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JP2883085B2 - Hcmvの糖タンパク質類、それらに対する抗体類及びhcmvワクチンの産生法、並びにそれらのための組換えベクター - Google Patents
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JP2883085B2 - Hcmvの糖タンパク質類、それらに対する抗体類及びhcmvワクチンの産生法、並びにそれらのための組換えベクター - Google Patents

Hcmvの糖タンパク質類、それらに対する抗体類及びhcmvワクチンの産生法、並びにそれらのための組換えベクター

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JP2883085B2
JP2883085B2 JP62501651A JP50165187A JP2883085B2 JP 2883085 B2 JP2883085 B2 JP 2883085B2 JP 62501651 A JP62501651 A JP 62501651A JP 50165187 A JP50165187 A JP 50165187A JP 2883085 B2 JP2883085 B2 JP 2883085B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の分野 本発明は、ヒトサイトメガロウィルス(HCMV)に関
し、そしてそのウィルスの糖タンパク質の産生、それら
のワクチンの可能性及びHCMV特異性抗体の産生に関す
る。 発明の背景 HCMVは、かなり重要なヒト病原菌であり、そしてそれ
に対する有効なワクチンが必要である。従来の実験的な
ワクチンは、弱められた非病原性形ウィルスに基づかれ
て来たが、しかし、所望としない副作用が存在する。本
発明は、組換えDNA技法を用いての、HCMVに対するワク
チンの製造への他のアプローチを提供する。 他のヘルペスウィルスのように、HCMVは、多重糖タン
パク質を特定する(1,2)。これらの特徴化は、ポリク
ローナル血清及びモノクローナル抗体を用いての、CMV
により感染された細胞及び精製されたビリオンの研究を
含む(2〜10)。1つの糖タンパク質が、一部精製さ
れ、そしてモルモットに中和反応を誘発することが示さ
れて来た。しかしながら、HCMVにより特定化された糖タ
ンパク質の合計数は、不明確であり、そして個々の糖タ
ンパク質のワクチン可能性は知られていない。HCMVによ
り感染された細胞からの個々の糖タンパク質の精製は、
期待の持てるものではない。なぜならば、そのウィルス
はゆっくりと増殖し、そして感染の間、宿主タンパク質
の合成を止めないからである。 発明の要約 本発明は、本明細書でgB及びgHとして言及されている
2種の糖タンパク質をコードするHCMVのDANの同定及び
発現に基づかれる。gBタンパク質は、F/D境界からの137
8〜4095塩基の間に存在する、HCMVゲノムのHind III F
フラグメント中のDNAによってコードされている。gHタ
ンパク質は、L/D境界からの228〜2456塩基の間に存在す
る、Hind III Lフラグメント中のDNAによってコードさ
れる。 本発明の1つの観点によれば、ヒトにHCMV中和性抗体
を高めることができる1又はそれよりも多くの抗原決定
基を組込むポリペプチドを、組換えDNAベクターからの
適切な宿主生成物に発現することを含んで成る方法が提
供され、ここで前記決定基(又は決定基類)は、F/D境
界からの1378〜4095塩基の間に存在する、HCMVゲノムの
Hind III Fフラグメント中のDNAによってコードされた
タンパク質の部分に対応し、そして/又はL/D境界から
の228〜2456塩基の間に存在する。HCMVゲノムのHind II
I Lフラグメント中のDNAによってコードされたタンパク
質の部分に対応する。 本発明の第2の観点は、そのようなポリペプチドをコ
ードするDNAを含む組換えウィルスベクターを提供する
ことであり、前記ベクターは、ヒトを感染することがで
き、そして免疫原形にそのポリペプチドを発現する。 本発明の第3の観点は、そのようなポリペプチドを合
成することを含んで成る方法を提供する。 本発明の第4の観点は、そのようなポリペプチド又は
上記のような組換えウィルスベクターにより宿主動物
(ヒトを除く)を免疫化し、そして前記ポリペプチドに
対して特異的な抗血清をその宿主動物から抽出すること
を含んで成るHCMV単一特異性抗血清の調製方法を提供す
る。HCMV−特異性モノクローナル抗体は、そのような免
疫化された動物からの細胞から調製され得る。 本発明の第5の観点は、抗体とHCMVポリペプチドとを
接触し、そしてそのポリペプチドから結合した抗体を分
離することを含んで成る、HCMV−特異性抗体を精製する
方法を提供する。 本発明の第6の観点は、サンプルとHCMVポリペプチド
とを接触せしめ、そしてそのポリペプチドに結合する抗
体を検出することを含んで成る、臨床サンプル中のHCMV
特異性抗体を検出するための方法を提供する。 本発明の第7の観点は、そのような検出方法を行なう
ためのキットを提供することであり、そして該キット
は、臨床サンプルとの接触のために適切な形の前記ポリ
ペプチド及び前記ポリペプチドに結合するHCMV特異性抗
体を検出するための手段を含んで成る。 免疫応答を導びく、HCMVの表面糖タンパク質を同定
し、そして哺乳類ベクター中にその対応する配列の遺伝
物質を導入することによって、HCMVに対するワクチンの
基礎を形成することができる、免疫学的に活性的なタン
パク質を産生することができる。 組換えウィルスワクチンに関しては、その同定された
HCMVゲノムフラグメントが単離され、そして従来の遺伝
子工学技法により適切な哺乳類ウィルスベクター中に導
入され、そして哺乳類宿主中にそのプラスミドをトラン
スフェクトすることができる。 適切なベクターは、哺乳類細胞及びウィルス、たとえ
ばポックスウィルス(特に好ましくはワクシニアウィル
ス)及びウシ乳頭腫ウィルスを含む。 外来性DNAの発現は、組換えウィルスベクターにより
細胞又は動物を感染することによって得られる。たとえ
ば、組換えウィルス、たとえばワクシニアウィルスは、
生ワクチンとして使用され得る。さらに、組換えベクタ
ーにより感染された細胞を用いて、ワクチンとして使用
するために外来性DNAの生成物を調製することができ
る。 1つの好ましい技法において、HCMVゲノムの糖タンパ
ク質−コードフラグメントが、プラスミドpG62中に導入
され、そして次に、ワクシニアウィルスにより感染され
た哺乳類細胞中にそのプラスミドをトランスフェクトす
ることによって、ワクシニアウィルス中にトランスファ
ーされる。 HCMVのDNAが、それによって産生されるタンパク質の
機能に有意に影響を及ぼさないで、種々の方法により変
性され得ることは明らかであろう。たとえば、タンパク
質のトランスメンブラン形は、膜アンカー配列を含むC
−末端をコードするDNAを除去することによって分泌形
に転換され得る。そのような変性は、本発明の請求の範
囲内に存在する。 図面の簡単な説明 第1図は、制限酵素Hind IIIのための適切な切断を示
す原型方向におけるHCMVゲノム株AD169の地図であり、H
CMV gB及びHCMV gHをコードする遺伝子の位置及び方向
も示している。 第2図は、第1図に同定されたHCMV gB遺伝子(CMVと
して命名されている)の推定上の翻訳生成物と単純ヘル
ペスウィルスのタイプ1の糖タンパク質B(HSVとして
命名されている)及び可能性あるエプスタイン−バーウ
ィルスの糖タンパク質(EBVとして命名されている)の
推定上の翻訳生成物との比較である。可能性あるグリコ
シル化部位は下線を引かれ、そして推定上の疎水性シグ
ナル領域及びアンカー領域は実線で囲まれている。 第3図は、HCMV gBの推定上のアミノ酸配列を示す、H
CMV gBをコードする遺伝子を含む、MCMVゲノムのHind I
II FフラグgBをコードする遺伝子を含む、HCMVゲノムの
Hind III FフラグメントのXma III制限酵素フラグメン
トのDNA配列である。明確には、これは、HCMVゲノムの
原型方向に存在する方向に対して反対の方向に示され
る。 第4図は、プラスミドpGS62中への第3図の配列の導
入を例示するものであり、これからそれは、ワクシニア
ウィルス中にトランスファーされ得る。濃い線は、HCMV
のDNAを示し;そして薄い線はプラスミドDNAを示す。開
放のボックスは、ワクシニアHind III Jフラグメントか
ら取られたアクシニアDNAを示し、そしてTK遺伝子のコ
ード配列を含み、この中にワクシニアプロモーターPが
トランスロケーションされている。 第5図は、HCMV gHのためのコード配列を拡張するSma
I−Hind III LフラグメントのDNA配列を示す。第3図
に関するように、これは、HCMVゲノムの原型方向に存在
する方向に対して反対の方向に示されている。HCMV gH
の推定上のアミノ酸配列が、一文字のアミノ酸モードで
DNA配列の上に示されてる。クローニングに使用されるS
ma I(CCCGGG)を及びHind III(AAGCTT)のための制限
酵素認識配列が下線を引かれ、そしてその可能性あるグ
リコシル化部位も下線を引かれている。Hind III部位
は、ゲノム中のHind IIIフラグメントL及びDの間の境
界を示す。推定上の疎水性シグナル領域及びアンカー領
域は、実線で囲まれている。 本発明は、さらに次の例によって例示されるであろ
う。 例 推定上の糖タンパク質遺伝子の同定 HCMVゲノム内に可能な糖タンパク質遺伝子を同定する
ために、HCMV株、AD169のゲノムの個々のクローン化さ
れた制限フラグメンが、参考文献(11)に記憶のM13/ジ
デオキシヌクレオチド鎖終結法又は参考文献(12)のBa
nkier及びBarrellによって記載された策略及び方法を用
いて、配列決定された。次にその得られた配列を、可能
性あるタンパク質コード配列及びRNAポリマラーゼII転
写シグナルについて分析した。次に可能性あるタンパク
質コード配列の推定される翻訳生成物を、糖タンパク質
の特徴、すなわちN−末端の疎水性シグナルペプチド、
C−末端に近い疎水性トランスメンブラン配列及び外部
ドメインにおける可能性あるN−グリコシル化部位の存
在について試験した。 これらの基準を用いて、HCMVゲノムのHind III Fフラ
グメントの16255〜18972塩基間に及びHCMVゲノムのHind
III Lフラグメントの228〜2456塩基間にそれぞれ存在
する2種の推定上の糖タンパク質遺伝子に同定した。HC
MVゲノムのHind IIIフラグメント地図は、第1図に示さ
れている。第1図において、垂直な点線は、それぞれ長
い及び短いユニーク領域を示す。大文字は、Hind IIIに
よる切断によって産生されたフラグメントを言及する−
参考文献(13)を参照のこと。糖タンパク質遺伝子B及
びHの位置及び配向は、それぞれHind III制限フラグメ
ントF及びLに示されている。糖タンパク質Bのコード
領域は、DNA配列の相補的鎖上のHind III F/D境界から
の塩基1378〜4095間に存在し;そして糖タンパク質Hの
コード領域は、DNA配列の相補的鎖上のHind III L/D境
界からの塩基228〜2456間に存在する。 HCMVの糖タンパク質B 指摘された読み取り枠における糖タンパク質B遺伝子
の第1次翻訳生成物は、16個の可能性あるN−結合性グ
リコシル化部位を含む、906個のアミノ酸ポリペプチド
である。シグナル配列として機能する、N−末端に近い
疎水性配列及びアンカー配列して機能する、そのC−末
端での疎水性アミノ酸の延長が存在する。この遺伝子の
推定される翻訳生成物を、他のヒトヘルペスウィルスの
糖タンパク質遺伝子と比較した。この調査は、単純ヘル
ペスウィルス(HSV)及びエプスタイン−バーウィルス
(EBV)の糖タンパク質B(gB)と相同であることを表
わし(参考文献14);水痘・帯状ヘルペスフィルス(VZ
V)はまた、相同な糖タンパク質遺伝子を有する。この
理由のために、この読み枠によってコードされたタンパ
ク質は、HCMVのgBとして実質的に言及される。 その推定される翻訳生成物HCMV gBとHSV1及びEBVのそ
れらとの比較は、第2図に示されている。推定されるHC
MV糖タンパク質配列は、EBV及びHSV1に見られるそれら
のものと整合されている。それらの配列は、1文字のア
ミノ酸コードで示され、そして相同アミノ酸の最適な整
合をできるだけ生成するために、整合され、そして点線
により対合された。ほとんど相同しない領域、たとえば
末端では、その整合は任意である。糖タンパク質の特徴
を有する、N−末端で及びC−末端の近くでの疎水性ア
ミノ酸の領域は実線で囲まれ、そして可能性あるN−結
合性グリコシル化配列(NT又はNS;*はいづれか
のアミノ酸である)が下線を引かれている。 第2図はHSV−1,EBV及びHCMVのgBタンパク質の良好な
整合を示し、そいてそれらのタンパク質は、最小の保存
性を示すN−及びC−末端を伴って、それらの長さの大
部分で相同じあることを示す。すべての3種のタンパク
質において、121位で、等しくマッチされたアミノ酸が
存在することが見うけられる。EBVのgBの部分として取
る場合、これは、そのタンパク質の14%以上が好ましく
は保存されることを意味する。さらに、推定上のシグナ
ル配列とアンカー配列との間に存在するすべての10個の
システイン残基は、好ましくは整合され、そしてそれら
のタンパク質の細胞外部分が類似する全部の構造体を有
することができることを示唆する。これらの3種のウィ
ルスタンパク質の間の相同性の程度は、推定上のHCMV糖
タンパク質が糖タンパク質Bの相同体であるという確信
のある証拠を提供する。その糖タンパク質の特性のもう
1つの証拠は、第2図に示されているその特徴的な疎水
性領域及び可能性あるN−グリコシル化部位によって提
供される。 HCMVのgBの性質を調べるために、そしてこのタンパク
質に対する抗血清を高めるために、HCMVゲノムのHind I
II Fフラグメントから遺伝子を切り出し、そして組換え
ワクシニアウィルス中に発現せしめた。このベクター系
は、真核性ウィルス糖タンパク質遺伝子の発現のために
適切である。なぜならばそのタンパク質は、正しくプロ
セスされ、そしてその感染された細胞膜中に挿入される
からである。さらに、感染性組換えウィルスは、ワクチ
ン接種された動物中において外来性タンパク質に対する
単一特異性抗血清を高めるために使用され得る。 第3図に示されたコード配列は、下記のようにしてワ
クシニアウィルス中に導入された。第2及び3図に示さ
れた配列は、コードセンス配列において通常使用される
5′から3′形で示される。これは、第1図に示される
HCMVゲノムの原型の方向に対して反対の方向である。HC
MVのgBのアミノ酸配列が、一文字のアミノ酸コードを用
いて、DNA配列の上に示されている。 HCMVのgBを発現する組換えワクシニアウィルスの構成 1. 策略 ワクシニアウィルス中における外来性遺伝子の発現
は、ワクシニアのプロモーターの使用に依存する(参考
文献15を参照のこと)。これは、ワクシニアのプロモー
ターのユニークな性質及びRNAポリマラーゼIIによって
転写されるプロモーターを認識しないワクシニアDNAポ
リマラーゼの存在のためである。ワクシニアウィルス中
における外来性遺伝子の発現を促進するように計画され
ているいくつかのプラスミドが、構成されている(参考
文献16〜18を参照のこと)。それらは、ワクシニアプロ
モーター及びチミジンキナーゼ(TK)遺伝子内でトラン
スローケートされた下流の制限エンドヌクレアーゼ部位
を含む。次に、外来性タンパク質のコード配列は、ワク
シニアプロモーターの下流に位置を定められ、そしてイ
ン ビボで相同組換法によりワクシニアゲノム中に挿入
され得る(参考文献17を参照のこと)。ワクシニアプロ
モーターのコード配列と外来性タンパク質のコード配列
との間の連結部が、その外来性遺伝子の翻訳開始コドン
を使用するために製造されるならば、確実に外来性タン
パク質が、製造される。 HCMVのgB遺伝子のヌクレオチド配列及び隣接するDNA
の検査は、制限エンドヌクレアーゼXma III部位の存在
を示し、そのgBコード配列の上流に148個のヌクレオチ
ド及びその下流に251個のヌクレオチドを有した。さら
に、上流のXma III部位とgB読み取り枠を開始するATGコ
ドンとの間に可能性ある翻訳開始コドンは存在しなかっ
た。従って、この策略は、3.1KbのフラグメントとしてH
CMV Hind III FフラグメントからgB遺伝子を切り出し、
そしてこのフラグメントをプラスミド挿入ベクターpGS6
2(pG620の誘導体−参考文献17を参照のこと−ここでワ
クシニアプロモータの上流のEcoR I部位が欠失されてい
る)のSma I部位にクローン化することであった。この
方法において、gB遺伝子は、ワクシニアウィルスの複製
サイクルを通して発現されるワクシニアプロモーターの
制御下にあるであろう。所望のフラグメントの直接的な
単位は、HCMV Hind III Fフラグメントの大きなサイズ
及び他のXma III部位の存在のために困難であった。 2. 実験 さらに詳しくは、第3図のコード配列が、第4図に例
示されている次の一連の操作によってワクシニアウィル
ス中に導入された。 a)切断されたpAT153(参考文献19を参照のこと)中に
クローン化されたHind III Fフラグメントを、BamH Iに
より消化し、そして電気泳動によりその生成物を分離し
た後、8.5Kbのフラグメントを単離し、そして自己連結
せしめ、プラスミドpSB1(またpSCB1として知られてい
る)を得た。pSB1は、pAT153の3.5Kb Hind III/BamH I
フラグメント中にクローン化された5Kb Hind III/BamH
Iフラグメントを含む。 b)pSB1をBamH I及びHind IIIにより消化し、そして5.
0KbのHCMVフラグメントを単離し、そしてXma IIIにより
消化した。その得られた3.1kbのXma IIIフラグメントを
単離し、5′突出部をE.コリのDNAポリマラーゼIクレ
ノウフラグメントにより修復し、そしてその修復された
フラグメントをプラスミドpGS62のSma I部位に連結し
た。pGS62は、ワクシアニのプロモーター要素によって
妨げられるワクシニアウィルスのチミジンキナーゼ(T
K)遺伝子を含む。Sma I部位での外来性遺伝子の挿入
は、プラスミドをもたらし、ここでその外来性HCMV gB
遺伝子は、ワクシニアプロモーター(P)の制御下にあ
り、そしてチミンジキナーゼのコード配列を端に有す
る。 その得られたプラスミドpSB2内のgB遺伝子の方向は、
便利なマーカーとして3′Xma III部位からのユニーク
なEcoR I部位存在の911ウクレオチドを用いて決定され
た。 組換えプラスミドは、サイズの増大により同定され、
そして3.1K挿入体の方向は、EcoR Iにより消化によって
決定された。ワクシニアのロモーターに関して、正しい
方向にXma IIIフラグメントを含むプラスミドを同定
し、そしてpSB2(またpSCB2として知られている)と命
名した。 参考文献17に記載の方法を用いて、CV−1細胞を、ワ
クシニアウィルスにより感染せしめ、そしてpSB2により
トランスフェクトした。その組換えウィルスは、ワクシ
ニアTK遺伝子の挿入不活性化のためにTK-であり、そし
てこの表現型は、容易に単離するための手段を提供し
た。TK-ウィルスは、5−ブロモデオキシウリジンの存
在下で143−TK-細胞上にプレートすることによって、そ
の得られた子孫から選択され、そしてそのようなウィル
スクローンは、pSB1とのハイブリダイゼーションにより
HCMV特異性DNA挿入体の存在についてスクリーンされ
た。ウィルスの増殖及び生成の後、組換えウィルスのゲ
ノムを、制限エンドヌクレアーゼによる消化及びサザン
法によって分析した。その結果は、HCMV gB遺伝子がHin
d III Jフラグメント内のワクシニアTK遺伝子中に挿入
されたことを確証し、そして他のゲノムの再配列が生じ
なかったことを示した。その組換えウィルスをHCMV gB
−VACと命名した。 組換えワクシニアウィルスによるHCMV gBの発現 HCMV gBの発現を試験するために、精製されたHCMVに
対して生ぜしめられた多価のウサギ血清を用いて、HCMV
gB−VAC又はWTワクシニアにより感染された細胞から
の、35Sによりラベルされたポリペプチドを免疫沈殿せ
しめた。 CV−1細胞を、WTワクシニア又は組換えHCMV gB−VAC
のいづれかにより、細胞当り30のプラーク形成単位(pf
u)で感染せしめた。感染後3時間で、それらの細胞
を、メチオニンを含まない培地により洗浄し、そして次
の30分間、メチオニンを含まない培地中でインキューベ
ートした。その細胞を10μMのラベルされていないメチ
オニンを含む培地中、100μCi/mlの35S−メチオニンよ
りラベル化した。PBSにより洗浄した後、その細胞を、
氷上で10分間、RIPA緩衝液(0.05MのTris・Hcl pH7.2、
0.15MのNaCl、1%デオキシコール酸ナトリウム、0.1%
SDS、1%Tritonx−100、5μg/mlのDNase、2mMのPMS
F)により分解した。その分解物を4℃で60分間、31,00
0rpm(Beckman SW50.1ローター)で遠心分離し、そして
その得られた上清液のアリコートを、HCMVにより高度免
疫化されたウサギからの血清又は非免疫性ウサギ血清と
共にインキュベートした(20分間、室温で)。免疫複合
体をプロテインAセファロースにより沈殿せしめ(2時
間、室温で)、溶離し、煮沸し、そして10%ポリアクリ
ルアミドゲル上で電気泳動せしめた。そのゲルをメタノ
ール/酢酸中に固定し、そしてフルオログラフィーエン
ハンサー(Amplify,Amersham)と共に含浸せしめ、そし
てオートラジオグラフを調製した。HSV−1により感染
された細胞からのタンパク質の分子量マーカーを、主要
キャプシッド抗原(157KD)、糖タンアク質B(128KD)
及びVP16(66KD)に対するモノクローナル抗体により沈
殿せしめた。 免疫血清を用いて、約145KDのポリペプチドを、HCMV
gB−VACにより感染された細胞(WTワクシニアにより感
染された細胞ではない)から免疫沈殿せしめた。他のポ
リペプチドを、プレ免疫ウサギ血清とのそれらの反応性
によって示されているように、非特異的に沈殿せしめ
た。 次に、HCMVに対して生ぜしめられ、そしてイン ビト
ロで中和化活性を有することを示されたネズミモノクロ
ーナル抗体をHCMV gB−VACにより感染された細胞中にHC
MV gB生成物を認識するためのそれらの能力について試
験した。CV−1細胞の単層上での、HCMV gB−VACによっ
て形成されたプラークを、メタノールにより固定し、そ
して次に、モノクローナル抗体及び続いて、125INより
ラベルされたスタフィロコーカス(Staphylococcus)の
プロテインA(Amersham)又はペルオキシダーゼ接合性
ウサギ抗−マウス免疫グロブリン(DaKo)のいずれかと
共にインキュベートした。モノクローナル抗体によって
認識された抗原を含むウィルスプラークを、プロテイン
A結合抗体の場合、オートラジオグラフ上での黒い点と
して又はペルオキシダーゼ接合性抗グロブリンと反応し
た単層へのH2O2及びアミノ−エチルカルバゾールの添加
に従っての“赤いプラーク”として可視化した。試験さ
れた10種のモノクローナル抗体のうち4種は、HCMV gB
−VAC(WTワクシニアではない)により形成されたプラ
ークを認識することを示した。HCMV gB−VACを示すモノ
クローナル抗体を結した、そのウィルスによって形成さ
れたプラークのすべては、純粋なものであり、WTワクシ
ニアにより汚染されていないことが注目すべきである。
類似する結論が、ブロモデオキシウリジンの存在及び不
在下でTK-143細胞上でウィルスによりプラークし、そし
サザン法によるゲノムDNAの分析によって得られた。 WTワクシニア、組換えHCMV gB−VAC又は感染されてい
ないCV−1細胞からの細胞分解物を、調製し、そして上
記のようにしてモノクローナル抗体37,39又は59により
免疫沈殿化せしめた。 プロテインAを結合することができた3種のモノクロ
ーナル抗体がまた、35S−メチオニンによりラベルされ
た感染性細胞抽出物も免疫沈殿化せしめた。モノクロー
ナル抗体37及び39が、HCMV gB−VAC(但しWTワクシニア
又は感染されていない細胞ではない)により感染された
細胞からのタンパク質を免疫沈殿せしめたことは、免疫
染色データと一致した。モノクローナル抗体59は、HCMV
感染性を中和することができるけれども、この抗体はHC
MV gBを認識しなかった。この抗体の目標タンパク質は
知られていない。145KDのタンパク質の他に、約55KDに
より低分子量のタンパク質がまた、両モノクローナル抗
体により検出された。これは、両方モノクローナル抗体
により認識されたエピトープが55KD及び145KDの両タン
パク質上に存在し、又はこれらのタンパク質が物理的に
関連し、そして結果的に同時沈殿することを示唆する。 HCMVにより感染された細胞中に合成されたgBとHCMV g
B−VACにより感染された細胞からのgBとを直接的に比較
するために、MRC−5細胞を、5pfu/細胞でHCMV株、AD16
9により感染せしめ、又は偽感染せしめた。72〜98時間
後、感染からの細胞を、35S−メチオニン(28μCi/ml)
によりラベルし、そして分解物を調製し、そして、上記
のようにしてモノクローナル抗体39又は47のいづれかに
より免疫沈殿せしめた。WTワクシニア、組換えgB−VAC
により感染された又は感染されていないCV−1細胞を、
上記のようにして放射性ラベルし、分解し、そしてモノ
クローナル抗体39により免疫沈殿せしめた。 両システムにおいて合成された145KD種は明確に同時
移動し、そして成熟した55KD種もまた、類似するサイズ
のワクシニアバンドの非特異的な沈殿がこれをより不明
確にしたけれども、明確に同時移動した。これらの2種
の種類の他に、さらに66KDバンドがまた、HCMVにより感
染された細胞分解物にも見られた。これは、gBには無関
係であると思われる。なぜならば、プロテインAを結合
しなかったもう1つのモノクローナル抗体(47)が、非
特異的にこのバンドをもたらしたからである。そのサイ
ズは、それがたくさんの66KDのHCMVマトリックスタンパ
ク質であることを示唆した。 ヒト免疫血清はHCMV gBを認識する。 HCMV gBに対して向けられた抗体が、ヒトにおける一
次HCMV感染の間、産生されるかどうかを調べるために、
一次HCMV感染の前及び後で、心臓の移植を受けた患者か
ら採取された血清が、組換ワクシニアウィルスによって
合成されたHCMV gBを認識する能力について試験され
た。 H3−VAC又はHCMV gB−VACのいづれかにより感染され
たCV−1細胞を、上記のようにして調製された、35S−
メチオニン細胞分解物によりラベルした。次に、分解物
を、ウサギプレー免疫、続いてウサギ抗−CHMV又はHCMV
による感染の前に採取されたヒト血清、続いてHCMVによ
る感染の後の血清のいづれかにより連続的に処理した。
免疫複合体がプロテインAセファロースにより沈殿せし
められ、そして上記のようにしてポリアクリルアミドゲ
ル上で分離された。 HCMVに対してひき起こされたウサギ血清を、陽性の対
照として使用した。ヒト血清はまた、時前の天然痘ワク
チンのために、ワクシニアウィルスに対する抗体を含む
傾向があるので、免疫沈殿法が、HCMVによる感染の前及
び続いて後で採取された血清を用いて同じ細胞分解物に
対して連続的に行なわれた。これらのデータは、145KD
にポリペプチドが、HCMV感染の後で(但しその前ではな
い)採取されたヒト血清によって、gB−VACにより感染
された細胞分解物から免疫沈殿せしめられたことを示
す。145KDのタンパク質はまた、ウサギ抗−HCMV血清に
よっても沈殿せしめられた。さらに対照として、同じヒ
ト血清が、もう1つの組換えワクシニアウィルスH3−VA
Cによって発現されたインフルエンザウィルスA/NT/60/6
8からのインフルエンザウィルス赤血球凝集素(HA)を
認識する能力について試験された。そのインフルエンザ
HAは、HCMV感染の前に採取されたヒト血清によって免疫
沈殿せしめられ、そしてHCMV感染の後に採取された血清
によってはそれほどでもなかった。これらのデータは、
心臓移植を受けた患者がH3サブタイプのインフルエンザ
Aウィルス感染を前に経験したことを示す。さらに、HC
MV gBは、HCMV感染の後採取された血清によって単に沈
殿せしめられるけれども、HCMV感染の前に採取された血
清によるインフルエンザHAの沈殿は、HCMVタンパク質の
沈殿の特異性を確証する。HCMVに対する抗体の成長が、
組織拒絶を妨げるために心臓移植の間の免疫抑制にもか
かわらず、生じたこともまた有意である。ヒト免疫血清
はまた、イン ビトロでHCMV感染性を中和することもで
きる。免疫抑制の間、HCMV感染を経験した、心臓移植を
受けた患者から採取されたいくつかの他の血清がまた、
HCMV gBの類似する沈殿をもたらした。 HCMV gBは感染された細胞表面上で発現される 組換えワクシニアウィルスにより感染された細胞中に
おいて合成されたHCMV gBが細胞表面に輸送されるかど
うかを試験するために、免疫蛍光研究が行なわれた。 CV−1細胞を、ガラス性カバースリップ上で増殖せし
め、そして10pfu/細胞でWTワクシニアウィルス又はHCMV
−gB−VACのいづれかにより感染せしめた。感染後48時
間の細胞を、2%パラホルムアルデヒドの等張溶液によ
り固定した。4%ウシ血清アルブミン(BSA)を含むPBS
中でのインキュベーションの後、単層を、4℃で一晩、
腹水を含む、モノクローナル抗体37の1/400希釈溶液と
反応せしめた。広範な洗浄の後、結合した抗体を、4%
BSA及び2%正常ウサギ血清を含むPBSにより1/20に希釈
された、フルオレセイン接合性ウサギ抗−マウス免疫グ
ロブリン(DaKo)により検出した。螢光を、x400でu.v.
照射により観察した。 HCMV gB−VACにより感染された細胞は、陽性の表面螢
光を示したが、しかしWTにより感染された細胞は、目だ
った反応性は示さなかった。感染された細胞膜上の染色
のパターンは、通常、粒状の外観を示し、細胞膜におけ
るHCMV gBの集まり又は凝集を示唆した。 HCMV gB−VACによりウサギのワクチン化 組換えワクシニアウィルスによって発現されたHCMV g
Bに対して生ぜしめられた抗−血清がHCMV感染性を中和
することができるかどうかを決定するために、2匹のウ
サギに、第1表に示されるようにして組換え生ウィルス
によりワクチン接種した。 2匹のウサギを、それぞれの横腹上の1つの部位中
に、精製された感染性HCMV gB−VAC 108pfuにより皮下
免疫接種した。46日後、両動物を、同じ用量の組換え生
ワクチンにより再ワクチン接種した。第3のウサギは、
インフルエンザウィルスの核タンパク質遺伝子を発現す
るTK-組換えワクシニアウィルスを受け、そしてまた再
ワクチン接種された。第1表に示された日に、ウサギか
ら得られた血清サンプルを、イン ビトロでHCMV感染性
を中和するそれらの能力について試験した。血清サンプ
ルを、補体を不活性化するために56℃で30分間、インキ
ュベートし、そして次に、血清希釈溶液(1:10又は1:5
0)の1体積とHCMV株AD169(750pfu)の等体積とを混合
し、そして37℃で30分間インキュベートした。新しいウ
サギ血清を補体源として添加し、5%の最終濃度にし、
そしてその混合物を30℃でさらに30分間インキュベート
し、その後、残留ウィルスをMRC−5細胞に対して決定
した。プラークが10日後、計数され、そしてその結果
は、プラーク数の%減少として第1表に示されている。
ウサギ1及び2からの血清は、外因性補体の存在下でHC
MVの感染性を中和する抗体を含んだ。異なったTK-組換
えワクシニアウィルスと共にインキュベートされた第3
ウサギは、そのような抗体を持たなかった。 従ってHCMV gB−VACによりワクチン接種された2匹の
動物は、イン ビトロでHCMVを中和する抗体を増殖せし
めるが、但しインフルエンザウィルスの該タンパク質を
発現するもう1つのTK-組換えワクシニアウィルスによ
り免疫化された第3ウサギはそうでなかった。これらの
ウサギ血清によるHCMV感染性の中和は、補体に存在し
た。なぜならば熱により不活性化にされた血清は、外因
性補体の添加なしに、HCMVプラーク数を減じなかった。
2回目のワクチン接種の前及び後での抗体のレベルを試
験するもう1つの実験は、両動物が再ワクチン接種の
後、抗体力価を高めたことを示した。ウサギ1は、116
日目までその抗体レベルを維持し、そしてこの時点で、
1:50の希釈度でHCMVプラーク形成を70%減じた。ウサギ
2における抗体レベルは、時間と共に減少したが、しか
し116日目、1:50の希釈度でHCMVプラーク形成を24%、
なお減じた。 結 論 推定上のコード配列は、ワクシニアに発現された真の
HCMVタンパク質をコードする。ワクシニアに発現したタ
ンパク質は、HCMVにより感染された細胞に見られるタン
パク質と電気泳動により同一であることがわかった。そ
のタンパク質は次の特性を有する。それは、抗体を中和
するための目的である(なぜならば、それは、中和性抗
体によって認識されるからである)。それは、HCMV gB
−VACにより感染された細胞の表面上に存在し、そして
それはHCMV粒子中に存在する。 一次生成物は、145,000の見掛分子量を有し、そして5
5,000の分子量の生成物に加工される。それは、組換え
ウィルスにより感染された細胞中における発現を通して
ウサギ免疫系に放される場合、HCMV感染を中和する抗体
の産生を誘発することができる。 上記例は、HCMV株AD169を使用したけれども、他の菌
株も、機能的に同価値があり、そしてまた使用され得
る。 HCMVの糖タンパク質H 第5図に示されているような遺伝子の推定上のアミノ
酸配列とEBV及びHSV−1遺伝子のアミノ酸配列との比較
は、これらのウィルスの糖タンパク質Hが相同であるこ
とを示した。従って、このHCMV遺伝子は、HCMV gHとし
て言及される。 HCMV gHを発現する組換えワクシニアウィルスの構成 HCMV gH遺伝子を、次のようにしてプラスミドベクタ
ーpGS62中にクローン化した。11400個の塩基対のHind I
II Lフラグメントを、Hind IIIによる消化によってプラ
スミドpAT153/Hind III Lから切り出し、そしてE.コリ
のDNAポリマラーゼクレノウフラグメントによる処理に
よってそれらの末端を平滑末端化した。次に、そのDNA
を、第5図に示されるようにCMV gH遺伝子の翻訳開示部
位の上流に96個のヌクレオチドを切断するSma Iにより
消化した。HCMV gHコード配列を含む2.5KbのDNAフラグ
メントを単位し、そしてユニークSma I部位でプラスミ
ドpGS62中に連結した。得られたプラスミドpSB3は、ワ
クシニアプロモーターの下流に正しく位置を定められた
HCMV gH遺伝子を含むことをが示された。前記方法は、H
CMV gB遺伝子のために使用される方法に本質的に類似し
た。 HCMV gH遺伝子をまた、その同じワクシニアプロモー
ターの下流のユニークSAm I部位でプラスミドpSC11(参
考文献16)中に挿入した。このプラスミドはpSB4と呼ば
れた。プラスミドSC11は、β−ガラクトシダーゼ遺伝子
の発現を導びく第2のワクシニアプロモーターを含む。
従って、同時にHCMV gH遺伝子を得る組換えウィルスは
また、β−ガラクトシダーゼ遺伝子もまた獲得する。こ
れは、X−ガルの存在下でそれらの青色により、これら
の組換えウィルスによって形成されたプラークの急速な
同定を可能にする。 プラスミドpSB3及びpSB4を用いて、HCMV gH遺伝子を
含むTK-組換えワクシニアウィルスを構成した。それら
のウィルスは、それぞれHCMV gH−VAC(GS62)及びHCMV
gH−VAC(SC11)と呼ばれた。これらのウィルスは、プ
ラーク精製され、そして次に、より多くのストックが確
立される方法(参考文献17)を用いて、増殖され、そし
て精製された。それらのウィルスのゲノムDNAの分析
は、推定されるように、HCMV gH遺伝子がワクシニアHin
d III Jフラグメントを有するTK遺伝子中に挿入された
ことを示した。 HCMV gH遺伝子の発現 HCMV gH遺伝子の生成物を、次のようにして、HCMV gH
−VACにより感染された細胞によって同定した: (1)CV−1細胞の単層を、WTワクシニア(WT)又は組
換えワクシニアウィルスCMV gH−VAC(GS62)もしくはC
MV gH−VAC(SC11)のいづれかにより感染せしめた。感
染された細胞を、感染後3〜6時間で35S−メチオニン
により放射性ラベルし、そして分解物を、感染後6時間
でその感染された細胞から調製した。これらの分解物
を、非特異的なウサギ血清、精製されたHCMVビリオンに
対して発現されたウサギ血清又は抗−HCMVモノクローナ
ル抗体16(HCMV 16)のいづれかにより免疫沈殿せしめ
た。約86KDのポリペプチドを、ウサギ抗−HCMV血清を用
いて、gH−VAC(SC11)及びgH−VAC(GS62)により感染
された細胞から免疫沈殿せしめた。このペプチドは、WT
ワクシニアにより感染された細胞からは沈殿せしめられ
なかった。HSV糖タンカウ質Dからの合成ペプチドに対
して発現されたウサギ血清は、このバンドを沈殿せしめ
なかった。しかしながら、類似するサイズのポリペプチ
ドは、ウサギ抗−HCMV血清を用いて、HCMVにより感染さ
れたMRC−5細胞からの沈殿せしめられた。 (2)抗−HCMVモノクローナル16はまた、gH−VAC(但
しWTではない)により感染された細胞から86KDのバンド
を免疫沈殿せしめた、HCMV gBを確認するモノクローナ
ルHCMV37は、対照として、86KDのタンパク質を沈殿せし
めなかった。 (3)HCMV gH−VACにより感染された細胞中に合成され
たHCMV gHの細胞位置が免疫螢光法によって調べられ
た。これは、gHポリペプチドが核膜に輸送され、そして
また、拡散的に細胞質中において検出可能であったこと
を示した。もし細胞が初めに透過されなければ、HCMV g
H−VACにより感染された細胞上に螢光は存在しなかっ
た。 モノクローナルHCMV 16は、HCMV感染性を中和する HCMV gHが、ウィルス感染性の抗体仲介性中和のため
の目的物であるかどうかを調べるために、HCMVをモノク
ローナルHCMV 16と共にインキュベートし、そして残る
感染性をMRC−5細胞に対して検定した。1:4000の希釈
度でさえ、モノクローナルHCMV 16は、イン ビトロでH
CMV感染性を50%以上減じた。この中和は、外因性補体
に依存しなかった。明らかに、HCMV gH遺伝子の生成物
は、ウィルスの中和化のための目標物であり、そして従
って、今後のHCMVワクチンに可能性を有する。 結 論 HCMVのHind III Lフラグメント内にマッピングされた
HCMV糖タンパク質遺伝子のDNA配列が決定され、そして
組換えワクシニアウィルスに発現された。その遺伝子生
成物は、組換えワクシニアにより感染された細胞におけ
る核膜に輸送される。86KDのポリペプチドとして同定さ
れた。HCMVにより感染された細胞において、それはま
た、細胞表面膜にも存在する。このタンパク質を認識す
るモノクローナル抗体は、イン ビトロでHCMVの感染性
を効果的に中和する。これは、HCMVワクチンにおいて、
この86KDの糖タンパク質の可能性ある役割を示す。 前記説明は、組換えワクシニアウィルスにより感染さ
れた細胞中におけるHCMVタンパク質の産生及び感染防御
抗体の1出力を宿主に引き起こすワクチンとして作用す
るための前記ウィルスの可能性に対して、例によりとり
くんで来たが、本発明は、当業者の能力内で容易に、種
々の異なった技法により修飾することができることは明
らかであろう。これらは、次のとおりに例示される。 (i)第3及び5図に与えられたDNA及びアミノ酸配列
に基づいて、HCMV gB及びgHタンパク質をコードスルDNA
を、当業界において良く知られた方法によって得ること
ができる。たとえば、所望のアミノ酸配列をコードする
DNAを合成することができる。他方、そのDNAは、制限、
続いてラベルされたオリゴヌクレオチドプローブとのハ
イブリダイゼーションにより対象の配列を同定すること
で、ウィルスゲノムから得られる。また、cDNAは、ウィ
ルスmRNAからの逆転写、続いてオリゴヌクレオチドハイ
ブリダイゼーションプローブによりスクリーニングする
ことによって得られる。 (ii)HCMVタンパク質は、組換えDANベクターにより形
質転換された微生物又は細胞培養物に発現される。適切
なベクター及び発現システムは、広く知られていて、そ
してたとえば細菌、たとえばE.コリ(E.coli)、酵母、
たとえばサッカロマイセンス セレビシアエ(Saccharo
myces cerevisiae)及び哺乳類細胞培養物、たとえばCO
S又はCHO細胞にタンパク質を発現するために使用され
る。微生物発現(たとえば細菌及び酵母)の場合、HCMV
のタンパク質DNAは、発現ベクター中への挿入の前、
5′フランキング領域を除去するために、通常操作さ
れ、そのコード領域は、HCMVタンパク質遺伝子のATG又
はそのコード配列と読み枠を合せて人工的に導入される
ATGのいづれかである出発コドンから翻訳される。コー
ド配列の5′領域、たとえば疎水性シグナル領域を除去
することが所望される場合、後者が、得に使用されるで
あろう。その疎水性3′アンカー領域もまた、所望によ
り除去され得る。なぜならば、それは臨界の抗原決定基
を含まない傾向にあるからである。その組換えベクター
は、複数のHCMVタンパク質のコード配列、たとえばタン
デム反復でのgB又はgHのコード配列又はタンデムでのgB
及びgHの両者のコード配列を含むことができる。発現ベ
クターのサイズを減じるためには、それぞれの糖タンパ
ク質のコード配列の一部のみを、それが所望の抗原決定
基を正しくコードする限り、導入することができる。 (iii)HCMVタンパク質、又は所望とする抗原決定基を
含むその一部がまた、タンパク質合成の既知方法を用い
て、化学的手段によって合成され得る。 (iv)しかしながら、生成されたHCMVタンパク質は、適
切な動物をHCMVタンパク質により免疫化し、そのタンパ
ク質に対する抗体の産生を可能にし、そして次にその動
物から抗血清を抽出することによって、単一特異性血清
として、HCMV−特異性抗体を産生するために使用され得
る。 (v)HCMVタンパク質は、そのタンパク質による動物、
通常マウスの免疫化、続いて分離され、そしてクローン
化され得る抗体産生ハイブリドーマを形成するために、
腫瘍細胞とその動物からの脾臓細胞との融合の標準技法
によって、HCMV−特異性モノクローナル抗体を産生する
ために特に使用され得る。これらのクローンから、モノ
クローナル抗体が収穫され得る。通常、抗体はパネルが
産生される。なぜならば、それぞれのHCMVタンパク質
は、複数の抗体の産生を予期されるのであろうからであ
る。 (vi)HCMVタンパク質はまた、適切な支持体、たとえば
アフィニティカラム上で固定されたタンパク質と抗体と
を接触し、そして次にたとえば溶離することによってそ
のタンパク質から結合した抗体を分離することによっ
て、HCMV−特異性抗体を精製するためにも使用され得
る。 (vii)HCMVタンパク質はまた、HCMV抗体のための検定
においても使用され得る。種々の従来の検定方法が、た
とえばELISA,RIA又は免疫螢光法に基づいて使用され得
る。典型的には、HCMVタンパク質は、支持体上に固定さ
れ、次にヒトからの臨床的サンプルと接触され得る。洗
浄した後、その支持体は、固定されたHCMVタンパク質に
よって見出されたいづれかのHCMV抗体に結合する、ラベ
ルされた抗−ヒトIgGと接触せしめられる。 (viii)HCMVタンパク質はまた、ワクチン配合において
通常使用される種類の適切なアジュバント又は賦形剤と
共にそれを混合することによって、ワクチンとしても使
用され得る。このワクチンの形は、たとえば免疫抑制さ
れた個人においては、組換えワクチンよりもより適切で
あろう。 参考文献 1. Stinski,M.(1976)J.Virol.19,584−609. 2. Pereira,L.,Hoffman.M.,Tatsuno,M and Dondero,D.
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16.
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (31)優先権主張番号 8629988 (32)優先日 1986年12月16日 (33)優先権主張国 イギリス(GB) (72)発明者 バ−レル,バ−クレ− ジョ−ジ イギリス国,ケンブリッジ,スタンスゲ イト アベニュ 16 (56)参考文献 特開 昭61−22100(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C12N 15/00 - 15/90 EPAT(QUESTEL) BIOSIS(DIALOG) WPI(DIALOG)

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 1.以下のa)またはb)のポリペプチドをコードする
    DNA: a)ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)株AD169につい
    ての以下の配列1および配列2に示されるアミノ酸配列
    を有するHCMV糖タンパク質gBまたはgH: ;または b)アミノ酸配列a)において1またはそれ以上のアミ
    ノ酸が欠失、置換、または付加されたアミノ酸配列を有
    し、かつHCMV糖タンパク質gBまたはgHの抗原性を有する
    HCMV糖タンパク質gBまたはgH。 2.以下のa)またはb)のDNA配列を有するDNA: a)ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)株AD169につい
    ての以下の配列1および配列2に示されるDNA配列; ;または b)a)のDNA配列にストリンジェントな条件下でハイ
    ブリダイズし、かつHCMV糖タンパク質gBまたはgHの抗原
    性を有するポリペプチドをコードするDNA配列。 3.C末端膜アンカー配列の全てまたは一部を欠損する
    HCMV糖タンパク質gBまたはgHをコードする、請求の範囲
    第1項に記載のDNA。 4.C末端膜アンカー配列の全てまたは一部を欠損する
    HCMV糖タンパク質gBまたはgHをコードする、請求の範囲
    第2項に記載のDNA。 5.前記HCMV糖タンパク質gBおよびgHが、配列1および
    配列2に示されるアミノ酸配列を有する、請求の範囲第
    1項に記載のDNA。 6.配列1または配列2に示されるDNA配列を有する、
    請求の範囲第2項に記載のDNA。 7.以下のa)またはb)のポリペプチドをコードする
    DNAを含む組換えベクターであって、該ポリペプチドを
    発現し得る、組換えベクター: a)ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)株AD169につい
    ての以下の配列1および配列2に示されるアミノ酸配列
    を有するHCMV糖タンパク質gBまたはgH; ;または b)アミノ酸配列a)において1またはそれ以上のアミ
    ノ酸が欠失、置換、または付加されたアミノ酸配列を有
    し、かつHCMV糖タンパク質gBまたはgHの抗原性を有する
    HCMV糖タンパク質gBまたはgH。 8.以下のa)またはb)のDNA配列を有するDNAを含む
    組換えベクターであって、該DNAによってコードされる
    ポリペプチドを発現し得る、組換えベクター: a)ヒトサイトメガロウイルス(HCMV)株AD169につい
    ての以下の配列1および配列2に示されるDNA配列; ;または b)a)のDNA配列にストリンジェントな条件下でハイ
    ブリダイズし、かつHCMV糖タンパク質gBまたはgHの抗原
    性を有するポリペプチドをコードするDNA配列。 9.前記HCMV糖タンパク質gBおよびgHが、配列1および
    配列2に示されるアミノ酸配列を有する、請求の範囲第
    7項に記載の組換えベクター。 10.配列1または配列2に示されるDNA配列を有するD
    NAを含む、請求の範囲第8項に記載の組換えベクター。 11.哺乳類対象を感染し得る組換えベクターである、
    請求の範囲第7項または第9項に記載の組換えベクタ
    ー。 12.哺乳類対象を感染し得る組換えベクターである、
    請求の範囲第8項または第10項に記載の組換えベクタ
    ー。 13.前記哺乳類対象がヒトである、請求の範囲第11項
    に記載の組換えベクター。 14.前記哺乳類対象がヒトである、請求の範囲第12項
    に記載の組換えベクター。 15.HCMVに対するワクチンにおける使用に適切な、請
    求の範囲第13項に記載の組換えベクター。 16.HCMVに対するワクチンにおける使用に適切な、請
    求の範囲第14項に記載の組換えベクター。
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