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JP2876751B2 - ポリ塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents
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JP2876751B2 - ポリ塩化ビニル系樹脂組成物 - Google Patents

ポリ塩化ビニル系樹脂組成物

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は各種輸送機器、精密電子機器、音響機器など
の分野において振動を制御することにより、動作反応速
度や測定制度を向上させたり、音質を改良させる目的で
使用される振動エネルギー吸収性能のすぐれたポリ塩化
ビニル系樹脂組成物に関するものである。
〔従来の技術〕
従来、振動エネルギー吸収材としてはブチルゴムが最
もよく使用されている。また、最近ではポリノルボルネ
ンや特殊なウレタン系エラストマーなどがより高性能で
あることが見出だされ注目されている。これら振動エネ
ルギー吸収材の1次評価はその材料の粘弾性測定により
求められる貯蔵弾性率(E′)と損失係数(tanδ=損
失弾性率(E″)/貯蔵弾性率(E′))でなされる。
振動エネルギー吸収材として設計するためには損失係
数は大きければ大きいほど、また貯蔵弾性率は使用され
る形態によって最適値が存在する。これら2つの因子は
通常温度依存性が大きい。すなわち貯蔵弾性率は温度が
高くなるにつれて徐々に低下し、通常ガラス転移点を越
えた温度域から急激に低下する。また、損失係数はガラ
ス転移点を越えた温度域で最も高い値を示すがその前後
の温度域では低下する傾向が一般的である。
たとえばポリ塩化ビニルはフタル酸ジ−2−エチルヘ
キシル(DOP)に代表される可塑剤との配合を変えるこ
とにより損失係数の温度依存性を任意に変えることがで
きる。
ところが、ゴム,ポリ塩化ビニル共に損失係数に温度
依存性があり、特定の狭い温度範囲でしか振動吸収性能
が発揮できない。
一方、近年広い温度範囲でその振動吸収性能に変動の
少ない材料が望まれている。
〔発明が解決しようとする課題〕
本発明はポリ塩化ビニル樹脂の有する特徴を生かしな
がら幅広い温度域で高い損失係数を維持した振動エネル
ギー吸収材を提供することを目的とする。
〔課題を解決するための手段〕
上記のような現状に鑑み、本発明者らは鋭意検討を重
ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、ポリ塩化ビニルとポリウレタンの重量比8/
2〜4/6から成る複合体100重量部に対して下記の(i)
の構造を有するフタル酸エステル5〜200重量部、下記
(ii)の構造を有するリン酸エステル5〜200重量部、
及び石油樹脂3〜200重量部から成るポリ塩化ビニル系
樹脂組成物、さらには本組成物からなる振動エネルギー
吸収材に関する。
以下、その詳細について説明する。
本発明で用いるポリ塩化ビニル樹脂とは、塩化ビニル
単独重合樹脂、塩素化塩化ビニル樹脂、塩化ビニル単量
体と共重合し得るすべての単量体のうち1つ以上とラン
ダム共重合あるいはブロック共重合して得られる塩化ビ
ニル共重合樹脂(例えば酢酸ビニル−塩化ビニル共重合
体、エチレン−塩化ビニル共重合体等)で、上記樹脂の
単品あるいは2種類以上の混合品である。
本発明で使用されるポリウレタンとは、例えばポリエ
ステル系ポリオール、ポリエーテル系ポリオール、ポリ
カーボネート系ポリオール、ビニル系ポリオール、ジエ
ン系ポリオール、ひまし油系ポリオール、シリコーン系
ポリオールポリオレフィン系ポリオール等の両末端に水
酸基を有する長鎖のポリオールにトリレンジイソシアネ
ート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート等のポリイソシアネートを反応さ
せたもの、及び熱可塑性ポリウレタネラストマーなどが
挙げられる。
また、本発明でいう複合体とはポリ塩化ビニルとポリ
ウレタンとのブレンド、または前記ポリオールに塩化ビ
ニル及び塩化ビニルと共重合しうるすべての単量体のう
ち1種以上をグラフト重合させて得た重合体に前記ポリ
イソシアネートを反応させた塩化ビニル−ウレタン共重
合体、さらには塩化ビニル−ウレタン共重合体とポリ塩
化ビニル及び/又はポリウレタンとのブレンドが所定の
割合になったものを言う。この中でも特に塩化ビニル−
ウレタン共重合体とポリ塩化ビニルとのブレンドが好ま
しい。
ポリ塩化ビニルとポリウレタンは重量比8/2〜4/6から
成る複合体を用いる。さらに好ましくは8/2〜5/5の重量
比の複合体を用いることにより幅広い温度域で高い損失
係数を維持することが可能となる。この重量比8/2より
ポリ塩化ビニルが多いと本組成物の損失係数の温度依存
性が著しく大きくなる。一方、重量比4/6よりポリ塩化
ビニルが少ないと本組成物の損失係数値が小さくなる。
一般式(i)の構造を有するフタル酸エステルとは、
R1,R2がC3〜C8の単環式炭化水素からなる化合物であ
る。R1,R2は同一でも異なっていてもよく、環上の水素
は他の置換基に置換されていてもよい。
具体的にはジシクロヘキシルフタレート(DCHP)、ジ
メチルシクロヘキシルフタレート(DMCHP),ジフェニ
ルフタレート(DPP)等が挙げられる、好ましくはジシ
クロヘキシルフタレートである。添加量としては加工
性、経済性の点から複合体100重量部に対して5重量部
以上200重量部以下、さらには10重量部以上100重量部以
下が望ましい。ポリ塩化ビニル単独の場合、周波数10Hz
で動的粘弾性を測定すると約90℃でtanδの最大値は1.1
を示すものが、この範囲の添加量に応じて温度約30℃〜
80℃の範囲でtanδの最大値は1.4から1.8程度を示す。
この現象は緩和現象論の教えることろでは材料内部の状
態の均一化が進み緩和時間の分布が狭まったと理解され
るが、なぜこのような特定のフタル酸エステルが特異的
に優れているのかは不明である。
一般式(ii)の構造を有するリン酸エステルとして
は、R2がC6〜C9の芳香族単環式炭化水素からなる化合物
である。R3〜R5は同一または異なっていてもよく、環上
の水素は他の置換基に置換されていてもよい。
具体的にはトリクレシルホスフェート(TCP),トリ
キシレニルホスフェート(TXP)などが挙げられる。特
にトリキシレニルホスフェートは単独でポリ塩化ビニル
樹脂に添加した場合でもtanδの最大値は約1.1程度を保
持するという優れた特徴も兼ね備えている。
リン酸エステルの添加量としては、加工性,経済性の
点から複合体100重量部に対して5重量部から200重量
部、さらには10重量部から100重量部が望ましい。フタ
ル酸エステルのブリード現象は、リン酸エステルを5重
量部以上加えることで顕著に抑制することができる。
本発明に用いられる石油樹脂とはC5〜C9のオレフィン
を混合状態のまま重合して得られるものである。しか
し、石油樹脂の添加により損失係数の最大値は大きく向
上するが、その効果の度合いは組成と分子量によってか
なり異なる。しなわち石油樹脂としてはC9成分のインデ
ンとスチレンを50wt%以上含有するものが好ましく、さ
らにはインデンとスチレンとの比率はスチレンが半分以
上占めるほうが望ましい。またその数平均分子量が500
以上1500以下であるほうが好ましい。これらの範囲をは
ずれると損失係数の値は低下する。
添加量としては複合体100重量部に対して3重量部以
上200重量部以下、さらには10重量部以上100重量部以下
が好ましい。3重量部未満では損失係数はあまり向上せ
ず、また200重量部を超えて添加するた加工性が極端に
悪化する。
また本発明に用いられるフタル酸エステルは整形後に
ブリードしやすいという欠点があるが石油樹脂,リン酸
エステルはブリードを抑制する効果を得ることも利点で
ある。
本発明によるポリ塩化ビニル系樹脂組成物には、ポリ
塩化ビニル樹脂に通常添加されるDOP,ジオクチルセバケ
ート(DOS)、ポリウレタン樹脂に通常添加されるトリ
メリット酸エステル等の可塑剤、炭酸カルシウム,タル
ク等に代表される無機充填材、三酸化アンチモンやホウ
三亜鉛に代表される難燃剤、マイカやグラファイトに代
表される振動エネルギー吸収材によく用いられるフレー
ク状充填材などを必要に応じて添加することができる。
また必要に応じて通常ポリ塩化ビニル樹脂の改質に用
いられるNBR(アクリロニトリル−ブタジエンゴム),EV
A(エチレン−酢酸ビニル共重合体),アクリル樹脂な
どとブレンドすることもできる。さらに振動エネルギー
吸収材によく使用されるクマロン樹脂,キシレン樹脂な
どとブレンドすることもできる。
本発明によるポリ塩化ビニル系樹脂組成物は従来のポ
リ塩化ビニル樹脂の成形・加工法であるカレンダー加
工,押し出し加工,射出成形,発泡成形,圧縮成形等の
手法により自由に成形・加工することができる。
また本発明により得られた振動エネルギー吸収材をス
テンレス鋼板やアルミ板等の金属材料を始めとする木
材,無機材料等の他材料と複合して用いることもでき
る。
〔実施例〕
以下に本発明を実施例を用いて説明するが、本発明は
これら実施例に限定されるものではない。
(実施例1) エチレン−塩化ビニル共重合体(リューロンE-2800,
東ソー(株)製)30重量部、塩化ビニル−ウレタン共重
合体(ポリ塩化ビニル/ポリウレタン=50/50)70重量
部、フタル酸エステルとしてジシクロヘキシルフタレー
ト(DCHP,大阪有機化学(株)製)20重量部、ジ−2−
エチルヘキシルフタレート(DOP,花王(株)製)15重量
部、トリキシレニルホスフェート(TXP,大八化学(株)
製)25重量部、石油樹脂(ペトコールLX-HS,東ソー
(株)製)40重量部、安定剤としてOG-756(水沢化学
(株)製)を1重量部、液状のバリウムジンク系安定剤
(6226,昭島化学(株)製)1重量部、亜燐酸エステル
系安定剤(4342,昭島化学(株)製)0.6重量部、難燃剤
として三酸化アンチモン(ATOX-S,日本精工(株)製)
7重量部を混合し、温度160℃にて5分間ロール混練
し、目的の組成物を得た。
(実施例2) 実施例1においてエチレン−塩化ビニル共重合対を40
重量部、塩化ビニル−ウレタン共重合体を60重量部にし
た以外は全く同一の系を混合し、温度165℃にて約5分
間ロール混練し目的の組成物を得た。
(実施例3) 実施例1においてエチレン−塩化ビニル共重合体を25
重量部、塩化ビニル−ウレタン共重合体を75重量部、ジ
シクロヘキシルフタレートを10重量部、トリキシレニル
ホスフェートを20重量部にした以外は全く同一の系を混
合し、温度160℃にて約5分間ロール混練し目的の組成
物を得た。
(実施例4) 実施例1においてエチレン−塩化ビニル共重合体を50
重量部、塩化ビニル−ウレタン共重合体を50重量部にし
た以外は全く同一の系を混合し、温度165℃にて約5分
間ロール混練し目的の組成物を得た。
(実施例5) 実施例1においてエチレン−塩化ビニル共重合体のか
わりにポリ塩化ビニル樹脂(TH-1000,東ソー(株)製)
を用いる以外は全く同一の系を混合し、温度160℃にて
約5分間ロール混練し目的の組成物を得た。
(実施例6) 実施例1においてジシクロヘキシルフタレートを70重
量部,トリキシレニルホスフェートを70重量部にした以
外は全く同一の系を混合し、温度165℃にて約5分間ロ
ール混練し目的の組成物を得た。
(実施例7) 実施例1においてエチレン−塩化ビニル共重合体を0
重量部、塩化ビニル−ウレタン共重合体を100重量部に
した以外は全く同一の系を混合し、温度155℃にて約5
分間ロール混練し目的の組成物を得た。
(実施例8) 実施例1においてエチレン−塩化ビニル共重合体のか
わりにポリ塩化ビニル樹脂(TH-1000,東ソー(株)製)
50重量部、塩化ビニル−ウレタン共重合体のかわりにポ
リウレタンエラストマー(パラプレン25SM,日本ポリウ
レタン工業(株)製)50重量部をブレンドしたものを用
いる以外は全く同一の系を混合し、温度180℃にて約5
分間ロール混練し目的の組成物を得た。
(比較例1) 実施例1においてエチレン−塩化ビニル共重合体を80
重量部、塩化ビニル−ウレタン共重合体を20重量部にし
た以外は全く同一の系を混合し、温度170℃にて約5分
間ロール混練し目的の組成物を得た。
(比較例2) 実施例8においてポリ塩化ビニル樹脂30重量部、ポリ
ウレタンエラストマー70重量部をブレンドしたものを用
いる以外は全く同一の系を混合し、温度180℃にて約5
分間ロール混練し目的の組成物を得た。
[損失係数(tanδ)の評価] 非共振型強制振動法に基づく測定装置である粘弾性ア
ナライザーRSAII(レオメトリックス・ファーイースト
社製)を用いて昇温速度2℃/min、測定周波数10Hzによ
り損失係数の測定を行った。損失係数が0.6以上を湿す
温度領域を表1に示す。
〔発明の効果〕 以上の説明から明らかなように、本発明によればポリ
塩化ビニルとポリウレタンを特定の割合で複合化し、さ
らに特定のフタル酸エステル及びリン酸エステルと石油
樹脂を複合化させることによって幅広い温度域で高い損
失係数を維持した振動エネルギー吸収材が得られる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI //(C08K 5/00 5:12 5:523) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C08L 27/06 C08L 57/02 C08L 75/04 - 75/16

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリ塩化ビニルとポリウレタンの重量比8/
    2〜4/6から成る複合体100重量部に対して下記の(i)
    の構造を有するフタル酸エステル5〜200重量部、下記
    (ii)の構造を有するリン酸エステル5〜200重量部、
    及び石油樹脂3〜200重量部から成るポリ塩化ビニル系
    樹脂組成物。 但しR1,R2:単環式炭化水素 但しR3〜R5:芳香族単環式炭化水素。
  2. 【請求項2】第(1)項記載の組成物からなる振動エネ
    ルギー吸収材。
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