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JP2952012B2 - エッチング性に優れたFe―Ni系合金 - Google Patents
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JP2952012B2 - エッチング性に優れたFe―Ni系合金 - Google Patents

エッチング性に優れたFe―Ni系合金

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JP2952012B2
JP2952012B2 JP20545790A JP20545790A JP2952012B2 JP 2952012 B2 JP2952012 B2 JP 2952012B2 JP 20545790 A JP20545790 A JP 20545790A JP 20545790 A JP20545790 A JP 20545790A JP 2952012 B2 JP2952012 B2 JP 2952012B2
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Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、高精度のエッチングが要求されるシャドウ
マスク材およびリードフレーム材に用いられるエッチン
グ性に優れたFe−Ni系合金およびこれを用いたシャドウ
マスクならびにリードフレームに関するものである。
[従来の技術] 本発明が対象とするFe−Ni系合金は、カラー受像管用
シャドウマスクに用いられる36%Ni−Fe合金に代表され
るアンバー合金や、ICリードフレームに用いられる42%
Ni−Fe合金、50%Ni−Fe合金、29%Ni−27%Co−Fe合金
等を意味する。
近年、カラー受像管においては高精細化が進みシャド
ウマスクのエッチングによる穿孔のピッチが小さいシャ
ドウマスクが必要となってきている。
また、ICリードフレームは集積回路素子の高集積化に
伴って非常に多ピンとなり、複雑化してきている。最近
では、従来64ピンクラスが主体であったエッチング加工
も160〜240ピン、さらには240ピン以上のクラスの超多
ピンのものまで採用されるようになってきている。
このような用途に用いられるFe−Ni系合金には特に高
精度のエッチング性が要求される。
Fe−Ni系合金のエッチング性は、重要な技術課題とし
て従来から注目されており、例えば特開昭61−82453号
公報には炭素含有量を0.01%以下に規制すること、ま
た、特開昭61−84356号公報にはさらに非金属介在物を
規制することによりエッチング性を改善できることが開
示されている。
また、特開昭63−128120号公報には、Fe−Ni系合金シ
ャドウマスク用金属合金薄板の製造工程中に行われる歪
み取り焼鈍を水素95%以上の雰囲気で行うことによって
薄板表面に窒化層が形成されるのを防ぐことにより、あ
るいは特開昭63−128185号公報には焼鈍時に薄板表面に
形成された酸化層あるいは窒化層を酸洗い等により除去
することによりエッチング性を改善できることが記載さ
れている。
しかし、高精細シャドウマスクおよび240ピンクラス
の超多ピンリードフレームのエッチング加工においては
より一層エッチング性の良好な合金が要望されているの
が現状である。
[発明が解決しようとする課題] 例えば、超高精細シャドウマスクでは、エッチング加
工によって形成される孔の部分に1μm程度の寸法誤差
が生じても、目視でムラとなって確認され、不良とな
る。
また、超多ピンリードフレームではエッチング性の不
良により寸法精度が得られず、インナーリード同士が接
触する等の問題が発生している。
本発明の目的は、エッチング性をさらに向上したFe−
Ni系合金およびこれを用いたシャドウマスクならびにリ
ードフレームを提供することである。
[課題を解決するための手段] 本発明者がFe−Ni系合金の合金組成分布について横断
面、縦断面で詳細に検討したところ、リードフレームや
シャドウマスクに使用されるFe−Ni合金薄板は表層部に
不純物が濃縮し、表面が汚染されていることがわかっ
た。
このような不純物が合金の表層部に存在するとエッチ
ングに対する合金の腐食抵抗が変化し、初期のエッチン
グ速度を低下させるとともに、合金とレジストとの密着
性も悪くなるため、合金とレジストの界面へのエッチン
グ液の侵入が容易となり、横方向へのエッチングの進
行、いわゆるサイドエッチンが大きくなって、エッチン
グにおける加工精度が劣化することを見いだした。
さらに、エッチング性とこの合金表面の汚染について
検討したところ特に表層部に濃縮された炭素の濃度を下
げることによって、エッチング性を極めて良好のものに
することができることを見いだした。
すなわち、本発明の合金はNi 30〜60重量%、Si 0.25
重量%以下、Mn 0.5重量%以下、残部Feおよび不純物か
らなり、エッチングされる表面より10Åの深さにおける
不純物である炭素の濃度が20原子%以下であることを特
徴とするエッチング性に優れたFe−Ni系合金、 あるいはNi 25〜40重量%、Co 5〜20重量%、Si 0.25
重量%以下、Mn 0.5重量%以下、残部Feおよび不純物か
らなり、エッチングされる表面より10Åの深さにおける
不純物である炭素の濃度が20原子%以下であることを特
徴とするエッチング性に優れたFe−Ni系合金である。
ここで、10Åの深さの元素の濃度はスパッタリングに
より10Åだけ表面を除去して、X線光電子分光分析法
(ESCA)によって分析することにより求めることができ
る。
また、極表層の炭素の濃度を下げるとともに、酸素あ
るいはS,Cl,P,B等の他の不純物全体の濃度を下げること
もエッチング性を改善するのに効果がある。
そこで本発明の合金はさらに酸素および炭素,酸素以
外の不純物の全体濃度は表面から10Åの濃度でそれぞれ
20原子%以下および5原子%以下が望ましい。
[作用] 本発明において、表面から10Åの炭素の濃度を20原子
%以下に規定したのは、表面から10Åの炭素の濃度が20
原子%を超えると、エッチング性が著しく劣化するため
である。
実際、表面の炭素の汚染状況はESCAによる最表面(す
なわち10Å未満の深さ)の分析では、正確には評価でき
ない。しかし、表面をスパッタリングによって10Å除去
した面で分析を行うと、その炭素濃度とエッチング性が
明確に相関する。
なお、スパッタリングによる表面除去をさらに進め
て、最表面から約30Å入った面での測定では、合金全体
の組成とほとんど変わらず、汚染の範囲は、高々表面よ
り30Å程度であることが推測できた。すなわち不純物の
汚染は、最表面の深さが約3Åから始まり、25Å程度ま
でつづくのであるが、10Åの深さでの炭素濃度が最もエ
ッチング性と相関があるので、本発明は10Å深さでの不
純物濃度を規定する。
このような表面の炭素の濃縮は、主にFe−Ni合金製造
工程中または梱包の際に付着した油類に由来するものと
考えられる。また、酸素は大気中から酸化または吸着さ
れたものと考えられる。
これらの不純物を合金表面から除去する方法として
は、水素中で加熱する方法、表面活性材と有機溶剤で入
念に洗浄する方法等が使用できる。
また、水素中で加熱する場合は、露点を−30℃〜+10
℃で700℃〜800℃で行うのが好ましい。
露点を−30℃未満とするのは実用上困難であり、ま
た、+10℃を超えると合金表面の酸化量が大きくなり好
ましくない。露点を上げると不純物の除去量は大きくな
るが、合金表面の酸化量も大きくなるため、材料用途に
合わせて雰囲気の露点を調整することが望ましい。
[実施例] 以下本発明の実施例について詳細に説明する。
第1表に示す組成の合金についてそれぞれ0.25mmの帯
板を作成した。
これらの製品について、725℃から800℃の範囲で2分
間、露点−30℃の水素雰囲気で加熱処理した。
得られた合金帯板の極表層部の元素分布をスパッタリ
ングによって表面を除去しつつ、ESCAで測定した。
第1図に42%Ni−Fe合金の場合で、760℃で2分間加
熱処理したものと、比較例として加熱処理を行わないも
のの合金表面から深さ方向の炭素の濃度分布を示す。
第1図からこの雰囲気加熱処理により、表層部の炭素
濃度を著しく減少できることがわかる。
第2表に第1表で示した合金について、表面より10Å
での不純物元素濃度を示した。
また、エッチング性を評価するために、エッチング速
度と表面のエッチング喰われについて測定した結果も第
2表に示した。
なお、エッチング速度については、エッチング液とし
て、40℃に加熱した比重1.38のFeCl3溶液を用い、1mmφ
の丸穴形状を両面からエッチングし、貫通し要した時間
を測定することにより評価した。
なお、表面のエッチング喰われとは、第2図(a)に
示すようにエッチング喰われ部1を有するものになるこ
とである。このとき断面は第2図(b)のようになって
いる。エッチングにおけるエッチング喰われの評価は第
2図のような喰われを生じたものを不良、喰われを確認
できなかったものを良とした。
第2表により、Fe−Ni系合金を水素雰囲気の加熱処理
により、エッチングされる表面から10Åの深さにおける
不純物濃度を低減でき、炭素濃度を20%以下とすること
により、エッチング性を極めて優れたものとすることが
できることがわかる。
(実施例2) 実施例1と同様に得られた第1表に示す合金組成の帯
板を後述する洗浄工程を施し、表面より10Åでの不純物
元素濃度と、エッチング性について測定した。結果を第
3表に示す。
洗浄工程は次の通りである。
(1)中性洗浄(表面活性剤)浸漬 10分 (2)水洗(イオン交換水) 1分 (3)トリクロロエチレン蒸気洗浄 1分 (4)トリクロロエチレン浸漬 1分 (5)アセトン洗浄 (6)乾燥 第3表より、実施例1と同様に表面から10Åの炭素濃
度を20原子%以下とすることができ、優れたエッチング
性が得られることがわかる。
このような合金は多ピンを高精度でエッチングするリ
ードフレーム材あるいは高精度のシャドウマスク材とし
て適用した場合極めて有効である。
[発明の効果] 本発明の合金によれば、エッチングにおいてエッチン
グ喰われ等の不良が発生せず、精度の高いエッチングが
可能であるため、高精度のエッチングが要求される高精
細シャドウマスク材および超多ピンリードフレーム材と
して最適である。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の炭素濃度分布を示した図、第2図
(a),(b)はエッチング喰われの説明図である。 1:エッチング喰われ部

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】Ni 30〜60重量%、Si 0.25重量%以下、Mn
    0.5重量%以下、残部Feおよび不純物からなり、エッチ
    ングされる表面より10Åの深さにおける不純物である炭
    素の濃度が20原子%以下であることを特徴とするエッチ
    ング性に優れたFe−Ni系合金。
  2. 【請求項2】Ni 25〜40重量%、Co 5〜20重量%、Si 0.
    25重量%以下、Mn 0.5重量%以下、残部Feおよび不純物
    からなり、エッチングされる表面より10Åの深さにおけ
    る不純物である炭素の濃度が20原子%以下であることを
    特徴とするエッチング性に優れたFe−Ni系合金。
  3. 【請求項3】エッチングされる表面より10Åの深さにお
    ける不純物である酸素濃度が20原子%以下であることを
    特徴とする請求項1ないし2に記載のエッチング性に優
    れたFe−Ni系合金。
  4. 【請求項4】エッチングされる表面より10Åの深さにお
    ける炭素,酸素以外の不純物の総量が5原子%以下であ
    ることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載
    のエッチング性に優れたFe−Ni系合金。
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