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JP2862365B2 - 新規シラン化合物およびその製造方法 - Google Patents
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新規シラン化合物およびその製造方法

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JP2862365B2 JP30852090A JP30852090A JP2862365B2 JP 2862365 B2 JP2862365 B2 JP 2862365B2 JP 30852090 A JP30852090 A JP 30852090A JP 30852090 A JP30852090 A JP 30852090A JP 2862365 B2 JP2862365 B2 JP 2862365B2
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【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は新規なシラン化合物およびその製造方法に関
し、さらに詳しくは、プロピレンの重合触媒成分、シラ
ンカップリング剤などとして用いられる新規シラン化合
物およびその製造方法に関する。
(従来の技術および発明が解決しようとする課題) プロピレン重合を行なう際には、従来、触媒成分とし
て、アルコキシシラン類を用いると、高い立体規則性を
有する重合体を製造し得ることが知られている。しかし
ながら、従来知られているアルコキシシランなどを用い
て製造された触媒成分を用いてプロピレンを重合させて
も、高重合活性と高立体規則性の両方を十分に満足させ
ることはできなかった。
また、シラン化合物はシランカップリング剤あるいは
樹脂改質剤などとしての用途が期待されており、このた
め新規なシラン化合物の出現が望まれている。
そこで本発明は、高活性で、かつ高立体規則性である
プロピレンの重合触媒成分またはシランカップリング剤
などとして有用な新規シラン化合物およびその製造方法
を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は第1に、 次式(I): (式中、Rはtert−ブチル基またはイソプロピル基を表
す) で示されるシラン化合物、すなわち、tert−ブトキシ−
2−シクロペンテニルジメトキシシランまたはイソプロ
ポキシ−2−シクロペンテニルジメトキシシランを提供
するものである。
このシラン化合物(I)は、R=tert−ブチル基の場
合には沸点が78℃/3.7mmHgであり、R=イソプロピル基
の場合には80℃/7mmHgであった。このシラン化合物の構
造は、GC−MS、1H−NMR、赤外線吸収スペクトル(IR)
等により確認することができる。
例えば、1H−NMRを用いて、化合物(I)を分析する
と、Rがtert−ブチル基の場合には、δ1.32にtert−ブ
トキシ基、δ1.7〜2.6および5.71にシクロペンテニル
基、δ3.55にメトキシ基に基づくシグナルが観察され
た。また、Rがイソプロピル基の場合には、δ1.62、1.
27および3.9〜4.6にイソプロポキシ基、δ1.7〜2.6およ
び5.73にシクロペンテニル基、δ3.57にメトキシ基に基
づくシグナルが観察された。
また、IRスペクトルによる分析からは、いずれの化合
物も、1100cm-1付近にSiOC結合に基づく大きな吸収が観
察された。
このシラン化合物(I)を触媒成分として用いると、
高立体規則性を有するポリプロピレン、ポリブテン等の
オレフィン系重合体を、高重合活性下に製造することが
できる。
また、このシラン化合物(I)は加水分解性の基を有
しているため、シランカップリング剤、重合性モノマー
および樹脂改質剤として用いることができる。
本発明は第2に、上記式(I)で示される新規シラン
化合物の製造方法を提供する。すなわち、2−シクロペ
ンテニルトリハロシランをROH(Rは上記と同義)と反
応させ、次いで、得られた反応物をメタノールと反応さ
せることによって上記式(I)のシラン化合物を製造す
るものである。原料となる2−シクロペンテニルトリハ
ロシランは、次式: (Xは、ハロゲン原子を表し、好ましくはClまたはBrで
ある) で表され、シクロペンタジエンおよびトリハロシラン
(H−SiX3)から、ヒドロシリル化反応により容易に製
造することができる: このときシクロペンタジエン1モル当り、トリハロシラ
ン0.9〜1.1モルを使用する。その反応条件は、例えば、
温度100〜200℃で、10分間〜10時間であり、パラジウム
系触媒、例えばテトラキストリフェニルホスフィンパラ
ジウム、ビス(ベンゾニトリル)ジクロロパラジウムと
トリフェニルホスフィンより誘導されるホスフィン錯体
等を使用すると好ましい。また、溶媒を用いることもで
き、例えばベンゼン、トルエン等が挙げられる。
本発明では、このようにして得られた2−シクロペン
テニルトリハロシラン(II)をROH、すなわちtert−ブ
チルアルコールまたはイソプロピルアルコールと反応さ
せる: この反応を行なう際には、2−シクロペンテニルトリハ
ロシラン(II)1モルに対して、ROHを1〜3モル使用
する。反応は、例えば20〜100℃の温度で10分間〜5時
間、好ましくは40〜70℃の温度で30分間〜2時間行な
う。溶媒を使用することもでき、例えばヘキサン、エー
テル、石油エーテル、ベンゼン等の有機溶媒が挙げられ
る。
ここで、反応を速やかに進行させるために、脱ハロゲ
ン化水素剤を共存させることが好ましい。脱ハロゲン化
水素剤としては、第3級アミン類、窒素含有複素環化合
物、例えばピリジン、キノリン、イソキノリンなどが挙
げられる。なかでもピリジンおよびキノリンが好ましく
用いられる。脱ハロゲン化水素剤は、2−シクロペンテ
ニルトリハロシラン1モルに対して、1〜1.5モルの量
で使用するのが好ましい。
本発明において次に、得られた反応生成物(III)を
メタノールと反応させることにより、前記した本発明の
シラン化合物(I)を製造する。
この反応の際には、化合物(III)1モルに対してメタ
ノールを2〜3モル使用する。反応は、0〜100℃の温
度で10分間〜5時間、好ましくは10〜60℃の温度で30分
間〜2時間行なう、反応Cにおいても、反応を速やかに
進行させるために脱ハロゲン化水素剤を共存させること
が好ましい。脱ハロゲン化水素剤としては、先に反応B
において例示した脱ハロゲン化水素剤を使用できる。こ
こで使用する脱ハロゲン化水素剤は、先の反応で使用し
た化合物と同一でっても異なっていても良いが、通常で
は同一のものを使用する。脱ハロゲン化水素剤は、化合
物(III)1モルに対して2〜3モルの量で使用するの
が好ましい。
また、上記した反応Bおよび反応Cにおいては、不活
性気体を吹き込むことにより、生成するハロゲン化水素
を反応系から除去して、反応を速やかに進行させること
もできる。
上記した製造方法により、新規シラン化合物(I)が
高収率で得られる。
本発明はまた、上記式(I)で示されたシラン化合物
を製造するための、上記と異なる方法を提供する。すな
わち、2−シクロペンテニルトリメトキシシランおよび
ROH(Rは前記と同義)を、アルコール交換反応させる
ことにより、式(I)の化合物を製造する方法である: 上記反応式においては、化合物(IV)1モルに対して、
ROHを1〜2モル使用する。反応は、例えば50〜100℃の
温度で2〜20時間行なう。このアルコール交換反応の際
には、触媒として、酸、例えばトリフルオロボラン−エ
ーテル錯体、トルエンスルホン酸;または塩基、例えば
アルカリ金属アルコキシド類、金属水酸化物類等を用い
ることができる。
また、出発物質である2−シクロペンテニルトリメト
キシシラン(IV)は、2−シクロペンテニルトリクロロ
シランとメタノールの脱塩化水素反応により製造でき
る。
(実施例) 以下の実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
実施例1 tert−ブトキシ−2−シクロペンテニルジメトキシシラ
ンの製造 500mlの耐圧容器に、シクロペンタジエン13.2g(0.20
0モル)、トリクロロシラン28.4g(0.210モル)および
テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム0.05g
(パラジウム含量4.3×10-5モル)を仕込み、90℃で1
時間撹拌することにより、定量的に2−シクロペンテニ
ルトリクロロシランを得た。
磁気撹拌子、冷却管および滴下ロートを備えた500ml
の三つ口フラスコに、先に得た2−シクロペンテニルト
リクロロシランおよびヘキサン250mlを仕込み、ここ
に、ピリジン49.8g(0.630モル)およびtert−ブチルア
ルコール17.8g(0.240モル)の混合物を、室温にて撹拌
下30分間で滴下した。
2時間加熱還流した後、このにメタノール14.4g(0.4
49モル)を添加し、さらに1時間還流を続けてから反応
を終了した。
生成した塩を過により除去し、次いでヘキサンを留
去した後、減圧蒸留することにより、沸点が78℃/3.7mm
Hgの液体36.9g(0.160モル)を得た。この生成物がtert
−ブトキシ−2−シクロペンテニルジメトキシシランで
あることを、GC−MS、1H−NMRおよびIRによって確認し
た。1H−NMRおよびIRの測定結果をそれぞれ第1図およ
び第2図に示した。収率は80%であった。
なお、1H−NMRおよびIRは、次の条件で測定した。1 H−NMR 測定装置:HITACHI R−1500((株)日立製作所製)、
測定溶媒:CDCl3、標準物質:TMS(テトラメチルシラン) IR 測定装置:IR−810(日本分光工業(株)製)測定方
法:液膜法(KBr板) また、GC−MSは、HP 5970B(ヒューレット パッカー
ド社製)を用い、その測定結果は以下の通りであった:m
/e(スペクトル強度比):230(0.4)、215(3)、173
(5)、163(6)、133(5)、107(100)、91(1
7)、77(25)、67(16)、59(14) 実施例2 tert−ブトキシ−2−シクロペンテニルジメトキシシラ
ンの製造 磁気撹拌子および冷却管を備えた100mlの三つ口フラ
スコに、2−シクロペンテニルトリメトキシシラン25.0
g(0.133モル)、tert−ブチルアルコール9.86g(0.133
モル)およびカリウムtert−ブトキシ20mg(0.18ミリモ
ル)を仕込み、80℃の油浴で10時間加熱撹拌して反応さ
せた。冷却後、塩化アンモニウムを添加することにより
アルカリを中和し、次いで減圧蒸留することにより、te
rt−ブトキシ2−シクロペンテニルジメトキシシラン6.
13g(0.0266モル)を得た。構造は、実施例1と同様に
して確認した。収率は20%であった。
実施例3 イソプロポキシ−2−シクロペンテニルジメトキシシラ
ンの製造 磁気撹拌子、冷却管および滴下ロートを備えた500ml
の三つ口フラスコに、実施例1と同様にして製造した2
−シクロペンテニルトリクロロシラン40.3g(0.200モ
ル)およびヘキサン300mlを仕込み、ここに、ピリジン5
3.8g(0.680モル)およびイソプロピルアルコール13.2g
(0.220モル)の混合物を、室温にて撹拌下30分間で滴
下した。さらに30分間撹拌を続けた後、ここにメタノー
ル14.1g(0.440モル)を添加し、さらに30分間撹拌を続
けてから反応を終了した。
生成した塩を過により除去し、次いでヘキサンを留
去した後、減圧蒸留することにより、沸点が80℃/7mmHg
の液体35.0g(0.162モル)を得た。この生成物がイソプ
ロポキシ−2−シクロペンテニルジメトキシシランであ
ることを、GC−MS、1H−NMRおよびIRによって確認し
た。1H−NMRおよびIRの測定結果をそれぞれ第3図およ
び第4図に示した。収率は81%であった。
なお、GC−MSの結果は以下の通りであった:m/e(スペ
クトル強度比):216(4)、201(4)、149(41)、13
5(3)、107(100)、91(15)、77(32)、67
(7)、59(11) 実施例4 イソプロポキシ−2−シクロペンテニルジメトキシシラ
ンの製造 実施例2と同様の装置に、2−シクロペンテニルトリ
メトキシシラン25.0g(0.133モル)、イソプロピルアル
コール7.99g(0.133モル)およびカリウムtert−ブトキ
シド20mg(0.18ミリモル)を仕込んだ以外は実施例2と
同様に処理して、イソプロポキシ−2−シクロペンテニ
ルジメトキシシラン4.89g(0.0226モル)を得た。構造
は、実施例3と同様にして確認した。収率は17%であっ
た。
(発明の効果) 本発明により、オレフィン等の重合触媒成分、シラン
カップリング剤などとして有用な新規なシラン化合物お
よびその製造方法を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図および第2図はそれぞれ、実施例1で製造したte
rt−ブトキシ−2−シクロペンテニルジメトキシシラン
についての1H−NMRおよびIRのチャートであり、第3図
および第4図はそれぞれ、実施例3で製造したイソプロ
ポキシ−2−シクロペンテニルジメトキシシランについ
ての1H−NMRおよびIRのチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 青木 倫子 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番 1号 東燃株式会社総合研究所内 (72)発明者 奥村 義治 埼玉県入間郡大井町西鶴ヶ岡1丁目3番 1号 東燃株式会社総合研究所内 (56)参考文献 特開 平2−270888(JP,A) J.Organometall ch em.,149(1978),29−36 (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C07F 7/18 CA(STN) REGISTRY(STN) WPIDS(STN)

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】次式(I): (式中、Rはtert−ブチル基またはイソプロピル基を表
    す) で示されるシラン化合物。
  2. 【請求項2】2−シクロペンテニルトリハロシランをRO
    H(Rは請求項1と同義である)と反応させ、次いで、
    得られた反応物をメタノールと反応させることを特徴と
    する請求項1記載のシラン化合物の製造方法。
  3. 【請求項3】脱ハロゲン化水素剤の存在下において反応
    を行なう、請求項2記載の方法。
  4. 【請求項4】2−シクロペンテニルトリメトキシシラン
    およびROH(Rは請求項1と同義である)を、アルコー
    ル交換反応させることを特徴とする請求項1記載のシラ
    ン化合物の製造方法。
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