この結果、精錬処理の内当初損耗に大きく影響を及ぼす
と考えられていた精錬処理Aにおいて、精錬処理の前
期、後期ともに損耗がほとんど進行せず、他方の精錬処
理Bにおいては損耗速度は前者に比べ大きく精錬処理
0.8mm/時間であり、処理途中に投入した耐火物の
損耗量の差から前期の損耗速度を測定したものは1.4
mmと前期で損耗が極めて大きくなることがわかった。
前期の損耗速度は、スラグコントロールが不調でスラグ
の滓化が不良となり、成形耐火物の損耗速度が大きくな
ったことがわかった。これを改善することにより全体の
損耗速度を半分の0.4mm/時間に低減できた。ま
た、マグカーボン耐火物の場合は、加圧面に直角な面を
稼働面に用いるが、この面の損耗速度は加圧面の損耗速
度に比べて2割ほど良好であることもわかった。
/炉内滞留時間 この結果、精錬処理の内当初損耗に大きく影響を及ぼす
と考えられていた精錬処理Aにおいて、精錬処理の前
期、後期ともに損耗がほとんど進行せず、他方の精錬処
理Bにおいては損耗速度は前者に比べ大きく精錬処理
0.8mm/時間であり、処理途中に投入した耐火物の
損耗量の差から前期の損耗速度を測定したものは1.4
mmと前期で損耗が極めて大きくなることがわかった。
前期の損耗速度は、スラグコントロールが不調でスラグ
の滓化が不良となり、成形耐火物の損耗速度が大きくな
ったことがわかった。これを改善することにより全体の
損耗速度を半分の0.4mm/時間に低減できた。ま
た、マグカーボン耐火物の場合は、加圧面に直角な面を
稼働面に用いるが、この面の損耗速度は加圧面の損耗速
度に比べて2割ほど良好であることもわかった。
【0031】この結果をもとにこの炉において、損耗速
度の小さい精錬処理Aにおいては精錬温度を上昇させ、
前期に損耗速度の大きい原因となっているスラグの滓化
を適正化することによりトータルの精錬時間を従来の8
割に低減することができ、かつ成形耐火物の損耗量を低
減することができ、炉の寿命を2割ほど向上させること
ができた。 実施例3 炉内径6.5mの転炉は、主に鋼の脱炭処理を行ってい
る。この精錬炉に使われているマグカーボン耐火物に及
ぼす終点温度の影響、及び耐火物材質の差を得るために
耐火物投入法による損耗速度を求めた。
度の小さい精錬処理Aにおいては精錬温度を上昇させ、
前期に損耗速度の大きい原因となっているスラグの滓化
を適正化することによりトータルの精錬時間を従来の8
割に低減することができ、かつ成形耐火物の損耗量を低
減することができ、炉の寿命を2割ほど向上させること
ができた。 実施例3 炉内径6.5mの転炉は、主に鋼の脱炭処理を行ってい
る。この精錬炉に使われているマグカーボン耐火物に及
ぼす終点温度の影響、及び耐火物材質の差を得るために
耐火物投入法による損耗速度を求めた。
【0032】処理前に投入する成形耐火物は、図1に示
す直方体形状であり、各辺a,b,cは表5にそれぞれ
示す。ここで用いた成形耐火物は、炉のスラグラインに
用いるグラファイトの20重量%、焼結マグネシア10
0重量%のマグカーボン耐火物(耐火物A)、及び電融
マグネシア50重量%、残りが焼結マグネシアからなる
マグネシアマグカーボンの耐火物(煉瓦C)の2種類で
ある。
す直方体形状であり、各辺a,b,cは表5にそれぞれ
示す。ここで用いた成形耐火物は、炉のスラグラインに
用いるグラファイトの20重量%、焼結マグネシア10
0重量%のマグカーボン耐火物(耐火物A)、及び電融
マグネシア50重量%、残りが焼結マグネシアからなる
マグネシアマグカーボンの耐火物(煉瓦C)の2種類で
ある。
【0033】所定の形状に加工代を残し切断した後、耐
火物表面を平面研削加工機を用いて、表面あらさがJI
S規格表示で三角記号▽▽になるまで研削した。成形耐
火物は予め1000℃までコークスブリーズ中で熱処理
し、成形耐火物のバインダーからの揮発分を除去し、耐
火物投入時の急熱による揮発ガスの膨張による成形耐火
物の崩壊を防止した。各成形耐火物の厚みbを小数点以
下2桁まで、ノギスを用いて長さ方向に5mmごとに測
定した。投入初期の熱スポールを避けるため5mm厚さ
の梱包箱作用ダンボール紙で各成形耐火物の全面を包ん
だ。成形耐火物は、脱炭処理の開始前に、炉上部のサブ
ランス開口部から炉内に投入した。試験は終点温度をか
えて3回行った。成形耐火物の回収方法は、吹錬終了、
出湯した後、炉を傾倒しスラグを徐々に滓パンに排出
し、スラグ排滓末期に少量スラグを残し、これを炉下に
落下させた。このスラグをブルトーザで安全な位置まで
移動させ、このスラグの中から成形耐火物を回収した。
火物表面を平面研削加工機を用いて、表面あらさがJI
S規格表示で三角記号▽▽になるまで研削した。成形耐
火物は予め1000℃までコークスブリーズ中で熱処理
し、成形耐火物のバインダーからの揮発分を除去し、耐
火物投入時の急熱による揮発ガスの膨張による成形耐火
物の崩壊を防止した。各成形耐火物の厚みbを小数点以
下2桁まで、ノギスを用いて長さ方向に5mmごとに測
定した。投入初期の熱スポールを避けるため5mm厚さ
の梱包箱作用ダンボール紙で各成形耐火物の全面を包ん
だ。成形耐火物は、脱炭処理の開始前に、炉上部のサブ
ランス開口部から炉内に投入した。試験は終点温度をか
えて3回行った。成形耐火物の回収方法は、吹錬終了、
出湯した後、炉を傾倒しスラグを徐々に滓パンに排出
し、スラグ排滓末期に少量スラグを残し、これを炉下に
落下させた。このスラグをブルトーザで安全な位置まで
移動させ、このスラグの中から成形耐火物を回収した。
【0034】回収耐火物は、赤熱しているため直ちに酸
化を防止するために予め準備してあるグラファイトの入
った箱の中に投入した。そして、加圧方向と、それに直
角な方向との損耗量を求めるために、b−c面に平行
に、辺aの中央部を切断し、辺bの長さを5mmごとに
辺c方向に測定した。耐火物の角部は三面加熱およびス
ラグとの反応により他の部分より損耗が著しいと想定さ
れるためこの部位(端から1/6cの部位)を外し、辺
c方向の中央部を中心として2/3cを残存寸法とし
た。
化を防止するために予め準備してあるグラファイトの入
った箱の中に投入した。そして、加圧方向と、それに直
角な方向との損耗量を求めるために、b−c面に平行
に、辺aの中央部を切断し、辺bの長さを5mmごとに
辺c方向に測定した。耐火物の角部は三面加熱およびス
ラグとの反応により他の部分より損耗が著しいと想定さ
れるためこの部位(端から1/6cの部位)を外し、辺
c方向の中央部を中心として2/3cを残存寸法とし
た。
【0035】損耗速度=(初期の寸法−残存寸法)/2
/炉内滞留時間 結果を表6に示す。これにより終点温度が高い程耐火物
の損耗に大きく影響することがわかる。また材質の差は
温度の高い程損耗量の差として表れる。損耗をほとんど
起さない1600℃の耐火物の稼働面を研磨紙及びダイ
ヤモンドペーストで研磨し、撮影した10倍及び100
倍の顕微鏡写真から、粗粒部は残っているが耐火物のマ
トリックスの損耗量は耐火物Aと耐火物Cで約3倍差が
あり、耐火物Cの方が良好であった。残存寸法から表れ
ない耐火物マトリックスの損耗の差も顕微鏡観察により
明らかになった。この結果より、終点温度を少なくとも
1640℃に抑えることが、耐火物の損耗量低減から重
要であることがわかり、この精錬処理末期の温度上昇を
極力抑えることにより、炉体寿命を3割ほど向上させる
ことができた。 実施例4 一般に、マグカーボン耐火物は、1000℃以上の高温
に晒されると耐火物中に酸化防止剤として添加してある
Al等の金属が耐火物中のグラファイトと反応、炭化し
炭化物を生成する。これを冷却後大気中に放置すると、
空気中の水分とこの炭化物が反応し、消化膨張を起す。
/炉内滞留時間 結果を表6に示す。これにより終点温度が高い程耐火物
の損耗に大きく影響することがわかる。また材質の差は
温度の高い程損耗量の差として表れる。損耗をほとんど
起さない1600℃の耐火物の稼働面を研磨紙及びダイ
ヤモンドペーストで研磨し、撮影した10倍及び100
倍の顕微鏡写真から、粗粒部は残っているが耐火物のマ
トリックスの損耗量は耐火物Aと耐火物Cで約3倍差が
あり、耐火物Cの方が良好であった。残存寸法から表れ
ない耐火物マトリックスの損耗の差も顕微鏡観察により
明らかになった。この結果より、終点温度を少なくとも
1640℃に抑えることが、耐火物の損耗量低減から重
要であることがわかり、この精錬処理末期の温度上昇を
極力抑えることにより、炉体寿命を3割ほど向上させる
ことができた。 実施例4 一般に、マグカーボン耐火物は、1000℃以上の高温
に晒されると耐火物中に酸化防止剤として添加してある
Al等の金属が耐火物中のグラファイトと反応、炭化し
炭化物を生成する。これを冷却後大気中に放置すると、
空気中の水分とこの炭化物が反応し、消化膨張を起す。
【0036】上述の実施例3においては、熱処理したマ
グカーボン耐火物は、投入試験までの保管期間に、消化
膨張を起すことを防止するために、熱処理後のすべての
成形耐火物を非透過袋の中に真空封入した。
グカーボン耐火物は、投入試験までの保管期間に、消化
膨張を起すことを防止するために、熱処理後のすべての
成形耐火物を非透過袋の中に真空封入した。
【0037】これらの作業は煩雑であることから、熱処
理の有無による成形耐火物の急熱による揮発ガスの膨張
により成形耐火物の崩壊の差を確認するために実施例3
と同じ条件で、終点温度1600℃の脱炭処理時に投入
試験を行い、検討した。
理の有無による成形耐火物の急熱による揮発ガスの膨張
により成形耐火物の崩壊の差を確認するために実施例3
と同じ条件で、終点温度1600℃の脱炭処理時に投入
試験を行い、検討した。
【0038】成形耐火物はグラファイトの20重量%、
焼結マグネシア100重量%のマグカーボン耐火物(煉
瓦A)を用いた。処理前に投入する成形耐火物は、図1
に示す直方体形状であり、各辺a,b,cは表7に示
す。所定の形状に加工代を残して切断した後、平面研削
加工機を用いて表面あらさがJIS規格表示で三角記号
▽▽になるまで研削した。成形耐火物のうち4個は予め
1000℃までコークスブリーズ中で熱処理し、バイン
ダー剤に含まれる揮発成分を除去した。投入初期の熱ス
ポールを避けるため5mm厚さの梱包箱作成用ダンボー
ル紙で成形耐火物の全面を包んだ。
焼結マグネシア100重量%のマグカーボン耐火物(煉
瓦A)を用いた。処理前に投入する成形耐火物は、図1
に示す直方体形状であり、各辺a,b,cは表7に示
す。所定の形状に加工代を残して切断した後、平面研削
加工機を用いて表面あらさがJIS規格表示で三角記号
▽▽になるまで研削した。成形耐火物のうち4個は予め
1000℃までコークスブリーズ中で熱処理し、バイン
ダー剤に含まれる揮発成分を除去した。投入初期の熱ス
ポールを避けるため5mm厚さの梱包箱作成用ダンボー
ル紙で成形耐火物の全面を包んだ。
【0039】未熱処理及び熱処理した成形耐火物の合計
8個の耐火物投入は、脱炭処理の開始に、炉上部のサブ
ランス開口部から炉内に投入した。吹錬終了、出湯した
後、炉を傾倒しスラグをすべて滓パンに排出し、スラグ
をスラグヤードに輸送後、滓パンのスラグを少量になる
まで排滓し、残ったスラグを場所を移し、排滓しそのス
ラグの中から成形耐火物を回収した。回収耐火物は、直
ちに酸化を防止するために予め準備してあるグラファイ
ト粉中にグラファイトの入った箱の中に投入した。
8個の耐火物投入は、脱炭処理の開始に、炉上部のサブ
ランス開口部から炉内に投入した。吹錬終了、出湯した
後、炉を傾倒しスラグをすべて滓パンに排出し、スラグ
をスラグヤードに輸送後、滓パンのスラグを少量になる
まで排滓し、残ったスラグを場所を移し、排滓しそのス
ラグの中から成形耐火物を回収した。回収耐火物は、直
ちに酸化を防止するために予め準備してあるグラファイ
ト粉中にグラファイトの入った箱の中に投入した。
【0040】そこで、加圧方向と、それに直角な方向と
の損耗量を求めるために、b−c面に平行に、辺aの中
央部を切断した。成形耐火物の断面を観察すると、回収
した熱処理をしていない成形耐火物4個のうち3個は亀
裂の発生はあるものの崩壊までいたっておらず、辺c方
向に辺bの測定も可能であった。しかし、表8に示すよ
うに、残存寸法は投入前の成形耐火物の寸法より大き
く、これは成形耐火物の加熱による残存線膨脹に相当す
ることがわかった。したがって、熱処理していない耐火
物を投入する場合、成形耐火物の崩壊の可能性はあるも
のの数を多く、かつ予め残存線膨張、収縮を測定してお
くことにより、熱処理を除いても耐火物投入による損耗
量の測定は可能であることを確認した。 比較例3 実施例4において、成形耐火物を回収する場合に、吹錬
終了、出湯した後、炉を傾倒しスラグをすべて滓パンに
排出し、スラグをスラグヤードに輸送後、滓パンのスラ
グを少量にするまで排滓し、残ったスラグを場所を移
し、排滓を試みたが、移動のための気動車の遣り繰りが
うまくいかず、排滓までの時間がかかりすぎ、少量残し
たスラグが滓パン内で成形耐火物とともに固化してしま
った。ブレーカーを用いて回収を試みたがスラグが成形
耐火物に固着しており、成形耐火物のまま取り出すこと
はできなかった。したがって、この回収方法における回
収の確率は、転炉からの排滓から回収までの時間がかか
る場合が多く、炉下での耐火物回収に比較し必ずしも高
くない。 実施例5 炉内径3.5mの溶融金属保持容器は、精錬炉から連続
鋳造設備間を運搬する役目と、炉外精錬としてアーク式
加熱装置で処理する時の保持容器としても用いられる。
このアーク式加熱装置での加熱処理がこの保持容器の耐
火物の寿命を決定しており、この条件での損耗速度を耐
火物投入により求め、材質を検討した。
の損耗量を求めるために、b−c面に平行に、辺aの中
央部を切断した。成形耐火物の断面を観察すると、回収
した熱処理をしていない成形耐火物4個のうち3個は亀
裂の発生はあるものの崩壊までいたっておらず、辺c方
向に辺bの測定も可能であった。しかし、表8に示すよ
うに、残存寸法は投入前の成形耐火物の寸法より大き
く、これは成形耐火物の加熱による残存線膨脹に相当す
ることがわかった。したがって、熱処理していない耐火
物を投入する場合、成形耐火物の崩壊の可能性はあるも
のの数を多く、かつ予め残存線膨張、収縮を測定してお
くことにより、熱処理を除いても耐火物投入による損耗
量の測定は可能であることを確認した。 比較例3 実施例4において、成形耐火物を回収する場合に、吹錬
終了、出湯した後、炉を傾倒しスラグをすべて滓パンに
排出し、スラグをスラグヤードに輸送後、滓パンのスラ
グを少量にするまで排滓し、残ったスラグを場所を移
し、排滓を試みたが、移動のための気動車の遣り繰りが
うまくいかず、排滓までの時間がかかりすぎ、少量残し
たスラグが滓パン内で成形耐火物とともに固化してしま
った。ブレーカーを用いて回収を試みたがスラグが成形
耐火物に固着しており、成形耐火物のまま取り出すこと
はできなかった。したがって、この回収方法における回
収の確率は、転炉からの排滓から回収までの時間がかか
る場合が多く、炉下での耐火物回収に比較し必ずしも高
くない。 実施例5 炉内径3.5mの溶融金属保持容器は、精錬炉から連続
鋳造設備間を運搬する役目と、炉外精錬としてアーク式
加熱装置で処理する時の保持容器としても用いられる。
このアーク式加熱装置での加熱処理がこの保持容器の耐
火物の寿命を決定しており、この条件での損耗速度を耐
火物投入により求め、材質を検討した。
【0041】投入した成形耐火物は、図1に示す直方体
形状をなし、表9に示すように各辺a,b,c(ただ
し、a<b<c)の長さを持ち、各成形耐火物、及びプ
レキャスタブルの辺a,bの長さは固定し、最大辺cの
長さを変えた。
形状をなし、表9に示すように各辺a,b,c(ただ
し、a<b<c)の長さを持ち、各成形耐火物、及びプ
レキャスタブルの辺a,bの長さは固定し、最大辺cの
長さを変えた。
【0042】マグカーボン耐火物の場合は、成形時の加
圧方向を、b−c面となるように、損耗の差が明確にな
るように加圧方向を特定した。試験に用いた成形耐火物
はマグカーボン耐火物(13重量%、焼結マグネシ
ア)、アルミナ−スピネルキャスタブル、及びアルミナ
キャスタブルの予め表9の形状にプレキャストしブロッ
ク化したものである。このうちマグカーボン耐火物は、
平面研削加工機を用いて表面あらさがJIS規格表示で
三角記号▽▽になるまで研削した。マグカーボン耐火物
は予め1000℃までコークスブリーズ中で熱処理し、
耐火物中のバインダーからの揮発分を除去し、耐火物投
入時の急熱による揮発ガスの膨張による成形耐火物の崩
壊を防止した。また、プレキャストブロックは自由水及
び結晶水の除去を勘案した昇熱曲線で1100℃まで、
箱型電気炉で加熱した。
圧方向を、b−c面となるように、損耗の差が明確にな
るように加圧方向を特定した。試験に用いた成形耐火物
はマグカーボン耐火物(13重量%、焼結マグネシ
ア)、アルミナ−スピネルキャスタブル、及びアルミナ
キャスタブルの予め表9の形状にプレキャストしブロッ
ク化したものである。このうちマグカーボン耐火物は、
平面研削加工機を用いて表面あらさがJIS規格表示で
三角記号▽▽になるまで研削した。マグカーボン耐火物
は予め1000℃までコークスブリーズ中で熱処理し、
耐火物中のバインダーからの揮発分を除去し、耐火物投
入時の急熱による揮発ガスの膨張による成形耐火物の崩
壊を防止した。また、プレキャストブロックは自由水及
び結晶水の除去を勘案した昇熱曲線で1100℃まで、
箱型電気炉で加熱した。
【0043】処理後、各成形耐火物の厚みa,bを小数
点以下2桁まで、ノギスを用いて長さ方向に5mmごと
に測定した。投入初期の熱スポールから耐火物、プレキ
ャスタブルを避けるため5mm厚さの梱包箱作成用ダン
ボール紙で全面を包んだ。耐火物等の投入は、アーク式
加熱装置での処理の開始前に炉前より投入した。処理後
の回収方法は、保持容器を傾斜させ、スラグドラガーに
より、スラグとともに成形耐火物も掻き取った。
点以下2桁まで、ノギスを用いて長さ方向に5mmごと
に測定した。投入初期の熱スポールから耐火物、プレキ
ャスタブルを避けるため5mm厚さの梱包箱作成用ダン
ボール紙で全面を包んだ。耐火物等の投入は、アーク式
加熱装置での処理の開始前に炉前より投入した。処理後
の回収方法は、保持容器を傾斜させ、スラグドラガーに
より、スラグとともに成形耐火物も掻き取った。
【0044】回収したマグカーボン耐火物は、直ちに酸
化を防止するために予め準備してあるグラファイト粉中
にグラファイトの入った箱の中に投入した。なお、冷却
時のスポールを防ぐためキャスタブルは断熱材を内張り
した鉄箱中で放冷した。常温まで冷却後の耐火物、プレ
キャストブロックは、辺c方向の長さを測定し耐火物、
ブロックを特定した後、耐火物をb−c面に平行にa辺
を半裁し、辺bの回収後の寸法を測定した。成形耐火物
の角部は三面加熱およびスラグとの反応により他の部分
より損耗が著しいためこの部位を外し、長手方向、辺c
方向の中央部を中心に辺cの2/3の平均の残存厚みを
求めた。これを容器内滞留時間で割り求めた損耗速度を
表10に示す。この結果、マグカーボン耐火物が、圧倒
的にキャスタブルブロックに比べ損耗量が少なく、マグ
カーボン耐火物を本保持容器のスラグラインの材質とし
て特定し、材質の細かい検討に移った。 実施例6 連続鋳造用タンディッシュのスラグライン部の最小距離
は1.5mである。このタンディッシュは、いわゆる熱
間タンディッシュと呼ばれるもので、タンディッシュ内
のスラグは熱間で排出し、タンデッシュを常温まで冷却
することなく補修せず使用するものである。スラグをす
べてタンディッシュより排出するために、スラグの粘性
を低下させるスラグ改質剤を用いるが、この改質剤によ
り低粘性化したスラグは極めて高い侵食能を有する。そ
こで、従来のスラグライン材質(高アルミナ耐火物、8
5重量%Al2 O3 )、マグネシア耐火物(95重量%
MgO)、マグカーボン耐火物(20重量%C)のこの
改質スラグによる差を検討した。
化を防止するために予め準備してあるグラファイト粉中
にグラファイトの入った箱の中に投入した。なお、冷却
時のスポールを防ぐためキャスタブルは断熱材を内張り
した鉄箱中で放冷した。常温まで冷却後の耐火物、プレ
キャストブロックは、辺c方向の長さを測定し耐火物、
ブロックを特定した後、耐火物をb−c面に平行にa辺
を半裁し、辺bの回収後の寸法を測定した。成形耐火物
の角部は三面加熱およびスラグとの反応により他の部分
より損耗が著しいためこの部位を外し、長手方向、辺c
方向の中央部を中心に辺cの2/3の平均の残存厚みを
求めた。これを容器内滞留時間で割り求めた損耗速度を
表10に示す。この結果、マグカーボン耐火物が、圧倒
的にキャスタブルブロックに比べ損耗量が少なく、マグ
カーボン耐火物を本保持容器のスラグラインの材質とし
て特定し、材質の細かい検討に移った。 実施例6 連続鋳造用タンディッシュのスラグライン部の最小距離
は1.5mである。このタンディッシュは、いわゆる熱
間タンディッシュと呼ばれるもので、タンディッシュ内
のスラグは熱間で排出し、タンデッシュを常温まで冷却
することなく補修せず使用するものである。スラグをす
べてタンディッシュより排出するために、スラグの粘性
を低下させるスラグ改質剤を用いるが、この改質剤によ
り低粘性化したスラグは極めて高い侵食能を有する。そ
こで、従来のスラグライン材質(高アルミナ耐火物、8
5重量%Al2 O3 )、マグネシア耐火物(95重量%
MgO)、マグカーボン耐火物(20重量%C)のこの
改質スラグによる差を検討した。
【0045】耐火物形状は、図1に示す形状をなし、各
成形耐火物の大きさを表11に示す。耐火物を予めマグ
カーボン耐火物は還元雰囲気で1100℃で熱処理し、
酸化物系耐火物は大気雰囲気下で1100℃で熱処理し
た。タンディッシュ内は、1500℃と温度が精錬炉の
温度に比べ低く、耐火物に与える熱衝撃も少ないこと、
またタンディッシュ内のスラグの攪拌が精錬炉に比べ少
ないことから、実施例の1〜6に記した投入時のダンボ
ール紙で耐火物全面を包むことはせず、ダンボールがそ
のまま炭化し耐火物表面に残ることをさけ、そのままタ
ンディッシュ内に投入し溶損速度を調べた。耐火物等の
回収は、タンディッシュ傾倒時に、鉄製すきを挿入し、
マグカーボン耐火物のみグラファイト中で冷却を行い、
他の耐火物は鉄板上で放冷した。
成形耐火物の大きさを表11に示す。耐火物を予めマグ
カーボン耐火物は還元雰囲気で1100℃で熱処理し、
酸化物系耐火物は大気雰囲気下で1100℃で熱処理し
た。タンディッシュ内は、1500℃と温度が精錬炉の
温度に比べ低く、耐火物に与える熱衝撃も少ないこと、
またタンディッシュ内のスラグの攪拌が精錬炉に比べ少
ないことから、実施例の1〜6に記した投入時のダンボ
ール紙で耐火物全面を包むことはせず、ダンボールがそ
のまま炭化し耐火物表面に残ることをさけ、そのままタ
ンディッシュ内に投入し溶損速度を調べた。耐火物等の
回収は、タンディッシュ傾倒時に、鉄製すきを挿入し、
マグカーボン耐火物のみグラファイト中で冷却を行い、
他の耐火物は鉄板上で放冷した。
【0046】溶損速度の比は高アルミナ耐火物、マグネ
シア耐火物、マグカーボン耐火物で5:2:1の割合で
あった。さらにスラグ浸潤層の厚さは10:4:1で酸
化物系耐火物の浸潤が際立っている。これより、スラグ
ライン材質としてマグカーボン耐火物が優位であること
がわかった。 実施例7 実施例6において、溶鋼への加炭の可能性のあるマグカ
ーボン耐火物の溶鋼に対する反応性、耐用性を検討し
た。耐火物の比重を制御するために、成形耐火物製造時
に比重調整部材としてのタングステンカーバイド(W
C)球を成形耐火物中に埋め込み、成形耐火物の比重を
種々のものに調整し、これらの成形耐火物を溶鋼中に沈
め、排滓時に、すきを用いて回収した。マグカーボン耐
火物の材質及び熱処理、回収、冷却方法は、実施例6と
同じである。マグカーボン耐火物は表面でグラファイト
の存在するところで耐火物への溶鋼の浸入が観察された
が、溶鋼は耐火物稼動面から3mmの位置で止まってい
た。耐火物のマクロな損耗は観察されなかった。比較例4 500kgを溶解しうる高周波誘導炉内に複数種類の成
形耐火物を投入し、その損耗量を測定する実験を行な
い、これを比較例4とした。 高周波誘導炉の内径は40
0mmである。この実験設備である誘導炉の中で溶銑と
脱リンスラグを共存させた条件で、溶銑予備処理のスラ
グライン材質であるAl2 O3 −SiC−C系耐火物の
耐用性を検討した。SiCの量を7重量%、カーボン量
を11重量%と固定し、骨材の影響を調べるために、耐
火物Gは骨材としてアルミナを用い、耐火物Hはアルミ
ナに代えてスピネル骨材を用いた。
シア耐火物、マグカーボン耐火物で5:2:1の割合で
あった。さらにスラグ浸潤層の厚さは10:4:1で酸
化物系耐火物の浸潤が際立っている。これより、スラグ
ライン材質としてマグカーボン耐火物が優位であること
がわかった。 実施例7 実施例6において、溶鋼への加炭の可能性のあるマグカ
ーボン耐火物の溶鋼に対する反応性、耐用性を検討し
た。耐火物の比重を制御するために、成形耐火物製造時
に比重調整部材としてのタングステンカーバイド(W
C)球を成形耐火物中に埋め込み、成形耐火物の比重を
種々のものに調整し、これらの成形耐火物を溶鋼中に沈
め、排滓時に、すきを用いて回収した。マグカーボン耐
火物の材質及び熱処理、回収、冷却方法は、実施例6と
同じである。マグカーボン耐火物は表面でグラファイト
の存在するところで耐火物への溶鋼の浸入が観察された
が、溶鋼は耐火物稼動面から3mmの位置で止まってい
た。耐火物のマクロな損耗は観察されなかった。比較例4 500kgを溶解しうる高周波誘導炉内に複数種類の成
形耐火物を投入し、その損耗量を測定する実験を行な
い、これを比較例4とした。 高周波誘導炉の内径は40
0mmである。この実験設備である誘導炉の中で溶銑と
脱リンスラグを共存させた条件で、溶銑予備処理のスラ
グライン材質であるAl2 O3 −SiC−C系耐火物の
耐用性を検討した。SiCの量を7重量%、カーボン量
を11重量%と固定し、骨材の影響を調べるために、耐
火物Gは骨材としてアルミナを用い、耐火物Hはアルミ
ナに代えてスピネル骨材を用いた。
【0047】耐火物の形状を図1とし、表12に示すよ
うな各辺の長さとし、耐火物を特定した、耐火物を予め
コークスブリーズ中で1200℃で熱処理したあと、熱
処理後の寸法を測定した。耐火物形状が25×35×
(45〜60)mmと小さいことから、投入時のスポー
ルによる割れは起こらないことから、特に断熱層を設け
ずそのまま誘導炉内に投入した。耐火物は2時間誘導炉
内で保持した。このときの溶銑温度は1400℃とし、
CaO/SiO2 で3.6、Na2 Oとして4重量%の
スラグを用いた。耐火物は、誘導炉上部より、はさみ取
り、グラファイト中で冷却した。
うな各辺の長さとし、耐火物を特定した、耐火物を予め
コークスブリーズ中で1200℃で熱処理したあと、熱
処理後の寸法を測定した。耐火物形状が25×35×
(45〜60)mmと小さいことから、投入時のスポー
ルによる割れは起こらないことから、特に断熱層を設け
ずそのまま誘導炉内に投入した。耐火物は2時間誘導炉
内で保持した。このときの溶銑温度は1400℃とし、
CaO/SiO2 で3.6、Na2 Oとして4重量%の
スラグを用いた。耐火物は、誘導炉上部より、はさみ取
り、グラファイト中で冷却した。
【0048】耐火物Gおよび耐火物Hの各耐火物の平均
損耗量はそれぞれ1.5mm/時間および1.0mm/
時間となり、マグネシア分を含むスピネル骨材のほうが
アルミナ骨材よりもスラグ中のNa2 Oに対して良好な
耐食性を示すという結果を得た。 実施例9 酸素−プロパン炎による溶射補修法は、従来の吹き付け
による熱間補修補術に比べ、実炉での残存量の観察から
かなり高耐食性を有することがわかっている。しかし、
個々の溶射体の損耗速度は、耐火物の場合と同様に測定
が容易ではない。熱間での溶射補修の場合、炉の耐火物
表面にスラグが付着しており、このスラグを介して溶射
材が耐火物に付着する形態となる。そこでまず、耐火物
表面にスラグを付着させるために炉内に成形耐火物を投
入し、回収した後、溶射材料を耐火物表面に溶射し、再
度炉内に投入し、溶射層の損耗速度を測定した。
損耗量はそれぞれ1.5mm/時間および1.0mm/
時間となり、マグネシア分を含むスピネル骨材のほうが
アルミナ骨材よりもスラグ中のNa2 Oに対して良好な
耐食性を示すという結果を得た。 実施例9 酸素−プロパン炎による溶射補修法は、従来の吹き付け
による熱間補修補術に比べ、実炉での残存量の観察から
かなり高耐食性を有することがわかっている。しかし、
個々の溶射体の損耗速度は、耐火物の場合と同様に測定
が容易ではない。熱間での溶射補修の場合、炉の耐火物
表面にスラグが付着しており、このスラグを介して溶射
材が耐火物に付着する形態となる。そこでまず、耐火物
表面にスラグを付着させるために炉内に成形耐火物を投
入し、回収した後、溶射材料を耐火物表面に溶射し、再
度炉内に投入し、溶射層の損耗速度を測定した。
【0049】実施例2において、マグカーボン耐火物の
損耗が極めて小さい精錬処理Aの末期に、表13に示す
形状のマグカーボン耐火物(耐火物C)を合計8個を投
入した。耐火物の形状以外の耐火物の熱処理、投入方
法、回収方法、冷却方法等はすべて実施例2と同じであ
る。回収できた成形耐火物は8個中6個回収であった。
このスラグの付着した回収耐火物をガス炉中で1300
℃に加熱し、耐火物の付着スラグ表面に、アルミナ−ク
ロム系とマグネシア−スラグ系の二種類の溶射材料を溶
射した。各辺a,b,cの寸法を測定した後に、梱包用
ダンボール紙で包み、今度は損耗速度の大きい精錬処理
Bの初期に再度炉内に投入した。投入および回収の方法
は実施例2と同じとした。回収できた成形耐火物は6個
中4個回収であった。
損耗が極めて小さい精錬処理Aの末期に、表13に示す
形状のマグカーボン耐火物(耐火物C)を合計8個を投
入した。耐火物の形状以外の耐火物の熱処理、投入方
法、回収方法、冷却方法等はすべて実施例2と同じであ
る。回収できた成形耐火物は8個中6個回収であった。
このスラグの付着した回収耐火物をガス炉中で1300
℃に加熱し、耐火物の付着スラグ表面に、アルミナ−ク
ロム系とマグネシア−スラグ系の二種類の溶射材料を溶
射した。各辺a,b,cの寸法を測定した後に、梱包用
ダンボール紙で包み、今度は損耗速度の大きい精錬処理
Bの初期に再度炉内に投入した。投入および回収の方法
は実施例2と同じとした。回収できた成形耐火物は6個
中4個回収であった。
【0050】実施例2と同じ方法で断面から求めた溶射
層の損耗速度から、マグネシア−スラグ系の方が損耗速
度がアルミナ−クロム系溶射材料より大きく、この耐食
性の差はマグネシア−スラグ系溶射材料中のスラグの量
によるものと想定され、これ以降、精錬処理Aの後で行
う熱間補修にはアルミナクロム系溶射材料を用いた。
層の損耗速度から、マグネシア−スラグ系の方が損耗速
度がアルミナ−クロム系溶射材料より大きく、この耐食
性の差はマグネシア−スラグ系溶射材料中のスラグの量
によるものと想定され、これ以降、精錬処理Aの後で行
う熱間補修にはアルミナクロム系溶射材料を用いた。
【0051】
【表1】
【0052】
【表2】
【0053】
【表3】
【0054】
【表4】
【0055】
【表5】
【0056】
【表6】
【0057】
【表7】
【0058】
【表8】
【0059】
【表9】
【0060】
【表10】
【0061】
【表11】
【0062】
【表12】
【0063】
【表13】
【0064】
【発明の効果】本発明によれば、耐火物を用いる溶融金
属精錬炉および溶融金属保持容器に関して溶融金属の滞
留中にスラグ及び又は溶融金属による耐火物の損耗量を
容易に測定することができ、炉および保持容器の的確な
運用、操業及び耐火物の選定を行なうことができ、実炉
における耐火物の損耗速度を実際に即して管理すること
ができる。とくに、成形耐火物中に含まれるバインダー
の揮発分や水分を投入前に予め成形耐火物から除去して
おくことにより、投入後に成形耐火物が溶融物中で部分
欠損したり全壊したりすることが防止され、本来の測定
目的である溶損による耐火物の損耗量を高精度に測定す
ることができ、かつ、成形耐火物を溶融物中から確実に
回収することができる。
属精錬炉および溶融金属保持容器に関して溶融金属の滞
留中にスラグ及び又は溶融金属による耐火物の損耗量を
容易に測定することができ、炉および保持容器の的確な
運用、操業及び耐火物の選定を行なうことができ、実炉
における耐火物の損耗速度を実際に即して管理すること
ができる。とくに、成形耐火物中に含まれるバインダー
の揮発分や水分を投入前に予め成形耐火物から除去して
おくことにより、投入後に成形耐火物が溶融物中で部分
欠損したり全壊したりすることが防止され、本来の測定
目的である溶損による耐火物の損耗量を高精度に測定す
ることができ、かつ、成形耐火物を溶融物中から確実に
回収することができる。
【図1】成形耐火物を模式的に示す斜視図。
【図2】他の成形耐火物を模式的に示す斜視図。
【図3】他の成形耐火物を模式的に示す斜視図。
フロントページの続き (72)発明者 加藤 久樹 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日本鋼管株式会社内 (56)参考文献 特開 昭62−259060(JP,A)
Claims (5)
- 【請求項1】 成形耐火物に含まれるバインダーの揮発
分、自由水、あるいは結晶水を除く工程と、 成形耐火物の初期寸法を測定する工程と、金属製造プロセスにおける 溶融金属精錬炉または溶融金
属保持容器に収容された溶融物中に前記成形耐火物を投
入する工程と、 投入した成形耐火物を前記溶融物中から回収する工程
と、 回収した成形耐火物の寸法を測定する工程と、 この測定寸法と前記初期寸法とに基づき成形耐火物の損
耗量を算出する工程と、を有することを特徴とする耐火
物損耗量の測定方法。 - 【請求項2】 さらに、投入前に成形耐火物の表面を溶
射材料で覆う工程を有することを特徴とする請求項1記
載の耐火物損耗量の測定方法。 - 【請求項3】 さらに、投入前に成形耐火物を断熱部材
でくるむ工程を有することを特徴とする請求項1記載の
耐火物損耗量の測定方法。 - 【請求項4】 さらに、溶融物中から回収した成形耐火
物を還元あるいは不活性雰囲気中で冷却する工程を有す
ることを特徴とする請求項1乃至3記載の耐火物損耗量
の測定方法。 - 【請求項5】 さらに、投入前に成形耐火物の比重を調
整するための比重調整部材を成形耐火物のなかに埋め込
む工程を有し、投入後の成形耐火物の溶融物中における
深さ位置を制御することを特徴とする請求項1乃至4記
載の耐火物損耗量の測定方法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5192318A JP2743783B2 (ja) | 1993-08-03 | 1993-08-03 | 耐火物損耗量の測定方法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5192318A JP2743783B2 (ja) | 1993-08-03 | 1993-08-03 | 耐火物損耗量の測定方法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0749343A JPH0749343A (ja) | 1995-02-21 |
| JP2743783B2 true JP2743783B2 (ja) | 1998-04-22 |
Family
ID=16289295
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5192318A Expired - Fee Related JP2743783B2 (ja) | 1993-08-03 | 1993-08-03 | 耐火物損耗量の測定方法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2743783B2 (ja) |
Families Citing this family (3)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR100362660B1 (ko) * | 1998-11-30 | 2003-01-24 | 주식회사 포스코 | 정련로 내화물 마모 상태 감시방법 |
| KR100332925B1 (ko) * | 1999-12-23 | 2002-04-20 | 홍상복 | 내화물 침식속도 측정장치 |
| JP2023043842A (ja) * | 2021-09-16 | 2023-03-29 | Jfeスチール株式会社 | 耐火物表面形状測定方法、耐火物損耗量測定方法および溶鉄の製造方法 |
Family Cites Families (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPS62259060A (ja) * | 1986-05-02 | 1987-11-11 | Mitsubishi Metal Corp | 耐火レンガの浸食試験方法 |
-
1993
- 1993-08-03 JP JP5192318A patent/JP2743783B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0749343A (ja) | 1995-02-21 |
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Legal Events
| Date | Code | Title | Description |
|---|---|---|---|
| LAPS | Cancellation because of no payment of annual fees |