JP2748350B2 - 切り花鮮度保持剤 - Google Patents
切り花鮮度保持剤Info
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- A01—AGRICULTURE; FORESTRY; ANIMAL HUSBANDRY; HUNTING; TRAPPING; FISHING
- A01N—PRESERVATION OF BODIES OF HUMANS OR ANIMALS OR PLANTS OR PARTS THEREOF; BIOCIDES, e.g. AS DISINFECTANTS, AS PESTICIDES OR AS HERBICIDES; PEST REPELLANTS OR ATTRACTANTS; PLANT GROWTH REGULATORS
- A01N3/00—Preservation of plants or parts thereof, e.g. inhibiting evaporation, improvement of the appearance of leaves or protection against physical influences such as UV radiation using chemical compositions; Grafting wax
- A01N3/02—Keeping cut flowers fresh chemically
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Description
は、収穫後の切り花の輸送中の鮮度劣化の防止や、切り
花の花弁や葉の萎凋或いは葉の黄化による鮮度劣化の防
止をすることにより、長期間に亙って新鮮な状態でその
美しさを保つことが出来る切り花の鮮度保持剤に関す
る。 背景技術 キク、バラ、カーネーション等の切り花は年々その消
費が増加しており、産地間或いは国際間の生産・販売競
争が激化している。そこで切り花の花持ち、水揚げのよ
さ等の鮮度保持技術の開発が益々重要性を増して来てお
り、切り花鮮度保持剤に対する期待が大きい。 切り花鮮度保持剤には前処理前と後処理剤があり、そ
れぞれ成分と役割が異なる。前処理剤は、収穫後の切り
花の花持ちの延長を図るために、小売点への出荷に先立
って、短時間水揚げを兼ねて切り花を処理する場合に用
いるもので、チオ硫酸銀の陰イオン錯体に安定剤として
亜硫酸塩等を混合したもの(特公平2-23521号公報)が
現在広く使用されている。後処理剤は、花に必要な栄養
源(糖分、窒素、燐酸、カリウム等)、殺菌剤、界面活
性剤等を主成分とし、小売店が切り花を販売する場合
や、消費者が花瓶に生けて鑑賞する場合などに、花持ち
の延長を図るためのものである。本発明の切り花鮮度保
持剤は前処理剤に属するものであるが、後処理剤として
用いても良い。 前処理剤として、これまで様々な薬剤が提供されてき
ているが、現在広く用いられているのは、前記のチオ硫
酸銀の陰イオン錯体である。銀イオンは、植物ホルモン
の一種であり花の老化(萎凋)の大きな原因となるエチ
レンの作用を阻害する。カーネーションに硝酸銀を散布
すると花の日持ちが延長される。しかし、硝酸銀を茎よ
り吸収させた場合、銀イオンは導管内の移動速度が極め
て遅く、花や葉組織へ銀イオンの移行が困難である(Ha
levy,A.H.and Kofranek,A.M.(1977)Silver treatment
of carnation Flowers for reducing ethylene damage
and extending longevity.J.Amer.Soc.Hort.Sci.,102,
76-77)。オランダのVeenは、硝酸銀とチオ硫酸ナトリ
ウムとを混合してチオ硫酸銀の陰イオン錯体(silver t
hiouslufate、Ag(S203)23−、以下「チオ硫酸銀錯
体」という)を作り、カーネーションの導管内の移動を
調べた結果、非常に速い速度でカーネーションの導管内
を移動することができ、しかも、花の日持ちが著しく延
長することを明らかにしている(Veen,H.and van de Ge
ijn,S.C.(1978)Mobility and ionic form of silver
as related to longevity of cut carnations.Planta,1
40,93-96、Veen,H.(1977)Effect of silver on ethyl
ene synthesis and action in cut carnations.Planta,
145,467-470).チオ硫酸銀錯体は、切り花の鮮度保持
効果が高く、しかも原価が安いこともあって、現在世界
中で大量に使用されている。 前記のように広く用いられているチオ硫酸銀錯体に
は、次のような問題点がある。銀が重金属であるため
環境への影響が心配されている。チオ硫酸銀錯体はカ
ーネーション、カスミソウ、スイトピー、デルフィニウ
ムなどエチレンに感受性の高い花には鮮度保持効果が見
られるが、キク、バラ、ランなどエチレンに感受性の低
い花には効果が見られない。特にバラに関しては世界中
の研究者の精力的な研究にも拘らず、未だに有効な鮮度
保持剤は得られていない。 発明の開示 本発明者らは、前記のようなチオ硫酸銀錯体の課題を
解決し、しかもチオ硫酸銀錯体よりも切り花鮮度保持効
果の高い薬剤を求めて鋭意研究した結果、銀化合物と第
一アミン及び/又は核酸関連物質との混合物、及び/又
はそれらの反応生成物を含む切り花鮮度保持剤が、チオ
硫酸銀錯体よりも低い銀濃度において、切り花の鮮度を
チオ硫酸銀錯体と同等か或いはそれ以上に保持し、且つ
チオ硫酸銀錯体が鮮度保持効果を示さない切り花、例え
ばバラやキクやラン等に対してもきわめて絶大な効果を
示すことを見い出し本発明を完成した。 本発明の切り花鮮度保持剤の製造に用いられる銀化合
物としては、銀の1価の化合物、例えば硝酸銀、燐酸
銀、酢酸銀などがあるが、硝酸銀は前記したように切り
花鮮度保持剤の有効成分として古くから用いられてお
り、本発明において最も好ましく用いられる。 第一アミンとしては、例えばメチルアミン、エチルア
ミン、モノエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチ
ル)アミノメタン(tris(hydroxymethyl)aminomethan
e;以下トリスという)、2−アミノ−2−メチル−1,3
−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−
プロパンジオール、α−アミノオキシ酢酸(α−aminoo
xyacetic acid、AOA、H2N−O−CH2COOH)又はアミノ
エトキシビニルグリシン(aminoethoxyvinylglycine、A
VG、H2NCH2CH2OCH=CHCHNH2COOH)、などが本発明に使
用できる。しかしここに例示していないその他の水溶性
の第一アミンも本発明の記載に従って切り花の鮮度保持
剤として使用する限り本発明に包含される。 核酸関連物質としては、動植物組織や微生物等由来の
核酸(DNA、RNA)のアルカリ加水分解や酵素分解物等が
使用できるが、化学合成品として、ポリヌクレオチド、
オリゴヌクレオチド、ヌクレオチド、ヌクレオシド、核
酸塩基等、並びにこれらに化学構造が類似したもの、例
えばプリン誘導体のイノシン酸等を使用してもよい。こ
れらのうち酵母菌体から抽出した市販の酵母RNAの加水
分解物などが好適である。 本発明の切り花鮮度保持剤は、前記した銀化合物、第
一アミン或いは核酸関連物質といった原料を、それぞれ
組み合わせて互いに単に混合するか、またはそれらを反
応させることにより製造される。反応させる場合は、原
料の混合比(モル比)、反応温度、pHなどの製造条件に
はかなりの幅が存在し得るのでその製造法には多くのバ
リエーションが考えられる。 本発明の切り花鮮度保持剤の好ましい製法は例えば次
の通りである。 1) 銀化合物と第一アミンとを原料とした切り花鮮度
保持剤 銀化合物として硝酸銀、第一アミンとしてトリスを用
いる場合、硝酸銀水溶液とトリス水溶液とを室温で単に
混合するだけでよく、また、それらを反応させてもよ
い。硝酸銀とトリスは水溶液中で反応して錯体を形成す
る(Analytical Chemistry,Vol.47.No.8,July 1975:146
5-1966)。硝酸銀及びトリスの使用量は特に限定はない
が、好ましくは銀濃度が0.004〜0.400mM、トリスが3〜
30mMである。 銀化合物として燐酸銀や酢酸銀を使用する場合、これ
らをトリス水溶液に溶解し、水で所定濃度まで希釈す
る。 第一アミンとしてメチルアミン、エチルアミン、モノ
エタノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プ
ロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロ
パンジオール、α−アミノオキシ酢酸或いはアミノエト
キシビニルグリシンを使用する場合も前記に準じる。 2) 銀化合物と核酸関連物質とを原料とした切り花鮮
度保持剤 銀化合物として硝酸銀、核酸関連物質としてRNAの加
水分解物を使用する場合は次の通りである。 核酸関連物質は例えばRNAを加水分解することにより
調製されるものであるが、その分解条件は特に限定され
るものではない。 このRNA加水分解物は、RNAを0.1〜2Nの水酸化ナトリ
ウム又は水酸化カリウムに溶解し、室温〜120℃で15分
〜24時間加水分解したものを用いる。次いで酢酸などで
中和し、アルカリ分を除去した後、硝酸銀水溶液と混合
溶解する。この時蛋白質などがRNAに混入していて溶解
しにくい場合は、この加水分解物をフェノール処理した
後、エタノール沈澱すると良い。このようにして、得ら
れた切り花鮮度保持剤は、使用時銀濃度を0.004〜0.400
mMに希釈して用いる。核酸関連物質としては、RNA加水
分解物の代わりに、核酸塩基、ヌクレオシド、ヌクレオ
チド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオチド、プリン
誘導体及びピリミジン誘導体を用いる場合も前記に準じ
て、これらの水溶液を硝酸銀水溶液とを混合溶解する。
必要あらば加温して核酸関連物質の溶解を促進する。 3) 銀化合物と第一アミンと核酸関連物質とを原料と
した切り花鮮度保持剤 銀化合物として硝酸銀、第一アミンとしてトリス、核
酸関連物質としてRNAの加水分解物を使用する場合は次
の通りである。 RNAの加水分解条件は前記2)に準ずる。又は、RNAを
RNaseなどの核酸加水分解酵素で加水分解する。これら
のRNA加水分解物を、水、トリス水溶液又は希アルカリ
水溶液に溶解する。このRNA加水分解物溶液と硝酸銀水
溶液とを混合し、必要あらば酢酸などで中和することに
よって本発明の鮮度保持剤を得ることができる。中和後
沈澱が生じる場合はそのまま加熱溶解すればよい。或い
は沈澱を含む液を遠心分離して上清と沈澱に分離し、上
清はエタノール沈澱して沈澱物を回収し、これらの沈殿
物をトリスに溶解しても本発明の鮮度保持剤を得ること
ができる。このようにして得られた切り花鮮度保持剤の
原液は使用時、銀濃度が0.004〜0.400mMになるように希
釈し、不足分のトリスを添加する。トリスの代わりに第
一アミンとして、メチルアミン、エチルアミン、モノエ
タノールアミン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プロ
パンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロパ
ンジオール、α−アミノオキシ酢酸或いはアミノエトキ
シビニルグリシンを使用する場合も前記に準じる。 本発明の切り花鮮度保持剤には、必要に応じて、亜硫
酸アルカリ金属塩等の安定剤、ビタミンC等の酸化防止
剤、糖分や窒素分等の栄養分、各種の界面活性剤、或い
は各種の殺菌剤を添加してもよい。 発明を実施するための最良の形態 以下、実施例及び試験例により本発明の切り花鮮度保
持剤について更に詳細に説明するが、本発明は、これら
に限定されるものではない。 実施例1 銀化合物とトリスとを原料とした切り花鮮度
保持剤の製造 10mMの硝酸銀(半井化学社製)の水溶液4.0mlと200mM
のトリス(半井化学社製)の水溶液50.0mlとを混合し、
水道水を加えて全量を1Lとすることにより、切り花鮮度
保持剤(銀濃度0.040mM、トリス10mM)を得た。 実施例2 銀化合物と核酸加水分解物とを原料とした切
り花鮮度保持剤の製造 酵母由来のRNA(ベーリンガー社製;蛋白質を5%程
度含む)或いはサケ精子由来のDNA(ベーリンガー社
製;蛋白質を5%程度含む)0.1gを2Nの水酸化ナトリウ
ム水溶液10mlに溶解した。1.0M硝酸銀1mlを加え、120℃
で2時間オートクレーブした。これらを水道水で所定銀
濃度(0.004〜0.100mM)に希釈することにより、切り花
鮮度保持剤を得た。 実施例3 銀化合物とトリスとRNA加水分解物とを原料
とした切り花鮮度保持剤の製造:その1 酵母由来のRNA(ベーリンガー社製;蛋白質を5%程
度含む)0.1gを2Nの水酸化ナトリウム水溶液10mlに溶解
した。これに1.0Mの硝酸銀1mlを加え、120℃で2時間オ
ートクレーブした。この水溶液の0.485mlと200mMのトリ
ス50mlとを混合し、水道水を加えて全量を1Lとすること
により、切り花鮮度保持剤(銀濃度0.0040mM、トリス濃
度10mM)を得た。 実施例4 銀加水分解とトリスとRNA加水分解物とを原
料とした切り花鮮度保持剤の製造:その2 酵母由来のRNA(ベーリンガー社製;蛋白質を5%程
度含む)0.2gを2Nの水酸化ナトリウム水溶液10mlに溶解
した後、100℃で1時間加熱してRNA加水分解した。次い
で水を加えて全量を26.7mlとしたものをA液とした。一
方、硝酸銀0.21gを10mMトリス(10mM)3.3mlに溶解、こ
れをB液とした。 A液とB液とを混合し、酢酸を加えてpHを6.5に調整
して沈澱を析出させた。次いでこの沈澱を遠心分離(3,
000rpm15分)で分取し、1Mのトリスを等量加えて溶解し
た。これを水道水で所定の銀濃度(0.004〜0.400mM)に
希釈することにより、切り花鮮度保持剤を得た。 実施例5 銀化合物とトリスとRNA加水分解物とを原料
とした切り花鮮度保持剤の製造:その3 酵母由来のRNA(ベーリンガー社製;蛋白質を5%程
度含む)0.1gを2Nの水酸化ナトリウム水溶液5mlに溶解
し、120℃で2時間オートクレーブした。この加水分解
物を酢酸で中和した後、エタノール沈澱し、遠心分離
(3,000rpm、10分)して沈澱を分取した。この沈澱を0.
1Mトリス5mlに溶解し、これをA液とした。 一方、硝酸銀0.17gを0.1Mトリス5mlに溶解し、B液と
した。 A液とB液とを混合(黒色沈澱を生じる)した後、12
0℃で30分オートクレーブした。このようにして得られ
たものは切り花鮮度保持剤の原液であり、使用時には水
で希釈した後、トリスを3〜30mMになるように添加す
る。トリスの代わりに第一アミンとして、メチルアミ
ン、エチルアミン、モノエタノールアミン、2−アミノ
−2−メチル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−
2−エチル−1,3−プロパンジオール、α−アミノオキ
シ酢酸及びアミノエトキシビニルグリシンを使用する場
合も前記に準じる。 実施例6 銀化合物とトリスとRNA加水分解物とを原料
とした切り花鮮度保持剤の製造:その4 酵母由来のRNA0.1gを2Nの水酸化ナトリウム水溶液10m
lに溶解した。この水溶液を100℃で1時間加熱して加水
分解した後、この加水分解物に水16.7ml加えてA液とし
た。 一方、硝酸銀0.105gを水3.3mlに溶解して、B液とし
た。 A液とB液とを混合し、酢酸で中和した後遠心分離し
た。上清をエタノール沈澱し、この沈澱を0.5Mのトリス
又は希アルカリ2mlに溶解し、切り花鮮度保持剤の原液
を得た。使用時は実施例5と同様に希釈して用いる。ト
リスの代わりに第一アミンとして、メチルアミン、エチ
ルアミン、モノエタノールアミン、2−アミノ−2−メ
チル−1,3−プロパンジオール、2−アミノ−2−エチ
ル−1,3−プロパンジオール、α−アミノオキシ酢酸及
びアミノエトキシビニルグリシンを使用する場合も前記
に準じる。
1) 表1に示す銀濃度とトリス濃度になるように実施例1
に準じて銀化合物とトリスとからなる切り花鮮度保持剤
を製造し、試験に供した。試験花はカーネーション(品
種はレッドコルソー)で、農園で収穫後10本を一群とし
て直ちに前記切り花鮮度保持剤に4時間浸漬し吸水させ
た。次いで前記切り花鮮度保持剤を捨て水道水に置換し
て以後9日間健全花の数を数えた。結果を表1に示す。
表中の数は健全花の割合を百分率で示したものである。 表1から明らかなように、本発明の切り花鮮度保持剤
はチオ硫酸銀錯体とほぼ同じ程度の鮮度保持効果が認め
られた。 試験例2 カーネーションに対する鮮度保持効果(その
2) 実施例1、実施例2、実施例3で製造した切り花鮮度
保持剤を試験に供した。花はカーネーションで、品種は
信濃ピンクであった。試験に供したカーネーションは10
本を1群とし、毎日花の状態を観察して健全花の数を数
えた。結果を表2に示す。 表2から以下のことが明らかになった。 銀と核酸を原料とした切り花鮮度保持剤は、花鮮度
保持効果を示した。 銀とトリスとRNA加水分解物とを原料とした切り花
鮮度保持剤は、チオ硫酸銀錯体の約1/10の銀濃度でチオ
硫酸銀錯体と同程度の鮮度保持効果を示した。この試験
例ではチオ硫酸銀錯体は花弁の先端にシミが観察され
た。 試験例3 カーネーションに対する鮮度保持効果(その
3) 実施例4に従って製造した切り花鮮度保持剤を試験に
供した(トリス濃度は10mM)。花はカーネーション(品
種:シャイン)を用いた。試験に供したカーネーション
は5本を一群とし、毎日花の状態を観察して健全花の数
を数えた。結果を表3に示す。 表3から、銀化合物とトリスとRNA加水分解物とを原
料とした切り花鮮度保持剤について次のことが明らかと
なった。 銀濃度0.004〜0.400mMの間で鮮度保持効果に差は認
められなかった。 チオ硫酸銀錯体の1/10〜1/100の銀濃度でもチオ硫
酸銀錯体と同程度の鮮度保持効果を示した。 試験例4 カーネーションに対する鮮度保持効果(その
4) 実施例6に準じて製造した切り花鮮度保持剤を用い
て、カーネーション2品種(レッドコルソー及びノラ)
に対する鮮度保持効果試験を行った。試験は、それぞれ
5本を1群として行った。鮮度保持剤は使用時銀濃度が
0.026mMとなるように水で希釈し2−アミノ−2−メチ
ル−1,3−プロパンジオール及び/又はトリスをそれぞ
れ5.0、10.0、15.0mMとなるように添加した。試験方法
は試験例1に準じて行った。結果を表4に示す。 表4から2−アミノ−2−メチル−1,3−プロパンジ
オールもトリスと同様の鮮度保持効果を示した。 試験例5 カスミソウに対する鮮度保持効果 実施例4に従って製造した切り花鮮度保持剤(トリス
濃度は15.0mM)を用いてカスミソウを処理した結果を以
下に示す。カスミソウは花の形状から個々の花について
鮮度を評価することは無意味であるため主として切り花
全体の観察により評価した。定量的には試験開始後1日
目〜5日目の間の累計吸水量と、試験開始日の切り花重
量に対する試験開始後5日目の切り花の重量の比を測定
した。結果を表5に示す。 表5から銀化合物とRNA加水分解物とトリスとを原料
とした切り花鮮度保持剤は、チオ硫酸銀錯体の約1/10の
銀濃度でも観察期間中花の鑑賞価値を失わず、吸水量も
約2倍の値を示し、優れた鮮度保持効果を示した。 試験例6 キクに対する鮮度保持効果 実施例4に従って製造した切り花鮮度保持剤(銀濃度
0.040mM、トリス濃度15.0mM)を用いて未開花のキクを
処理した結果を表6に示す。花の鮮度は、花の状態のみ
ならず、開花の進捗、葉の状態など切り花全体の観察で
評価した。定量的には試験開始後の累計吸水量と、花の
重量の測定(表6では処理当日の重量に対する比で表し
た)を行った。 観察結果は以下の通りである。 銀化合物とRNA加水分解物とトリスとを原料とした切
り花鮮度保持剤で処理した群では、処理後7日目頃に完
全に開花し、その後15日目に至っても花の状態は健全で
あった。葉は15日目においても処理日当日と変わらぬ張
りを維持していた。一方、水道水を用いた無処理の群で
は、7日目頃に完全に開花したが、12日目頃から次第に
萎れ始め鑑賞価値が低下した。葉は3日目に柔らかくな
り、日数の経過と共に萎凋が進行した。 また、処理後15日以上経過すると、無処理群では茎か
ら養分が逆流して浸漬液が褐色或いは緑色に混濁したの
に対し、処理群では浸漬液の色に変化がなかった。 以上から明らかなように、本発明の切り花鮮度保持剤
は、エチレンによる老化促進作用を受けないキクのよう
な花に対しても鮮度を保持する効果を有している。 試験例7 バラに対する鮮度保持効果(その1) 実施例5に準じて製造した切り花鮮度保持剤を用い
て、バラ(ローテローゼ)に対する鮮度保持効果試験を
行った。鮮度保持剤は使用時銀濃度が0.05mMとなるよう
に水で希釈し、第一アミンとしてメチルアミン、エチル
アミン或いはトリスを15mMとなるように添加した。試験
に供したバラは5本を1群とし、毎日花の状態を観察し
て健全花の数を数えた。対照としてはバラに対する鮮度
保持剤が存在しないので水を用いた。結果を表7に示
す。 表7から、銀化合物をRNA加水分解と第一アミン(メ
チルアミン、エチルアミン、トリス)とを原料とした切
り花鮮度保持剤は、バラに対して極めて優れた鮮度保持
効果を示した。 試験例8 バラに対する鮮度保持効果(その2) 実施例5に従って製造した切り花鮮度保持剤を用い
て、バラ5品種(ローテローゼ、ティネケ、ロールデン
エンブレム、ソニア及びカールレッド)に対する鮮度保
持効果試験を行った。試験方法は試験例6に準じた。結
果を表8−1〜表8−5に示す。 これらの結果から、本発明の切り花鮮度保持剤は、バ
ラの品種に関係なく、極めて優れた鮮度保持効果を示し
た。 産業上の利用可能性 本発明の切り花鮮度保持剤は、エチレン感受性の高い
切り花、例えばカーネーション、カスミソウ、スイトピ
ー、デルフィニウム、デンドロデュウム、ユリ、ストッ
ク、キンギョソウ等に対して、チオ硫酸銀錯体を有効成
分とする従来の切り花鮮度保持剤よりも低い銀濃度で、
同程度かそれ以上の花鮮度保持効果を示す。 エチレン感受性の低い切り花、例えばキク、バラ、ラ
ン等の切り花に対して現在まで有効な鮮度保持剤はなか
ったが、本発明の切り花鮮度保持剤はとりわけキクやバ
ラに対して極めて優れた鮮度保持効果を示す。
Claims (5)
- 【請求項1】銀化合物と第一アミン及び/又は核酸関連
物質との混合物及び/又はそれらの反応生成物を含む切
り花鮮度保持剤。 - 【請求項2】銀化合物が、硝酸銀、酢酸銀または燐酸銀
である請求の範囲第1項記載の切り花鮮度保持剤。 - 【請求項3】第一アミンがメチルアミン、エチルアミ
ン、モノエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチ
ル)アミノメタン、2−アミノ−2−メチル−1,3−プ
ロパンジオール、2−アミノ−2−エチル−1,3−プロ
パンジオール、α−アミノオキシ酢酸及びアミノエトキ
シビニルグリシンからなる群から選ばれた少なくとも一
種以上である請求の範囲第1項記載の切り花鮮度保持
剤。 - 【請求項4】核酸関連物質が、RNAの加水分解物である
請求の範囲第1項記載の切り花鮮度保持剤。 - 【請求項5】核酸関連物質が、核酸塩基、ヌクレオシ
ド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、ポリヌクレオ
チド、プリン誘導体、ピリミジン誘導体からなる群から
選ばれた少なくとも一種以上である請求の範囲第1項記
載の切り花鮮度保持剤。
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