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JP2935529B2 - 白血球分類方法および試薬 - Google Patents
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JP2935529B2 - 白血球分類方法および試薬 - Google Patents

白血球分類方法および試薬

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JP2935529B2 JP2050814A JP5081490A JP2935529B2 JP 2935529 B2 JP2935529 B2 JP 2935529B2 JP 2050814 A JP2050814 A JP 2050814A JP 5081490 A JP5081490 A JP 5081490A JP 2935529 B2 JP2935529 B2 JP 2935529B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、臨床検査分野における血液の分類測定法に
関するものであり、さらに詳しくは、血液中の白血球を
分類、識別、計数する方法および試薬に関するものであ
る。
(従来の技術) 健常人の末梢血液の白血球には、リンパ球,単球,好
中球,好酸球,好塩基球の種類がある。好中球,好酸
球,好塩基球をまとめて顆粒球と呼ぶ。これらは各々そ
の機能が異っており、血液中の白血球を種類別に計数す
ることによって、病気の診断に貢献することができる。
たとえば、好中球の増加は、炎症,心筋梗塞,白血病な
どにみられ、好中球の減少は、ウィルス性疾患,再生不
良性貧血,無顆粒球症などにみられる。好酸球の増加
は、寄生虫症,ホジキン病,アレルギー疾患などにみら
れる。単球の増加は感染症の回復期,単球性白血病など
にみられる。
上記、リンパ球,単球,好中球,好酸球,好塩基球は
いわゆる正常細胞と言われるものであるが、これらの他
に、ある種の血液疾患の場合の末梢血中には異常細胞が
出現することがある。たとえば、白血病などの患者の末
梢血液中には芽球が見られることがある。この異常細胞
にも種々あるが、その種類を分類し、各異常細胞集団の
細胞数を求めることも臨床上大きな意味のあることであ
る。
白血球を分類・計数するために従来から最も良く実施
されている方法は、血液像鑑定(視算法、用手法)と呼
ばれるものである。
この方法は、血液をスライドグラス上に塗抹し、血球
を固定し、さらに染色したのち、顕微鏡で観察し、一つ
ずつの白血球の形態的特徴(白血球の大きさ、核の形
態、細胞質の形態、顆粒の有無等)や染色度合から測定
者がいずれの血液であるかを判定し、分類・計数するも
のである。このとき、一般の検査室では100〜200個の白
血球を計数し、白血球全体の数の中に占める各々の血球
の百分率(%)を測定値としている。
この方法は、顕微鏡による観察の前に、血液の塗抹、
固定、染色等の煩雑な標本作成操作が必要であること
と、顕微鏡を用いた分類・計数は、血球のわずかな差を
見分けなければならないこととのために、測定者に大き
な負担をかけるものとなっている。さらに、計数する白
血球数が少ない上に、塗抹試料上の血球が不均一な分布
となっている場合もあり、熟練した測定者でも再現性の
ある測定値を出すことは難しい。
このために、白血球の分類・計数が自動的に行える方
法が強く求められており、現在のところ大きく分けて二
種類の方法が実現されている。
そのうちの一つの方法は、血球像をビデオカメラ等で
とらえ、コンピュータによる画像処理によって白血球を
分類するものである。この方法は従来の視算法に原理的
には近い方法であるが、コンピュータによる処理では分
類できない血球も多く、完全には視算法にとってかわる
ものとなっていない。また、装置が複雑で大型になり、
価格が高くなるという問題もある。
白血球を自動的に分類・計数するもう一つの方法は、
フローシステムを利用した方法である。この方法は、血
球を希釈液中に浮遊させた試料を用い血球が一個ずつ細
い検出器中を通過するようにこの試料を流し、このとき
検出器で発生する信号を分析することにより白血球を分
類するものである。このフローシステムを利用した方法
は、さらに、二つの方法を細分される。
第1の方法は、赤血球を溶解剤で破壊し、白血球のみ
が浮遊した電解液を細孔中に流し、血球が細孔を通過し
たときの細孔部のインピーダンス変化を検出し、検出信
号の大きさによって白血球を分類するものである。
このとき細孔部に高周波電流を印加しておき、血球が
細孔部を通過する際に細孔部で生ずる誘電率の変化を検
出する方法を特にRF法と呼んでおり、その基礎となる原
理は、日本特許第508789号および米国特許第3390326号
に開示されている。このRF法によれば、血球の大きさ情
報に加えて血球の構造および血球を構成する材料の性質
による情報も得ることができる。
一方、第1の方法において、細孔部に直流電流を印加
しておき、血球が細孔部を通過する際に細孔部で生ずる
導電率の変化を検出する方法を特にDC法と呼んでおり、
日本特許第217947号および米国特許第2656508号に開示
されている。このDC法においては、検出される信号の大
きさは、ほぼ血球の体積に比例している。
上記RF法とDC法とを組み合わせて、同一懸濁液中の異
なる種類の粒子の集団を分類する装置が日本特許第7858
59号および米国特許第3502974号に開示されている。し
かし、この特許においては、白血球の異なる種類の集団
を分類計数する可能性については何ら示されていない。
フローシステムを利用した第2の方法は、光源と、試
料中の細胞が一個ずつ細い流路を流れるようにしたフロ
ーセルと、細胞から発せられた光を検出する測光部と、
検出信号を解析する解析装置とを備えたフローサイトメ
ータを使用するものである。この方法では、血球を染色
し、染色された血球を光で照射し、そのとき血球から発
する蛍光および場合によっては散乱光を一緒に検出し、
検出信号の強度によって白血球を分類しようとするもの
である。
この第2の方法には、複雑な染色過程が必要であった
り、光学系を含んだ装置が複雑で高価なものとなる等の
実用上の問題がある。
一方、第1の方法に使用される細胞溶解剤としてはサ
ポニンや第4級アンモニウム塩等が公知であるが、サポ
ニンは溶血力が不安定であり、第4級アンモニウム塩は
溶血力が強すぎ白血球に大きな損傷を与えてしまうため
白血球をせいぜい3分類しかできない等の問題があっ
た。
本出願人は、国際特許出願PCT/JP88/00514において、
細胞溶解剤としてサポニンもしくは第4級アンモニウム
塩を使用せず、溶血力の安定したポリオキシエチレン系
ノニオンもしくはポリオキシエチレン系アニオン界面活
性剤を使用して赤血球を溶血させ、かつ、白血球を短時
間に適度に損傷させ、上述した第1の方法のRF法とDC法
とを組み合わせて分析することにより、正常白血球を5
分類する方法および異常細胞を分類する方法等を提供し
た。
一方、本出願人は特開昭63−134957号公報(欧州特許
出願公開259833号)において、酸性で低浸透圧の第1液
にて赤血球を溶血させ、第2液にて第1液の酸を中和さ
せ浸透圧を調整したのち、フローサイトメータで白血球
を測定し、白血球を分類する方法(上記第2の方法に属
する)を開示した。
また、特表平1−502931号公報(国際特許出願PCT/US
88/00762)には、同じく酸性で低浸透圧の第1液にて赤
血球を溶血させ、第2液にて第1液の酸を中和させ浸透
圧を調整したのち前述のRF法とDC法との組み合わせの測
定法にても白血球を分類・計数できる方法が開示されて
いる。
しかし、これら二つの方法のように酸性かつ低浸透圧
溶液で溶血させるのみでは赤血球のゴーストが充分に小
さくならない。その結果、RF法およびDC法を用いて測定
する場合、赤血球ゴーストとリンパ球の検出信号強度が
一部重なり、明瞭に弁別できない。また、これら二つの
方法では、いずれも試薬を2液構成とする必要があり、
自動血液分析装置として実現する場合に、装置構成が複
雑になるという問題もある。
(発明が解決しようとする課題) ところで、血液像鑑定による白血球分類のための塗抹
標本作製は、採血後4時間以内にしなければならないと
記されている(金原出版 臨床検査MOOK増刊1 検体検
査の前処理38頁)が、検査センター等一部の施設におい
ては、採血後長時間経過した後に行われることがある。
その場合、採血後の時間とともに白血球の損傷は大きく
なり、特に好中球,単球にそれが著しくみられる。した
がって、例えば採血後24時間経過した血液の白血球分類
値は採血後速やかに行った場合の白血球分類値とは大き
く異なる。
そこで、採血後長時間経過した血液においても正確な
白血球分類値が得られる方法が求められていた。
本発明は、細胞溶解剤としてサポニンもしくは第4級
アンモニウム塩を使用せず、溶血力の安定した細胞溶解
剤を使用して赤血球を溶血させ、かつ、白血球を短時間
に安定させ、さらに、赤血球ゴーストとリンパ球とを明
瞭に弁別できるようにし、RF法とDC法とを組み合わせて
白血球を分析することにより、正常白血球の5分類およ
び異常細胞の分類を実現し、さらに、採血後長時間経過
した血液においても正確な白血球分類値が得られる方法
およびそのための試薬を提供することを目的とする。
(課題を解決するための手段) 本発明は下記のような試薬及び該試薬を使用した白血
球分類方法を提供することにより上述の課題を解決し
た。
(1) 赤血球を溶解し、白血球に作用して白血球を分
類・計数可能とする白血球分類用試薬であって、 pHが1.5〜5.0、浸透圧が10〜120mOsm/kgであり、 一般式 R1−R2−(CH2CH2O)−H (ここで、R1−は炭素数12〜22のアルキルまたはアルケ
ニルまたはアルキニル基;−R2−は−O−, または−COO−;nは20〜100の整数) で表されるポリオキシエチレン系ノニオン界面活性剤を
含有することを特徴とする試薬。
(2) 上記(1)に記載の試薬を第1液とし、この第
1液と、第1液へ添加される第2液とからなり、第2液
添加後の液のpHが5.0〜12.0、浸透圧が150〜2000mOsm/k
gとなる試薬。
(3) 第2液に 一般式 R1−R2−(CH2CH2O)−H (ここで、R1−は炭素数12〜22のアルキルまたはアルケ
ニルまたはアルキニル基;−R2−は−O−, または−COO−;nは20〜100の整数) で表されるポリオキシエチレン系ノニオン界面活性剤を
含有する上記(2)に記載の試薬。
(4) 第2液に下記5つのグループからなる群から選
ばれる少なくとも1種の可溶化剤を含有する上記(2)
に記載の試薬。
第1グループの可溶化剤(尿素): 尿素 チオ尿素 1,1−ジメチルウレア エチレン尿素 メチルウレタン 1,3−ジメチル尿素 ウレタン(H2NCOOC2H5) 第2グループの可溶化剤: n−オクチルβ−D−グルコシド CHAPS(3−[(3−クロルアミドプロピル)ジメチル
アンモニオ]−1−プロパンスルホネート) CHAPSO(3−[(3−クロルアミドプロピル)ジメチル
アンモニオ]−2−ヒドラキシ−1−プロパンスルホネ
ート) MEGA8,9,10(オクタノイル−,ノナノイル−またはデカ
ノイル−N−メチルグルカミド) シュークロースモノカプレート N−ホルミルメチルロイシルアラニン 第3グループの可溶化剤(グアニジン類): チオシアン酸グアニジン グアニルグアニジン グアニジン塩酸塩 グアニジンロダン塩 グアニジン硝酸塩 1,1,3,3−テトラグアニジン グアニジン炭酸塩 グアニジンリン酸塩 グアニジン硫酸塩 第4グループの可溶化剤(胆汁酸塩): デオキシコール酸ナトリウム タウロコール酸 コール酸 第5グループの可溶化剤(ハロゲン置換酢酸): トリクロロ酢酸ナトリウム トリブロモ酢酸ナトリウム ジクロロ酢酸ナトリウム ジブロモ酢酸ナトリウム モノクロロ酢酸ナトリウム モノブロモ酢酸ナトリウム (5) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載の試薬を
使用し、RF法およびDC法なる粒子分析方法により白血球
を少なくともリンパ球,単球,顆粒球の3つに分類する
方法。
(6) 上記(1)〜(4)のいずれかに記載の試薬を
使用し、RF法およびDC法なる粒子分析方法により異常細
胞を検出する方法。
低浸透圧溶液中で赤血球が溶血することは、周知のこ
とであるが、本発明は低浸透圧(10〜120mOsm/kg),酸
性条件下で、かつ、ノニオン界面活性剤を含有する溶液
中にて、赤血球を溶血させることを特徴とする。
仮にこの溶液を中性にした場合、白血球への損傷が大
きくなりすぎ、また、赤血球ゴーストが充分に小さくな
らない。仮にこの溶液をアルカリ性とした場合も同様に
白血球への損傷が大きすぎる。したがって、酸性条件下
で赤血球を溶血させることが本発明にとって必須であ
る。
前述の通り、酸性かつ低浸透圧溶液中で溶血させるの
みでは赤血球のゴーストは充分に小さくならない。
(実施例) 以下に本発明を説明するために実施例を示す。
参考例 塩化カリウム/塩酸緩衝剤にて溶液のpHを2.0に保
ち、浸透圧を80mOsm/kgに調整した試薬を使用して赤血
球を溶血させ、白血球を測定した。この結果を第6図に
示す。第6図に示す二次元分布図の横軸はDC法で測定し
たときの相対信号強度を表し、縦軸はRF法で測定したと
きの相対信号強度を表す。第6図中の各点は、それぞれ
のDC信号強度とRF信号強度とを示した各細胞に対応して
いる。図中の符号aないしdは次の意味を有する。
a:顆粒球 b:単球 c:リンパ球 d:赤血球ゴースト なお、他の図面における縦軸,横軸,符号の意味は第
6図と同じであるので以下説明を繰り返えさない。
第6図は採血直後の血液を測定した場合の結果である
が、赤血球ゴーストdとリンパ球cとの分布の重なりが
あり、顆粒球a,単球b,リンパ球cの各分布間の分離も悪
い。
第7図は第6図と同様の試薬条件下で採血後24時間経
過した血液を測定したときの結果であるが、各白血球種
の分布が一層判りにくくなっている。
実施例1 本発明の請求項(1)に記載の試薬を用いて採血直後
の血液を測定したときの結果を第1図に示す。溶液のpH
は2.0、浸透圧は80mOsm/kgであり、ポリオキシエチレン
系ノニオン界面活性剤として を1.5g/使用した。赤血球ゴーストdとリンパ球cと
の分布には重なりがなく明瞭にわかれており、顆粒球a,
単球b,リンパ球cの各分布間の分離も良好である。
実施例2 第1図のときと同じ試薬を用いて採血後24時間経過し
た血液を測定したときの結果を第2図に示す。各白血球
種の分布および赤血球ゴーストの分布は互いに良く分離
されている。
このように、本発明の請求項(1)に記載の試薬を用
いれば赤血球ゴーストを充分に小さくさせ、かつ、採血
後長時間経過した血液を測定したときでも安定に白血球
を分類・計数できることが示された。
ところで、ポリオキシエチレン系ノニオン界面活性剤
としてエマルジット9の代わりに、 アクチノールL10(C12H25−O−(CH2CH2O)10−H;松本
油脂製薬株式会社) を用いて、第1図の測定のときと同一の血液を測定した
結果を第8図に示す。このときは、赤血球のみならず白
血球も強く損傷を受け細胞が殆ど破壊されてしまったか
著しく収縮されてしまったため、白血球の分類・計数は
不可能となっている。ポリオキシエチレンの付加モル数
nが小さいほど溶血力は強くなることが知られており、
上記アクチノールL10の場合にはnが10であるため白血
球も破壊もしくは収縮されてしまったのである。反対に
ポリオキシエチレンの付加モル数nが大きいほど溶血力
は弱くなり、あるいは溶血力が無くなる。溶血力が弱い
ので白血球への損傷も非常に小さくなり、採血後長時間
経過した血液を測定したときでも安定に白血球の分類・
計数が可能となる。
一方、溶血力が弱いと赤血球ゴーストが充分に小さく
ならず赤血球ゴーストとリンパ球との弁別が悪くなると
いう問題が生じかねない。しかし、驚くべきことに、本
発明の請求項(1)に記載されるようにポリオキシエチ
レンの付加モル数nが20〜100であるノニオン界面活性
剤を使用すれば、白血球には大きすぎる損傷を与えると
なく赤血球のゴーストは充分に小さくできることを本発
明者は見い出したのである。
また、本発明者は、この界面活性剤は白血球膜に対す
る保護作用を有し、かつ、白血球の3つの集団:顆粒a,
単球b,リンパ球cを二次元分布上で明瞭に分ける作用を
有することをも見い出した。白血球膜に対する保護作用
を示す一例を上げる。酸性かつ低浸透圧の溶液で溶血さ
せた場合、白血球は5分程度で損傷を受け収縮してしま
うが、ポリオキシエチレンの付加モル数nが20〜100で
あるノニオン界面活性剤を添加した場合には白血球は20
分経過しても収縮しない。
以上の例に示したように請求項(1)に記載の発明は
基本的に1液の構成で実施することができる。1液構成
の方が、従来例のいくつかにある2液構成のものより
も、自動血液分析装置へ適用する際に装置構成が簡単に
なり、装置のコストが安くできるというメリットがあ
る。
しかし、本発明は1液構成の試薬にのみ限定されるも
のではない。次に、本発明の試薬を2液構成とした請求
項(2)〜(4)に記載の試薬について述べる。
2液構成の試薬の第1液は、請求項(1)に記載の試
薬と同じものであり、第1液を血液と反応させることに
より、前述の通り、赤血球は酸性低張溶血され、白血球
は損傷を受ける。第2液は、この第1液と血液とが反応
した溶液に添加されるものであり、第2液の添加によっ
て溶液は中性付近(pH5.0〜12.0)に、かつ、浸透圧は
等浸透圧ないし高浸透圧(150〜2000mOsm/kg)に調整さ
れる。このように第2液は基本的に溶液のpHおよび浸透
圧を調整する作用をするものである。このようにする
と、リンパ球,単球,顆粒球の各集団の分離が一層改善
され、二次元分布をコンピュータ等で解析し、各集団へ
分画する処理がやりやすくなる。
なお、第2液に、請求項(3)に記載したポリオキシ
エチレン系ノニオン界面活性剤または請求項(4)に記
載した可溶化剤を含有させると、上記集団の分離がさら
に改善される。
実施例3 以下に、2液反応の実施例を詳細に述べる。
第1液の調整 塩化カリウム/塩酸緩衝剤にて溶液のpHを2.0に保
ち、浸透圧を80mOsm/kgに調整した溶液1に、エマル
ジット9を1.5g添加する。
第2液の調整 ホルマリン100gにリン酸一ナトリウム/リン酸二ナト
リウム緩衝剤2を加え、pHを7.5に浸透圧を1100mOms/
kgに調整後、防腐剤であるβ−フェネチルアルコール2.
5g,抗酸化剤であるトリエタノールアミン10g,赤血球ゴ
ースト収縮剤(ポリオキシエチレン系ノニオン界面活性
剤)であるエマルゲン420(CH3(CH27CH=CH(CH2
−O−(CH2CH2O)13H花王株式会社)0.025gを加え
る。
反応条件 第1液5mlに血液60μを添加し、33℃で30秒間反応
させる。
次に、第2液10mlを添加し、33℃で30秒間反応させ
る。
二段階の反応後の、血球の二次元分布図を第3図に示
す。符号gは血小板凝集の集団を表す。第3図に示され
る通り、赤血球ゴーストdは充分に小さくなっており、
顆粒球a,単球b,リンパ球cの分離も非常に良い。
第3図は採血直後の血液を測定したときの結果を示す
ものであるが、第4図は同じ血液を採血後24時間経過し
たときに上記と同じ手順で測定したときの結果を示すも
のである。このように、採血後24時間経過した血液を測
定しても、第3図と同様な二次元分布が得られており、
本発明の試薬が採血後長時間経過した血液をも安定に
(白血球を安定化させて)測定できることを示してい
る。
上記手順にて白血球を3分画し、さらに、PCT/JP88/0
0514に記載されたように、好酸球測定用試料および好塩
基球測定用試料を作製して好酸球数および好塩基球数を
求めると、白血球をリンパ球,単球,好中球,好酸球,
好塩基球の5つに分類して計数することができ、各白血
球種の個数および比率が求められる。この方法で20検体
の血液を測定し、これを1検体につき200個細胞を観察
した場合の視算法と比較したときの、5種の白血球比率
についての相関計数を第1表に示す。
第1表 リンパ球 0.987 単球 0.900 好中球 0.985 好酸球 0.979 好塩基球 0.525 同じく上記手順にて急性骨髄性白血病(AML)患者の
血液を測定したときの二次元分布を第5図に示す。符号
eは白血病細胞を、符号fは有核赤血球を表す。白血病
細胞等の異常細胞が、第3図や第4図には存在していな
い位置に出現していることがわかる。このように本発明
によれば正常白血球細胞のみならず異常細胞も検出する
ことができる。
(発明の効果) 本発明の試薬および方法によれば、溶血力の安定した
細胞溶解剤を使用して赤血球を溶血させ、かつ、白血球
を短時間に安定させ、さらに、赤血球ゴーストとリンパ
球とを明瞭に弁別できるようにすることができ、RF法と
DC法とを組み合わせて白血球を分析することにより、正
常白血球の5分類および異常細胞の分類が実現でき、さ
らに、採血後長時間経過した血液においても正確な白血
球分類値が得られるという効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
第1図は1液構成の試薬による実施例における採血直後
の血液の測定結果を示す分布図である。 第2図は1液構成の試薬による実施例における採血後24
時間経過後の血液の測定結果を示す分布図である。 第3図は2液構成の試薬による実施例における採血直後
の血液の測定結果を示す分布図である。 第4図は2液構成の試薬による実施例における採血後24
時間経過後の血液の測定結果を示す分布図である。 第5図は2液構成の試薬による実施例における急性骨髄
性白血病(AML)患者の血液の測定結果を示す分布図で
ある。 第6図および第7図は血液を単に酸性低張溶血させた試
料の測定結果を参考として示す分布図であり、第6図は
採血直後の血液を、第7図は採血後24時間経過後の血液
を測定した場合の結果を示す。 第8図はポリオキシエチレンの付加モル数nが本発明の
範囲より小さい場合(すなわちn=10)の測定結果を参
考として示す分布図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特表 平1−502931(JP,A) 国際公開88/9504(WO,A1) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) G01N 33/48 - 33/52 G01N 33/58 - 33/98

Claims (5)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】赤血球を溶解し、白血球に作用して白血球
    を少なくともリンパ球、単球、顆粒球の3つに分類、計
    数可能とする白血球分類用試薬であって、 (1) pHが1.5〜5.0、浸透圧が10〜120mOsm/kgであ
    り、 一般式 R1−R2−(CH2CH2O)−H (ここで、R1−は炭素数9〜22のアルキルまたはアルケ
    ニルまたはアルキニル基;−R2−は−O−、 または−COO−;nは20〜100の整数) で表されるポリオキシエチレン系ノニオン界面活性剤を
    含有することを特徴とする第1液、および (2) 第1液へ添加される第2液であって、第2液添
    加後の液のpHを5.0〜12.0、浸透圧を150〜2000mOsm/kg
    とする第2液、 からなる試薬。
  2. 【請求項2】第2液に 一般式 R1−R2−(CH2CH2O)−H (ここで、R1−は炭素数12〜22のアルキルまたはアルケ
    ニルまたはアルキニル基;−R2−は−O−、 または−COO−;nは20〜100の整数) で表されるポリオキシエチレン系ノニオン界面活性剤を
    含有する請求項1に記載の試薬。
  3. 【請求項3】第2液に下記5つのグループからなる群か
    ら選ばれる少なくとも1種の可溶化剤を含有する請求項
    1に記載の試薬。 第1グループの可溶化剤(尿素): 尿素 チオ尿素 1,1−ジメチルウレア エチレン尿素 メチルウレタン 1.3−ジメチル尿素 ウレタン(H2NCOOC2H5) 第2グループの可溶化剤: n−オクチルβ−D−グルコシド CHAPS(3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチル
    アンモニオ]−1−プロパンスルホネート) CHAPSO(3−[(3−コールアミドプロピル)ジメチル
    アンモニオ]−2−ヒドラキシ−1−プロパンスルホネ
    ート) MEGA8,9,10(オクタノイル−,ノナノイル−またはデカ
    ノイル−N−メチルグルカミド) シュークロースモノカプレート N−ホルミルメチルロイシルアラニン 第3グループの可溶化剤(グアニジン類): チオシアン酸グアニジン グアニルグアニジン グアニジン塩酸塩 グアニジンロダン塩 グアニジン硝酸塩 1,1,3,3−テトラグアニジン グアニジン炭酸塩 グアニジンリン酸塩 グアニジン硫酸塩 第4グループの可溶化剤(胆汁酸塩): デオキシコール酸ナトリウム タウロコール酸 コール酸 第5グループの可溶化剤(ハロゲン置換酢酸): トリクロロ酢酸ナトリウム トリブロモ酢酸ナトリウム ジクロロ酢酸ナトリウム ジブロモ酢酸ナトリウム モノクロロ酢酸ナトリウム モノブロモ酢酸ナトリウム
  4. 【請求項4】請求項1〜3のいずれかに記載の試薬を使
    用し、RF法およびDC法なる粒子分析方法により白血球を
    少なくともリンパ球、単球、顆粒球の3つに分類する方
    法。
  5. 【請求項5】請求項1〜3のいずれかに記載の試薬を使
    用し、RF法およびDC法なる粒子分析方法により異常細胞
    を検出する方法。
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