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JP2895161B2 - 醤油の製造法 - Google Patents
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JP2895161B2 - 醤油の製造法 - Google Patents

醤油の製造法

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Description

【発明の詳細な説明】 本発明は、淡色且つ香りが豊かで、耐熱性プロテアー
ゼがない醤油、特に練製品加工用醤油としても好適な醤
油の製造法に関する。
醤油は、独特の香気と風味を生命とする調味料であ
り、日本料理には勿論、世界のあらゆる料理にマッチす
る点で比類のない万能調味料であって、種々の加工食品
に用いられているが、色沢が非常に濃厚であるため、か
まぼこ、ちくわ、ハム等の練製品への使用に際し制約を
受ける欠点を有する。この欠点を解消するため、原料の
配合割合を変えたり、発酵熟成を抑制したりして淡色な
醤油を得る技術も開発されたが、醸造醤油特有の芳醇な
香りが熟成されず、得られた醤油は香りが充分に満足す
るものとは言い難い。
一方、醤油には種々の酵素が含有されるが、通常の火
入を行って得られる醤油にも耐熱性プロテアーゼが存在
し、練製品の製造に際して使用される場合、その素材を
脆弱化して商品価値を低下させる欠点を有する。
そこで本発明者らは、このような現状に鑑み種々検討
を重ねた結果、醤油を、濃度0.2%の食塩水を温度25
℃、圧力35kg/cm2で処理したときの食塩排除率が30%以
下の低圧逆浸透膜で透過処理することによって、淡色且
つ香りが豊かで、しかも耐熱性プロテアーゼのない醤油
が得られることを知り、この知見に基づいて本発明を完
成した。
即ち本発明は、醤油を、濃度0.2%の食塩水を温度25
℃、圧力30kg/cm2で処理したときの食塩排除率が30%以
下の低圧逆浸透膜で、透過処理することを特徴とする醤
油の製造法である。
以下本発明を詳細に説明する。
先ず、本発明に用いられる醤油としては、どのような
ものでもよく、例えば通常の醤油醸造法に従って製造さ
れる濃口醤油、淡口醤油、溜醤油、白醤油、再仕込醤油
等の醸造醤油;これらの醤油に一部アミノ酸液を加えた
醤油、植物蛋白質原料を稀塩酸で100℃近辺の高温で分
解し、中和して固体麹に加えて、2ケ月程度熟成させて
得られる新式2号醤油等の半化学半醸造醤油;醤油醸造
用原料を黄麹菌の培養物から得られた粗酵素を用いて加
水分解し、発酵熟成させて得られる醤油風調味料;上記
醤油類製造の際に副生する醤油生、及び醤油火入等
が挙げられる。
これらの醤油は、生醤油、火入醤油のいずれも用いる
ことができる。
次に、本発明に用いられる低圧逆浸透膜としては、濃
度0.2%の食塩水を温度25℃、圧力30kg/cm2で処理した
ときの食塩排除率が30%以下の低圧逆浸透膜が挙げられ
る。具体的には、日東電気工業社性ルーズRO膜「NTR−7
410」が挙げられる。
食塩排除率が30%以下であることは、極めて重要であ
って、それより高い食塩排御率の膜を使用するとき(例
えば50%の膜)は、風味に乏しく且つ塩辛い醤油とな
り、本発明の目的は達成できない。
しかしながら、食塩排除率が30%以下の膜を使用する
ときは、それらの不都合が解消されるばかりでなく、色
沢が非常に淡色となり、また醤油原液の有する芳醇なエ
ステル等の揮発性成分が選択的に透過液中に移行蓄積さ
れるため、透過液は醤油原液よりも香りが豊かになると
いう格別な効果が得られる。
また、色沢も非常に淡色となる特徴を有する。即ち醤
油原液の色沢が濃い場合(醤油のJAS基準において、色
沢が1番以上の溜醤油及び同12番の濃口醤油)は、色沢
が淡口醤油並み、もしくはそれ以下(色沢27番以上)の
淡色となる。また醤油原液の色沢が淡い淡口醤油のよう
な場合(例として、色沢が29番)は、色沢が白醤油並
み、もしくはそれ以下(色沢46番以上)の淡色となる。
また、このようにして得られた醤油は、耐熱性プロテ
アーゼが全く存在しないため、練製品の製造に際して添
加使用された場合、練製品の脆弱化を顕著に防止するこ
とができ、また原料肉特有の生臭さを消すと同時に原料
の風味と醤油の風味がうまく調和して、従来の練製品に
は見られない風味良好な練製品が得られる。
上記で得られた醤油は、練製品の主原料、副原料及び
添加物からなる総原料(醤油を除く)に対し、10重量%
以下添加することが好ましい。
次に添加の時期は、(1)原料肉の塩漬(漬込み)工
程、(2)原料肉の擂潰(空ずり、塩ずり)工程、
(3)原料肉と添加物の混合時、(4)擂潰して得られ
た「仕上りすり身」及び(5)製品とした後などの任意
の時期が挙げられる。
上記原料肉の塩漬工程に添加する場合の具体的例とし
てハム、ソーセージの場合は、上記で得られた醤油、食
塩、硝石、砂糖、香味料を適宜混和してピックル液を調
整し、これを原料肉10kgに対し6〜8kgを使用し、衛生
的な容器に詰め0〜4℃の冷蔵庫で漬込み、熟成させ
る。尚、この漬込み日数を短縮する目的で肉中にピック
ル液を注射し、肉の深部からもすみやかに漬込みの効果
を挙げていく方法を用いてもよい。これは、肉塊中に新
しいピックル液を肉重量に対し8〜10%を注射するもの
で、この方法によれば漬込み期間を約1/3以下に短縮す
ることができる。
また、原料肉の擂潰工程に添加する場合の具体例とし
てかまぼこ、ちくわ等の魚肉練製品の場合は、先ず、空
ずりにより筋肉繊維を磨砕した原料肉(主原料)に、醤
油を10重量%以下加え、更に5〜10%のデンプン(馬鈴
薯デンプン、小麦デンプン、コーンスターチ)、砂糖、
0.5〜1.0%の調味料(グルタミン酸ナトリウム、核酸系
調味料)、2〜3%のみりん等の副原料を添加する。
また、この擂潰工程中に縮合リン酸塩のような塩溶性
タンパク溶出促進剤、臭素酸カリウムのような弾力強化
剤及びソルビン酸ナトリウムのような保存剤などの添加
物を適宜加えてもよい。
そして、本発明の練製品の製造法は上記した塩漬工程
又は擂潰工程を含め、公知の蓄産練製品又は公知の水産
練製品の製造法に従って行えばよい(例えば、「食品加
工技術ハンドブック」、辻薦著、健帛社発行、昭和46年
9月25日、第145〜196頁参照)。
尚、本発明でいう練製品とは、かまぼこ、はんぺん、
ちくわ、揚げかまぼこ、魚肉ハム、魚肉ソーセージ等の
魚肉練製品;各種ハム、各種生ハム、各種ソーセージ、
ハンバーグ、肉だんご等の食肉練製品;魚肉と食肉の混
合物を原料とするハム、ソーセージ類;大豆分離蛋白、
グルテン等の植物性分離蛋白を原料とする人造肉練製品
等である。
以下、実施例を示して本発明をより具体的に説明す
る。
尚、耐熱性プロテアーゼ活性は以下の方法により求め
たものである。
耐熱性プロテアーゼの測定;関根の測定方法に従い
[Sekine,H.Agric.Biol.Chem.36,198(1972)]、試料1
0mlを水道水で一晩透析し、これを20mlに定容したもの
を0.1mlと、0.1Mトリス緩衝液(pH7.0)0.1mlと、基質
として1.0%サルミン(Salmin)0.2mlとを試験管に入
れ、30℃で30分反応後、生成したアミノ酸をニンヒドリ
ン法によりより測定し、1分後に1μmolのアミノグル
ープを遊離する酵素量を1単位(U;ユニット)とし、醤
油1ml当りとして算出したものである。
実施例1 通常の醤油醸造法に従って製造された濃口火入醤油
(総窒素1.56%、食塩16.8%)を下記第1表記載の如き
特徴を有する低圧逆浸透膜(ルーズRO膜とも言う)で透
過処理し、それぞれ透過醤油を得た。次いで得られた醤
油の成分分析を行うと共に風味について官能検査を行っ
た。その結果を第1表に示す。
尚、官能検査は熟練したパネル10名による評点法で行
い、対照(区分1)との比較において、0;差なし、1;や
や差有り、2;差有りとし、対照より優れている場合には
「+」、劣っている場合には「−」を付した。数値はそ
の平均値である。
第1表の結果から、食塩排除率が50%である低圧逆浸
透膜を使用するときは、総窒素濃度と食塩濃度とのバラ
ンスが損われる結果、塩辛く、風味に乏しい醤油しか得
られないが、食塩排除率が15%である低圧逆浸透膜を使
用するときは、適度な旨味を有し、また対照よりも香り
が豊かで優れた醤油が得られることが判る。
応用例1(ウインナソーセージの製造) 通常の醤油醸造法に従って製造された濃口火入醤油を
4区分に分け、その第1区分はそのまま無処理とし、第
2区分、第3区分はそれぞれ下記第2表記載の如き処理
方法にて限外濾過及び自己消化処理し、第4区分は上記
実施例1と同様に低圧逆浸透膜(食塩排出率15%)で処
理し、それぞれ耐熱性プロテアーゼ活性、色沢、香りの
異なる醤油を得た。
その結果を第2表に示す。
[ウインナソーセージの原料配合割合] (原料配合割合) 豚 肉(赤肉) 1,200g マトン 900g スケトウタラすり身 300g 豚 脂 300g 食 塩 21g 醤 油 270g 香辛料 10g 重合リン酸塩 7g 冷 水 400g 醤油として、第2表に示す醤油を用い、それぞれ上記
配合で常法により混合し、合成樹脂製の袋に詰めたのち
密封し、75℃で90分間加熱処理し、冷却してウインナソ
ーセージを製造した。
得られたウインナソーセージをそれぞれ3℃下に1週
間放置後フッドチェッカーでそのゼリー強度及び破断時
のひずみを測定した。その結果を第3表に示す。
応用例2(かまぼこの製造) (原料配合割合) スケトウタラすり身 1,000g 馬鈴薯澱粉 60g 食 塩 25g 醤 油 30g 砂 糖 15g みりん 30g 水 300g 醤油として、第2表に示す如く耐熱性プロテアーゼ活
性及び色沢の種々異なるものを用い、それぞれ上記配合
で常法により擂潰して、仕上りすり身を得、これを合成
樹脂製の袋(塩化ビニリデンフィルムチューブ)に詰
め、密封したのち85℃の湯浴中で40分間ボイルしてから
流水で冷却し、ケーシングかまぼこを製造した。
得られたかまぼこをそれぞれ3℃下に、製造より実際
に消費されるまでの一般的と思われる期間、即ち1週間
放置後フッドチェッカーでそのゼリー強度(g)及び破
断時のひずみ(mm)を測定した。その結果を第4表に示
す。
ゼリー強度とは、破断に要する応力(g)であり、大
きければ硬く、小さければ軟らかくしなやかであること
を示している。
また、破断時のひずみとは、ひずみを大きくしていっ
た場合、材料がこわれてしまわない最大のひずみ(mm)
であり、これが大きければゲルが丈夫で、脆弱でないこ
とを示している。
測定はサン科学社製の山本式フッドチェッカーを用
い、2cm立方の試料片に0.1cm/secの速度で、直径7mmの
円柱をつきさした(結果は7回の平均値である)。
応用例3(生ハムの製造) (原料配合割合) 肉 1kg 醤 油(第2表に示す醤油) 50ml 塩 67g 砂 糖 8g 香味野菜 適宜 コーンスターチ 21g 水 550ml 肉とコーンスターチ以外の上記原料を混ぜ、5分間加
熱沸騰させる。これを濾布で濾過して濾液を得、これに
コーンスターチを混ぜソミュール液とする。ここに肉を
14日間漬け込み、1昼夜塩抜きし、常法によりケーシン
グに詰め、表面の水気がなくなるまで乾燥し、次いで燻
煙(30℃、3時間)して生ハムを得た。
得られた各ハムを3℃下に1週間放置後フッドチェッ
カーでゼリー強度と破断時のひずみを測定し、また官能
検査を行い品質を評価した。その結果を第5表に示す。
フロントページの続き (72)発明者 橋本 彦尭 千葉県野田市野田339番地 キッコーマ ン株式会社内 審査官 滝本 晶子 (56)参考文献 特開 昭54−113498(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) A23L 1/238

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】醤油を、濃度0.2%の食塩水を温度25℃、
    圧力30kg/cm2で処理したときの食塩排除率が30%以下の
    低圧逆浸透膜で、透過処理することを特徴とする醤油の
    製造法。
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