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JP2902180B2 - 機械式過給機の制御装置 - Google Patents
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JP2902180B2 - 機械式過給機の制御装置 - Google Patents

機械式過給機の制御装置

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JP2902180B2
JP2902180B2 JP27857591A JP27857591A JP2902180B2 JP 2902180 B2 JP2902180 B2 JP 2902180B2 JP 27857591 A JP27857591 A JP 27857591A JP 27857591 A JP27857591 A JP 27857591A JP 2902180 B2 JP2902180 B2 JP 2902180B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、エンジン出力によって
機械的に駆動される機械式過給機の制御装置に関する。
【0002】
【従来技術】エンジン出力によって機械的に駆動される
機械式過給機は、一般的に、エンジン出力軸と過給機と
の間の動力伝達経路にクラッチが設けられ、エンジンの
運転状態に応じて、クラッチを接続(ON)あるいは切
断(OFF)することで上記動力伝達経路を断続するよ
うになっている(特開平1−240734号公報参
照)。
【0003】より具体的に説明すると、機械式過給機の
動力伝達経路は、エンジン出力軸に取り付けられたクラ
ンク側プ−リと、過給機の入力軸に取り付けられた過給
機側プ−リと、これら2つのプ−リに巻回された無端ベ
ルトと、で構成され、上記クラッチは、過給機の入力軸
と過給機側プ−リとの間に介装されて、大きな出力が要
求されない例えば低負荷領域では、上記クラッチがOF
Fされて、動力伝達経路が切断されるようになっている
(過給機がフリ−状態になる)。
【0004】ところで、機械式過給機で高過給圧を得よ
うとした場合、過給機側プ−リに対するクランク側プ−
リのプ−リ比として大きなプ−リ比(高プ−リ比)を設
定することになるが、この場合、上記クラッチのON、
OFFに伴うトルクショックが大きなものとなる。
【0005】この高過給圧化に伴なうトルクショックの
問題に対して、上記動力伝達経路に変速機構を設け、高
プ−リ比を設定する前に、低プ−リ比(低速段)を介在
させて、上記クラッチのON、OFFに伴うショックを
小さなものにすることが考えられる。これによれば、高
プ−リ比に基づいて高過給圧を得ることができる一方
で、過給機をフリ−状態とする領域を拡大することがで
きるため(トルクショックを緩和すべく過給機のフリ−
領域を狭める必要がないため)、燃料消費率の悪化を回
避できるという利点がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】高過給圧化に伴う他の
問題として、エンジンあるいは過給機の負担が大きくな
るという問題がある。すなわち、例えば高過給圧を得る
べく過給機を高速回転させたときには過給機の発熱(過
給機のケ−シング内を回転子の摺動することに伴う発熱
等)によって過給機が熱的損傷を受け易くなる。またエ
ンジンは、高過給圧化によってエンジン内部の熱負荷が
大きなものとなり、例えばバルブブリッジに損傷が発生
し易くなる。このため、外気温度が極端に高い環境下の
で走行したときには高い吸気温度のために、過給機が損
傷しあるいはエンジンが損傷する恐れがある。
【0007】そこで、本発明の目的は、高過給圧を設定
するときに、過給機あるいはエンジンの損傷を未然に防
止するようにした機械式過給機の制御装置を提供するこ
とにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記の技術的課題を達成
すべく、本発明にあっては、下記のような構成としてあ
る。
【0009】第1発明の構成 エンジン出力軸と過給機との間の動力伝達経路に経路断
続用クラッチが配設され、エンジンの運転状態に応じて
前記経路断続用クラッチがON、OFFされて、前記動
力伝達経路を断続するようにした機械式過給機の制御装
置を前提として、エンジン出力軸と過給機との間の動力
伝達経路に配設され、少なくとも低速段と高速段との2
段の変速段を備えた変速機構と、エンジンの負荷を検出
するエンジン負荷検出手段と、該エンジン負荷検出手段
からの信号を受け、エンジン負荷が低負荷領域にあると
きには前記低速段を設定し、エンジン負荷が高負荷領域
にあるときには前記高速段を設定する変速制御手段と、
エンジンあるいは過給機の損傷に直結する要因の発現を
検出する損傷要因検出手段と、該損傷要因手段からの信
号を受け、エンジンあるいは過給機の損傷に直結する要
因が発現したときには、前記高速段の設定を禁止する高
速段禁止手段と、前記損傷要因手段からの信号を受け、
エンジンあるいは過給機の損傷に直結する要因が発現し
たときには、前記低速段が設定される前記低負荷領域を
高負荷側に拡大する低負荷領域拡大手段と、を備えた構
成としてある。
【0010】第2発明の構成 本発明のうち、第2発明にあっては、エンジン出力軸と
過給機との間の動力伝達経路に経路断続用クラッチが配
設され、エンジンの運転状態に応じて前記経路断続用ク
ラッチがON、OFFされて、前記動力伝達経路を断続
するようにした機械式過給機の制御装置を前提として、
エンジン出力軸と過給機との間の動力伝達経路に配設さ
れ、少なくとも低速段と高速段との2段の変速段を備え
た変速機構と、エンジンの負荷を検出するエンジン負荷
検出手段と、該エンジン負荷検出手段からの信号を受
け、エンジン負荷が低負荷領域にあるときには前記低速
段を設定し、エンジン負荷が高負荷領域にあるときには
前記高速段を設定する変速制御手段と、エンジンと駆動
輪との間の動力伝達経路の断続を検出する動力伝達検出
手段と、該動力伝達検出手段からの信号を受け、エンジ
ンと駆動輪との間の動力伝達経路が切断されているとき
には、前記高速段の設定を禁止する高速段設定禁止手段
と、を備えた構成としてある。
【0011】
【作用】第1発明の作用 本発明によれば、例えば外気温度の高いところを走行す
るときには高速段の使用が禁止されて過給機は低速段の
下で作動するため、高い吸気温度を原因とする過給機の
過熱あるいはエンジン内部温度の限界を越えた温度上昇
を未然に防止することが可能となる。更に本発明では、
高速段の使用を禁止する一方で、低速段を使用する領域
が高負荷側に拡大されるため、高負荷領域での高速段の
使用禁止に伴う出力低下を低速段においてもある程度補
うことが可能となる。
【0012】第2発明の作用 この第2発明によれば、走行に関係しないアクセル操
作、つまりレ−シングによって、高速段の下での過給機
の作動、その停止を頻繁に繰り返すことに伴う過給機の
損傷を未然に防止することが可能となる。
【0013】
【実施例】以下に、本発明の実施例を添付した図面に基
づいて説明する。第1実施例(図1乃至図7) 図1、図2において、1はエンジンで、エンジン1は、
互いにV型をなす左右のバンク部2L、2Rを有し(バ
ンク角90度)、これら左右のバンク部2L、2R毎
に、夫々、3つの気筒3が直列に配置された、いわゆる
V型6気筒エンジンとされている。
【0014】各気筒3は、シリンダ4に嵌挿されたピス
トン5により燃焼室6が形成され、燃焼室6はペンタル
−フ型とされて、この燃焼室6には、吸気通路7が接続
される吸気ポ−ト8と、排気通路9が接続される排気ポ
−ト10と、が開口されている。上記ピストン5はコン
ロッドを介してクランクシャフト11に連係されて、こ
のクランクシャフト11からエンジン出力が取り出され
る。
【0015】上記エンジン1はバランサシャフト12を
備え、このバランサシャフト12は、上記クランクシャ
フト11の上方に配置され、このクランクシャフト11
とは一対のカウンタギヤ13a、13bを介して連結さ
れて、クランクシャフト11と同期回転するようになっ
ている。
【0016】上記吸気ポ−ト8を開閉する吸気弁14は
吸気用カムシャフト15によって開閉駆動され、上記排
気ポ−ト10を開閉する排気弁16は排気用カムシャフ
ト17によって開閉駆動される。すなわち、吸気用カム
シャフト15と排気用カムシャフト17とは、夫々、そ
の軸端に吸気用プ−リ18と排気用プ−リ19が取付け
られ、これらプ−リ18、19は、左右バンク部2L、
2Rに共通する共通タイミングベルト20を介してクラ
ンクシャフト11に連係されて(後に詳しく説明す
る)、上記吸気弁14と排気弁16とは、クランクシャ
フト11の回転に同期して所定のタイミングで開閉され
る。
【0017】図2に示すように、上記吸気用カムシャフ
ト15には、上記吸気用プ−リ18に対する吸気用カム
シャフト15の位相を変更させるバルブタイミング可変
機構21(吸気弁用バルブタイミング可変機構)が設け
られ、他方、上記排気用カムシャフト17には、上記排
気用プ−リ19に対する排気用カムシャフト17の位相
を変更させるバルブタイミング可変機構22(排気弁用
バルブタイミング可変機構)が設けられて、これら可変
機構21、22によって吸気弁14あるいは排気弁16
は、そのバルブタイミングが運転状態に応じて変更され
る。上記両バルブタイミング可変機構21、22は同一
の構成とされ、このようなバルブタイミング可変機構2
1、22は従来から既知であるのでその詳細な説明は省
略する。尚、上記燃焼室6に臨ませて図外の点火プラグ
が配置されている。
【0018】上記吸気通路7には、その上流側から下流
側に向けて、順次、エアクリ−ナ23、エアフロメ−タ
24、スロットル弁25、ル−ツ型の過給機26、イン
タ−ク−ラ27、サ−ジタンク28、燃料噴射弁(図示
せず)が配設されている。また、吸気通路7には、上記
過給機26をバイパスするバイパス通路29が設けら
れ、このバイパス通路29には電磁式の開閉弁(バイパ
スバルブ)30が介装されて、過給圧が所定以上となっ
たときに開閉弁30が開かれてリリ−フされる。
【0019】図1に示すように、上記過給機26は、左
右のバンク部2L、2Rで挟まれたVバンク中央空間3
1に配設され、また、過給機26の上方に前記インタ−
ク−ラ27が配設されている。エンジン1は、このエン
ジン1の駆動力によって駆動される各種補機32〜36
を備えている。
【0020】上記補機32〜36の配置について説明す
ると、左右各バンク部2L、2Rの基端部には、各バン
ク部2L、2R用のウォ−タポンプ32L、32Rが配
設され、エンジン1の下端部にはオイルポンプ33が配
設されている。また、エンジン1の一側にはエアコン用
コンプレッサ34が配設され、他側には、オルタネ−タ
35、パワ−ステアリング用ポンプ36が配設されてい
る。
【0021】オイルポンプ33、エアコン用コンプレッ
サ34、オルタネ−タ35、パワ−ステアリング用ポン
プ36の駆動 図1に示すように、上記クランクシャフト11の軸端に
は、大径プ−リ40と小径プ−リ41とが取付けられ、
当該大径プ−リ40に巻掛された補機用ベルト42を介
してオイルポンプ33、エアコン用コンプレッサ34、
オルタネ−タ35、パワ−ステアリング用ポンプ36の
4者が駆動される。すなわち、補機用ベルト42は、大
径プ−リ40、オイルポンプ33、エアコン用コンプレ
ッサ34、オルタネ−タ35、パワ−ステアリング用ポ
ンプ36に巻掛されている。
【0022】左右バンク部2L、2Rの吸気用プ−リ1
8、排気用プ−リ19、並びにウォ−タポンプ32L、
32Rの駆動 図1に示すように、上記クランクシャフト11の小径プ
−リ41に前記共通タイミングベルト20が巻掛され、
またこの共通タイミングベルト20は左右のウォ−タポ
ンプ32L、32Rに巻掛されて、左右のウォ−タポン
プ32L、32R及び吸気弁14、排気弁16は共通タ
イミングベルト20によって駆動される。ここに、図1
に示す符号43〜46はアイドラ用プ−リであり、この
うちアイドラ用プ−リ45はオ−トテンション機構が付
設されている。
【0023】過給機26の駆動(図3、図4) 過給機26は、第1動力伝達経路50あるいは第2動力
伝達経路51を介してバランサシャフト12からの動力
が伝達されるようになっている。以下に、過給機26用
の動力伝達経路について詳しく説明する。
【0024】まず、バランサシャフト12には、図3に
示すように、このバランサシャフト12に固定された直
結プ−リ52と、バランサシャフト12に対して電磁ク
ラッチ(経路切換用クラッチ)53を介して取付けられ
た係脱プ−リ54と、が設けられ、これら直結プ−リ5
2と係脱プ−リ54とは、同一のプ−リ径とされてい
る。
【0025】過給機26の入力軸26aには電磁クラッ
チ(経路断続用クラッチ)55を介して入力プ−リ(過
給機用プ−リ)56が取付けられている。
【0026】エンジン1には、図1に示すように、アイ
ドラ57が回転自在に取付けられている。このアイドラ
57は、軸方向に並設された小径プ−リ部57aと大径
プ−リ部57bとを有し、小径プ−リ部57aはアイド
ラ本体57cと一体とされ、大径プ−リ部57bはワン
ウェイクラッチ58を介してアイドラ本体57cと連結
されている。このワンウェイクラッチ58は、大径プ−
リ部57bの回転速度がアイドラ本体57cの回転速度
よりも大きいときに係合し(大径プ−リ部57bがアイ
ドラ本体57cと一体化する)、大径プ−リ部57bの
回転速度がアイドラ本体57cの回転速度よりも小さい
ときに解除されるようになっている。
【0027】上記バランサシャフト12の直結プ−リ5
2と、上記アイドラ57の大径プ−リ部57bとには第
1のベルト60が巻掛され、他方上記バランサシャフト
12の係脱54と、アイドラ57の小径プ−リ部57a
と、過給機26の入力プ−リ56とには第2のベルト6
1が巻掛されて、上記第1動力伝達経路50及び第2動
力伝達経路51が形成されている。
【0028】第1動力伝達経路50(経路切換用クラッ
チ53が『OFF』) 経路切換用クラッチ53が『OFF』状態となったとき
に、この第1動力伝達経路50が形成される。すなわ
ち、バランサシャフト12の回転力は、順次、直結プ−
リ52、第1ベルト60、アイドラ57の大径プ−リ部
57b、ワンウェイクラッチ58、アイドラ57の小径
プ−リ部57a、第2ベルト61を経て過給機用プ−リ
56に伝達される。この第1動力伝達経路50によれ
ば、バランサシャフト12の回転力がアイドラ57の大
径プ−リ部57bを経由して過給機26に伝達されるた
め、後述する第2動力伝達経路51によるときに比べ
て、過給機26の回転速度は低速になる(低速態様)。
【0029】第2動力伝達経路51(経路切換用クラッ
チ53が『ON』) 経路切換用クラッチ53が『ON』状態となったとき
に、この第2動力伝達経路51が形成される。すなわ
ち、バランサシャフト12の回転力は、順次、係脱プ−
リ54、第2ベルト61を経て過給機用プ−リ56に伝
達される。この第2動力伝達経路51によれば、バラン
サシャフト12の回転力が、アイドラ57の大径プ−リ
部57bを経由することなく、過給機26に伝達される
ため、前述した第1動力伝達経路50によるときに比べ
て、過給機26の回転速度は高速になる(高速態様)。
尚、図1に示す符号62はテンショナである。
【0030】尚、バランサシャフト12の回転力は、直
結プ−リ52を介して第1ベルト60、アイドラ57の
大径プ−リ部57bにも伝達されることになるが、これ
による大径プ−リ部57bの回転速度はアイドラ本体5
7cの回転速度よりも小さいために、ワンウェイクラッ
チ58が解除状態となる。したがって、経路切換用クラ
ッチ53が『ON』状態となったときには、上述した第
1動力伝達経路50はワンウェイクラッチ58によって
切断される。
【0031】図2に示す符号65はコントロ−ルユニッ
トで、コントロ−ルユニット65は例えばマイクロコン
ピュ−タで構成されて、既知のように、CPU、RO
M、RAM等を備えている。コントロ−ルユニット65
にはセンサ66〜68からの信号が入力される。上記セ
ンサ66はエンジン回転数を検出するものである。上記
センサ67はスロットル弁の開度を検出するものであ
る。上記センサ68は吸入空気の温度を検出するもので
ある。
【0032】上記コントロ−ルユニット65から前記経
路切換用クラッチ53、経路断続用クラッチ55及び前
記開閉弁(バイパスバルブ)30に対してON、OFF
制御信号が出力され、またバルブタイミング可変機構2
1、22に対して制御信号が出力される。
【0033】上記経路切換用クラッチ53、経路断続用
クラッチ55の制御内容を以下に説明する。吸気温度が40℃以下のときの制御 図5は制御マップを示し、吸入空気の温度が所定値(本
実施例では40℃)以下のときには、同図に示す領域I
〜領域IIIの3つに区分された各領域において、以下
の制御が行われる。
【0034】領域I(軽負荷(第1所定値以下)且つ
低、中回転) この領域Iでは、経路断続用クラッチ55は『OFF』
状態とされて、過給機26は、第1あるいは第2の動力
伝達経路50、51との連結から解放され、自由状態と
される(フリ−態様)。尚、経路切換用クラッチ53に
ついても『OFF』状態とされる。
【0035】領域II(中負荷(第2所定値以下)、中
回転以上) この領域IIでは、経路切換用クラッチ53は『OF
F』状態とされて、上記第1動力伝達経路50が選択さ
れ、また経路断続用クラッチ55は『ON』状態とされ
て、バランサシャフト12の回転力は第1動力伝達経路
50を経由して過給機26へ伝達される(低速態様)。
【0036】領域III(高負荷(第2所定値より
大)) この領域IIIでは、経路切換用クラッチ53は『O
N』状態とされて、上記第2動力伝達経路51が選択さ
れ、また経路断続用クラッチ55は『ON』状態とされ
て、バランサシャフト12の回転力は第2動力伝達経路
51を経由して過給機26へ伝達される(高速態様)。
【0037】上記の制御において、領域IIで設定され
る速度比(第1動力伝達経路50)は、上記領域III
の場合と比較して相対的に過給機26は低速状態で過給
するような速度比(低プ−リ比)とされている。換言す
れば、領域IIIで選択される速度比(第2動力伝達経
路51)は、上記領域IIの場合と比較して相対的に過
給機26は高速状態で過給するような速度比(高プ−リ
比)とされている。
【0038】吸気温度が40℃よりも高温のときの制御 吸入空気の温度が所定値(本実施例では40℃)よりも
高温のときには、上記領域IIIにおいて、以下の制御
が行なわれる。すなわち、吸気温度が高温のときには、
領域IIIにおいて、経路切換用クラッチ53の『O
N』が禁止される。そして、上記領域IIを区画する前
記第2所定値が第3所定値(第2所定値よりも大)に変
更される。すなわち、この領域拡大は例えば上記過給機
26のリリ−フバルブ30の設定過給圧を変更すること
によって行なわれ、図5に示すように、領域IIが高負
荷側に拡大される。つまりエンジン負荷がこの第3所定
値以下のときには経路切換用クラッチ53が『OFF』
状態とされて、上記第1動力伝達経路50が選択される
(過給機26の低速態様が選択される)。また、従来、
吸気温度が40℃以下の場合に領域IIIと判定された
領域であっても、上記第1動力伝達経路50によって過
給機26は駆動され、クラッチ53は『OFF』のまま
とされる。
【0039】以上のことを前提として、図6に示すフロ
−チャ−トに基づいて具体的に説明する。尚、このフロ
−チャ−トは、エンジン負荷のみに着目して、作成して
ある。
【0040】先ず、ステップS1(以下、ステップ番号
は『S』を付して表わす)でエンジン負荷等の読み込み
を行なった後、S2において、エンジン負荷が前記第1
所定値よりも大きか否かの判別が行なわれ、NOの判定
されたときには、エンジン負荷が前記第1所定値以下で
あるとして、つまり前記領域I(図5参照)にあるとし
て、S3へ進んで過給機26をフリ−態様とする設定
(経路断続用クラッチ55を『OFF』)が行なわれ
る。
【0041】他方、前記S2において、YESと判定さ
れたときには、エンジン負荷が前記第1所定値よりも大
きいとして、S4に進んで、エンジン負荷が前記第2所
定値以下であるか否かの判別が行なわれ、このS4にお
いてYESの判定されたときには、エンジン負荷が前記
第2所定値以下であるとして、つまり前記領域II(図
5参照)にあるとして、S5に進んで過給機26を低速
態様とする設定(経路切換用クラッチ53を『OF
F』)が行なわれる。
【0042】他方、上記S4において、NOと判定され
たときには、エンジン負荷が前記第2所定値よりも大き
いとして、つまり前記領域III(図5参照)にあると
して、S6に進んで吸気温度が所定値(40℃)以下で
あるか否かの判別が行なわれ、このS6においてYES
と判定されたときには、つまり吸気温度が40℃以下で
あると判定されたときは、S7に進んで過給機26を高
速態様とする設定(経路切換用クラッチ53を『O
N』)が行なわれる。
【0043】他方、上記S6において、NOと判定され
たときには、つまり吸気温度が40℃よりも高温である
と判定されたときは、S8に進んで過給機26は低速態
様とされ、かつ低速態様で使われていた過給圧の最大値
が上記第3所定値相当まで引き上げられる。
【0044】以上、本発明の一実施例を説明したが、本
発明は上記実施例に限定されることなく、以下の態様を
包含するものである。 (1)上記ステップS6において、吸気温度の代えて、
ノッキングの強さが所定値以下であるか否かを判定する
ようにしてもよい。すなわち、ノッキングの強さが所定
値よりも大きいときには、異常燃焼が発生しているとし
て前記ステップS8以降の処理を行なうことでエンジン
の損傷を未然に防止することが可能となる。
【0045】(2)上記ステップS6において、吸気温
度に代えて、燃料のオクタン価が所定値よりも大きいか
否かを判定するようにしてもよい。すなわち、燃料のオ
クタン価が小さいときには、ノッキングが発生し易く、
このためエンジンが損傷を受け易くなるとして、前記ス
テップS8以降の処理を行なうことでエンジンの損傷を
未然に防止することが可能となる。
【0046】(3)ドライバが頻繁にアクセルの踏み込
みと開放とを繰り返す、いわゆるレ−シングを行なとき
には、図5に示す領域IIあるいは領域IIIにおい
て、経路断続用クラッチ55を『OFF』状態として過
給機26をフリ−態様にするようにしてもよい。これに
よれば、レ−シングに対して過給機26がON、OFF
を繰り返すことに伴なう過給機26の損傷を未然に防止
することができる。このレ−シングによる損傷防止を図
るには、例えばマニュアルトランスミッションの場合に
はニュ−トラルあるいはミッションクラッチが『OF
F』されているときには、上述したように、過給機26
をフリ−態様とすればよい。同様に、自動変速機を備え
た車両の場合には、Nレンジん、Pレンジあるいはフッ
トブレ−キの踏み込みが行なわれいるときには、過給機
26をフリ−態様とすればよい。
【0047】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
によれば、高過給圧を設定するときに、過給機あるいは
エンジンの損傷を未然に防止することができる。また第
1発明によれば、高速段の使用を禁止する一方で、低速
段を使用する領域が高負荷側に拡大されるため、高負荷
領域での高速段の使用禁止に伴う出力低下を低速段にお
いてもある程度補うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例が適用されたV型エンジンの正面図。
【図2】図1に示すエンジンの吸気系を展開して示す説
明図。
【図3】実施例に適用された過給機用変速機構の正面
図。
【図4】図3に示すIV−IV線に沿った断面図。
【図5】実施例にかかる過給機の制御に用いられる制御
マップ。
【図6】過給機の制御の一例を示すフロ−チャ−ト。
【符号の説明】
1 エンジン 5 ピストン 7 吸気通路 11 クランクシャフト 12 バランサシャフト 14 吸気弁 25 スロットル弁 26 機械式過給機 50 低速用動力伝達経路 51 高速用動力伝達経路 53 電磁クラッチ(経路切換用クラッチ) 55 電磁クラッチ(経路断続用クラッチ) 65 コントロ−ルユニット 66 エンジン回転数センサ 67 スロットル開度センサ 68 吸気温度センサ

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エンジン出力軸と過給機との間の動力伝
    達経路に経路断続用クラッチが配設され、エンジンの運
    転状態に応じて前記経路断続用クラッチがON、OFF
    されて、前記動力伝達経路を断続するようにした機械式
    過給機の制御装置において、 エンジン出力軸と過給機との間の動力伝達経路に配設さ
    れ、少なくとも低速段と高速段との2段の変速段を備え
    た変速機構と、 エンジンの負荷を検出するエンジン負荷検出手段と、 該エンジン負荷検出手段からの信号を受け、エンジン負
    荷が低負荷領域にあるときには前記低速段を設定し、エ
    ンジン負荷が高負荷領域にあるときには前記高速段を設
    定する変速制御手段と、 エンジンあるいは過給機の損傷に直結する要因の発現を
    検出する損傷要因検出手段と、 該損傷要因手段からの信号を受け、エンジンあるいは過
    給機の損傷に直結する要因が発現したときには、前記高
    速段の設定を禁止する高速段禁止手段と、 前記損傷要因手段からの信号を受け、エンジンあるいは
    過給機の損傷に直結する要因が発現したときには、前記
    低速段が設定される前記低負荷領域を高負荷側に拡大す
    る低負荷領域拡大手段と、を備えていることを特徴とす
    る機械式過給機の制御手段。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記損傷要因検出手段が、吸入空気の温度を検出するセ
    ンサからの信号に基づいて該吸入空気の温度が所定温度
    よりも高いときにエンジンあるいは過給機の損傷に直結
    する要因が発現したものとする、ことを特徴とする機械
    式過給機の制御手段。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 前記損傷要因検出手段がエンジンの発生するノッキング
    を検出するセンサからの信号に基づいて該ノッキングの
    強さが所定値よりも大きいときにエンジンあるいは過給
    機の損傷に直結する要因が発現したものとする、ことを
    特徴とする機械式過給機の制御手段。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 前記損傷要因検出手段が燃料のオクタン価を検出するセ
    ンサからの信号に基づいてオクタン価が所定値よりも小
    さいときにエンジンあるいは過給機の損傷に直結する要
    因が発現したものとする、ことを特徴とする機械式過給
    機の制御手段。
  5. 【請求項5】 エンジン出力軸と過給機との間の動力伝
    達経路に経路断続用クラッチが配設され、エンジンの運
    転状態に応じて前記経路断続用クラッチがON、OFF
    されて、前記動力伝達経路を断続するようにした機械式
    過給機の制御装置において、 エンジン出力軸と過給機との間の動力伝達経路に配設さ
    れ、少なくとも低速段と高速段との2段の変速段を備え
    た変速機構と、 エンジンの負荷を検出するエンジン負荷検出手段と、 該エンジン負荷検出手段からの信号を受け、エンジン負
    荷が低負荷領域にあるときには前記低速段を設定し、エ
    ンジン負荷が高負荷領域にあるときには前記高速段を設
    定する変速制御手段と、 エンジンと駆動輪との間の動力伝達経路の断続を検出す
    る動力伝達検出手段と、 該動力伝達検出手段からの信号を受け、エンジンと駆動
    輪との間の動力伝達経路が切断されているときには、少
    なくとも前記高速段の設定を禁止する高速段設定禁止手
    段と、を備えていることをと特徴とする機械式過給機の
    制御装置。
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