JP2923181B2 - 高濃度のカルシウムを含有する水溶性粉末およびその製造方法 - Google Patents
高濃度のカルシウムを含有する水溶性粉末およびその製造方法Info
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Description
末およびその製造方法に関するものであって、より詳し
くは、特定の製法で得られた酸化カルシウムを高濃度に
溶解した有機酸ないし有機酸含有液体の溶液からスプレ
ードライヤによって水分のみを蒸発させて粉末化する、
カルシウムの水溶性粉末およびその製造方法に関する。
分であることは広く認識されていたが、最近ではそれの
みならず、あらゆる生命現象を支える最も重要な栄養素
であることが解明され、いまやカルシウムは医学の最前
線で注目されている。人間にとってカルシウム不足は、
骨粗鬆症ばかりでなく、ガン、高血圧、動脈硬化、心筋
梗塞、脳梗塞、糖尿病、免疫障害などの疾患を招く原因
となることも指摘されており、カルシウム含有食品を多
量に採り入れなければならないことも認識されてきてい
る。
すると思われる骨粗鬆症を初めとする疾病が多発してい
る現状を認識して、従来までの、人体にとって必要なカ
ルシウム摂取量としてきた600mg/1日を、つい最
近になって、800mg/1日に修正した。ところが、
この摂取目標値は、牛乳100ml当たり100mgの
カルシウム量として算出された値であり、実際には、牛
乳を800ml飲んだからといって体内には、精々半分
の400mlのカルシウムが吸収されるに過ぎない。
化された分だけが体内に吸収されるものであるが、リ
ン、脂肪、たんぱく質のようにカルシウムの吸収を阻害
する物質が同時に含まれている場合には、その分だけカ
ルシウムの利用率がマイナスされることが判明してき
た。
は、100mg/100mlであり、食品の中では最も
カルシウム含有量が多く、吸収性もよいとされていた
が、最近になって、多くの研究者が上記の理由から牛乳
に含まれるカルシウムの吸収利用率が必ずしも良くない
ことを発表している。現に、日本人の何倍もの牛乳や乳
製品を摂取している欧米人よりも、骨折率は日本人の方
がはるかに少ないということからも、「カルシウムは牛
乳から」という意見に反論している学者がいることも事
実であり、説得力もある。
mg/1日のカルシウムを、仮に牛乳のみから摂取する
とすれば、1600mg/1日という膨大な量の牛乳を
飲まなければならないということになる。いずれにして
も、大量のカルシウムが摂取されなければならないこと
は、広く認識されてきたものの、しからば、どのような
方法で、必要量のカルシウムを摂取するのかについて
は、適切な方法を提案しているものではない。
として、古くから乳類に頼って生き延びざるを得なかっ
たヨーロッパ地方や砂漠地帯の人々以外は、体の機能が
離乳期以後の乳類摂取に適しておらず、このような人々
が牛乳を多量に飲むと、白内障を起こし易いというショ
ッキングな研究結果も報告されている(教育医事新聞平
成5年7月25日)。このことは、牛乳には、カルシウ
ムばかりでなく、脂肪、たんぱく質、リンなどが多量に
含まれており、カルシウムと共に脂肪やたんぱく質など
を同時に摂取することの弊害を示唆しているものと考え
られる。
量を補うことができないのは当然であるばかりでなく、
危険性を抱えていることも指摘されている現状では、そ
の他の飲食品から、不足分のカルシウムを摂取すること
を考慮しなければならない状況下にある。ところが、牛
乳以外でカルシウム含有食品として知られている、煮干
し、マイワシ、ひじき、焼きのりなどでさえ、そのカル
シウム含有量は、到底一日の所要量には遠く及ばず、結
局、通常の食事からカルシウムの所要量を摂取すること
は不可能な状況にある。その結果、慢性のカルシウム不
足状態になり、前記、各種の疾病を引き起こす原因とな
っている。
が知られているビタミンDの場合についてみると、ビタ
ミンDは体内のプロビタミンDから日光照射によって生
成される他に、食品からも摂取できるもので、摂取され
たビタミンDは、副甲状腺ホルモンの働きによって、そ
れが活性ビタミンDとなりカルシウムの腸管からの吸収
を助けるものであるが、この作用は、副甲状腺ホルモン
と共同して骨からのカルシウムを取り出すことによるも
ので、この結果、ビタミンDを過剰に摂取した場合に
は、高カルシウム血症、尿毒症、さらに骨軟化症などの
障害がもたらされることが知られており、米国ではFD
AによってビタミンDを医薬として認めていないのが現
状である。
されている牛乳でさえ、人体に対する吸収量は極くわず
かであり、しかも、牛乳の過剰摂取はかえって人体に害
を及ぼすということは、現状において、食品から所要量
のカルシウムを補うことはきわめて困難な状況にあり、
食品以外からのカルシウムの摂取を考慮しなければなら
ないことは、もはや常識的なものとして認識されてきた
感がある。
食品としてのカルシウム製剤が市販されている現状を見
ることができる。ところが、市販されているカルシウム
製剤は、通常、錠剤として販売されているものが多く、
健常者ならともかくとして、多量のカルシウム摂取をし
なければならない病気を抱える人々、とくに老人にとっ
ては、これを嚥下すること自体苦痛である場合がしばし
ば起こり得る。
ために、カルシウム製剤を顆粒状にしたり、液状化する
試みもなされているが、この場合でも、カルシウム製剤
が本来抱えている問題点、すなわち、水に溶けにくい、
苦みや渋みなどカルシウム特有の不快な味があり飲みに
くい、さらに人体に吸収しにくい、という3大欠点は、
依然として解決され得ない状態で残されている。
どで出血した場合には、体内のpHが急激に酸性になっ
てしまい、これを素早く、中性ないし弱アルカリ性に調
整してやらなければ貴い命を落とすことになることが知
られている。そのために、カルシウムを水溶化した注射
用の塩化カルシウムの水溶液が用いられているが、これ
は経口不能なものであり、注射用として用いた場合にも
パラドックス現象を起こし、ショック死の原因となる危
険性が指摘されている。そのため、日本大学医学部の田
村豊幸教授などは、経口可能で、高濃度のカルシウムの
補給を速やかになし得る水溶性カルシウムの出現が待た
れていると報告している。
性に優れたカルシウム製剤、及び飲み易さを考慮したカ
ルシウム製剤を課題として研究を続けてきたが、その成
果として、特公昭60−56795号公報、特公平1−
13691号公報、特公平1−13692号公報、特願
平3−200851号、特開平5−161480号公報
を出願している。
示された発明は、ミネラル成分を多量に含み高濃度のイ
オン化カルシウム濃度を示す牡蠣殻の電解精製物の製造
にかかるものであり、この電解精製物は、腸内での吸収
が抜群にすぐれ、かつ、骨への沈着率がきわめて高いこ
とが実証されており、現在も各大学の付属病院をはじめ
とする医療機関において、成人病の予防、治療のための
栄養補助食品として積極的に採用されている。
び特公平1−13692号公報に開示された発明は、電
解ボレイイオン化カルシウムに還元麦芽糖と有機酸との
混合物を配合したもので、カルシウム製剤が本来有する
刺激性や味感を改良したものであり、カルシウムをおい
しく摂取できるようにした点に特徴を有するものであ
る。
て、経口可能で、カルシウム製剤独特の不快な味感およ
び不快臭の改良、さらに、高濃度でカルシウムを含有す
る製剤の完成、水に対する溶解度の向上を達成すべく研
究を重ねた結果、かかる問題点を一挙に解決できる水溶
性のカルシウム製剤を完成したものである。
剤が本来有する不快な味感や不快な臭気を除去し、高濃
度のカルシウムをおいしく摂取でき、水に対する溶解度
が著しく向上したカルシウム粉末状製剤ならびに該製剤
の製造方法を提供することにある。
成するために提案されたものであって、特定の方法で製
造された酸化カルシウムを有機酸ないし有機酸含有液体
に溶解させ、高濃度の溶液状態にした後、スプレードラ
イヤによって水分のみを蒸発させることにより、粉末化
する点に重要な特徴を有するものである。すなわち、本
発明によれば、牡蠣殻および/または海藻を焼成するこ
とによって得られた酸化カルシウムを、有機酸ないし有
機酸含有液体に溶解した後、スプレードライヤによって
水分のみを蒸発させ、多孔性構造からなる略球形状の顆
粒状粉末としたことを特徴とするカルシウムの水溶性粉
末が提供される。また、本発明によれば、牡蠣殻および
/または海藻を焼成することによって得られた酸化カル
シウムを、有機酸ないし有機酸含有液体に溶解した後、
スプレードライヤによって水分のみを蒸発させることを
特徴とする多孔性構造からなる顆粒状のカルシウムの水
溶性粉末の製造方法が提供される。
定の方法で製造された酸化カルシウムを有機酸の溶液状
態にした後、スプレードライヤによって水分のみを蒸発
させて、上記カルシウムと有機酸が結合した状態で粉末
化する点にある。つまり、そのままでは、水に対する溶
解度が低いため、飲用しても人体への吸収度が極めて少
なかった従来のカルシウムを、易イオン化して人体への
吸収性を向上させたカルシウム製剤は、前述したよう
に、本出願人によってすでに提案されているものである
が、この製剤の場合でも、醗酵乳酸やクエン酸などの有
機酸に溶かしても、カルシウムの溶解率は100mlに
対してせいぜい100mgであり、さらに、水に対する
溶解度の高いカルシウム製剤が求められていたものであ
る。
るものであり、前記の手段で粉末化することによって、
水に対して速やかに、しかも水100ccに対して30
00mgもの大量のカルシウムが溶解し、さらに驚くべ
きことに、乳酸、酢酸、リンゴ酸などの一部の有機酸が
本来有していた刺激性の味覚までが、まろやかな酸味に
変わり、苦味や渋味などの不快な味や不快な臭気を取り
除くことに成功し、味覚、および臭覚上の改善が得られ
たものである。そして、顆粒状粉末にしたことにより、
そのまま飲んだとしても、さらに水に溶かして飲用した
場合には尚更のこと、従来の提供形態である錠剤のよう
に、老人や子供にとって嚥下しにくいという問題が解決
されたものであり、前述したように、飲みにくい、溶け
にくい、吸収しにくいというカルシウム製剤の3大欠点
は、本発明によって一挙に解決できたものであることが
理解されるであろう。
とは、本発明者らによって開発された、貝殻類、甲殻
類、珊瑚、骨、ひじき、わかめ、こんぶなどの海藻類、
さらには、ほうれん草やパセリなどの動物または植物起
源のカルシウム含有物質の少なくとも1種を高温焼成す
ることにより得られる酸化カルシウムを意味する。この
カルシウムは、有機酸または有機酸含有液体に高濃度で
溶解するものであり、これを顆粒状粉末にしたものは、
水100ccに対して3000mgという従来知られて
いるカルシウムからは考えられないほどの著しく高い水
溶性を示すものである。
記動物および/または植物由来の原料を、900ないし
1100℃、好ましくは930ないし970℃程度の高
温で、40分ないし80分、好ましくは50分ないし7
0分程度焼成することによって得られる。この生成物
は、通常、類白色の粉末である。
シウムを溶解する有機酸または有機酸含有液体として
は、乳酸、クエン酸、リンゴ酸、酢酸などの有機酸、お
よび該有機酸を含有する液体が挙げられる。また、有機
酸含有液体としては、パイナップル、パパイヤなどの果
物の搾汁、つまり、果汁が用いられ、とくに、カルシウ
ムの溶解度ならびに生成顆粒の味感の点で、乳酸を主成
分とするパイナップルの皮部を含んだ搾汁が最も好まし
く使用される。以下、本発明においては、前記カルシウ
ムを溶解する有機酸または有機酸含有液体を、単に、
「カルシウム溶解液」とよぶことがある。
度が異なるが、溶解度の如何にかかわらず均一な溶液状
態を形成しており、これから水分のみを蒸発させること
によって、カルシウムと有機酸成分とが結合した状態の
水溶性の顆粒状粉末とすることができる。本発明におい
て、生成した水溶性カルシウム顆粒状粉末が、不快な味
や臭気が消滅するのは、水分のみを蒸発させる工程にお
いて、不快味や不快臭の成分も同時に飛ばされるためと
考えられる。
は、スプレードライヤによる噴霧を伴う顆粒状化手段を
採択する。この方法によれば、生成物がほぼ球形状の発
泡構造を有する顆粒状粉末が得られ、この粉末構造が水
溶性を著しく高めるものと推定される。
の上方から前記カルシウム溶解液を霧状に流下させ、上
方側面及び下方側面から吹き込まれる熱風によって水分
のみを蒸発させ、カルシウムと有機酸成分のみを瞬時に
顆粒状にする方式であり、その中間において、必要に応
じて、デキストリン、カルボキシメチルセルロースなど
のバインダー、またはアスコルビン酸や果糖などを随時
注加させてもよい。
大きくする上で効果的であり、注加する量も目的とする
生成物の粒径に合わせて適宜変更することができる。ち
なみに、バインダーを注加しない場合の生成物の粒径
は、0.005mmないし0.02mm程度であり、こ
れより大粒径のものを得たい場合に、前記バインダーを
注加させてやることによって、0.01mmないし2m
m程度の粒径を有する生成物が得られる。
たカルシウム溶解液は、果汁に含まれる糖分が適度のバ
インダーとして機能し、やや大きな粒径を有し、表面が
多孔性で、ほぼ球形状の顆粒状の粉末を形成することが
できる。スプレードライヤによって粒状化した有機酸含
有のカルシウム製剤は、形状がほぼ球形状の顆粒で、多
孔性構造を有することが特徴であり、この構造が、水に
対して速やかに、優れた溶解性を示す要因になる。
本発明の技術的思想を逸脱しない限りにおいて、この例
に制約されるものではない。
機で5cm×5cm程度の大きさに砕いたものを約8k
g用意した。また、ひじきを十分に洗浄したものを約5
kg用意した。次に、80cm×80cm×5cmの大
きさのチタントレーに前記粉砕した牡蠣殻およびひじき
をのせ、電気炉で950℃で1時間焼成した。焼成後の
牡蠣殻とひじきをコロイドミルで粉砕し、平均粒径が約
200メッシュの酸化カルシウムの白色粉末(試料1)
を得た。
同時に搾汁したもの)900重量部とを常温にて混和
し、次第に上温させていったところ、70℃近辺で完全
に溶解した。このカルシウム溶解液を75±5℃に保温
してろ過し、ろ液をスプレードライヤに供給して粒状化
し、平均粒径約7μの球形状顆粒粉末を得た。この粉末
は、口当たりのさわやかな酸味を有しており、水100
ccに対して3000mgまでは素早く溶解し、透明な
溶液を形成した。つまり、本発明の水溶性カルシウム粉
末の水溶液は、牛乳100ml中に含まれるカルシウム
の量100mgに比べて、実に30倍もの高濃度でカル
シウムを含有することができるものであり、しかも、カ
ルシウムの吸収性を妨げるリン、脂肪、たんぱく質が全
く含まれていないものであり、あらゆる食品及び飲料に
添加して、おいしくカルシウムを摂取することができる
画期的なものであることが理解されるであろう。
の条件でヒト骨量に対する影響を測定した。骨代謝して
影響を与える可能性のある代謝性疾患を持たない37才
から81才の男女成人32名をコントロールとし、同年
齢の成人に1日900mgの前記実施例1で得られたカ
ルシウム粉末を食事直後に3回に分けて経口的に服用さ
せ、両群について、3か月、6か月、12か月経過時
に、第2,3,4腰椎の骨密度をNorland社のx
R−26型二重エネルギーX線吸収測定装置によって測
定した。両群全員の平均値を表1に示した。
群では、3,6,12か月と時間の経過に伴って、2な
いし3%の骨量の現象があったのに対して、1日900
mgの本発明の水溶性カルシウム粉末を服用した群で
は、これとは逆に骨量の増加が認められた。
質として特定の方法によって製造された酸化カルシウム
を採択し、粉末化手段としてスプレードライヤによる方
法を採択することにより、有機酸成分とカルシウムが結
合した状態の高濃度のカルシウムを含有する水溶性カル
シウム粉末が提供され、この粉末は、牛乳の30倍の高
率で水に対するカルシウムを溶解可能にし、しかも、カ
ルシウムが本来有する不快な味や臭気を有さず、かつ、
有機酸が有する刺激臭までもがまろやかな酸味を有する
ものとなり、そのままでも、また、あらゆる食品や飲料
に添加しても経口服用ができるものであり、老人から子
供に至るまで、おいしさを楽しみながら、カルシウムの
補給ができる製剤である。
Claims (4)
- 【請求項1】 牡蠣殻および/または海藻を焼成するこ
とによって得られた酸化カルシウムを、有機酸ないし有
機酸含有液体に溶解した後、スプレードライヤによって
水分のみを蒸発させ、多孔性構造からなる顆粒状粉末と
したことを特徴とするカルシウムの水溶性粉末。 - 【請求項2】 有機酸含有液体が、パイナップル果汁で
ある請求項1記載の水溶性粉末。 - 【請求項3】 パイナップル果汁が、パイナップルの皮
部分を包含したパイナップルの搾汁である請求項2記載
の水溶性粉末。 - 【請求項4】 牡蠣殻および/または海藻を焼成するこ
とによって得られた酸化カルシウムを、有機酸ないし有
機酸含有液体に溶解した後、スプレードライヤによって
水分のみを蒸発させることを特徴とする多孔性構造から
なる顆粒状のカルシウムの水溶性粉末の製造方法。
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