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JP2902011B2 - 複写機用分離爪 - Google Patents
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JP2902011B2 - 複写機用分離爪 - Google Patents

複写機用分離爪

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Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 この発明は、耐熱荷重性、耐熱疲労性および分離爪の
先端(刃先)の形状に優れたきわめて信頼性の高い複写
機用分離爪に関するものである。
〔従来の技術〕 従来の乾式複写機などの機器においては、文字または
図形等に対応して感光ドラムの表面に形成された静電荷
潜像をトナー像に変換した後、このトナー像を供給カセ
ットから供給されて来る紙面に転写し、さらに転写され
たトナー像を紙面に定着させるために加熱された定着ロ
ーラによって表面を加熱加圧し、トナー像と紙繊維とを
融着させて両者が容易に離れないようにする機構が組み
込まれている。そして、定着ローラを通過した複写紙が
ローラに巻き付くことなく確実に排出されるために、分
離爪を用いてその先端をローラの外周面に密着させなが
ら複写紙の端をすくい上げる方法が採られる。したがっ
て、このような分離爪においては、ローラの外周面に対
して摩耗抵抗が小さく表面を損傷しないこと、充分な機
械的強度特に高温剛性を有し、その先端部形状に充分な
精度が得られること、さらにはトナーを粘着しないこと
などの特性が要求されてきた。
そして、特に近年においては、デジタル化により、単
なる複写機能だけでなく、今までにない高解像度画像処
理、編集機能、さらにファクシミリ機能または他のOA機
器の入出力装置などを備えた、いわゆるインテリジェン
ト複写機が開発され、このように多機能化、複合化、シ
ステム化された複写機においては、従来にもまして高速
化、高信頼化、長寿命化の要求が一層強くなって来た。
いま、分離爪についていえば、高速化により定着ローラ
による加熱温度をより高温に設定する場合が多く、その
ためさらに高い耐熱性が要求され、また、システムの一
部としていつも複写可能な状態にあって非常に長時間高
温にさらされるようになるため、優れた耐熱疲労性が要
求され、さらに多機能化による種々の状態に適切に追従
出来るように、また、システム化により人命にもかかわ
る装置との接続も考えられることから、より確実に分離
機能を発揮するために、紙詰まり等の万一の事故にも耐
えうる爪先端の耐熱荷重性およびくり返しの確実な分離
機能を保証できる優れた爪先端形状が要求されている。
このような分離爪に要求される諸特性のうち、トナー
に対する非粘着性の改善については数多くの提案がなさ
れており、たとえば、フッ素樹脂またはフッ素化ポリエ
ーテル重合体の被膜を分離爪上に形成させたり、フッ素
樹脂等の非粘着性改良剤を分離爪素材中に練り込むなど
の方法が取られている。しかし、高温剛性、耐熱疲労
性、耐熱荷重性、耐熱衝撃性、相手ロールの非攻撃性な
どについては、分離爪材に使用される耐熱性樹脂または
充填剤の種類によって大きく左右され、満足できる方策
はあまり採られていない。すなわち、従来用いられてい
る分離爪材料としては、ポリイミド、ポリアミドイミ
ド、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルケト
ン、ポリエーテルサルホン、ポリエーテルイミド、芳香
族ポリエステル等が挙げられるが、これらのうち、たと
えば250℃以上の高温において分離爪材として機能する
ためには、通常の耐熱性ポリエーテルサルホン、ポリエ
ーテルイミド等の樹脂は、ガラス転移点が220℃前後で
かつ非晶性であることから、ガラス転移点以上の温度で
は軟化し、耐熱性が低過ぎて複写機の高速化に伴う耐熱
性向上の要求を満足させることはできない。ガラス転移
点が250℃以上である耐熱性ポリエーテルサルホンおよ
び耐熱性ポリエーテルイミドもあるが、潤滑性および耐
摩耗性に劣り、ローラ駆動トルク上昇および分離不良を
時に起こす。たとえフッ素樹脂等の被膜が施してあって
も、ローラとの摺接面は長期使用の中で摩耗し、分離爪
基材とローラが摺動することになる。したがって基材の
潤滑性、耐摩耗性の悪さは長寿命化、信頼性向上の点で
不満足である。また、ポリフェニレンサルファイドまた
はポリイミド樹脂の中、三次元網目を形成するような熱
硬化性ポリイミド樹脂については、脆弱であるため、ガ
ラス繊維、チタン酸カリウム繊維、炭素繊維等の耐熱性
繊維類、またはこれら繊維にマイカ、タルク等の無機粉
末状充填剤を添加することに基づく補強効果によって、
耐熱性は大幅に向上する反面、相手ロールを傷つける問
題と、これら補強剤の爪先端部への充填が悪いと耐熱変
形性が著しく低下するという信頼性の問題と、さらに長
期間高温にさらされることにより徐徐に酸化架橋される
ことにより脆くなるという長寿命化を妨げるという問題
もある。また、ポリアミドイミド樹脂においては、補強
剤を添加しなくても、分離爪材として250℃以上の耐熱
性を有するが、吸水(または吸湿)時に耐熱性が低下す
るという欠点を有し、比較的多量に吸水したときには、
耐熱性が以上に悪くなる。具体的には吸水時に成形品を
急激に加熱すると、成形品内部の水分が高圧水蒸気とな
ることによって、成形品が一定以上、たとえば5×(1/
2)×(1/8)立方インチのシート試片のとき、(1/8)
インチの肉厚面が2.5μm以上の寸法変化を起こし、表
面が脹れまたは発泡するなどの現象を起こす最低温度
(これを熱衝撃温度と呼ぶ)が著しく低下することはよ
く知られており、絶乾時に280℃程度の耐熱性をもって
いたものが、多量の吸水により210℃程度にまでも低下
する問題がある。また、ポリイミド樹脂の中には熱可塑
性のポリイミドと称される非常に大きな分子量のポリマ
ーからなるポリイミド樹脂、たとえば米国デュポン社製
のポリイミド“ベスペル”などがあるが、これらは射出
成形のような溶融成形ができないため、耐熱性という意
味では優れるが実用に適しない。
これら樹脂に対して、芳香族ポリエステル樹脂、特に
注目されている溶融成形可能で溶融時に異方性を示すサ
ーモトロピック液晶ポリマーは、液晶特有の配向性を示
し、これが自己強化性を発揮する結果、それ自身の耐熱
変形性を向上させるが、この配向による自己強化の発現
のバラツキが大きく、これが小さい場合にはやはり分離
爪材としての熱変形温度が低下し信頼性に欠ける問題
と、繰り返し疲労に強いため、長期間の耐熱荷重性に劣
るという問題がある。これらに対してポリエーテルケト
ン樹脂は、ガラス転移点はポリフェニレンサルファイド
樹脂と同様に250℃未満であるが、結晶性樹脂であるた
め、ポリフェニレンサルファイド樹脂の場合と同様の耐
熱性維持または無機粉末状充填剤を添加することに基づ
く補強硬化によって耐熱性は向上するが、ポリフェニレ
ンサルファイド樹脂と異なり、樹脂自身に靭性があるた
め補強剤の量も少なくてすみ、またチタン酸カリウム繊
維のような補強効果は小さいが相手材の損傷性の少ない
繊維類だけで補強できるため、相手ロールの攻撃性は低
く、酸素架橋性による脆(もろ)さの発現もほとんどな
く耐熱老化性に優れる。さらにポリアミドイミド樹脂の
ような吸水による熱衝撃温度の低下というような現象も
起こさないことから、分離爪材として、特開昭60−2574
67号公報および特開昭61−27575号公報に開示してある
ようなチタン酸カリウム繊維にて補強したものが使用さ
れているが、信頼性向上、長寿命化の要求には満足出来
るものではない。すなわち、前述したように耐熱老化性
には優れるが、ガラス転移点が250℃以下、具体的には1
50℃前後であるためこれ以上の温度では弾性率の低下が
大きく、補強剤によって低下の度合いを小さくすること
で耐熱変形性を保持している。一方、複写機の定着ロー
ラ表面温度は一般に150℃以上、特に170℃〜250℃の範
囲のものが多いことから、高温荷重下での爪先端変形の
問題が有り、紙詰まり等で通常時より大きな力が爪先端
部にかかった場合のクリープ変形、すなわち耐熱荷重性
の問題がある。また、長期間ガラス転移点以上の温度に
さらされていることから、急速に弾性率等の物性が低下
していく傾向、いわゆる耐熱疲労性が良くないという問
題がある。さらに、爪先端部の曲率半径がポリアミドイ
ミド樹脂と比較すると小さくなり過ぎて10μm未満のシ
ャープなエッジになるものもあり、金型加工時に良好な
曲率半径(10〜50μm)のものが得られても、充填剤等
によって金型についた傷跡等のためにシャープなエッジ
が出現しやすくなったりすると、爪先端の高温剛性が小
さくなって熱変形を起こし、分離不良になったり、ロー
ラの外周面を傷つけたりする危険性が生じていた。
〔発明が解決しようとする課題〕
以上述べたように、従来の技術においては、耐熱変形
性、耐熱老化性、耐熱衝撃性、耐熱疲労性、耐熱荷重
性、相手ロールへの非攻撃性および先端の形状に優れた
高信頼化、長寿命化を実現した複写機用分離爪は得られ
なかったという問題点があり、これを解決することが課
題であった。
〔課題を解決するための手段〕
上記の課題を解決するために、この発明においてはポ
リシアノアリールエーテル樹脂100重量部、平均繊維径
3μm以下の耐熱性繊維20〜150重量部を必須成分とす
るポリシアノアリールエーテル樹脂組成物を成形して爪
先端部の曲率半径が0.01〜0.05mmに形成されている複写
機用分離爪とする手段を採用したものである。以下にそ
の詳細を述べる。
まず、この発明で用いるポリシアノアリールエーテル
樹脂は、 で示される繰り返し単位を単独で、またはこの繰り返し
単位と、 で示される他の繰り返し単位とが、ポリシアノアリール
エーテル樹脂本来の特性が失われない範囲で、具体的に
20モル%以下の量程度に共存した重合体である。このよ
うなポリシアノアリールエーテルは、たとえば、p−ク
ロルフェノールを溶媒とする0.2g/dl濃度の溶液の60℃
におけるか還元粘度(ηsp/C)が0.3dl/g以上が好まし
い。これらは、たとえば出光興産社から、ポリエーテル
エトリル(ID300)として市販されている。なお、ポリ
シアノアリールエーテルの製造方法は、特開昭63−3059
号公報の実施例などに開示されている。
つぎに、この発明における耐熱性繊維粉末とは、ポリ
シアノアリールエーテル樹脂の成形温度(330〜400℃)
に耐えることができる繊維を意味し、具体的には、ガラ
ス繊維、炭素繊維、グラファイト繊維、セラミック繊
維、ロックウール、スラグウール、チタン酸カリウムホ
イスカー、マグネシウムホイスカー、ホウ酸アルミニウ
ムホイスカー、シリコンカーバイドホイスカー、鋼線、
銅線、ステンレス鋼線、炭化ケイ素繊維、芳香族ポリア
ミド繊維などを例示することができる。そして、これら
繊維の形体は、分離爪成形品の表面粗さが小さく滑らか
で、しかも分離爪先端の曲率半径の好適範囲として0.1m
m以下、好ましくは0.05mm以下の精度が必要であること
から、繊維径は6μm以下であることが肝要である。こ
のような繊維を使用すれば成形品の表面粗さは1〜3μ
mもしくはそれ以下となり、また分離爪の曲率半径も0.
05mm以下となる。しかし、分離爪先端部の曲率半径は小
さければそれでよいというものではなく、小さ過ぎてシ
ャープなエッジ(バリ)になったり、また、金型加工時
に良好な曲率半径のものが得られても、充填剤等によっ
て金型についた傷跡等のために曲率が非常に小さくなっ
てシャープなエッジが出現しやすくなったりすると、爪
先端の高温剛性が小さくなって熱変形を起こしたり、ロ
ーラの外周面を傷つけたりする危険が生じる。
これに対して、耐熱性繊維として3μm以下の繊維径
のものをポリシアノアリールエーテル樹脂100重量部に
対して、20〜150重量部添加した組成物は、すでに述べ
たような欠点を解消して、長期にわたって過度の曲率半
径(0.01〜0.05mm)をもった分離爪成形品となり得るこ
とを見出した。
また、これらの耐熱性樹脂を添加することで、ポリシ
アノアリールエーテル樹脂のガラス転移点(145℃前
後)以上の温度における著しい弾性率低下を防ぎ、特に
高温荷重下での爪先端変形、特に紙詰まり時等の高荷重
下での変形が解消される。
さらに、ポリシアノアリールエーテル樹脂組成物を成
形後、180℃以上の温度、好ましくは250℃以上の温度
で、2時間以上好ましくは4時間以上熱処理することに
より、高温荷重下での爪の先端変形を著しく改善される
ことを見出した。
また、この発明の目的を損なわない範囲内で、接着性
向上剤、チクソトロピー性付与剤を配合することは好ま
しく、また、その他各種充填剤を配合してもよい。ここ
で、接着性向上剤とは、分離爪のトナーに対する非粘着
性を向上させるために分離爪成形体表面に被覆させるコ
ーティング剤と分離爪成形体との間の密着強度を上げる
ために添加されるもので、たとえば、エポキシ基、カル
ボキシル基、水酸基、フェノキシ基、メチロール基、ア
ミノ基のうちの少なくとも一つの基を有する熱硬化性樹
脂が好適であって、具体的にはフェノール樹脂またはエ
ポキシ樹脂を挙げることができる。また、チクソトロピ
ー性付与剤とは、この発明の組成物が溶融する際に、低
剪断速度において増粘効果をもたらすものをいい、具体
的には微粉末シリカ、微粉末タルク、珪藻土等が挙げら
れ、これらを添加することによって分離爪の先端形状の
膜直度および曲率半径のバラツキがさらに良好となる。
また、これら以外の充填剤としては、通常の樹脂組成物
に添加される酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、滑
剤、離型剤、着色剤、難燃剤、難燃助剤、帯電防止剤な
どのほかに、耐摩耗性向上剤(たとえば、グラファイ
ト、カーボランダム、珪石粉、二硫化モリブデン、フッ
素樹脂など)、耐トラッキング性向上剤(たとえば、シ
リカ、グラファイトなど)、その他充填剤(たとえば、
ガラスビーズ、ガラスバルーン、炭酸カルシウム、アル
ミナ、タルク、珪藻土、クレー、カオリン、石膏、亜硫
酸カリシウム、マイカ、金属酸化物、無機質顔料など、
300℃以上で安定な物質)などを挙げることができる。
〔作用〕
ポリシアノアリールエーテル樹脂と平均繊維径3μm
以下の耐熱性繊維を組合せることによって、先端部の曲
率半径および表面平滑性への悪影響を防ぐばかりか、従
来の技術による分離爪において、滑らかな曲線が得られ
なかったり、時としてシャープなエッジ(バリ)になっ
たり、たとえ金型加工時に良好な曲率半径のものが得ら
れても、長時間使用の過程で樹脂からでる腐食性ガスま
たは配合されている充填剤などによって金型についた傷
跡などのために、分離爪の先端形状が悪くなったり、曲
率半径も非常に小さくなってシャープなエッジが出現し
やすくなったりして、長期にわたって適度の曲率半径の
維持できる成形品が得られなかったという欠点を払拭
し、ポリアリールエーテル樹脂の優れた耐熱衝撃性およ
び難燃性を阻害することなく、ガラス転移点以上の温度
における著しい弾性率の低下を押さえ、さらにこれらの
成形品を180℃以上、好ましくは250℃以上の温度で、2
時間以上好ましくは4時間以上熱処理することにより、
高温下での耐熱荷重性および耐熱疲労性をさらに高める
作用を示すのである。
〔実施例〕
実施例および比較例に使用した原材料を一括して示す
とつぎのとおりであり、〔 〕内にそれぞれの略号を示
した。なお、これら原材料の配合割合はすべて重量部で
表わした。
ポリシアノアリールエーテル樹脂〔PEN〕 出光興産社製:ポリエーテルニトリルID300、 ポリエーテルエーテルケトン樹脂〔PEEK〕 英国アイ・シー・アイ社製:ビクトレックス450P、 液晶ポリマー〔LCP〕 米国ダートコ社製:芳香族ポリエステル樹脂XYDAR−S
RT300、 ポリフェニレンサルファイド樹脂〔PPS〕 トープレン社製:T−4、 チタン酸カリウムホイスカー〔PTW〕 大塚化学社製:ティスモD102、繊維径0.1〜0.3μm、
繊維長20〜30μm、エポキシシラン処理品、 ガラス繊維〔GF−3〕 旭ファイバーグラス社製:ミルドファイバー、繊維径
3μm、繊維長50μm、 ガラス繊維〔GF−6〕 旭ファイバーグラス社製:チョップドストランド、繊
維径6μm、繊維長3mm、アミノシランカップリング処
理品、 ガラス繊維〔GF−13〕 旭ファイバーグラス社製:チョップドストランド、繊
維径13μm、繊維長3mm、アミノシランカップリング処
理品、 ホウ酸アルミニウムホイスカー〔BALW〕 四国化成工業:アルボレックス、平均繊維径0.5〜1.0
μm、平均繊維長10〜30μm、 炭素繊維〔GF−7〕 東邦レーヨン社製:ベスファイトHTA、繊維径7.2μ
m、繊維長6mm、 グラファイト〔GRP〕 日本黒鉛社製:ACP、 以上の原料の内、液晶ポリマー〔LCP〕について
は、冷凍粉砕機を用いてペレットを平均粒径50μmに粉
砕して使用した。
実施例1〜8: 第1表に示す配合割合で各原材料で予め乾式混合した
後、二軸溶融押出機(池貝鉄工社製:PCM−30)に供給
し、シリンダー温度340℃、スクリュー回転数50rpmの条
件下で溶融混練して造粒した。得られたペレットをシリ
ンダー温度350℃、射出圧800kg/cm2、金型温度210℃の
条件のもとに射出成形し、幅12.7mm、長さ126mm、厚さ
3.2mmの板材および富士ゼロックス社製複写機2700型に
用いられている分離爪と同一形状の試験片を得た。これ
らの試験片のうち、ローラの損傷性の実用的機能性調査
用に作製した分離爪試験片については、すべて端末にイ
ソシアネート基をもったフッ素化ポリエーテル重合体
(伊国モンテジソン社製:フォンブリンZ−DISOC 200
0)を2.0重量%濃度に溶解したフレオン113溶液中に浸
漬した後、液から取り出して約200℃で2時間約付け処
理を施した。なお、実施例3および4以外は成形後全く
熱処理をしなかったが、実施例3では180℃2時間、実
施例4では250℃4時間の熱処理を施した。
以上の試験片に対して曲げ強度、先端の曲率半径、表
面平滑性、耐熱疲労性および耐熱荷重性ならびに実用的
機能性を評価した。これらの評価方法はそれぞれのとお
りである。
1)曲げ強度 ASTM−D790に基づく。
2)先端の曲率半径 日本光学社製の投影器V−16Dを使用し、n=100にお
ける測定値の最小および最大の範囲で示した。ただし5
μmより小さいものは、精度よく測定できないため1μ
mと記した。
3) 表面平滑性 表面粗さ計(日本真空社製:Dektak II型)を使用し、
分離爪のローラ接触部の表面粗さを測定した。
4)爪形状による耐熱疲労性 爪先端熱変形試験機(第1図に概略図を示す)を用
い、ローラ表面温度250℃、爪先端荷重20g、接触角度
(θ)100゜、接触時間1分、1時間および12時間の各
条件で、試験(n=10)をした時の変形量t(第2図参
照)を測定し、平均値を求めて表わした。
5)爪形状による耐熱荷重性 耐熱疲労性と同様の試験機を用いて、ローラ表面温度
250℃、接触角度(θ)100゜、接触時間1分、爪先端荷
重20g、40gおよび100gの各条件で試験(n=10)をした
時の変形量t(第2図参照)を測定し平均値を求めて表
わした。
6)非攻撃性 乾式複写機(富士ゼロックス社製:2700型)を用い、
それに使用されている分離爪と同一形状の試験片を取り
付けて、B5判の分離紙を連続99枚、通算5万枚通紙した
後、定着ロール表面の傷の程度を、表面粗さ計を用い
て、分離爪摺接部の運転前後の形状確認を行ない、ロー
ラの摩耗深さが5μm未満のもの(◎印)、5〜15μm
(○印)および15μmを越えるもの(△印)の3段階に
評価した。
以上の諸試験で得られた結果を第2表にまとめた。
比較例1〜8: 第3表に示す割合で各原材料を配合した以外は 実施例1と全く同じ操作を行なって板状試験片とさら
に分離爪を作製し、実施例1〜8におけると同じ諸特性
を調べた。得られた結果を第4表にまとめた。
第2表および第4表からつぎのことがいえる。すなわ
ち、実施例1〜8は曲げ強度がよく、先端曲率半径の精
度および表面平滑性はいづれも良好な値を示している。
また、耐熱疲労性、耐熱荷重性にも優れ、特に熱処理を
した実施例3および4は非常に優れている。これに対し
て繊維径3μm以下の耐熱性繊維を使用していても、添
加量が10%重量未満の比較例1は、表面平滑性には優れ
るが、先端Rが小さくなり過ぎていわゆるバリを生じ好
ましくなく、その結果相手ローラに対する損傷性も悪
い。また、耐熱疲労性、耐熱荷重性にも劣る。また、逆
に150重量部を越えて添加した比較例2は、添加剤の分
散性が悪い結果からと思われるが、先端曲率半径のバラ
ツキが大きく、平面平滑性も悪いことから、相手ローラ
の損傷性も大きい。さらにこの発明に用いたポリシアノ
アリールエーテル以外の耐熱性熱可塑性樹脂として、ポ
リエーテルエーテルケトン樹脂、液晶ポリマーおよびポ
リフェニレンサルファイド樹脂と、繊維径3μm以下の
耐熱性繊維をそれぞれにブレンドした比較例3、比較例
4および比較例5においては、いづれも耐熱疲労性、耐
熱荷重性において短時間および低荷重域での変形量は小
さいが、長時間または荷重が大きくなると爪先端が大き
く変形してしまい分離爪の用をなさない。さらに、ポリ
シアノアリールエーテル樹脂を用いても、耐熱性繊維の
平均繊維径が3μmを越えるものを用いた比較例6、比
較例7および比較例8は、先端曲率半径のバラツキが小
さ過ぎるものから、大き過ぎるものまで大きく、表面平
滑性も比較例7および8は悪く、相手ローラの損傷性も
すべて悪いばかりでなく、耐熱疲労性および耐熱荷重性
も良くない。
〔効果〕
以上述べたように、ポリシアノアリールエーテル樹脂
と、平均繊維径3μm以下の耐熱性繊維を必須成分とす
る組成物からなるこの発明の複写機用分離爪は、ポリシ
アノアリールエーテル樹脂が本来備えている難燃性、耐
熱衝撃性に加えて、耐熱疲労性、耐熱荷重性に優れ、し
かも、相手ロールへの非攻撃性および先端に所定曲率半
径で形成された精密な爪先端部の形状保持性にも優れる
ため、特に高温連続使用においてきわめて信頼性の高い
複写紙分離機能を有するものとなり、また高寿命化を要
求される用途にも最適である。したがって、単に複写機
能を有する装置ばかりでなく、デジタル化等によって今
までにない高解像度画像処理、編集機能、ファクシミリ
機能または他のOA機器の入出力装置を備えた、いわゆる
インテリジェント複写機等の用途にも充分活用できるも
のである。したがって、この発明の意義はきわめて大き
いものといえる。
【図面の簡単な説明】
第1図は爪先端熱変形試験機の概略図、第2図は爪先端
の変形量を示す図である。 1……分離爪、2……熱ローラ、 3……荷重、θ……接触角、 t……変形量。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ポリシアノアリールエーテル樹脂100重量
    部、平均繊維径3μm以下の耐熱性繊維20〜150重量部
    を必須成分とするポリシアノアリールエーテル樹脂組成
    物の成形品からなり、爪先端部の曲率半径が0.01〜0.05
    mmに形成されていることを特徴とする複写機用分離爪。
  2. 【請求項2】特許請求の範囲第1項記載の複写機用分離
    爪において、組成物の成形品が、成形後に熱処理された
    成形品であることを特徴とする複写機用分離爪。
JP27664389A 1989-10-23 1989-10-23 複写機用分離爪 Expired - Fee Related JP2902011B2 (ja)

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