JP2944445B2 - 高温塑性加工用潤滑剤及び高温塑性加工方法 - Google Patents
高温塑性加工用潤滑剤及び高温塑性加工方法Info
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際し、工具表面への鋼材の焼付や、工具表面の摩耗、肌
荒れ等を防止することのできる高温塑性加工用潤滑剤及
びこれを使用した高温塑性加工方法に関するものであ
る。
高温塑性加工では工具の保護の為、高温塑性加工用潤滑
剤が使用され効果をおさめている。この高温塑性加工用
潤滑剤としては、高温で潤滑効果のある黒鉛、水ガラ
ス、窒化ホウ素、雲母、二硫化モリブデン、酸化鉄、炭
酸カルシウム、フッ素化黒鉛、金属石ケンなどの固体潤
滑剤;硫化油脂、亜鉛ジアルキルジチオホスフェート、
リン酸エステルなどの極圧潤滑剤;鉱油、油脂、合成エ
ステル、アルコールなどの油性向上剤;メタクリレート
コポリマーやブチレンブタジエン共重合体などの付着性
向上剤兼流動点降下剤等の少なくとも1種、或いはこれ
に必要により、ジターシャリブチルクレゾールやアルフ
ァナフチルアミンなどの酸化防止剤を加えたものが一般
に使用されている。
は、鋼材の温度は、800〜1100℃の高温に達す
る。この様な温度で、上記の極圧添加剤や、油性向上剤
を潤滑剤として使用した場合には、酸化や熱分解が起こ
り、潤滑面で十分な効果を発揮させることができない。
この為、高温塑性加工では低温での塑性加工に比べ、潤
滑面に対し多量の給油が行われているが、十分な効果を
得ることが難しい。そこで800℃以上の高温において
も分解しにくい黒鉛や酸化鉄などの固体潤滑剤が、高温
塑性加工用潤滑剤として使用され、十分な効果を発揮し
ている。しかし、黒鉛や酸化鉄などの固体潤滑剤は以下
の二つの短所を有する。
形物粒子によって構成されているため、潤滑剤として用
いる場合、液体中に分散しなければならない。ところ
が、これらの固形物粒子は密度が大きいため、分散状態
で長時間保管した場合には液体から分離沈降してしま
う。従って、黒鉛や酸化鉄などの固体潤滑剤を配合した
液状潤滑剤は長期保存ができず、定期的に攪拌して分離
した固体潤滑剤を液中に再分散させる事が必要となる。
しかし、固体潤滑剤の中には、粒子の二次凝集等が生じ
再分散が難しい物もある。この場合、潤滑剤の性能低下
や、再分散しきれない固体潤滑剤が、ストレーナーや給
油弁等に詰まり現象を起こすことがある。このような問
題を解決するため、液体に固体潤滑剤を分散させる際に
は、分散剤の添加や固体潤滑剤粒子の表面の安定化処理
等が行われている。しかし、いずれも、高価であり、か
つ製造に当たり煩雑な工程が必要となる。又、固体潤滑
剤粒子の分離沈降を防止するために潤滑剤の粘度を高く
すると、一般的な低粘度の液状潤滑剤を給油する設備で
は適用が難しくなり、新たに高粘度潤滑剤用の給油設備
を用意しなければならない。
などの固体潤滑剤は黒色であり、これを配合した潤滑剤
は給油場所を著しく汚染するという問題がある。白色系
の固体潤滑剤も存在するが、潤滑性が良好なフッ素化黒
鉛や窒化ホウ素は著しく高価である。白色で安価な固体
潤滑剤としては、炭酸カルシウムや雲母などがあるが、
潤滑性が不十分である。従って、高温塑性加工用潤滑剤
には、黒色で周囲を汚染するという問題はあるものの、
安価で潤滑性の良好な黒鉛、酸化鉄、二硫化モリブデン
などが用いられているのが現状である。
マーを1〜5重量%溶解した水溶液または基グリース
に、酸化鉄粉末と炭酸カルシウム粉末を添加分散して成
り、酸化鉄粉末の含有量が3〜30重量%、炭酸カルシ
ウム粉末の含有量が0.13〜18.8重量%であることを
特徴とする高温塑性加工用潤滑剤を開発した(特開平6
−234991号)。この高温塑性加工用潤滑剤は、9
00℃以上でステンレス鋼を圧延した場合のロール表面
に対する圧延材料の焼付防止について、満足すべき性能
を有している。しかし、この潤滑剤は、黒色であるこ
と、かつ、NLGIちょう度が、No.00以上あるい
は、粘度が3000センチポイズ以上と高いことから、
透明液状で給油個所を汚染せず、かつ、従来より使用さ
れている一般的な液状潤滑油給油設備で給油できる高温
塑性加工用潤滑剤という目的を達成できない。
は、800℃から1100℃の領域で行われる高温塑性
加工において、工具の摩耗や、肌荒れの抑制に効果があ
り、透明液状で給油個所を汚染することがなく、かつ安
価である、高温塑性加工用潤滑剤、及びこの潤滑剤を用
いた高温塑性加工方法を提供することである。
性アルカリ土類金属サリシレートを含有する800 ℃〜11
00℃の領域で行われる高温塑性加工用潤滑剤により達成
される。本発明の高温塑性加工用潤滑剤組成物は、高塩
基性アルカリ土類サリシレート単独であってもよいし、
高塩基性アルカリ土類サリシレートに鉱油及びエステル
の少なくとも1種を加えたものであってもよい。本発明
の好ましい実施態様では、高塩基性アルカリ土類金属サ
リシレート3〜90重量%と鉱油及びエステルからなる
群から選択される少なくとも1種10〜97重量%から
なる高温塑性加工用潤滑剤が提供される。また本発明に
使用される高塩基性アルカリ土類金属サリシレートは、
塩基価が40以上、好ましくは100以上、さらに好ま
しくは150以上のものが適当である。
カリ土類サリシレートの具体例としては、高塩基性カル
シウムサリシレート、高塩基性マグネシウムサリシレー
ト、高塩基性バリウムサリシレートが挙げられる。いず
れを用いても同様の効果を得ることができる。従って、
以下この明細書においては高塩基性カルシウムサリシレ
ートについて説明するが、本発明はこれに限定されるも
のではない。本発明に使用される高塩基性カルシウムサ
リシレートは公知物質である。例えば、市販品として
は、オスカ化学社のOSCA431、OSCA453、
OSCA435、OSCA438;シェル化学社のSA
P005Caサリチレートなどが挙げられる。高塩基性
カルシウムサリシレートは、例えば、所定の溶媒(例え
ば、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、メタノー
ル、エタノール等のアルコール系溶媒、鉱油)にアルキ
ルサリチル酸の中性カルシウム塩を溶解し、次いで、こ
の溶液に高塩基性カルシウムサリシレートとして要求さ
れる塩基価に相当する水酸化カルシウムを添加し、混合
する。その後、添加した水酸化カルシウムを炭酸化する
のに十分な過剰の二酸化炭素ガスを通じた後、活性白土
等の濾過助剤を添加して濾過し、濾液を減圧蒸留して揮
発性の溶媒を除去することにより製造することができ
る。この方法で製造された高塩基性カルシウムサリシレ
ートは、炭酸カルシウムを安定に分散している透明な液
体であり、固体潤滑剤に比べ従来から使用している液状
圧延油用給油設備で適用可能である。また高塩基性カル
シウムサリシレートは、鉱油またはエステルに任意に溶
解させることが可能である。炭酸カルシウムは公知の固
体潤滑剤であり、白色であるため、給油時に環境を汚染
することがないという長所を持つ。
リシレートのうち、以下の式で表されるものは特に好ま
しい。 [ R1R2C6H3(OH)-COOCaOOC-C6H3(OH)R1R2]n・(CaCO3)m 式中R1は炭素数5〜28ののアルキル基又は炭素数6〜
30のアリール基を示し、R2は水素原子、炭素数1〜2
8のアルキル基又は炭素数6〜30のアリール基を示
す。本発明の潤滑剤は、高塩基性カルシウムサリシレー
トを3重量%以上含有していることが好ましい。含有量
が3重量%以下の場合、十分な潤滑性が発揮できなくな
る。
シレートは、塩基価に換算して40以上、好ましくは1
00以上、さらに好ましくは150以上のCaCO3 を
含有していることが好ましい。塩基価とは、試料1g中
に含まれる全塩基成分を中和するのに要する塩酸と当量
の水酸化カリウムのmg数をいう。この塩基価は、JI
SK2501において、全塩基価として規定されてい
る。従って、高塩基性カルシウムサリシレートは、塩基
成分であるCaCO3 を多く含有する程、塩基価が高く
なる。本発明の高塩基性カルシウムサリシレートの塩基
価が40未満の場合は、十分な潤滑性が得られなくな
る。
ずれもロールと圧延材の間に潤滑膜を形成し、摩擦係数
を下げ、工具の肌荒れや焼付を抑制する働きがある。
又、高塩基性カルシウムサリシレート単体の粘度が高
く、一般的な液状潤滑剤給油設備の潤滑剤ポンプで給油
する事が不可能な場合、比較的粘度の低い鉱油またはエ
ステルあるいは鉱油とエステルの混合物を加えることに
よって、潤滑剤ポンプで給油が可能な粘度に調整するこ
とが可能となる。鉱油としては、スピンドル油、マシン
油、モーター油の様な比較的粘度の低いものが好まし
い。エステルとしては2−エチルヘキサノール、グリセ
リン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスルトール
等のアルコール中のOH基の少なくとも1個を炭素数4
〜22のカルボン酸によってエステル化した、比較的粘
度の低いものが好ましい。この摩擦係数低下効果及び、
粘度調整効果を十分に発揮させるには、鉱油またはエス
テルあるいは鉱油とエステルの混合物を10重量%以上
含有させることが好ましい。
のみではなく、摩擦係数を下げ、且つ、比較的粘度が低
い極圧剤(例えば、トリブチルホスフェート)やアルコ
ール(例えば、オレイルアルコール)等を加えることに
よっても同様の効果を達成できる。又、従来の高温塑性
加工用潤滑剤に使用されている付着性向上剤や、流動点
降下剤、酸化安定剤なども加えることができる。本発明
の潤滑剤は、固有粘度が40℃で1000mm2/s 以下で
あることが好ましい。潤滑剤の粘度が40℃で1000
mm2/s 以下の場合、一般的に潤滑剤ポンプとして使用さ
れる、ギヤー方式や、プランジャー方式のポンプによっ
て、工具と鋼材の双方あるいは、片方にエアースプレー
や、ウオーターインジェクション方式によって給油する
ことができる。また、ポンプを使用することなく、直接
被適用面に塗布してもよい。
有しない透明液状で低粘度の潤滑剤であり、一般的な液
状潤滑油給油設備で給油可能である。そして、800℃
から1100℃の領域で行われる高温塑性加工において
工具の摩耗や、肌あれの抑制に効果があり、環境を汚染
することがない。
基性カルシウムサリシレート、鉱油、エステルを、表1
に示す重量比率で投入し、50〜80℃にて均一となる
まで30〜60分間撹拌し、潤滑剤を製造した。この潤
滑剤を、2重式熱間圧延機のロール表面に、液状潤滑油
用給油ポンプを用いたウオーターインジェクション方式
による潤滑剤給油設備を用いて、以下に示す熱間圧延条
件及び潤滑剤給油量で、給油した。尚、潤滑油の粘度が
高く液状潤滑油用給油ポンプで給油できない比較例の場
合については、直接ロール表面に潤滑剤を手塗りして潤
滑性を評価した。この場合、ウオーターインジェクショ
ン方式の給油設備からは、希釈水のみを噴射して、ロー
ル表面の温度が液状潤滑油を給油した場合と同じになる
ように調整した。ロール水切り板は、希釈水が圧延材に
直接付着して圧延材の温度が低下するのを防止するため
のものである。結果を表1〜表3に示す。
基価60 (商品名OSCA431) (2) 高塩基性カルシウムサリシレート 塩基価180 (商
品名OSCA453) (3) 高塩基性カルシウムサリシレート 塩基価230 (商
品名OSCA435) (4) 高塩基性カルシウムサリシレート 塩基価320 (商
品名OSCA438) (5) 精製鉱油ISO VG5 (6) トリメチロールプロパントリオレート (7) 四三酸化鉄粒子(粒径0.5〜1μm) (8) 重質炭酸カルシウム粒子(粒径10〜20μm) (9) 水 (10) アルギン酸ナトリウム (11) 鉱油ベースリチウム石ケングリース
同油脂社製キュードールHR20) 比較例6:潤滑剤なし 粘度:40℃, mm2/s (但し比較例1〜3はNLGIちょう度
番号、比較例4は25℃におけるcp) 給油性:液状油用潤滑剤ポンプによる給油の可否 汚染:使用時の設備周囲の汚染の有無 潤滑性の評価:熱間圧延試験終了後、ロールの摩耗及び
肌荒れ状態を観察し、以下の5段階で評価した。 A:全く認められない B:ほとんど認められない C:やや認められる D:認められる E:顕著に認められる
Claims (6)
- 【請求項1】 高塩基性アルカリ土類金属サリシレート
を含有する800 ℃〜1100℃の領域で行われる高温塑性加
工用潤滑剤。 - 【請求項2】 鉱油及びエステルからなる群から選択さ
れる少なくとも1種を含有する請求項1記載の高温塑性
加工用潤滑剤。 - 【請求項3】 高塩基性アルカリ土類金属サリシレート
3〜90重量%と鉱油及びエステルからなる群から選択
される少なくとも1種10〜97重量%からなる請求項
2記載の高温塑性加工用潤滑剤。 - 【請求項4】 高塩基性アルカリ土類金属サリシレート
の塩基価が100以上である請求項1又は2又は3記載
の高温塑性加工用潤滑剤。 - 【請求項5】 粘度が40℃において1000mm2/s
以下である請求項1ないし4のいずれか1項記載の高温
塑性加工用潤滑剤。 - 【請求項6】 鋼材の高温塑性加工において、工具表面
に請求項1〜5のいずれか1項に記載の高温塑性加工用
潤滑剤を工具に給油後、800 ℃〜1100℃の領域で塑性加
工を行うことを特徴とする鋼材の高温塑性加工方法。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP355595A JP2944445B2 (ja) | 1995-01-12 | 1995-01-12 | 高温塑性加工用潤滑剤及び高温塑性加工方法 |
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| JP355595A JP2944445B2 (ja) | 1995-01-12 | 1995-01-12 | 高温塑性加工用潤滑剤及び高温塑性加工方法 |
Publications (2)
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| JPH08188789A JPH08188789A (ja) | 1996-07-23 |
| JP2944445B2 true JP2944445B2 (ja) | 1999-09-06 |
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| JP355595A Expired - Fee Related JP2944445B2 (ja) | 1995-01-12 | 1995-01-12 | 高温塑性加工用潤滑剤及び高温塑性加工方法 |
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| CN102827668B (zh) * | 2012-09-27 | 2013-10-16 | 河南大学 | 高碱值碱式碳酸锌润滑油添加剂的合成方法 |
| CN114317083B (zh) * | 2021-12-31 | 2022-09-13 | 上海恩坤工业技术有限公司 | 一种润滑组合物、制备方法及润滑方法 |
-
1995
- 1995-01-12 JP JP355595A patent/JP2944445B2/ja not_active Expired - Fee Related
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