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JP2860170B2 - 移植可能なサーモシード - Google Patents
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JP2860170B2 - 移植可能なサーモシード - Google Patents

移植可能なサーモシード

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JP2860170B2
JP2860170B2 JP7516383A JP51638395A JP2860170B2 JP 2860170 B2 JP2860170 B2 JP 2860170B2 JP 7516383 A JP7516383 A JP 7516383A JP 51638395 A JP51638395 A JP 51638395A JP 2860170 B2 JP2860170 B2 JP 2860170B2
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  • Electrotherapy Devices (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の背景 発明の分野 本発明は一般に高体温(hyperthermia)熱療法によっ
て癌化組織を治療する装置および方法に係わり、更に詳
しくは所定の周波数および磁界強度の振動磁界を当てら
れたときに、そのシード(seed)が移植されている周辺
組織を制御状態のもとで加熱するようになす、組合わさ
れた特性を示す改良した熱シードすなわちサーモシード
(thermoseed)に関する。
従来技術の説明 ラジオロジック クリニックス オブ ノース アメ
リカ誌、1989年5月発行、第27巻、第3号に発表された
「強磁性のサーモシードによる高体温の実際の状況」と
題する論文において、イワン・エー・ブレゾビッチ氏お
よびルビー・エフ・メレディス氏(両名ともその後米国
アラバマ州バーミンガムのアラバマユニバーシティーに
勤務)は、強磁性合金線材の小片を組織内部に間入的
(interstitially)に移植した後、それに外部から所定
の周波数および磁界強度の振動磁界を当てて、体内の該
小片すなわちサーモシードの誘導加熱を生じるようにし
て行う腫瘍治療の学術論文を掲載した。この論文は、適
当なキュリー点を有する強磁性材料を選択することによ
り、サーモシードの温度が非磁性となるキュリー点に接
近することでそのシードが自己調整するようになすこと
を指摘している。このブレゾビッチ氏他の論文は、鉄、
ニッケル、コバルトなどの強磁性元素は治療範囲を遥か
に超える高いキュリー点を有しており、このキュリー点
は非磁性元素を強磁性基金属に混合させることで低下で
きることを更に指摘している。パラジウム、銅およびけ
い素を混合されたニッケル、ならびにプラチナを混合さ
れた鉄が示唆されている。
コーニング グラス ワークス(Corning Glass Work
s)に譲渡された「癌治療のための無線周波数による誘
導高体温」と題する米国特許第4323056号は、或る寸
法、組成、濃度および磁気特性を有する磁界感応結晶が
癌化組織の内部に注入された後、その部位に高周波磁界
を当ててヒステリシス加熱を行い、結果として高体温と
する方法を記載している。特に、その特許はマトリック
スとして使用される或る種の有機プラスチック材に鉄含
有結晶を組み入れての使用を開示している。
調査によれば、鉄およびニッケル合金は広く研究さ
れ、癌治療におけるサーモシードとしての候補である
が、コバルト合金は多くの理由で十分に注目されていな
かった。第1に、コバルトのキュリー温度は、ニッケル
や鉄のキュリー温度がそれぞれ358℃および770℃である
のに比べて、1130℃である。これは、何故ニッケルの二
元素合金の研究に多くの注目が注がれるのかを説明する
ものと考えられる。磁性合金の金属学的理論によれば、
強磁性元素に非磁性添加物を加えると、その材料の磁化
(透磁率)は低下し、同様にキュリー点も低下する。し
たがって、低キュリー点の金属との合金はかなり磁気特
性を弱化され、相応にサーモシードとしてはキュリー点
より低い温度での熱出力が弱化されることになる。ニッ
ケルは初期キュリー点が最も低いので、治療範囲となる
ようにキュリー温度を変化させるために添加されねばな
らない非磁性不純物の量は少なくて済む。したがって、
この理論にしたがえば、ニッケル合金が鉄またはコバル
トよりも良好な透磁率を保持することになる。
キュリー点の低下および透磁率の衰微に加えて、強磁
性元素に非磁性添加物質を加えるとキュリー遷移温度を
数度から数十度に広げる傾向を示す。1938年、フランス
国の科学者であるビクトル マリアン(Victor Maria
n)はニッケル合金の数多い分析を行い、その多くの合
金は強磁性成分が数パーセントに減少されたときに50℃
から100℃の遷移を有しているのを発見した。これは、
たった7%のけい素がそのニッケルとの合金のキュリー
点を治療範囲に含まれている50℃まで下げるとともに、
明確な鋭いキュリー遷移を維持しているので、それまで
他の研究者たちが、ニッケル・ケイ素合金をサーモシー
ドとして実験してきたかの理由であると考えられる。
コバルト・パラジウム(CoPd)合金はパラジウム原子
の極性化によって二元素磁性合金の標準パターンに合致
しないことを見出した。僅かに5%のCoが存在する場合
であっても、その合金の磁性遷移はたった2℃〜3℃台
であり、十分な磁化、それ故に熱出力は遷移領域に達す
るまで保持される。しかしながら、CoPd材料の透磁率は
サーモシードとして使用するための調査を受けた他の幾
つかの材料ほど強くない。
実施した実験ではCoPd合金の磁化が温度に対してプロ
ットされ、興味を引く、むしろ予想外の結果を示した。
特に、この合金の透磁率はキュリー点より低い範囲で加
熱によりキュリー遷移に達するまで増大するのが見出さ
れた。この結果、その合金で作られた移植体すなわちイ
ンプラントおよび外部の磁界発生装置は、キュリー遷移
点に達するまで、シードは加熱されて増大する出力を放
射するように設計できる。M対T曲線でのこの局部的な
ピークの近くでインプラントを最適化することで、キュ
リー遷移の数度以内に最高出力を有する非常に有効なオ
ンオフスイッチが構成できる。この性能はニッケル・銅
のような他の合金では不可能であり、そのM対T曲線は
温度と共に連続的に低下する。
組織の加熱にサーモシードを使用することは、小さな
(約0.5mmの半径、1cm以上の長さ)の強磁性シードの配
列を直接に組織内部に移植することを必要とする。シー
ドが交流磁界内に位置されると、熱が発生する。振動は
治療後も体内に残され、移植後にそれらを取出すために
更に傷を与える処置をする必要はないようにされる。サ
ーモシードは体内に残されるという事実が与えられる
と、使用された強磁性合金の潜在的な毒性を考慮するこ
とが必要である。ニッケルの毒性は十分に立証されてい
る。人によってはニッケルに触れた結果として厳しいア
レルギー反応が生じ得るのであり、また赤血球の細胞膜
とニッケル粒子面との間のはっきりした直接的な相互作
用によって人の赤血球の溶血が生じ得る。銅の毒性の存
在も多少まれであるが問題である。激しい銅の毒性は、
激しい血管内での溶血を生じて、黄疸および激しい腎疾
患を引き起こす。
CoPd合金は過去において移植可能な物質とされ、特に
歯の補綴において移植可能とされており、その材料の長
期の毒性評価が行われて、このような二元素合金がニッ
ケル・銅合金に比べて細胞毒性が非常に弱いことが示さ
れた。
したがって本発明の主目的は腫瘍治療に使用する新規
なサーモシードを提供することである。
本発明の他の目的は、振動磁界を当てられることで誘
導加熱されたときにキュリー点の温度に達するまでは温
度によって磁化の高まる特性を示す強磁性合金で作られ
たサーモシードを提供することである。
本発明の更に他の目的は、体液中で容易に腐食せず、
比較的無毒の合金で構成された誘導加熱されるサーモシ
ードを提供することである。
本発明の更に他の目的は、合金中のパラジウムの含有
量がキュリー遷移範囲を過度に広げずにキュリー点を治
療温度範囲に設定するような含有量とされたコバルト・
パラジウム合金で形成されたサーモシードを提供するこ
とである。
発明の概要 本発明の前述した特徴、目的および利点は、治療すべ
き組織内部に移植できるような予め定めた半径および長
さ寸法を有する概ね円筒形の強磁性部材であって、約4
1.5℃から100℃までの治療温度範囲にキュリー点を示
し、また振動磁界を当てることで強磁性部材が加熱され
ることによってキュリー遷移領域に達するまで増大する
磁化対温度特性を更に示す磁性部材を提供することで達
成される。治療温度範囲は関係する、またその治療を行
う組織の性質によって変化する。前立腺腫瘍の治療にお
いてはこの範囲は約42℃から65℃までとされるのに対し
て、発作を起こす脳組織の一部分の切除では、脳組織の
血管新生のためにこの範囲は100℃まで広げられる。
前述の条件に合致する強磁性材料は、コバルトの原子
濃度が8.5%〜11.0%であるコバルト・パラジウム二元
素合金である。
円筒形サーモシードが発生する熱の割合は、当てられ
る磁界の強度および周波数、合金の透磁率、およびその
半径によって変わる。一般的に述べれば、熱発生率はパ
ラメータのいずれが増大しても増大する。熱出力は当て
られる磁界に対するインプラントの配向で変化すること
も見出された。当てられる磁界の直角成分は熱発生にほ
とんど加担せず、したがって腫瘍組織内部にシードを移
植する場合にはそのシードが当てられる磁界と平行にな
るように配向することに努める。サーモシードの半径に
達するが、移植時に組織に与える過大な傷は考慮するこ
とが重要である。
図面の説明 第1図は合金中のコバルト重量パーセントの関数とし
てCoPd合金のキュリー点を示すプロット。
第2図は第1図の曲線の一部分の拡大図。
第3図はCoPd合金の二相状態図。
第4図はNiCu合金の二相状態図。
第5(a)図および第5(b)図は周辺から中心へ向
かう円筒形サーモシードの半径の関数としてH磁界のプ
ロフィルおよび電流密度プロフィルの変化をそれぞれ示
すプロット。
第6図は誘導加熱される円筒形シードの半径の関数と
しての単位体積当たりの発生出力値対誘導数のプロッ
ト。
第7図は一定のH−fでの出力値対磁界周波数のプロ
ット。
第8(a)図はB=a(tan−1(H/b)+cHの式に合
致する曲線を有するCoPd高体温治療合金に対するB−H
のプロット。
第8(b)図は第8(a)図の曲線から導き出された
μ対Hのプロット。
第9図は線形および非線形のH磁界の減衰を比較する
100kHz、4000A/mの磁界で加熱されるときの磁界強度対C
oPd円筒形合金の半径のプロット。
第10図は第9図のCoPd合金に関する線形および非線形
モデリングの相対的な透磁率対半径の対比のプロット。
第11図はCoPd合金に関する出力対周波数のプロット。
第12図はキュリー遷移より低いことを特徴とする上昇
するM対Tを示すCoPdに関する磁化対温度のプロット。
第13図はNiCu合金に関する磁化対温度のプロット。
好ましい実施例の説明 本明細書は癌の治療に高体温を使用した効果を記載す
る。高体温治療は生体組織の温度が41.5℃を超えて上昇
したときに結果として行われるのであり、生体本来の温
度調整を否定する。腫瘍を通って流れる血流量は正常組
織を通って流れる血流量よりも典型的に少ない。この結
果、癌部位に熱を加えると、腫瘍は熱シンクとして作用
する。すなわち、腫瘍は周囲の正常組織よりも熱を大量
に吸収するので、温度の急速な、しかもより高い上昇を
経験する。高体温治療はこの原理および悪性細胞は正常
細胞ほど熱に耐えることができないという事実に基づ
く。細胞が再生する度合いは、治療のみならず細胞の感
応性によっても阻害される。悪性細胞の再生は熱に対す
る細胞内部の反応によって阻止される。結果的に生じる
腫瘍内部の血管の損傷はその領域を酸性にして栄養分を
奪い、これが損傷修復を更に困難にする。
全ての高体温装置に共通した問題は熱耐性を生じるこ
とであり、1回目の熱衝撃の後に幾分かの生き残ってい
る細胞は熱に対する一層の抵抗力を有するようになり、
しばしば熱衝撃蛋白質と称する或る種の蛋白質の合成を
増大することになる。熱耐性の程度は治療後の時間と共
に低下し、これは細胞がプリショック(preschock)に
敏感になるまでに治療後100時間もの長い時間がかか
る。熱耐性の低下速度は、細胞がより高い温度を作用さ
れ、および(または)速い速度で温度上昇され、および
(または)長い時間にわたり熱に曝されるときに、観察
される。
癌化組織を高温に曝すためにサーモシードを使用する
ことは、長期間の周期的な治療をもたらす。これにおい
て、サーモシードは癌化組織に永久的に移植され、患者
は熱耐性を最少限に抑える間隔でサーモシードを作用さ
せるようにスケジュールを組むことができる。組織を加
熱するためのサーモシードの使用は、小さな、典型的に
は1mm径で長さが1〜2cmの強磁性合金部材を治療すべき
組織内部に直接に移植することを必要とする。このシー
ドは交流磁界の中に置かれるとシード温度が上昇し、熱
が癌化組織へ伝達される。
本発明によれば、サーモシードはCoPd合金で形成さ
れ、外部磁界が皮膚を通して移植したサーモシードに作
用するときに、温度はその治療温度範囲に落ち着くよう
に、特に温度上昇を自己調整するようになされる。
高体温治療での使用をもたらすCoPd強磁性合金の組成
は、合金のキュリー温度の遷移によって決定される。第
1図はCoPd合金によるキュリー点を合金中のコバルトの
重量パーセントの関数として示している。第2図は、誘
導サーモシードとしての応用を考える場合に第1の曲線
の関心を引く領域の拡大図である。このプロットから、
40℃〜100℃の温度範囲にキュリー温度を有する合金
は、たったの約2重量%だけコバルトの重量パーセント
を調整する、すなわち合金中のコバルトを約5重量%か
ら7重量%へ調整することで、達成できることが分かる
であろう。これにおいて第2図のプロットは真に線形で
あり、感応性を約1℃/0.033重量%として計算すること
ができる。これは、これまで使用されていたNiCu合金よ
りもほぼ3倍も組成上の感応性が高い。
サーモシードを形成するCoPd合金は従来の合金化工程
で製造できる。コバルトおよびパラジウムのペレットま
たは粉末は、炭素アーク炉において不活性ガス(窒素ま
たはアルゴン)のもとでアークにより溶融できる。この
工程で、合金は水冷される銅プレート上にてアークで溶
融され、その後再溶融されて円筒形のモールド成形体に
構造される。
特定のキュリー点を生むために必要な組成上の精度
は、正確なキュリー温度のためにはアークによる溶融は
困難となる。強烈な熱の発生は金属粉末を溶融部から放
出する傾向を示し、同様に高温アークによる金属の蒸発
は組成を更に変化させてしまう。パラジウムは液相で高
い蒸気圧を有し、これはそのような溶融時にCoよりも多
量のPdを蒸発させることになり、これにより予測される
よりも一貫して高いCoを組成にもたらす。
誘導溶融技術はより均一で予測できる合金を生じるこ
とを見出した。この工程において、CoおよびPdの金属ペ
レットまたは粉末は不活性ガスのもとに密閉される坩堝
の中に置かれ、誘導コイルを使用して溶融される。包囲
あれることで粉末は飛散せず、散乱せず、その上にこの
容器は蒸発も最少限にするようにPdの蒸気圧より高い圧
力をかけることができる。インゴットが形成される坩堝
は、インゴットが円筒形となるように成形される。
合金化されたインゴットシリンダは、引き抜き線材の
径が典型的に6.35mm(1/4インチ)〜12.7mm(1/2イン
チ)であるので機械的にスエージ加工され、所望径の線
材に引き抜き加工される。意図する限定はなく、直径は
0.8mm〜1.2mmの範囲とされる。サーモシードを作るため
に長さを切断される線材に合金インゴットを冷間加工す
るこの加工は、オリジナルの円筒形インゴットに不均質
性が存在していないかの配慮を生じる。第3図を参照す
れば、CoPd合金の二相状態図が示されている。この状態
図では、94重量%のPd合金に関して1450℃付近に小さな
間隙(LS間隙)が液相線と固相線との間に存在するのが
見られる。これらの線の上側では、合金は完全な液相状
態で存在する。線の下側では、固体である。線の間は、
液体と固体とが共存する。この領域を冷却することで、
CoPd合金組成が与えられる。最初に凝固する合金はパラ
ジウムに富むが、最後に凝固する合金はコバルトに富
む。先に述べたが、組成におけるたった0.033重量%の
変化がキュリー点を1℃も変化させるので、したがって
この間隙は磁気遷移特性に影響するのに十分大きい。Ni
Cuの同様な状態図が第4図に比較のために示されてい
る。ここでは、LS間隙は非常に大きいが、その合金の組
成上の感応性は1℃当たりわずかに0.10重量%であり、
これはCoPd合金よりもほぼ3倍の感応性である。
材料組成の変化は線材が小径となるように引き抜かれ
るときに悪化する。したがって、それらが完全に均質化
された後に合金の冷間加工を開始するのが有利であると
見出された。溶融点より僅かに低い1000℃〜1100℃での
1時間にわたる高温焼鈍は、CoPdにとって十分であるこ
とが立証されている。冷間加工で急速硬化した金属は、
線材引き抜き工程でも焼鈍が行われる。
線材が完全に引き抜かれて適当長さ、すなわち1〜2c
mに切断された後、このシードは最終熱処理を行われ
て、冷間加工後の再結晶および粒成長を可能にされる。
この焼鈍段階は不活性ガスのもとで単一ゾーン炉内で行
われる。合金はその後炉内で冷却され、大気解放の環境
に曝されての酸化を防止される。冷却速度は、金属特性
に影響するような局部的熱応力を金属に生じるほどの高
速でなければ、無関係であることが見出されている。
サーモシードの製造方法を説明したが、これによって
強磁性合金シリンダが振動磁界を当てられたときに熱を
発生するメカニズムは、この合金の磁気特性が加熱に作
用することの背景を提供すべく、与えられる。強磁性シ
リンダの加熱をモデル化した分析解法は比較的複雑であ
るので、透磁率は不変で、当てられた磁界によらないと
仮定することで限定する。この導出は、シリンダ内部の
磁界の減衰を与えるため、組をなすベッセル関数に頼
る。強磁性シリンダによる当てられるH磁界の減衰は渦
電流加熱を生じる。第5(a)図および第5(b)図に
示すように、誘導された渦電流密度は半径に対するH磁
界の勾配に直接に依存する。第5(b)図の電流密度曲
線に生じる最大値は第5(a)図に示したこの範囲にわ
たるほぼ一定した磁界減衰と矛盾するように見える。こ
の最大値はシリンダの周囲面積または横断面積も減少す
ることで生じ、またこの範囲の誘導電流はほぼ一定であ
るが電流密度は僅かに増大することで生じる。H磁界は
R=0において0でないが、電流密度はシリンダの中心
で0でなければならないことを注目すべきである。
H磁界の減衰プロフィルの形状は、したがって渦電流
のプロフィルの形状は、シリンダの放出した出力値を決
定する。シヌソイダル磁界を当てられた長いシリンダで
は、単位長さ当たりの出力値は次式、すなわち で計算できる。
ここで、変数X、すなわち誘導数は、ベル関数(ber
関数)およびベイ関数(bei関数)がケルビンの式のベ
ッセル関数であるならば次のように定義される。
X<<1であると仮定するならば、出力式は次のよう
になる。
また、X>>1であるならば、出力式は次のようにな
る。
これらの式の対誘導数すなわちπRで単位体積当たり
の出力を割って正規化した値の比較が第6図に示されて
いる。最大値はX=2.5でプロットに生じており、材料
の単位体積当たりの最適出力カップリングは恐らくこの
位置である。第6図は誘導加熱される円筒形シードに関
する単位体積当たりの出力発生値対誘導数(半径の関
数)を示している。曲線Aは真の分析解法を与えるが、
曲線BはXが1よりも格段に小さいと仮定したときの概
算値であり、曲線CはXが1よりも格段に大きいと仮定
したときの概算値である。特定の材料に関して、誘導数
は導電性および透磁率によって決定され、制御できる変
数として作動周波数およびシリンダ半径を導き出す。
前述の分析は1つの重要な要素、すなわちXの値を減
少するために変化される作動周波数を考慮していない。
4.85×108amp/mm・秒のH−f積の上限が人の患者の安
全許容値として設定された。この制限は、患者の体内で
加熱する渦電流の誘導、および大きな直径の患者のため
の皮膚表面での熱発生によって生まれた。この関係は周
波数の変化が当てられる磁界の反転変化に伴うことを示
している。このH−f積を変数として保持することで、
最適化の分析はかなり変化する。
第7図は典型的な材料定数を有する1mm径のシリンダ
に関する一定H−fにおける出力対磁界周波数を示すプ
ロットである。サーモシードシリンダに関して半径(し
たがって体積)を一定に保持すること、および導電性お
よび透磁率の典型的な値を使用することにより(ρ=2.
4×106Ω-1m-1、μr=15)、一定H−f積に関する単位
長さ当たりの出力対周波数のプロットは、出力に最大値
を示さない。出力発生値はH2に比例するので、出力は周
波数の減少およびHの増大で増大する。
上述の分析は、それでの作業のためにインプラント寸
法の制限すなわち範囲を与えられると、一定H−f積に
おける最低周波数が円筒形サーモシードの最高出力を発
生することを示している。この分析はμが当てられる磁
界強度で変化しないと線形性を仮定することで制限され
る。
これまでの導出および分析はすべて透磁率に関して不
変モデルに基づいている。しかしながら、既に示したよ
うに、これは強磁性材料では一般に正当でなく、サーモ
シードとして使用される弱磁性合金ではかなりの最適化
誤差が生じる。非線形に関する修正方法の1つは、当て
られる磁界範囲での全ての磁界強度で透磁率を決定する
ことである。第8(a)図は室温でのCoPd高体温治療合
金のB−Hプロットであり、曲線は式B=a(tan-1(H
/b)+cHに合致する曲線を有し、ここでa,bおよびcは
定数である。続く式B(H)は次式、すなわち μr(H)=B(H)/μoH を使用して関連する透磁率を概算するのに使用でき、第
8(b)図に示されている。関連する透磁率は、4×10
8のH−f積に関して100および50kHzで使用される最大
磁界にそれぞれ相当する4000〜8000A/mの磁界強度にお
いて十分低下すること、が見られる。
非線形の渦電流加熱の分析は、H磁界プロフィルの計
算、最新透磁率の値の引き渡し、およびこれを解法によ
って収束するまで繰返す段階を含む反復法により概算で
きる。H磁界のプロフィル数値は半径の関数として電流
密度を見出すのに使用され、また全出力を推測するため
に積分される。非線形概算および線形解におけるCoPdシ
リンダでのH磁界および相対透磁率プロフィルの比較が
第8図および第9図に示されている。非線形分析はシリ
ンダを通るH磁界の減衰に明確な変化を示しており、し
たがって電流密度および出力の変化を予測する。第9図
は線形および非線形の解に関するシリンダの磁界依存透
磁率を示しており、線形値は当てられた磁界強度に相当
する。この非線形分析は、1mm径のサーモシードをモデ
ル化した第7(a)図のCoPdデータによれば、線形の場
合よりもインプラントの出力が10%実施するのを予測す
る。
第9図および第10図から各種周波数で反復法を使用し
た、4×108amp/m・秒の一定なH−f積に関する分析
は、第11図のプロットに示されるように加熱のための最
適周波数のあることを示している。出力は依然としてH2
に従属するが、高磁界(第8(b)図参照)での相対透
磁率の減少はこの影響をオフセットしている。周波数の
最適化のより完全な分析は、1つのB−H波からのデー
タだけでなく、関心を引く範囲内で多くの磁界強度にお
いてB−H曲線からのデータ点を使用する。
CoPd合金の分析は、磁気特性に依存する温度を考慮し
ないことに注目することが重要である。インプラントの
最適化は最も有効な加熱を遷移点付近で与えねばならな
い。CoPd合金に関する磁化対温度をプロットした実験デ
ータは興味を引く、予期しなかった結果を示している。
55℃におけるCoPdの磁化対温度のプロットを示す第12図
を参照すれば、キュリー点に近づくにつれて透磁率に鋭
い上昇を示している。これにおいて合金の透磁率はキュ
リー点より僅かに低い温度範囲で温度とともに増大し、
インプラントおよび加熱装置はキュリー遷移点に達する
まで加熱される際に一層の出力を放出するように設計で
きる。M−T曲線のこの局部的ピーク付近でインプラン
トを最適化することで、高効率のオンオフスイッチ特性
が得られ、最大出力は遷移時の数度の温度範囲内とされ
る。これは当てられる磁界範囲に関してのピーク温度に
おける合金のB−H曲線を必要とする。このような最適
化は、比較のためにM対T曲線を第13図に示しているNi
Cu合金では不可能である。キュリー温度に達するまでH
対Tを高めた特性は、移植可能なサーモシードとしてCo
Pdを優れた候補にする。CoPdの他の利点は耐食性であ
る。生体外でのこの合金の研究は標準的な電気化学腐食
容器を使用してほ乳類のリンゲル液中で行われた。この
装置はこれと同時に溶液と試料電極との間の電位を測定
され、調整されて、その特定溶液中での材料の電気腐食
の電位および腐食電流を正確に分析できるようになされ
た。シミュレートされた身体環境に相当する体温(37
℃)およびほぼ正常なpHの6.5〜7.0で最初の試験が行わ
れ、CoPd合金に関して0.030mm/1年間の腐食速度を得
た。これはNiCuの0.0508mm/1年間に比較される。これら
の数値は1年間の腐食で表面から失われた深さを反映
し、試料全面で均一であった。強磁性CoPd合金は極端に
腐食速度が遅いので、また毒性が最少限であるので、体
内に良好に適用でき、この合金は長期間の移植用に優れ
た候補となる。
本発明は特許要件にしたがって、また当業者にはこの
新規な原理を適用し、構成し、必要に応じてこの特別な
要素を使用できるようにする情報を与えるために、本明
細書でかなり詳細に記載された。しかしながら、本発明
は特別異なる形式および装置で実施できること、および
組成の細部および作動手順の両方に対して様様な変更が
本発明の範囲から逸脱せずになし得ることが理解されね
ばならない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A61N 1/42 A61N 1/40

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】腫瘍組織を治療するための移植可能な強磁
    性サーモシードであって、 予め定めた半径および長さ寸法を有し、治療温度範囲に
    キュリー点温度を示し、前記キュリー点温度に達するま
    で温度とともに磁化が増大する特性を示しており、振動
    磁界を当てることで誘導熱を発生するようになされた概
    ね円筒形の強磁性部材を含む移植可能な強磁性サーモシ
    ード。
  2. 【請求項2】腫瘍組織を治療するための移植可能な強磁
    性サーモシードであって、 予め定めた長さおよび半径を有し、コバルトの原子濃度
    がキュリー点温度を約42℃から約100℃の範囲内に設定
    するようになされたコバルト・パラジウム合金で作ら
    れ、振動磁界を当てることで誘導熱を発生するようにな
    された概ね円筒形の強磁性部材を含む移植可能な強磁性
    サーモシード。
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