JP2820003B2 - 自動車用樹脂ホースおよびその製法 - Google Patents
自動車用樹脂ホースおよびその製法Info
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- JP2820003B2 JP2820003B2 JP5244288A JP24428893A JP2820003B2 JP 2820003 B2 JP2820003 B2 JP 2820003B2 JP 5244288 A JP5244288 A JP 5244288A JP 24428893 A JP24428893 A JP 24428893A JP 2820003 B2 JP2820003 B2 JP 2820003B2
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- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、自動車の燃料配管等に
用いられる自動車用樹脂ホースおよびその製法に関する
ものである。
用いられる自動車用樹脂ホースおよびその製法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】エチレン−テトラフルオロエチレン共重
合体(ETFE)等のフッ素系樹脂は、薬品およびガソ
リン等に対する耐蝕特性等に優れるため、自動車の燃料
配管等に用いられる樹脂ホースの構成材料として賞用さ
れている。このような自動車用樹脂ホースとして、図3
に示すような、フッ素系樹脂製内層11の外周に、ポリ
アミド系熱可塑性樹脂製外層12が積層形成された2層
構造のホースが知られている。このホースを製造するに
際して、ウレタン系接着剤等の樹脂用接着剤を用いてフ
ッ素系樹脂とポリアミド系熱可塑性樹脂とが接着処理さ
れるが、この接着処理の前に、フッ素系樹脂の表面に特
殊な接着前処理が行われている。これは、フッ素系樹脂
が難接着性であるため、接着剤による処理のみでは、充
分な接着強度が得られず、実用性のあるホースとするこ
とが困難だからである。この前処理として、金属ナトリ
ウム錯体溶液処理法がある。この前処理法の一例とし
て、上記の2層構造のホースを製造する場合、金属ナト
リウム錯体溶液中に、フッ素系樹脂製円筒状内層を浸漬
した後、引き上げ,洗浄,乾燥するという処理法があ
る。この前処理法によれば、フッ素系樹脂製内層の外周
表面が活性化されるため、ポリアミド系熱可塑性樹脂製
外層との接着が可能となる。しかし、浸漬,洗浄等の工
程を必要とするため、全体として工程が長く複雑になる
という問題を有するうえ、金属ナトリウム錯体溶液は、
人体に対する安全性等の問題がある。そして、上記洗浄
の際に発生する廃液も有害であり、これを無毒なものと
するため、大がかりな設備を必要とし、設備コストが高
くなる。したがって、この方法により得られるホース
は、製造する際の安全性に問題があるうえ、コストも高
いという問題を有する。
合体(ETFE)等のフッ素系樹脂は、薬品およびガソ
リン等に対する耐蝕特性等に優れるため、自動車の燃料
配管等に用いられる樹脂ホースの構成材料として賞用さ
れている。このような自動車用樹脂ホースとして、図3
に示すような、フッ素系樹脂製内層11の外周に、ポリ
アミド系熱可塑性樹脂製外層12が積層形成された2層
構造のホースが知られている。このホースを製造するに
際して、ウレタン系接着剤等の樹脂用接着剤を用いてフ
ッ素系樹脂とポリアミド系熱可塑性樹脂とが接着処理さ
れるが、この接着処理の前に、フッ素系樹脂の表面に特
殊な接着前処理が行われている。これは、フッ素系樹脂
が難接着性であるため、接着剤による処理のみでは、充
分な接着強度が得られず、実用性のあるホースとするこ
とが困難だからである。この前処理として、金属ナトリ
ウム錯体溶液処理法がある。この前処理法の一例とし
て、上記の2層構造のホースを製造する場合、金属ナト
リウム錯体溶液中に、フッ素系樹脂製円筒状内層を浸漬
した後、引き上げ,洗浄,乾燥するという処理法があ
る。この前処理法によれば、フッ素系樹脂製内層の外周
表面が活性化されるため、ポリアミド系熱可塑性樹脂製
外層との接着が可能となる。しかし、浸漬,洗浄等の工
程を必要とするため、全体として工程が長く複雑になる
という問題を有するうえ、金属ナトリウム錯体溶液は、
人体に対する安全性等の問題がある。そして、上記洗浄
の際に発生する廃液も有害であり、これを無毒なものと
するため、大がかりな設備を必要とし、設備コストが高
くなる。したがって、この方法により得られるホース
は、製造する際の安全性に問題があるうえ、コストも高
いという問題を有する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】一方、上記以外の前処
理法として、コロナ放電処理法が提案され、一部で実施
されている。この前処理法は、前記の金属ナトリウム錯
体溶液を使用する方法に比較して工程数が少なく安全性
に問題がない方法である。また、グロー放電処理等の他
の放電処理に必要な特殊な設備や装置を必要としないた
め、設備コストも低く抑えることができる方法である。
しかしながら、このコロナ放電処理法は、金属ナトリウ
ム錯体溶液を使用する方法に比べて接着前処理の効果が
低いという欠点を有する。したがって、この方法により
製造された自動車用樹脂ホースは、接着強度が低く実用
性に問題がある。
理法として、コロナ放電処理法が提案され、一部で実施
されている。この前処理法は、前記の金属ナトリウム錯
体溶液を使用する方法に比較して工程数が少なく安全性
に問題がない方法である。また、グロー放電処理等の他
の放電処理に必要な特殊な設備や装置を必要としないた
め、設備コストも低く抑えることができる方法である。
しかしながら、このコロナ放電処理法は、金属ナトリウ
ム錯体溶液を使用する方法に比べて接着前処理の効果が
低いという欠点を有する。したがって、この方法により
製造された自動車用樹脂ホースは、接着強度が低く実用
性に問題がある。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、優れた接着強度を有した低コストの自動車用樹
脂ホースおよび安全性に優れた生産効率の高い自動車用
樹脂ホースの製法を提供することをその目的とする。
もので、優れた接着強度を有した低コストの自動車用樹
脂ホースおよび安全性に優れた生産効率の高い自動車用
樹脂ホースの製法を提供することをその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、フッ素系樹脂製内層の外周に、ポリアミ
ド系熱可塑性樹脂製外層が積層形成された自動車用樹脂
ホースであって、上記フッ素系樹脂製内層の外周面が粗
面に形成され、その粗面上にアミノシラン系カップリン
グ剤処理層が形成されている自動車用樹脂ホースを第1
の要旨とし、フッ素系樹脂製内層の外周に、ポリアミド
系熱可塑性樹脂製外層が積層形成された自動車用樹脂ホ
ースの製法であって、上記フッ素系樹脂製内層を押出成
形により形成し、上記形成されたフッ素系樹脂製内層の
外周面に、コロナ放電処理による接着前処理を施した
後、アミノシラン系カップリング剤処理による処理層を
形成し、上記アミノシラン系カップリング剤処理層の上
にポリアミド系熱可塑性樹脂製外層を押出成形により形
成する自動車用樹脂ホースの製法を第2の要旨とする。
め、本発明は、フッ素系樹脂製内層の外周に、ポリアミ
ド系熱可塑性樹脂製外層が積層形成された自動車用樹脂
ホースであって、上記フッ素系樹脂製内層の外周面が粗
面に形成され、その粗面上にアミノシラン系カップリン
グ剤処理層が形成されている自動車用樹脂ホースを第1
の要旨とし、フッ素系樹脂製内層の外周に、ポリアミド
系熱可塑性樹脂製外層が積層形成された自動車用樹脂ホ
ースの製法であって、上記フッ素系樹脂製内層を押出成
形により形成し、上記形成されたフッ素系樹脂製内層の
外周面に、コロナ放電処理による接着前処理を施した
後、アミノシラン系カップリング剤処理による処理層を
形成し、上記アミノシラン系カップリング剤処理層の上
にポリアミド系熱可塑性樹脂製外層を押出成形により形
成する自動車用樹脂ホースの製法を第2の要旨とする。
【0006】
【作用】すなわち、本発明者らは、上記課題を解決する
ために、フッ素系樹脂製内層の外周面処理を中心に一連
の研究を重ねた。その結果、フッ素系樹脂製内層の外周
面を粗面に形成し、この粗面上にアミノシラン系カップ
リング剤による処理層を形成すると、その上に形成され
るポリアミド系熱可塑性樹脂製外層が、上記両層の接触
面において、粗面の凹部に食い込んだ状態となって投錨
効果を生じるようになるとともに、上記両層の親和性が
著しく向上するようになることを突き止めた。そして、
この2つの処理を施して得られるホースは、接着剤を用
いなくても、優れた接着強度を有するようになることを
見出し本発明に到達した。さらに、上記フッ素系樹脂製
内層の外周面の粗面化は、工程数が少なく安全性にも問
題がないコロナ放電処理により行うことができる。ま
た、アミノシラン系カップリング剤処理も簡単に行うこ
とができ、また安全性に問題はない。したがって、本発
明により、接着剤を用いることなく自動車用樹脂ホース
に優れた接着強度を付与することができるようになると
ともに、その製造においても、優れた安全性および高い
生産性が実現されるようになる。
ために、フッ素系樹脂製内層の外周面処理を中心に一連
の研究を重ねた。その結果、フッ素系樹脂製内層の外周
面を粗面に形成し、この粗面上にアミノシラン系カップ
リング剤による処理層を形成すると、その上に形成され
るポリアミド系熱可塑性樹脂製外層が、上記両層の接触
面において、粗面の凹部に食い込んだ状態となって投錨
効果を生じるようになるとともに、上記両層の親和性が
著しく向上するようになることを突き止めた。そして、
この2つの処理を施して得られるホースは、接着剤を用
いなくても、優れた接着強度を有するようになることを
見出し本発明に到達した。さらに、上記フッ素系樹脂製
内層の外周面の粗面化は、工程数が少なく安全性にも問
題がないコロナ放電処理により行うことができる。ま
た、アミノシラン系カップリング剤処理も簡単に行うこ
とができ、また安全性に問題はない。したがって、本発
明により、接着剤を用いることなく自動車用樹脂ホース
に優れた接着強度を付与することができるようになると
ともに、その製造においても、優れた安全性および高い
生産性が実現されるようになる。
【0007】つぎに、本発明を詳しく説明する。
【0008】本発明の自動車用樹脂ホースは、フッ素系
樹脂と、ポリアミド系熱可塑性樹脂とを原料として、例
えば、大気中でのコロナ放電処理を施し、アミノシラン
系カップリング剤による処理をすることにより作製する
ことができる。
樹脂と、ポリアミド系熱可塑性樹脂とを原料として、例
えば、大気中でのコロナ放電処理を施し、アミノシラン
系カップリング剤による処理をすることにより作製する
ことができる。
【0009】上記フッ素系樹脂としては、エチレンとテ
トラフルオロエチレンの共重合体(ETFE),ポリビ
ニリデンフルオライド(PVDF),ポリクロロトリフ
ルオロエチレン(CTFE),エチレンとクロロトリフ
ルオロエチレンの共重合体(ECTFE),ヘキサフル
オロプロピレンとテトラフルオロエチレンの共重合体
(FEP),フッ化アルコキシエチレン樹脂(PF
A),ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等があ
げられ、単独でもしくは2種類以上併せて用いられる。
このなかでも、ETFEを用いることが好ましい。
トラフルオロエチレンの共重合体(ETFE),ポリビ
ニリデンフルオライド(PVDF),ポリクロロトリフ
ルオロエチレン(CTFE),エチレンとクロロトリフ
ルオロエチレンの共重合体(ECTFE),ヘキサフル
オロプロピレンとテトラフルオロエチレンの共重合体
(FEP),フッ化アルコキシエチレン樹脂(PF
A),ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)等があ
げられ、単独でもしくは2種類以上併せて用いられる。
このなかでも、ETFEを用いることが好ましい。
【0010】そして、上記フッ素系樹脂には物性改良等
の目的で充填剤を配合することが可能である。このよう
な充填剤としては、酸化チタン,硫酸バリウム,炭酸カ
ルシウム,シリカ,カーボンブラック,けい酸マグネシ
ウム,けい酸アルミニウム,酸化亜鉛,アルミナ,硫酸
カルシウム,硫酸アルミニウム,水酸化カルシウム,水
酸化アルミニウム,タルク,二酸化モリブデン,ウィス
カー,短繊維類,黒鉛,金属粉,けい砂,軽石粉,スレ
ート粉,雲母粉,アスベスト,ガラス球等があげられ
る。この充填剤の配合割合は、通常フッ素系樹脂100
重量部(以下「部」と略す)に対し0〜30部の範囲に
設定される。
の目的で充填剤を配合することが可能である。このよう
な充填剤としては、酸化チタン,硫酸バリウム,炭酸カ
ルシウム,シリカ,カーボンブラック,けい酸マグネシ
ウム,けい酸アルミニウム,酸化亜鉛,アルミナ,硫酸
カルシウム,硫酸アルミニウム,水酸化カルシウム,水
酸化アルミニウム,タルク,二酸化モリブデン,ウィス
カー,短繊維類,黒鉛,金属粉,けい砂,軽石粉,スレ
ート粉,雲母粉,アスベスト,ガラス球等があげられ
る。この充填剤の配合割合は、通常フッ素系樹脂100
重量部(以下「部」と略す)に対し0〜30部の範囲に
設定される。
【0011】上記ポリアミド系熱可塑性樹脂は、特に制
限されるものではなく、耐摩耗性等に優れた、ナイロン
6,ナイロン66,ナイロン11,ナイロン12等があ
げられ、単独でもしくは2種類以上併用される。
限されるものではなく、耐摩耗性等に優れた、ナイロン
6,ナイロン66,ナイロン11,ナイロン12等があ
げられ、単独でもしくは2種類以上併用される。
【0012】上記ポリアミド系熱可塑性樹脂には、加工
特性の改善および柔軟性の向上のために、可塑剤が配合
されることがある。この可塑剤としては、スルホンアミ
ド類,オキシ安息香酸エステル類等があげられる。この
可塑剤の配合割合は、通常ポリアミド系熱可塑性樹脂1
00部に対し、0〜20部の範囲に設定される。また、
フッ素系樹脂に用いられる充填剤を配合することも可能
である。
特性の改善および柔軟性の向上のために、可塑剤が配合
されることがある。この可塑剤としては、スルホンアミ
ド類,オキシ安息香酸エステル類等があげられる。この
可塑剤の配合割合は、通常ポリアミド系熱可塑性樹脂1
00部に対し、0〜20部の範囲に設定される。また、
フッ素系樹脂に用いられる充填剤を配合することも可能
である。
【0013】上記アミノシラン系カップリング剤処理に
使用されるアミノシラン系カップリング剤は、下記の一
般式(1)で表されるものがあげられる。
使用されるアミノシラン系カップリング剤は、下記の一
般式(1)で表されるものがあげられる。
【0014】
【化1】
【0015】このようなアミノシラン系カップリング剤
としては、具体的には、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン,N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン,N−β−(アミノエチル)−
γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン,γ−ウレ
イドプロピルトリエトキシシラン等があげられる。これ
らは、単独でもしくは2種類以上併せた混合物として用
いられる。また、フェノール等の添加剤を配合して上記
アミノシラン系カップリング剤を主体とする混合物とし
て用いてもよい。
としては、具体的には、γ−アミノプロピルトリエトキ
シシラン,N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロ
ピルトリメトキシシラン,N−β−(アミノエチル)−
γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン,γ−ウレ
イドプロピルトリエトキシシラン等があげられる。これ
らは、単独でもしくは2種類以上併せた混合物として用
いられる。また、フェノール等の添加剤を配合して上記
アミノシラン系カップリング剤を主体とする混合物とし
て用いてもよい。
【0016】上記大気中でのコロナ放電処理は、高周波
電源を用いた処理である。このコロナ放電処理とアミノ
シラン系カップリング剤による処理を組み合わせて、上
記原料を用いた本発明の自動車用樹脂ホースは、例え
ば、つぎのようにして連続的に製造することができる。
すなわち、まず、図2に示すように、速さ3〜20m/
分でマンドレル供給装置1から内層押出成形機4へマン
ドレル3が供給され、この内層押出成形機4により、フ
ッ素系樹脂を用いて、フッ素系樹脂製内層11が押出成
形される。この内層11は、通常、内径5〜50mm,
厚み0.1〜1mmの範囲に設定される。ついで、内層
11が形成されたマンドレル3は、水冷ゾーン15を通
過してコロナ放電処理装置6内に導かれる。この処理装
置6内は、一般の大気中の条件となっている。そして、
電極7の間が処理ゾーンであり、この処理ゾーンに内層
11が形成されたマンドレル3が導かれ、高周波電源8
を用いたコロナ放電処理による接着前処理が内層11の
外周面に対して行われる。この放電処理の条件は、例え
ば、周波数20〜40kHz,出力0.2〜20kWの
条件である。また、この時の処理時間は、フッ素系樹脂
の種類等の条件により適宜決定されるが、通常、1〜6
0秒である。そして、コロナ放電処理された内層11
は、処理装置6外へ排出される。ついで、カップリング
剤処理装置16で内層11の外周面にアミノシラン系カ
ップリング剤処理が施される。この処理は、上記アミノ
シラン系カップリング剤をメタノール等の溶剤に溶解
し、この溶液を塗布した後、乾燥させることにより行わ
れる。上記塗布の方法は、特に限定されるものではない
が、連続製造に適した浸漬法,滴下法,スプレー法等の
方法により行われる。また、上記塗布したアミノシラン
系カップリング剤を乾燥する方法としては、温風乾燥等
の方法があげられる。このようにしてアミノシラン系カ
ップリング剤処理層が内層11の外周面に形成される。
そして、この処理層が形成されたフッ素系樹脂製内層1
1の外周に、外層押出成形機5により、厚み0.2〜2
mmのポリアミド系熱可塑性樹脂製外層12が形成され
る。そして、この内層11および外層12が形成された
マンドレル3は、マンドレル巻き取り機2により巻き取
られる。
電源を用いた処理である。このコロナ放電処理とアミノ
シラン系カップリング剤による処理を組み合わせて、上
記原料を用いた本発明の自動車用樹脂ホースは、例え
ば、つぎのようにして連続的に製造することができる。
すなわち、まず、図2に示すように、速さ3〜20m/
分でマンドレル供給装置1から内層押出成形機4へマン
ドレル3が供給され、この内層押出成形機4により、フ
ッ素系樹脂を用いて、フッ素系樹脂製内層11が押出成
形される。この内層11は、通常、内径5〜50mm,
厚み0.1〜1mmの範囲に設定される。ついで、内層
11が形成されたマンドレル3は、水冷ゾーン15を通
過してコロナ放電処理装置6内に導かれる。この処理装
置6内は、一般の大気中の条件となっている。そして、
電極7の間が処理ゾーンであり、この処理ゾーンに内層
11が形成されたマンドレル3が導かれ、高周波電源8
を用いたコロナ放電処理による接着前処理が内層11の
外周面に対して行われる。この放電処理の条件は、例え
ば、周波数20〜40kHz,出力0.2〜20kWの
条件である。また、この時の処理時間は、フッ素系樹脂
の種類等の条件により適宜決定されるが、通常、1〜6
0秒である。そして、コロナ放電処理された内層11
は、処理装置6外へ排出される。ついで、カップリング
剤処理装置16で内層11の外周面にアミノシラン系カ
ップリング剤処理が施される。この処理は、上記アミノ
シラン系カップリング剤をメタノール等の溶剤に溶解
し、この溶液を塗布した後、乾燥させることにより行わ
れる。上記塗布の方法は、特に限定されるものではない
が、連続製造に適した浸漬法,滴下法,スプレー法等の
方法により行われる。また、上記塗布したアミノシラン
系カップリング剤を乾燥する方法としては、温風乾燥等
の方法があげられる。このようにしてアミノシラン系カ
ップリング剤処理層が内層11の外周面に形成される。
そして、この処理層が形成されたフッ素系樹脂製内層1
1の外周に、外層押出成形機5により、厚み0.2〜2
mmのポリアミド系熱可塑性樹脂製外層12が形成され
る。そして、この内層11および外層12が形成された
マンドレル3は、マンドレル巻き取り機2により巻き取
られる。
【0017】このような連続した工程により、図1に示
すような、フッ素系樹脂製内層11の外周面にアミノシ
ラン系カップリング剤処理層17が形成され、この処理
層17の上にポリアミド系熱可塑性樹脂製外層12が形
成された自動車用樹脂ホースを製造することができる。
なお、電極形状は、図2に示すような線電極の他にボー
ル電極を使用することが可能である。そして、上記製法
において、マンドレルを使用した製法をあげたが、これ
に限定するものではなく、マンドレルを使用せずに同様
の工程を経ることにより自動車用樹脂ホースを作製する
ことができる。
すような、フッ素系樹脂製内層11の外周面にアミノシ
ラン系カップリング剤処理層17が形成され、この処理
層17の上にポリアミド系熱可塑性樹脂製外層12が形
成された自動車用樹脂ホースを製造することができる。
なお、電極形状は、図2に示すような線電極の他にボー
ル電極を使用することが可能である。そして、上記製法
において、マンドレルを使用した製法をあげたが、これ
に限定するものではなく、マンドレルを使用せずに同様
の工程を経ることにより自動車用樹脂ホースを作製する
ことができる。
【0018】上記のように、コロナ放電処理を施すこと
により、フッ素系樹脂製内層の外周表面が粗面化され
る。そして、アミノシラン系カップリング剤による処理
層を形成することにより、カップリング剤分子中のアミ
ノ基がポリアミド系熱可塑性樹脂に親和性を示し、また
同分子中のSi−O構造がフッ素系樹脂に対し親和性を
示すため、フッ素系樹脂とポリアミド系熱可塑性樹脂の
親和性が著しく高まり、接着剤を用いなくても、両者の
接着力が優れたものとなる。このように、コロナ放電処
理による粗面化処理と、アミノシラン系カップリング剤
による親和性の向上を組み合わせることにより接着剤を
用いなくても、接着強度に優れた自動車用樹脂ホースを
作製することが可能となる。これが、本発明の最大の特
徴である。
により、フッ素系樹脂製内層の外周表面が粗面化され
る。そして、アミノシラン系カップリング剤による処理
層を形成することにより、カップリング剤分子中のアミ
ノ基がポリアミド系熱可塑性樹脂に親和性を示し、また
同分子中のSi−O構造がフッ素系樹脂に対し親和性を
示すため、フッ素系樹脂とポリアミド系熱可塑性樹脂の
親和性が著しく高まり、接着剤を用いなくても、両者の
接着力が優れたものとなる。このように、コロナ放電処
理による粗面化処理と、アミノシラン系カップリング剤
による親和性の向上を組み合わせることにより接着剤を
用いなくても、接着強度に優れた自動車用樹脂ホースを
作製することが可能となる。これが、本発明の最大の特
徴である。
【0019】
【発明の効果】以上のように、本発明の自動車用樹脂ホ
ースは、フッ素系樹脂製内層の外周に、ポリアミド系熱
可塑性樹脂製外層が積層形成された自動車用樹脂ホース
であって、上記フッ素系樹脂製内層の外周面が粗面に形
成され、その粗面上にアミノシラン系カップリング剤に
よる処理層が形成されている。すなわち、粗面化された
フッ素系樹脂製内層の外周面上おいて、ポリアミド系熱
可塑性樹脂が粗面の凹部に食い込んだ状態で接着してい
るため、高い投錨効果を生じているとともに、アミノシ
ラン系カップリング剤処理層によりフッ素系樹脂製内層
に対するポリアミド系熱可塑性樹脂製外層の親和性が著
しく高まっている。その結果、得られる自動車用樹脂ホ
ースは、接着剤を用いなくても優れた接着強度を有する
ようになる。また、接着剤を用いず、かつ金属ナトリウ
ム錯体溶液も不要なため、安全性に問題はなく、廃液処
理設備等の特殊な設備も不要となる。そのため、設備コ
ストを低く抑えることが可能となる。そのうえ、本発明
において、フッ素系樹脂の粗面化は、例えば大気中での
コロナ放電処理等の方法により簡便かつ連続的に行うこ
とができる。また、アミノシラン系カップリング剤処理
層の形成も通常の方法を適用することが可能である。そ
して、上記二つの処理は、連続処理とすることが可能で
あるため、上記自動車用樹脂ホースを連続的かつ高速に
製造することができるようになり、生産性が向上するよ
うになる。したがって、本発明により、優れた接着強度
および耐蝕特性を備えた自動車用樹脂ホースを低コスト
で提供することができるようになる。
ースは、フッ素系樹脂製内層の外周に、ポリアミド系熱
可塑性樹脂製外層が積層形成された自動車用樹脂ホース
であって、上記フッ素系樹脂製内層の外周面が粗面に形
成され、その粗面上にアミノシラン系カップリング剤に
よる処理層が形成されている。すなわち、粗面化された
フッ素系樹脂製内層の外周面上おいて、ポリアミド系熱
可塑性樹脂が粗面の凹部に食い込んだ状態で接着してい
るため、高い投錨効果を生じているとともに、アミノシ
ラン系カップリング剤処理層によりフッ素系樹脂製内層
に対するポリアミド系熱可塑性樹脂製外層の親和性が著
しく高まっている。その結果、得られる自動車用樹脂ホ
ースは、接着剤を用いなくても優れた接着強度を有する
ようになる。また、接着剤を用いず、かつ金属ナトリウ
ム錯体溶液も不要なため、安全性に問題はなく、廃液処
理設備等の特殊な設備も不要となる。そのため、設備コ
ストを低く抑えることが可能となる。そのうえ、本発明
において、フッ素系樹脂の粗面化は、例えば大気中での
コロナ放電処理等の方法により簡便かつ連続的に行うこ
とができる。また、アミノシラン系カップリング剤処理
層の形成も通常の方法を適用することが可能である。そ
して、上記二つの処理は、連続処理とすることが可能で
あるため、上記自動車用樹脂ホースを連続的かつ高速に
製造することができるようになり、生産性が向上するよ
うになる。したがって、本発明により、優れた接着強度
および耐蝕特性を備えた自動車用樹脂ホースを低コスト
で提供することができるようになる。
【0020】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
明する。
【0021】
【実施例1,2】前記の方法にしたがって、ETFEお
よびナイロン12からなる自動車用樹脂ホースを作製し
た。すなわち、まず、図2に示すように、速さ5m/分
でマンドレル供給装置1から内層押出成形機4へマンド
レル3を供給し、この内層押出成形機4により、ETF
Eを用いて、内径6.0mm,厚み0.25mmの内層
11をマンドレル3の外周に形成した。ついで、このマ
ンドレル3を、水冷ゾーン15を通過させてコロナ放電
処理装置6内に導いた。そして、電極7の間の処理ゾー
ンにETFE製内層11が形成されたマンドレル3を導
き、ETFE製内層の外周に、周波数20kHz,出力
0.4kWの条件でコロナ放電処理を行った。この処理
後、マンドレル3を、コロナ放電処理装置6外に排出
し、カップリング剤処理装置16において、実施例1
は、γ−アミノプロピルエトキシシラン(a)を、実施
例2はN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン(b)をメタノールに溶解して塗布
した。そして、これを乾燥させて、外層押出成形機5に
よりナイロン12を用いて厚み0.75mmの外層12
を形成して、目的とする自動車用樹脂ホースを得た。
よびナイロン12からなる自動車用樹脂ホースを作製し
た。すなわち、まず、図2に示すように、速さ5m/分
でマンドレル供給装置1から内層押出成形機4へマンド
レル3を供給し、この内層押出成形機4により、ETF
Eを用いて、内径6.0mm,厚み0.25mmの内層
11をマンドレル3の外周に形成した。ついで、このマ
ンドレル3を、水冷ゾーン15を通過させてコロナ放電
処理装置6内に導いた。そして、電極7の間の処理ゾー
ンにETFE製内層11が形成されたマンドレル3を導
き、ETFE製内層の外周に、周波数20kHz,出力
0.4kWの条件でコロナ放電処理を行った。この処理
後、マンドレル3を、コロナ放電処理装置6外に排出
し、カップリング剤処理装置16において、実施例1
は、γ−アミノプロピルエトキシシラン(a)を、実施
例2はN−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピル
トリメトキシシラン(b)をメタノールに溶解して塗布
した。そして、これを乾燥させて、外層押出成形機5に
よりナイロン12を用いて厚み0.75mmの外層12
を形成して、目的とする自動車用樹脂ホースを得た。
【0022】
【比較例1】コロナ放電処理を行わなかった。そして、
γ−アミノプロピルエトキシシラン(a)を使用してカ
ップリング剤処理を行った。これ以外は、実施例1,2
と同様の操作を行い自動車用樹脂ホースを作製した。
γ−アミノプロピルエトキシシラン(a)を使用してカ
ップリング剤処理を行った。これ以外は、実施例1,2
と同様の操作を行い自動車用樹脂ホースを作製した。
【0023】
【比較例2】カップリング剤として、ビニルエトキシシ
ラン(c)を使用した。それ以外は、実施例1,2と同
様の操作を行い、自動車用樹脂ホースを作製した。
ラン(c)を使用した。それ以外は、実施例1,2と同
様の操作を行い、自動車用樹脂ホースを作製した。
【0024】
【比較例3】コロナ放電処理およびカップリング剤処理
を行わなかった。それ以外は、実施例1,2と同様の操
作を行い自動車用樹脂ホースを作製した。
を行わなかった。それ以外は、実施例1,2と同様の操
作を行い自動車用樹脂ホースを作製した。
【0025】このようにして得られた実施例品1,2お
よび比較例品1〜3の自動車用樹脂ホースについて、下
記に示す方法により、剥離試験,ガソリン浸漬試験およ
び熱老化試験を行った。その結果を下記の表1に示す。
よび比較例品1〜3の自動車用樹脂ホースについて、下
記に示す方法により、剥離試験,ガソリン浸漬試験およ
び熱老化試験を行った。その結果を下記の表1に示す。
【0026】〔剥離試験〕剥離試験は、JIS K61
03に準拠して行った。すなわち、図4に示すように、
実施例品および比較例品のホースを、長さ10mmとな
るようにリング状に切断し、さらに長手方向に切開して
試験サンプルとした。ついでこの試験サンプルの切開面
より、内層11および外層12を剥離し、その剥離端
を、引張試験機のつかみ治具に固定して、引張速度25
mm/分で引張試験を行い、得られた荷重より2層間の
剥離強度を求めた。なお、図において、Lは試験サンプ
ルの長さ10mmを表す。
03に準拠して行った。すなわち、図4に示すように、
実施例品および比較例品のホースを、長さ10mmとな
るようにリング状に切断し、さらに長手方向に切開して
試験サンプルとした。ついでこの試験サンプルの切開面
より、内層11および外層12を剥離し、その剥離端
を、引張試験機のつかみ治具に固定して、引張速度25
mm/分で引張試験を行い、得られた荷重より2層間の
剥離強度を求めた。なお、図において、Lは試験サンプ
ルの長さ10mmを表す。
【0027】〔ガソリン浸漬試験〕上記剥離試験に供し
た自動車用樹脂ホースの試験サンプルを、40℃の温度
で168時間ガソリンに浸漬後、再び上記測定方法によ
り剥離強度を測定した。
た自動車用樹脂ホースの試験サンプルを、40℃の温度
で168時間ガソリンに浸漬後、再び上記測定方法によ
り剥離強度を測定した。
【0028】〔熱老化試験〕上記の剥離試験に供した自
動車用樹脂ホースの試験サンプルを、125℃で168
時間加熱後、再び上記測定方法により剥離強度を測定し
た。
動車用樹脂ホースの試験サンプルを、125℃で168
時間加熱後、再び上記測定方法により剥離強度を測定し
た。
【0029】
【表1】
【0030】上記表1から、実施例品1,2の自動車用
樹脂ホースは優れた接着強度を備えていることがわか
る。またガソリン浸漬後および熱老化処理後の剥離強度
も初期の強度と殆ど変化がなかった。また、剥離強度の
測定において、破壊されたのはカップリング剤層であっ
た。それに対し、比較例品1および比較例品3の自動車
用樹脂ホースは、内層と外層が接着されていなかった。
また、比較例品2の自動車用樹脂ホースは、接着強度が
低く、ガソリン浸漬,熱老化により剥離した。
樹脂ホースは優れた接着強度を備えていることがわか
る。またガソリン浸漬後および熱老化処理後の剥離強度
も初期の強度と殆ど変化がなかった。また、剥離強度の
測定において、破壊されたのはカップリング剤層であっ
た。それに対し、比較例品1および比較例品3の自動車
用樹脂ホースは、内層と外層が接着されていなかった。
また、比較例品2の自動車用樹脂ホースは、接着強度が
低く、ガソリン浸漬,熱老化により剥離した。
【図1】本発明の自動車用樹脂ホースの構成を示す説明
図である。
図である。
【図2】本発明の自動車用樹脂ホースの製法の一例を示
す説明図である。
す説明図である。
【図3】従来の自動車用樹脂ホースの構造の説明図であ
る。
る。
【図4】剥離試験に使用する試験サンプルの説明図であ
る。
る。
11 フッ素系樹脂製内層 12 ポリアミド系熱可塑性樹脂製外層 17 アミノシラン系カップリング剤処理層
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // B29K 27:12 (72)発明者 伊藤 弘昭 愛知県小牧市大字北外山字哥津3600 東 海ゴム工業株式会社内 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) B29D 23/00 - 23/24 B29C 47/20 - 47/28 B67D 5/00 F16L 9/00 - 11/18 B32B 1/08
Claims (3)
- 【請求項1】 フッ素系樹脂製内層の外周に、ポリアミ
ド系熱可塑性樹脂製外層が積層形成された自動車用樹脂
ホースであって、上記フッ素系樹脂製内層の外周面が粗
面に形成され、その粗面上にアミノシラン系カップリン
グ剤処理層が形成されていることを特徴とする自動車用
樹脂ホース。 - 【請求項2】 フッ素系樹脂製内層の外周面が、コロナ
放電処理により粗面に形成されている請求項1記載の自
動車用樹脂ホース。 - 【請求項3】 フッ素系樹脂製内層の外周に、ポリアミ
ド系熱可塑性樹脂製外層が積層形成された自動車用樹脂
ホースの製法であって、上記フッ素系樹脂製内層を押出
成形により形成し、上記形成されたフッ素系樹脂製内層
の外周面に、コロナ放電処理による接着前処理を施した
後、アミノシラン系カップリング剤処理による処理層を
形成し、上記アミノシラン系カップリング剤処理層の上
にポリアミド系熱可塑性樹脂製外層を押出成形により形
成することを特徴とする自動車用樹脂ホースの製法。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5244288A JP2820003B2 (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 自動車用樹脂ホースおよびその製法 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP5244288A JP2820003B2 (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 自動車用樹脂ホースおよびその製法 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH0796557A JPH0796557A (ja) | 1995-04-11 |
| JP2820003B2 true JP2820003B2 (ja) | 1998-11-05 |
Family
ID=17116516
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP5244288A Expired - Fee Related JP2820003B2 (ja) | 1993-09-30 | 1993-09-30 | 自動車用樹脂ホースおよびその製法 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2820003B2 (ja) |
-
1993
- 1993-09-30 JP JP5244288A patent/JP2820003B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JPH0796557A (ja) | 1995-04-11 |
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