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JP2900526B2 - 酵素活性化剤 - Google Patents
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JP2900526B2 - 酵素活性化剤 - Google Patents

酵素活性化剤

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JP2900526B2 JP14726190A JP14726190A JP2900526B2 JP 2900526 B2 JP2900526 B2 JP 2900526B2 JP 14726190 A JP14726190 A JP 14726190A JP 14726190 A JP14726190 A JP 14726190A JP 2900526 B2 JP2900526 B2 JP 2900526B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明はアルツハイマー病の治療剤等の医薬として有
用な酵素活性化剤に関し、さらに詳しくはN−ミリスト
イルアミノ酸及びその誘導体を有効成分とするインゲン
シン酵素活性化剤に関する。
(従来の技術) インゲンシン酵素はアルツハイマー病で脳に蓄積して
いるA4(β−プロテイン)を分解する酵素であることが
知られている。
石浦ら(FEBS Lett.,189巻、119頁、1985年)は、Ca
依存性プロテアーゼの人工基質のスクリーニング中に、
DEAEセルロースに結合し高塩濃度で溶出される物質で、
サクシニル−ロイシル−ロイシル−−バリル−チロシン
−メチルクマリルアミドを分解する活性を示す物質を見
出し、この酵素をインゲンシン(マルチキャタリティッ
クプロテイン)と命名した。この酵素活性はゲル濾過で
50万以上の高分子物に回収されること、リノール酸で活
性化されるなどの性質を示し、ラット肝臓、ヒト胎盤、
ウサギ網状赤血球から単一分離精製されたこの酵素が全
て分子量3.5〜2.5万の20数個のサブユニットからなるこ
とが記されている。
インゲンシンの作用は長い間明らかではなかったが、
石浦ら(FEBS Lett.,201巻、87頁、1986年)は、ウサギ
網状赤血球でのATP依存性蛋白質分解がインゲンシンの
阻害剤により抑制されることを明らかにし、インゲンシ
ンがアブノーマルな蛋白の分解に関係していることを示
している。特に、アルツハイマー病では、脳にアミロイ
ドが蓄積することが知られているが、このアミロイドの
主要成分であるA4(β−プロテイン)の生成過程でA4よ
りも3ペプチド小さいA4′の生成にこのインゲンシンが
作用していることがわかっており、アブノーマルな蛋白
質であるA4の分解に役立っている可能性があるとしてい
る(FEBS Lett.,257巻、388頁、1989年)。
また、インゲンシンは赤芽細胞やヒーラ(Hela)細胞
のポリゾームに結合していないフリーのmRNAに結合して
いる19S粒子(プロソーム)と同一物質であることが記
されている。この19S粒子が結合したmRNAは不活性化さ
れているが、この複合体から蛋白質を除去すると翻訳可
能となることより、プロソームがmRNAによる蛋白翻訳を
抑制していると考えられている(J.Mol.Biol.,187巻、4
79頁、1986年)。
また、マルチキャタリティック・プロテインには、イ
ンゲンシンの他にプロテアソーム、マクロパイン、プロ
ソームなどが知られているが、これらの物質は同一物質
であることが明らかにされている(Biochem.J.,255巻、
750頁、1988年)。
(発明が解決しようとする課題) これまでにインゲンシンの酵素活性を増加させる物質
として、リノール酸、ミリスチン酸等の脂肪酸が、それ
ぞれ5〜10倍活性化することが知られているが、この活
性化の程度はまだ不十分である(Biochem.Biophys.Act
a,882巻、305頁、1986年)。
本発明は、インゲンシンの酵素活性を著しく増大する
ための、天然物に近い低毒性の化合物からなる酵素活性
化剤を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は一般式: (式中、Aはアミノ酸残基を表す)で示されるN−ミリ
ストイルアミノ酸及びその誘導体を有効成分として含む
インゲンシン酵素活性化剤である。
前記一般式において、Aは天然型または合成のアミノ
酸残基を表し、そのアミノ酸としてはα−アミノ酸であ
るグリシン、セリン、アラニン、フェニルアラニン、ス
レオニン、グルタミン酸、アスパラギン酸、バリン、ロ
イシン、プロリンなどが好ましく、特にグリシン、D−
セリン、L−セリン、D−アラニン、L−アラニン等が
好適である。N−ミリストイルアミノ酸としては、ミリ
スチン酸にアミノ酸が結合したすべての化合物を含む
が、代表的化合物としては以下のものが例示される。
N−ミリストイル−グリシン N−ミリストイル−L−セリン N−ミリストイル−L−アラニン N−ミリストイル−L−フェニルアラニン N−ミリストイル−L−スレオニン N−ミリストイル−L−グルタミン酸 N−ミリストイル−L−アスパラギン酸 N−ミリストイル−L−バリン N−ミリストイル−L−ロイシン N−ミリストイル−L−プロリン N−ミリストイル−D−セリン N−ミリストイル−D−アラニン N−ミリストイル−D−フェニルアラニン N−ミリストイル−D−スレオニン N−ミリストイル−D−グルタミン酸 N−ミリストイル−D−アスパラギン酸 N−ミリストイル−D−バリン N−ミリストイル−D−ロイシン N−ミリストイル−D−プロリン また、N−ミリストイルアミノ酸誘導体としては上記
化合物の塩類も含まれる。最も一般に使用される塩は、
ナトリウム、カリウム、カルシウムなどの塩である。
前記一般式で示される化合物は、天然物でる脂肪酸と
アミノ酸とを、例えば4−ヒドロキシフェニルジメチル
スルホメチルサルフェートやジシクロヘキシルカルボジ
イミド等の触媒の存在下で反応させることにより合成す
ることができる。
前記一般式で示される化合物を有効成分として含有す
る本発明の酵素活性化剤は、経口的または非経口的に投
与することができる。すなわち、通常用いられる投与形
態である錠剤、カプセル剤、シロップ剤、懸濁液等の形
で経口的に投与することができ、あるいは、その溶液、
乳剤、懸濁液等の液剤の形で注射等、非経口投与するこ
とができる。これらの調製には通常の賦形剤、崩壊剤、
結合剤、滑沢剤、色素、希釈剤などが用いられる。
投与量、投与回数は症状、年齢、体重、投与形態等に
よって異なるが、通常成人一人一日当り、0.1〜5000m
g、好ましくは10〜1000mgの範囲で投与することができ
る。
得られた本発明による活性化剤がインゲンシン酵素を
どの程度活性化しているかは、アミロイドのA4(β−プ
ロテイン)の酵素分解に直接対応することが酵素学的に
知られているサクシニル−ロイシル−ロイシル−バリル
−チロシン−メチルクマリルアミド(SLLVT)の酵素分
解反応を用いて、容易に測定することができる。
(発明の効果) 本発明の酵素活性化剤は顕著なインゲンシン酵素活性
化作用を有している。また、主成分であるN−ミリスト
イルアミノ酸は、天然に存在する脂肪酸であるミリスチ
ン酸とアミノ酸から構成されているので、毒性も少なく
安全であり、インゲンシンを活性化することによってア
ルツハイマー病において脳に蓄積するアミロイドの主要
成分であるA4(β−プロテイン)の分解を促進し、アル
ツハイマー病の予防および治療のための医薬として有用
である。
(実施例) 以下、本発明を実施例により、さらに具体的に説明す
る。
〔製造例〕
先ず、N−ミリストイルアミノ酸及びその誘導体の製
造例を示す。
製造例1 L−セリン2.0g(0.02mol)およびトリエチルアミン
2.8ml(0.02mol)を60mlの水に溶解させ、4−ヒドロキ
シフェニルジメチルスルホメチルサルフェートのミリス
チン酸エステル(商品名、サンセラーMy−DSP(三新化
学工業株式会社製))9.52g(0.02mol)を加え、室温で
12時間撹拌した。1N−HClで反応液をpH2〜3にし、反応
混合物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層を無水硫
酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去した。生成物を
酢酸エチル−メタノール(3:1v/v)に溶解し、減圧濃縮
し、結晶化した生成物を酢酸エチル及びヘキサンで洗浄
してN−ミリストイル−L−セリン3.6gを得た。
製造例2 D−セリン2.0g(0.02mol)およびトリエチルアミン
2.8ml(0.02mol)を60mlの水に溶解させ、サンセラーMy
−DSP(三新化学工業株式会社)9.52g(0.02mol)を加
え、室温で12時間撹拌した。1N−HClで反応液をpH2〜3
にし、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル
層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し
た。生成物を酢酸エチル−メタノール(3:1v/v)に溶解
し、減圧濃縮し、結晶化した生成物を酢酸エチル及びヘ
キサンで洗浄してN−ミリストイル−D−セリン3.8gを
得た。
製造例3 L−アラニン1.78g(0.02mol)およびトリエチルアミ
ン2.8ml(0.02mol)を60mlの水に溶解させ、サンセラー
My−DSP(三新化学工業株式会社)9.52g(0.02mol)を
加え、室温で12時間撹拌した。1N−HClで反応液をpH2〜
3にし、反応混合物を酢酸エチルで抽出した。酢酸エチ
ル層を無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧留去し
た。生成物を酢酸エチル−メタノール(3:1v/v)に溶解
し、減圧濃縮し、結晶化した生成物を酢酸エチル及びヘ
キサンで洗浄してN−ミリストイル−L−アラニン3.6g
を得た。
製造例4 4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホメチルサルフ
ェート(商品名、サンセラーDSP(三新化学工業株式会
社製))2.66g(0.01mol)を40mlのアセトニトリルに加
熱溶解し、ミリスチン酸2.28g(0.01mol)を加え、0℃
で撹拌した。この溶液にジシクロヘキシルカルボジイミ
ド2.06g(0.01mol)を徐々に加え、0℃で2時間、さら
に室温で2時間撹拌した。反応液を濾過してジシクロヘ
キシルウレアを除き、濾液を減圧留去して油状物を得
た。水10mlにグリシン0.75g(0.01mol)およびトリエチ
ルアミン1.4ml(0.01mol)を加えて撹拌しながら、前記
油状物のアセトニトリル溶液を加えて室温で10時間撹拌
した。反応後、反応液を減圧下濃縮し、6N−HClを加え
てpH2〜3とし、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル層
を水洗した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を減
圧留去した。生成物を酢酸エチル−メタノール(3:1v/
v)に溶解し、減圧濃縮し、結晶化した生成物を酢酸エ
チル及びヘキサンで洗浄して、N−ミリストイル−グリ
シン1.1gを得た。
製造例5 サンセラーDSP(三新化学工業株式会社))2.66g(0.
01mol)を40mlのアセトニトリルに加熱溶解し、窒素気
流下、ミリスチン酸2.28g(0.01mol)を加え0℃で撹拌
した。この溶液にジシクロヘキシルカルボジイミド2.06
g(0.01mol)を徐々に加え、0℃で2時間、さらに室温
で2時間撹拌した。反応液を濾過して副生したジシクロ
ヘキシルウレアを除き、濾液を減圧留去して油状物を得
た。水10mlにL−セリン1.0g(0.01mol)およびトリエ
チルアミン1.4ml(0.01mol)を加えて撹拌しながら、前
記油状物のアセトニトリル溶液を加えて室温で10時間撹
拌した。反応後、反応液を減圧下濃縮し、6N−HClを加
えてpH2〜3とし、酢酸エチルで抽出した。酢酸エチル
層を水洗した後、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、溶媒を
減圧留去した。生成物を酢酸エチル−メタノール(3:1v
/v)に溶解し、10%水酸化ナトリウム溶液でpH11に調整
し、沈殿が生じたことを確認してから減圧濃縮し、結晶
化した生成物を酢酸エチル及びヘキサンで洗浄して、N
−ミリストイル−L−セリンナトリウム塩1.9gを得た。
〔製剤例〕
各製造例で得られたN−ミリストイルアミノ酸及びそ
の誘導体を活性成分として用いて下記の製剤を調製し
た。
製剤例1(錠剤) 1錠(150mg)中下記成分を含有する。
活性成分(製造例1) 50 mg 乳糖 48 mg でんぷん 50 mg ポリビニルピロリドン 1.5mg ステアリン酸マグネシウム 0.5mg 計 150 mg 製剤例2(カプセル剤) ゼラチンカプセル1錠中に下記成分(150mg)を含有
する。
活性成分(製造例2) 50 mg 乳糖 59.5mg でんぷん 40 mg 軽質無水ケイ酸 0.5mg 計 150 mg 製剤例3(顆粒) 顆粒1g中に下記成分を含有する。
活性成分(製造例3) 200 mg 乳糖 450 mg でんぷん 300 mg ヒドロキシプロピルセルロース 50 mg 計 1000 mg 〔酵素活性測定〕 インゲンシンの酵素活性は次のようにして測定した。
インゲンシン、50mMトリス−塩酸緩衝液、0.1mMサクシ
ニル−ロイシル−ロイシル−バリル−チロシン−メチル
クマトリルアミド(SLLVT)に、それぞれの酵素活性化
剤を所定量加え、37℃で30分間インキュベートした後、
10%ドデシル硫酸ナトリウムを加えることによって反応
を停止させた。酵素分解によりSLLVTから遊離してくる
アミノメチルクマリンを、蛍光吸光度計(励起380nm、
蛍光460nm)を用いて測定した。結果を第1図および第
2図に示す。図中、○はN−ミリストイル−L−セリ
ン、●はN−ミリストイル−D−セリン、△はN−ミリ
ストイル−L−アラニン、▲はN−ミリストイル−D−
アラニンをそれぞれ含有する酵素活性化剤を示し、□は
これらの化合物に代えてミリスチン酸を含有するコント
ロールを示す。
〔結果〕
第1図に示すように、N−ミリストイル−L−セリン
(○)では、添加量0.25mg/mlでインゲンシンの酵素活
性を5.5から128.0に活性化(23倍)していた。一方、ミ
リスチン酸(□)では、同量で、酵素活性を5倍しか活
性化していなかった。N−ミリストイル−D−セリン
(●)では、0.75mg/mlで酵素活性を21倍に活性化して
いた。
また、第2図に示すように、N−ミリストイル−L−
アラニン(△)では、添加量0.1mg/mlで酵素活性を26倍
に活性化し、N−ミリストイル−D−アラニン(▲)で
は、0.5mg/mlで32倍に活性化していた。これにより、N
−ミリストイルアミノ酸が、従来知られていたミリスチ
ン酸よりもインゲンシンを活性化することが証明され
た。
【図面の簡単な説明】
第1図はN−ミリストイルセリンの添加量と酵素活性の
関係を示すグラフである。 第2図はN−ミリストイルアラニンの添加量と酵素活性
の関係を示すグラフである。 図中の○はN−ミリストイル−L−セリン、●はN−ミ
リストイル−D−セリン、△はN−ミリストイル−L−
アラニン、▲はN−ミリストイル−D−アラニンをそれ
ぞれ含有する酵素活性化剤を示し、□はこれらの化合物
に代えてミリスチン酸を含有するコントロールを示す。

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一般式 (式中、Aはアミノ酸残基を表す)で示されるN−ミリ
    ストイルアミノ酸及びその誘導体を有効成分として含む
    インゲンシン酵素活性化剤。
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