JP2835720B2 - 被熱転写シート - Google Patents
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Description
【発明の詳細な説明】
〔産業上の利用分野〕
本発明は被熱転写シートに関する。
〔従来の技術及び発明が解決しようとする問題点〕
昇華性の分散染料を含有する染料層を有する熱転写シ
ートを、サーマルヘッド等により、画像信号に応じて点
状に加熱し、樹脂塗工紙の表面に移行した染料からなる
画像を形成する試みが行われている。 これらの被熱転写シートは、シート状基材の表面に転
写シートより移行する染料を受容し、ポリエステル樹脂
等よりなる受容層が設けられた構成を有しており、鮮明
な印字画像が得られる。 しかしながら、従来の被熱転写シートにおいて、染着
性が良好で鮮明な印字画像が得られても、印字後の画像
に退色が起こる等耐候性に劣る問題がある。これらの問
題を解決するため、紫外線吸収剤等を利用して耐候性の
向上を図ることも行われているが、その様な方法は紫外
線吸収剤を添加する工程が増えること、それによるコス
トの増加等を伴うものである。本発明はこの様な印字後
の退色が少なく、又、印字後の耐候性にも優れた被熱転
写シートを提供することを目的とするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は上記課題を解決するためになされた発明であ
り、(1)熱により溶融もしくは昇華して移行する染料
を含有する染料層を有する熱転写シートと組み合わせて
使用される被熱転写シートであって、シート状基材の表
面に前記転写シートより移行する染料を受容する受容層
を有し、該受容層が塩化ビニルとアクリル酸系モノマー
との共重合体より構成されてなるとともに、該共重合体
の共重合比が塩化ビニル/アクリル酸系モノマー=50〜
90%/50〜10%であり且つ分子量が5000〜40000であるこ
とを特徴とする被熱転写シート、(2)受容層を構成す
る共重合体が、塩化ビニル及びアクリル酸系モノマーに
加え、更に他のモノマーを0.1〜30%共重合させた共重
合体である上記(1)記載の被熱転写シート、(3)受
容層表面に離型剤層を設けてなる上記(1)〜(2)の
いずれかに記載の被熱転写シート、(4)シート状基材
と受容層の間に中間層を有する上記(1)〜(3)のい
ずれかに記載の被熱転写シートを要旨とするものであ
る。 本発明の被熱転写シートはシート状基材の表面に受容
層を設けて構成され、或いはシート基材と受容層との間
に中間層を有して構成されている。中間層を設けること
により画像形成時の表面の断熱性やクッション性を向上
させることができる。 本発明において基材としては、合成紙(ポリオレフ
ィン系、ポリスチレン系等)、上質紙、アート紙、コ
ート紙、キャストコート紙、壁紙裏打ち用紙、合成樹脂
又はエマルジョン含浸紙,合成ゴムラテックス含浸紙、
合成樹脂内添紙、板紙、もしくはセルロース繊維紙等の
天然繊維紙、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリスチレン、メタクリレー
ト、ポリカーボネート等の各種プラスチックのフィルム
もしくはシートが使用できる。このうち、の合成紙
は、その表面に熱伝導率の低い(換言すれば断熱性の高
い)ミクロヴォイド層を有しているので好ましい。又、
上記〜の任意の組み合わせによる積層体も使用でき
る。代表的な積層体の例として、セルロース繊維紙と合
成紙、あるいは、セルロース繊維紙とプラスチックフィ
ルムもしくはシートとの積層体が挙げられる。このうち
セルロース繊維紙と合成紙との積層体は、合成紙が有す
る熱的な不安定さ(伸縮など)をセルロース繊維紙が補
い、合成紙が有する低熱伝導率による印字熱感度の高さ
を発揮できてよい。又、この組合わせにおいて積層体表
裏のバランスをとるため、合成紙〜セルロース繊維紙〜
合成紙の三層積層体を用いるのがよく、印字によるカー
ルを少なくできる。 上記のような積層体に用いる合成紙としては通常、被
熱転写シートの基材として使用し得るものであればいか
なるものをも使用できるが、特に微細空孔を有する紙状
層を設けた合成紙(例えば、市販品の合成紙:ユポ:王
子油化合成紙製)が望ましい。上記の紙状層における微
細空孔は、例えば、合成樹脂を微細充填剤含有状態で延
伸することにより形成することができる。上記微細空孔
を含有する紙状層を設けた合成紙を用いて構成した被熱
転写シートは、熱転写により画像を形成した場合、画像
濃度が高く、画像のガサツキも生じないという効果があ
る。 これは、微細空孔により断熱効果があり、熱エネルギ
ー効率が良いことと、微細空孔によるクッション性のよ
さが、上記合成紙上に設けられ、画像が形成される受容
層に寄与するものと思われる。又、上記微細空孔を含有
する紙状層を直接、セルロース繊維紙などの芯材の表面
に設けることも可能である。 上記積層体におけるセルロース繊維紙以外にプラスチ
ックフィルムを使用することもでき、更に、上記セルロ
ース繊維紙とプラスチックフィルムとをラミネートした
ものも使用することができる。 合成紙とセルロース繊維紙との貼着方法としては、例
えば、従来公知の接着剤を用いた貼着、押出ラミネート
法を用いた貼着、熱接着による貼着が挙げられ、また、
合成紙とプラスチックフィルムとの貼着方法としてはプ
ラスチックフィルムの形成を同時に兼ねたラミネート
法、カレンダー法等による貼着等が挙げられる。上記貼
着手段は合成紙と貼着するものの材質に応じて適宜選択
される。上記接着剤の具体例としては、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル等のエマルジョン接着
剤、カルボキシル基を含むポリエステル等の水溶性接着
剤等が挙げられ、またラミネート用の接着剤としては、
ポリウレタン系、アクリル系等の有機溶剤溶液タイプ等
の接着剤が挙げられる。これら基材の厚さは通常30〜20
0μm、が好ましい。 本発明において受容層を構成する材質は、熱転写シー
トから移行する染料、例えば昇華性の分散染料の画像を
受容し、受容により形成された画像を維持することがで
きるものであり、本発明ではこの受容層を塩化ビニルと
アクリル酸系モノマーとの共重合体にて構成する。 上記アクリル酸系モノマーとしては、アクリル酸;ア
クリル酸カルシウム、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグ
ネシウム、アクリル酸アルミニウム等のアクリル酸塩;
メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エト
キシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、n−ステアリルアクリレート、テトラヒドロフ
ルフリルアクリレート、トリメチロールプロパントリア
クリレート等のアクリル酸エステル;メタクリル酸;メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
t−ブチル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸シ
クロヘキシル、ジメタクリル酸トリエチレングリコー
ル、ジメタクリル酸1,3−ブチレン、トリメタクリル酸
トリメチロールプロパン等のメタクリル酸エステル等が
挙げられる。 塩化ビニルとアクリル酸系モノマーとの共重合比とし
ては塩化ビニル/アクリル酸系モノマー=50〜90%/50
〜10%であり、且つその分子量は5000〜40000、好まし
くは10000〜30000である。 又、上記共重合体の外にアクリロニトリル、ビニルピ
ロリドン、N置換マレイミド、マレイン酸等のモノマー
を塩化ビニル及びアクリル酸系モノマーと共に共重合さ
せた共重合体を使用することも好ましい一態様である。
この場合の他のモノマーの共重合比は0.1〜30%程度で
あることが好ましい。 これらはアクリル酸系モノマーの影響により耐候性を
向上させるものであり、他のモノマーにより染着性を良
好ならしめるものである。 受容層の形成は、シート状基材上に、受容層を形成す
る材料を溶剤に溶解ないし分散して得られる受容層形成
用組成物を使用して、公知の塗布もしくは印刷方法によ
り行う他に、シート状基材とは別の一時的キャリヤー上
に一旦形成した後に、改めて、シート状基材上に転写す
る方法により行ってもよい。 この様な受容層を形成する際に使用される溶剤として
は通常の溶剤が使用でき、例えば、イソプロピルアルコ
ール、メチルアルコール、エチルアルコール、n−ブチ
ルアルコール等のアルコール系溶剤、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、トルエ
ン、キシレン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル等のエステル系溶剤、n−ヘキサン、シクロヘキサノ
ン等が挙げられる。 又、本発明においては受容層の白色度を向上して転写
画像の鮮明度を更に高めるとともに被熱転写シート表面
に筆記性を付与し、かつ転写された画像の再転写を防止
する目的で受容層中に白色顔料を添加することもでき
る。白色顔料を添加することにより、より鮮明度が高
く、耐熱性、耐湿性に優れた画像の転写が行い得る。
又、受容層、クッション層等の樹脂の積層による樹脂特
有の色(黄ばみ)で基材のもつ白色度光沢が損なわれる
のを防止することができ、特に基材がキャストコート紙
等の天然紙では合成紙などと比べると白色度光沢、平滑
性が劣るので効果は大きい。 白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン
クレー等が用いられ、これらは2種以上混合しても用い
ることができる。白色顔料の添加量は受容層を構成する
樹脂100重量部に対し5〜50重量部が好ましい。 本発明において、上記受容層中に紫外線吸収剤を添加
することもできる。紫外線吸収剤を添加することによ
り、染着した染料の耐候性が更に向上する。紫外線吸収
剤としては、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系、
ベンゾトリアゾール系等が挙げられる。又、その添加量
は受容層を構成する樹脂100重量部に対し0.05〜5重量
部程度である。 本発明被熱転写シートは、熱転写シートと剥離性を向
上せしめるために受容層中に離型剤を含有せしめること
ができる。離型剤としてはポリエチレンワックス、アミ
ドワックス、テフロンパウダー等の固形ワックス類、弗
素系、燐酸エステル系の界面活性剤、シリコーンオイル
等が挙げられるがシリコーンオイルが好ましい。 上記シリコーンオイルとしては油状のものも用いるこ
とができるが、硬化型のものが好ましい。硬化型のシリ
コーンオイルとしては、反応硬化型、光硬化型、触媒硬
化型等が挙げられるが、反応硬化型のシリコーンオイル
が特に好ましい。反応硬化型シリコーンオイルとして
は、アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ変性シリコ
ーンオイルとを反応硬化させたものが好ましい。これら
硬化型シリコーンオイルの添加量は受容層を構成する樹
脂100重量部に対し0.5〜30重量部が好ましい。 又、受容層の表面の一部又は全部に上記離型剤を適当
な溶媒に溶解或いは分散させて塗布した後、乾燥させる
等によって離型剤層を設けることもできる。離型剤層を
構成する離型剤としては前記したアミノ変性シリコーン
オイルとエポキシ変性シリコーンオイルとの反応硬化物
が特に好ましい。離型剤層の厚さは0.01〜5μm、特に
0.05〜2μmが好ましい。離型剤層は受容層の表面の一
部に設けても、或いは全面に設けても良いが受容層表面
の一部に設けた場合、離型剤層の設けられていない部分
にはドットインパクト記録、感熱溶融転写記録や鉛筆等
による記録を行うことができ、離型剤層の設けられた部
分に昇華転写記録を行い、離型剤層の設けられていない
部分に他の記録方式による記録を行う等、昇華転写記録
方式と他の記録方式とを併せて行うことができる。 又、本発明では前述した様にシート状基材と受容層と
の間に中間層を設けることも可能である。中間層は、構
成する材質によりクッション性層、多孔層のいずれかで
あり、あるいは場合によっては接着剤の役目を兼ねてい
る。 クッション性層はJIS−K−6301に規定される100%モ
ジュラスが100kg/cm2以下である樹脂を主とするもので
あり、ここで前記100%モジュラスが100kg/cm2を越える
と、剛性が高すぎるためにこのような樹脂を用いて中間
層を形成しても熱転写シートと被熱転写層の印字の際の
充分な密着性は保たれない。又、前記100%モジュラス
の下限は実際上、0.5kg/cm2程度である。 上記の条件に合致する樹脂としては次のようなものが
挙げられる。 ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブタジエ
ン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、エポキシ樹脂、
ポリアミド樹脂、ロジン変成フェノール樹脂、テルペン
フェノール樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂。 上記の樹脂は、1種もしくは2種以上混合して使用す
ることができるが、上記の樹脂は比較的、粘着性を有し
ているので、加工中に支障があるときは無機質の添加
剤、例えは、シリカ、アルミナ、クレー、炭酸カルシウ
ム等、或いはステアリン酸アミド等のアミド系物質を添
加してもよい。 クッション性層は上記したような樹脂を必要に応じて
他の添加剤と共に溶剤、希釈剤等と混練して塗料もしく
はインキとし、公知の塗布方法もしくは印刷方法により
塗膜として乾燥させることにより形成でき、その厚みは
0.5〜50μm、より好ましくは2〜20μm程度である。
厚みが0.5μmでは設けたシート状基材の表面の粗さを
吸収しきれず、従って効果がなく、逆に50μmを越える
と、効果の向上が見られないばかりか、受容層部が厚く
なりすでき突出し、巻き取ったり、重ねたりする際の支
障となるし、又、経済的でない。 このような中間層を形成すると熱転写シートと被熱転
写シートとの密着性が向上するのは、中間層自体が剛性
が低いために印字の際の圧力により変形するためと考え
られるが、更に、前記したような樹脂は通常ガラス転移
点や軟化点が低く、印字の際に与えられる熱エネルギー
により、常温におけるよりも更に剛性が低下して変形し
易くなることも寄与しているものと推定される。 多孔層は、ポリウレタン等の合成樹脂エマルジョ
ン、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の剛性ゴム
ラテックスを機械的撹拌により気泡させた液を基材上に
塗布し、乾燥させた層、上記合成樹脂エマルジョン、
上記合成ゴムラテックスに発泡剤を混合させた液を基材
上に塗布し、乾燥させた層、塩ビプラスチゾル、ポリ
ウレタン等の合成樹脂、又はスチレン−ブタジエン系等
の合成ゴムに発泡剤を混合した液を基材上に塗布し加熱
することにより発泡させた層、熱可塑性樹脂又は合成
ゴムを有機溶媒に溶解した溶液と、該有機溶媒に比べて
蒸発しにくく該有機溶媒に対し相溶性を有し且つ熱可塑
性樹脂又は合成ゴムに対して溶解性を有しない非溶媒
(水を主成分とするものも含む)との混合液を、基材上
に塗布し、乾燥させることによりミクロ状に凝集した膜
を形成してなるミクロポーラス層等が用いられる。上記
〜の層は気泡の大きさが大きいため、該層上に受容
層の形成用溶液を塗布し乾燥させた場合、乾燥させて形
成された受容層の表面に凹凸が生じる虞がある。そのた
め上記凹凸が小さくまた均一性の高い画像を転写せしめ
ることが可能な受容層の表面を得るためには、多孔層と
して、上記のミクロポーラス層を設けることが好まし
い。 上記ミクロポーラス層の形成に当たって用いられる熱
可塑性樹脂としては、飽和ポリエステル、ポリウレタ
ン、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、セルロースアセ
テートプロピオネート等が挙げられ、また同様に用いら
れる上記合成ゴムとしては、スチレン−ブタジエン系、
イソプレン系、ウレタン系等が挙げられる。また該ミク
ロポーラス層の形成に当たって用いられる有機溶媒及び
非溶媒としては種々のものが可能であるが,通常、有機
溶媒としてメチルエチルケトン、アルコール等の親水性
溶媒が用いられ、また、非溶媒として水が用いられる。 多孔層の厚みは、3μm以上のものが好ましく、特に
5〜20μm厚のものが好ましい。多孔層の厚みが3μm
未満のものは、クッション性、断熱性、の効果が発揮さ
れない。 又、基材の裏面に滑性層を設けることもできる。被熱
転写シートは積み重ねて1枚ずつ送り出して転写を行う
場合があり、この場合滑性層を設けるとシート同志の滑
りが円滑となり、一枚ずつ正確に送り出すことができ
る。滑性層の材質としてはメチルメタクリレート等のメ
タクリレート樹脂若しくは対応するアクリレート樹脂、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂等が
挙げられる。 又、被熱転写シートに帯電防止剤を含有せしめること
もできる。帯電防止剤を含有せしめることにより、シー
ト同志の滑りをより円滑にすることができると共に、被
熱転写シートのほこりの付着を防止する効果がある。帯
電防止剤は基材、受容層或いは滑性層中に含有せしめて
もよいし、或いは帯電防止剤層として基材裏面等に設け
ることができるが、基材裏面に帯電防止剤層として設け
ることが好ましい。 又、本発明では被熱転写シートに検知マークを設ける
ことも可能である。検知マークは熱転写シートと被熱転
写シートとの位置決めを行う際等に極めて便利であり、
例えば、光電管検知装置により検知しうる検知マークを
基材裏面等に印刷等により設けることができる。 上記の如き構成を有する本発明被熱転写シートは熱転
写シートの色材層と被熱転写シートの受容層とが接触す
るように熱転写シートと重ね合わせ、熱転写シートの支
持材側よりサールマヘッド等により加熱した後、転写シ
ートを剥離することにより色材層中の昇華性染料が被熱
転写シートの受容層に転写され、被熱転写シートに画像
情報に応じた画像が記録される。 本発明被熱転写シートは簡易IDカードの顔写真の形
成、名刺の顔写真の形成、テレフォンカード上への
絵付け、プレミアム、葉書、窓用広告、電飾看
板、各種装飾品、荷札、商品説明用ラベル、文
房具用ラベル、オーディオカセットやビデオカセット
用のインデックス等に適用できる。 〔実施例〕 以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて更に詳細に
説明する。 実施例1 支持体として片面にコロナ処理を施した厚み9μmの
PETフィルム(東洋紡製:S−PET)に、下記組成の熱転写
層形成用インキ組成物をワイヤーバーコーティングによ
り乾燥時の塗布重量が1.0g/m2となる様に塗布、乾燥
し、背面にシリコーンオイル(信越シリコーン製:X−41
・4003A)をスポイトにて一滴たらした後全面に広げ背
面処理を施し、熱転写シートとした。 熱転写層形成用インキ組成物 分散染料 4重量部 (日本化薬製:カヤセットブルー714) ポリビニルブチラール 4.3重量部 (積水化学製:S−LEC BX−1) トルエン 40重量部 メチルエチルケトン 40重量部 イソブタノール 10重量部 ここでポリビニルブチラール(BX−1)は、分子量が
約10万、Tgが83℃、ビニルアルコール部の重量%が約20
%である。得られた熱転写層は透明であり、顕微鏡で観
察しても何等粒子は認められなかった(倍率400倍)。 次に、基材として150μm厚の合成紙(王子油化製:YU
PO−FPG150)を用い、下記組成の受容層用インキ組成物
をロールコーティングを用いて、乾燥時の厚みが9.3g/m
2となる様に塗布して被熱転写シートを得た。 受容層形成用インキ組成物 塩化ビニル/2−ヒドロキシエチルアクリレート=80/2
0(各モル)共重合樹脂 2重量部 アミノ変性シリコーン 0.125重量部 (KF−393:信越シリコーン製) エポキシ変性シリコーン 0.125重量部 (X−22−343:信越シリコーン製) トルエン 10重量部 メチルエチルケトン 10重量部 上記の様にして得られた熱転写シートと、各被熱転写
シートとを熱転写層と受容層が接する様に重ねて熱転写
シートの支持体側からサールマヘッドにより、サーマル
ヘッドの出力:1W/1ドット、パルス巾:0.3〜4.5msec、ド
ット密度:3ドット/mmの条件で記録を行った。印字濃度
は米国マクベス社製のデンシトメーターRD−918により
測定した。 又、印字後の各被熱転写シートの耐候性試験を下記の
要領で行った。結果を第1表に示す。 耐候性試験 耐候性は、JIS L 0842に準じ、JIS L 0841の第二露光
法における初期堅牢度が3級を越えるものを◎とし、3
級程度のものを○とし、それに満たないものを×とし
た。 実施例2、比較例1〜3 下記に示す各受容層形成用インキ組成物を使用した以
外は実施例1と全く同様に被熱転写シートを得、実施例
1と同様の熱転写シートを用いて実施例1と同様に印字
を行った。実施例1と同様に耐候性試験を行った結果を
第1表に併せて示す。 受容層形成用インキ組成物(実施例2) 塩化ビニル/2−ヒドロキシエチルアクリレート/マレ
イン酸=83.6/16/0.4(各モル)共重合樹脂 2重量部 (エスレックE−C110、積水化学工業(株)製) アミノ変性シリコーン 0.125重量部 (KF−393:信越シリコーン製) エポキシ変性シリコーン 0.125重量部 (X−22−343:信越シリコーン製) トルエン 10重量部 メチルエチルケトン 10重量部 受容層形成用インキ組成物(比較例1) 塩化ビニル樹脂 1重量部 (分子量 約10,000) アクリル樹脂 1重量部 (ダイヤナールL−214:三菱レイヨン(株)製) アミノ変性シリコーン 0.125重量部 (KF−393:信越シリコーン製) エポキシ変性シリコーン 0.125重量部 (X−22−343:信越シリコーン製) トルエン 5重量部 メチルエチルケトン 10重量部 テトラヒドロフラン 20重量部 受容層形成用インキ組成物(比較例2) ポリアミド樹脂 2重量部 (バーサミド744:ヘンケル白水製) アクリル樹脂 1重量部 (ダイヤナールL−167:三菱レイヨン(株)製) アミノ変性シリコーン 0.125重量部 (KF−393:信越シリコーン製) エポキシ変性シリコーン 0.125重量部 (X−22−343:信越シリコーン製) トルエン 10重量部 メチルエチルケトン 10重量部 イソプロパノール 5重量部 受容層形成用インキ組成物(比較例3) ポリエステル樹脂 2重量部 (バイロン200:東洋紡製) エルバロイ741 2重量部 (EVA系高分子可塑剤:三井ポリケミカル製) アミノ変性シリコーン 0.125重量部 (KF−393:信越シリコーン製) エポキシ変性シリコーン 0.125重量部 (X−2 −343:信越シリコーン製) トルエン 10重量部 メチルエチルケトン 10重量部 〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明被熱転写シートは、受容
層を塩化ビニルとアクリル酸系モノマーとの共重合体よ
り構成するとともに、該共重合体の共重合比を塩化ビニ
ル/アクリル酸系モノマー=50〜90%/50〜10%とし且
つ分子量を5000〜40000としたことにより、印字の際に
は極めて鮮明な画像を形成でき、また、印字後に画像が
退色する等の不具合のない優れた特性を有するものであ
る。
ートを、サーマルヘッド等により、画像信号に応じて点
状に加熱し、樹脂塗工紙の表面に移行した染料からなる
画像を形成する試みが行われている。 これらの被熱転写シートは、シート状基材の表面に転
写シートより移行する染料を受容し、ポリエステル樹脂
等よりなる受容層が設けられた構成を有しており、鮮明
な印字画像が得られる。 しかしながら、従来の被熱転写シートにおいて、染着
性が良好で鮮明な印字画像が得られても、印字後の画像
に退色が起こる等耐候性に劣る問題がある。これらの問
題を解決するため、紫外線吸収剤等を利用して耐候性の
向上を図ることも行われているが、その様な方法は紫外
線吸収剤を添加する工程が増えること、それによるコス
トの増加等を伴うものである。本発明はこの様な印字後
の退色が少なく、又、印字後の耐候性にも優れた被熱転
写シートを提供することを目的とするものである。 〔問題点を解決するための手段〕 本発明は上記課題を解決するためになされた発明であ
り、(1)熱により溶融もしくは昇華して移行する染料
を含有する染料層を有する熱転写シートと組み合わせて
使用される被熱転写シートであって、シート状基材の表
面に前記転写シートより移行する染料を受容する受容層
を有し、該受容層が塩化ビニルとアクリル酸系モノマー
との共重合体より構成されてなるとともに、該共重合体
の共重合比が塩化ビニル/アクリル酸系モノマー=50〜
90%/50〜10%であり且つ分子量が5000〜40000であるこ
とを特徴とする被熱転写シート、(2)受容層を構成す
る共重合体が、塩化ビニル及びアクリル酸系モノマーに
加え、更に他のモノマーを0.1〜30%共重合させた共重
合体である上記(1)記載の被熱転写シート、(3)受
容層表面に離型剤層を設けてなる上記(1)〜(2)の
いずれかに記載の被熱転写シート、(4)シート状基材
と受容層の間に中間層を有する上記(1)〜(3)のい
ずれかに記載の被熱転写シートを要旨とするものであ
る。 本発明の被熱転写シートはシート状基材の表面に受容
層を設けて構成され、或いはシート基材と受容層との間
に中間層を有して構成されている。中間層を設けること
により画像形成時の表面の断熱性やクッション性を向上
させることができる。 本発明において基材としては、合成紙(ポリオレフ
ィン系、ポリスチレン系等)、上質紙、アート紙、コ
ート紙、キャストコート紙、壁紙裏打ち用紙、合成樹脂
又はエマルジョン含浸紙,合成ゴムラテックス含浸紙、
合成樹脂内添紙、板紙、もしくはセルロース繊維紙等の
天然繊維紙、ポリオレフィン、ポリ塩化ビニル、ポリ
エチレンテレフタレート、ポリスチレン、メタクリレー
ト、ポリカーボネート等の各種プラスチックのフィルム
もしくはシートが使用できる。このうち、の合成紙
は、その表面に熱伝導率の低い(換言すれば断熱性の高
い)ミクロヴォイド層を有しているので好ましい。又、
上記〜の任意の組み合わせによる積層体も使用でき
る。代表的な積層体の例として、セルロース繊維紙と合
成紙、あるいは、セルロース繊維紙とプラスチックフィ
ルムもしくはシートとの積層体が挙げられる。このうち
セルロース繊維紙と合成紙との積層体は、合成紙が有す
る熱的な不安定さ(伸縮など)をセルロース繊維紙が補
い、合成紙が有する低熱伝導率による印字熱感度の高さ
を発揮できてよい。又、この組合わせにおいて積層体表
裏のバランスをとるため、合成紙〜セルロース繊維紙〜
合成紙の三層積層体を用いるのがよく、印字によるカー
ルを少なくできる。 上記のような積層体に用いる合成紙としては通常、被
熱転写シートの基材として使用し得るものであればいか
なるものをも使用できるが、特に微細空孔を有する紙状
層を設けた合成紙(例えば、市販品の合成紙:ユポ:王
子油化合成紙製)が望ましい。上記の紙状層における微
細空孔は、例えば、合成樹脂を微細充填剤含有状態で延
伸することにより形成することができる。上記微細空孔
を含有する紙状層を設けた合成紙を用いて構成した被熱
転写シートは、熱転写により画像を形成した場合、画像
濃度が高く、画像のガサツキも生じないという効果があ
る。 これは、微細空孔により断熱効果があり、熱エネルギ
ー効率が良いことと、微細空孔によるクッション性のよ
さが、上記合成紙上に設けられ、画像が形成される受容
層に寄与するものと思われる。又、上記微細空孔を含有
する紙状層を直接、セルロース繊維紙などの芯材の表面
に設けることも可能である。 上記積層体におけるセルロース繊維紙以外にプラスチ
ックフィルムを使用することもでき、更に、上記セルロ
ース繊維紙とプラスチックフィルムとをラミネートした
ものも使用することができる。 合成紙とセルロース繊維紙との貼着方法としては、例
えば、従来公知の接着剤を用いた貼着、押出ラミネート
法を用いた貼着、熱接着による貼着が挙げられ、また、
合成紙とプラスチックフィルムとの貼着方法としてはプ
ラスチックフィルムの形成を同時に兼ねたラミネート
法、カレンダー法等による貼着等が挙げられる。上記貼
着手段は合成紙と貼着するものの材質に応じて適宜選択
される。上記接着剤の具体例としては、エチレン−酢酸
ビニル共重合体、ポリ酢酸ビニル等のエマルジョン接着
剤、カルボキシル基を含むポリエステル等の水溶性接着
剤等が挙げられ、またラミネート用の接着剤としては、
ポリウレタン系、アクリル系等の有機溶剤溶液タイプ等
の接着剤が挙げられる。これら基材の厚さは通常30〜20
0μm、が好ましい。 本発明において受容層を構成する材質は、熱転写シー
トから移行する染料、例えば昇華性の分散染料の画像を
受容し、受容により形成された画像を維持することがで
きるものであり、本発明ではこの受容層を塩化ビニルと
アクリル酸系モノマーとの共重合体にて構成する。 上記アクリル酸系モノマーとしては、アクリル酸;ア
クリル酸カルシウム、アクリル酸亜鉛、アクリル酸マグ
ネシウム、アクリル酸アルミニウム等のアクリル酸塩;
メチルアクリレート、エチルアクリレート、ブチルアク
リレート、2−エチルヘキシルアクリレート、2−エト
キシエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリ
レート、n−ステアリルアクリレート、テトラヒドロフ
ルフリルアクリレート、トリメチロールプロパントリア
クリレート等のアクリル酸エステル;メタクリル酸;メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
t−ブチル、メタクリル酸トリデシル、メタクリル酸シ
クロヘキシル、ジメタクリル酸トリエチレングリコー
ル、ジメタクリル酸1,3−ブチレン、トリメタクリル酸
トリメチロールプロパン等のメタクリル酸エステル等が
挙げられる。 塩化ビニルとアクリル酸系モノマーとの共重合比とし
ては塩化ビニル/アクリル酸系モノマー=50〜90%/50
〜10%であり、且つその分子量は5000〜40000、好まし
くは10000〜30000である。 又、上記共重合体の外にアクリロニトリル、ビニルピ
ロリドン、N置換マレイミド、マレイン酸等のモノマー
を塩化ビニル及びアクリル酸系モノマーと共に共重合さ
せた共重合体を使用することも好ましい一態様である。
この場合の他のモノマーの共重合比は0.1〜30%程度で
あることが好ましい。 これらはアクリル酸系モノマーの影響により耐候性を
向上させるものであり、他のモノマーにより染着性を良
好ならしめるものである。 受容層の形成は、シート状基材上に、受容層を形成す
る材料を溶剤に溶解ないし分散して得られる受容層形成
用組成物を使用して、公知の塗布もしくは印刷方法によ
り行う他に、シート状基材とは別の一時的キャリヤー上
に一旦形成した後に、改めて、シート状基材上に転写す
る方法により行ってもよい。 この様な受容層を形成する際に使用される溶剤として
は通常の溶剤が使用でき、例えば、イソプロピルアルコ
ール、メチルアルコール、エチルアルコール、n−ブチ
ルアルコール等のアルコール系溶剤、メチルエチルケト
ン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、トルエ
ン、キシレン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチ
ル等のエステル系溶剤、n−ヘキサン、シクロヘキサノ
ン等が挙げられる。 又、本発明においては受容層の白色度を向上して転写
画像の鮮明度を更に高めるとともに被熱転写シート表面
に筆記性を付与し、かつ転写された画像の再転写を防止
する目的で受容層中に白色顔料を添加することもでき
る。白色顔料を添加することにより、より鮮明度が高
く、耐熱性、耐湿性に優れた画像の転写が行い得る。
又、受容層、クッション層等の樹脂の積層による樹脂特
有の色(黄ばみ)で基材のもつ白色度光沢が損なわれる
のを防止することができ、特に基材がキャストコート紙
等の天然紙では合成紙などと比べると白色度光沢、平滑
性が劣るので効果は大きい。 白色顔料としては、酸化チタン、酸化亜鉛、カオリン
クレー等が用いられ、これらは2種以上混合しても用い
ることができる。白色顔料の添加量は受容層を構成する
樹脂100重量部に対し5〜50重量部が好ましい。 本発明において、上記受容層中に紫外線吸収剤を添加
することもできる。紫外線吸収剤を添加することによ
り、染着した染料の耐候性が更に向上する。紫外線吸収
剤としては、ベンゾフェノン系、ヒンダードアミン系、
ベンゾトリアゾール系等が挙げられる。又、その添加量
は受容層を構成する樹脂100重量部に対し0.05〜5重量
部程度である。 本発明被熱転写シートは、熱転写シートと剥離性を向
上せしめるために受容層中に離型剤を含有せしめること
ができる。離型剤としてはポリエチレンワックス、アミ
ドワックス、テフロンパウダー等の固形ワックス類、弗
素系、燐酸エステル系の界面活性剤、シリコーンオイル
等が挙げられるがシリコーンオイルが好ましい。 上記シリコーンオイルとしては油状のものも用いるこ
とができるが、硬化型のものが好ましい。硬化型のシリ
コーンオイルとしては、反応硬化型、光硬化型、触媒硬
化型等が挙げられるが、反応硬化型のシリコーンオイル
が特に好ましい。反応硬化型シリコーンオイルとして
は、アミノ変性シリコーンオイルとエポキシ変性シリコ
ーンオイルとを反応硬化させたものが好ましい。これら
硬化型シリコーンオイルの添加量は受容層を構成する樹
脂100重量部に対し0.5〜30重量部が好ましい。 又、受容層の表面の一部又は全部に上記離型剤を適当
な溶媒に溶解或いは分散させて塗布した後、乾燥させる
等によって離型剤層を設けることもできる。離型剤層を
構成する離型剤としては前記したアミノ変性シリコーン
オイルとエポキシ変性シリコーンオイルとの反応硬化物
が特に好ましい。離型剤層の厚さは0.01〜5μm、特に
0.05〜2μmが好ましい。離型剤層は受容層の表面の一
部に設けても、或いは全面に設けても良いが受容層表面
の一部に設けた場合、離型剤層の設けられていない部分
にはドットインパクト記録、感熱溶融転写記録や鉛筆等
による記録を行うことができ、離型剤層の設けられた部
分に昇華転写記録を行い、離型剤層の設けられていない
部分に他の記録方式による記録を行う等、昇華転写記録
方式と他の記録方式とを併せて行うことができる。 又、本発明では前述した様にシート状基材と受容層と
の間に中間層を設けることも可能である。中間層は、構
成する材質によりクッション性層、多孔層のいずれかで
あり、あるいは場合によっては接着剤の役目を兼ねてい
る。 クッション性層はJIS−K−6301に規定される100%モ
ジュラスが100kg/cm2以下である樹脂を主とするもので
あり、ここで前記100%モジュラスが100kg/cm2を越える
と、剛性が高すぎるためにこのような樹脂を用いて中間
層を形成しても熱転写シートと被熱転写層の印字の際の
充分な密着性は保たれない。又、前記100%モジュラス
の下限は実際上、0.5kg/cm2程度である。 上記の条件に合致する樹脂としては次のようなものが
挙げられる。 ポリウレタン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリブタジエ
ン樹脂、ポリアクリル酸エステル樹脂、エポキシ樹脂、
ポリアミド樹脂、ロジン変成フェノール樹脂、テルペン
フェノール樹脂、エチレン/酢酸ビニル共重合体樹脂。 上記の樹脂は、1種もしくは2種以上混合して使用す
ることができるが、上記の樹脂は比較的、粘着性を有し
ているので、加工中に支障があるときは無機質の添加
剤、例えは、シリカ、アルミナ、クレー、炭酸カルシウ
ム等、或いはステアリン酸アミド等のアミド系物質を添
加してもよい。 クッション性層は上記したような樹脂を必要に応じて
他の添加剤と共に溶剤、希釈剤等と混練して塗料もしく
はインキとし、公知の塗布方法もしくは印刷方法により
塗膜として乾燥させることにより形成でき、その厚みは
0.5〜50μm、より好ましくは2〜20μm程度である。
厚みが0.5μmでは設けたシート状基材の表面の粗さを
吸収しきれず、従って効果がなく、逆に50μmを越える
と、効果の向上が見られないばかりか、受容層部が厚く
なりすでき突出し、巻き取ったり、重ねたりする際の支
障となるし、又、経済的でない。 このような中間層を形成すると熱転写シートと被熱転
写シートとの密着性が向上するのは、中間層自体が剛性
が低いために印字の際の圧力により変形するためと考え
られるが、更に、前記したような樹脂は通常ガラス転移
点や軟化点が低く、印字の際に与えられる熱エネルギー
により、常温におけるよりも更に剛性が低下して変形し
易くなることも寄与しているものと推定される。 多孔層は、ポリウレタン等の合成樹脂エマルジョ
ン、メチルメタクリレート−ブタジエン系等の剛性ゴム
ラテックスを機械的撹拌により気泡させた液を基材上に
塗布し、乾燥させた層、上記合成樹脂エマルジョン、
上記合成ゴムラテックスに発泡剤を混合させた液を基材
上に塗布し、乾燥させた層、塩ビプラスチゾル、ポリ
ウレタン等の合成樹脂、又はスチレン−ブタジエン系等
の合成ゴムに発泡剤を混合した液を基材上に塗布し加熱
することにより発泡させた層、熱可塑性樹脂又は合成
ゴムを有機溶媒に溶解した溶液と、該有機溶媒に比べて
蒸発しにくく該有機溶媒に対し相溶性を有し且つ熱可塑
性樹脂又は合成ゴムに対して溶解性を有しない非溶媒
(水を主成分とするものも含む)との混合液を、基材上
に塗布し、乾燥させることによりミクロ状に凝集した膜
を形成してなるミクロポーラス層等が用いられる。上記
〜の層は気泡の大きさが大きいため、該層上に受容
層の形成用溶液を塗布し乾燥させた場合、乾燥させて形
成された受容層の表面に凹凸が生じる虞がある。そのた
め上記凹凸が小さくまた均一性の高い画像を転写せしめ
ることが可能な受容層の表面を得るためには、多孔層と
して、上記のミクロポーラス層を設けることが好まし
い。 上記ミクロポーラス層の形成に当たって用いられる熱
可塑性樹脂としては、飽和ポリエステル、ポリウレタ
ン、塩化ビニル/酢酸ビニル共重合体、セルロースアセ
テートプロピオネート等が挙げられ、また同様に用いら
れる上記合成ゴムとしては、スチレン−ブタジエン系、
イソプレン系、ウレタン系等が挙げられる。また該ミク
ロポーラス層の形成に当たって用いられる有機溶媒及び
非溶媒としては種々のものが可能であるが,通常、有機
溶媒としてメチルエチルケトン、アルコール等の親水性
溶媒が用いられ、また、非溶媒として水が用いられる。 多孔層の厚みは、3μm以上のものが好ましく、特に
5〜20μm厚のものが好ましい。多孔層の厚みが3μm
未満のものは、クッション性、断熱性、の効果が発揮さ
れない。 又、基材の裏面に滑性層を設けることもできる。被熱
転写シートは積み重ねて1枚ずつ送り出して転写を行う
場合があり、この場合滑性層を設けるとシート同志の滑
りが円滑となり、一枚ずつ正確に送り出すことができ
る。滑性層の材質としてはメチルメタクリレート等のメ
タクリレート樹脂若しくは対応するアクリレート樹脂、
塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等のビニル系樹脂等が
挙げられる。 又、被熱転写シートに帯電防止剤を含有せしめること
もできる。帯電防止剤を含有せしめることにより、シー
ト同志の滑りをより円滑にすることができると共に、被
熱転写シートのほこりの付着を防止する効果がある。帯
電防止剤は基材、受容層或いは滑性層中に含有せしめて
もよいし、或いは帯電防止剤層として基材裏面等に設け
ることができるが、基材裏面に帯電防止剤層として設け
ることが好ましい。 又、本発明では被熱転写シートに検知マークを設ける
ことも可能である。検知マークは熱転写シートと被熱転
写シートとの位置決めを行う際等に極めて便利であり、
例えば、光電管検知装置により検知しうる検知マークを
基材裏面等に印刷等により設けることができる。 上記の如き構成を有する本発明被熱転写シートは熱転
写シートの色材層と被熱転写シートの受容層とが接触す
るように熱転写シートと重ね合わせ、熱転写シートの支
持材側よりサールマヘッド等により加熱した後、転写シ
ートを剥離することにより色材層中の昇華性染料が被熱
転写シートの受容層に転写され、被熱転写シートに画像
情報に応じた画像が記録される。 本発明被熱転写シートは簡易IDカードの顔写真の形
成、名刺の顔写真の形成、テレフォンカード上への
絵付け、プレミアム、葉書、窓用広告、電飾看
板、各種装飾品、荷札、商品説明用ラベル、文
房具用ラベル、オーディオカセットやビデオカセット
用のインデックス等に適用できる。 〔実施例〕 以下、本発明を実施例及び比較例を挙げて更に詳細に
説明する。 実施例1 支持体として片面にコロナ処理を施した厚み9μmの
PETフィルム(東洋紡製:S−PET)に、下記組成の熱転写
層形成用インキ組成物をワイヤーバーコーティングによ
り乾燥時の塗布重量が1.0g/m2となる様に塗布、乾燥
し、背面にシリコーンオイル(信越シリコーン製:X−41
・4003A)をスポイトにて一滴たらした後全面に広げ背
面処理を施し、熱転写シートとした。 熱転写層形成用インキ組成物 分散染料 4重量部 (日本化薬製:カヤセットブルー714) ポリビニルブチラール 4.3重量部 (積水化学製:S−LEC BX−1) トルエン 40重量部 メチルエチルケトン 40重量部 イソブタノール 10重量部 ここでポリビニルブチラール(BX−1)は、分子量が
約10万、Tgが83℃、ビニルアルコール部の重量%が約20
%である。得られた熱転写層は透明であり、顕微鏡で観
察しても何等粒子は認められなかった(倍率400倍)。 次に、基材として150μm厚の合成紙(王子油化製:YU
PO−FPG150)を用い、下記組成の受容層用インキ組成物
をロールコーティングを用いて、乾燥時の厚みが9.3g/m
2となる様に塗布して被熱転写シートを得た。 受容層形成用インキ組成物 塩化ビニル/2−ヒドロキシエチルアクリレート=80/2
0(各モル)共重合樹脂 2重量部 アミノ変性シリコーン 0.125重量部 (KF−393:信越シリコーン製) エポキシ変性シリコーン 0.125重量部 (X−22−343:信越シリコーン製) トルエン 10重量部 メチルエチルケトン 10重量部 上記の様にして得られた熱転写シートと、各被熱転写
シートとを熱転写層と受容層が接する様に重ねて熱転写
シートの支持体側からサールマヘッドにより、サーマル
ヘッドの出力:1W/1ドット、パルス巾:0.3〜4.5msec、ド
ット密度:3ドット/mmの条件で記録を行った。印字濃度
は米国マクベス社製のデンシトメーターRD−918により
測定した。 又、印字後の各被熱転写シートの耐候性試験を下記の
要領で行った。結果を第1表に示す。 耐候性試験 耐候性は、JIS L 0842に準じ、JIS L 0841の第二露光
法における初期堅牢度が3級を越えるものを◎とし、3
級程度のものを○とし、それに満たないものを×とし
た。 実施例2、比較例1〜3 下記に示す各受容層形成用インキ組成物を使用した以
外は実施例1と全く同様に被熱転写シートを得、実施例
1と同様の熱転写シートを用いて実施例1と同様に印字
を行った。実施例1と同様に耐候性試験を行った結果を
第1表に併せて示す。 受容層形成用インキ組成物(実施例2) 塩化ビニル/2−ヒドロキシエチルアクリレート/マレ
イン酸=83.6/16/0.4(各モル)共重合樹脂 2重量部 (エスレックE−C110、積水化学工業(株)製) アミノ変性シリコーン 0.125重量部 (KF−393:信越シリコーン製) エポキシ変性シリコーン 0.125重量部 (X−22−343:信越シリコーン製) トルエン 10重量部 メチルエチルケトン 10重量部 受容層形成用インキ組成物(比較例1) 塩化ビニル樹脂 1重量部 (分子量 約10,000) アクリル樹脂 1重量部 (ダイヤナールL−214:三菱レイヨン(株)製) アミノ変性シリコーン 0.125重量部 (KF−393:信越シリコーン製) エポキシ変性シリコーン 0.125重量部 (X−22−343:信越シリコーン製) トルエン 5重量部 メチルエチルケトン 10重量部 テトラヒドロフラン 20重量部 受容層形成用インキ組成物(比較例2) ポリアミド樹脂 2重量部 (バーサミド744:ヘンケル白水製) アクリル樹脂 1重量部 (ダイヤナールL−167:三菱レイヨン(株)製) アミノ変性シリコーン 0.125重量部 (KF−393:信越シリコーン製) エポキシ変性シリコーン 0.125重量部 (X−22−343:信越シリコーン製) トルエン 10重量部 メチルエチルケトン 10重量部 イソプロパノール 5重量部 受容層形成用インキ組成物(比較例3) ポリエステル樹脂 2重量部 (バイロン200:東洋紡製) エルバロイ741 2重量部 (EVA系高分子可塑剤:三井ポリケミカル製) アミノ変性シリコーン 0.125重量部 (KF−393:信越シリコーン製) エポキシ変性シリコーン 0.125重量部 (X−2 −343:信越シリコーン製) トルエン 10重量部 メチルエチルケトン 10重量部 〔発明の効果〕 以上説明したように、本発明被熱転写シートは、受容
層を塩化ビニルとアクリル酸系モノマーとの共重合体よ
り構成するとともに、該共重合体の共重合比を塩化ビニ
ル/アクリル酸系モノマー=50〜90%/50〜10%とし且
つ分子量を5000〜40000としたことにより、印字の際に
は極めて鮮明な画像を形成でき、また、印字後に画像が
退色する等の不具合のない優れた特性を有するものであ
る。
Claims (1)
- (57)【特許請求の範囲】 1.熱により溶融もしくは昇華して移行する染料を含有
する染料層を有する熱転写シートと組み合わせて使用さ
れる被熱転写シートであって、シート状基材の表面に前
記転写シートより移行する染料を受容する受容層を有
し、該受容層が塩化ビニルとアクリル酸系モノマーとの
共重合体より構成されてなるとともに、該共重合体の共
重合比が塩化ビニル/アクリル酸系モノマー=50〜90%
/50〜10%であり且つ分子量が5000〜40000であることを
特徴とする被熱転写シート。 2.受容層を構成する共重合体が、塩化ビニル及びアク
リル酸系モノマーに加え、更に他のモノマーを0.1〜30
%共重合させた共重合体である特許請求の範囲第1項記
載の被熱転写シート。 3.受容層表面に離型剤層を設けてなる特許請求の範囲
第1項〜第2項のいずれかに記載の被熱転写シート。 4.シート状基材と受容層の間に中間層を有する特許請
求の範囲第1項〜第3項のいずれかに記載の被熱転写シ
ート。
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|---|---|---|---|
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